説明

電気加熱調理器

【課題】バンド状のヒータを容器の外周に締付ける締付け機構を備えた電気加熱調理器において、バンド状のヒータの脱落を阻止することができる、信頼性の高い電気加熱調理器を得る。
【解決手段】容器5の外周に巻かれるバンド状のヒータ4を備え、バンド状のヒータ4の両端部間を近接させてバンド状のヒータ4を締付ける締付け機構10を備えた電気加熱調理器を構成するに、バンド状のヒータ4の拡径を阻止する拡径阻止機構11を、調理器本体6に支持して設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器の外周に巻かれるバンド状のヒータ及び前記容器を収容する調理器本体を備え、前記容器に前記バンド状のヒータが巻かれた巻付け状態で、前記バンド状のヒータの両端部間を近接させて前記バンド状のヒータを前記容器の外周に締付ける締付け機構を、前記バンド状のヒータの両端部間に備え、前記バンド状のヒータの発熱により内容物を加熱調理又は保温する電気加熱調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の電気加熱調理器としては、お粥調理器、温泉たまご調理器、電気ポット、スープジャー等がある。
特許文献1には、電気ポットにおけるバンド状ヒータ2(バンド状のヒータ)の取付構造に関する考案が開示されており、この文献に開示の技術では、バンド状ヒータ2の両端部位間を、取付金具17、板バネ25及びビス24で弾性的に締付ける構造を採用し、バンド状ヒータ2の緩みによる脱落を防止する。
特許文献2には、電気保温ポットに関する考案が開示されており、バンド状ヒータ2の両端部に屈曲部3を設け、これら屈曲部3の離間移動を阻止する一対のL字補強板4を設け、バンド状ヒータ2の締付けが緩むのを防止している。
これら両文献に開示の技術は、共に、バンド状のヒータと一体に取り付けられる取付け金具を設けることで、バンド状のヒータの締付け緩みを防止する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実用新案公報 昭62−11549号公報
【特許文献2】実用新案公報 昭62−04270号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1に開示の構成では、ビスが緩んだ場合にバンド状のヒータの拡径に伴う落下を防止することができず、特許文献2に開示の構成では、例えば、バンド状のヒータに水等が接触して、バンド状のヒータの幅方向に割れ等が発生した場合に、同様にバンド状のヒータが拡径し、脱落するのを防止することができない。
【0005】
本発明の目的は、バンド状のヒータを容器の外周に締付ける締付け機構を備えた電気加熱調理器において、バンド状のヒータの脱落を阻止することができる信頼性の高い電気加熱調理器を得ることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するための、
容器の外周に巻かれるバンド状のヒータ及び前記容器を収容する調理器本体を備え、
前記容器に前記バンド状のヒータが巻かれた巻付け状態で前記バンド状のヒータの両端部間を近接させて前記バンド状のヒータを前記容器の外周に締付ける締付け機構を、前記バンド状のヒータの両端部間に備え、前記バンド状のヒータの発熱により内容物を加熱調理又は保温する電気加熱調理器の特徴構成は、
前記バンド状のヒータの拡径を阻止する拡径阻止機構を、前記容器又は前記調理器本体或いは前記調理器本体に固定して設けられる前記バンド状のヒータ及び前記締付け機構以外の部材の何れか一種若しくは複数から支持して設けたことにある。
【0007】
この電気加熱調理器には、バンド状のヒータの拡径を阻止する拡径阻止機構を設けるが、この拡径阻止機構を、容器又は調理器本体或いは調理器本体に固定して設けられるバンド状のヒータ及び締付け機構以外の部材の何れか一種若しくは複数に支持させて設ける。従って、この拡径阻止機構は、バンド状のヒータ及び締付け機構以外から支持される。結果、拡径阻止機構の位置は、バンド状のヒータ若しくはこのバンド状のヒータと一体に装備される締付け機構とは独立にその位置を守ることとなる。
【0008】
従って、この構成では、例えば締付け機構に設けられるビスの緩み、バンド状のヒータの破断等が発生したとしても、バンド状のヒータが拡径するのを、拡径阻止機構が原位置に位置する状態で阻止することができ、結果的に、締付の緩み、脱落を抑制することが可能となる。
【0009】
上記の構成において、前記バンド状のヒータの両端部は径方向に延出される径方向延出部をそれぞれ有するとともに、
前記締付け機構が前記径方向延出部を近接保持して前記バンド状のヒータを前記容器の外周に締付ける構成で、
前記拡径阻止機構が前記径方向延出部の離間移動を阻止する離間阻止部を備えて構成されていることが好ましい。
【0010】
この構成を採用することで、バンド状のヒータの容器への締付けは、従来採用されてきた比較的簡易な構成で達成することができる。さらに、拡径阻止機構に前記径方向延出部の離間移動を阻止する離間阻止部を備えるため、この概略径方向に延出される部位を利用して、バンド状のヒータのヒータ機能部位ではなく、締付けに関与する機能部位を使用して、外径方向に延びた部位でバンド状のヒータの拡径を阻止できる。
【0011】
上記の拡径阻止機構を構成するに、前記バンド状のヒータが前記締付け機構による締付け状態から拡径した状態で、前記バンド状のヒータ若しくは前記径方向延出部の外周部が当接して、前記バンド状のヒータの拡径が阻止される外径当接面を、前記拡径阻止機構に備えることが好ましい。
拡径阻止機構を構成するに、この機構に外径当接面を設けることで、バンド状のヒータの外径側からバンド状のヒータの拡径を容易に阻止できる。この場合、従来、占有されていなかった前記バンド状のヒータ若しくは前記径方向延出部に対して外径側となる部位に阻止用の部材を配設すればよく、空き空間を有効利用しながらバンド状のヒータの拡径を阻止できる。
【0012】
このような構成を採用する場合に、前記バンド状のヒータが前記締付け機構により締付けられた締付け状態で、前記バンド状のヒータ若しくは前記径方向延出部の外周部と前記外径当接面との離間間隔が1から2mmに設定されていることが好ましい。
離間間隔を1から2mmとすることで、組立て時等におけるバンド状のヒータの挿入操作を容易としながら、拡径を阻止でき落下し難い構成を達成できる。
【0013】
さて、前記バンド状のヒータが前記締付け機構による締付け状態から拡径した状態で、前記バンド状のヒータ若しくは前記径方向延出部が落下した場合に、前記バンド状のヒータ若しくは前記径方向延出部が当接して、前記バンド状のヒータの落下が阻止される落下当接面を、前記拡径阻止機構に備えることが好ましい。
拡径阻止機構を構成するに、この機構に落下当接面を設けることで、下側からバンド状のヒータの落下を阻止できる。また、拡径阻止機能を備えた拡径阻止機構に落下当接面を設けることで、拡径阻止による落下防止と、下支えによる落下防止との両方を、一の拡径阻止機構で実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本願に係る電気加熱調理器の斜視図
【図2】蓋を外した状態での本願に係る電気加熱調理器の斜視図
【図3】本願に係る電気加熱調理器の分解斜視図
【図4】本願に係る電気加熱調理器の断面図
【図5】締付け機構近傍の詳細構成を示す図
【図6】図4に示すV−V断面図
【図7】バンド状のヒータ周りの主要部材の分解斜視図
【図8】バンド状のヒータ周りの主要部材の組付け状態を示す斜視図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面に基づいて、本願に係る電気加熱調理器について説明する。
この実施形態で示す電気加熱調理器は、具体的には、お粥調理器1である。このお粥調理器1は、内鍋2内に米と所定量の水(内容物の一例)とを入れ、主操作ボタン3aをON操作すると、所定のシーケンスに従ってバンド状のヒータ4により加熱調理又は保温され、適切に調理されたお粥を得ることができる。このお粥調理器1は、図3に示すように内鍋2と外鍋5とを備えて構成されており、図4に示すように、外鍋5内に水をいれて加熱することで、間接加熱状態で調理を行うことができる。
【0016】
お粥調理器1の主要部材は、調理器本体6、その底部近傍に設けられる電子制御基板7、外鍋5、内鍋2及び蓋8である。
【0017】
調理器本体6は、有底の底部材6aの上部に、概略円筒状の上部部材6bを接続して構成されており、この調理器本体6の一側面に運転操作部3を備えて構成されている。この運転操作部3には、調理の運転開始或いは停止操作を受付ける主操作ボタン3aを備えるとともに、受付ける操作の種類を選択するためのメニューボタン3b、調理の完了時間等を指定するための予約ボタン3cが備えられるとともに、操作状況等を表示するための液晶表示部3dが設けられている。
【0018】
図2、図4に示すように、上部部材6bの上端近傍には、外鍋5のフランジ5aが載置される外鍋支持部61を備えるとともに、蓋8が載置される蓋受け部62が備えられている。
【0019】
電子制御基板7は、前記運転操作部3より入力される調理指令に従ってお粥調理器1を運転制御する基板であり、外部電源(図示せず)より電力の供給を受けて、少なくとも外鍋5の外周に巻かれたバンド状のヒータ4の作動を制御するように構成されている。
【0020】
外鍋5は、前記調理器本体6の上部部材6bに上側から挿入操作される有底筒状の部材として構成されており、先にも示したように、その外周底部近傍にバンド状のヒータ4が巻かれている。内部に水が収納された状態で、バンド状のヒータ4が働くことにより、水を加熱可能に構成されている。
【0021】
内鍋2は、前記外鍋5に収納されて支持される有底筒状の部材として構成されており、内部に調理対象の内容物が収納された状態で、バンド状のヒータ4により加熱された水により加熱調理可能に構成されている。
【0022】
蓋8は、調理器本体6の蓋受け部62に嵌る状態で、この蓋8、調理器本体6の一部及び外鍋5で閉空間を形成できるように構成されている。この蓋8の上部中央側には摘み8aが設けられるとともに、その外周側の一部部位に蒸気開放孔8bが設けられている。さらに、図4から判明するように、蓋8の下面には、内鍋2の上部外周端より外径側の位置で下垂する円筒状の下垂筒壁8cが設けられている。図4に示す、外鍋5、内鍋2が調理器本体6内に収納された調理可能な調理姿勢で、この下垂筒壁8cの下端は、蓋8の外周下端より上側で、内鍋2の上端より下側の位置に来るように構成されている。従って、内鍋2が偏心して外鍋5内に収納された状態で、蓋8を調理器本体6に載置すると、下垂筒壁8cの内径面が内筒2の上端側外径面に当接し、内鍋2の位置を調心できるように構成されている。図4には、内鍋2が外鍋5内に正常に収納された状態を示している。
【0023】
以上説明したように、この実施形態に係るお粥調理器1は、容器(この実施形態では外鍋5)の外周に巻かれるバンド状のヒータ4及び容器を収容する調理器本体6を備え、バンド状のヒータ4の発熱により内容物を加熱調理できるように構成されている。
【0024】
以上が、お粥調理器1の概略構成であるが、以下、本願独特の構成であるバンド状のヒータ周りの構成に関して説明する。
バンド状のヒータの締付け
図7、図8に示すように、外鍋5の外周底部近傍は、その上部より一段外径が小径とされており、その部位にバンド状のヒータ4を締付けて巻きつけ可能に構成されている。図8に示す、外鍋5にバンド状のヒータ4が巻かれた巻付け状態で、バンド状のヒータ4は、締付けにより発生する外鍋5とバンド状のヒータ4との間に発生する摩擦力で落下することはない。
【0025】
バンド状のヒータ4を外鍋5に締付ける構成に関して説明すると、バンド状のヒータ4の両端部間を近接させてバンド状のヒータ4を容器である外鍋5に締付ける締付け機構10が、バンド状のヒータ4の両端部間に備えられている。
さらに具体的には、バンド状のヒータ4の両端部は、肉薄の径方向に延出される径方向延出部4aをそれぞれ有している。そして、前記締付け機構10が、対を成す径方向延出部4aを近接保持してバンド状のヒータ4を外鍋5の外周に締付ける構成が採用されている。図示する形態では、一対の径方向延出部4aを近接方向に移動自在に、離間方向で、その移動を規制する移動規制板10aをそれぞれ設け、これら移動規制板10aの一方に規制ボルト10bが貫通する貫通孔101、他方にこの規制ボルト10bが螺合する螺号孔102を設け、これら移動規制板10a間に渡って貫通する規制ボルト10bを貫通・螺号させることで、径方向延出部4a間が離間移動するのを防止し、この規制ボルト10bを締付けることで、バンド状のヒータ4が外鍋5の外周に締付けられる構成が採用されている。
上記の締付け機構10を設けることで、バンド状のヒータ4は外鍋5の外周に充分な締付け力を有して巻きつけられるため、バンド状のヒータ4が拡径・落下することはない。しかしながら、先にも説明したように、上記の規制ボルト10bによる規制が緩くなったり、バンド状のヒータ4が、その幅方向(図7、図8の上下方向)に何らかの理由により断裂することがある。
本願に係るお粥調理器1では、このような緩み、断裂時に、バンド状のヒータ4が拡径或いは落下しないように構成されている。以下、この構成に関して説明する。
【0026】
バンド状のヒータの拡径・落下防止
外鍋5と調理器本体6を成す底部材6aとの間には、図4に示すように、電子制御基板7が配設されるとともに、その上側に本願独特の拡径・落下防止部材11が配設されている。
電子制御基板7は底部材6aから支持されている。一方、拡径・落下防止部材11は、
容器5にスポット溶接されており、底部材6aに拡径・落下防止部材11をネジ止めすることで、容器5、拡径・落下防止部材11がともに固定支持されている。
【0027】
拡径・落下防止部材11(拡径阻止機構の一例)は、図4、図5、図6に示されるように、調理器本体6を径方向に横断して配設支持される第1部材11aと、この第一部材11aの一方端に一体に取り付けられる第2部材11bとを備えて構成されている。
【0028】
第1部材11aは、概略、方形の長手部材を折り曲げて構成されており、先に説明した締付け機構10側に第2部材11bが連結される第2部材連結部111を備えている。この第2部材連結部111の上面には外鍋5が載置される。前記第2部材連結部111とは反対側の端部には、上側に湾曲された上側湾曲部112が設けられており、この上側湾曲部112の上面に外鍋5が載置される構成が採用されている。この上側湾曲部112の上端2Sが、「落下当接面」の一部となる。さらに、上記上側湾曲部112の長手方向端は、バンド状のヒータ4の下側に配置される構成が採用されている。そして、第2部材連結部111と上側湾曲部112との間に、調理器本体6の中央を挟む位置関係で中央振り分けで、調理器本体6を成す底部材6aにより支持される被支持部113が設けられている。この被支持部113は、図4に示すように、第1部材11aの最も下側に位置される構成が採用されている。
【0029】
第2部材11bは、図4に示す上下方向の断面視で略L字型に構成されるとともに、図6に示すように、平面視でバンド状のヒータ4の平面視接線方向(図6に示すM方向)に長い方形の部材として構成されている。更に詳細に説明すると、上記接線方向の両端側に図4、図7において上方向に延び、当該上下方向でバンド状のヒータ4若しくは径方向延出部4aの一部で重なり、この一部に対してその外径側に位置する拡径阻止部114を備えている。この拡径阻止部114も、図6に示すように前記接線方向に延びる構成が採用されている。無論、周方向に延びる構成を採用してもよい。この拡径阻止部114の内径側面S1が本願にいう「外径当接面」を構成し、この内径側面S1の前記接線方向で第1部材11aの短軸の中央側に位置する端部110が本願にいう「離間阻止部」を構成する。この実施形態では、径方向延出部4aの一部と拡径阻止部114との最小離間隙間は1〜2mmとされている。バンド状のヒータ4が締付け機構10により締付けられた締付け状態で、バンド状のヒータ4若しくは径方向延出部4aの外周部と外径当接面S1との離間間隔も、概略1〜2mmに設定されている。
【0030】
前記一対の拡径阻止部114の間で、内径側の位置に、上記接線方向の中央振り分けで、第1部材11aが連結される第1部材連結部115を備えている。実施の形態では、第1部材11aと第2部材11b(第1部材連結部115)との連結は連結ボルト116による螺合連結としている。従って、この第2部材11bの拡径阻止部114以外の上面S2が本願の「落下当接面」を構成する。
【0031】
図4、図5、図6、図7等に示すように、上記一対の径方向延出部4aと第2部材11bとの間に挟持される形態で、ケーブル保持部材12が配設されている。このケーブル保持部材12により、バンド状のヒータ4の電源線、制御線(共に図示省略)等を確実に保持できる。
【0032】
以上説明したように、本願に係るお粥調理器1では、バンド状のヒータ4の拡径を阻止する拡径阻止機構が、調理器本体6に支持される構成で設けられている。
そして、拡径阻止機構が径方向延出部4aの離間移動を阻止する離間阻止部110を備え、バンド状のヒータ4が締付け機構10による締付け状態から拡径した状態で、径方向延出部4aの外周部が当接して、バンド状のヒータ4の拡径が阻止される外径当接面が、拡径阻止機構に備えられている。
さらに、この状態で、径方向延出部が落下した場合には、この径方向延出部4aが当接して、バンド状のヒータ4の落下が阻止される落下当接面が、拡径阻止機構に備えられている。
【0033】
結果、締付け機構の締付け不良、繰り返し熱応力によるバンド状のヒータ4の緩み、バンド状のヒータ4の断裂等の問題が発生しても、バンド状のヒータ4の拡径が阻止されるとともに、その落下が阻止され、一般に樹脂材で形成される底部材にバンド状のヒータ4が当接し、底部材6aの損傷を回避することができる。
【0034】
〔別実施形態〕
1. 上記の実施の形態では、電気加熱調理器がお粥調理器である例を示したが、本願構成は、加熱調理又は保温用のバンド状のヒータを備えた電気加熱調理器一般に採用することができる。例えば、温泉たまご調理器、電気ポット、スープジャー等にも採用できる。本願にあっては、湯を得るための水も本願にいう内容物に含むものとする。
2. 上記の実施の形態では、拡径・落下防止部材を外鍋の底面から支持する構成を採用したが、バンド状のヒータ及びこれに装備される締付け機構以外の部材で支持する構成を採用できる。即ち、バンド状のヒータ及びこれに装備される締付け機構が落下するとしても、拡径・落下阻止部材の原位置が維持されるのであれば、その支持構造を問うものではない。例えば、先に示した例の場合、底部材から支持しても良いし、調理器本体の何れかの部位から支持するものとしてもよい。
3. 上記の実施の形態では、拡径時、外径当接面は径方向延出部に当接する例を示したがバンド状のヒータのヒータ機能部に当接するものとしてもよい。
4. 上記の実施の形態では、落下時、落下当接面は径方向延出部に当接する例を示したがバンド状のヒータのヒータ機能部に当接するものとしてもよい。
5. 上記の実施の形態では、内鍋、外鍋を備え、間接加熱可能な電気加熱調理器の例を示したが、内鍋を備えない直接加熱型の構成としてもよい。
6. 上記の実施形態では、拡径・落下防止部材が拡径阻止機構を構成するとともに、落下防止機構をも構成する例を示したが、これら機構部位の機能を別々に果たす別部材で構成してもよい。
7. 上記の実施の形態では、バンド状のヒータが、その平面視(調理器の上面視)で、環状の加熱機能を有するヒータ機能部を備え、その両端部に径方向延出部を備えた構成を示した。しかしながら、上記のヒータ機能部は、平面視で六角形状或いは四角形状等、環状以外の形状となっていてもよい。このような環状以外の構成を採る場合にあっても、本願のバンド状のヒータは、その両端部に径方向延出部を備えた構成とする。この場合、径方向延出部は、ヒータ機能部の基本形状に対して、その外側に延出されている部位となる。なお、上記のヒータ機能部が環状以外の構成を採る場合において、拡径とは、バンド状のヒータが容器に巻き付けられた巻付け状態よりも、容器とは反対側(外側)に移動した状態をいう。
【符号の説明】
【0035】
1 お粥調理器(電気加熱調理器)
4 バンド状のヒータ
4a 径方向延出部(端部)
5 外鍋(容器)
6 調理器本体
10 締付け機構
11 拡径・落下防止部材(拡径阻止機構・落下防止機構)
110離間阻止部
S1 外径当接面
S2 落下当接面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器の外周に巻かれるバンド状のヒータ及び前記容器を収容する調理器本体を備え、
前記容器に前記バンド状のヒータが巻かれた巻付け状態で、前記バンド状のヒータの両端部間を近接させて前記バンド状のヒータを前記容器の外周に締付ける締付け機構を、前記バンド状のヒータの両端部間に備え、
前記バンド状のヒータの発熱により内容物を加熱調理又は保温する電気加熱調理器であって、
前記バンド状のヒータの拡径を阻止する拡径阻止機構を、前記容器又は前記調理器本体或いは前記調理器本体に固定して設けられる前記バンド状のヒータ及び前記締付け機構以外の部材の何れか一種若しくは複数に支持して設けた電気加熱調理器。
【請求項2】
前記バンド状のヒータの両端部は径方向に延出される径方向延出部をそれぞれ有するとともに、
前記締付け機構が前記径方向延出部を近接保持して前記バンド状のヒータを前記容器の外周に締付ける構成で、
前記拡径阻止機構が前記径方向延出部の離間移動を阻止する離間阻止部を備えて構成されている請求項1記載の電気加熱調理器。
【請求項3】
前記バンド状のヒータが前記締付け機構による締付け状態から拡径した状態で、前記バンド状のヒータ若しくは前記径方向延出部の外周部が当接して、前記バンド状のヒータの拡径が阻止される外径当接面を、前記拡径阻止機構に備えた請求項2記載の電気加熱調理器。
【請求項4】
前記バンド状のヒータが前記締付け機構により締付けられた締付け状態で、前記バンド状のヒータ若しくは前記径方向延出部の外周部と前記外径当接面との離間間隔が1から2mmに設定されている請求項3記載の電気加熱調理器。
【請求項5】
前記バンド状のヒータが前記締付け機構による締付け状態から拡径した状態で、前記バンド状のヒータ若しくは前記径方向延出部が落下した場合に、前記バンド状のヒータ若しくは前記径方向延出部が当接して、前記バンド状のヒータの落下が阻止される落下当接面を、前記拡径阻止機構に備えた請求項2〜4のいずれか一項記載の電気加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−272238(P2010−272238A)
【公開日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−121065(P2009−121065)
【出願日】平成21年5月19日(2009.5.19)
【出願人】(000002473)象印マホービン株式会社 (440)
【Fターム(参考)】