電気化学デバイス
【課題】 インピーダンス特性に優れた巻回型の電気化学デバイスを提供することを目的とする。
【解決手段】 アノード電極Aを構成する帯状電極は、帯状の主金属箔A1及び主金属箔A1の両面にそれぞれ設けられた一対の活物質層AE1,AE2を有している。カソード電極Kを構成する帯状電極は、帯状の主金属箔K2及び主金属箔K2の両面にそれぞれ設けられた一対の活物質層KE1,KE2を有している。主金属箔の重なっていない領域における主金属箔のそれぞれの一方面側に活物質層AE2,KE2が形成されていない露出領域が設定され、それぞれの他方面側には活物質層AE1,KE1が全面に形成されている。
【解決手段】 アノード電極Aを構成する帯状電極は、帯状の主金属箔A1及び主金属箔A1の両面にそれぞれ設けられた一対の活物質層AE1,AE2を有している。カソード電極Kを構成する帯状電極は、帯状の主金属箔K2及び主金属箔K2の両面にそれぞれ設けられた一対の活物質層KE1,KE2を有している。主金属箔の重なっていない領域における主金属箔のそれぞれの一方面側に活物質層AE2,KE2が形成されていない露出領域が設定され、それぞれの他方面側には活物質層AE1,KE1が全面に形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池や電気二重層キャパシタ(EDLC)などの電気化学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の巻回電極を用いた電気化学デバイス(電池、EDLC)に関する技術は、特許文献1〜11に開示されている。特許文献1は金属箔スペーサに関する技術について開示し、特許文献2は樹脂スペーサに関する技術について開示し、特許文献3は絶縁テープの貼付に関する技術について開示し、特許文献4は巻回端面への端子取付に関する技術について開示し、特許文献5は保護層形成に関する技術について開示し、特許文献6は金属帯取付に関する技術について開示し、特許文献7は絶縁スペーサ膜取付に関する技術について開示し、特許文献8はセパレータをスペーサで隔離する技術について開示し、特許文献9は絶縁スペーサ層を用いた技術について開示し、特許文献10、特許文献11は金属スペーサ帯を用いた技術について開示している。
【0003】
多くの巻回型の電気化学デバイスでは、一対の帯状電極と、一対の帯状のセパレータを交互に重ねて配置する。1つの帯状電極の上下面には活性炭がバインダ樹脂によって塗布されている。重ねられたものを巻芯の周囲に巻きつけ、巻きつけられた電極の幅方向の端部同士を直接溶着してそのまま取出電極として用いている。ここで、帯状電極を直接溶着するのは、余分な端子をこれに取り付けると、インピーダンスが高くなるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−298921号公報
【特許文献2】特開2000−021436号公報
【特許文献3】特開2005−235414号公報
【特許文献4】特開2005−347608号公報
【特許文献5】特開2007−095656号公報
【特許文献6】特開2007−335814号公報
【特許文献7】特開2008−193010号公報
【特許文献8】特開平05−109435号公報
【特許文献9】特開平07−130389号公報
【特許文献10】特開平11−135100号公報
【特許文献11】特開平11−283606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単純に巻回体の幅方向端部を取出電極とする場合、帯状電極の幅方向端部間に隙間ができてしまう。この隙間の存在により、帯状電極が変形してインピーダンス特性が劣化したり、ばらつくことになる。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、インピーダンス特性と放熱特性とに優れた巻回型の電気化学デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明に係る電気化学デバイスは、巻回された帯状の積層体と、前記積層体を電解液と共に収納する包囲体とを備え、前記帯状の積層体が、一対の帯状電極と前記帯状電極の一方を挟む一対のセパレータとを有し、それぞれの前記帯状電極は、帯状の主金属箔及び前記主金属箔に設けられた活物質層を有する巻回型の電気化学デバイスにおいて、帯状の前記主金属箔の隣接するもの同士の位置は幅方向に沿ってずれており、これらが重なっていない領域における前記主金属箔のそれぞれの一方面側に前記活物質層が形成されていない露出領域が設定され、それぞれの他方面側には前記活物質層が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、主金属箔の重なっていない他方面側の領域において、活物質層が形成されているため、かかる領域が機械的に強化されており、その変形が抑制される。したがって、変形に起因する端子間のインピーダンス変化が抑制される。特に、活物質層の高密度化を行うために、厚み方向にプレス処理を行う場合などには、上記露出領域は変形が生じやすいが、本発明では、当該変形は抑制される。
【0009】
また、他方面側に対向する一方面側には、活物質層は形成されていないため、他方面側の活物質層は、実効的に電荷蓄積に寄与していない。したがって、露出領域の主金属箔を端子用の電極板などに溶接する場合において、かかる領域の活物質層が損傷しても、インピーダンス特性などの素子特性に影響を与えないという利点がある。
【0010】
また、前記他方面は、これに対応する前記一方面よりも、巻回の中心軸から遠くに位置する、ことを特徴とする。すなわち、他方面は、巻回時において、一方面よりも外側に位置している。他方面には、活物質層が形成されており、活物質層は形成時に若干縮むので、内部に引張り応力が残留している。したがって、これを外側にして帯状電極の巻回を行うと、引張り応力に抗して巻回が行われることとなり、大きな力で巻回を行うことができ、帯状電極の隣接材との密着性が高くなり、巻回された積層体の強度は高くなる。
【0011】
また、前記主金属箔の前記一方面上には、補助金属箔が設けられていることを特徴とする。すなわち、補助金属箔は、主金属箔の重なっていない上記露出領域の機械的強度を更に高くすることができる。また、補助金属箔は、他方面側の活物質層と共に、主金属箔の露出領域における径方向の可動範囲を狭めるので、主金属箔の位置ずれによるインピーダンス変化を抑制することができる。また、積層方向の断面積が、主金属箔単体の場合よりも大きくなるため、これに電極板などを溶接する場合には、接合面積が大きくなる。電極板との接触面積が増加すると、これらの接触抵抗を減少させることができ、素子の内部抵抗を抑えることができ、出力が向上する。
【0012】
また、前記補助金属箔の厚みは、前記活物質層の厚みと同一であることが好ましい。この場合、厚み方向にプレス処理を行う場合においても、活物質層と補助金属箔に均等に圧力がかかるため、これらが設けられた主金属箔の変形を抑制することができ、変形に伴うインピーダンス変化を抑制することができる。
【0013】
前記補助金属箔が複数であってこれらの補助金属箔がその長手方向に沿って断続的に設けられ、且つ、個々の前記補助金属箔は、前記主金属箔に対して、前記長手方向の一箇所の位置のみで溶接されていることが好ましい。この場合、補助金属箔の内部に応力が蓄積されにくい。換言すれば、補助金属箔間の隙間によって、巻回の際の主金属箔と補助金属箔の内外周差により生じるヨレを吸収でき、また、長手方向(巻回後の周方向)の一箇所の位置のみで溶接されているので、積層体を巻回した構造体の変形を抑制することができ、インピーダンスばらつきと品質誤差の少ない電気化学デバイスを提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電気化学デバイスはインピーダンス特性に優ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】巻回型の電気化学デバイスに用いられる積層体の分解斜視図である。
【図2】巻回型の電気化学デバイスに用いられる積層体の斜視図である。
【図3】巻芯に巻きつけられた積層体の斜視図である。
【図4】蓋となる電極板取付前の電気化学デバイスの縦断面図である。
【図5】蓋となる電極板取付時の電気化学デバイスの斜視図である。
【図6】蓋となる電極板取付後の電気化学デバイスの縦断面図である。
【図7】積層構造を詳細に説明するための積層体の断面図である。
【図8】巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【図9】巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【図10】巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【図11】補助金属箔を更に備えた電極構造の断面図である。
【図12】補助金属箔を更に備えた電極構造の斜視図(A)と、断面図(B)である。
【図13】補助金属箔を更に備えた電極構造の斜視図(A)と、断面図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態に係る電気化学デバイスについて説明する。同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、巻回型の電気化学デバイスに用いられる積層体の分解斜視図であり、図2は、巻回型の電気化学デバイスに用いられる積層体の斜視図である。この電気化学デバイスは、電気二重層キャパシタ(EDLC)であるが、この構造は通常の電池にも適用できる。
【0018】
この積層体は、帯状であり、一対の帯状電極(アノード電極A、カソード電極K)と、帯状電極の一方(本図ではカソード電極K)を挟む一対のセパレータS1,S2とを有している。以下の説明では、三次元直交座標系が設定されており、帯状電極の幅方向をZ軸方向とし、厚み方向をX軸方向とし、これらの双方に垂直な長手方向をY軸とする。
【0019】
アノード電極Aを構成する帯状電極は、帯状の主金属箔A1及び主金属箔A1の両面にそれぞれ設けられた一対の活物質層AE1,AE2を有している。カソード電極Kを構成する帯状電極は、帯状の主金属箔K2及び主金属箔K2の両面にそれぞれ設けられた一対の活物質層KE1,KE2を有している。帯状の主金属箔A1,K2の隣接するもの同士の位置は幅方向(Z軸方向)に沿ってずれており、これらが重なっていない領域における主金属箔A1,K2のそれぞれの一方面側(図1の下面側)に活物質層AE2,KE2が形成されていない露出領域(図7の寸法Z3で示される)が設定され、それぞれの他方面側(図1の上面側)には活物質層AE1,KE1が全面に形成されている。すなわち、上述の露出領域の反対面側には、活物質層AE1,KE1が形成されている。
【0020】
上記露出領域は、主金属箔A1の下面において長手方向(Y軸)に沿って延びている。また、上記露出領域は、主金属箔K2の下面において長手方向(Y軸)に沿って延びている。それぞれの主金属箔A1,K2における露出領域は、Z軸方向に沿って離間している。
【0021】
セパレータS1,S2の幅は互いに等しく、上面の活物質層AE1,KE1の幅も互いに等しい。また、下面の活物質層AE2,KE2の幅も互いに等しい。セパレータS1,S2の幅の方が、狭幅の活物質層AE2,KE2の幅よりも若干広い。上述の関係は、積層体の巻回後においても保持されるが、巻回後においては、主金属箔A1,K2は、幅方向(Z軸方向)の両端に設けられる蓋となる電極板L1,L2とそれぞれ接触する(図6参照)。なお、主金属箔A1,K2は、それぞれ、電極板L1,L2に対して溶接され、特に、レーザ溶接される(図6参照)。
【0022】
なお、上述のセパレータS1,S2、活物質層AE1,AE2、KE1,KE2、金属箔A1,K2の材料としては、公知のものを用いればよい。これらの材料について、以下に一例を示すが、本発明は、これらの材料に限定されるものではない。
【0023】
セパレータS1,S2は、例えば重量比10%以上のポリオレフィン系樹脂を含有した不織布または多孔質フィルムからなる。ポリオレフィン系樹脂の軟化点温度以上の温度環境下で、一対の分極性電極に圧力を加えることにより、分極性電極とセパレータとは接着することもできる。セパレータとして、セルロース不織布やアラミド繊維の不織布を用いることもできる。
【0024】
活物質層AE1,AE2、KE1,KE2は分極性電極である。この分極性電極は、多孔質材料からなり、活性炭にバインダ樹脂を混ぜて製造する。バインダ樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素を含む高分子化合物、又は、スチレンブタジエンゴムのようなゴム系の高分子化合物が挙げられる。必要に応じてカーボンブラック、カーボンナノチューブ、又は黒鉛の微粒子、微細繊維を導電助剤として配合することもできる。製造時においては、これらの材料を、ノズルから出射して、主金属箔の両面に塗布する。
【0025】
主金属箔A1、K2は集電体であり、アルミニウム箔や銅箔の表面をエッチングによって表面を荒く加工したもの使用することができる。なお、電極製造方法として、活性炭に導電補助剤とバインダを加えてシート状にして集電極に接着する方法のほか、活性炭をスラリー状にして集電極に塗工する方法なども無数に存在する。
【0026】
図3は、巻芯に巻きつけられた積層体の斜視図である。
【0027】
外面が円筒面を有する巻芯Bの周囲に、図1及び図2に示した積層体が巻きつけられ、これらから電気化学デバイス本体10が構成される。巻芯Bの中心軸はZ軸であり、積層体はZ軸回りに巻回されることになる。軸芯から離れるに従って、アノード電極Aとカソード電極Kとが交互に積層されており、これらの間にはセパレータS1,S2が介在している。Z軸方向に端部には、主金属箔A1,K2の端部が位置している。Z軸の正方向端部においては、XZ平面内において、カソード電極Kの主金属箔K2(図1参照)が径方向に沿って隣接して配置されている。Z軸の負方向端部においては、XZ平面内において、アノード電極Aの主金属箔A1(図1参照)が径方向に沿って隣接して配置されている。
【0028】
図4は、蓋となる電極板取付前の電気化学デバイスの縦断面図(XZ断面図)である。
【0029】
この電気化学デバイスの製造においては、電気化学デバイス本体10を、筒体Hの内部に、それぞれの軸を一致させて挿入し、筒体Hの両端開口部を蓋である電極板L1,L2によって順次封止するが、一方の電極板L1の封止前に電解液を包囲体内部に導入する。この封止には接着剤を用いることもできる。筒体H及び電極板L1,L2から包囲体が構成される。筒体Hの形状は円筒形の他、角筒形とすることもできる。また、巻芯Bの外面形状を角筒面とすることも可能である。巻芯B及び筒体Hの材料としては、アノード電極とカソード電極間の短絡を防止できるものであれば、各種材料を用いることができるが、例えば、絶縁体を用いることができる。巻芯B或いは筒体Hの構造は、絶縁体筒の両端に、金属筒を接合したものであってもよい。
【0030】
図5は、蓋となる電極板取付時の電気化学デバイスの斜視図であり、図6は、蓋となる電極板取付後の電気化学デバイスの縦断面図(XZ断面図)である。
【0031】
この電気化学デバイスは、巻回された帯状の積層体と、積層体を電解液LQと共に収納する包囲体とを備えている。上述のように、包囲体は筒体Hと電極板L1,L2からなる。電極板L1,L2と、主金属箔A1,K2とをそれぞれ電気的に接続するため、電極板L1,L2に外側からレーザビームLBを照射し、照射位置を溶解し、これらの内側にそれぞれ位置する主金属箔A1,K2と電極板L1,L2とを接合する。レーザビームLBの照射位置には、凹部Dが形成される。複数の凹部DはXY平面内において放射状に形成されている。なお、レーザビームLBに代えて、高圧で電流を電極板L1,L2に与えることで、電流供給部位を溶解し、同様に、これらの内側にそれぞれ位置する主金属箔A1,K2と電極板L1,L2とを接合することもできる。なお、包囲体の内部には電解液LQが封入されている。
【0032】
電解液LQとしては水溶液系と有機系のものが知られている。有機系の電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート、アセトニトリルなどあり、溶質としては、アンモニウム塩、アミン塩、或いはアミジン塩などが知られている。
【0033】
図7は、積層構造を詳細に説明するための積層体の断面図である。
【0034】
Z軸方向に関する寸法について説明すると、寸法Z1は主金属箔A1,K2の幅、寸法Z2は狭幅側の活物質層AE2,KE2の幅、寸法Z3は露出領域の幅(Z1−Z2)、寸法Z4は活物質層AE2,KE2からセパレータがZ方向に突出した距離、寸法Z6はセパレータS1,S2の幅を示している。
【0035】
X軸方向に関する寸法について説明すると、寸法X1は、主金属箔A1,K2の厚み、寸法X2は、活物質層AE1,AE2,KE1,KE2の厚み、寸法X3は、セパレータS1,S2の厚みである。
【0036】
それぞれの寸法の好適範囲は以下の通りである。
【0037】
10mm≦Z1≦1000mm
5mm≦Z2≦995mm
2mm≦Z3≦50mm
1mm≦Z4≦10mm
7mm≦Z6≦997mm
10μm≦X1≦200μm
10μm≦X2≦500μm
10μm≦X3≦50μm
上述の範囲に関して、Z1の範囲は電極箔の現実的な幅を示している。Z2の範囲は実際的に塗布可能な活物質層の幅(電極幅)を示している。Z3で規定される領域は素子機能に影響を与えないので、小型化の観点からは小さい方が好ましく、帯状電極の巻回後に幅方向両端をZ軸に垂直に切断することで、切断面をフラットにし、幅を任意に設定することができる。但し、下限値を下回ると有効に機能する活物質層を溶接時に損傷する虞があるため、下限値以上であることが好ましく、上限値を超える場合には装置が大型化するため、上限値以下であることが好ましい。
【0038】
また、Z4はセパレータはみ出し量を規定するものであり、この範囲は電気特性に影響を与るものではなく、分離した金属箔が接触しない程度のマージンを有している。Z6はセパレータの幅であるため、Z2に2mmを加えた値として設定した。
【0039】
X1の範囲は、集電体の現実的な厚みの範囲であり、厚い方が、抵抗が低くなり、且つ、強度も高くなるという観点から好ましいが、単位体積当たりの集積度は低くなり多くの電荷を蓄積することができなくなる。比較的低抵抗で損傷にしくいためには、下限値以上の厚みが好適であり、集積度を大きく劣化させることなく、低抵抗で強度が十分に保持できる厚みは上述の上限値以下の値である。
【0040】
X2の範囲は、活物質層の現実的な厚み範囲を規定しており、電極活性炭粒子の接触抵抗が減るので、薄いほど厚み方向の内部抵抗は低くなる利点があるため、上記の上限値以下であることが好ましいが、薄すぎる場合には、活物質層としての機能が十分でなくなるため、上記の下限値以上であることが好ましい。
【0041】
X3の範囲は、セパレータの現実的な厚み範囲であり、薄いほうが厚み方向の内部抵抗が小さくなるという利点があるため、上記の上限値以下であることが好ましいが、薄すぎる場合には、セパレータとしての機能が十分ではなく、セパレータで分離された活物質層が実効的に短絡してしまうため、上記の下限値以上であることが好ましい。
【0042】
上述の電気化学デバイスによれば、主金属箔の重なっていない他方面側(図7の上面側)の領域において、活物質層AE1,KE1が形成されているため、かかる領域が機械的に強化されており、その変形が抑制される。したがって、変形に起因する端子間のインピーダンス変化が抑制される。特に、活物質層の高密度化を行うために、厚み方向にプレス処理を行う場合などには、上記露出領域は変形が生じやすいが、本形態では、当該変形は抑制される。
【0043】
また、他方面側(図7の上面側)に対向する一方面側(図7の下面側)には、活物質層AE2,KE2は形成されていないため、他方面側の活物質層AE1,KE1は、実効的に電荷蓄積に寄与していない。したがって、露出領域(Z3)の主金属箔A1,K2を端子用の電極板などに溶接する場合において、かかる領域の活物質層AE1,KE1が損傷しても、インピーダンス特性などの素子特性に影響を与えないという利点がある。
【0044】
また、活物質層AE1,KE1が、主金属箔A1,K2の露出領域における径方向(図7ではX軸方向)の可動範囲を若干狭めるので、主金属箔A1,K2のX軸方向の位置ずれによるインピーダンス変化を若干抑制することができる。
【0045】
また、前記他方面(図7のA1,K2の上面)は、これに対応する前記一方面(図7のA1,K2の下面)よりも、巻回の中心軸(Z軸)から遠くに位置する。すなわち、他方面(図7のA1,K2の上面)は、巻回時において、一方面(図7のA1,K2の下面)よりも外側に位置している。他方面(図7のA1,K2の上面)には、活物質層AE1,KE1が形成されており、活物質層は形成時に若干縮むので、内部に引張り応力が残留している。したがって、これを外側にして帯状電極の巻回を行うと、引張り応力に抗して巻回が行われることとなり、大きな力で巻回を行うことができ、帯状電極の隣接材との密着性が高くなり、巻回された積層体の強度は高くなる。
【0046】
図8は、上記第1の実施形態に係る巻かれた積層体の一部分の斜視図である。同図は、アノード電極又はカソード電極のZ軸方向端部の形状を示している。
【0047】
上述の露出領域には、活物質層AE2あるいはKE2は形成されていない。また、他方面(図7のA1,K2の上面)は、巻回時において、一方面(図7のA1,K2の下面)よりも外側に位置している。巻回の中心軸はZ軸であって、主金属箔A1又はK2の湾曲中心に位置している。
【0048】
図9は、第2の実施形態に係る巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【0049】
上記では、活物質層AE1(KE1)は、主金属箔A1(K2)の全面に形成されていたが、活物質層AE1(KE1)は、一部分の領域RKには、形成されてなくてもよい。切り欠き領域RKは、主金属箔A1(K2)のZ軸方向端部からZ軸に沿って延びたスリット形状をしており、かかる場合においても、上述の露出領域に形成された活物質層AE1(KE1)が、主金属箔A1(K2)を補強している。
【0050】
図10は、第3の実施形態に係る巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【0051】
第1の実施形態では、活物質層AE1(KE1)は、主金属箔A1(K2)の全面に形成されていたが、第3実施形態においても、活物質層AE1(KE1)は、一部分の領域RKには、形成されていない。切り欠き領域RKの外縁形状は、主金属箔A1(K2)のZ軸方向端部から延びた円弧の一部であり、かかる場合においても、上述の露出領域に形成された活物質層AE1(KE1)が、主金属箔A1(K2)を補強している。
【0052】
図11は、補助金属箔T1,T2を露出領域上に更に備えた電極構造の断面図である。
【0053】
主金属箔A1,K2の前記一方面(図11の下面)には、補助金属箔T1,T2が設けられている。すなわち、補助金属箔T1,T2は、主金属箔A1,K2の重なっていない上記露出領域の機械的強度を更に高くすることができる。また、補助金属箔T1,T2は、他方面側(図11の上面)の活物質層AE1、KE1と共に、主金属箔A1,K2の露出領域における径方向の可動範囲を狭めるので、主金属箔A1,K2の径方向の位置ずれによるインピーダンス変化を抑制することができる。また、積層方向の断面積が、主金属箔A1,K2単体の場合よりも大きくなるため、これに電極板などを溶接する場合には、接合面積が大きくなる。電極板との接触面積が増加すると、これらの接触抵抗を減少させることができ、素子の内部抵抗を抑えることができ、出力が向上する。
【0054】
また、かかる接触部位を介して放熱を行うことができる。したがって、この電気化学デバイスは、インピーダンス特性と放熱特性に優ることとなる。なお、補助金属箔T1,T2の厚み(X4とする)は、上記観点から、可能な限り大きな方が好ましい。
【0055】
また、補助金属箔T1,T2の厚みが、活物質層AE2,KE2の厚みと同一であることが好ましい。この場合、厚み方向にプレス処理を行う場合においても、活物質層と補助金属箔に均等に圧力がかかるため、これらが設けられた主金属箔の変形を抑制することができ、変形に伴うインピーダンス変化を抑制することができる。なお、同一とは、一方の厚みに対して±5%以内の誤差を含むこととする。
【0056】
図12及び図13は、補助金属箔を更に備えた電極構造の斜視図(A)と、断面図(B)である。
【0057】
それぞれのアノード電極及びカソード電極において、補助金属箔T1,T2が複数であってこれらの補助金属箔T1,T2がその長手方向に沿って断続的に設けられ、且つ、個々の補助金属箔T1,T2は、主金属箔A1,K2に対して、長手方向(図11のY軸:巻回後の周方向)の一箇所の位置Pのみ(本例では、巻き始め位置より側の1点)で溶接されていることが好ましい。この場合、補助金属箔T1,T2の内部に応力が蓄積されにくい。換言すれば、補助金属箔T1(又はT2)間の隙間によって、巻回の際の主金属箔A1(K2)と補助金属箔T1(T2)の内外周差により生じるヨレを吸収でき、また、長手方向(巻回後の周方向)の一箇所の位置Pのみで溶接されているので、積層体を巻回した構造体の変形を抑制することができ、インピーダンスばらつきと品質誤差の少ない電気化学デバイスを提供することができる。
【0058】
図12(B)及び図13(B)の断面図に示すように、補助金属箔T1,T2は、レーザビームLBを図11のX軸方向から照射されることで、その一部が溶解し、下部の主金属箔A1(K2)に混合し、冷却時に固定され、これらは電気的に接続される。補助金属箔T1,T2の表面には、レーザビーム照射跡Pが形成され、これは若干の凹部を構成する。1つの補助金属箔T1(T2)において、溶接跡Pは帯状電極の巻き始め側に、位置するのが応力を蓄積しないという意味では好ましいが、別の位置でもよい。また、周方向の一箇所の位置のみで溶接されていれば、溶接箇所は、1つの補助金属箔T1(T2)当たり2箇所であってもよい。すなわち、図12(B)及び図13(B)で言えば、Y軸の同一座標位置に2箇所の溶接跡Pが隣接して存在している場合も、その長手方向(周方向)の一箇所の位置のみで溶接されていることになる。
【0059】
また、補助金属箔T1,T2の材料は、主金属箔A1,K2の材料と同一であることが好ましい。例えば、双方ともアルミニウム或いは銅からなる。この場合、双方の材料は容易に溶接することができ、また、接触時に材料間の電位差も発生しないため、特性が安定するという利点もある。補助金属箔T1,T2と、主金属箔A1,K2とは、電気的に接続されており、レーザ光などで溶着(溶接)されていることが好ましいが、この溶接は、上記積層体を巻回しながら逐次行うことが好ましい。なぜならば、これらの間に応力が発生しにくいからである。
【0060】
また、補助金属箔T1.T2が、主金属箔A1,K2の長手方向(巻回後には周方向となる)に沿って、主金属箔A1,K2に連続的又は断続的に溶接されている場合には、これらを強固に固定することができる。
【0061】
活物質層AE2,KE2と、補助金属箔T1,T2とは物理的に離間していてもよいが、これらは若干接触していてもよい。
【0062】
以上、説明したように、上述の構造によれば、Z軸方向の端部の主金属箔の変形が抑制されるため、端子と溶着されない箇所の発生が抑制され、インピーダンス特性が向上する。また、活物質層の未塗布部分に、活物質層と同じ厚さの補助電極箔を溶着すると、主金属箔の下面においても、全面がフラットな構造となるため、厚み方向へのプレス処理時において、これらに均等に圧力がかかり、不規則な変形が抑制される。
【符号の説明】
【0063】
A・・・アノード電極、A1,K2・・・主金属箔、AE1,AE2,KE1,KE2・・・活物質層、K・・・カソード電極、T1,T2・・・補助金属箔。
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池や電気二重層キャパシタ(EDLC)などの電気化学デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の巻回電極を用いた電気化学デバイス(電池、EDLC)に関する技術は、特許文献1〜11に開示されている。特許文献1は金属箔スペーサに関する技術について開示し、特許文献2は樹脂スペーサに関する技術について開示し、特許文献3は絶縁テープの貼付に関する技術について開示し、特許文献4は巻回端面への端子取付に関する技術について開示し、特許文献5は保護層形成に関する技術について開示し、特許文献6は金属帯取付に関する技術について開示し、特許文献7は絶縁スペーサ膜取付に関する技術について開示し、特許文献8はセパレータをスペーサで隔離する技術について開示し、特許文献9は絶縁スペーサ層を用いた技術について開示し、特許文献10、特許文献11は金属スペーサ帯を用いた技術について開示している。
【0003】
多くの巻回型の電気化学デバイスでは、一対の帯状電極と、一対の帯状のセパレータを交互に重ねて配置する。1つの帯状電極の上下面には活性炭がバインダ樹脂によって塗布されている。重ねられたものを巻芯の周囲に巻きつけ、巻きつけられた電極の幅方向の端部同士を直接溶着してそのまま取出電極として用いている。ここで、帯状電極を直接溶着するのは、余分な端子をこれに取り付けると、インピーダンスが高くなるからである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−298921号公報
【特許文献2】特開2000−021436号公報
【特許文献3】特開2005−235414号公報
【特許文献4】特開2005−347608号公報
【特許文献5】特開2007−095656号公報
【特許文献6】特開2007−335814号公報
【特許文献7】特開2008−193010号公報
【特許文献8】特開平05−109435号公報
【特許文献9】特開平07−130389号公報
【特許文献10】特開平11−135100号公報
【特許文献11】特開平11−283606号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、単純に巻回体の幅方向端部を取出電極とする場合、帯状電極の幅方向端部間に隙間ができてしまう。この隙間の存在により、帯状電極が変形してインピーダンス特性が劣化したり、ばらつくことになる。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、インピーダンス特性と放熱特性とに優れた巻回型の電気化学デバイスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の課題を解決するため、本発明に係る電気化学デバイスは、巻回された帯状の積層体と、前記積層体を電解液と共に収納する包囲体とを備え、前記帯状の積層体が、一対の帯状電極と前記帯状電極の一方を挟む一対のセパレータとを有し、それぞれの前記帯状電極は、帯状の主金属箔及び前記主金属箔に設けられた活物質層を有する巻回型の電気化学デバイスにおいて、帯状の前記主金属箔の隣接するもの同士の位置は幅方向に沿ってずれており、これらが重なっていない領域における前記主金属箔のそれぞれの一方面側に前記活物質層が形成されていない露出領域が設定され、それぞれの他方面側には前記活物質層が形成されていることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、主金属箔の重なっていない他方面側の領域において、活物質層が形成されているため、かかる領域が機械的に強化されており、その変形が抑制される。したがって、変形に起因する端子間のインピーダンス変化が抑制される。特に、活物質層の高密度化を行うために、厚み方向にプレス処理を行う場合などには、上記露出領域は変形が生じやすいが、本発明では、当該変形は抑制される。
【0009】
また、他方面側に対向する一方面側には、活物質層は形成されていないため、他方面側の活物質層は、実効的に電荷蓄積に寄与していない。したがって、露出領域の主金属箔を端子用の電極板などに溶接する場合において、かかる領域の活物質層が損傷しても、インピーダンス特性などの素子特性に影響を与えないという利点がある。
【0010】
また、前記他方面は、これに対応する前記一方面よりも、巻回の中心軸から遠くに位置する、ことを特徴とする。すなわち、他方面は、巻回時において、一方面よりも外側に位置している。他方面には、活物質層が形成されており、活物質層は形成時に若干縮むので、内部に引張り応力が残留している。したがって、これを外側にして帯状電極の巻回を行うと、引張り応力に抗して巻回が行われることとなり、大きな力で巻回を行うことができ、帯状電極の隣接材との密着性が高くなり、巻回された積層体の強度は高くなる。
【0011】
また、前記主金属箔の前記一方面上には、補助金属箔が設けられていることを特徴とする。すなわち、補助金属箔は、主金属箔の重なっていない上記露出領域の機械的強度を更に高くすることができる。また、補助金属箔は、他方面側の活物質層と共に、主金属箔の露出領域における径方向の可動範囲を狭めるので、主金属箔の位置ずれによるインピーダンス変化を抑制することができる。また、積層方向の断面積が、主金属箔単体の場合よりも大きくなるため、これに電極板などを溶接する場合には、接合面積が大きくなる。電極板との接触面積が増加すると、これらの接触抵抗を減少させることができ、素子の内部抵抗を抑えることができ、出力が向上する。
【0012】
また、前記補助金属箔の厚みは、前記活物質層の厚みと同一であることが好ましい。この場合、厚み方向にプレス処理を行う場合においても、活物質層と補助金属箔に均等に圧力がかかるため、これらが設けられた主金属箔の変形を抑制することができ、変形に伴うインピーダンス変化を抑制することができる。
【0013】
前記補助金属箔が複数であってこれらの補助金属箔がその長手方向に沿って断続的に設けられ、且つ、個々の前記補助金属箔は、前記主金属箔に対して、前記長手方向の一箇所の位置のみで溶接されていることが好ましい。この場合、補助金属箔の内部に応力が蓄積されにくい。換言すれば、補助金属箔間の隙間によって、巻回の際の主金属箔と補助金属箔の内外周差により生じるヨレを吸収でき、また、長手方向(巻回後の周方向)の一箇所の位置のみで溶接されているので、積層体を巻回した構造体の変形を抑制することができ、インピーダンスばらつきと品質誤差の少ない電気化学デバイスを提供することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の電気化学デバイスはインピーダンス特性に優ることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】巻回型の電気化学デバイスに用いられる積層体の分解斜視図である。
【図2】巻回型の電気化学デバイスに用いられる積層体の斜視図である。
【図3】巻芯に巻きつけられた積層体の斜視図である。
【図4】蓋となる電極板取付前の電気化学デバイスの縦断面図である。
【図5】蓋となる電極板取付時の電気化学デバイスの斜視図である。
【図6】蓋となる電極板取付後の電気化学デバイスの縦断面図である。
【図7】積層構造を詳細に説明するための積層体の断面図である。
【図8】巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【図9】巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【図10】巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【図11】補助金属箔を更に備えた電極構造の断面図である。
【図12】補助金属箔を更に備えた電極構造の斜視図(A)と、断面図(B)である。
【図13】補助金属箔を更に備えた電極構造の斜視図(A)と、断面図(B)である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、実施の形態に係る電気化学デバイスについて説明する。同一要素には同一符号を用いることとし、重複する説明は省略する。
【0017】
図1は、巻回型の電気化学デバイスに用いられる積層体の分解斜視図であり、図2は、巻回型の電気化学デバイスに用いられる積層体の斜視図である。この電気化学デバイスは、電気二重層キャパシタ(EDLC)であるが、この構造は通常の電池にも適用できる。
【0018】
この積層体は、帯状であり、一対の帯状電極(アノード電極A、カソード電極K)と、帯状電極の一方(本図ではカソード電極K)を挟む一対のセパレータS1,S2とを有している。以下の説明では、三次元直交座標系が設定されており、帯状電極の幅方向をZ軸方向とし、厚み方向をX軸方向とし、これらの双方に垂直な長手方向をY軸とする。
【0019】
アノード電極Aを構成する帯状電極は、帯状の主金属箔A1及び主金属箔A1の両面にそれぞれ設けられた一対の活物質層AE1,AE2を有している。カソード電極Kを構成する帯状電極は、帯状の主金属箔K2及び主金属箔K2の両面にそれぞれ設けられた一対の活物質層KE1,KE2を有している。帯状の主金属箔A1,K2の隣接するもの同士の位置は幅方向(Z軸方向)に沿ってずれており、これらが重なっていない領域における主金属箔A1,K2のそれぞれの一方面側(図1の下面側)に活物質層AE2,KE2が形成されていない露出領域(図7の寸法Z3で示される)が設定され、それぞれの他方面側(図1の上面側)には活物質層AE1,KE1が全面に形成されている。すなわち、上述の露出領域の反対面側には、活物質層AE1,KE1が形成されている。
【0020】
上記露出領域は、主金属箔A1の下面において長手方向(Y軸)に沿って延びている。また、上記露出領域は、主金属箔K2の下面において長手方向(Y軸)に沿って延びている。それぞれの主金属箔A1,K2における露出領域は、Z軸方向に沿って離間している。
【0021】
セパレータS1,S2の幅は互いに等しく、上面の活物質層AE1,KE1の幅も互いに等しい。また、下面の活物質層AE2,KE2の幅も互いに等しい。セパレータS1,S2の幅の方が、狭幅の活物質層AE2,KE2の幅よりも若干広い。上述の関係は、積層体の巻回後においても保持されるが、巻回後においては、主金属箔A1,K2は、幅方向(Z軸方向)の両端に設けられる蓋となる電極板L1,L2とそれぞれ接触する(図6参照)。なお、主金属箔A1,K2は、それぞれ、電極板L1,L2に対して溶接され、特に、レーザ溶接される(図6参照)。
【0022】
なお、上述のセパレータS1,S2、活物質層AE1,AE2、KE1,KE2、金属箔A1,K2の材料としては、公知のものを用いればよい。これらの材料について、以下に一例を示すが、本発明は、これらの材料に限定されるものではない。
【0023】
セパレータS1,S2は、例えば重量比10%以上のポリオレフィン系樹脂を含有した不織布または多孔質フィルムからなる。ポリオレフィン系樹脂の軟化点温度以上の温度環境下で、一対の分極性電極に圧力を加えることにより、分極性電極とセパレータとは接着することもできる。セパレータとして、セルロース不織布やアラミド繊維の不織布を用いることもできる。
【0024】
活物質層AE1,AE2、KE1,KE2は分極性電極である。この分極性電極は、多孔質材料からなり、活性炭にバインダ樹脂を混ぜて製造する。バインダ樹脂としては、ポリテトラフルオロエチレンなどのフッ素を含む高分子化合物、又は、スチレンブタジエンゴムのようなゴム系の高分子化合物が挙げられる。必要に応じてカーボンブラック、カーボンナノチューブ、又は黒鉛の微粒子、微細繊維を導電助剤として配合することもできる。製造時においては、これらの材料を、ノズルから出射して、主金属箔の両面に塗布する。
【0025】
主金属箔A1、K2は集電体であり、アルミニウム箔や銅箔の表面をエッチングによって表面を荒く加工したもの使用することができる。なお、電極製造方法として、活性炭に導電補助剤とバインダを加えてシート状にして集電極に接着する方法のほか、活性炭をスラリー状にして集電極に塗工する方法なども無数に存在する。
【0026】
図3は、巻芯に巻きつけられた積層体の斜視図である。
【0027】
外面が円筒面を有する巻芯Bの周囲に、図1及び図2に示した積層体が巻きつけられ、これらから電気化学デバイス本体10が構成される。巻芯Bの中心軸はZ軸であり、積層体はZ軸回りに巻回されることになる。軸芯から離れるに従って、アノード電極Aとカソード電極Kとが交互に積層されており、これらの間にはセパレータS1,S2が介在している。Z軸方向に端部には、主金属箔A1,K2の端部が位置している。Z軸の正方向端部においては、XZ平面内において、カソード電極Kの主金属箔K2(図1参照)が径方向に沿って隣接して配置されている。Z軸の負方向端部においては、XZ平面内において、アノード電極Aの主金属箔A1(図1参照)が径方向に沿って隣接して配置されている。
【0028】
図4は、蓋となる電極板取付前の電気化学デバイスの縦断面図(XZ断面図)である。
【0029】
この電気化学デバイスの製造においては、電気化学デバイス本体10を、筒体Hの内部に、それぞれの軸を一致させて挿入し、筒体Hの両端開口部を蓋である電極板L1,L2によって順次封止するが、一方の電極板L1の封止前に電解液を包囲体内部に導入する。この封止には接着剤を用いることもできる。筒体H及び電極板L1,L2から包囲体が構成される。筒体Hの形状は円筒形の他、角筒形とすることもできる。また、巻芯Bの外面形状を角筒面とすることも可能である。巻芯B及び筒体Hの材料としては、アノード電極とカソード電極間の短絡を防止できるものであれば、各種材料を用いることができるが、例えば、絶縁体を用いることができる。巻芯B或いは筒体Hの構造は、絶縁体筒の両端に、金属筒を接合したものであってもよい。
【0030】
図5は、蓋となる電極板取付時の電気化学デバイスの斜視図であり、図6は、蓋となる電極板取付後の電気化学デバイスの縦断面図(XZ断面図)である。
【0031】
この電気化学デバイスは、巻回された帯状の積層体と、積層体を電解液LQと共に収納する包囲体とを備えている。上述のように、包囲体は筒体Hと電極板L1,L2からなる。電極板L1,L2と、主金属箔A1,K2とをそれぞれ電気的に接続するため、電極板L1,L2に外側からレーザビームLBを照射し、照射位置を溶解し、これらの内側にそれぞれ位置する主金属箔A1,K2と電極板L1,L2とを接合する。レーザビームLBの照射位置には、凹部Dが形成される。複数の凹部DはXY平面内において放射状に形成されている。なお、レーザビームLBに代えて、高圧で電流を電極板L1,L2に与えることで、電流供給部位を溶解し、同様に、これらの内側にそれぞれ位置する主金属箔A1,K2と電極板L1,L2とを接合することもできる。なお、包囲体の内部には電解液LQが封入されている。
【0032】
電解液LQとしては水溶液系と有機系のものが知られている。有機系の電解液の溶媒としては、プロピレンカーボネート、アセトニトリルなどあり、溶質としては、アンモニウム塩、アミン塩、或いはアミジン塩などが知られている。
【0033】
図7は、積層構造を詳細に説明するための積層体の断面図である。
【0034】
Z軸方向に関する寸法について説明すると、寸法Z1は主金属箔A1,K2の幅、寸法Z2は狭幅側の活物質層AE2,KE2の幅、寸法Z3は露出領域の幅(Z1−Z2)、寸法Z4は活物質層AE2,KE2からセパレータがZ方向に突出した距離、寸法Z6はセパレータS1,S2の幅を示している。
【0035】
X軸方向に関する寸法について説明すると、寸法X1は、主金属箔A1,K2の厚み、寸法X2は、活物質層AE1,AE2,KE1,KE2の厚み、寸法X3は、セパレータS1,S2の厚みである。
【0036】
それぞれの寸法の好適範囲は以下の通りである。
【0037】
10mm≦Z1≦1000mm
5mm≦Z2≦995mm
2mm≦Z3≦50mm
1mm≦Z4≦10mm
7mm≦Z6≦997mm
10μm≦X1≦200μm
10μm≦X2≦500μm
10μm≦X3≦50μm
上述の範囲に関して、Z1の範囲は電極箔の現実的な幅を示している。Z2の範囲は実際的に塗布可能な活物質層の幅(電極幅)を示している。Z3で規定される領域は素子機能に影響を与えないので、小型化の観点からは小さい方が好ましく、帯状電極の巻回後に幅方向両端をZ軸に垂直に切断することで、切断面をフラットにし、幅を任意に設定することができる。但し、下限値を下回ると有効に機能する活物質層を溶接時に損傷する虞があるため、下限値以上であることが好ましく、上限値を超える場合には装置が大型化するため、上限値以下であることが好ましい。
【0038】
また、Z4はセパレータはみ出し量を規定するものであり、この範囲は電気特性に影響を与るものではなく、分離した金属箔が接触しない程度のマージンを有している。Z6はセパレータの幅であるため、Z2に2mmを加えた値として設定した。
【0039】
X1の範囲は、集電体の現実的な厚みの範囲であり、厚い方が、抵抗が低くなり、且つ、強度も高くなるという観点から好ましいが、単位体積当たりの集積度は低くなり多くの電荷を蓄積することができなくなる。比較的低抵抗で損傷にしくいためには、下限値以上の厚みが好適であり、集積度を大きく劣化させることなく、低抵抗で強度が十分に保持できる厚みは上述の上限値以下の値である。
【0040】
X2の範囲は、活物質層の現実的な厚み範囲を規定しており、電極活性炭粒子の接触抵抗が減るので、薄いほど厚み方向の内部抵抗は低くなる利点があるため、上記の上限値以下であることが好ましいが、薄すぎる場合には、活物質層としての機能が十分でなくなるため、上記の下限値以上であることが好ましい。
【0041】
X3の範囲は、セパレータの現実的な厚み範囲であり、薄いほうが厚み方向の内部抵抗が小さくなるという利点があるため、上記の上限値以下であることが好ましいが、薄すぎる場合には、セパレータとしての機能が十分ではなく、セパレータで分離された活物質層が実効的に短絡してしまうため、上記の下限値以上であることが好ましい。
【0042】
上述の電気化学デバイスによれば、主金属箔の重なっていない他方面側(図7の上面側)の領域において、活物質層AE1,KE1が形成されているため、かかる領域が機械的に強化されており、その変形が抑制される。したがって、変形に起因する端子間のインピーダンス変化が抑制される。特に、活物質層の高密度化を行うために、厚み方向にプレス処理を行う場合などには、上記露出領域は変形が生じやすいが、本形態では、当該変形は抑制される。
【0043】
また、他方面側(図7の上面側)に対向する一方面側(図7の下面側)には、活物質層AE2,KE2は形成されていないため、他方面側の活物質層AE1,KE1は、実効的に電荷蓄積に寄与していない。したがって、露出領域(Z3)の主金属箔A1,K2を端子用の電極板などに溶接する場合において、かかる領域の活物質層AE1,KE1が損傷しても、インピーダンス特性などの素子特性に影響を与えないという利点がある。
【0044】
また、活物質層AE1,KE1が、主金属箔A1,K2の露出領域における径方向(図7ではX軸方向)の可動範囲を若干狭めるので、主金属箔A1,K2のX軸方向の位置ずれによるインピーダンス変化を若干抑制することができる。
【0045】
また、前記他方面(図7のA1,K2の上面)は、これに対応する前記一方面(図7のA1,K2の下面)よりも、巻回の中心軸(Z軸)から遠くに位置する。すなわち、他方面(図7のA1,K2の上面)は、巻回時において、一方面(図7のA1,K2の下面)よりも外側に位置している。他方面(図7のA1,K2の上面)には、活物質層AE1,KE1が形成されており、活物質層は形成時に若干縮むので、内部に引張り応力が残留している。したがって、これを外側にして帯状電極の巻回を行うと、引張り応力に抗して巻回が行われることとなり、大きな力で巻回を行うことができ、帯状電極の隣接材との密着性が高くなり、巻回された積層体の強度は高くなる。
【0046】
図8は、上記第1の実施形態に係る巻かれた積層体の一部分の斜視図である。同図は、アノード電極又はカソード電極のZ軸方向端部の形状を示している。
【0047】
上述の露出領域には、活物質層AE2あるいはKE2は形成されていない。また、他方面(図7のA1,K2の上面)は、巻回時において、一方面(図7のA1,K2の下面)よりも外側に位置している。巻回の中心軸はZ軸であって、主金属箔A1又はK2の湾曲中心に位置している。
【0048】
図9は、第2の実施形態に係る巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【0049】
上記では、活物質層AE1(KE1)は、主金属箔A1(K2)の全面に形成されていたが、活物質層AE1(KE1)は、一部分の領域RKには、形成されてなくてもよい。切り欠き領域RKは、主金属箔A1(K2)のZ軸方向端部からZ軸に沿って延びたスリット形状をしており、かかる場合においても、上述の露出領域に形成された活物質層AE1(KE1)が、主金属箔A1(K2)を補強している。
【0050】
図10は、第3の実施形態に係る巻かれた積層体の一部分の斜視図である。
【0051】
第1の実施形態では、活物質層AE1(KE1)は、主金属箔A1(K2)の全面に形成されていたが、第3実施形態においても、活物質層AE1(KE1)は、一部分の領域RKには、形成されていない。切り欠き領域RKの外縁形状は、主金属箔A1(K2)のZ軸方向端部から延びた円弧の一部であり、かかる場合においても、上述の露出領域に形成された活物質層AE1(KE1)が、主金属箔A1(K2)を補強している。
【0052】
図11は、補助金属箔T1,T2を露出領域上に更に備えた電極構造の断面図である。
【0053】
主金属箔A1,K2の前記一方面(図11の下面)には、補助金属箔T1,T2が設けられている。すなわち、補助金属箔T1,T2は、主金属箔A1,K2の重なっていない上記露出領域の機械的強度を更に高くすることができる。また、補助金属箔T1,T2は、他方面側(図11の上面)の活物質層AE1、KE1と共に、主金属箔A1,K2の露出領域における径方向の可動範囲を狭めるので、主金属箔A1,K2の径方向の位置ずれによるインピーダンス変化を抑制することができる。また、積層方向の断面積が、主金属箔A1,K2単体の場合よりも大きくなるため、これに電極板などを溶接する場合には、接合面積が大きくなる。電極板との接触面積が増加すると、これらの接触抵抗を減少させることができ、素子の内部抵抗を抑えることができ、出力が向上する。
【0054】
また、かかる接触部位を介して放熱を行うことができる。したがって、この電気化学デバイスは、インピーダンス特性と放熱特性に優ることとなる。なお、補助金属箔T1,T2の厚み(X4とする)は、上記観点から、可能な限り大きな方が好ましい。
【0055】
また、補助金属箔T1,T2の厚みが、活物質層AE2,KE2の厚みと同一であることが好ましい。この場合、厚み方向にプレス処理を行う場合においても、活物質層と補助金属箔に均等に圧力がかかるため、これらが設けられた主金属箔の変形を抑制することができ、変形に伴うインピーダンス変化を抑制することができる。なお、同一とは、一方の厚みに対して±5%以内の誤差を含むこととする。
【0056】
図12及び図13は、補助金属箔を更に備えた電極構造の斜視図(A)と、断面図(B)である。
【0057】
それぞれのアノード電極及びカソード電極において、補助金属箔T1,T2が複数であってこれらの補助金属箔T1,T2がその長手方向に沿って断続的に設けられ、且つ、個々の補助金属箔T1,T2は、主金属箔A1,K2に対して、長手方向(図11のY軸:巻回後の周方向)の一箇所の位置Pのみ(本例では、巻き始め位置より側の1点)で溶接されていることが好ましい。この場合、補助金属箔T1,T2の内部に応力が蓄積されにくい。換言すれば、補助金属箔T1(又はT2)間の隙間によって、巻回の際の主金属箔A1(K2)と補助金属箔T1(T2)の内外周差により生じるヨレを吸収でき、また、長手方向(巻回後の周方向)の一箇所の位置Pのみで溶接されているので、積層体を巻回した構造体の変形を抑制することができ、インピーダンスばらつきと品質誤差の少ない電気化学デバイスを提供することができる。
【0058】
図12(B)及び図13(B)の断面図に示すように、補助金属箔T1,T2は、レーザビームLBを図11のX軸方向から照射されることで、その一部が溶解し、下部の主金属箔A1(K2)に混合し、冷却時に固定され、これらは電気的に接続される。補助金属箔T1,T2の表面には、レーザビーム照射跡Pが形成され、これは若干の凹部を構成する。1つの補助金属箔T1(T2)において、溶接跡Pは帯状電極の巻き始め側に、位置するのが応力を蓄積しないという意味では好ましいが、別の位置でもよい。また、周方向の一箇所の位置のみで溶接されていれば、溶接箇所は、1つの補助金属箔T1(T2)当たり2箇所であってもよい。すなわち、図12(B)及び図13(B)で言えば、Y軸の同一座標位置に2箇所の溶接跡Pが隣接して存在している場合も、その長手方向(周方向)の一箇所の位置のみで溶接されていることになる。
【0059】
また、補助金属箔T1,T2の材料は、主金属箔A1,K2の材料と同一であることが好ましい。例えば、双方ともアルミニウム或いは銅からなる。この場合、双方の材料は容易に溶接することができ、また、接触時に材料間の電位差も発生しないため、特性が安定するという利点もある。補助金属箔T1,T2と、主金属箔A1,K2とは、電気的に接続されており、レーザ光などで溶着(溶接)されていることが好ましいが、この溶接は、上記積層体を巻回しながら逐次行うことが好ましい。なぜならば、これらの間に応力が発生しにくいからである。
【0060】
また、補助金属箔T1.T2が、主金属箔A1,K2の長手方向(巻回後には周方向となる)に沿って、主金属箔A1,K2に連続的又は断続的に溶接されている場合には、これらを強固に固定することができる。
【0061】
活物質層AE2,KE2と、補助金属箔T1,T2とは物理的に離間していてもよいが、これらは若干接触していてもよい。
【0062】
以上、説明したように、上述の構造によれば、Z軸方向の端部の主金属箔の変形が抑制されるため、端子と溶着されない箇所の発生が抑制され、インピーダンス特性が向上する。また、活物質層の未塗布部分に、活物質層と同じ厚さの補助電極箔を溶着すると、主金属箔の下面においても、全面がフラットな構造となるため、厚み方向へのプレス処理時において、これらに均等に圧力がかかり、不規則な変形が抑制される。
【符号の説明】
【0063】
A・・・アノード電極、A1,K2・・・主金属箔、AE1,AE2,KE1,KE2・・・活物質層、K・・・カソード電極、T1,T2・・・補助金属箔。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
巻回された帯状の積層体と、前記積層体を電解液と共に収納する包囲体とを備え、前記帯状の積層体が、一対の帯状電極と前記帯状電極の一方を挟む一対のセパレータとを有し、それぞれの前記帯状電極は、帯状の主金属箔及び前記主金属箔に設けられた活物質層を有する巻回型の電気化学デバイスにおいて、
帯状の前記主金属箔の隣接するもの同士の位置は幅方向に沿ってずれており、これらが重なっていない領域における前記主金属箔のそれぞれの一方面側に前記活物質層が形成されていない露出領域が設定され、それぞれの他方面側には前記活物質層が形成されている、
ことを特徴とする電気化学デバイス。
【請求項2】
前記他方面は、これに対応する前記一方面よりも、巻回の中心軸から遠くに位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学デバイス。
【請求項3】
前記主金属箔の前記一方面上には、補助金属箔が設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学デバイス。
【請求項4】
前記補助金属箔の厚みは、前記活物質層の厚みと同一である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
【請求項5】
前記補助金属箔が複数であってこれらの補助金属箔がその長手方向に沿って断続的に設けられ、且つ、個々の前記補助金属箔は、前記主金属箔に対して、前記長手方向の一箇所の位置のみで溶接されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
【請求項1】
巻回された帯状の積層体と、前記積層体を電解液と共に収納する包囲体とを備え、前記帯状の積層体が、一対の帯状電極と前記帯状電極の一方を挟む一対のセパレータとを有し、それぞれの前記帯状電極は、帯状の主金属箔及び前記主金属箔に設けられた活物質層を有する巻回型の電気化学デバイスにおいて、
帯状の前記主金属箔の隣接するもの同士の位置は幅方向に沿ってずれており、これらが重なっていない領域における前記主金属箔のそれぞれの一方面側に前記活物質層が形成されていない露出領域が設定され、それぞれの他方面側には前記活物質層が形成されている、
ことを特徴とする電気化学デバイス。
【請求項2】
前記他方面は、これに対応する前記一方面よりも、巻回の中心軸から遠くに位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の電気化学デバイス。
【請求項3】
前記主金属箔の前記一方面上には、補助金属箔が設けられている、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の電気化学デバイス。
【請求項4】
前記補助金属箔の厚みは、前記活物質層の厚みと同一である、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
【請求項5】
前記補助金属箔が複数であってこれらの補助金属箔がその長手方向に沿って断続的に設けられ、且つ、個々の前記補助金属箔は、前記主金属箔に対して、前記長手方向の一箇所の位置のみで溶接されている、
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電気化学デバイス。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−176136(P2011−176136A)
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−39263(P2010−39263)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年9月8日(2011.9.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【出願人】(000003067)TDK株式会社 (7,238)
【Fターム(参考)】
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