説明

電気化学電池のための皿形状の圧力均一化電極

積層電池は、積層状態に配置される少なくとも2つのセル区画を有する。各セル区画は、第一の活性物質電極を有する第一の電極ユニットと、第2の活性物質電極を有する第2の電極ユニットと、活性物質電極間の電解質層とを有し得る。1つ以上のガスケットは、セル区画内に電解質を封止するために、各セル区画に含まれ得る。電極ユニットは、「皿形状」であってもよく、電極ユニットの偏向を低減するために、およびセル区画間の圧力均一化を改善するために圧力均一化弁を含んでもよい。圧力均一化弁は、気体が隣接するセル区画を通って拡散することを可能にし、そこを通って電解質が拡散することを実質的に防止し得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、米国仮特許出願第61/000,470号(2007年10月26日出願)および米国仮特許出願第61/002,528号(2007年11月9日出願)の優先権の利益を主張し、これらの両出願は、その全体が本明細書に参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、概して、電池に関し、より具体的には、本発明は、圧力均一化が改良された積層された双極セル電池設計に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の電池は、2つの電極のみを有する巻線セル電池か、または多数の並列の板の組を有する標準的な角形セル電池かのいずれかとして製造されている。これらの種類の両方においては、電解質は、電池内のすべてにおいても共有され得る。巻線セル構造および角形セル構造は、それらの電気路が複数の接続を横断し、かつ直列配置の一方のセルから隣のセルへの完全な回路を被覆するためにかなり長い距離に及ばなくてはならないことから、高い電気抵抗を受ける。
【0004】
近年、積層形式の封止セルを含む種々の種類の電池が開発されており、これらの電池は、標準的な巻線電池または角形電池よりも、外部コネクタ間に高い放電率および高い電位を提供することができるので、一定の用途に対する需要が高い。積層形式の封止セルを含む一定の種類のこれらの電池は、独立して封止された単極電極ユニット(MPU)の対の積層を概して含むように開発されている。これらのMPUの各々には、集電体の第一の側面上に被覆される正の活性物質電極層または負の活性物質電極層のいずれかが設けられ得る(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、1995年2月28日に発行されたKleinによる米国特許第5,393,617号参照)。正の活性物質電極層を含むMPU(すなわち、正のMPU)および負の活性物質電極層を含むMPU(すなわち、負のMPU)は、これらの2つのMPUの集電体を電気的に絶縁するために、それらの間に電解質層を有し得る。この正および負のMPUの集電体の対は、活性物質電極層およびそれらの間の電解質とともに、単一のセルまたはセル区分として封止され得る。各々が正のMPUおよび負のMPUを有するこのようなセルの積層を含む電池は、本明細書において「積層単極」電池と呼ばれるものする。
【0005】
第一のセルおよび第2のセルが積層形式になるように、第一のセルにおける電極層によって塗膜されない正のMPUの集電体の側面は、第2のセルにおける電極層によって塗膜されない負のMPUの集電体の側面に電気的に結合され得る。積層におけるこれらのセル区画の直列構成によって、電位が集電体間で異なるようになり得る。しかしながら、特定のセルの集電体が相互に接触する場合、または特定のセルにおける2つのMPUの共通電解質が、積層における任意の追加のMPUによって共有される場合、電池の電圧およびエネルギーは、すぐにゼロまで弱まる(すなわち、放電する)。ゆえに、積層単極電池が、そのセルの各々の電解質をその他のセルの各々から独立して封止することが望ましい。
【0006】
積層形式の封止セルを含む他の種類のこれらの電池は、直列の積層双極電極ユニット(BPU)を概して含むように開発されている。これらのBPUの各々には、集電体の対向する側面上に被覆される正の活性物質電極層および負の活性物質電極層が設けられ得る。任意の2つのBPUは、相互の上部に積層され、電解質層は、BPUのうちの1つの正の活性物質電極層とBPUのうちの他方の負の活性物質電極層との間にそれらの2つのBPUの電気絶縁のために設けられる。また、任意の2つの隣接するBPUの集電体は、活性物質電極層およびそれらの間の電解質とともに、封止された単一のセルまたはセル区画であってもよい。各々が第一のBPUの一部分および第2のBPUの一部分を有するこのようなセルの積層を含む電池は、本明細書において「積層双極」電池と呼ばれるものとする。
【0007】
第一のBPUの正の側面および第2のBPUの負の側面が第一のセルを形成する一方で、第2のBPUの正の側面は、例えば、第3のBPUの負の側面または負のMPUの負の側面とともに同様に第2のセルを形成する。ゆえに、個々のBPUは、積層双極電池の2つの異なるセルに含まれ得る。積層におけるこれらのセルの直列構成によって、電位が集電体間で異なるようになり得る。しかしながら、特定のセルの集電体が相互に接触する場合、または第一のセルにおける2つのBPUの共通電解質が、積層における任意の他のセルによって共有される場合、電池の電圧およびエネルギーは、すぐにゼロまで弱まる(すなわち、放電する)。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来の積層双極電池は、平面電極板を使用する。平面板を使用し、端部封止の使用により平面板を絶縁することによって、積層電気化学電池におけるセルは、実質的に独立して動作し得る。独立したセルが充電および放電されると、わずかな圧力差が隣接したセル間に確立し得る。隣接したセル間の圧力差が平方インチ当たり数ポンドを超える場合、平面電極は、第一のセルから第2のセルに向かって偏向する。この偏向は、第2のセルのセパレータ材料を歪め、短絡が生じ得る「ホットスポット」を生成する。個々のセルの物理的構成要素および化学的性質が、概して、相互に対して若干異なるため、セル間の圧力差が概して存在する。ゆえに、一方のセルから隣のセルへの圧力差を緩和することが望ましい。したがって、電極板偏向が低減され、かつ圧力均一化が改善された積層双極電池を提供することが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0009】
従って、本発明の目的は、一方のセルから隣のセルへの圧力差を緩和し、かつ電極板の偏向を低減する積層双極電池設計を提供することにある。
【0010】
ある実施形態によると、正の単極電極ユニット、負の単極電極ユニット、および正の電極ユニットと負の電極ユニットとの間に積層される少なくとも1つの双極電極ユニットとを有する双極電池が提供され、電極ユニットの各々は皿形状であり得る。
【0011】
ある実施形態によると、正の単極電極ユニット、負の単極電極ユニット、および正の電極ユニットと負の電極ユニットとの間で積層される少なくとも1つの双極電極ユニットとを有する双極電池が提供される。双極電極ユニットは、圧力均一化弁を含み得る。
【0012】
ある実施形態によると、正の単極電極ユニット、負の単極電極ユニット、および正の電極ユニットと負の電極ユニットとの間に積層される少なくとも1つの双極電極ユニットとを有する双極電池が提供される。双極電極ユニットは、破裂板弁を含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本発明の上記利点および他の利点は、添付の図面と併用して以下の詳細な説明を考察するとより明白になり、図面において、同一の参照文字は、同一の部分を指す。
【図1】図1は、本発明のある実施形態に従う、双極電極ユニット(BPU)の基本構造の概略断面図を示す。
【図2】図2は、本発明のある実施形態に従う、図1のBPUの積層の基本構造の概略断面図を示す。
【図3】図3は、本発明のある実施形態に従う、皿形状電極および圧力均一化弁を含むBPUの基本構造の概略断面図を示す。
【図4】図4は、本発明のある実施形態に従う、皿形状電極および破裂板弁を含むBPUの基本構造の概略断面図を示す。
【図5】図5は、本発明のある実施形態に従う、図3のBPU2の積層の基本構造の概略断面図を示す。
【図6】図6は、本発明のある実施形態に従う、図5のBPUの積層を実装する積層双極電池の基本構造の概略断面図を示す。
【図7】図7は、図6の双極電池の基本構成の概略回路図を示す。
【図8】図8は、図5の双極電池の特定の部分の詳細概略断面図を示す。
【図9】図9は、本発明のある実施形態に従う、積層双極電池を形成するための方法の第一の段階における一定の要素の概略断面図を示す。
【図10】図10は、本発明のある実施形態に従う、積層双極電池を形成するための方法の第2の段階における一定の要素の概略断面図を示す。
【図11】図11は、本発明のある実施形態に従う、積層双極電池を形成するための方法の第3の段階における一定の要素の概略断面図を示す。
【図12】図12は、本発明のある実施形態に従う、積層双極電池を形成するための方法の第4段階における一定の要素の概略断面図を示す。
【図13】図13は、本発明のある実施形態に従う、積層双極電池を形成するための方法の第5の段階における一定の要素の概略断面図を示す。
【図14】図14は、本発明のある実施形態に従う、積層双極電池を形成するための方法の第6の段階における一定の要素の概略断面図を示す。
【図15】図15は、本発明のある実施形態に従う、ドーム状上部を有する積層双極電池の概略断面図を示す。
【図16】図16は、本発明のある実施形態に従う、不均一な活性物質電極層を有する積層双極電池の概略断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
電極板の偏向が低減され、かつ圧力均一化が改善される積層電池のための装置および方法が、提供され、図1〜図16を参照して以下に説明される。
【0015】
図1は、本発明のある実施形態に従う、例示的な「平板」双極電極ユニットまたはBPU102を示す。積層セル電池に使用するための平板構造については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるOggらによるPCT出願公開第WO2008/100533号に論じられる。BPU102は、不透過性伝導性基板または集電体106の第一の側面上に設けられ得る正の活性物質電極層104と、不透過性伝導性基板106の他方の側面上に設けられ得る負の活性物質電極層108とを含み得る(例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる2007年10月9日に発行されたFukuzawaらによる米国特許第7,279,248号参照)。ある実施形態では、BPU102の曲率半径は、比較的大きく有り得る。例えば、図1に示す「平板」電極の曲率半径は、無限に近づき得る。
【0016】
図2に示すように、例えば、複数のBPU102は、実質的に垂直方向に積層されて積層120になり、2つの隣接するBPU102の間に設けられ得る電解質層110を含み、BPU102の一方の正電極層104は、電解質層110を介して隣接するBPU102の負電極層108に対向するようにする。各電解質層110は、電解質11を保持し得るセパレータ109を含み得る(例えば、図8参照)。セパレータ9は、正電極層104とそれに隣接する負電極層108とを電気的に分離するとともに、以下により詳細に説明するように、電極ユニット間のイオン移行を可能にし得る。
【0017】
図2におけるBPU102の積層状態を引き続き参照すると、例えば、第一のBPU102の正電極層104および基板106と、第一のBPU102に隣接する第2のBPU102の負電極層108基板106と、第一および第2のBPU102間の電解質層110とに含まれる構成要素は、本明細書において、単一の「セル」または「セル区画」122と呼ばれるものとする。各セル区画122の各不透過性基板106は、適用可能な隣接セル区画122により共有され得る。
【0018】
図3は、本発明のある実施形態に従う、「皿形状」BPU2の基本構造の概略の断面図を示す。BPU2は、不透過性伝導性基板または集電体6の第一の側面上に設けられ得る正の活性物質電極層4と、不透過性伝導性基板6の他方の側面上に提供され得る負の活性物質電極層8とを含み得る。孔(例えば、孔5)が、例えば、基板6の中央に設けられ得る。BPU2の曲率半径は、図1に示す「平板」電極の実施形態よりも、図3に示す「皿形状」電極の実施形態について比較的小さくてもよい。「皿形状」電極の比較的小さい曲率半径は、BPU2を実質的に球状にし得る。BPU2が、図3に示すように、上方に凹状に配向される場合、正の活性物質電極層4は、BPU2の凹状側面上に配置され、負の活性物質電極層8は、反対側の側面上に配置され得る。
【0019】
皿形状BPU2は、任意の適切な皿半径を有するようなサイズを有し得る。例えば、一定の空間要件を考慮して、比較的小さい皿半径が所望され得る。代替として、一定の空間要件ではなく一定の電力要件を考慮して、比較的大きい皿半径が所望され得る。
【0020】
電極の形状(例えば、「平板」または「皿形状」)は、電極の曲率半径によって実質的に説明され得る。例えば、「平板」電極(例えば、図1のBPU102参照)では、BPU102の曲率半径は、「皿形状」電極(例えば、図3のBPU2参照)の曲率半径に比べて比較的大きくなり得る。例えば、平板電極の曲率半径は、無限に近づき得る。BPU(例えば、BPU102)の曲率半径は、セル間の圧力差に耐えるBPUの能力に実質的に影響を及ぼし得る。例えば、曲率半径が約100インチを超えて増加すると、平板の偏向に必要な圧力は、ゼロを超えるだけであり得る。比較的小さい圧力差(例えば、5psi)では、「平板」BPU102の偏向は、約0.100インチを超え得る。この量は、セパレータの厚さが約0.005インチであり得ることを考えると比較的大きい。
【0021】
しかしながら、約6インチの半径を有する「皿形状」電極では、約5psiにおける偏向は、約0.001インチまで低減され得る。皿設計は、圧力均一化弁3のパラメータの決定を可能にし得る。例えば、約0.002インチの皿形状電極の偏向の式は、軟鋼もしくは任意の他の材料または任意のそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な材料の仮定の弾性係数を考慮して、適切な半径および厚さについて解かれ得る。また、適切な幾何学的形状について解く他の方法も使用してもよい。圧力均一化弁3は、約1psi以下の圧力差に対して、隣接するセル間の気体を実質的に均一化するように機能し得る。
【0022】
過剰に加圧されたセルから圧力の小さいセルへの気体の通過を可能にする電力貯蔵機器のための設計が存在する。これは、セルからセルへの圧力均一化を維持するために、電池ケースの上部における外部マニフォールドおよびチャネルで行なわれていた。しかしながら、これらの従来設計は、十分にさらなる重量を電池に付加し、かさ張り過ぎて、積層双極電池に適切に適用され得ない。双極電極の積層において、圧力均一化の問題は、セルの電解質による組み立ておよび充填に関する問題付加によって増幅される。しかしながら、「皿形状」電極の実施形態では、皿は、電解質の一時的な場所として使用されるとともに、セパレータおよびセルの底部に接合される活性電極材料によって吸収され得る。電解質が吸収されると、次の皿型電極は、セパレータおよび最近充填された電極の上に載置され得る。電解質は、これらの過程ステップ中に皿の底部を通って漏出し得ない。したがって、BPU2の均一化孔は、例えば、電解質充填中に閉鎖または被覆され得る。例えば、半透過性膜または破裂板が、下のセルへの電解質の排出を実質的に防止するために、電極における孔を被覆するために所望され得る。したがって、圧力均一化弁は、セルの間に発生する圧力差を緩和するため、また、電池の組み立ておよび製造を補助するために使用され得る。
【0023】
BPU2は、図3に示すように、圧力均一化弁または半透過性膜3を含み得る。均一化弁3は、非伝導性ポリマー、ゴム、任意の他の適切な材料、または任意のそれらの組み合わせ等の任意の適切な材料から作製される円板であり得る。本発明のある実施形態では、円板は、円板を貫通するナノメートルまたはマイクロメートルのサイズの孔、切断部、任意の他の適切な穿孔、または任意のそれらの組み合わせを有してもよく、円板が、電解質の貫通を防止し得るか、または貫通する電解質の量を低減し得る気体透過性膜を構成するようにする。均一化弁3は、化学的腐食(例えば、図8の電解質11による)に耐性を有する任意の適切な材料から作製されてもよく、例えば、ポリビニル、ポリスルホン、ネオプレン、または任意のそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。図3に示すように、均一化弁3および孔5は、基板6の実質的に中央に配置され得る。代替として、均一化弁3および孔5は、基板6に沿った任意の位置に載置され得る。
【0024】
本発明のある実施形態では、均一化弁3は、機械的特性(例えば、切断部を含む弁として)よりも化学的特性を利用する気体透過性膜の形式を帯び得る。本実施形態では、均一化弁3は、Loctite(登録商標)銘柄の接着剤(シリコン、アクリル、および/または繊維強化プラスチック(FRP)から形成され得、かつ電解質に不浸透性であり得るHenkel Corporationにより入手可能であるもの)等の任意の適切な封止剤、任意の他の適切な材料、または任意のそれらの組み合わせから形成され得る。例えば、約1000個の原線維の黒鉛炭素繊維束、任意の他の適切な材料、または任意のそれらの組み合わせが、硬化する前に液体封止剤に載置され得る。封止剤および繊維束の硬化後、均一化弁3は、実質的に形成され得る。量子力学的な「ホッピング」機構は、均一化弁3が、OおよびH分子を積層における隣接セルに実質的に貫通させることを可能にし、電解質の貫通を防止し得るか、または貫通する電解質の量を低減させ得る。化学的な「ホッピング」機構は、黒鉛材料の材料および化学的特性により実質的に可能になり得る。例えば、黒鉛炭素繊維束では、拡散力によって、過剰に加圧されたセルからの水素分子が、黒鉛材料の6員炭素環構造上の空間を通って黒鉛材料の表面に沿って「ホッピング」することが実質的に可能になり得る。
【0025】
本発明のある実施形態では、圧力均一化弁3は、図4に示すように、例えば、隣接するセル間で約1psiを超える圧力差を緩和するために開放し得る破裂板弁203であり得る。破裂板弁203は、ブレイもしくはPVA状のフィルム、任意の適切なポリマー、金属、複合フィルム、任意の他の適切な材料、または任意のそれらの組み合わせから作製され得る。破裂板弁203には、製造中にセル区画を電解質で充填可能にするとともに、隣接セルへの電解質の流出を実質的に防止し得る弁孔の上にフィルムが設けられ得る。
【0026】
破裂板を開放するときに(例えば、隣接セル間の比較的大きい圧力差によって)、孔205は、一方のセルから隣接セルへの電解質の通過を可能にし得る。しかしながら、電池の配向が、特定の位置(例えば、BPU202の下方に凹状)にあるように実質的に保証される場合、電解質は、「皿形状」BPU202の幾何学的形状によって孔に到達し得ない。孔205が基板206の中央にあり、基板の中央が、電解質が集まり得る封止ガスケット付近の基板の縁より比較的高いところにあるので、電解質は、孔205への到達を実質的に防止され得る。電池は、実質的に同一の効果でその側面上に置かれ得る。
【0027】
図5は、本発明のある実施形態に従う、図3のBPU2の積層の基本構造の概略断面図を示す。例えば、複数のBPU2は、実質的に垂直に積層されて積層20になり、2つの隣接BPU2の間に設けられ得る電解質層10を含み、一方のBPU2の正電極層4が、電解質層10を介して隣接BPU2の負電極層8に対向するようにする。各電解質層10は、電解質11を保持し得るセパレータ9を含み得る(例えば、図8参照)。セパレータ9は、正電極層4およびそれに隣接する負電極層8を電気的に分離するとともに、以下により詳細に説明するように、電極ユニット間のイオン移行を可能にし得る。
【0028】
図5のBPU2の積層状態を引き続き参照すると、例えば、第一のBPU2の正電極層4および基板6と、第一のBPU2に隣接する第2のBPU2の負電極層8および基板6と、第一および第2のBPU2間の電解質層10とに含まれる構成要素は、本明細書において、単一の「セル」または「セル区画」22と呼ばれるものとする。各セル区画22の各不透過性基板6は、適用可能な隣接するセル区画22によって共有され得る。
【0029】
図6に示すように、例えば、本発明のある実施形態に従って、積層双極電池50を構成するために、正端子および負端子が、1つ以上のBPU2の積層20とともに設けられ得る。不透過性伝導性基板16の一方の側面に設けられる正の活性物質電極層14を含み得る正の単極電極ユニットまたはMPU12は、積層20の第一の端部に配置されてもよく、電解質層は、その間に設けられ(すなわち、電解質層10e)、正のMPU12の正電極層14が、電解質層10eを介して積層20のその第一の端部において、BPU(すなわち、BPU2d)の負電極層(すなわち、8d)と対向するようにする。不透過性伝導性基板36の一方の側面に設けられる負の活性物質電極層38を含み得る負の単極電極ユニットまたはMPU32は、積層20の第2の端部に配置されてもよく、電解質層は、その間に設けられ(すなわち、電解質層10a)、負のMPU32の負電極層38が、電解質層10aを介して積層20のその第2の端部において、BPU(すなわち、BPU2a)の正電極層(すなわち、4a)と対向するようにする。MPU12および32には、対応する正電極リード13および負電極リード33がそれぞれ設けられ得る。
【0030】
例えば、図6に示すように、各MPUの基板および電極層が、その隣接BPU2の基板および電極層と、それらの間の電解質層10とでセル区画22を形成してもよいことに留意されたい(例えば、区画22aおよび22e参照)。積層20における積層BPU2の数は、1つ以上であってもよく、電池50の所望の電圧に対応するために適切に判断されてもよい。各BPU2は、任意の所望の電位を提供してもよく、電池50の所望の電圧が、各構成要素BPU2により提供される電位を効果的に付加することによって達成されるようにする。各BPU2が同一の電位を提供する必要がないことを理解されたい。
【0031】
一適切な実施形態では、双極電池50は、BPU積層20およびそのそれぞれの正および負のMPU12および32が、低下圧力のもとで電池ケースまたはラッパーに少なくとも部分的にカプセル化(例えば、密封)されるように構造化され得る。MPU伝導性基板16および36(または少なくともそれらのそれぞれの電極リード13および33)は、例えば、利用時の外部からの衝撃を緩和し、かつ環境劣化を防止するために電池ケース40から引き出され得る。
【0032】
第一のセル区画の電解質(例えば、図8のセル区画22aの電解質11aを参照)が、別のセル区画の電解質(例えば、図8のセル区画22bの電解質11bを参照)と混合することを防止するために、ガスケットまたは封止剤が、その特定のセル区画内の電解質を封止するために、隣接電極ユニット間の電解質層に積層され得る。ガスケットまたは封止剤は、例えば、特定のセルの隣接電極ユニットと相互作用してそれらの間の電解質を封止し得る任意の適切な圧縮性または非圧縮性の固体材料もしくは粘着性材料、またはそれらの組み合わせであってもよい。一適切な配置では、図6に示すように、例えば、本発明の双極電池は、各セル区画22の電解質層10および活性物質電極層4/14および8/38の周りの障壁として配置され得るガスケットまたは封止60を含み得る。ガスケットまたは封止剤は、連続的かつ閉鎖型であってもよく、そのセルのガスケットと隣接電極ユニット(すなわち、そのガスケットまたは封止に隣接するBPUまたはBPUおよびMPU)との間の電解質を封止してもよい。ガスケットまたは封止剤は、例えば、そのセルの隣接電極ユニット間の適切な空間を提供し得る。
【0033】
第一のセル区画の電解質(例えば、図8のセル区画22aの電解質11aを参照)が、別のセル区画の電解質(例えば、図8のセル区画22bの電解質11bを参照)と混合することを防止するために、積層双極電池50のセル区画を封止する際に、セル区画は、セルが充電および放電されると、隣接セル(例えば、セル22a〜22b)の間に圧力差を産生し得る。均一化弁3a〜3dは、このように発生する圧力差を実質的に減少させるように役割を果たし得る。先行して提示したように、孔5に位置する均一化弁3は、気体の移行を可能にし、かつ電解質の移行を実質的に防止する半透過性膜または破裂板として機械的または化学的に動作し得る。電池(例えば、電池50)は、均一化弁(例えば、均一化弁3a〜3d)の任意の組み合わせを有するBPU(例えば、BPU2a〜2d)を有してもよい。例えば、BPU2aは、化学的に動作する均一化弁3aを有してもよく、BPU2bは、機械的に動作する均一化弁3bを有してもよく、BPU2cは、破裂板弁3cを有してもよく、BPU2dは、破裂板弁3dを有してもよい。加えて、図6に示すように、均一化弁3a〜dおよび孔5a〜dは、基板6a〜dの実質的に中央に配置され得る。ある実施形態では、均一化弁3a〜dおよび孔5a〜dは、基板に沿った任意の位置に載置されてもよい。
【0034】
本発明のある実施形態では、例えば、図6に示す封止構成におけるセル区画22およびガスケット60を加圧および保持するために、矢印P1およびP2の方向に、圧力がケース40の両側に適用され得る。このような双極電池50は、所望の圧力を提供するために、図7に示すように、積層および直列接続される複数のセル区画22を含み得る。
【0035】
次に図8を参照すると、本発明のある実施形態に従う、電池50の2つの特定のセル区画22の分解図が示される。セル区画22aは、MPU32の基板36および負電極層38、電解質層10a、ならびにBPU2aの正電極層4aおよび基板6aを含み得る。セル区画22bは、BPU2aの基板6aおよび負電極層8a、ならびにBPU2bの正電極層4bおよび基板6bを含み得る。上述のように、各電解質層10は、セパレータ9および電解質11を含み得る。封止剤またはガスケット60は、各セル区画22の電解質層10の周囲に設けられ、その区画のセパレータ9および電解質11が、その特定のセル区画のガスケット60および隣接電極ユニットにより画定される空間内で封止され得る。
【0036】
図8に示すように、例えば、ガスケット60aは、電解質層10aを囲繞し、そのセパレータ9aおよび電解質11aが、セル区画22aのガスケット60a、MPU32、およびBPU2aによって画定される空間内に完全に封止されるようにする。同様に、図8に示すように、例えば、ガスケット60bは、電解質層10bを囲繞し、そのセパレータ9bおよび電解質11bが、セル区画22bのガスケット60b、BPU2a、およびBPU2bにより画定される空間内に完全に封止されるようにする。
【0037】
各セル区画の封止剤またはガスケットは、その電解質を封止するために、セルの電極ユニットの種々の部分との封止を形成し得る。図8に示すように、例えば、ガスケットは、基板の上部または底部の一部分との封止を形成し得る(例えば、ガスケット60aは、基板36の底側ならびに基板6aの上側および外側に接触する)。
【0038】
本発明の一定の実施形態では、より良好な封止を作成するために、ガスケットの表面積の1つ以上の部分と、相互に接触する隣接電極ユニットの表面積との各々が、相互的にまたは対応的に溝付け、面取り、または成形され得る。ガスケットの表面の少なくとも一部分は、電極ユニットの表面の少なくとも一部分に対応的に成形され、例えば、2つの表面が共に嵌合して、2つの表面間の一定の種類の相対移動を制限し、かつ電池の製造中のガスケットおよび電極ユニットを自己整合するようにする。ガスケットおよび隣接基板の相互的に成形される部分の嵌合により形成されるこの溝または戻り止めによって、例えば、それらの嵌合接触範囲のサイズが増加し、ガスケットおよび基板の嵌合接触範囲の間に作成される封止の破壊を試行する任意の流体(例えば、電解質)の抵抗の経路が大きくなり得る。
【0039】
本発明の電極ユニットの形成に使用する基板(例えば、基板6、16、および36)は、例えば、非穿孔性金属箔、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、ニッケルおよびアルミニウムを含むクラッド材料、銅およびアルミニウムを含むクラッド材料、ニッケルめっき鋼、ニッケルめっき銅、ニッケルめっきアルミニウム、金、銀、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な伝導性かつ不透過性の材料から形成され得る。各基板は、一定の実施形態において、相互に接着する2つ以上の金属箔シートから作製され得る。各BPUの基板は、典型的には、0.025から5ミリメートルの厚さであってもよく、一方、各MPUの基板は、0.025から10ミリメートルの厚さであってもよく、例えば、電池に対する端子としての役割を果たし得る。金属化発泡体は、例えば、平坦金属フィルムまたは箔において任意の適切な基板材料と組み合わせられ、例えば、セル区画の活性物質間の抵抗が、電極における伝導性マトリクスを拡大することによって低減されるようにする。
【0040】
これらの基板上に設けられて本発明の電極ユニットを形成する正電極層(例えば、正電極層4および14)は、例えば、水酸化ニッケル(Ni(OH))、亜鉛(Zn)、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な活性物質から形成され得る。正の活性物質は、焼結されて含浸されるか、水性バインダで塗膜されて押圧されるか、有機バインダで塗膜されて押圧されるか、または伝導性マトリクスにおける他の支援化学物質を含む正の活性物質を含有する任意の他の適切な方法によって含有させてもよい。電極ユニットの正電極層は、金属水素化物(MH)、Pd、Ag、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない粒子であって、例えば、膨張を低減するためにそのマトリクスにおいて注入される粒子を有し得る。これにより、例えば、サイクル寿命が増加し、再結合が改善され、セル区画内の圧力が低減し得る。MH等のこれらの粒子は、電極内の導電性を改善し、かつ再結合を支援するために、Ni(OH)等の活性物質ペーストの結合に存在し得る。
【0041】
これらの基板上に設けられて本発明の電極ユニットを形成する負電極層(例えば、負電極層8および38)は、例えば、MH、Cd、Mn、Ag、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な活性物質から形成され得る。負の活性物質は、例えば、焼結されるか、水性バインダで塗膜されて押圧されるか、有機バインダで塗膜されて押圧されるか、または伝導性マトリクスにおける他の支援化学物質を含む負の活性物質を含有する任意の他の適切な方法によって含有させてもよい。負電極側は、Ni、Zn、Al、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない化学物質であって、例えば、構造を安定化させ、酸化を低減させ、サイクル寿命を延長させるように負の電極材料マトリクス内に注入される化学物質を有し得る。
【0042】
有機CMCバインダ、クレイトンゴム、PTFE(テフロン(登録商標))、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない種々の適切なバインダは、例えば、層をそれらの基板に保持するように活性物質層と混合され得る。200ppiニッケル発泡体等の超静止(Ultra−still)バインダも、本発明の積層電池構築と使用してもよい。
【0043】
本発明の電池の各電解質層のセパレータ(例えば、各電解質層10のセパレータ9)は、その2つの隣接電極ユニットを電気的に絶縁するとともに、それらの電極ユニット間のイオン移行を可能にする任意の適切な材料から形成され得る。セパレータは、充填を改善し、かつサイクル寿命を増加させるために電解質容器として役割を果たすように、セルロース超吸収材を含有し、この場合、セパレータは、例えば、ポリ吸収(polyabsorb)ダイパー材料から作製され得る。したがって、セパレータは、電荷が電池に印加されると、前に吸収された電解質を放出し得る。一定の実施形態では、セパレータは、通常のセルよりも密度が低く、厚さが太く、電極間隔(IES)が、通常よりも高く開始し、かつ電池のCレートおよび容量をその寿命において維持するために、ならびに電池の寿命を延ばすために継続的に低減されるようにする。
【0044】
セパレータは、短絡を低減し、かつ再結合を改善するために、電極ユニット上の活性物質の表面に接合される通常の材料よりも薄くてもよい。このセパレータ材料は、例えば、噴霧、塗膜、または押圧され得る。セパレータは、一定の実施形態では、そこに取り付けられる再結合剤を有し得る。本薬剤は、セパレータの構造内に注入され得るか(例えば、これは、薬剤をセパレータ繊維に結合するために、PVAを使用して湿式過程において薬剤を物理的に捕捉することによって行なわれ得るか、または薬剤は、電気蒸着によってその中に入れられ得る)、または本薬剤は、例えば、蒸着によって表面上に層状化され得る。セパレータは、例えば、Pb、Ag、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない再結合を効果的に支援する任意の適切な材料または薬剤から作製され得る。セルの基板が相互に向かって移動する場合、セパレータは抵抗を提示し得るが、セパレータは、偏向しない程十分堅い基板を利用し得る本発明の一定の実施形態において設けられなくてもよい。
【0045】
本発明の電池の各電解質層の電解質(例えば、各電解質層10の電解質11)は、溶解または融解時にイオン化して導電性媒体を産生し得る任意の適切な化合物から形成され得る。電解質は、例えば、NiMH等であるがこれに限定されない任意の適切な化学物質の標準的な電解質であり得る。電解質は、例えば、水酸化リチウム(LiOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、水酸化カルシウム(CaOH)、水酸化カリウム(KOH)、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない追加の化学物質を含有し得る。また、電解質は、例えば、Ag(OH)等であるがこれに限定されない再結合を改善するための添加剤も含有し得る。また、電解質は、例えば、低温性能を改善するためにRbOHも含有し得る。本発明のいくつかの実施形態では、電解質(例えば、電解質11)は、セパレータ(例えば、セパレータ9)内で凍結されてから、電池が完全に組み立てられた後に解凍され得る。これによって、ガスケットが、それに隣接する電極ユニットとの実質的に流体密封を形成する前に、特に、粘着性電解質の電池の電極ユニット積層への挿入が可能になり得る。
【0046】
本発明の電池の封止およびガスケット(例えば、ガスケット60)は、ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとによって画定される空間内に電解質を効果的に封止し得る任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成され得る。一定の実施形態では、ガスケットは、固体封止障壁もしくはループ、または固体封止ループを形成可能な複数のループ部分であって、例えば、ナイロン、ポリプロピレン、セルガード、ゴム、PVOH、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な非伝導性材料から作製され得るものから形成され得る。固体封止障壁から形成されるガスケットは、それらの間に封止を作成するために、隣接電極の一部分に接触し得る。
【0047】
代替として、ガスケットは、任意の適切な粘着性材料またはペーストから形成されてもよく、例えば、エポキシ樹脂、ブレアタール、電解質(例えば、KOH)不浸透性膠、圧縮性接着剤(例えば、シリコン、アクリル、および/または繊維強化プラスチック(FRP)から形成され得、かつ電解質に不浸透性であり得るHenkel Corporationより入手可能であるLoctite(登録商標)銘柄の接着剤等の2つの部分のポリマー)、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない。粘着性材料から形成されるガスケットは、隣接電極の一部分に接触して、それらの間に封止を作成し得る。さらに他の実施形態では、ガスケットは、固体封止ループと粘着性材料との組み合わせによって形成されてもよく、粘着性材料が、固体封止ループと隣接電極ユニットとの間の封止を改善するようにする。代替的または付加的に、電極ユニット自体は、固体封止ループ、追加の粘着性材料で処理された固体封止ループ、隣接電極ユニット、または追加の粘着性材料で処理された隣接電極ユニットが例えばそこに封止される前に、粘着性材料で処理されてもよい。
【0048】
さらに、一定の実施形態では、隣接電極ユニット間のガスケットまたは封止剤には、1つ以上の弱い点が設けられる可能性があり、その弱い点によって、一定の種類の流体(すなわち、一定の液体または気体)が、そこから逃れることが可能になり得る(例えば、そのガスケットにより画定されるセル区画における内圧が、一定の閾値を超えて増加する)。一定量の流体が逃れるか、または内圧が減少すると、弱い点は再び封止し得る。ブレイ等の一定の種類の適切な粘着性材料またはペーストにより少なくとも部分的に形成されるガスケットは、一定の流体がそこを貫通可能になるように構成または調製され、他の一定の流体のそこの貫通を防止するように構成および調製され得る。このようなガスケットは、任意の電解質が2つのセル区間の間で共有されることを防止し、この共有は、電池の電圧およびエネルギーをすぐにゼロにまで弱める可能性がある。
【0049】
前述のように、積層形成における封止セルにより設計される電池(例えば、双極電池50)を利用する1つの利点は、電池の放電率の増加であり得る。この放電率の増加によって、一定の低腐食性電解質の使用が可能になり(例えば、研磨、伝導性強化、および/または電解質の化学反応性の高い1つまたは複数の成分を除去または低減することによって)、そうでなければ、低腐食性電解質は、角形電池設計または巻線電池設計では実現不可能であり得る。低腐食性電解質を使用する積層電池設計により提供され得るこの余地によって、より腐食性の電解質により腐食され得るガスケットとの封止を形成する際に、一定のエポキシ樹脂(例えば、J−B Weldエポキシ樹脂)の利用が可能になる。
【0050】
本発明の電池のケースまたはラッパー(例えば、ケース40)は、それらの伝導性基板(例えば、基板16および36)またはそれらの関連リード(すなわち、リード13および33)を暴露するために、末端電極ユニット(例えば、MPU12および32)に封止し得る任意の適切な非伝導性材料から形成され得る。また、ラッパーは、それらのそれぞれのセル区画内の電解質を絶縁するために、ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとの間の封止を作成、支持、および/または維持するためにも形成され得る。ラッパーは、これらの封止に必要な支持を作成および/または維持し、セル区画の内圧の増加時に電池の膨張に封止が抵抗するようにする。ラッパーは、例えば、ナイロン、任意の他のポリマー、または強化複合材料、ニトリルゴム、もしくはポリスルホンを含む弾性材料、または収縮包装材料、またはエナメル塗膜鋼もしくは任意の他の金属等の任意の剛性材料、または任意の絶縁材料、またはそれらの組み合わせを含むがこれらに限定されない任意の適切な材料から作製され得る。一定の実施形態では、ラッパーは、例えば、積層セルの封止上に連続的な圧力を維持し得る張力クリップの外骨格によって形成され得る。非伝導性障壁は、電池の短絡を防止するために、積層とラッパーとの間に設けられ得る。
【0051】
引き続き図6を参照すると、例えば、本発明の双極電池50は、MPU12および32、ならびにそれらの間の1つ以上のBPU2(例えば、BPU2a〜2d)の積層により形成される複数のセル区画(例えば、セル区画22a〜22e)を含み得る。本発明のある実施形態によると、基板(例えば、基板6a〜6d、16、および36)、圧力均一化弁(例えば、弁3a〜3d)、電極層(例えば、正の層4a〜dおよび14、ならびに負の層8a〜8dおよび38)、電解質層(例えば、層10a〜10e)、およびガスケット(例えば、ガスケット60a〜60e)の各々の厚さおよび材料は、セル区画毎だけでなく、特定のセル区画内でも相互に異なり得る。積層レベルだけでなく、個々のセルレベルにおける幾何学的形状および化学的性質のこの変動によって、種々の便益および性能特徴を含む電池が作成され得る。
【0052】
さらに、基板、圧力均一化弁、電極層、電解質層、およびガスケットの材料および幾何学的形状は、セル区画からセル区画の積層の高さに沿って変動し得る。さらに図6を参照すると、例えば、電池50の電解質層10の各々に使用される電解質11は、そのそれぞれのセル区画22のセル区画の積層の中心に対する近接性に基づいて変動し得る。例えば、最も内側のセル区画22c(すなわち、電池50における5つの区画22の真ん中のセル区画)は、第一の電解質から形成される電解質層(すなわち、電解質層10c)を含んでもよく、一方、真ん中のセル区画22bおよび22d(すなわち、電池50における末端セル区画に隣接するセル区画)は、第2の電解質から各々が形成される電解質層(すなわち、それぞれ電解質層10bおよび10d)を含んでもよく、一方、最も外側のセル区画22aおよび22e(すなわち、電池50における最も外側のセル区画)は、第3の電解質から各々が形成される電解質層(すなわち、それぞれ電解質層10aおよび10e)を含んでもよい。内側積層においてより高い伝導性の電解質を使用することによって、発生する熱が少なくなるように抵抗が小さくなり得る。これは、外部冷却方法の代わりに、設計によって電池に熱制御を提供することができる。
【0053】
別の例として、電池50のセル区画の各々において電極層として使用される活性物質も、そのそれぞれのセル区画22のセル区画の積層の中心に対する近接性に基づいて変動し得る。例えば、最も内側のセル区画22cは、第一の温度および/またはレート性能を有する第一の種類の活性物質から形成される電極層(すなわち、層8bおよび4c)を含んでもよく、一方、真ん中のセル区画22bおよび22dは、第2の温度および/またはレート性能を有する第2の種類の活性物質から形成される電極層(すなわち、層8a/4bおよび層8c/4d)を含んでもよく、一方、最も外側のセル区画22aおよび22eは、第3の温度および/またはレート性能を有する第3の活性物質から形成される電極層(すなわち、層38/4aおよび層8d/14)を含んでもよい。例として、電池積層は、熱をより良好に吸収し得るニッケルカドミウムの電極により最も内側のセル区画を構築することによって熱的に管理されてもよく、一方、最も外側のセル区画には、例えば、冷却器である必要があり得るニッケル金属水素化物の電極が設けられてもよい。代替として、電池の化学的性質または幾何学的形状は、非対称であってもよく、この場合、積層の一方の端部におけるセル区画は、第一の活性物質および第一の高さから作製されてもよく、一方、積層の他方の端部におけるセル区画は、第2の活性物質および第2の高さを有してもよい。
【0054】
さらに、電池50のセル区画の各々の幾何学的形状も、セル区画の積層に沿って変動し得る。特定のセル区画22内の活性物質間の距離の変動に加え、一定のセル区画22は、それらの区画の活性物質の間に第一の距離を有してもよく、一方、他のセル区画は、それらの区画の活性物質の間に第2の距離を有してもよい。いずれにしても、活性物質電極層間の距離が小さいセル区画またはその部分は、例えば、電力が高くてもよく、一方、活性物質電極層間の距離が大きいセル区画またはその部分は、例えば、樹枝状結晶成長のためのより多くの空間、より長いサイクル寿命、および/またはより多くの電解質蓄積を有してもよい。活性物質電極間の距離が大きいこれらの部分は、例えば、活性物質電極層間の距離が小さい部分が最初に充電されることを確実にするように、電池の充電受け入れを調節してもよい。
【0055】
ある実施形態では、電池50の電極層の幾何学的形状(例えば、正の層4a〜dおよび14、ならびに図6の負の層8a〜8dおよび38)は、基板6の半径方向長さに沿って変動し得る。図6に関して、電極層は、均一の厚さを有し、皿型電極形状について対称的である。ある実施形態では、電極層は、不均一であってもよい。例えば、図16を参照すると、正の活性物質電極層および負の活性物質電極層の厚さは、湾曲状表面上の半径方向位置に応じて変動し得る。例えば、正電極層304aは、BPU302aの中央付近で比較的小さい厚さを有し、ガスケット360aの付近で比較的大きい厚さを有し得る。同様に、負電極層308aは、BPU302aの中央付近で比較的小さい厚さを有し、ガスケット360aの付近で比較的大きい厚さを有し得る。セル区画322bは、BPU302aの負電極層308aおよび基板306aと、BPU302aに隣接するBPU302bの正電極層304bおよび基板306bと、BPU302aとBPU302bとの間の電解質層310とを含み得る。BPU302aおよびBPU302bが、「皿形状」基板6a〜bが下方に凹状であるように実質的に配向される場合、自由電解質は、セル区画322bの範囲380に溜まり得る。したがって、電極層は、セル積層の充電および放電の各サイクル中に形成する過剰または自由電解質380を利用し得る。前述のように、活性物質電極層の間の距離が小さいセル区画またはその部分は、例えば、より高い電力を有し得る。
【0056】
ある実施形態では、電池50の電極層の幾何学的形状(例えば、図6の正の層4a〜dおよび14、ならびに負の層8a〜8dおよび38)は、所与のBPU(例えば、図16のBPU302c)が複数の幾何学的形状の活性物質を有するように、基板6の半径方向長さに沿って変動し得る。例えば、正の活性物質電極304cは、第一の部分において第一の幾何学的形状390と、第2の部分において第2の幾何学的形状390'とを有し得る。同様に、負の活性物質電極308cは、第一の部分において第一の幾何学的形状391と、第2の部分において第2の幾何学的形状391'とを有し得る。また、他の幾何学的形状および幾何学的形状の組み合わせも、BPUの活性物質層に使用してもよい。
【0057】
前述のように、本発明の双極電池を生産する方法は、概して、MPUを設けるステップと、異極性の別のMPUとの積層を最終的に完成させる前に、電解質層をその上に含む1つ以上のBPUとそれらの間のガスケットとを積層するステップとを含み得る。例えば、本発明に従う積層双極電池1050を生産する方法について、図9〜図14に関連して説明する。例えば、図9に関連して、正のMPU1012には、初めに、不透過性伝導性基板1016と、その上に被覆される正の活性物質電極層1014とが設けられ、その両方は、実質的に「皿形状」である。
【0058】
次に、ガスケット1060が、基板1016上の電極層1014の周囲に積層され得る(例えば、図10参照)。ガスケット1060がMPU1012の上部に積層されると、実質的に流体密封のカップ状の容器(例えば、空間1080参照)が、ガスケット1060の内側壁と、それらの間のMPU1012の部分によって画定され得る。ガスケットとそれらの間の電極ユニットの部分との間で形成される角度(例えば、図10におけるガスケット1060の内側壁とそれらの間のMPU1012の部分との間の角度1078)は、直角、鈍角、または鋭角を含む任意の適切な角度を有し得る。
【0059】
次に、セパレータ1009および電解質1011が、空間1080内において電解質層1010を画定するために、正電極層1014の上部に、ガスケット1060の内壁内に成膜され得る(例えば、図11参照)。使用する電解質が極めて粘着性を有する場合、ガスケットとMPUとの間に作成される封止によって、電解質は、漏出することなく空間1080に容易に注入可能になる。電解質が粘着性でない場合、積層への挿入時に(例えば、電解質がセパレータ内で凍結される実施形態において)、ガスケットがその上に適合される前に、電解質層がMPU上に積層されてもよいことを理解されたい。「皿形状」基板1016は、上方に凹状であってもよく、電解質の一時的な場所として使用されるとともに、セパレータ1009および正電極層1014により吸収されてもよく、それによって、本生産ステップが簡略化される。加えて、皿形状基板1016の幾何学的形状は、電解質1011の成膜時に基板1016の平行移動を実質的に防止し得る。
【0060】
電解質層1010のセパレータ1009および電解質1011が、ガスケット1060およびMPU1012により画定される空間1080内に成膜され、かつ電解質が、実質的に吸収されると、第一のBPU1102が、その上に積層され得る(例えば、図12参照)。図12に示すように、BPU1102は、圧力均一化弁1103を有する不透過性伝導性基板1106と、正電極層1104およびその反対側に被覆される負電極層1108とを含み得る。BPU1102の負電極層1108が、MPU1012の正電極層1014側に下方に対向した状態で、BPU1102は、ガスケット1060上に積層され得る。BPU1102がガスケット1060ひいてはMPU1012の上部に積層されると、第一のセル区画1022が存在し得る。さらに、それによって実質的に流体密封は、基板1106、基板1036、および電解質層1010(ひいては電解質1011)の周囲のガスケット1060によって画定され得る。
【0061】
次に、セパレータ1109および電解質1111が、電解質層1110を画定するために、正電極層1104の上部に、ガスケット1160の内壁内に成膜され得る(例えば、図13参照)。電解質は、これらの生産ステップ中に、BPU1102の底部から漏出し得ない。したがって、半透過性膜または破裂板(例えば、均一化弁1103)が、電解質の下のセルへの排出を実質的に防止するように提供され得る。
【0062】
この第一のセル区画1022が、図9〜図12に関連して上述するように、ガスケット1060、電解質層1010、およびBPU1102をMPU1012の上部に積層することによって作成されると、追加のBPUが、必要に応じて、同様にその上に積層され得る。所望の量のBPUが双極電池に積層されると、第2のMPUがその上に積層され得る。図13を参照すると、負のMPU1032が、最も上部のBPUの上部に積層され得る(本実施形態では、1つのみのBPUが設けられるため、BPU1102がその最も上部のBPUである)。しかしながら、MPU1032がBPU1102の上に積層される前に、追加のガスケット(すなわち、ガスケット1160)および電解質層(すなわち、セパレータ1109および電解質1111を含む電解質層1110)が、ガスケット1060および電解質層1010について上述したように設けられてもよい。
【0063】
負のMPU1032には、不透過性伝導性基板1036とその上に被覆される負の活性物質電極層1038とが設けられ得る。MPU1032の負電極層1038がBPU1102の正電極層1104側に下方に対向した状態で、MPU1032は、ガスケット1160上に積層され得る。MPU1032がガスケット1160ひいてはBPU1102の上部にしっかりと積層されると、第2のセル区画(すなわち、区画1122)が存在し得る。さらに、それによって、実質的に流体密封が、基板1036、基板1106、および電解質層1110(ひいては電解質1111)の周囲のガスケット1160によって画定され得る。
【0064】
図9〜図13に関連して上述したように、正のMPU、負のMPU、およびそれらの間の少なくとも1つのBPUを含むことによって、セル区画の積層を形成するように積層が製造されると、例えば、ケースまたはラッパーが、本発明の機能的積層双極電池を形成するために積層の含有物を封止するように設けられ得る。ある実施形態では、図14に示すように、ラッパー1040が、セル区画(すなわち、セル区画1022および1122)の積層の周囲に設けられ、末端電極層(すなわち、正電極層1014および負電極層1038)が暴露されるようにし(例えば、伝導性基板1016および1036のそれぞれの少なくとも一部分を介して)、封止配置が、積層双極電池1050を提供するように積層の含有物の周囲のラッパーによって設けられるようにする。例えば、各電解質層の周囲に実質的に流体密封障壁を作成するために、積層における各ガスケットとそれに隣接する電極ユニットとの間の封止関係を維持するように、ラッパーによって積層双極電池1050に圧力が及ぼされ得る。
【0065】
ある実施形態では、積層双極電池50は、図15に示すようなドーム状の上部500が、電池のラッパー40の上部に配置され、かつ平坦縁550が電池のラッパー40の底部に配置されるように構造化され得る。例えば、ドーム状上部500は、圧力均一化弁が破裂板(例えば、破裂板弁503a〜b参照)である積層電池において所望され得る。破裂板が開放した場合の電解質の隣接セルへの平行移動を実質的に防止する際に、配向が重要であり得るため、ドーム状上部500は、ドーム状上部500が直立状態で、ひいてはBPU502a〜bが下方に凹状態である配向に積層電池がとどまることを実質的に確実にし得る。直立位置では、自由電解質580が、下方に凹状の「皿形状」電極(例えば、BPU502a〜b)の縁周辺に集まり、自由電解質580が、例えば、縁よりも比較的高くに存在し得るBPU502bの中央における開放孔505bに十分到達可能であり得ない。電池は、実質的に同一の効果でその側面に置かれ得る。
【0066】
積層電池の上述および図示された実施形態の各々が、電解質をその中に封止するために、第一および第2の電極ユニットの各々に封止されるガスケットを含むセル区画を示すが、セル区画の各電極ユニットが、それ自体のガスケットに封止され、2つの隣接する電極のガスケットが、封止セル区画を作成するために相互に封止されてもよいことに留意されたい。
【0067】
一定の実施形態では、ガスケットは、まとめて融合されて封止を作成するように、電極ユニットまたは別のガスケットに射出成形されてもよい。一定の実施形態では、ガスケットは、まとめて封止を形成するように、電極ユニットまたは別のガスケットに超音波で溶接されてもよい。他の実施形態では、ガスケットは、電極ユニットまたは別のガスケットに熱的に融合されるか、または熱流により融合されてもよく、それによって、ガスケットまたは電極ユニットは、加熱されて他のガスケットまたは電極ユニットに溶解され得る。さらに、一定の実施形態では、封止を作成するためにガスケットおよび/または電極ユニットの表面に溝状の部分を作成する代わりに、または作成することに加えて、ガスケットおよび/または電極ユニットが、穿孔を有するか、またはその1つ以上の部分を通る1つ以上の孔を有してもよい。代替として、孔または通路または穿孔は、電極ユニットの一部分(例えば、基板)がガスケットにおよびガスケットを通って成形し得るように、ガスケットの一部分を通って設けられ得る。さらに他の実施形態では、孔は、ガスケットおよび電極ユニットを通って作製され、ガスケットおよび電極ユニットの各々が、例えば、ガスケットおよび電極ユニットの一方におよび一方を通って成形するようにする。
【0068】
積層電池の上述および図示した実施形態の各々が、実質的に円形の断面を有する基板を円筒状の電池に積層することによって形成される電池を示すが、広範な形状ののうちのいずれかを利用して本発明の積層電池の基板を形成してもよいことに留意されたい。例えば、本発明の積層電池は、長方形、三角形、六角形、もしくは任意の他の考えられる形状、またはそれらの組み合わせである断面積を含む基板を有する電極ユニットを積層することによって形成されてもよい。
【0069】
電極板偏向が低減され、かつ圧力均一化が改善された積層電池について説明したが、例えば、本発明の精神および範囲を逸脱することなく、本発明に多くの変更を加えてもよいことを理解されたい。また、「水平」および「垂直」、「上部」および「底部」および「側面」、「長さ」および「幅」および「高さ」および「厚さ」、「内側」および「外側」、「内部」および「外部」、ならびにその同等物等の種々の方向および配向に関する用語が、便宜のためだけに本明細書において使用され、決定的または絶対的な方向または配向に関する制限がこれらの単語の使用によって意図されないこととも理解されたい。例えば、本発明の機器ならびにその個々の構成要素は、任意の所望の配向を有してもよい。再配向される場合、異なる方向または配向に関する用語が、その説明において使用されることを必要とされ得るが、本発明の範囲および精神内にあるように、その基本的な性質を変更しない。当業者は、本発明が、制限目的ではなく例示目的で提示される上述の実施形態以外によって実践されてもよく、本発明が以下の請求項によってのみ制限されることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正の単極電極ユニットと、
負の単極電極ユニットと、
該正の電極ユニットと該負の電極ユニットとの間に積層される少なくとも1つの双極電極ユニットであって、該電極ユニットの各々は皿形状である、双極電極ユニットと、
隣接する電極ユニットの各対の間に設けられる電解質層と、
該電解質層の各々の周囲に配置されるガスケットであって、該電解質層の各々は、それのそれぞれのガスケットおよびそれのそれぞれの隣接する電極ユニットの対によって封止される、ガスケットと
を備える、双極電池。
【請求項2】
各電極ユニットの曲率半径は、無限より小さい、請求項1に記載の電池。
【請求項3】
各電極ユニットの偏向は、前記皿形状によって低減される、請求項1に記載の電池。
【請求項4】
前記少なくとも1つの双極電極ユニットは、正の活性物質電極層を有する第一の側面と、負の活性物質電極層を有する第2の側面とを備える、請求項1に記載の電池。
【請求項5】
前記正の活性物質電極層および前記負の活性物質電極層の厚さは均一である、請求項4に記載の電池。
【請求項6】
前記正の活性物質電極層および前記負の活性物質電極層の厚さは、前記少なくとも1つの双極電極ユニットの半径方向の長さに沿って変動する、請求項4に記載の電池。
【請求項7】
正の単極電極ユニットと、
負の単極電極ユニットと、
該正の電極ユニットと該負の電極ユニットとの間に積層される少なくとも1つの双極電極ユニットであって、該少なくとも1つの双極電極ユニットは圧力均一化弁を備える、双極電極ユニットと、
隣接する電極ユニットの各対の間に設けられる電解質層と、
該電解質層の各々の周囲に配置されるガスケットであって、該電解質層の各々は、それのそれぞれのガスケットおよびそれのそれぞれの隣接する電極ユニットの対によって封止される、ガスケットと
を備える、双極電池。
【請求項8】
前記圧力均一化弁は、化学的腐食に対して耐性がある、請求項7に記載の電池。
【請求項9】
前記圧力均一化弁は、ナノメートルサイズの穿孔およびマイクロメートルサイズの穿孔のうちの少なくとも1つを有する、請求項7に記載の電池。
【請求項10】
電解質は、前記圧力均一化弁によって、隣接する電解質層の間の通過を防止される、請求項9に記載の電池。
【請求項11】
気体は、前記圧力均一化弁における前記穿孔によって、隣接する電解質層の間を通過可能である、請求項9に記載の電池。
【請求項12】
前記圧力均一化弁は、
封止剤と、
黒鉛炭素繊維束と
を備える、請求項7に記載の電池。
【請求項13】
気体分子は、前記黒鉛繊維束に沿って、隣接する電解質層の間を化学的に移行させられる、請求項12に記載の電池。
【請求項14】
拡散力は、過剰に加圧された電解質層からの水素分子が、前記黒鉛繊維束の表面に沿って移動することを可能にする、請求項12に記載の電池。
【請求項15】
電解質は、前記圧力均一化弁によって、隣接する電解質層の間の通過を防止される、請求項12に記載の電池。
【請求項16】
正の単極電極ユニットと、
負の単極電極ユニットと、
該正の電極ユニットと該負の電極ユニットとの間に積層される少なくとも1つの双極電極ユニットであって、該少なくとも1つの双極電極ユニットは破裂板弁を備える、双極電極ユニットと、
隣接する電極ユニットの各対の間に設けられる電解質層と、
該電解質層の各々の周囲に配置されるガスケットであって、該電解質層の各々は、それのそれぞれのガスケットおよびそれのそれぞれの隣接する電極ユニットの対によって封止される、ガスケットと
を備える、双極電池。
【請求項17】
前記積層双極電池は、ドーム状上部を備える、請求項16に記載の電池。
【請求項18】
前記電池の配向は、ドーム状上部によって維持され、それによって、前記破裂板弁の破裂時に、電解質が隣接する電解質層の間の通過することが防止される、請求項17に記載の電池。
【請求項19】
前記破裂板弁は、化学的腐食に対して耐性がある、請求項16に記載の電池
【請求項20】
前記破裂板弁は、円板形状である、請求項16に記載の電池。
【請求項21】
隣接する電極ユニットの各対の間の圧力は、前記破裂板弁の開放によって均一化される、請求項16に記載の電池。
【請求項22】
積層双極電池を生産するための方法であって、該方法は、
第一の不透過性伝導性基板とその上に被覆される第一の正の活性物質電極層とを備える正の単極電極ユニット(MPU)を提供することであって、該MPUの各々、該第一の基板、および該第一の正電極層は皿形状である、ことと、
該第一の基板上に第一のガスケットを提供することであって、該第一のガスケットの内側壁とそれらの間の該MPUの部分との間の空間は、第一の空間を備える、ことと、
該第一の空間内に第一のセパレータおよび第一の電解質を提供することであって、該第一のセパレータおよび該第一の電解質は、第一の電解質層を備える、ことと、
該第一のガスケット上に積層される複数の双極電極ユニット(BPU)を提供することであって、該複数のBPUの各々は皿形状である、ことと、
末端のBPU上に末端のガスケットを提供することであって、該末端のガスケットの該内側壁と、それらの間の該末端のBPUの部分との間の空間は、末端の空間を備える、ことと、
該末端の空間内に末端のセパレータおよび末端の電解質を提供することであって、該末端のセパレータおよび該末端の電解質は、末端の電解質層を備える、ことと、
末端の不透過性伝導性基板とその上に被覆される末端の負の活性物質電極層とを備える該末端のBPUの上部に積層される負のMPUを提供することであって、該負のMPUの各々、該末端の基板、および該末端の負電極層は皿形状である、ことと、
を含む、方法。
【請求項23】
前記複数のBPUの各々は、不透過性伝導性基板、圧力均一化弁、正電極層、およびそれの対向する側面上に被覆される負電極層を備える、請求項22に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公表番号】特表2011−501384(P2011−501384A)
【公表日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−531067(P2010−531067)
【出願日】平成20年10月27日(2008.10.27)
【国際出願番号】PCT/US2008/012204
【国際公開番号】WO2009/055073
【国際公開日】平成21年4月30日(2009.4.30)
【出願人】(510113553)ジー4 シナジェティクス, インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】