説明

電気機器筐体の開閉カバー取付け構造

【課題】 電気機器が大きな衝撃を受けても、開閉カバーの動作感触を得るための板ばねがその取付け箇所から脱落することを防ぐ。
【解決手段】 フロントパネル10に取り付けた開閉カバー20の揺動中心軸21の偏心箇所に突起23を設ける。突起23に弾接する板ばね30を、フロントパネル10側の孔部13に差し込んで取り付けてある。板ばね30の取付部31が、孔部13から抜け出ることを防ぐ押さえ片部60を、フロントパネル10に固着した押ボタンユニット40のフレーム35に樹脂で一体に成形しておく。配線基板50に押さえ片部61を突き当てておく。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機器筐体の開閉カバー取付け構造に関する。特に、板ばねの作用によって、開閉カバーがその中立位置の片側に変位されたときに閉方向に付勢されるのに対し、開閉カバーがその中立位置の他側に変位されたときに開方向に付勢されるようになっている電気機器筐体の開閉カバー取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図4は従来例による電気機器筐体の開閉カバー取付け構造の分解斜視図、図5は同従来例による上記開閉カバー取付け構造において、開閉カバーが閉じている状態での縦断面図、図6は同従来例による上記開閉カバー取付け構造において、開閉カバーが開いている状態での縦断面図である。以下、従来例を説明する。
【0003】
図4〜図6のように、この開閉カバー取付け構造では、電気機器の筐体の一部を形成しているフロントパネル10に開閉カバー20が取り付けられている。この開閉カバー20は、下端部にフロントパネル10に回転可能に取り付けられた揺動中心軸21を中心にして開閉揺動可能になっている。そして、図6に示したように開閉カバー20を前倒れ姿勢に開くと、フロントパネル10に配備されている各種の操作部(不図示)をユーザが操作することができるようになっている。また、それらの操作部を操作する必要がないときには、図5に示したように、開閉カバー20を閉じてその操作部を覆い隠すことができるようになっている。
【0004】
開閉カバー20には、フロントパネル10の下端部に開設されている開口11内に回転変位可能に配備された膨出部22が備わっていて、この膨出部22に、上記揺動中心軸21に対する偏心箇所に位置している突起23が設けられている。一方、フロントパネル10には、上記開口11の上方に位置する孔付き突部12が設けられていて、この孔付き突部12の孔部13に板ばね30の取付部31が差し込まれて係止されている。板ばね30は、上記した取付部31に作用部32が連設されていて、その作用部32が、上記開閉カバー20に設けられている突起23に弾接している。
【0005】
このほか、フロントパネル10には押ボタンユニット40が装備されているのに対し、その押ボタンユニット40の設置位置の背部に配線基板50が配備されている。そして、この配線基板50に搭載されているスイッチ素子100が、上記押ボタンユニット40を操作することによって切換え制御されるようになっている。
【0006】
以上のように構成されている従来例に係る開閉カバー取付け構造において、開閉カバー20が閉じているときには、図5のように、板ばね30の弾性によりその作用部32が開閉カバー20側の突起23を下向きに弾発付勢している。そのため、開閉カバー20が図5に示した閉状態に保たれている。これに対し、ユーザが開閉カバー20を開くと、その過程で突起23が板ばね30の作用部32を変位させつつその作用部32と摺動する。そして、図5に符号Nで示した板ばね30の中立位置を越えて突起23が作用部32に対して上方へ摺動変位すると、突起23が板ばね32の中立位置Nを越えた時点で、板ばね30の弾性によりその作用部32が突起23を上向きに弾発付勢するようになる。したがって、開閉カバー20が板ばね32の弾発付勢作用によって開き方向に揺動して、図6のように前倒れ姿勢に開く。これに対し、開閉カバー20が図6のように開いているときに、ユーザがその開閉カバー20を閉じ方向に押し込むと、それに伴って突起23が板ばね30の中立位置Nを越えて突起23が作用部32に対して下方へ摺動変位する。そのため、突起23が板ばね32の中立位置Nを越えた時点で、板ばね30の弾性によりその作用部32が突起23を下向きに弾発付勢するようになり、開閉カバー20が板ばね32の弾発付勢作用により閉じ方向に揺動して、図5のように閉じる。したがって、ユーザにとっては、板ばね30による作用によって、開閉カバー20の開閉時に好ましい動作感触が得られる。
【0007】
図4〜図6を参照して説明した従来例の上記開閉カバー取付け構造では、板ばね13が、その取付部31をフロントパネル20側の孔部13に差し込むことによってそのフロントパネル20に固着されているだけである。しかも、板ばね13の取付部31を孔部13に差し込むときの作業性を高めることなどのために、孔部13の対向部分には、取付部31を位置させることができるスペースが確保されている必要がある。そのため、従来例では、孔部13に差し込まれた板ばね30の取付部31の背部が空間スペースS(図5参照)として放置されていた。
【0008】
一方、従来より、タクトスイッチを押ボタンの操作を通じて動作させる場合に、押ボタンの押込み動作を板ばねを会してタクトスイッチに作用させることが行われている(たとえば、特許文献1、突起文献2、特許文献3参照)。
【特許文献1】特開平11−283458号公報
【特許文献2】特開平6−44866号公報
【特許文献3】実開平7−25536号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、図5などに示したように、孔部13に差し込まれた板ばね30の取付部31の背部が空間スペースS(図5参照)として放置されていると、当該電気機器が、落下させたときに発生するような大きな衝撃を受けたようなときに、その影響で板ばね30の取付部31が孔部13から外れて抜け出てしまったり、あるいは、取付部31が孔部13からの抜出し方向に位置ずれしてしまったりすることが起こり得る。そして、仮に板ばね30が孔部13から抜け出てしまうと、板ばね30の作用がまったく発揮されなくなり、開閉カバー20の開閉時の上述したような動作感触が得られなくなる。また、取付部31が位置ずれすると、開閉カバー20の開閉時の動作感触が鈍くなったり得られなくなったりして電気機器自体の動作品位が低下してしまうことになる。
【0010】
そこで、本発明は、板ばねが、その取付部をフロントパネルなどの筐体側に設けられている孔部に差し込むことによって筐体に固着されているような開閉カバーの取付け構造において、当該電気機器が大きな衝撃を受けても、その影響で板ばねの取付部が孔部から外れて抜け出てしまったり、取付部が位置ずれしてしまったりすることを無くすることにより、開閉カバーの開閉時の動作感触を常に正常に発揮させることのできる電気機器筐体の開閉カバー取付け構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明に係る電気機器筐体の開閉カバー取付け構造は、筐体に開閉揺動可能に取り付けられた開閉カバーの揺動中心軸の偏心箇所に設けられた突起とこの突起に弾接する板ばねとを有し、開閉カバーの揺動により上記突起が上記板ばねの中立位置の片側に摺動変位されることによって、上記板ばねが、上記開閉カバーを閉方向に揺動させる方向にその突起を弾発付勢し、かつ、開閉カバーの揺動により上記突起が上記板ばねの中立位置の他側に摺動変位されたときには、上記板ばねが、上記開閉カバーを開方向に揺動させる方向にその突起を弾発付勢するようになっている。また、この発明では、上記筐体に、押ボタンユニットのフレームが固着され、その押ボタンユニットの設置位置の背部に、その押ボタンユニットの操作を通じて切換え制御されるスイッチ素子を搭載した配線基板が配備されている。
【0012】
そして、上記板ばねが、上記突起に当接する作用部と、上記筐体に設けられた孔部に差し込まれて係止されている取付部とを備えて、上記作用部による突起の付勢方向が、上記孔部に対する上記取付部の差込み方向に沿う方向に定められていると共に、上記取付部に、上記押ボタンユニットのフレームから延び出た押さえ片部を重ね合わせて上記孔部からの上記取付部の抜け出しを阻止させている。
【0013】
この構成であると、筐体に固着されている押ボタンユニットのフレームに、上記取付部に重なり合ってその取付部が孔部から抜け出ることを阻止する押さえ片部を設けてあるので、衝撃の影響を受けて板ばねの取付部が孔部から抜け出たり位置ずれしたりすることがなくなる。また、板ばねを孔部に差し込んだ後で押ボタンユニットを筐体に固着するという組立手順を採用することによって、押さえ片部が板ばねの取付部に重なり合うので、上記押さえ片部が、板ばねの取付部を孔部に差し込むときの作業性を阻害することにはならない。
【0014】
本発明では、上記配線基板が上記押さえ片部に重なり合っていて、その配線基板により、上記孔部からの上記取付部の抜出し方向に上記押さえ片部が変位することを阻止させている、という構成を採用することが可能である。これによれば、孔部からの取付部の抜出しや位置ずれを阻止している押さえ片部が配線基板によってバックアップされるために、押さえ片部による上記したような抜出し阻止作用や位置ずれ防止作用がいっそう確実に発揮されるようになる。
【0015】
本発明では、上記取付部が、上記孔部に対する差込み片部と、この差込み片部の先端に曲成されている係止爪と、上記差込み片部の根元に曲成されている板片部とを有し、上記孔部とその孔部に差し込まれた上記取付部との係止箇所では、上記孔部に設けられているリブに上記取付部に設けられた係止爪が係止していることが望ましい。これによれば、取付部自体も、孔部からの抜出し阻止作用や位置ずれ防止作用を発揮するので、それらの作用の安定性が向上する。
【0016】
本発明では、上記押さえ片部が、上記フレームからその背方へ延び出て上記配線基板に突き当たっている第1突片部と、この突片部から直角に突出して上記取付部の板片部に重なり合っている第2突片部と、を備えている、という構成を採用することが可能である。
【発明の効果】
【0017】
以上のように、本発明によれば、電気機器が大きな衝撃を受けても、その影響で板ばねの取付部が孔部から外れて抜け出てしまったり、取付部が位置ずれしてしまったりすることが無くなるので、開閉カバーの開閉時の動作感触が常に正常に発揮されるようになって、電気機器筐体の開閉カバーの開閉時の動作安定性や電気機器自体の動作品位が向上するという効果が奏される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の実施形態に係る電気機器筐体の開閉カバー取付け構造の分解斜視図、図2は同開閉カバー取付け構造において、開閉カバーが閉じている状態での縦断面図、図3は孔付き突部12と板ばね30の取付部31とを示した分解斜視図である。
【0019】
図1〜図3のように、電気機器の筐体の一部を形成しているフロントパネル10に開閉カバー20が取り付けられている。開閉カバー20は、下端部にフロントパネル10に回転可能に取り付けられた揺動中心軸21を中心にして開閉揺動可能になっている。そして、開閉カバー20を前倒れ姿勢に開くと、フロントパネル10に配備されている各種の操作部(不図示)をユーザが操作することができるようになっている。また、それらの操作部を操作する必要がないときには、図2に示したように、開閉カバー20を閉じてその操作部を覆い隠すことができるようになっている。
【0020】
開閉カバー20には、フロントパネル10の下端部に開設されている開口11内に回転変位可能に配備された膨出部22が備わっていて、この膨出部22に、上記揺動中心軸21に対する偏心箇所に位置している突起23が設けられている。一方、フロントパネル10には、上記開口11の上方に位置する孔付き突部12が設けられている。図3に示したように、この孔付き突部12は、互いに対称な形状を有するL形部12aとそれらのL形部12a,12aの端部間に亘る上板部12bを有していて、それらのL形部12a,12aと上板部12bとによって孔部13が略矩形に形作られている。また、上記上板部12bの幅方向中央部に、孔部13の深さ方向に延びるリブ14が設けられている。
【0021】
板ばね30は、取付部31とその取付部31に連設された作用部32とを有している。図3に拡大して示したように、取付部31は、差込み片部31aと、この差込み片部31aの先端に直角に曲成されている係止爪31bと、差込み片部31aの根元に直角に曲成されている板片部31cとを有し、板片部31cに上記作用部32が連設されている。そして、図2のように、板ばね30の差込み片部31aが上記孔部13に差し込まれていると共に、上記係止爪31bが上記孔部13の内部でリブ14に係止している。このように係止爪31bがリブ14に係合して孔部13からの差込み片部31aの抜出しを防いでいるので、開閉カバー20を開閉するという通常の動作(後述する)によって、板ばね30の取付部31が孔部13から抜け出たり抜出し方向に位置ずれしたりすることはない。
【0022】
図1のように、押ボタンユニット40は、上下2つの押ボタン41,42のそれぞれが、樹脂ヒンジ43,44を介して、それらの押ボタン41,42を取り囲むように形作られたコ字形のフレーム45に連結されてなる。また、フレーム45には、フロントパネル10の複数箇所に突設されている溶着用のボス15…が差し込まれる挿通孔46…が貫設されている。この押ボタンユニット40をフロントパネル10に固着する工程では、押ボタンユニット40のフレーム45の各挿通孔46…に、上記ボス15…を挿通させた後、それらのボス15…とフレーム45とを溶着するという作業が行われる。
【0023】
この実施形態において、押ボタンユニット40のフレーム45には押さえ片部60が樹脂で一体成形されている。図例の押さえ片部60は、フレーム45からその背方へ延び出た第1突片部61と、この第1突片部61から直角に突出している第2突片部62とを備えている。特に、この実施形態では、形状が簡素な分割型を用いて押ボタンユニット40と押さえ片部60とを樹脂で一体成形することのできる構成を採用している。すなわち、フレーム45の下辺から板片状の上記第1突片部61を背方へ突出させてあると共に、第2突片部62を、フレーム45の下辺の下方へ突き出る形態で第1突片部61に連設してある。
【0024】
上記のように、押さえ片部60が押ボタンユニット40に一体に形成されていると、板ばね30をフロントパネル10に上記のようにして取り付けた後に、押ボタンユニット40のフレーム45を上記のようにフロントパネル10のボス15を利用してそのフロントパネル10に固着することにより、図2のように、押さえ片部61の第2突片部62が、板ばね3つの取付部31に具備されている板片部31cに重なり合う。このため、板ばね30の差込み片部31aが孔部13から抜け出たり位置ずれしたりすることが、押さえ片部61によって阻止される。
【0025】
フロントパネル10に装備されている上記押ボタンユニット40の設置位置の背部に配線基板50が配備される。そして、この配線基板50に搭載されているスイッチ素子100が、押ボタンユニット40の押ボタン41,42を操作することによって切換え制御されるようになっている。また、配線基板50が、上記押さえ片部60の第1突片61の先端面に重なり合っている。ここで、配線基板50は、押ボタンユニット40をフロントパネル10に固着した後で、フロントパネル10に取り付けられて定位置に固定されている。このため、配線基板50が押さえ片部60の第1突片61の先端面に重なり合っていると、その配線基板50により押さえ片部60の背方への変位が阻止される。
【0026】
上記板ばね30は、図2に示したように、その作用部32が、開閉カバー20に設けられている突起23に弾接している。
【0027】
以上のように構成されている開閉カバー取付け構造において、開閉カバー20が閉じているときには、図2のように、板ばね30の弾性によりその作用部32が開閉カバー20側の突起23を下向きに弾発付勢して、開閉カバー20が同図に示した閉状態に保っている。これに対し、ユーザが開閉カバー20を開くと、その過程で突起23が板ばね30の作用部32を変位させつつその作用部32と摺動する。そして、板ばね30の中立位置を越えて突起23が作用部32に対して上方へ摺動変位すると、突起23が板ばね32の中立位置N(図5参照)を越えた時点で、板ばね30の弾性によりその作用部32が突起23を上向きに弾発付勢するようになる。したがって、開閉カバー20が板ばね32の弾発付勢作用によって開き方向に揺動して前倒れ姿勢に開く(図6参照)。これに対し、開閉カバー20が開いているときに、ユーザがその開閉カバー20を閉じ方向に押し込むと、それに伴って突起23が板ばね30の中立位置を越えて突起23が作用部32に対して下方へ摺動変位する。そのため、突起23が板ばね32の中立位置を越えた時点で、板ばね30の弾性によりその作用部32が突起23を下向きに弾発付勢するようになり、開閉カバー20が板ばね32の弾発付勢作用により閉じ方向に揺動して、図2のように閉じる。したがって、ユーザにとっては、板ばね30による作用によって、開閉カバー20の開閉時に好ましい動作感触が得られる。この動作自体は、図5又は図6を参照して説明した従来例によるそれと同様である。
【0028】
この実施形態では、図2に示したように、押ボタンユニット40に樹脂で一体成形されている押さえ片部61の第2突片部62が、板ばね3つの取付部31に具備されている板片部31cに重なり合って、板ばね30の差込み片部31aが孔部13から抜け出たり位置ずれしたりすることを阻止している。加えて、フロントパネル10に取り付けられている配線基板50によって、上記押さえ片部60の第1突片61がバックアップされている。このため、押さえ片部61と配線基板50との両方が、孔部13に対する板ばね30の取付部31の抜出しや位置ずれを阻止する作用を発揮していることになる。そのため、この実施形態によると、電気機器に落下衝撃のように解きな衝撃が加わった場合であっても、開閉カバー20の開閉時の動作感触が常に正常に発揮されるようになって、電気機器筐体の開閉カバーの開閉時の動作安定性や電気機器自体の動作品位が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る電気機器筐体の開閉カバー取付け構造の分解斜視図である。
【図2】同開閉カバー取付け構造において、開閉カバーが閉じている状態での縦断面図である。
【図3】孔付き突部と板ばねの取付部とを示した分解斜視図である。
【図4】従来例による電気機器筐体の開閉カバー取付け構造の分解斜視図である。
【図5】同従来例による開閉カバー取付け構造において、開閉カバーが閉じている状態での縦断面図である。
【図6】同従来例による開閉カバー取付け構造において、開閉カバーが開いている状態での縦断面図である。
【符号の説明】
【0030】
10 フロントパネル
13 孔部
14 リブ
20 開閉カバー
21 揺動中心軸
23 突起
30 板ばね
31 板ばねの取付部
31a 差込み片部
31b 係止爪
31c 板片部
32 板ばねの作用部
40 押ボタンユニット
45 押ボタンユニットのフレーム
50 配線基板
100 スイッチ素子
60 押さえ片部
61 第1突片部
62 第2突片部
N 板ばねの中立位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
筐体に開閉揺動可能に取り付けられた開閉カバーの揺動中心軸の偏心箇所に設けられた突起とこの突起に弾接する板ばねとを有し、開閉カバーの揺動により上記突起が上記板ばねの中立位置の片側に摺動変位されることによって、上記板ばねが、上記開閉カバーを閉方向に揺動させる方向にその突起を弾発付勢し、かつ、開閉カバーの揺動により上記突起が上記板ばねの中立位置の他側に摺動変位されたときには、上記板ばねが、上記開閉カバーを開方向に揺動させる方向にその突起を弾発付勢するようになっていると共に、上記筐体に、押ボタンユニットのフレームが固着され、その押ボタンユニットの設置位置の背部に、その押ボタンユニットの操作を通じて切換え制御されるスイッチ素子を搭載した配線基板が配備されている電気機器筐体において、
上記板ばねが、上記突起に当接する作用部と、上記筐体に設けられた孔部に差し込まれて係止されている取付部とを備えて、上記作用部による突起の付勢方向が、上記孔部に対する上記取付部の差込み方向に沿う方向に定められていると共に、上記取付部に、上記押ボタンユニットのフレームから延び出た押さえ片部を重ね合わせて上記孔部からの上記取付部の抜け出しを阻止させていることを特徴とする電気機器筐体の開閉カバー取付け構造。
【請求項2】
上記配線基板が上記押さえ片部に重なり合っていて、その配線基板により、上記孔部からの上記取付部の抜出し方向に上記押さえ片部が変位することを阻止させている請求項1に記載した電気機器筐体の開閉カバー取付け構造。
【請求項3】
上記取付部が、上記孔部に対する差込み片部と、この差込み片部の先端に曲成されている係止爪と、上記差込み片部の根元に曲成されている板片部とを有し、上記孔部とその孔部に差し込まれた上記取付部との係止箇所では、上記孔部に設けられているリブに上記取付部に設けられた係止爪が係止している請求項1又は請求項2に記載した電気機器筐体の開閉カバー取付け構造。
【請求項4】
上記押さえ片部が、上記フレームからその背方へ延び出て上記配線基板に突き当たっている第1突片部と、この突片部から直角に突出して上記取付部の板片部に重なり合っている第2突片部と、を備えている請求項3に記載した電気機器筐体の開閉カバー取付け構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−99631(P2009−99631A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−267279(P2007−267279)
【出願日】平成19年10月13日(2007.10.13)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】