説明

電気機械装置、ロボット及び移動体

【課題】渦電流損失による発熱を抑制して、電気機械装置の効率を向上させる。
【解決手段】電気機械装置10であって、中心軸230と、前記中心軸230の外周に沿った円筒面上に配置された永久磁石200と、を有するローター20と、前記永久磁石200の外周に沿った円筒面上に配置された空芯の電磁コイル100A、100Bと、前記永久磁石200と前記電磁コイル100A、100Bとの間に配置された円筒形のパイプ部材270と、を有するステーター15と、を備え、前記パイプ部材270は、炭素繊維強化プラスチックで形成されており、前記炭素繊維強化プラスチックは、炭素繊維271が束ねられて形成された炭素繊維束272が編まれて形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電気機械装置、ロボット及び移動体に関する。
【背景技術】
【0002】
ステーターコイルがスロットレスモータの超高速回転時にもハウジングから分離されないようにするために、ステーターコイルに圧接する外周面および前記マグネットと所定の空隙を保持する内周面を有して当該マグネットとステーターコイルとの間に配置されるステーターリングと、前記ステーターリングを前記ハウジングの両端に固着されたハウジングキャップに固定させるとともに、前記マグネットの外周面とステーターリングの内周面との離隔距離を一定に保持する固定手段とを備えた技術が知られている(例えば特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−50557号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の技術では、強度と放熱のし易さを考慮してステーターリングは導電体であるステンレスで形成されているが、ステーターリングに生じる渦電流による発熱や損失については、十分に考慮されていなかった。すなわち、ステーターリングの放熱のためには、熱伝導率が良好な材料を用いることが好ましいが、一般に熱伝導率が良好な電気伝導性の材料を用いると、ステーターリングに渦電流が発生してしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、上述した従来の課題を解決するためになされたものであり、更に高トルク時(電磁コイルに大電流が流れる状態)に生じるローターとの反回転方向の大きな力が生じ、電磁コイルはコイルバックヨークにより逃げ場を失いローター側に突出しようとする力に変わる。また、渦電流による発熱や損失を抑制して、電気機械装置の効率を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0007】
[適用例1]
電気機械装置であって、中心軸と、前記中心軸の外周に沿った円筒面上に配置された永久磁石と、を有するローターと、前記永久磁石の外周に沿った円筒面上に配置された空芯の電磁コイルと、前記永久磁石と前記電磁コイルとの間に配置された円筒形のパイプ部材と、を有するステーターと、を備え、前記パイプ部材は、炭素繊維強化プラスチックで形成されており、前記炭素繊維強化プラスチックは、炭素繊維が束ねられて形成された炭素繊維束が編まれて形成されている、電気機械装置。
この適用例によれば、パイプ部材は、炭素繊維強化プラスチックで形成されており、炭素繊維強化プラスチックは、炭素繊維が束ねられて形成された炭素繊維束が編まれて形成された電気伝導性材料であり、熱伝導率も良好である。渦電流は一般に閉じた経路を略円形に流れるが、このような構成を採用した場合、炭素繊維と交わる方向の電流が流れにくいので、パイプ部材に生じる渦電流を抑制することができる。すなわち、渦電流による発熱や損失を抑制して、電気機械装置の効率を向上させることが可能となる。
【0008】
[適用例2]
適用例1に記載の電気機械装置において、前記パイプ部材は、少なくとも2つの方向の炭素繊維束が編まれて形成されている、電気機械装置。
この適用例によれば、パイプ部材が、炭素繊維の方向と平行な方向に裂けたり、割れたりすることを抑制できる。
【0009】
[適用例3]
適用例1または2に記載の電気機械装置において、前記パイプ部材は、前記電磁コイル側の表面に非導電性層を有する、電気機械装置。
この適用例によれば、電磁コイルとパイプ部材の炭素繊維とのショートを抑制できる。
【0010】
[適用例4]
適用例1〜3のいずれか一つに記載の電気機械装置備えるロボット。
【0011】
[適用例5]
適用例1〜3のいずれか一つに記載の電気機械装置を備える移動体。
【0012】
なお、本発明は、種々の形態で実現することが可能であり、例えば、モーターや発電装置などの電気機械装置のほか、それを用いたロボット、移動体、電気機械装置の製造方法等の形態で実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】コアレスモーターの構成を示す説明図である。
【図2】コイルバックヨーク115と電磁コイル100A100Bとを円筒面に沿って展開しコイルバックヨーク115側から見たときの状態を示す説明図である。
【図3】炭素繊維織布の製造工程を示す説明図である。
【図4】炭素繊維織布からパイプ部材を製造する工程を示す説明図である。
【図5】渦電流損失の測定方法の一例を示す説明図である。
【図6】パイプ部材270を炭素繊維強化プラスチックで形成した場合の渦電流損失とアルミニウムで形成した場合の渦電流損失とを比較する説明図である。
【図7】パイプ部材を炭素繊維強化プラスチックで形成したときの渦電流が少ない理由を説明する説明図である。
【図8】炭素繊維織布273の巻方向を45度回転させた変形例を示す説明図である。
【図9A】電磁コイル100Aのフォーミング工程を説明する説明図である。
【図9B】電磁コイル100Bのフォーミング工程を説明する説明図である。
【図10A】電磁コイル100Aへの絶縁膜層形成工程を示す説明図である。
【図10B】電磁コイル100Bへの絶縁膜層形成工程を示す説明図である。
【図11】電磁コイル100Aと100Bの組み立て工程を示す説明図である。
【図12】電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その1)である。
【図13】電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その2)である。
【図14】電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その3)である。
【図15】電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その4)である。
【図16】電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その5)である。
【図17】本発明の変形例によるモーター/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。
【図18】本発明の変形例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。
【図19】本発明の変形例によるモーターを利用した双腕7軸ロボットの一例を示す説明図である。
【図20】本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1は、コアレスモーターの構成を示す説明図である。図1(A)は、コアレスモーター10を中心軸230に平行な面(図1(B)の1A−1A切断面)で切ったときの断面を模式的に示し、図1(B)は、コアレスモーターを中心軸230に垂直な面(図1(A)の1B−1B切断面)で切った断面を模式的に示している。
【0015】
コアレスモーター10は、略円筒状のステーター15が外側に配置され、略円筒状のローター20が内側に配置されたインナーローター型モーターである。ステーター15は、電磁コイル100A、100Bと、パイプ部材270と、ケーシング110と、コイルバックヨーク115と、磁気センサー300とを備えている。ローター20は、中心軸230と、永久磁石200と、磁石サイドヨーク215、216と、磁石バックヨーク236と、軸受け240と、波バネ座金260と、を備えている。
【0016】
ローター20は、中心に中心軸230を有しており、中心軸230の外周には、磁石バックヨーク236が配置されている。磁石バックヨーク236の外周には、6極の永久磁石200が配置されている。6極の永久磁石200は、中心軸230の中心から外部に向かう方向(放射方向)に磁化された永久磁石200と、外部から中心軸230の中心に向かう方向(中心方向)に磁化された永久磁石200とを含んでおり、磁化方向が中心方向である永久磁石200と、磁化方向が放射方向である永久磁石200は、円周方向に沿って交互に配置されている。図1(B)の永久磁石200に付した「N」、「S」の符号は、永久磁石200の外周側の磁極の極性を示している。尚、本実施例では、着磁方向は、アキシャル方向(放射方向、あるいは中心方向)を採用しているが、永久磁石200の着磁方向は、アキシャル方向、パラレル方向のどちらの着磁でもよい。
【0017】
永久磁石200の中心軸230に沿った方向の端部には、磁石サイドヨーク215、216が設けられている。磁石サイドヨーク215、216は、軟磁性体材料で形成された円盤状の部材である。磁石サイドヨーク215の外側には、磁気センサー300がステーター15上に設けられている。磁気センサー300が配置される側の磁石サイドヨーク215を「第1の磁石サイドヨーク215」とも呼び、磁気センサー300が配置される側と反対側の磁石サイドヨーク216を「第2の磁石サイドヨーク216」とも呼ぶ。磁石サイドヨーク215の中心軸230に沿った方向の厚さは、磁石サイドヨーク216の中心軸230に沿った方向の厚さよりも薄い。磁束は、空気中よりも軟磁性体材料の中を通りやすいので、永久磁石200からでた磁束のうち、中心軸230方向に漏れ出た磁束は、磁石サイドヨーク215、216を通りやすい。
【0018】
中心軸230は、炭素繊維強化プラスチックで形成されており、貫通孔239を有している。中心軸230は、ケーシング110の軸受け240で支持されてケーシング110に取り付けられている。また、本実施例では、ケーシング110の内側に、波バネ座金260が設けられており、この波バネ座金260は、永久磁石200の位置決めを行っている。但し、波バネ座金260は省略可能である。
【0019】
ケーシング110は、筐体である。ケーシング110は、中心軸230方向の中央の円筒形部分110aと、両端の板状部分110bとを備える。円筒形部分110aは、アルミニウムなどの熱伝導性の良い材料で形成されている。板状部分110bは略正方形形状を有しており、4つの角に、コアレスモーター10を他の装置に固定するためのネジ穴110cを有している。ケーシング110の円筒形部分110aの内周側には、コイルバックヨーク115が設けられている。コイルバックヨーク115の中心軸230方向の長さは、永久磁石200の中心軸230方向の長さとほぼ同じである。中央の円筒形部分110aがアルミニウムなどの熱伝導性の良い材料で形成されているのは、コイルバックヨーク115に生じた熱を外部に容易に放出するためである。なお、コイルバックヨーク115に生じる熱の原因としては、ローター20の永久磁石200の回転にともなって生じる渦電流による損失(以下「渦電流損失」と呼ぶ。)があげられる。中心軸230からコイルバックヨーク115に向かって放射方向に放射線を引いたとき、放射線は、永久磁石200をちょうど貫く。すなわち、中心軸230から見ると、コイルバックヨーク115と永久磁石200は、重なって見える。
【0020】
コイルバックヨーク115の内周側には、コイルバックヨーク115の内周に沿って、二相の電磁コイル100A、100Bが配列されている。電磁コイル100A、100Bを区別しない場合、電磁コイル100A、100Bを合わせて「電磁コイル100」とも呼ぶ。電磁コイル100A、100Bは、有効コイル領域とコイルエンド領域とを有している。ここで有効コイル領域とは、電磁コイル100A、100Bに電流が流れたときに、ローター20に対して回転方向のローレンツ力を与える領域であり、コイルエンド領域は、電磁コイル100A、100Bに電流が流れたときに、ローター20に対して回転方向と異なる方向(主として回転方向に直行する方向)のローレンツ力を与える領域である。ただし、コイルエンド領域は、有効コイル領域を挟んで2つあり、それぞれのコイルエンド領域に生じるローレンツ力は、大きさが同じで、向きが反対であるので、互いに打ち消し合う。有効コイル領域においては、電磁コイル100A、100Bを構成する導体配線は、中心軸230とほぼ平行な方向であり、コイルエンド領域では、電磁コイル100A、100Bを構成する導体配線は、ローター20の回転方向と平行である。また、中心軸230からコイルバックヨーク115に向かって放射方向に放射線を引いたとき、放射線は、有効コイル領域を貫くが、コイルエンド領域は貫かない。すなわち、中心軸230から見ると、有効コイル領域は、永久磁石200とコイルバックヨーク115の両方と重なって見えるが、コイルエンド領域は、永久磁石200とコイルバックヨーク115のいずれとも重なって見えない。
【0021】
電磁コイル100A、100Bの内周側(永久磁石200側)には、円筒形のパイプ部材270が設けられている。コアレスモーター10では、電磁コイル100A、100Bに電流を流し、電磁コイル100A、100Bの電流と永久磁石200の磁束との相互作用によるローレンツ力を用いて永久磁石200を有するローター20を回転させる。このとき、ローター20を回転させようとする力の反作用が、電磁コイル100A、100Bにかかる。この反作用により、電磁コイル100A、100Bは、反回転方向に対して、コイルバックヨーク115により逃げ場を失い、ローター20の永久磁石200側に突出しようとする力が加わる。その結果、電磁コイル100A、100Bが永久磁石200側に突出するおそれがあった。パイプ部材270は、このような電磁コイル100A、100Bの永久磁石200側への突出を抑制するために配置されている。パイプ部材270は、後述するように、炭素繊維強化プラスチックで形成されている。炭素繊維強化プラスチックは、炭素繊維が束ねられて形成された炭素繊維束が編まれて形成された電気伝導性材料であり、熱伝導率も良好である。
【0022】
ステーター15には、さらに、ローター20の位相を検出する位置センサーとしての磁気センサー300が、電磁コイル100A、100Bの各相に1つずつ配置されている。磁気センサー300は、上述したように、磁石サイドヨーク215側に配置されており、磁石サイドヨーク216側には配置されていない。なお、図1(A)では、一方の相の磁気センサー300のみを表示している。磁気センサー300は、回路基板310の上に固定されており、回路基板310は、ケーシング110に固定されている。ここで、磁気センサー300は、コイルエンド領域から、中心軸230に垂線を降ろしたときの垂線上に配置されていてもよい。一般に、磁気センサー300は、磁束密度の方向の感度特性に異方性を有している。コイルエンド領域から中心軸230に垂線を降ろしたときの垂線上の位置に磁気センサー300が配置されていると、電磁コイル100から放射される磁束の強さが電磁コイル100に流れる電流の増減により変化しても、磁気センサー300の出力信号は、磁気センサー300の感度の異方性により、電流の増減による磁束の変化の影響を受けにくい。
【0023】
図2は、コイルバックヨーク115と電磁コイル100A、100Bとを円筒面に沿って展開し、コイルバックヨーク115側から見たときの状態を示す説明図である。電磁コイル100A、100Bは、それぞれ、角丸長方形形状に巻かれている。同相の電磁コイル同士、例えば電磁コイル100Aと100A、あるいは電磁コイル100Bと100Bは重なっていないが、異相の電磁コイル同士、例えば電磁コイル100Aと100Bは一部重なっている。また、電磁コイル100Aの有効コイル領域の2つの導体の束の間に、2つの電磁コイル100Bの有効コイル領域の導体の束が収まっている。同様に、電磁コイル100Bの有効コイル領域の2つの導体の束の間に、2つの電磁コイル100Aの有効コイル領域の導体の束が収まっている。また、電磁コイル100Bのコイルエンド領域は、円筒面から外側(図2の手前方向)に曲げられており(図1(A)参照)、電磁コイル100Aのコイルエンド領域とぶつからない。このように、電磁コイル100Bのコイルエンド領域を外側に曲げることにより、電磁コイル100Aと100Bとを同じ円筒面上に配置しつつ、互いに干渉しないように配置することができる。本実施例では、電磁コイル100A、100Bの導体の束の太さφ1と、有効コイル領域におけるコイル束の間隔をL2との間にはL2≒2×φ1の関係を有している。すなわち、電磁コイル100A、100Bが配置される円筒面は、電磁コイル100A、100Bの導体の束によりほぼ占められているので、電磁コイルの占積率を向上させ、コアレスモーター10(図1)の効率を向上させることができる。なお、図2では、図示の便宜上、隣り合う電磁コイル同士の間に隙間が描かれているが、L2≒2×φ1の関係にあれば、この隙間は、ほぼゼロとなる。なお、電磁コイル100A、100Bは、交換可能である。本実施例では、電磁コイル100Bのコイルエンド領域が円筒面から外側に曲げられているが、電磁コイル100Bのコイルエンド領域を曲げずに、電磁コイル100Aのコイルエンド領域を外側に曲げてもよい。また、コイルエンド領域を曲げる方向は、円筒面から外側方向ではなく、内側方向であってもよい。また、一方の電磁コイル100Aのコイルエンド領域を円筒面の外側方向に曲げ、他方の電磁コイル100Bのコイルエンド領域を円筒面の内側方向に曲げても良い。
【0024】
図3は、炭素繊維織布の製造工程を示す説明図である。まず、工程(A)では、炭素繊維271を準備し、炭素繊維271を束ねて細長い炭素繊維束272を製造する。このとき、炭素繊維271がばらけない程度に、炭素繊維271の束(炭素繊維束272)を樹脂で固めておくことが好ましい。次に、工程(B)では、炭素繊維束272を四つ目編みして炭素繊維織布273を製造する。ここでは、編むときの炭素繊維束272の炭素繊維271の向きにより、炭素繊維束272を炭素繊維束272A、272Bに区別している。図3では、炭素繊維束272が四つ目編みに編まれていく様子が示されている。
【0025】
図4は、炭素繊維織布からパイプ部材を製造する工程を示す説明図である。工程(C)では、分離内枠型500を準備し、分離内枠型500の外周に剥離剤を塗布し、モールド用樹脂に浸された炭素繊維織布273を巻き付けていく。本実施例では、分離内枠型500は、4つに分割可能であり、分離内枠型500が合体した形状は、円筒形である。なお、分離内枠型500の内部は空洞である。炭素繊維織布273の巻方向は、炭素繊維織布273の炭素繊維271B(図3)と平行な方向である。
【0026】
工程(D)では、モールド用樹脂を熱硬化する。工程(E)では、分離内枠型500を1つずつ外していく。次の工程(F)では、炭素繊維織布273の外周部に例えば、非導電性塗料を塗布して非導電性層275を形成する。炭素繊維織布273は、導電性を有しているので、電磁コイル100A、100Bがローレンツ力の反作用によりパイプ部材270に押しつけられ樹脂を破ってしまうと、ショートするおそれがある。非導電性層275は、このショートをより起こりにくくする。この非導電性層275は、無くても良い。以上の工程により、炭素繊維強化プラスチック(CFRP)により形成されたパイプ部材270を形成する。なお、炭素繊維織布273から成型されるパイプ部材270の厚みは、20um〜100um程度にすることが可能であった。一方、ローター20と電磁コイル100A、100B間の隙間は200〜300umであり、ローター20と電磁コイル100A、100B間の隙間にパイプ材270を設けることは十分可能である。
【0027】
図5は、渦電流損失の測定方法の一例を示す説明図である。ステップ1では、まず、標準モーター1010の損失特性を測定する。標準モーター1010の中心軸1230に、被測定モーター10を接続するためのカップリング1500を取り付ける。この状態で、あらかじめ定められた回転数Nで標準モーター1010を回転させて、標準モーター1010に加える電圧E1と電流I1を測定する。このときの回転状態は、いわゆる無負荷回転状態である。このときの標準モーター1010の第1の総損失P1allは、E1×I1となる。また、第1の総損失P1allは、機械損失P1mと銅損失P1cuと鉄損失P1feの和である。ここで、標準モーター1010の電磁コイルの電気抵抗をR1とすると、銅損失P1cuは、I12×R1で表される。
【0028】
ステップ2では、標準モーター1010に被測定モーター10のローター20のみを接続し、ステップ1と同一の回転数Nで標準モーター1010を回転させて、標準モーター1010に加える電圧E2と電流I2を測定する。このときの第2の総損失P2allはE2×I2となる。なお、この第2の総損失P2allは、第1の総損失P1allに被測定モーター10の機械損失P2mが加わったものである。すなわち、2の総損失P2allと第1の総損失P1allの差分(P2all−P1all)が、被測定モーター10の機械損失P2mとなる。
【0029】
ステップ3では、被測定モーター10のローター20にパイプ部材270を加えてステップ1,2と同じ回転数Nで回転させて、標準モーター1010に加える電圧E3と電流I3を測定する。このときの標準モーター1010の総損失P3allは、E3×I3となる。また、総損失P3allは、ステップ2で測定した総損失P2allに、パイプ部材270に生じる渦電流による渦電流損失Peddyを加えたものである。ここで、渦電流とは、金属板(アルミニウム製など)などの導電体を強い磁界内で動かしたり、導電体の近傍の磁界を急激に変化させたりした際に、電磁誘導効果により導電体内で生じる渦状の電流のことである。被測定モーター10の渦電流損失Peddyは、(P3all−P2all)で算出することができる。
【0030】
図6は、パイプ部材270を、炭素繊維強化プラスチックで形成した場合の渦電流損失と、アルミニウムで形成した場合の渦電流損失と、を比較する説明図である。本実施例では、ローター20が回転すると、永久磁石200も回転するため、この永久磁石200の回転(移動)により、その外側にあるパイプ部材270に渦電流が生じる。
【0031】
炭素繊維強化プラスチックは、導電性を有しているため、パイプ部材270を炭素繊維強化プラスチックで形成しても、パイプ部材270を金属で形成するのに比べて渦電流は、あまり小さくならないと考えられていた。しかし、炭素繊維強化プラスチックを用いてパイプ部材270を製造し、渦電流損失を測定したところ、図6に示すように、パイプ部材270を、炭素繊維強化プラスチックで形成した方が、アルミニウムで形成したよりも、渦電流損失が極めて小さい結果(約1/20〜約1/2000)が得られた。
【0032】
図7は、パイプ部材を炭素繊維強化プラスチックで形成したときの渦電流が少ない理由を説明する説明図である。本実施例では、パイプ部材270は、炭素繊維束272Aと炭素繊維束272Bとを四つ目編みして形成されている。ここで、炭素繊維束272Aは、炭素繊維271Aの方向が中心軸230(図1)と平行な方向であり、炭素繊維束272Bは、炭素繊維271Bの方向が中心軸230(図1)の円周に沿った方向である。
【0033】
渦電流は、パイプ部材270の円筒面の表面上を閉じた経路で略円形を描くように流れる。まず、炭素繊維束272Aに流れる渦電流を考える。渦電流は閉じた経路で略円形を描くように流れるので、炭素繊維271Aの向きに対して様々な方向に流れる。ここで、炭素繊維271Aに沿った方向と、炭素繊維271Aと交わる方向に電流が流れる場合を考える。炭素繊維271Aに沿った方向に電流が流れる場合、電子は、同一の炭素繊維271A上を移動すればよい。そのため、炭素繊維271Aに沿った方向には、比較的電流が流れやすい。一方、電流が炭素繊維271Aと交わる方向に流れる場合、電流を流しにくい樹脂を介して電子が隣の炭素繊維271Aに移る必要がある。そのため、炭素繊維271Aと交わる方向には電流が流れにくい。渦電流は、上述したように、略円形を描く閉じた経路で流れるが、閉じた経路上には、炭素繊維271Aに沿った方向に電流が流れる部分と炭素繊維271Aと交わる方向に電流が流れる部分とを含んでいる。ここで、炭素繊維271Aと交わる方向に電流が流れる部分は、上述したように電流が流れ難く、いわゆる律速(ボトルネック)となる。炭素繊維束272Bに流れる渦電流についても同様に炭素繊維271Bと交わる方向に電流が流れる部分は、いわゆる律速(ボトルネック)となる。
【0034】
また、炭素繊維束272Aと272Bとを跨ぐ渦電流については、炭素繊維束272Aの炭素繊維271Aと、炭素繊維束272Bの炭素繊維271Bとの間は、樹脂があるので、炭素繊維271Aと炭素繊維271Bとの間の電子の移動が起こりにくい。したがって、炭素繊維束272Aと272Bとを跨ぐ渦電流も流れにくく、いわゆる律速(ボトルネック)となる。以上のことから、炭素繊維強化プラスチックで形成されたパイプ部材270には、閉じた経路上のどこかで電流が流れにくい律速部分(ボトルネック)が存在するため、渦電流が流れにくい。したがって、パイプ部材270の材料として炭素繊維強化プラスチックを用いることにより、渦電流損失を少なくし、コアレスモーター10の効率を向上させることが可能となる。
【0035】
図8は、炭素繊維織布273の巻方向を45度回転させた変形例を示す説明図である。この変形例では、図3の炭素繊維織布273を、長方形の各辺と、炭素繊維の向きが45°となるように長方形形状に切断したものを用いている。炭素繊維の向きをこのように構成しても、渦電流は、ほとんど変わらない。上述したように、パイプ部材270の円筒面の表面上を閉じた経路で略円形を描くように流れる。そのため、炭素繊維271の向きがどちらを向いていようと、渦電流の閉じた経路上には、電流の向きが、炭素繊維271に沿った方向と炭素繊維271と交わる方向を含んでいる。そして、電流の向きが炭素繊維271と交わる方向となる部分がボトルネックとなるので、炭素繊維271の向きがどちらを向いていようと、渦電流の大きさに、差はほとんど無い。なお、パイプ部材270には、回転方向の力が働く訳ではないので、強度はあまり要求されない。炭素繊維271aと巻方向の角度は、図4に示した90°、あるいは図8に示した45°以外の角度であってもよい。なお、渦電流損失低減からは、1つの方向の炭素繊維束272のみで炭素繊維織布273を形成してもよいが、この場合、炭素繊維271の方向と平行な方向にパイプ部材270が裂けるおそれがあるため、2つ以上の方向の炭素繊維束272を編む方が好ましい。また、炭素繊維束272を鉄線編み(「亀甲編み」とも呼ぶ。)、あるいは麻の葉編みのように、互いに約60度(約120度)の角度で交わる3つの方向の炭素繊維束272を編んで炭素繊維織布273を形成してもよい。三角形は形が単純で、且つ力学的に強い形であるので、好ましい。
【0036】
以下、コアレスモーター10のコイルバックヨーク付電磁コイルアッセンブリー104の製造について説明する。ここで、2つの電磁コイル100A、100Bと、コイルバックヨーク115と、パイプ部材270と、を樹脂130で固めたものをコイルバックヨーク付電磁コイルアッセンブリー104と呼ぶ。コイルバックヨーク付電磁コイルアッセンブリー104は、複数のコイルアッセンブリーを備える。まず、電磁コイルサブアッセンブリー150を製造する工程について説明し、ついで、電磁コイルサブアッセンブリー150からコイルバックヨーク付電磁コイルアッセンブリー104を製造する工程について説明する。
【0037】
[コイルアッセンブリーの製造工程]
図9Aは、電磁コイル100Aのフォーミング工程を説明する説明図である。電磁コイル100Aを形成する絶縁膜付導体を角丸長方形形状に巻き、加圧し、円筒領域の一部の形を有する形状に成形する。このとき、導体の絶縁膜の厚さが、加圧前の30%〜100%の間あるいは、20%〜100%の間になるように、円筒領域の放射方向に角丸長方形形状に巻かれた電磁コイル100Aを加圧する。なお、絶縁膜の厚さが薄くなると、導体間の耐圧が下がるが、同一電磁コイル内の導体の電位は同じ電位であるため、導体間の耐圧が低くなっても十分な耐圧を有しており、同一電磁コイル内の導体間の電流リークの問題はない。
【0038】
図9Bは、電磁コイル100Bのフォーミング工程を説明する説明図である。電磁コイル100Bのフォーミング工程は、電磁コイル100Aのフォーミング工程と同じである。ただし、電磁コイル100Bのフォーミングでは、コイルエンド領域100BCEを円筒面から外側に折り曲げている点が、電磁コイル100Aのフォーミングと異なるが、他については同じである。なお、コイルエンド領域100BCEを円筒面から外側に折り曲げる前の電磁コイル100Bの形状は、電磁コイル100Aの形状と同じである。
【0039】
図10Aは、電磁コイル100Aへの絶縁膜層形成工程を示す説明図である。図10Bは、電磁コイル100Bへの絶縁膜層形成工程を示す説明図である。上述したように、電磁コイル100A内、あるいは、電磁コイル100B内では、それぞれ同電位であるため、導体の絶縁膜の厚さが薄くなり、導体間の耐圧が下がっても同一電磁コイル内の導体間の電流リークの問題はない。しかし、コアレスモーター10に組み付けた場合には、電磁コイル100Aと100Bは接触するため、電磁コイル100Aと100Bとコイルバックヨーク115の間の公的機関による高耐電圧(1.5[kV]以上)特性を考慮して、電磁コイル100A、100B間の耐圧を向上させることが好ましい。本実施例では、電磁コイル100A、100Bの全域に絶縁薄膜層101を形成し、耐圧を確保している。絶縁薄膜層101の材料としては、例えば、酸化チタン含有シランカップリング材、パリレン、エポキシ、シリコーン、ウレタンを用いることが可能である。
【0040】
図11は、電磁コイル100Aと100Bの組み立て工程を示す説明図である。なお、図11では、絶縁薄膜層101(図10A,図10B)の記載を省略している。電磁コイル100Aが配置される円筒領域の放射方向外周側から、電磁コイル100Aの中央部の2つの有効コイル領域の間に電磁コイル100Bの有効コイル領域が嵌り込むように、電磁コイル100Bを嵌めこむことにより、電磁コイルサブアッセンブリー150(コイルサブ集合体)が形成される。電磁コイルサブアッセンブリー150は、電磁コイル100が為す円筒面の一部を形成している。そして、電磁コイル100Bのコイルエンド領域100BCEが円筒領域の底面に近い部分において、電磁コイル100Bが配置される円筒領域の放射方向外周側に曲がっている。そして、電磁コイル100Aのコイルエンド領域100ACEの一部と、電磁コイル100Bのコイルエンド領域100BCEの一部とが重なる。
【0041】
[コイルバックヨーク付電磁コイルアッセンブリーの製造]
図12は、電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その1)である。図12(A)に示す工程では、抜きピン411を有する基台400を準備する。基台400は、略円盤形状を有している。抜きピン411は、略円柱形の部材であり、基台400の中央に配置されている。基台400と抜きピン411とは、一体に形成されていてもよい。
【0042】
図12(B)に示す工程では、3つの内金型420を、抜きピン411の外周部に配置する。3つの内金型420は、略円筒形状を形成する。内金型420は、内周/(内周の曲率半径)<外周/(外周の曲率半径)となっている。そのため、内金型420を抜きピン411の外周部に配置すると、2つの内金型420の接合部分に、楔形の空間422が形成される。この楔形の空間422は、抜きピン411を抜いた後、内金型420を中心方向に移動させて外しやすくする。なお、本実施例では、内金型420を3分割構成にしているが、2分割構成や4分割構成など、3分割構成以外であってもよい。
【0043】
図12(C)に示す工程では、内金型420の外周に、パイプ部材270を配置する。このとき、内金型420の外周表面に剥離剤を塗布しておいてもよい。こうすれば、後の工程で内金型420を外しやすい。
【0044】
図13は、電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その2)である。図13(A)に示す工程では、パイプ部材270の外側に電磁コイルサブアッセンブリー150が配置される。本実施例では、3つの電磁コイルサブアッセンブリー150で、略円筒形状が形成される。図13(B)に示す工程では、電磁コイル100A、100Bの有効コイル領域の外側にコイルバックヨーク115が配置される。本実施例では、コイルバックヨーク115は3分割構成である。なお、この分割構成数は2以上であればよい。
【0045】
図14は、電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その3)である。図14に示す工程では、コイルバックヨーク115の外側に外金型430が配置される。外金型430は、樹脂注入口431と、空気抜き口432とを備える。なお、図17において、上に示す平面図では、空気抜き口432の図示を省略している。
【0046】
図15は、電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その4)である。図15(A)に示す工程では、高温にした金型の樹脂注入口431から高温にされた樹脂130を注入し、その後、成形型に対して真空ポンプを用いて脱泡処理をする。樹脂130が固まったら、外金型430を外す。図15(B)は、外金型430を外した状態を示す。次に図18(B)に示す状態から、基台400と抜きピン411とを外す。
【0047】
図16は、電磁コイルアッセンブリーの形成工程の一部を示す説明図(その5)である。図16(A)は、基台400と抜きピン411とが取り外された状態を示す。図16(A)に示された状態から、3つの内金型420をそれぞれ抜きピン411が有った方向へ移動させて取り外し、電磁コイルアッセンブリー103を形成する。図16(B)は、内金型420が取り外された状態を示している。以上のように、図12〜図16に示す工程により、電磁コイルサブアッセンブリー150からコイルバックヨーク付電磁コイルアッセンブリー104を形成することができる。
【0048】
従来技術のように、パイプ部材270をアルミニウムやステンレスなどの金属で形成する場合、パイプ部材270の材料が導電性を有しており、パイプ部材270に渦電流損失が生じるため、コアレスモーター10の効率を高めることが出来なかった。また、炭素繊維強化プラスチックは、金属と同様に導電性を有しているため、パイプ部材270の渦電流損失を低減できないと考えられており、パイプ部材270の材料として、金属に変えて炭素繊維強化プラスチックを使うという思想がなかった。本願出願人は、炭素繊維強化プラスチックを用いてパイプ部材270を製造し、その特性を測定した結果、渦電流損失を大幅に低減できることを初めて見いだした。すなわち、炭素繊維強化プラスチックを用いてパイプ部材270を形成することにより、渦電流損失を低減し、コアレスモーター10の効率を向上させることができた。
【0049】
図17は、本発明の変形例によるモーター/発電機を利用した移動体の一例としての電動自転車(電動アシスト自転車)を示す説明図である。この自転車3300は、前輪にモーター3310が設けられており、サドルの下方のフレームに制御回路3320と充電池3330とが設けられている。モーター3310は、充電池3330からの電力を利用して前輪を駆動することによって、走行をアシストする。また、ブレーキ時にはモーター3310で回生された電力が充電池3330に充電される。制御回路3320は、モーターの駆動と回生とを制御する回路である。このモーター3310としては、上述した各種のコアレスモーター10を利用することが可能である。
【0050】
図18は、本発明の変形例によるモーターを利用したロボットの一例を示す説明図である。このロボット3400は、第1と第2のアーム3410,3420と、モーター3430とを有している。このモーター3430は、被駆動部材としての第2のアーム3420を水平回転させる際に使用される。このモーター3430としては、上述した各種のコアレスモーター10を利用することが可能である。
【0051】
図19は、本発明の変形例によるモーターを利用した双腕7軸ロボットの一例を示す説明図である。双腕7軸ロボット3450は、関節モーター3460と、把持部モーター3470と、アーム3480と、把持部3490と、を備える。関節モーター3460は、肩関節、肘関節、手首関節に相当する位置に配置されている。関節モーター3460は、アーム3480と把持部3490とを、3次元的に動作させるため、各関節につき2つのモーターを備えている。また、把持部モーター3470は、把持部3590を開閉し、把持部3490に物を掴ませる。双腕7軸ロボット3450において、関節モーター3460あるいは把持部モーター3470として、上述した各種のコアレスモーターを利用することが可能である。
【0052】
図20は、本発明の変形例によるモーターを利用した鉄道車両を示す説明図である。この鉄道車両3500は、電動モーター3510と、車輪3520とを有している。この電動モーター3510は、車輪3520を駆動する。さらに、電動モーター3510は、鉄道車両3500の制動時には発電機として利用され、電力が回生される。この電動モーター3510としては、上述した各種のコアレスモーター10を利用することができる。
【0053】
以上、いくつかの実施例に基づいて本発明の実施の形態について説明してきたが、上記した発明の実施の形態は、本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定するものではない。本発明は、その趣旨並びに特許請求の範囲を逸脱することなく、変更、改良され得るとともに、本発明にはその等価物が含まれることはもちろんである。
【符号の説明】
【0054】
10…コアレスモーター
15…ステーター
20…ローター
100、100A、100B…電磁コイル
100BCE…コイルエンド領域
100ACE…コイルエンド領域
101…絶縁薄膜層
103…電磁コイルアッセンブリー
104…コイルバックヨーク付電磁コイルアッセンブリー
110…ケーシング
110a…円筒形部分
110b…板状部分
110c…ネジ穴
115…コイルバックヨーク
130…樹脂
150…電磁コイルサブアッセンブリー
200…永久磁石
215、216…磁石サイドヨーク
230…中心軸
236…磁石バックヨーク
239…貫通孔
260…波バネ座金
270…パイプ部材
271、271A、271B…炭素繊維
272、272A、272B…炭素繊維束
273…炭素繊維織布
275…非導電性層
300…磁気センサー
310…回路基板
400…基台
411…ピン
420…内金型
422…空間
430…外金型
431…樹脂注入口
432…口
500…分離内枠型
1010…標準モーター
1230…中心軸
1500…カップリング
2015…ローター
3300…自転車
3310…モーター
3320…制御回路
3330…充電池
3400…ロボット
3410、3420…アーム
3430…モーター
3450…双腕7軸ロボット
3460…関節モーター
3470…把持部モーター
3480…アーム
3490…把持部
3500…鉄道車両
3510…電動モーター
3520…車輪
3590…把持部
P1all、P2all、P3all…総損失
P1cu…銅損失
P1fe…鉄損失
Peddy…渦電流損失
E1、E2、E3…電圧
I1、I2、I3…電流
P1m、P2m…機械損失

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機械装置であって、
中心軸と、前記中心軸の外周に沿った円筒面上に配置された永久磁石と、を有するローターと、
前記永久磁石の外周に沿った円筒面上に配置された空芯の電磁コイルと、前記永久磁石と前記電磁コイルとの間に配置された円筒形のパイプ部材と、を有するステーターと、
を備え、
前記パイプ部材は、炭素繊維強化プラスチックで形成されており、
前記炭素繊維強化プラスチックは、炭素繊維が束ねられて形成された炭素繊維束が編まれて形成されている、電気機械装置。
【請求項2】
請求項1に記載の電気機械装置において、
前記パイプ部材は、少なくとも2つの方向の炭素繊維束が編まれて形成されている、電気機械装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の電気機械装置において、
前記パイプ部材は、前記電磁コイル側の表面に非導電性層を有する、電気機械装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気機械装置備えるロボット。
【請求項5】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の電気機械装置を備える移動体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【図10A】
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【図10B】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−27087(P2013−27087A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−157593(P2011−157593)
【出願日】平成23年7月19日(2011.7.19)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】