説明

電気泳動ディスプレイのための粒子

本発明は、好ましくは荷電保持のための表面官能性を有する着色されたポリマー粒子、それらの調製方法、これらの粒子の電気泳動デバイスの作製のための使用、そのような粒子を含むカラー電気泳動ディスプレイ、および新規な水溶性色素に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、好ましくは電荷保持のための表面機能性を有する着色されたポリマー粒子、それらの製造方法、電気泳動デバイスの作製のためのこれらの粒子の使用、そのような粒子を含むカラー電気泳動ディスプレイ、および新規な水溶性色素に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、低電力、低コストおよび軽量ディスプレイデバイスについての必要性が高まっている。EPD(電気泳動ディスプレイ)は、この要件を満たすことができる。EPDの1つの使用は、電子ペーパー用である。画像が表示された後に、画像がさらなる電圧を印加せずに長期間にわたり保持され得ることが必須である。したがって、これは、低電力使用の要件を満たし、また画像が、他の画像が必要とされるまで視覚可能であることがあり得ることを意味する。
【0003】
EPDは一般的に、各々が1つまたは2つ以上の電極を含む2つの基板間に分散した荷電電気泳動粒子を含む。電極間の空間は、粒子の色に対して異なる色である分散媒体で満たされている。電圧を電極間に印加した場合には、荷電粒子は、反対の極性を有する電極に移動する。粒子は、観察者の側の電極を被覆することができ、したがって、画像を観察者の側から観察した際に、粒子の色と同一の色が表示される。すべての画像を、多数のピクセルを用いて観察することができる。
【0004】
EPDの利用可能な技術は、商業的に電子書籍において用いられる電子ペーパーを含む。この用途は、白黒または淡色を用いる。しかし、従来技術のEPDの主要な欠点は、鮮やかな(bright)全色系の欠如である。
【0005】
異なる着色粒子の単一のピクセルにおける使用は、最近の特許文献(US 7,304,634、GB 2 438 436、US2007/0268244)において例示されているが、これらのアプローチのすべては、複雑なセル構造および駆動スキームを用いることを必要とする。
【0006】
EPDのための特別な着色粒子およびそれらの調製のための方法は、US 2007/0297038、US 2008/0013156、US 6,822,782、WO 2007/048721、WO 2008/003619、WO 2008/003604、US 2005/0267263、WO 2006/126120およびJ. Nanosci. Nanotechn. 2006, Vol. 6, No. 11, p. 3450 - 3454に開示されている。無機粒子および樹脂粒子を含む2つの粒子系もまた、知られている(EP 1 491 941)。これらの着色粒子は、複雑なプロセスによって達成可能であるに過ぎず、かつ/またはそれらは、特定の用途に適するに過ぎない。同様の着色粒子およびそれらの調製プロセスは、分析手法について(US 5,607,864およびUS 5,716,855)、ならびにインクジェット印刷のためのトナー粒子として(US 4,613,559)知られている。
【0007】
無極性媒体中に容易に分散させることができ、電気泳動移動度を示し、分散剤中で色が滲出しない荷電着色粒子の単純な調製についての必要性がある。
【発明の概要】
【0008】
したがって、本発明の目的は、カラー電気泳動ディスプレイのための電気光学的に活性な媒体およびそのような媒体中で用いるための特別に設計された着色粒子を提供することにある。
【0009】
この目的は、電気泳動デバイスにおいて用いるための着色されたポリマー粒子の調製方法であって、a)少なくとも1種の重合性色素、少なくとも1種のモノマー、少なくとも1種の開始剤および任意に少なくとも1種の荷電コモノマーを反応させる段階、ならびに好ましくはb)着色されたポリマー粒子を洗浄し、乾燥する段階を含む、前記方法によって、これらの粒子自体によって、これらの粒子を電気泳動デバイスの調製のために用いることによって、そのような粒子および新規な水溶性色素を含むカラー電気泳動ディスプレイによって解決される。
【0010】
本発明の主題は特に、特別に設計されたポリマー粒子および誘電性有機媒体中でのそれらの分散体を用いて、好ましくはフルカラー電子新聞または電気泳動ディスプレイの電気的にスイッチング可能な部品として適した組成物を製造することに関する。
【0011】
それは、さらに特に、ポリマー粒子の合成、それらの表面を共有結合した置換基で修飾して、分散性(dispersability)および荷電の保持を促進すること、ならびに重合性色素を物理的かつ不可逆的に閉じこめて、色を粒子に付与することに関する。
【0012】
それはまた、特に誘電性有機媒体における前述のポリマー粒子の分散体に関し、それによって、印加された電界における粒子の電気泳動的スイッチングが可能になる。
【0013】
本発明のポリマー粒子の利点は、特に、以下のものであり得る:
・画質に関する、50〜500nm、好ましくは150〜400nmの小さい直径範囲を有する粒子のサイズ、単分散サイズ分布の優れた制御および/または
・光学的透明度および色適合性に関する、ガラス状のポリマーの性質および/または
・耐溶媒性に関する、均一な架橋ネットワーク構造および/または
・EPD溶媒媒体中に分散させた際の非膨張性、衝撃強度、硬度および/または
【0014】
・EPDに最も用いられている媒体である無極性の連続相における分散性、および/または
・誘電性媒体中での高い電気泳動移動度、および/または
・すべての色にわたる色素の包含に対して、技術が普遍的に適用可能である、および/または
・正確なゼータ電位が可能である、および/または
【0015】
・すべての色が、同一の密度を有する(沈降/凝集性能について良好である)、および/または
・同程度の電圧における優れたスイッチング挙動、より迅速な応答時間、および/または
・一貫した表面特性、および/または
・良好な再現性、および/または
・担体流体に近い密度。
【0016】
本発明の主要な利点は、適切な色、例えば赤色、緑色および青色またはシアン、マゼンタおよび黄色の組み合わせの粒子を調製することが可能であること、ならびに高い単分散性を有し、好ましくは荷電が包含された、着色された所望のサイズの粒子を調製することが可能であって、電気泳動的移動を可能にすることである。
【0017】
本プロセスが、費用効率的な製造工程を可能にする、EPDに適する着色粒子を提供するための1段階反応であるのが、特に有利である。
【0018】
重合性色素を粒子の形成ステージにおいて用いることによって、色素がコモノマーと不可逆的に結合し、粒子の本質的な部分となるのが可能になる。色素が粒子中のモノマーに共有結合しているため、EPDに適するすべての溶媒中に滲出する傾向か極めて低い。
【0019】
さらに、色素を、所望の好適な色、例えばシアンまたは赤色を生じるように特別に設計することができる。色素上の重合性基を、適切な色素モノマーが他のモノマーと反応して粒子を形成することができるように、容易に修飾することができる(例えばメタクリレート、アクリレートなど)。
他の主要な利点は、好ましくは、水溶液中でのエマルジョン重合を用いることができることである。この経路によって、単分散性、画質のためのサブミクロンサイズの小さい直径範囲を有する粒径に対する優れた制御がもたらされる。水を溶媒として用いることによって、有機溶媒の使用に勝る明白な安全性および環境的利点がもたらされる。
【0020】
本発明は、荷電および色を互いに独立して制御することができる、着色されたポリマー粒子を製造するための容易な方法を提供する。本発明の粒子が、いかなる色をも、EPDにおける担体流体として用いる無極性溶媒中に、長期間にわたってさえも滲出させないのが、特に有利である。
【0021】
EPDのための粒子の設計および合成において、本発明は、カラーEPDについてのすべての所望の特徴を有する粒子を製造するために、色、荷電、サイズ、単分散性などを独立して操作する機会を提供する。
【0022】
本発明の本質的成分は、重合性色素である。一般的に、重合性色素は、溶媒に可溶性であるかまたは水溶性であり得、それらは、アニオン性、カチオン性または中性であり得る。好ましくは、水溶性色素を用いる。
【0023】
重合性色素の機能は、粒子を着色することである。重合性色素は、発色団、1種または2種以上の重合性基、任意のリンカー基(スペーサー)、ならびに物理的特性(例えば可溶性、光への耐性など)を改変する任意の基、ならびに任意に荷電基(1種または2種以上)からなる。
【0024】
重合性色素は、好ましくは、重合性基、例えばメタクリレート、アクリレート、メタクリルアミド、アクリロニトリル、α置換アクリレート、スチレンおよびビニルエーテル、ビニルエステル、プロペニルエーテル、オキセタンおよびエポキシなど、特にメタクリレートおよびアクリレートから選択される、発色団基および官能基または複数の官能基を含む。
【0025】
重合した基を、発色団基に直接結合させてもよいか、またはリンカー基を介して結合させてもよい。好適なリンカー基の例は、任意に置換されたアルキル鎖、ポリエーテルアルキル鎖、シクロアルキルまたは芳香環、芳香族複素環またはその組み合わせである。
【0026】
発色団基は、好ましくは共役芳香族(芳香族複素環を含む)および/または以下のものを含む多重結合を含む:アゾ(モノアゾ、ビスアゾ、トリスアゾ、結合したアゾなどを含む)、金属化されたアゾ、アントラキノン、ピロリン、フタロシアニン、ポリメチン、アリールカルボニウム、トリフェンジオキサジン、ジアリールメタン、トリアリールメタン、アントラキノン、フタロシアニン、メチン、ポリメチン、インドアニリン、インドフェノール、スチルベン、スクアリリウム(squarilium)、アミノケトン、キサンテン、フルオロン、アクリデン(acridene)、キノレン、チアゾール、アジン、インジュリン、ニグロシン、オキサジン、チアジン、インジゴイド、キノニオイド(quinonioid)、キナクリドン、ラクトン、ベンゾジフラノン、フラボノール、ケイロン、ポリエン、クロマン、ニトロ、ナフトラクタム、ホルマゼンもしくはインドレン基または2種もしくは3種以上のそのような基の組み合わせ。
【0027】
好ましい発色団基は、アゾ基(特にモノアゾおよびビスアゾ)、アントラキノンならびにフタロシアニン基である。
好ましくは、重合性色素は、発色団基およびアクリレートまたはメタクリレート骨格から選択される1種または2種以上の官能基を含む。
【0028】
重合性色素は、例えば鮮やかな黄色、マゼンタまたはシアン色および自己色調黒色(self shade blacks)を有する単一の発色団を含んでいてもよい。しかし、それはまた、混合された共有結合した発色団を含んで、例えば共有結合した茶色および青または黄色、マゼンタおよびシアンによって黒色を得てもよい。緑色を、黄色およびシアンなどによって得ることができる。拡張された共役発色団をまた用いて、数種の色調を得ることができる。例えば、ビスおよびトリスアゾ化合物を用いて、黒色および他のよりぼんやりした色調(ネービーブルー、茶色、オリーブグリーンなど)を得ることができる。
【0029】
重合性色素の混合物をまた用いて、正確な粒子の色調を得ることができる;例えば茶色および青色または黄色、マゼンタおよびシアン前重合色素の単一成分の混合物からの黒色。同様に、色調を、例えば少量の別個の重合性色素を加えて、粒子の色を改変する(例えばより緑色を帯びた黄色色調を得るために、95%の黄色および5%のシアン)ことによって調整することができる。
【0030】
カラーインデックス(The Society of Dyers and Colorists with the American Association of Textile Chemists and Colorists、例えば第3版、1982によって発行された)によって定められている、反応性(アニオン性)色素、直接(direct)(アニオン性)色素、酸性(アニオン性)色素および塩基性(カチオン性)色素の効用(application group)からの修飾された重合性色素(反応性基(1種または2種以上)を有する)が好ましい。
【0031】
重合性色素の好ましい例を、以下の表に要約する。
【表1−1】

【0032】
【表1−2】

【0033】
【表1−3】

【0034】
【表1−4】

【0035】
【表1−5】

【0036】
【表1−6】

【0037】
カチオン性の重合性色素は、用途において正の荷電を有する共有結合した基(1種または2種以上)を含むか、または発色団基中に正の荷電を含む。それらは、窒素、リン、酸素もしくは硫黄原子またはそれらを含む基、例えばヘテロ芳香族(チアゾール、イミダゾール)非局在化窒素塩基(グアニジンなど)のプロトン化または第四級化(quaternation)から誘導され得る。関連するアニオンは、好ましくは単一の荷電を有し、好ましくはハロゲン、好ましくはF、Cl、Br、一塩基酸(オキソ)アニオン、好ましくは酢酸、プロピオン酸、乳酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、水酸化物、硝酸)であり得る。
【0038】
水溶性のカチオン性重合性色素の好ましい例を、表2に列挙する(対イオンMeOSO;また、好ましくは、適するのはCl、Brおよびアセテートである)
【0039】
【表2】

【0040】
アニオン性重合性色素は、当該用途において負の荷電を有する共有結合した基(1種または2種以上)を含み、酸性基、例えばスルホン酸、カルボン酸、ホスホン酸の脱プロトン化から誘導され得る。関連するカチオンは、好ましくは、単一の荷電を有し、金属(Li、Na、Kなど)、荷電した窒素(NH、NEt、NEt、NMe、イミダゾリウムカチオンなど)、正に荷電したリン、硫黄などであり得る。水溶性アニオン性色素の好ましい例は、酸のNa、NH、NEt塩である。
【0041】
他の好ましい例は、CuPc(SO−)n(SONHCHCHCOOCMe==CHであり、式中CuPcは、銅フタロシアニンであり、m>1、n>1、m+n>2かつ<16および好ましくは2〜5の範囲内である。
【0042】
好ましい色素酸を、表3に列挙する。好ましい水分散性の中性の色素を、表4に列挙する。
【0043】
【表3】

【0044】
【表4】

【0045】
好ましくは、重合性の水溶性色素モノマー、例えばカチオン性塩基性青色41(番号1および2として表2に列挙した)ならびに同様の色素のアクリレートまたはメタクリレート誘導体を用いることができる。
【0046】
したがって、本発明の他の対象は、式1で表される化合物である。
【化1】

式中、R1、R2、R3=アルキル、好ましくはC1〜C4アルキルであり、
R4=HまたはCH3であり、
=ハロゲン、一塩基酸(オキソ)アニオン、好ましくは酢酸、プロピオン酸、乳酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、水酸化物または硝酸であり、好ましくはR1、R2、R4=CHおよびR3=CおよびA=メタンスルホン酸である。
【0047】
そのような重合性色素の調製を、カチオン性塩基性青色41のメタクリレート誘導体について例証し、それを、以下のスキームにおいて示すように3段階反応によって調製することができる:
【化2】

【0048】
また、溶媒に可溶である色素、例えば商業的に入手できるディスパースレッド1メタクリレートを重合させることが、可能である。
【0049】
また好ましいのは、表1の色素11もしくは12のような構造を有する色素または式2に示す同様の色素である。
【化3】

式中、R5=アルキル、好ましくはC1〜C4アルキル、特にCHであり、
R6=HまたはCH3、好ましくはCHであり、
Hal=ハロゲン、好ましくはClである。
【0050】
そのような重合性色素の調製を、メタクリレート誘導体(表1の色素11)について例証し、それを、以下のスキームにおいて示すように3段階反応によって調製することができる:
【化4】

【0051】
また、式3に示す表3の色素1または同様の色素と同様の構造を有する色素を重合させることが、可能である。
【化5】

式中、R7=アルキル、好ましくはC1〜C4アルキル、特にCHであり、
R8=HまたはCH3、好ましくはCHである。
【0052】
そのような重合性色素の調製を、メタクリレート誘導体(表3の色素1)について例証し、それを、以下のスキームにおいて示すように3段階反応によって調製することができる:
【化6】

【0053】
好ましくは、ディスパースレッド1、式1で表される色素のアクリレートまたはメタクリレート誘導体、特にカチオン性塩基性青色41のメタクリレートまたはアクリレート誘導体、式2で表される、特にR5およびR6=CHであり、Hal=Clである色素、ならびに式3で表される、特にR7およびR8=CHである色素を、本発明のための重合性色素として用いる。特に好ましいのは、ディスパースレッド1メタクリレート、カチオン性塩基性青色41のメタクリレート誘導体および式2で表され、R5およびR6=CHであり、Hal=Clである色素である。
【0054】
本発明の架橋した着色されたポリマー粒子を、単純な1段階反応において調製することができる。重合条件の選択は、粒子の所要のサイズおよびサイズの分布に依存する。重合条件の調整は、当業者に周知である。
【0055】
均一なサブミクロン(sub-micronic)粒子を合成するのに最も適切な方法は、エマルジョン重合によるものである。エマルジョン重合は、水に難溶性のモノマーが水中で乳化剤によって乳化され、水溶性の開始剤によって重合する、周知の重合プロセスである。有利には、エマルジョン重合を行う手順は、得られた粒径およびポリマー特性に対して顕著な影響を及ぼす。実際に、完全に異なる性能特徴を有する粒子を、同一の反応処方物から、重合プロセスおよび用いる条件の適切な制御によって調製することができる。エマルジョン重合条件の包括的な説明は、“Emulsion polymerization”; van Herk, Alex; Gilbert, Bob; Department of Polymer Chemistry, Eindhoven University of Technology, Eindhoven, Neth. Editor(s): Van Herkに示されている。
【0056】
好ましくは、すべての反応体を重合プロセスの開始時に完全に加えるバッチエマルジョン重合プロセスを用いる。そのようなプロセスにおいて、比較的少数の変数のみを、所与の処方物について調節しなければならない。そのような場合において行うことができる好ましい変更は、反応温度、反応器設計ならびに撹拌のタイプおよび速度に対するものである。
【0057】
したがって、製造には、限られた汎用性および反応処方物の単純な評価のために、半連続的バッチ操作に比してバッチエマルジョン重合プロセスを用いる。
【0058】
EPDのための粒子の求められる特徴に適合させるために、バッチプロセスを用いた界面活性剤のないエマルジョン共重合が好ましい。保護コロイド(水溶性ポリマー)および界面活性剤は、粒子内安定性および粒径制御に対するそれらの影響のため、通常エマルジョン重合における重要な処方物変数であるが、それらは、電気泳動的応答に対して悪影響を及ぼし得る。
【0059】
好ましくは、水溶性色素を、エマルジョン重合において用いる。水不溶性色素を粒子中に包含させる好ましい方法は、K. Landfester, Macromol. Rapid. Commun., 2001, 22, 896 - 936に記載されているように、いわゆる「ミニエマルジョン(mini-emulsion)重合」を用いることである。
【0060】
ミニエマルジョン重合(MEP)によって、高い剪断による小さい安定な小滴(30〜500nm)が、分散相、連続相、界面活性剤および浸透圧剤(疎水性物質)を含む系中で形成する。
【0061】
高剪断混合によって形成するナノサイズの小滴は、個別のナノ反応器(nanoreactor)であると考えられる。重合の開始についての主要な位置であるのは、これらの小滴である。水不溶性色素が、水媒体を介して輸送されないことにより、これらの重度に疎水性の構成成分を小滴中に包含させることが可能となり、よって粒子を形成することが可能になる。合体に対する安定化は、界面活性剤を加えることによって達成され、一方拡散に対する安定化は、高度にモノマーに可溶であり、水に不溶である剤を加えることによって達成される。目的は、安定化した小滴の各々において重合を開始することにある。高い剪断を、機械的乳化を準備するための回転子−固定子もしくは高圧ホモジナイザーまたは超音波を用いて達成することができる。
【0062】
好ましくは、本発明の重合は、フリーラジカル重合である。
通常、本発明のモノマー組成物は、少なくとも1種の重合性色素、少なくとも1種のモノマー、少なくとも1種の開始剤および任意に少なくとも1種の荷電コモノマーを含む。
【0063】
好ましくは、本発明のモノマー組成物は、重合性色素、基本的構造を提供するモノマー、架橋コモノマー、イオン性コモノマーおよび開始剤を含む。
【0064】
ポリマー粒子の調製のために以下に記載するモノマーをまた、重合性色素と組み合わせて、例えばコア−シェル効果として粒子に加え、かつ/または粒子に包含させるべき重合性色素−モノマー混合物を生成して、より多くの色素が粒子のシェル上にあるようにすることができる。コモノマーを加えることは、それによって重合のために利用可能な反応性基の量が増大し、重合が追加のモノマーとより迅速に進行する点で有利であると見られる。特に好ましいのは、粒子構成に類似するモノマー、例えばディスパースレッド1アクリレート、これと共にメチルメタクリレートである。
【0065】
ポリマー粒子の調製のために以下に記載するモノマー(およびコモノマー)を、重合性色素と混ぜ合わせて、重合性色素/モノマー混合物を生成することができ、かつ/またはモノマーを、重合性混合物中に段階的に包含させて、特別の効果、例えばコア−シェル効果を生じさせて、より多くの色素が粒子のシェル上にあるようにすることができる。特に好ましいのは、重合性色素に類似するモノマーであり、例えばディスパースレッド1アクリレートと、これと共にメチルメタクリレートである。
【0066】
粒子は、ほとんどのモノマータイプ、特にメタクリレート、アクリレート、メタクリルアミド、アクリロニトリル、α置換アクリレート、スチレンおよびビニルエーテル、ビニルエステル、プロペニルエーテル、オキセタンおよびエポキシから調製することができるが、典型的には、モノマー、それから架橋剤であるべき最大の百分率から調製し、荷電モノマー(例えば第四級化されたモノマー)を含む。
【0067】
特に好ましいのは、架橋剤としてのメチルメタクリレートおよびエチレングリコールジメチルメタクリレートならびに反応性の荷電モノマーとしての2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(MOTAC)であるが、多くの他のものを用いることができ、以下のものは、用いることができるすべての例であり、Sigma-Aldrich化学社から商業的に入手可能である。
【0068】
メタクリレート:
メタクリル酸、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、n−ブチルメタクリレート(BMA)、2−アミノエチルメタクリレート塩酸塩、アリルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、2−ブトキシエチルメタクリレート、2−(tert−ブチルアミノ)エチルメタクリレート、ブチルメタクリレート、tert−ブチルメタクリレート、カプロラクトン2−(メタクリロイルオキシ)エチルエステル、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、
【0069】
2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、ジ(エチレングリコール)メチルエーテルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−エトキシエチルメタクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルメタクリレート、エチレングリコールメチルエーテルメタクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、グリコシルオキシエチルメタクリレート、ヘキシルメタクリレート、ヒドロキシブチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、
【0070】
ヒドロキシプロピルメタクリレートとヒドロキシイソプロピルメタクリレートとのヒドロキシプロピルメタクリレート混合物、2−ヒドロキシプロピル2−(メタクリロイルオキシ)エチルフタレート、イソボルニルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、2−イソシアナトエチルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート、塩化メタクリロイル、メタクリル酸、2−(メチルチオ)エチルメタクリレート、モノ−2−(メタクリロイルオキシ)エチルマレエート、モノ−2−(メタクリロイルオキシ)エチルスクシネート、ペンタブロモフェニルメタクリレート、フェニルメタクリレート、リン酸2−ヒドロキシエチルメタクリレートエステル、ステアリルメタクリレート、3−スルホプロピルメタクリレートカリウム塩、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、3−(トリクロロシリル)プロピルメタクリレート、トリデシルメタクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルメタクリレート、3,3,5−トリメチルシクロヘキシルメタクリレート、トリメチルシリルメタクリレート、ビニルメタクリレート。好ましくは、メチルメタクリレート(MMA)、エチルメタクリレート(EMA)、メタクリル酸および/またはn−ブチルメタクリレート(BMA)を用いる。
【0071】
アクリレート:
アクリル酸、4−アクリロイルモルホリン、[2−(アクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムクロリド、アクリル酸、2−(4−ベンゾイル−3−ヒドロキシフェノキシ)エチルアクリレート、ベンジル2−プロピルアクリレート、2−ブトキシエチルアクリレート、ブチルアクリレート、tert−ブチルアクリレート、2−[(ブチルアミノ)カルボニル]オキシ]エチルアクリレート、tert−ブチル2−ブロモアクリレート、4−tert−ブチルシクロヘキシルアクリレート、2−カルボキシエチルアクリレート、無水2−カルボキシエチルアクリレートオリゴマー、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレート、i(エチレングリコール)エチルエーテルアクリレート技術的等級、ジ(エチレングリコール)2−エチルヘキシルエーテルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート、2−エトキシエチルアクリレート、エチルアクリレート、2−エチルアクリロイルクロリド、エチル2−(ブロモメチル)アクリレート、
【0072】
エチルシス(β−シアノ)アクリレート、エチレングリコールジシクロペンテニルエーテルアクリレート、エチレングリコールメチルエーテルアクリレート、エチレングリコールフェニルエーテルアクリレート、エチル2−エチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチル2−プロピルアクリレート、エチル2−(トリメチルシリルメチル)アクリレート、ヘキシルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルアクリレート、イソボルニルアクリレート、イソブチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソオクチルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチル2−アセトアミドアクリレート、メチルアクリレート、メチルα−ブロモアクリレート、メチル2−(ブロモメチル)アクリレート、メチル3−ヒドロキシ−2−メチレンブチレート、オクタデシルアクリレート、ペンタブロモベンジルアクリレート、ペンタブロモフェニルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルアクリレート大豆油、エポキシド化アクリレート、3−スルホプロピルアクリレートカリウム塩、テトラヒドロフルフリルアクリレート、3−(トリメトキシシリル)プロピルアクリレート、3,5,5−トリメチルヘキシルアクリレート。好ましくは、メチルアクリレート、エチルアクリレート、アクリル酸および/またはn−ブチルアクリレートを用いる。
【0073】
アクリルアミド:
2−アクリルアミドグリコール酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−1−プロパンスルホン酸ナトリウム塩溶液、(3−アクリルアミドプロピル)トリメチルアンモニウムクロリド溶液、3−アクリロイルアミノ−1−プロパノール溶液プラム(purum)、N−(ブトキシメチル)アクリルアミド、N−tert−ブチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−[3−(ジメチルアミノ)プロピル]メタクリルアミド、N−ヒドロキシエチルアクリルアミド、N−(ヒドロキシメチル)アクリルアミド、N−(イソブトキシメチル)アクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−イソプロピルメタクリルアミド、メタクリルアミド、N−フェニルアクリルアミド、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、
【0074】
スチレン
スチレン、ジビニルベンゼン、4−アセトキシスチレン、4−ベンジルオキシ−3−メトキシスチレン、2−ブロモスチレン、3−ブロモスチレン、4−ブロモスチレン、α−ブロモスチレン、4−tert−ブトキシスチレン、4−tert−ブチルスチレン、4−クロロ−α−メチルスチレン、2−クロロスチレン、3−クロロスチレン、4−クロロスチレン、2,6−ジクロロスチレン、2,6−ジフルオロスチレン、1,3−ジイソプロペニルベンゼン、3,4−ジメトキシスチレン、α,2−ジメチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、2,5−ジメチルスチレン,N,N−ジメチルビニルベンジルアミン、
【0075】
2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、4−エトキシスチレン、2−フルオロスチレン、3−フルオロスチレン、4−フルオロスチレン、2−イソプロペニルアニリン、3−イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアネート、メチルスチレン、α−メチルスチレン、3−メチルスチレン、4−メチルスチレン、3−ニトロスチレン、2,3,4,5,6−ペンタフルオロスチレン、2−(トリフルオロメチル)スチレン、3−(トリフルオロメチル)スチレン、4−(トリフルオロメチル)スチレン、2,4,6−トリメチルスチレン。好ましくは、スチレンおよび/またはジビニルベンゼンを用いる。
【0076】
ビニル群
3−ビニルアニリン、4−ビニルアニリン、4−ビニルアニソール、9−ビニルアントラセン、3−ビニル安息香酸、4−ビニル安息香酸、ビニルベンジルクロリド、4−ビニルベンジルクロリド、(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリド、4−ビニルビフェニル、2−ビニルナフタレン、2−ビニルナフタレン、酢酸ビニル、安息香酸ビニル、ビニル4−tert−ブチルベンゾエート、クロロギ酸ビニル、クロロギ酸ビニル、ケイ皮酸ビニル、デカン酸ビニル、ネオデカン酸ビニル、ネオノナン酸ビニル、ピバル酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニル、
【0077】
用いてもよい他のモノマーは、粒子の安定化を助けるための基を有するもの、例えばポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(エチレングリコール)フェニルエーテルアクリレート、ラウリルメタクリレート、ポリ(エチレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)メチルエーテルアクリレート、ラウリルアクリレートおよび上記のもののフッ素化されたモノマーである。
【0078】
モノマーの数種は、所望によりさらなる反応のための基、例えばグリシジルエタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを有する。
【0079】
以下の化合物を、可溶性制御および溶媒膨張耐性のための粒子内架橋モノマーとして用いることができる:エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)、アリルメタクリレート(ALMA)、ジビニルベンゼン、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]アジペート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]1,6−ヘキサンジイルビスカルバメート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]イソフタレート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル](メチレンジ−4,1−フェニレン)ビスカルバメート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]スクシネート、ビス[4−(ビニルオキシ)ブチル]テレフタレート、ビス[4−(ビニルオキシメチル)シクロヘキシルメチル]グルタレート、1,4−ブタンジオールジビニルエーテル、1,4−ブタンジオールビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、tert−ブチルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、
【0080】
1,4−シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、1,4−シクロヘキサンジメタノールビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ジビニルエーテル、ジ(エチレングリコール)ビニルエーテル、エチレングリコールブチルビニルエーテル、エチレングリコールビニルエーテル、トリス[4−(ビニルオキシ)ブチル]トリメリテート、3−(アクリロイルオキシ)−2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ビス[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]ホスフェート、ビスフェノールAプロポキシレートジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、N,N’−(1,2−ジヒドロキシエチレン)ビスアクリルアミド、ジ(トリメチロールプロパン)テトラアクリレート、ジウレタンジメタクリレート、N,N’−エチレンビス(アクリルアミド)、
【0081】
グリセロール1,3−ジグリセロレート、グリセロールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジイルビス[オキシ(2−ヒドロキシ−3,1−プロパンジイル)]ビスアクリレート、ヒドロキシピバリルヒドロキシピバレートビス[6−(アクリロイルオキシ)ヘキサノエート]、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)ジアクリレート、ポリ(プロピレングリコール)ジメタクリレート、1,3,5−トリアクリロイルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、トリシクロ[5.2.1.0]デカンジメタノールジアクリレート、トリメチロールプロパンベンゾエートジアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートメチルエーテルジアクリレート、トリメチロールプロパンエトキシレートトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリス[2−(アクリロイルオキシ)エチル]イソシアヌレート、トリ(プロピレングリコール)ジアクリレート。
【0082】
任意に、モノマー組成物は、少なくとも1種の荷電コモノマーを含む。粒子安定性および粒径制御のためのカチオン性モノマーの例は、2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(MOTAC)、アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AOTAC)、[3−(メタクリロイルアミノ)プロピル]トリメチルアンモニウムクロリド、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート溶液、テトラアリルアンモニウムクロリド、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド、(ビニルベンジル)トリメチルアンモニウムクロリドである。好ましくは、2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(MOTAC)、アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(AOTAC)および[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]トリメチルアンモニウムメチルサルフェート溶液を、用いる。
【0083】
アニオン性モノマーの例は、メタクリル酸のナトリウム、カリウムまたはトリエチルアミン塩、アクリル酸、2−(トリフルオロメチル)アクリル酸、3−(2−フリル)アクリル酸、3−(2−チエニル)アクリル酸、3−(フェニルチオ)アクリル酸、ポリ(アクリル酸)カリウム塩、ポリ(アクリル酸)ナトリウム塩、ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリル酸、ナトリウム塩)溶液、トランス−3−(4−メトキシベンゾイル)アクリル酸、2−メトキシケイ皮酸、3−インドールアクリル酸、3−メトキシケイ皮酸、4−イミダゾールアクリル酸、4−メトキシケイ皮酸、ポリ(スチレン)−ブロック−ポリ(アクリル酸)、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン−コ−アクリル酸)、ジカルボキシ末端、ポリ(アクリロニトリル−コ−ブタジエン−コ−アクリル酸)、ジカルボキシ末端、グリシジルメタクリレートジエステル、
【0084】
2,3−ジフェニル−アクリル酸、2−Me−アクリル酸、3−(1−ナフチル)アクリル酸、3−(2,3,5,6−テトラメチルベンゾイル)アクリル酸、3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸、3−(4−ピリジル)アクリル酸、3−p−トリル−アクリル酸、5−ノルボルネン−2−アクリル酸、トランス−3−(2,5−ジメチルベンゾイル)アクリル酸、トランス−3−(4−エトキシベンゾイル)アクリル酸、トランス−3−(4−メトキシベンゾイル)アクリル酸、2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(3−(2−アミノフェニル)アクリル酸)、2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(3−(2−アミノフェニル)アクリル酸)塩酸塩、2,2’−(1,3−フェニレン)ビス(3−(2−ニトロフェニル)アクリル酸)、2−[2−(2’,4’−ジフルオロ[1,1’−ビフェニル]−4−イル)−2−オキソエチル]アクリル酸、2−(2−(2−クロロアニリノ)−2−オキソエチル)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸、2−(2−((2−ヒドロキシエチル)アミノ)−2−オキソエチル)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸、2−(2−(シクロヘキシルアミノ)−2−オキソエチル)−3−(4−メトキシフェニル)アクリル酸である。
【0085】
好ましいモノマー組成物は、メチルメタクリレートおよび架橋剤としてエチレングリコールジメタクリレート、ならびに反応性荷電モノマーとして2−メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(MOTAC)を含む。
【0086】
好ましくは、水溶性開始剤を、界面活性剤のないエマルジョン共重合において用いて、サイズ、粒子形態を制御し、残留モノマーを反応の終了時にて減少させる。例は、アゾ化合物または過酸化物化合物、ヒドロペルオキシドまたは過酸エステルである。好ましくは、アゾ化合物、特にアゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩(AIBA)および同様の化合物を用いる。
【0087】
本発明の重合性組成物は通常、10重量%まで、好ましくは0.005〜10重量%、特に0.05〜5重量%の色素、50〜95重量%、好ましくは70〜90重量%のモノマー、1〜40重量%、好ましくは1〜10重量%の架橋モノマー、1〜30重量%、好ましくは1〜10重量%のイオン性モノマーおよび0.1〜10重量%、好ましくは0.1〜5重量%の開始剤を含み、すべての百分率は、重合可能な組成物の合計重量(溶媒を除く)を基準とする。
【0088】
架橋したコポリマーナノ粒子を、メチルメタクリレート(MMA)、エチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)およびカチオン性コモノマーであるメタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロリド(MOTAC)の乳化剤のない共重合によって、アゾビス(イソブチルアミジン)塩酸塩(AIBA)を開始剤として用いて調製することができる。好ましくは、乳化剤のないエマルジョン重合を、バッチプロセスを用いて行う。
【0089】
本発明において調製するポリマー粒子は、好ましくは、50〜1000nmの範囲内のサイズ(直径)を有し、好ましくは単分散性の粒度分布を有する球形粒子である。好ましい粒径は、50〜600nm、好ましくは50〜560nm、特に50〜500nm、さらにより好ましくは100〜400nmである。特に好ましいのは、150〜400nm、特に150〜350nmの粒径を有する粒子である。粒径を、一般的な装置、例えばMalvern NanoZS粒子分析器によって、水性粒子分散体の光子相関分光法によって決定する。
【0090】
電気泳動的流体中のポリマー粒子のサイズは、溶媒および/または界面活性剤の影響のために、水性分散体中で測定されるサイズと異なり得る。電気泳動的流体において、本発明のポリマー粒子は、好ましくは100〜800nm、特に100〜700nmの粒径を有し、好ましくは150〜700nmが好ましい。特に好ましいのは、150〜600nmの粒径を有するポリマー粒子である。
【0091】
本発明の粒子は、主に電気泳動ディスプレイにおいて用いるために設計される。したがって、本発明のさらなる対象は、電気泳動的流体および電気泳動ディスプレイである。典型的な電気泳動ディスプレイは、好ましくは電気泳動的特性、例えば安定性および荷電を改善する添加剤に加えて、低極性または無極性溶媒中に分散した粒子からなる。そのような電気泳動的分散体の例は、文献、例えばUS 7,247,379;WO 99/10767;US 2007/0128352;US 7,236,290;US 7,170,670;US 7,038,655;US 7,277,218;US 7,226,550;US 7,110,162;US 6,956,690;US 7,052,766;US 6,194,488;US 5,783,614;US 5,403,518;US 5,380,362に十分に記載されている。
【0092】
電気泳動的流体の安定性を(立体的安定化によって、または荷電剤として用いることによって)改善するための典型的な添加剤は、当該分野における専門家に知られており、Brij、SpanおよびTweenシリーズの界面活性剤(Aldrich)、Solsperse、IrcosperseおよびColorburstシリーズ(Lubrizol)、OLOA荷電剤(Chevron Chemicals)ならびにAerosol-OT(Aldrich)を含む(しかしそれらには限定されない)。
【0093】
電気泳動的特性を改善するすべての他の添加剤を、それらが処方物媒体、特に硬化効果を最小にするように設計された増粘剤またはポリマー添加剤に可溶である場合に、包含させることができる。
【0094】
分散溶媒を、主に誘電率、屈折率、密度および粘度を基準として選択することができる。好ましい溶媒の選択によって、低い誘電率(<10、より好ましくは<5)、高い体積抵抗率(約1015オーム−cm)、低い粘度(5cst未満)、低い水溶性、高い沸点(>80℃)および屈折率ならびに粒子のものと同様の密度が示される。これらの変数を微調整することは、最終的な用途の挙動を変化させるために有用であり得る。例えば、低速スイッチング用途、例えばポスターディスプレイまたは棚ラベルにおいて、増大した粘度を有して、より遅いスイッチング速度を犠牲にして画像の存続期間を改善することが、有利であり得る。しかし、迅速なスイッチング、例えば電子書籍およびディスプレイを必要とする用途において、画像が依然として安定である(およびしたがってディスプレイとしての電力消費の増大がより頻繁なアドレッシングを必要とする)、より低い粘度によって、存続期間を犠牲にしてより速いスイッチングが可能になる。
【0095】
好ましい溶媒は、しばしば無極性炭化水素溶媒、例えばIsoparシリーズ(Exxon-Mobil)、Norpar、Shell-Sol (Shell)、Sol-Trol (Shell)、ナフサおよび他の石油溶媒、ならびに長鎖アルカン、例えばドデカン、テトラデカン、デカンおよびノナンである。これらは、低誘電性、低粘度かつ低密度の溶媒である傾向がある。密度整合粒子/溶媒混合物によって、はるかに改善された沈殿/沈降特徴が得られ、したがって所望される。この理由によって、しばしば、ハロゲン化溶媒を加えて密度整合を可能にすることが、有用であり得る。そのような溶媒の典型的な例は、Halocarbon油シリーズ(Halocarbon製品)またはテトラクロロエチレン、四塩化炭素、1,2,4−トリクロロベンゼンおよび同様の溶媒である。これらの溶媒の多くの否定的な観点は、毒性および環境適合性であり、したがっていくつかの場合において、そのような溶媒を用いることよりもむしろ、添加剤を加えて沈降に対する安定性を増強することが、有益であり得る。
【0096】
本発明の粒子の処方において用いる好ましい添加剤および溶媒は、OLOA11000(Chevron Chemicals)、Ircosperse 2153(Lubrizol Ltd)およびドデカン(Sigma Aldrich)である。
【0097】
通常、電気泳動的流体は、表面層で被覆して誘電性媒体および誘電性流体媒体中への良好な分散性を促進した、荷電無機ナノ粒子、例えばチタニア、アルミナまたは硫酸バリウムを含む。粒子を分散させるために用いる溶媒および添加剤は、本発明の例内で用いるものに限定されておらず、多くの他の溶媒および/または分散剤を、用いることができる。電気泳動ディスプレイに適する溶媒および分散剤のリストを、既存の文献、特にWO 99/10767およびWO 2005/017046中に見出すことができる。次に、電気泳動的流体を、電気泳動ディスプレイ素子中に種々のピクセル構造によって包含させ、それは、例えばElsevier B.V., Amsterdamによって公表されているC. M. Lampert, Displays; 2004, 25(5)中に見出され得る。
【0098】
電気泳動ディスプレイは、典型的に、ピクセルまたはパターン化された素子を白黒光学的状態またはそれらの中間のグレースケール状態間でスイッチングするのに適する、モノリシックまたはパターン化されたバックプレーン電極構造を密接に組み合わせた電気泳動ディスプレイ媒体を含む。
【0099】
本発明の電気泳動的粒子は、すべての既知の電気泳動的媒体および電気泳動ディスプレイ、例えば柔軟なディスプレイ、1粒子系、2粒子系、染色された流体、マイクロカプセルを含むシステム、マイクロカップシステム、エアギャップシステムおよび他のものに適し、それは、Elsevier B.V., Amsterdamによって公表されたC. M. Lampert, Displays; 2004, 25(5)に記載されている通りである。柔軟なディスプレイの例は、動的キーパッド、電子新聞腕時計、動的価格設定および広告、電子書籍リーダー、ロール可能な(rollable)ディスプレイ、スマートカード媒体、製品包装、携帯電話、ラブトップ(lab top)、ディスプレイカード、電子看板である。
【0100】
記載中に述べた好ましい化合物、その使用、組成物およびプロセスに加えて、特許請求の範囲に、本発明の主題のさらなる好ましい組み合わせを開示する。
したがって、引用した参考文献中の開示はまた、明らかに本出願の開示内容の一部である。
【0101】
以下の例は、本発明を、保護の範囲を限定せずにさらに詳細に説明する。特に、関連する例が基づく化合物の、例中に記載した特徴、特性および利点をまた、詳細に記載していない他の物質および化合物に適用することができるが、他の箇所に述べない限り、保護の範囲内にある。さらに、本発明を、クレームした範囲全体を通じて行うことができ、本明細書中に述べた例に限定されない。
【0102】

処方物の特徴づけを、Malvern NanoZS粒子分析器を用いて行った。この機器は、分散体中の粒子のサイズおよび電気泳動的流体のゼータ電位を測定する。ゼータ電位(ZP)は、電気泳動移動度の即時の測定値から誘導され、したがって電気泳動的用途において用いるための流体の好適性の指標である。
【0103】
例1:CI塩基性青色41のメタクリレートエステル誘導体の調製
【化7】

ステージ1
2−アミノ−6−メトキシベンゾチアゾール(18.0g)を、酢酸(70ml)およびプロピオン酸(50ml)の混合物中で、50℃にて撹拌する。得られた溶液を、−10℃に冷却する。ニトロシル硫酸溶液(硫酸中40重量%)(32.0g)を、滴加する。この混合物を、N−エチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アニリンおよびスルファミン酸(1.0g)を酢酸(25ml)および氷/水(100ml)に溶解した、撹拌した溶液に加える。20分後、pHを、水酸化カリウム溶液の滴加によって4まで上昇させる。タール状残留物が生成する;混合物を、タールが固化するまでさらに2時間撹拌する。この固体を採集し、水で洗浄し、次にアルコールおよびアセトンに溶解して、深い赤色の溶液を得る。温水を加えて、固体を沈殿させ、それを濾過によって除去する。固体を、冷アルコールで洗浄し、乾燥する(29.5g、収率83%)。Mp 178〜179℃。
【0104】
ステージ2
上記のヒドロキシエチル分散色素(10.7g)色素を、塩化メチレン(100ml)およびピリジン(20ml)中で撹拌する。無水メタクリル酸(10ml)を加え、混合物を環流下で24時間加熱する。室温に冷却した際に、水(5ml)を加え、混合物を2時間撹拌する。揮発性物質を減圧下で除去して、タール状残留物を残留させ、それを、5重量%の水性重炭酸ナトリウム溶液中で16時間撹拌する。得られた粗生成物を塩化メチレン/ヘキサン(60/40)に溶解し、シリカゲルに通じる。溶媒を除去した後、固体残留物(9.7g)を、プロパン−2−オールから結晶化して、ルビン(rubine)結晶質固体を得る。
収量7.0g、55%。mp 123〜125℃。
【0105】
ステージ3
ジメチルサルフェート(1ml)を、メタクリレートエステル(1.06g)をトルエン(25ml)に溶解した撹拌した溶液に、100℃にて滴加する。10分後、タールがフラスコの壁上に堆積し始め、混合物を室温に放冷する。タールを冷トルエンで洗浄し、酢酸エチル(25ml)中で一晩撹拌する。得られた半固体残留物を採集し、プロパン−2−オールに加え、混合物を加熱して沸騰させる。冷却の際に、固体が沈殿し、それを冷プロパン−2−オールで洗浄し、乾燥する。
【0106】
収量1.22g、89%。Mp 140〜142℃(97.3%、hplcによる主成分)
C23H27N4OSによって、439の質量イオンが得られる。
試料の質量スペクトルによって、正のイオンモードにおけるスペクトルが得られた。(EI+)
スペクトルは、m/z 439にてイオンを示し、それは、提案した構造に対するカチオンに相当する。
【0107】
例2:塩基性青色41から誘導されるメタクリレートを含む青色ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の調製
メチルメタクリレート(95.0g)、エチレングリコールジメタクリレート(8.0g)、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(水中75%)(4.0g)、脱イオン水(900g)および例1の青色色素(1.0g)を、300rpmにて窒素の雰囲気下で、2リットルの三口フラスコ中で70℃にて撹拌する。開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(1.0g)を加える。20時間後、青色ラテックスを室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。
【0108】
Malvern Zetasizerを用いた分析によって、420nmの粒径および+63mVのゼータ電位を有する高度に分散したラテックスが示される。
懸濁液を凍結乾燥して、微細な青色粉末(2)を得る。
【0109】
以下の方法を用いて、色素が粒子から滲出しているか否かを決定する:
既知量の凍結乾燥粒子を、固定された体積のドデカン中に秤量し、再分散させる。分散体を、1000rpmにて5分間遠心分離する。上清を除去し、0.1ミクロンのPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)シリンジフィルターを通して濾過する。残留する粒子を、さらなる固定された体積のドデカンに加える。上記の実験を、必要とされる回数繰り返して、色素が粒子から滲出しているか否かを決定する。
【0110】
上清は、無色かつ透明の外見を呈する。色素は、ドデカン中に滲出していない。
さらに、上清を、好適な範囲(典型的に350〜700nm)にわたって紫外線/可視分光光度分析によって分析して、色素滲出が発生しているか否かを決定する。色素は検出されない。
【0111】
例3:塩基性青色41から誘導されるメタクリレートを含む青色ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の調製
メチルメタクリレート(7.13g)、エチレングリコールジメタクリレート(0.06g)、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(水中75%)(0.3g)、水(95.0g)および例1の青色色素(7.13mg)を、400rpmにて窒素の雰囲気下で、250mlの三口フラスコ中で70℃にて撹拌する。開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.08g)を加える。20時間後、青色ラテックスを室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。
【0112】
Malvern Zetasizerを用いた分析によって、248nmの粒径および+70mVのゼータ電位を有する高度に分散したラテックスが示される。
懸濁液を凍結乾燥して、微細な青色粉末(3)を得る。
【0113】
上記の方法を用いて、色素が粒子から滲出しているか否かを決定する。滲出を検出することはできない。上清は無色である。
【0114】
例4:塩基性青色41から誘導されるメタクリレートを含む青色ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の調製
メチルメタクリレート(7.13g)、エチレングリコールジメタクリレート(0.06g)、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(水中75%)(0.3g)、水(95.0g)および例1の青色色素(17.8mg)を、400rpmにて窒素の雰囲気下で、250mlの三口フラスコ中で70℃にて撹拌する。開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.08g)を加える。20時間後、青色ラテックスを室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。
【0115】
Malvern Zetasizerを用いた分析によって、337nmの粒径および+51mVのゼータ電位を有する高度に分散したラテックスが示される。
懸濁液を凍結乾燥して、微細な青色粉末(4)を得る。
【0116】
上記の方法を用いて、色素が粒子から滲出しているか否かを決定する。滲出を検出することはできない。上清は無色である。
【0117】
例5:塩基性青色41から誘導されるメタクリレートを含む青色ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の調製
メチルメタクリレート(7.13g)、エチレングリコールジメタクリレート(0.06g)、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(水中75%)(0.3g)、水(95.0g)および例1の青色色素(35.6mg)を、400rpmにて窒素の雰囲気下で、250mlの三口フラスコ中で70℃にて撹拌する。開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.08g)を加える。20時間後、青色ラテックスを室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。
【0118】
Malvern Zetasizerを用いた分析によって、290nmの粒径および+66mVのゼータ電位を有する高度に分散したラテックスが示される。
懸濁液を凍結乾燥して、微細な青色粉末(5)を得る。
【0119】
上記の方法を用いて、色素が粒子から滲出しているか否かを決定する。滲出を検出することはできない。上清は無色である。
【0120】
例6:塩基性青色41から誘導されるメタクリレートを含む青色ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の調製
メチルメタクリレート(7.13g)、エチレングリコールジメタクリレート(0.06g、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムメチルサルフェート溶液(MOTAMS、水中(80%)(0.15g)、水(95.0g)および例1の青色色素(35.7mg)を、400rpmにて窒素の雰囲気下で、250mlの三口フラスコ中で70℃にて撹拌する。開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.08g)を加える。20時間後、青色ラテックスを室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。
【0121】
Malvern Zetasizerを用いた分析によって、194nmの粒径および+55mVのゼータ電位を有する高度に分散したラテックスが示される。
懸濁液を凍結乾燥して、微細な青色粉末(6)を得る。
【0122】
上記の方法を用いて、色素が粒子から滲出しているか否かを決定する。滲出を検出することはできない。上清は無色である。
【0123】
例7:塩基性青色41から誘導されるメタクリレートを含む青色ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の調製
メチルメタクリレート(7.13g)、エチレングリコールジメタクリレート(0.06g)、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(水中75%)(0.3g)および水(95.0g)を、400rpmにて窒素の雰囲気下で、250mlの三口フラスコ中で70℃にて撹拌する。開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.08g)を加える。例1の青色色素(35.6mg)を、開始の後に加える。20時間後、青色ラテックスを室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。
【0124】
Malvern Zetasizerを用いた分析によって、183nmの粒径および+69mVのゼータ電位を有する高度に分散したラテックスが示される。
懸濁液を凍結乾燥して、微細な青色粉末(7)を得る。
【0125】
上記の方法を用いて、色素が粒子から滲出しているか否かを決定する。滲出を検出することはできない。上清は無色である。
【0126】
例8:塩基性青色41から誘導されるメタクリレートを含む青色ポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の調製
メチルメタクリレート(7.13g)、エチレングリコールジメタクリレート(0.06g)、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(水中75%)(0.15g)、水(95.0g)および例1の青色色素(70.13mg)を、400rpmにて窒素の雰囲気下で、250mlの三口フラスコ中で70℃にて撹拌する。開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(0.08g)を加える。20時間後、青色ラテックスを室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。
【0127】
Malvern Zetasizerを用いた分析によって、235nmの粒径および+54mVのゼータ電位を有する高度に分散したラテックスが示される。
懸濁液を凍結乾燥して、微細な青色粉末(8)を得る。
【0128】
上記の方法を用いて、色素が粒子から滲出しているか否かを決定する。滲出を検出することはできない。上清は無色である。
【0129】
例9:ディスパースレッド1メタクリレートを用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)粒子の調製
メチルメタクリレート(95.0g)、エチレングリコールジメタクリレート(8.0g)、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(水中75%)(4.0g)およびディスパースレッド1メタクリレート色素(Sigma-Aldrich)(250mg)を、300rpmにて窒素の雰囲気下で、2リットルの三口フラスコ中で70℃にて撹拌する。開始剤2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩酸塩(1.0g)を加える。20時間後、ピンク色のラテックスを室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。Malvern Zetasizerを用いた分析によって、302nmの粒径および+56mVのゼータ電位を有する高度に分散したラテックスが示される。懸濁液を凍結乾燥して、純粋なピンク色粉末(9)を得る。
【0130】
上記の方法を用いて、色素が粒子から滲出しているか否かを決定する。滲出を検出することはできない。上清は無色である。
【0131】
例10:塩基性青色41のメタクリレートを包含させたPMMAを含む電気泳動的処方物
0.2091gの例2の着色したPMMAを、3.0016gのドデカン中の0.0214gのOLOA 11000に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、青色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(548nm)、電気泳動移動度(0.03157μmcm/Vs)、ZP(+34mV)。
【0132】
例11:塩基性青色41のメタクリレートを包含させたPMMA(例3)を含む電気泳動的処方物
0.3080gの例3の着色したPMMAを、0.96259gのドデカン中の0.00972gの洗剤Infineum E(Infineum Corporation)に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、青色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(234nm)、電気泳動移動度(0.06187μmcm/Vs)、ZP(+67mV)。
【0133】
例12:塩基性青色41のメタクリレートを包含させたPMMA(例4)を含む電気泳動的処方物
0.2980gの例4の着色したPMMAを、0.95942gのドデカン中の0.00968gの洗剤Infineum E(Infineum Corporation)に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、青色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(375nm)、電気泳動移動度(0.03241μmcm/Vs)、ZP(+35mV)。
【0134】
例13:塩基性青色41のメタクリレートを包含させたPMMA(例5)を含む電気泳動的処方物
0.3040gの例5の着色したPMMAを、0.9610gのドデカン中の0.00970gの洗剤Infineum E(Infineum Corporation)に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、青色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(260nm)、電気泳動移動度(0.07089μmcm/Vs)、ZP(+76mV)。
【0135】
例14:塩基性青色41のメタクリレートを包含させたPMMA(例7)を含む電気泳動的処方物
0.03070gの例7の着色したPMMAを、0.98011gのドデカン中の0.00989gの洗剤Infineum E(Infineum Corporation)に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、青色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(176nm)、電気泳動移動度(0.06321μmcm/Vs)、ZP(+68mV)。
【0136】
例15:ディスパースレッド1メタクリレートを包含させたPMMAを含む電気泳動的処方物
2.014gの例9の着色したPMMAを、10.942gのドデカン中の0.216gのOLOA 11000および0.201gのIrcosperse 2153に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、ピンク色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(264nm)、電気泳動移動度(0.04257μmcm/Vs)、ZP(+51mV)。
【0137】
例16:5−(4−クロロ−2−ニトロフェニルアゾ)−3−シアノ−6−ヒドロキシ−1−(2−アクリロイルオキシエチル)−4−メチルピリド−2−オンの調製
【化8】

ステージ1
メタノール(30ml)中のシアン酢酸エチル(28.28g、0.25mol)、アセト酢酸エチル(32.5g、0.25mol)、エタノールアミン(15.27g、0.25mol)およびピペリジン(98.6g、0.1mol)を、環流下で8時間撹拌し、さらにエタノールアミン(30ml)を、5時間後に加える。冷却した混合物を、氷/水/濃塩酸上に注ぎ、室温にて一晩撹拌する。無色固体(11.2g、収率23%)を採集し、冷水で洗浄し、乾燥する。mp 173〜175℃。
【0138】
ステージ2
亜硝酸ナトリウム溶液(2N、28.5ml)を、4−クロロ−2−ニトロアニリン(9.77g、0.0566mol)の酢酸/12N塩酸(75/25)中の冷撹拌混合物に加える。2時間後、得られたジアゾニウム塩の溶液を、上記のピリドン(11.0g、0.0566mol)を水に溶解した溶液(2N水酸化ナトリウムをカップリング成分の水性懸濁液に滴加することによって調製した)に加える。冷混合物を、pHを調整せずに2時間撹拌する;得られた黄色固体を採集し、80%水性アセトンでスラリー化し、乾燥して、赤色を帯びた黄色結晶(19.8g、収率92%)を得る。mp>200℃。
【0139】
ステージ3
分散体色素、5−(4−クロロ−2−ニトロフェニルアゾ)−3−シアノ−6−ヒドロキシ−1−(2−アクリロイルオキシエチル)−4−メチルピリド−2−オン
無水メタクリロイル(methacryloyl anhydride)(17.9g、0.116mol)を、5−(4−クロロ−2−ニトロフェニルアゾ)−3−シアノ−6−ヒドロキシ−1−(2−ヒドロキシエチル)−4−メチルピリド−2−オン(22g、0.058mol)およびピリジン(25ml)の塩化メチレン(200ml)中の撹拌した混合物に加える。混合物を、環流下で24時間撹拌し、約5時間後に溶液が生成する。20℃に冷却した後、水(20ml)を撹拌しながら加え、続いてさらに水(200ml)をさらに2時間後に加える。有機層を採集し、溶媒を除去して、タール状残留物を残留させ、それを、70℃にて20分間、水性変性アルコールと共に撹拌する。得られた褐色を帯びた黄色の固体を採集する(21.3g、82%)。この粗生成物を、(塩化メチレン:ヘキサン80:20)を溶離剤として用いてシリカゲルに通じる。溶媒を除去し、残留物を塩化メチレン/イソプロパノールから結晶化させる。
収量14.9g、57%、mp 189〜190℃。
【0140】
この規模の半分での第2のバッチによって、8g(61%)の生成物が得られた。mp 189〜190℃。
材料の2つのロットを混ぜ合わせ、塩化メチレン/イソプロパノールから再結晶させて、オレンジ色結晶(22g、56%)を得た。mp 190〜191℃。
【0141】
例17:例16の分散色素を含む黄色ポリスチレン(PS)粒子のミニエマルジョン重合による調製
スチレン(5.0g)、ジビニルベンゼン(0.5g)、ヘキサデカン(0.1g)、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート(mw 475)(1.0g)、ドデシル硫酸ナトリウム(100mg)、開始剤Vazo 67(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(126mg)および例16の黄色色素(50mg)を、可溶性になるまで振とうし、次に脱イオン水(50g)を加える。マグネチックスターラ棒を加える。混合物を排気し、撹拌機ホットプレート上の低出力超音波浴を用いて3回、窒素でパージする。撹拌棒を取り外す。フラスコを氷浴中に配置し、超音波プローブ(sonic probe)(Branson 450)の先端を、混合物中に挿入する。窒素流を混合物上で維持する。
【0142】
混合物を、3分間150ワットにて、窒素の雰囲気下で超音波処理する。安定な黄色のエマルジョンが生成する。
フラスコを高温油浴に移送し、75℃に予熱し、マグネチックスターラ棒を加え、フラスコおよび内容物を、撹拌機ホットプレート/油浴上で一晩撹拌する。
【0143】
混合物を室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。ラテックスを水およびアセトンで洗浄して、すべての未反応のモノマーを、遠心分離機を用いて除去して、粒子および上清を分離する。Malvern Zetasizerを用いた分析によって、206nmの粒径を有する高度に分散したラテックスが示される。懸濁液を凍結乾燥して、微細な黄色粉末(17)を得る。
【0144】
例18:例16の分散色素を含む黄色ポリスチレン(PS)粒子のミニエマルジョン重合による調製
スチレン(5.0g)、ジビニルベンゼン(0.5g)、ヘキサデカン(0.1g)、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート mw 475(1.0g)、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(水中75%)(100mg)、ドデシル硫酸ナトリウム(100mg)、開始剤Vazo 67(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(126mg)および例16の黄色ピリジンメタクリレート色素(50mg)を、可溶性になるまで振とうし、次に脱イオン水(50g)を加える。マグネチックスターラ棒を加える。混合物を排気し、撹拌機ホットプレート上の低出力超音波浴を用いて3回、窒素でパージする。撹拌棒を取り外す。フラスコを氷浴中に配置し、超音波プローブ(Branson 450)の先端を、混合物中に挿入する。窒素流を混合物上で維持する。
【0145】
混合物を、3分間150ワットにて、窒素の雰囲気下で超音波処理する。安定な黄色のエマルジョンが生成する。
フラスコを高温油浴に移送し、75℃に予熱し、マグネチックスターラ棒を加え、フラスコおよび内容物を、撹拌機ホットプレート/油浴上で一晩撹拌する。
【0146】
混合物を室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。ラテックスを水およびアセトンで洗浄して、すべての未反応のモノマーを、遠心分離機を用いて除去して、粒子および上清を分離する。Malvern Zetasizerを用いた分析によって、205nmの粒径および+63mVのゼータ電位を有する高度に分散したラテックスが示される。懸濁液を凍結乾燥して、微細な黄色粉末(18)を得る。
【0147】
例19:例16の分散色素を含む黄色ポリスチレン(PS)粒子のミニエマルジョン重合による調製
スチレン(5.0g)、ジビニルベンゼン(0.5g)、ヘキサデカン(0.1g)、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート mw 475(1.0g)、[2−(メタクリロイルオキシ)エチル]−トリメチルアンモニウムクロリド溶液(水中75%)(0.5g)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(100mg)、開始剤Vazo 67(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(126mg)および例16の黄色ピリジンメタクリレート色素(50mg)を、可溶性になるまで振とうし、次に脱イオン水(50g)を加える。マグネチックスターラ棒を加える。混合物を排気し、撹拌機ホットプレート上の低出力超音波浴を用いて3回、窒素でパージする。撹拌棒を取り外す。フラスコを氷浴中に配置し、超音波プローブ(Branson 450)の先端を、混合物中に挿入する。窒素流を混合物上で維持する。
【0148】
混合物を、3分間150ワットにて、窒素の雰囲気下で超音波処理する。安定な黄色のエマルジョンが生成する。
フラスコを高温油浴に移送し、75℃に予熱し、マグネチックスターラ棒を加え、フラスコおよび内容物を、撹拌機ホットプレート/油浴上で一晩撹拌する。
【0149】
混合物を室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。ラテックスを水およびアセトンで洗浄して、すべての未反応のモノマーを、遠心分離機を用いて除去して、粒子および上清を分離する。Malvern Zetasizerを用いた分析によって、169nmの粒径を有する高度に分散したラテックスが示される。懸濁液を凍結乾燥して、微細な黄色粉末(19)を得る。
【0150】
例20:例16の分散色素を含む黄色ポリスチレン(PS)粒子のミニエマルジョン重合による調製
スチレン(5.0g)、ジビニルベンゼン(0.5g)、ヘキサデカン(0.1g)、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート mw 475(1.0g)、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド溶液(250mg)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(100mg)、開始剤Vazo 67(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(126mg)および例16の黄色ピリジンメタクリレート色素(50mg)を、可溶性になるまで振とうし、次に脱イオン水(50g)を加える。マグネチックスターラ棒を加える。混合物を排気し、撹拌機ホットプレート上の低出力超音波浴を用いて3回、窒素でパージする。撹拌棒を取り外す。フラスコを氷浴中に配置し、超音波プローブ(Branson 450)の先端を、混合物中に挿入する。窒素流を混合物上で維持する。
【0151】
混合物を、3分間150ワットにて、窒素の雰囲気下で超音波処理する。安定な黄色のエマルジョンが生成する。
フラスコを高温油浴に移送し、75℃に予熱し、マグネチックスターラ棒を加え、フラスコおよび内容物を、撹拌機ホットプレート/油浴上で一晩撹拌する。
【0152】
混合物を室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。ラテックスを水およびアセトンで洗浄して、すべての未反応のモノマーを、遠心分離機を用いて除去して、粒子および上清を分離する。Malvern Zetasizerを用いた分析によって、173nmの粒径を有する高度に分散したラテックスが示される。懸濁液を凍結乾燥して、微細な黄色粉末(20)を得る。
【0153】
例21:例16の分散色素を含む黄色ポリスチレン(PS)粒子のミニエマルジョン重合による調製
スチレン(5.0g)、ジビニルベンゼン(0.5g)、ヘキサデカン(0.1g)、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート mw 475(1.0g)、ビニルベンジルトリメチルアンモニウムクロリド溶液(500mg)、臭化セチルトリメチルアンモニウム(50mg)、開始剤Vazo 67(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(60mg)および例16の黄色ピリジンメタクリレート色素(75mg)を、可溶性になるまで振とうし、次に脱イオン水(50g)を加える。マグネチックスターラ棒を加える。混合物を排気し、撹拌機ホットプレート上の低出力超音波浴を用いて3回、窒素でパージする。撹拌棒を取り外す。フラスコを氷浴中に配置し、超音波プローブ(Branson 450)の先端を、混合物中に挿入する。窒素流を混合物上で維持する。
【0154】
混合物を、3分間150ワットにて、窒素の雰囲気下で超音波処理する。安定な黄色のエマルジョンが生成する。
フラスコを高温油浴に移送し、75℃に予熱し、マグネチックスターラ棒を加え、フラスコおよび内容物を、撹拌機ホットプレート/油浴上で一晩撹拌する。
【0155】
混合物を室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。ラテックスを水およびアセトンで洗浄して、すべての未反応のモノマーを、遠心分離機を用いて除去して、粒子および上清を分離する。Malvern Zetasizerを用いた分析によって、180nmの粒径を有する高度に分散したラテックスが示される。懸濁液を凍結乾燥して、微細な黄色粉末(21)を得る。
【0156】
例22:例23の粒子において用いるためのカチオンコモノマーの調製
【化9】

1−ブロモドデカン(12.6g、50.56mmol)、ジメチルアミノエチルメタクリレート(17.7g、112.6mmol)を、アセトン(100ml)中で35℃にて20時間撹拌する。アセトンを、減圧下でロータリーエバポレーター上で除去する。ガソリンを加えて、結晶を沈殿させる。結晶を濾過によって除去して、白色結晶質固体(13.6g、66%)を得る。
【0157】
例23:例16の分散色素を含む黄色ポリスチレン(PS)粒子のミニエマルジョン重合による調製
メチルメタクリレート(5.0g)、エチレングリコールジメタクリレート(0.5g)、ヘキサデカン(0.1g)、ポリエチレングリコールメチルエーテルメタクリレート mw 2080(水中50重量%)(2.0g)、開始剤Vazo 67(2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(100mg)および例16の黄色ピリジンメタクリレート色素(50mg)および例22のコモノマー(100mg)を、可溶性になるまで振とうし、次に脱イオン水(50g)を加える。マグネチックスターラ棒を加える。混合物を排気し、撹拌機ホットプレート上の低出力超音波浴を用いて3回、窒素でパージする。撹拌棒を取り外す。フラスコを氷浴中に配置し、超音波プローブ(Branson 450)の先端を、混合物中に挿入する。窒素流を混合物上で維持する。
【0158】
混合物を、3分間150ワットにて、窒素の雰囲気下で超音波処理する。安定な黄色のエマルジョンが生成する。
フラスコを高温油浴に移送し、75℃に予熱し、マグネチックスターラ棒を加え、フラスコおよび内容物を、撹拌機ホットプレート/油浴上で一晩撹拌する。
【0159】
混合物を室温に放冷し、5ミクロンの布を通して濾過する。ラテックスを水およびアセトンで洗浄して、すべての未反応のモノマーを、遠心分離機を用いて除去して、粒子および上清を分離する。Malvern Zetasizerを用いた分析によって、236nmの粒径を有する高度に分散したラテックスが示される。懸濁液を凍結乾燥して、微細な黄色粉末(23)を得る。
【0160】
例24:黄色色素を包含させたPSを含む電気泳動的処方物
0.02990gの例17の着色したPSを、0.95665gのドデカン中の0.00966gの洗剤Infineum E(Infineum Corporation)に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、黄色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(300nm)、電気泳動移動度(0.1058μmcm/Vs)、ZP(+114mV)。
【0161】
例25:黄色色素を包含させたPSを含む電気泳動的処方物
0.01320gの例18の着色したPSを、0.47689gのドデカン中の0.00481gの洗剤Infineum E(Infineum Corporation)に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、黄色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(312nm)、電気泳動移動度(0.07511μmcm/Vs)、ZP(+81mV)。
【0162】
例26:黄色色素を包含させたPSを含む電気泳動的処方物
0.03040gの例19の着色したPSを、0.95852gのドデカン中の0.00967gの洗剤Infineum E(Infineum Corporation)に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、黄色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(216nm)、電気泳動移動度(0.07435μmcm/Vs)、ZP(+80mV)。
【0163】
例27:黄色色素を包含させたPSを含む電気泳動的処方物
0.03040gの例20の着色したPSを、0.95704gのドデカン中の0.00966gの洗剤Infineum E(Infineum Corporation)に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、黄色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(278nm)、電気泳動移動度(0.08249μmcm/Vs)、ZP(+89mV)。
【0164】
例28:黄色色素を包含させたPSを含む電気泳動的処方物
0.01520gの例21の着色したPSを、0.53579gのドデカン中の0.00541gの洗剤Infineum E(Infineum Corporation)に加え、ボルテックス混合する。得られた分散体を、次にultra-turrax T25ホモジナイザーを用いて15分間均質化し、Ultrawave超音波浴中でさらに30分間超音波処理する。次に、分散体を一晩ローラー混合して、黄色の電気泳動的インクを得る。
サイズ(470nm)、電気泳動移動度(0.06134μmcm/Vs)、ZP(+66mV)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気泳動デバイスにおいて用いるための着色されたポリマー粒子の調製方法であって、
a)少なくとも1種の重合性色素、少なくとも1種のモノマー、少なくとも1種の開始剤および任意に少なくとも1種の荷電コモノマーを反応させること、
ならびに好ましくは
b)着色されたポリマー粒子を洗浄し、乾燥すること
を含む、前記方法。
【請求項2】
水不溶性色素を用いることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
水溶性色素を用いることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
重合性色素が、発色団、好ましくはアゾ基、アントラキノン基またはフタロシアニン基、1種または2種以上の重合性基、任意のリンカー基、および物理的特性を改変する任意の基、および任意に荷電基(1種または2種以上)からなることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
重合性色素が、ディスパースレッド1メタクリレートもしくはアクリレート、式1で表される色素、特にCI塩基性青色41のメタクリレートもしくはアクリレートエステル誘導体、式2で表され、特にHal=Clであり、R5およびR6=CHである色素、または式3で表され、特にR7=Cであり、R8=CHである色素
【化1】

式中、R1、R2、R3、R5、R7=アルキル、好ましくはC1〜C4アルキルであり、
R4、R6、R8=HまたはCHであり、
Hal=ハロゲンであり、
=ハロゲン、一塩基酸(オキソ)アニオン、好ましくは酢酸、プロピオン酸、乳酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、水酸化物または硝酸である、
であることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ポリマー粒子を重合性色素、モノマー、架橋剤、イオン性コモノマーおよび開始剤を含む組成物から、バッチプロセスにおける界面活性剤を有しないエマルジョン共重合によって調製することを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
ミニエマルジョン重合であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
ポリマー粒子が、50〜1000nm、好ましくは150〜600nmの直径を有することを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
少なくとも1種の重合性色素のモノマー単位、少なくとも1種のモノマー、任意に少なくとも1種の荷電コモノマー、および任意に少なくとも1種の架橋コモノマーを含む、着色されたポリマー粒子。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法によって得られる、着色されたポリマー粒子。
【請求項11】
請求項9または10に記載の着色されたポリマー粒子の、モノ、ビまたはポリクロマル電気泳動デバイスの作製のための使用。
【請求項12】
請求項9または10に記載の着色されたポリマー粒子を含む、電気泳動的流体。
【請求項13】
請求項9または10に記載の着色されたポリマー粒子を含む、電気泳動ディスプレイデバイス。
【請求項14】
式1
【化2】

式中、R1、R2、R3=アルキル、好ましくはC1〜C4アルキルであり、
R4=HまたはCHであり、
=ハロゲン、一塩基酸(オキソ)アニオン、好ましくは酢酸、プロピオン酸、乳酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、水酸化物または硝酸であり、好ましくは、R1、R2、R4=CHであり、R3=Cであり、A=メタンスルホン酸である、
で表される化合物。
【請求項15】
式2
【化3】

式中、R5=アルキル、好ましくはC1〜C4アルキル、特にCHであり、
R6=HまたはCH、好ましくはCHであり、
Hal=ハロゲン、好ましくはClである、
で表される化合物。

【公表番号】特表2012−517487(P2012−517487A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548584(P2011−548584)
【出願日】平成22年1月29日(2010.1.29)
【国際出願番号】PCT/EP2010/000552
【国際公開番号】WO2010/089060
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】