説明

電池パック

【課題】接続部での発熱やチャタリングの防止効果を損なうことなく、電池パックと機器本体の着脱を容易にすることが可能な電池パックを提供することを目的とする。
【解決手段】放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cについては、一対の弾性接触片31、31によって相手側端子を両側面から挟み付けて保持するように構成し、一方、放電用信号端子30Dについては、1本の弾性接触片35によって相手側端子の片側面のみに接触する構成を採用した。このような構成によれば、放電用信号端子30Dの相手側端子に対する挿抜荷重が低減される分だけ、電池パック20の工具本体10に対する着脱荷重が低減され、作業性が向上する。一方で、放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cについては相手側端子を挟み込む構成となっているため、発熱やチャタリング回避の効果を維持することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、電気工具等の電気機器の電源として使用される電池パックが知られている。このものは、ケースの内部に、電力供給のための電池セル、基板、端子等を備えたものである。この電池パックを機器本体に装着することにより、電池パックに備えられた放電端子、信号端子等の出力端子が機器本体側に備えられた機器側端子と接続し、機器本体への電力の供給や信号の伝達等が可能となる。
【0003】
ここで、電池パック側の端子と機器本体側の端子との接続部分の接触不良による発熱、機器の使用時の振動等によるチャタリングの問題を回避するため、端子の接続構造として、機器本体に設けられた雄端子を電池パックに設けられた雌端子で挟み込む構造を採用することが技術上の常識となっている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−187953号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上記のような構造では、機器側の雄端子と電池パック側の雌端子とが強い力で係合する構造となっているので、電池パックと機器本体との着脱に大きな力を要することとなり、作業性が悪い。
【0006】
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、接続部での発熱やチャタリングの防止効果を損なうことなく、電池パックと機器本体の着脱を容易にすることが可能な電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、電気機器の機器本体と接続されて前記電気機器に電気を供給する電池を備える電池パックであって、内部に電池セルを収容可能なハウジングと、前記機器本体に備えられる機器側放電端子と結合して、前記電池セルからの放電電流を通電可能な正負一対の放電端子と、前記機器本体に備えられる機器側信号端子と結合して信号を伝達可能な第1の信号端子と、を備え、前記放電端子が相手側端子を両面から挟み込む挟み込み型端子であり、前記第1の信号端子の少なくとも1つが相手側端子に対して片面側から接触する片側接触型端子であるところに特徴を有する。このような構成によれば、信号端子として相手側端子を両側から挟み込む挟み込み型端子に代えて、相手側端子に対して片側から接触する片側接触型端子を採用した分だけ、信号端子の相手側端子に対する挿抜荷重が低減される。そして、その低減分だけ、電池パックの機器本体に対する着脱荷重が低減され、作業性が向上する。一方で、放電端子については相手側端子を挟み込む挟み込み型端子を採用しているため、発熱やチャタリングを回避するという効果を維持することができる。
【0008】
本発明の電池パックは以下の構成であってもよい。
前記電池セルを充電するための充電器に備えられる充電器側充電端子に接続されて充電電流を通電可能な正負一対の充電端子のうち少なくとも一方が、前記放電端子とは別に設けられ、前記放電端子とは別に設けられる充電端子が片側接触型端子であってもよい。このような構成によれば、充電器との接続時においても、挿抜荷重を大幅に低減できる。
【0009】
また、前記電池セルを充電するための充電器に備えられる充電器側信号端子と結合して信号を伝達可能な第2の信号端子を備え、前記充電用信号端子が前記片側接触型端子であってもよい。このような構成によれば、充電器との接続時においても、挿抜荷重を大幅に低減できる。
【0010】
また、前記挟み込み型端子は、相手側端子の両側面にそれぞれ接触可能な一対の接触片を備え、前記片側接触型端子は、相手側端子の片側面に接触可能な接触片を備え、前記挟み込み型端子の一対の接触片のうち少なくとも一方の接触片と前記片側接触型端子の接触片とが同一形状であってもよい。このような構成によれば、両者を制作するための金型および製造工程の一部を共通化することができ、コストの削減を図ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、信号端子として相手側端子を両側から挟み込む挟み込み型端子に代えて、相手側端子に対して片側から接触する片側接触型端子を採用した分だけ、信号端子の相手側端子に対する挿抜荷重が低減される。そして、その低減分だけ、電池パックの機器本体に対する着脱荷重が低減され、作業性が向上する。一方で、放電端子については相手側端子を挟み込む挟み込み型端子を採用しているため、発熱やチャタリングを回避するという効果を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態の電池パックが機器本体に装着された様子を示す全体概略図
【図2】機器本体または充電器に装着されていない状態での電池側端子の様子を示す概略上面図
【図3】機器側端子と電池側端子が接続された様子を示す概略断面図
【図4】実施形態の電池パックが充電器に装着された様子を示す全体概略図
【図5】充電器側端子と電池側端子が接続された様子を示す概略断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を、図1〜図5を参照しつつ説明する。
【0014】
図1には、電動工具1(本発明の電気機器に該当する)の全体概略図を示した。この電動工具1は、工具本体10(本発明の機器本体に該当する)と、この工具本体10に取り付けられる電池パック20とを備えている(図1参照)。
【0015】
工具本体10は、本体側ハウジング11を備える。この本体側ハウジング11は、先端工具12を取り付け可能な工具保持部13と、この工具保持部13の下方に設けられて工具本体10を把持するための把持部14とを備えている。また、本体側ハウジング11の内部には、先端工具12を駆動する駆動機構(図示せず)、および、電池パック20に備えられる電池セルの放電を制御する制御部(図示せず)が収容されている。
【0016】
把持部14の下部には、電池パック20を取り付け可能な取り付け部15が設けられ、ここには、電池パック20に設けられた電池側端子30と接続可能な機器側端子16が配されている。機器側端子16は機器側正極端子16A、機器側負極端子16B(以上2つが、本発明の機器側放電端子に該当する)、および機器側信号端子16Cからなる(図3を併せて参照)。これらの機器側端子16はいずれも金属により板状に形成され、その板面方向が電池パック20の着脱方向に沿う姿勢で配されている。
【0017】
この工具本体10に取り付けられる電池パック20は、全体として矩形箱型をなす電池側ハウジング21(本発明のハウジングに該当する)を備えている。この電池側ハウジングの内部21には、詳細には図示しないが、複数の電池セルと基板とが収容されている。
【0018】
電池側ハウジング21の天井壁(機器本体10との嵌合面)には、複数のスリット部22が設けられ、このスリット部22の内部には、それぞれ電池側端子30が臨んでいる(図2参照)。電池側端子30は、放電用正極端子30A(本発明の放電端子に該当する)、充電用正極端子30B(本発明の充電端子に該当する)、充放電用負極端子30C(本発明の放電端子及び充電端子に該当する)、2本の放電用信号端子30D(本発明の第1の信号端子に該当する)、および3本の充電用信号端子30E(本発明の第2の信号端子に該当する)で構成される。なお、2本の放電用信号端子30Dは、電池セルの過放電を検出して機器本体10の制御部に信号を伝達する過放電信号端子、および、過放電後の回路回復用端子からなる。また、3本の充電用信号端子30Eは、電池セルの過充電を検知して充電器40の制御部に信号を伝達するための過充電信号用端子、サーミスタ等の温度検知素子により電池セルの温度を検知して充電器40の制御部に信号を伝達するための温度信号用端子、電池パック20に収容される電池セルの本数や種類を識別するための識別信号用端子からなる。
【0019】
これらのうち放電用正極端子30A、および充放電用負極端子30Cは、それぞれ、一対の弾性接触片31、31(本発明の接触片に該当する)を備えている。この弾性接触片31、31は、電池パック20が工具本体10に取り付けられる際の相手側端子(機器側正極端子16Aおよび機器側負極端子16B)の進入方向に沿って延び、相手側端子の挿入に伴ってその相手側端子に押圧されて拡開する方向に撓み変形して、その弾性復元力により相手側端子に圧接される。より具体的には、一対の弾性接触片31、31は、細長い板状に形成されて互いに対向状態で配置されている。両弾性接触片31、31において、相手側端子との係合方向後側(基端部32、32側)の端部は、連結部33によって互いに連結されている。一方、他端側は自由端とされている。これにより、放電用正極端子30A、および充放電用負極端子30Cは全体として門形に形成されている。両弾性接触片31、31は、長さ方向の中央付近で、その自由端側が互いに近接するように内側に折り曲げられ、互いに接触した後、先端が外側に開くように折り返されて、頂点部分が形成されている。この頂点部分が、相手側端子と接触する接点部34、34とされている。また、この弾性接触片31、31の基端部32、32および連結部33からは脚部(図示せず)が延設され、この脚部は基板を介して電池セルに接続されている。
【0020】
一方、充電用正極端子30B、放電用信号端子30Dおよび充電用信号端子30Eは、それぞれ、1本の弾性接触片35(本発明の接触片に該当する)を備えている。この弾性接触片35は、電池パック20が工具本体10または充電器40に取り付けられる際の相手側端子(充電器側正極端子42A、機器側信号端子16Cおよび充電器側信号端子42C)の進入方向に沿って延び、相手側端子の挿入に伴ってその相手側端子に押圧されて撓み変形して、その弾性復元力により相手側端子に圧接される。各弾性接触片35は、細長い板状に形成されており、相手側端子との係合方向後方部分は基端部36とされ、他端側は自由端とされている。基端部36からは脚部(図示せず)が延設され、この脚部を介して検知用素子等に接続されている。この弾性接触片35は、長さ方向の中央付近で、その自由端側が相手側端子に接触する方向に折り曲げられ、さらに先端が外側に開くように折り返されて、頂点部分が形成されている。この頂点部分が、相手側端子と接触する接点部37、37とされている。
【0021】
なお、充電用正極端子30B、放電用信号端子30Dおよび充電用信号端子30Eにおける弾性接触片35は、放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cにおける弾性接触片31と同一形状とされている。
【0022】
この電池パック20は、充電器40に装着すると、内部に収容された電池セルが充電器40によって充電されるようになっている(図4参照)。この充電器40において電池パック20を装着する装着部41には、電池パック20に設けられた電池側端子30と接続可能な充電器側端子42が配されている。充電器側端子42は充電器側正極端子42A、充電器側負極端子42B(以上2つが、本発明の充電器側充電端子に該当する)、および充電器側信号端子42Cからなる(図5を併せて参照)。これらの充電器側端子42はいずれも金属により板状に形成され、その板面方向が電池パック20との着脱方向に沿う姿勢で配されている。
【0023】
次に、上記のように構成された電池パック20の、工具本体10への装着について説明する。
【0024】
電池パック20を工具本体10に装着する際には、工具本体10の機器側正極端子16A、機器側負極端子16B、および機器側信号端子16Cが、それぞれ電池パック20の放電用正極端子30A、充放電用負極端子30C、および放電用信号端子30Dに対してその自由端側から進入する。
【0025】
機器側正極端子16Aおよび機器側負極端子16Bは、放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cにおける弾性接触片31、31の自由端側先端に形成された折り返し部に突き当たり、両弾性接触片31、31を押し広げつつその間に進入する。そして、両弾性接触片31、31の弾性復元力によって接点部34、34が機器側正極端子16Aおよび機器側負極端子16Bの両側面に対して弾性的に接触する。これにより、機器側正極端子16Aおよび機器側負極端子16Bと放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cとを介して電池パック20の電池セルから機器本体10への通電が可能となる。このように、放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cは、一対の弾性接触片31、31によって機器側正極端子16Aおよび機器側負極端子16Bを両側から挟み付けるようにされている。
【0026】
一方、機器側信号端子16Cは、放電用信号端子30Dにおける弾性接触片35の自由端側先端に形成された折り返し部に突き当たり、弾性接触片35を弾性変形させながらその側方に進入する。そして、弾性接触片35の弾性復元力によって、接点部37が機器側信号端子16Cの側面に対して弾性的に接触する。これにより、機器側信号端子16Cと放電用信号端子30Dとを介して電池パック20から機器本体10の制御部に対して、電池の放電を制御するために必要な情報(電池の温度、過放電状態等)に関する信号の伝達が可能となる。このように、放電用信号端子30Dは、1本の弾性接触片35によって、機器側信号端子16Cの一対の板面のうち一方にのみ接触している。
【0027】
次いで、上記のように構成された電池パック20の、充電器40への装着について説明する。
【0028】
電池パック20を充電器40に装着する際には、充電器40の充電器側正極端子42A、充電器側負極端子42B、および充電器側信号端子42Cが、それぞれ電池パック20の充電用正極端子30B、充放電用負極端子30C、および充電用信号端子30Eに対してその自由端側から進入する。
【0029】
充電器側負極端子42Bは、充放電用負極端子30Cにおける弾性接触片31、31の自由端側先端に形成された折り返し部に突き当たり、両弾性接触片31、31を押し広げつつその間に進入する。そして、両弾性接触片31、31の弾性復元力によって接点部34、34が充電器側負極端子42Bの両側面に対して弾性的に接触する。これにより、充電器側負極端子42Bと充放電用負極端子30Cとを介して充電器40から電池パック20の電池セルへの充電電力の供給が可能となる。このように、充放電用負極端子30Cは、一対の弾性接触片31、31によって機器側負極端子16Bを両側から挟み付けるようにされている。
【0030】
一方、充電器側正極端子42Aおよび充電器側信号端子42Cは、充電用正極端子30Bおよび充電用信号端子30Eにおける弾性接触片35の自由端側先端に形成された折り返し部に突き当たり、弾性接触片35を弾性変形させながらその側方に進入する。そして、弾性接触片35の弾性復元力によって接点部37が充電器側正極端子42Aおよび充電器側信号端子42Cの側面に対して弾性的に接触する。これにより、充電器側正極端子42Aおよび充電器側信号端子42Cと充電用正極端子30Bおよび充電用信号端子30Eとを介して電池パック20から充電器40の制御部に対して、電池の充電を制御するために必要な情報(電池の種類等の識別情報、電池の温度、過充電状態等)に関する信号の伝達が可能となる。このように、充電用正極端子30Bおよび充電用信号端子30Eは、1本の弾性接触片35によって、充電器側正極端子42Aおよび充電器側信号端子42Cの一対の板面のうち一方にのみ接触している。
【0031】
ここで、工具本体10の駆動機構を駆動するための電流が流れる放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cには、大電流が流れることとなる。このため、工具本体10側の端子に対する接触面積を大きく取り、接触抵抗を小さくして発熱を抑制すること、また、端子同士を強固に接合させることによって、電動工具1の駆動に伴う振動によるチャタリング等の問題を低減することが重要となる。
【0032】
しかし、電池セルからの放電を制御するための信号を伝達する放電用信号端子30Dは、通電量が少ないため、上記したような発熱やチャタリング等の問題が起こりにくい。詳細にはデータを示さないが、本発明者らは、電池パック側の放電用信号端子を相手側端子に対して片側からのみ接触する構造としても、電動工具の動作に問題がないことを実験により確認した。
【0033】
そこで、本実施形態の電池パック20では、放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cについては、一対の弾性接触片31、31によって相手側端子を両側面から挟み付けて保持するように構成し、一方、放電用信号端子30Dについては、1本の弾性接触片35によって相手側端子の片側面のみに接触する構成を採用した。このような構成によれば、放電用信号端子30Dの相手側端子に対する挿抜荷重が低減される分だけ、電池パック20の工具本体10に対する着脱荷重が低減され、作業性が向上する。一方で、放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cについては相手側端子を挟み込む構成となっているため、発熱やチャタリングを回避するという効果を維持することができる。
【0034】
さらに、充電時においては、電動工具1の駆動に伴う振動によるチャタリングの問題が生じない。このため、放電用正極端子30Aとは別に設けられている充電用正極端子30Bについても、相手側端子の片側面のみに接触する構成を採用した。また、充電用信号端子30Eについては、振動によるチャタリングの問題が生じない他、通電量が少ないため、接触不良による発熱等の問題も起こりにくい。このため、充電用信号端子30Eについても、相手側端子の片側面のみに接触する構成を採用した。これにより、電池パック20の充電器40への着脱圧力の不必要な増大を回避することができる。
【0035】
なお、充電電流量が比較的大きく、端子同士の接触部分での発熱等が懸念される場合には、充電用正極端子30Bが相手側端子を両側から挟み込む構成とされ、充電用信号端子30Eのみが相手側端子の片側面のみに接触する構成とされていても構わない。
【0036】
また、本実施形態では、充放電用負極端子30Cが充電用負極端子と放電用負極端子を兼ねているが、充電用負極端子が、放電用負極端子とは別に設けられていても構わない。このような場合には、充電電流量に基づいて、充電端子として挟み込み型端子または片側接触型端子のうちいずれか一方を選択すればよい。すなわち、充電電流量が比較的大きく、端子同士の接触部分での発熱等が懸念される場合には、充電用負極端子が相手側端子を両側から挟み込む構成を採用し、充電電流量が比較的小さく、発熱等の懸念があまり生じない場合には、充電用負極端子が相手側端子の片側面のみに接触する構成を採用すればよい。
【0037】
加えて、充電用正極端子30B、放電用信号端子30Dおよび充電用信号端子30Eにおける弾性接触片35は、放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cにおける弾性接触片31と同一形状とされている。これにより、両者を制作するための金型および製造工程の一部を共通化することができ、コストの削減を図ることができる。
【0038】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cの端子形状は上記実施形態のとおりでなくてもよく、相手側端子を両側から挟み込む形状であればよい。また、充電用正極端子30B、放電用信号端子30Dおよび充電用信号端子30Eの端子形状は上記実施形態のとおりでなくてもよく、相手側端子に対して片側からのみ接触する形状であればよい。
(2)充電用正極端子30B、放電用信号端子30Dおよび充電用信号端子30Eにおける弾性接触片35と、放電用正極端子30Aおよび充放電用負極端子30Cにおける弾性接触片31とは異なる形状であっても構わない。
(3)上記実施形態では、電気機器が電動工具である場合を例にとり説明したが、本発明の対象となる電気機器は、電池パックと接続されてこの電池パックに収容された電池から駆動電力を供給されるものであればいかなるものであっても構わない。
【符号の説明】
【0039】
1...電動工具(電気機器)
10...工具本体(機器本体)
16A...機器側正極端子(機器側放電端子)
16B...機器側負極端子(機器側放電端子)
16C...機器側信号端子
20...電池パック
21...電池側ハウジング(ハウジング)
30A...放電用正極端子(放電端子)
30B...充電用正極端子(充電端子)
30C...充放電用負極端子(放電端子)
30D...放電用信号端子(第1の信号端子)
30E...充電用信号端子(第2の信号端子)
31...弾性接触片(接触片)
35...弾性接触片(接触片)
40...充電器
42A...充電器側正極端子(充電器側充電端子)
42B...充電器側負極端子(充電器側充電端子)
42C...充電器側信号端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気機器の機器本体と接続されて前記電気機器に電気を供給する電池を備える電池パックであって、
内部に電池セルを収容可能なハウジングと、
前記機器本体に備えられる機器側放電端子と結合して、前記電池セルからの放電電流を通電可能な正負一対の放電端子と、
前記機器本体に備えられる機器側信号端子と結合して信号を伝達可能な第1の信号端子と、を備え、
前記放電端子が相手側端子を両面から挟み込む挟み込み型端子であり、前記第1の信号端子の少なくとも1つが相手側端子に対して片面側から接触する片側接触型端子である、電池パック。
【請求項2】
前記電池セルを充電するための充電器に備えられる充電器側充電端子に接続されて充電電流を通電可能な正負一対の充電端子のうち少なくとも一方が、前記放電端子とは別に設けられ、
前記放電端子とは別に設けられる充電端子が片側接触型端子である、請求項1に記載の電池パック。
【請求項3】
前記電池セルを充電するための充電器に備えられる充電器側信号端子と結合して信号を伝達可能な第2の信号端子を備え、
前記充電用信号端子が前記片側接触型端子である、請求項1または請求項2に記載の電池パック。
【請求項4】
前記挟み込み型端子は、相手側端子の両側面にそれぞれ接触可能な一対の接触片を備え、
前記片側接触型端子は、相手側端子の片側面に接触可能な接触片を備え、
前記挟み込み型端子の一対の接触片のうち少なくとも一方の接触片と前記片側接触型端子の接触片とが同一形状である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の電池パック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−74295(P2012−74295A)
【公開日】平成24年4月12日(2012.4.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−219301(P2010−219301)
【出願日】平成22年9月29日(2010.9.29)
【出願人】(507151526)株式会社GSユアサ (375)
【Fターム(参考)】