説明

電池パッケージ

【課題】簡単な構成で、消費者に対するアピール度を向上させることができる電池パッケージを提供する。
【解決手段】電池パッケージ2は、正極端子が突出する一端、負極端子としての他端及び周面に商品名や模様等からなるデザイン94を有した円筒形の電池4を収容する略直方体状のパッケージ本体6を備えており、パッケージ本体6は、前壁10と、前壁10に対向配置され上部にフックと係合する吊り下げ孔26を有する後壁12と、前壁10及び後壁12のそれぞれ対応する側縁を相互に連結する一対の側壁14と、前壁10、後壁12及び側壁14の下端縁に連結された底壁16と、底壁16と対向配置された上壁18とを含み、前壁10は、その前面部に設けられた窓20と、その両端部を後壁12側へ折曲させて形成された一対の折曲壁28とを有しており、折曲壁28は、電池4の対応する側の端の周縁に対して斜めに当接する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、円筒形の電池を収容する電池パッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
円筒形の電池は、通常、電池パッケージに収容された状態で店頭に陳列され販売されている。
このような電池パッケージにおいては、収容されている電池の種類を確認できるようにパッケージ内が外部から視認可能なものがある。このように、パッケージの中身を確認できる電池パッケージの1つの態様としては、例えば、特許文献1に示される電池パッケージが知られている。特許文献1の電池パッケージは、複数本の電池を並列に積み重ねて収容する略直方体形状の箱部を備えており、この箱部の前面に内容物を確認するための窓孔が設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−252377号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、円筒形の電池には、通常、その周面に商品名や模様等からなる特定のデザインが施されている。このようにデザインが施された電池を外部から内容物を視認可能なパッケージに収容した場合、電池の向きにより周面のデザインの見え方が異なる。特に複数の電池を収容可能なパッケージの場合、各電池がばらばらな向きで収容されていると、デザインの向きが不揃いとなり美観が損なわれる。このように美観が損なわれた状態では、消費者の購買意欲を促進させるアピール度に欠けてしまう。
【0005】
そこで、このようなパッケージに電池を収容する場合、各電池の向きを揃えて外部からの見映えを良くし、消費者に対するアピール度を向上させることが考えられる。
しかしながら、電池を出荷する前にその向きを揃えて電池パッケージ内に収容しても、この電池パッケージを輸送している途中で振動等により内部の電池がその中心軸を中心として回転してしまうことがある。そうすると結局デザインの向きはばらばらになり美観を損ねてしまう。
【0006】
そこで、パッケージの内部に電池の回転を抑制することができるような形状のパーツを組み込むことが考えられるが、そうすると電池パッケージの構造が複雑化するとともに組立作業も煩雑化し、製造コストが嵩む。また、パッケージを構成する材料の量も増えるので、材料費の増加を招くとともに、パッケージが役目を終えたときの廃棄物の量が増加し、環境負荷が増大する。
【0007】
本発明は、上記の事情に基づいてなされたものであり、その目的とするところは、簡単な構成で、消費者に対するアピール度を向上させることができる電池パッケージを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明によれば、正極端子が突出する一端、負極端子としての他端及び周面に商品名や模様等からなるデザインを有した円筒形の電池を収容し、外部から前記電池を視認可能な電池パッケージにおいて、前記電池を収容する略直方体状のパッケージ本体を備えており、前記パッケージ本体は、前壁と、前記前壁に対向配置された後壁と、前記前壁及び前記後壁のそれぞれ対応する側縁を相互に連結する一対の側壁と、前記前壁、前記後壁及び前記側壁の下端縁に連結された底壁と、前記底壁と対向配置された上壁とを含み、前記前壁は、前記電池の前記両端における周縁の一部と当接し、前記電池の長手方向両側から前記電池を挟み付ける当接部を有していることを特徴とする電池パッケージが提供される(請求項1)。
【0009】
具体的には、前記当接部は、前記前壁の両端部を前記後壁側へ折曲させ、前記電池の対応する側の端の周縁に対して斜めに当接する一対の折曲壁である(請求項2)。
【0010】
好ましくは、前記電池の端に対する前記折曲壁の当接箇所と前記後壁との間の寸法は、前記電池の直径よりも短く、前記一対の折曲壁における前記当接箇所同士間の寸法は、前記電池の両端間の寸法よりも短い態様とする(請求項3)。
【0011】
また、前記長手方向に沿う前記後壁の幅をB、前記各側壁の幅をS,S’、前記前壁のうち前記折曲壁を除いた部分の前記長手方向に沿う幅をF、前記各折曲壁の幅をK,K’としたとき、B+S=K+F+K’+S’(但し、S=S’、K=K’)の関係を満たしている態様とすることが好ましい(請求項4)。
【0012】
また、前記後壁は、商品吊り下げ手段と係合する吊り下げ部を含んでいる態様とすることが好ましい(請求項5)。
【0013】
更に、前記パッケージ本体は、紙材で形成されており、前記前壁に窓が形成されている態様とすることが好ましい(請求項6)。
【0014】
更にまた、前記パッケージ本体は、透明な樹脂材料で形成されている態様とすることが好ましい(請求項7)。
【発明の効果】
【0015】
本発明に係る電池パッケージは、パッケージ本体において、前壁の当接部が電池を長手方向両側から挟み付けることにより電池の回転に対する抵抗を増やしているので、収容された電池の回転を抑制し電池の向きを一定に保持することができる。これにより、電池の周面に施されたデザインのうち商品名等の特にアピールしたい部分が目立つところに位置付けられた状態で電池を保持することができる。また、収容される電池が複数の場合は、各電池のデザインの向きを揃えた状態で保持することでき、デザインの統一性が出て電池パッケージの見映えが良くなる。このため、消費者の購買意欲を促進させるアピール度が向上する。この電池パッケージは、パッケージ本体の前壁の両端に当接部を設けただけのシンプルな構造であるので、最小限の材料で構成されていることから環境負荷が小さく、また、組み立てが簡単に行えることから製造コスト削減にも寄与する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1の実施形態に係る電池パッケージを前壁側上方からみた状態を示した斜視図である。
【図2】第1の実施形態に係る電池パッケージを後壁側下方からみた状態を示した斜視図である。
【図3】図1中の矢印III方向からみた状態を示した平面図である。
【図4】図1中の矢印IV方向からみた状態を示した側面図である。
【図5】図3中の円V内の構成を概略的に示した模式図である。
【図6】ブランクの展開図である。
【図7】ブランクを折り畳んだ状態を示した平面図である。
【図8】図7中の矢印VIII方向からみた状態を示した模式図である。
【図9】ブランクを角筒状態に折り込んだ態様を示した斜視図である。
【図10】図9中の矢印X方向からみた状態を示した模式図である。
【図11】中間体に電池を収容する状態を示した斜視図である。
【図12】第1の実施形態に係る電池パッケージを陳列棚のフックに吊り下げた状態を示した正面図である。
【図13】第2の実施形態に係る電池パッケージを示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明に係る電池パッケージ(以下、パッケージという)を、図面を参照して説明する。
【0018】
(第1の実施形態)
図1及び図2に示したように、パッケージ2は、AAサイズの電池4を2本収容可能なパッケージ本体6と、パッケージ本体6の背面上部から上方へ延出し店頭の陳列棚等のフックと係合する吊下げ部8とを備えている。ここで、本実施形態のパッケージ2は全体が紙材で形成されている。
【0019】
パッケージ本体6は、略直方体形状をなしており、前壁10と、前壁10に対向配置された後壁12と、前壁10および後壁12のそれぞれ対応する側縁を相互に連結する一対の側壁14,14と、前壁10、後壁12および側壁14の下端縁に連結された底壁16と、底壁16と対向配置された上壁18とを備えている。
【0020】
前壁10は、図1に示すように、パッケージ本体6の前面部22を構成しており、両端に一対の折曲壁28,28が配設された矩形状の前面壁30からなる。前面壁30の中央には矩形状の窓20が形成されており、この窓20からは、パッケージ本体6内の電池4が視認可能となっている。そして、折曲壁28,28は、前面壁30の両側縁から後壁12側へ向かって斜めに延出している。詳しくは、これら折曲壁28,28は、図3に示すように、前面壁30に対して所定角度で折り曲げられた状態で形成されており、電池4における正極端子32が突出する一端33及び負極端子34としての他端35のそれぞれの周縁の一部と当接する当接部となる。ここで、折曲壁28は、その内面において電池4の周縁の一部と当接するが、この当接箇所と、後壁12との間の寸法が、収容される電池4の直径よりも短く設定されている。また、一対の折曲壁28,28における前記当接箇所同士間の寸法は、電池4の両端間の寸法、即ち、胴体長さ寸法よりも短く設定されている。本実施形態においては、以上のような寸法関係を達成すべく、折曲壁28の寸法及び前面壁30に対する折曲角度が適切に設定してある。
【0021】
側壁14は、前壁10の高さ寸法と同寸法の高さ寸法を有する矩形状をなしており、折曲壁28の側縁と後壁12の側縁との間に配設されている。詳しくは、側壁14,14は、図3から明らかなように、両折曲壁28,28の延長線よりも内側に折曲している。
【0022】
後壁12は、幅方向寸法が前壁10の幅方向寸法よりも僅かに長尺であり、高さ寸法が前壁10の高さ寸法の約2倍の矩形状をなしている。この後壁12は、図2中二点鎖線で示した仮想線54よりも下側半分でパッケージ本体6の背面部24を構成するとともに、上側半分で吊下げ部8を構成する。ここで、図1から明らかなように、後壁12の上部中央には前記フックと係合する吊下げ孔26が設けられており、また、後壁12の上部両端はラウンドコーナに形成されている。
【0023】
底壁16は、図2に示すように、上記した前面壁30、両折曲壁28、両側壁14及び後壁12のそれぞれの下端縁40、42、42、44、44、46により形成される下部開口と合致する形状をなしている。
【0024】
一方、上壁18は、底壁16と同形状をなしており、図1から明らかなように、前面壁30、両折曲壁28及び両側壁14のそれぞれの上端縁48、50、50、52、52と、後壁12における背面部24と吊下げ部8との境界である仮想線54とにより形成される上部開口と合致する形状をなしている。
【0025】
パッケージ本体6内においては、電池4が、その長手方向をパッケージ本体6の幅方向に沿うようにして2本並列にして積み重ねられて収容されている(図4参照)。ここで、電池4の収容状態について以下に詳しく説明する。
【0026】
パッケージ本体6内の電池4は、図3から明らかなように、電池4における一端33側の周縁の一部(以下、角部36という)が一方(図3中左側)の折曲壁28と当接し、他端35側の周縁の一部(以下、角部38という)が他方(図3中右側)の折曲壁28と当接している。ここで、本実施形態のパッケージ本体6においては、前壁10及び後壁12と電池4との寸法関係が、上記したような寸法関係にあるので、電池4と折曲壁28の当接箇所においては、図5に示すように、折曲壁28が電池4の角部36により押されて僅かに弾性変形している。これにともない、電池4には、図3の矢印A,B方向へ働く圧縮力が作用するとともに、矢印C方向、即ち、後壁12側へ押し付ける方向へ働く押圧力が作用する。このため、電池4は、パッケージ本体6内において、長手方向に挟み付けられるとともに後壁12へ押し付けられるので、パッケージ本体6内での電池4の動きに対する抵抗が増える。その結果、図4中の矢印Dで示すような、電池4がその中心軸56を中心として回転してしまうことは抑制されるので、電池4をその向きを揃えて収容した場合、その状態が保持される。
【0027】
以上のようなパッケージ2は、図6に示されるような1枚のブランク60から形作ることができる。なお、図6においては、パッケージ2の内面に対応する側を示している。
【0028】
ブランク60は、図6から明らかなように、パッケージ本体6の前壁10における前面壁30となる前面壁パネル62を有しており、この前面壁パネル62の中央には、窓20となる矩形の貫通孔64が設けられている。また、前面壁パネル62の上端には上壁18を構成する上壁パネル66が連なっており、上壁パネル66の先端には後壁12と重ね合わされる上壁フラップ68が連なっている。一方、前面壁パネル62の下端には、底壁16を構成する底壁パネル70が連なっており、底壁パネル70の先端には後壁12と重ね合わされる底壁フラップ72が連なっている。
【0029】
また、前面壁パネル62の両側縁には、前壁10における折曲壁28,28となる折曲壁パネル74,74がそれぞれ連なっており、更に、これら折曲壁パネル74の先には、側壁14,14となる側壁パネル76,76がそれぞれ連なっている。そして、各側壁パネル76の上端縁にはインナトップフラップ78,78が連なっており、これらインナトップフラップ78,78は、上壁パネル66に重ね合わされることで上壁18の補強をなす。一方、各側壁パネル76の下端縁にはインナボトムフラップ80,80が連なっており、これらインナボトムフラップ80,80は、底壁パネル70に重ね合わされることで底壁16の補強をなす。
【0030】
更に、側壁パネル76のうちの一方側(図6中右側)の側壁パネル76には、前面壁パネル62とは反対側の位置に台形状のサイドフラップ82が連なっている。また、他方側(図6中左側)の側壁パネル76には、前面壁パネル62とは反対側の位置に後壁12となる後壁パネル84が連なっている。この後壁パネル84は、図6中二点鎖線で表した仮想線54の下側が、パッケージ本体6の背面部24となる背面領域86であり、仮想線54の上側が吊下げ部8となる吊下げ領域88である。この吊下げ領域88の上部中央には、フックと係合する吊下げ孔26となる円形孔90が形成されている。
【0031】
本実施形態の場合、ブランク60は紙材からなり、その秤量は180〜270g/mであり、その厚みは0.2〜0.5mmである。なお、ブランク60に用いられる紙材としては、パッケージ用の紙材であれば何れであってもよく、例えば、カード紙、マニラボール紙等が用いられる。
【0032】
上述したブランク60は、所定の紙材を図6に示すような形状に打ち抜き加工し、更に、図6中の破線で示す箇所に折り込みがし易くなる折り込み線を入れることにより作成される。得られたブランク60は、折り込み線に沿ってそれぞれ折り込まれるとともに所定箇所を貼着することによりパッケージ本体6に成形され、図1に示すようなパッケージ2が得られる。
【0033】
詳しくは、まず、サイドフラップ82が内側に折り込まれるとともに、他方側(図6中左側)の側壁板パネル76と折曲壁パネル74との間の折り込み線92が折り込まれることにより、図7に示すように、後壁パネル84及び一方側の側壁板パネル76と、前面壁パネル62、折曲壁パネル74,74及び他方側の側壁板パネル76とが重なり合い、ブランク60は折り畳み状態となる。このとき、サイドフラップ82は、図6に示す後壁パネル84の内面における側壁板パネル76とは反対側の側端部に位置付けられる貼着予定箇所95に貼着される。なお、ブランク60自体は、この折り畳み状態で輸送及び保管が行われる。
【0034】
次に、折り畳み状態のブランク60は、前面壁パネル62と両折曲壁パネル74,74との間、後壁パネル84と両側壁板パネル76,76との間、及び、側壁板パネル76と折曲壁パネル74との間の各折り込み線がそれぞれ折り込まれ、図7の折り畳み状態から図9に示すような角筒状態となる。
【0035】
ここで、本実施形態においては、図6に示すように、後壁12に相当する後壁パネル84の幅方向の寸法をB、後壁パネル84に連なる他方側の側壁板パネル76(側壁14に相当)の幅方向の寸法をS、他方側の側壁板パネル76に連なる折曲壁パネル74(折曲壁28に相当)の幅方向の寸法をK、前面壁30に相当する前面壁パネル62の幅方向の寸法をF、前面壁パネル62に連なる一方側の折曲壁パネル74(折曲壁28に相当)の幅方向の寸法をK’、一方側の側壁パネル74に連なる側壁板パネル76(側壁14に相当)の幅方向の寸法をS’とした場合、折り畳み状態のブランク60を図7の矢印VIII方向から見た状態を模式的に示した図8から明らかなように、これらパネルの幅方向の寸法が、B+S=K+F+K’+S’(但し、S=S’、K=K’)の関係となるように設定している。
【0036】
各パネルの幅寸法を上記した関係に設定することにより、折り込み線92で折り畳まれた折り畳み状態のブランク60は、展開されていたときの半分の大きさになるので、輸送時や保管時の所要スペースを少なくすることができる。そして、折り畳み状態のブランク60に対して、後壁パネル84を基準にして両側壁パネル76,76が立ち上がるように各折り込み線に折り目を入れることにより、後壁パネル84と前面壁パネル62とは、所定スペースをあけて対向配置され、後壁パネル84及び前面壁パネル62のそれぞれ対応する側縁の間には所定の角度をもって折曲壁パネル74と側壁板パネル76とが配置され、図10に示すような断面形状の角筒状態のブランク60を簡単に得られる。
【0037】
この後、図9に示した角筒状態のブランク60に対してインナボトムフラップ80,80が内側に折り込まれる。そして、底壁パネル70及びその先端の底壁フラップ72が折り込まれる。これにより、底壁パネル70は、インナボトムフラップ80,80と重なり合うとともに下部開口に合致し、底壁16を形成する。このとき、底壁フラップ72は、インナボトムフラップ80と後壁パネル84との間の隙間に差し込まれ、後壁パネル70の下部内面と重なり合う。この状態で、インナボトムフラップ80,80が底壁パネル70に貼着されるとともに、底壁フラップ72が後壁パネル84に貼着され、下部開口が底壁16により閉塞される。これにより、図11に示すような、上部が開口した半完成状態であるパッケージ本体2の中間体92が形成される。
【0038】
この中間体92には、上部の開口側より電池4が2本入れられる。ここで、電池4の周面には、所定のデザイン94が施されており、特にアピールしたい商品名等の部分が窓20から見えるように電池4を中間体92内に収容していく。この際、各電池4のデザイン94が同じ方向を向くように各電池4の向きを揃える。
【0039】
電池4の収容後は、矢印Pに示すようにインナトップフラップ78は内側へ折り込まれる。その後、上壁パネル66の先端の上壁フラップ68が折り込まれるとともに、上壁パネル66も矢印Qに示すように内側へ折り込まれる。これにより、上壁パネル66は、インナトップフラップ78と重なり合うとともに、その先端の上壁フラップ68は、インナトップフラップ78と後壁パネル84との間の隙間に差し込まれ、後壁パネル84の内面と重なり合う。この状態で、インナトップフラップ78,78が上壁パネル66に貼着されるとともに、上壁フラップ68が後壁パネル84に貼着されることで、上部開口は閉じられパッケージ本体6が形成され、図1に示すような電池2を収容したパッケージ2が得られる。そして、このパッケージ2は、工場から店舗に輸送された後、図12に示すように、店頭において陳列棚96に設けられたフック98にその吊下げ孔26が掛けられ陳列される。
【0040】
パッケージ2は、折曲壁28,28の内面が電池4の正極端子側の角部36及び負極端子側の角部38に斜めに当接するので、電池4に対して、その長手方向へ挟み付ける方向へ働く圧縮力を作用させることができるとともに、電池4を後壁12側へ押し付ける押圧力を作用させることができる。これにより、電池4の中心軸56を中心とした回転に対して抵抗力を増加させることができ、パッケージ本体6内での電池4の回転を抑制することができる。このため、パッケージ2に輸送中の振動等が加わっても内部の電池4の向きはデザインが揃った最初の状態を保持でき、店頭に陳列した後でも窓20からは、各電池4のデザインが揃った状態で視認される。
【0041】
このようにパッケージ2は、各電池4につき施されたデザイン94の向きを揃えて統一性を持たせた状態を保持でき、消費者へのアピール度向上に寄与する。
また、このパッケージ2は、上記した説明から明らかなように、別パーツを追加せず、前壁10の両端を折曲させて折曲壁を設けるといった簡単な構造で電池4の回転を抑制しているので、必要な材料の量は少なくて済み、廃棄する際も廃棄物の量を少なくでき環境に対する負荷を抑えることができる。
【0042】
しかも、パッケージ2を構成するブランク60は、通常の断面形状が単純な矩形である直方体形状のパッケージ用のブランクと全体的なサイズは変わらず、折り込み線の位置を適切な位置にするだけで作成可能であるので、従来の製造設備をそのまま使用できる。そして、ブランク60の組み立て作業も従来通り折り込み線に沿って折り込むだけで簡単に形成できるので、特別な組み立てスキルは必要ない。よって、製造コストが嵩むこともない。
【0043】
(第2の実施形態)
図13は、第2の実施形態のパッケージを100示す。このパッケージ100は、パッケージ本体6の全体が無色透明の合成樹脂材料、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)で形成されており、窓を有していない点のみで第1の実施形態のパッケージ2とは相違する。よって、第2の実施形態について説明するにあたり、既に説明した構成部材及び部位と同一の機能を発揮するものについては同一の参照符号を付し、その説明を省略する。
【0044】
このように、パッケージ本体6の全体が透明であると、収容されている電池4が外部からよく見える。このため、各電池4のデザイン94の向きが揃っているとより統一性が際立ち、美観が強調されるので、消費者へのアピール度をより増やすことができる。
【0045】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、種々の変形が可能である。例えば、第1及び第2の実施形態のパッケージでは、電池を2本収容する態様としたが、それ以上の本数を収容可能なパッケージとしてもよく、また、1本だけ収容するパッケージとしてもよい。
【符号の説明】
【0046】
2 パッケージ
4 電池
6 パッケージ本体
8 吊下げ部
10 前壁
12 後壁
14 側壁
16 底壁
18 上壁
26 吊下げ孔
28 折曲壁
30 前面壁
94 デザイン
100 パッケージ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
正極端子が突出する一端、負極端子としての他端及び周面に商品名や模様等からなるデザインを有した円筒形の電池を収容し、外部から前記電池を視認可能な電池パッケージにおいて、
前記電池を収容する略直方体状のパッケージ本体を備えており、
前記パッケージ本体は、
前壁と、
前記前壁に対向配置された後壁と、
前記前壁及び前記後壁のそれぞれ対応する側縁を相互に連結する一対の側壁と、
前記前壁、前記後壁及び前記側壁の下端縁に連結された底壁と、
前記底壁と対向配置された上壁とを含み、
前記前壁は、前記電池の前記両端における周縁の一部と当接し、前記電池の長手方向両側から前記電池を挟み付ける当接部を有している
ことを特徴とする電池パッケージ。
【請求項2】
前記当接部は、
前記前壁の両端部を前記後壁側へ折曲させ、前記電池の対応する側の端の周縁に対して斜めに当接する一対の折曲壁であることを特徴とする請求項1に記載の電池パッケージ。
【請求項3】
前記電池の端に対する前記折曲壁の当接箇所と前記後壁との間の寸法は、前記電池の直径よりも短く、前記一対の折曲壁における前記当接箇所同士間の寸法は、前記電池の両端間の寸法よりも短いことを特徴とする請求項2に記載の電池パッケージ。
【請求項4】
前記長手方向に沿う前記後壁の幅をB、前記各側壁の幅をS,S’、前記前壁のうち前記折曲壁を除いた部分の前記長手方向に沿う幅をF、前記各折曲壁の幅をK,K’としたとき、B+S=K+F+K’+S’(但し、S=S’、K=K’)の関係を満たしていることを特徴とする請求項3に記載の電池パッケージ。
【請求項5】
前記後壁は、商品吊り下げ手段と係合する吊り下げ部を含んでいることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の電池パッケージ。
【請求項6】
前記パッケージ本体は、紙材で形成されており、前記前壁に窓が形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電池パッケージ。
【請求項7】
前記パッケージ本体は、透明な樹脂材料で形成されていることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の電池パッケージ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−206769(P2012−206769A)
【公開日】平成24年10月25日(2012.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−75623(P2011−75623)
【出願日】平成23年3月30日(2011.3.30)
【出願人】(510206213)FDKトワイセル株式会社 (36)
【Fターム(参考)】