説明

電池モジュール、該電池モジュールを具備するカプセル内視鏡

【課題】小径化を実現することができることにより小型化を実現する構成を具備する電池モジュールを提供する。
【解決手段】電池1,2と、該電池1,2間にあって電池1の負極の金属電極1bと電池2の正極の金属電極2aとを電気的に直列接続する接続体3とを具備する電池モジュール100であって、接続体3は、電池1の金属電極1bに電気的に接続される第1の接続部3bと、電池2の金属電極2aに電気的に接続される第2の接続部3aとを備えるとともに、接続体3による接続後の各電池1,2を各電池1,2の直列接続方向Sのいずれか側から平面視した際、各電池1,2に対して重なる領域内に配置されていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の電池と、該複数の電池間を直列接続する接続体とを具備する電池モジュール、該電池モジュールを具備するカプセル内視鏡に関する。
【背景技術】
【0002】
複数の単電池を直接接続した電池モジュールは周知であり、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
特許文献1には、2つの単電池を直接接続して所要の出力電圧を得る電池モジュールを形成するため、各単電池間の接続に接続体が用いられた構成が開示されている。
【0004】
図7に、従来の電池モジュールの構成を示す部分断面図を示す。具体的には、図7に示すように、特許文献1には、同一種類及び同一規格から構成された円柱形状を有する電池A、Bの各外周は、各一端面(電池Bの一端面は図示されず)を除いて、マイナス電極を兼ねる金属外装102によって覆われているとともに、電池A、Bの各一端面に、金属外装102と絶縁された金属電極103がプラス電極として設けられており(電池Bの金属電極103は図示されず)、電池Aの金属電極103と、電池Bの金属外装102との間が、接続体101によって電気的に接続されることにより、電池Aと電池Bとが直列接続された電池モジュールの構成が開示されている。
【0005】
尚、接続体101の電池Bへの接続部101bは、電池Bが嵌合する形状を有しており、接続部101bに電池Bが嵌合された後、電池Bの金属外装102の外周側面に溶接される。また、接続体101の電池Aへの接続部101aは電池Aの金属電極103に溶接される。このことにより、接続体101は、電池Aと電池Bとを電気的に接続する構成を有している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平10−106533号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す電池モジュールの構成においては、接続体101の接続部101bは、電池Bの金属外装102の外周側面に溶接される構成を有していることから、接続部101bは、電池Bよりも該電池Bの径方向Rの外側に、接続部101bの厚み及び溶接剤の厚みt分だけ、具体的には、厚みt=数百μmだけはみ出してしまうため、その結果、電池モジュールの小径化が難しく小型化することができないといった問題があった。
【0008】
よって、特許文献1に示す電池モジュールを、小型の電子機器、例えばカプセル内視鏡内に設けると、厚みt分だけ、矢張りカプセル内視鏡の小径化を妨げてしまうといった問題がある。
【0009】
これは、カプセル内視鏡の短軸方向の内径は、10〜11mmと非常に小さいため、電池モジュールの径方向をカプセル内視鏡の短軸方向に一致させてカプセル内視鏡内に電池モジュールを設けると、接続体が数百μmだけはみ出しても、カプセル内視鏡の小径化を妨げてしまうためである。
【0010】
また、接続部101bの厚みtのはみ出しによりカプセル内視鏡への電池モジュールの組立性が低下してしまうといった問題がある他、接続部101bは、電池Bの外周よりも外側に露出した状態で位置しているため、カプセル内視鏡内の他の部品に対する接続部101bの絶縁性を別途考慮しなければならないといった問題もあった。
【0011】
以上から、電池からの接続体のはみ出しの無い、小型の電池モジュールの構成が望まれていた。
【0012】
本発明は、上記事情に鑑みなされたものであり、小径化を実現することができることにより小型化を実現する構成を具備する電池モジュール、該電池モジュールを具備するカプセル内視鏡を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するため本発明による電池モジュールは、それぞれ同径に形成された複数の電池と、該複数の電池間にあって一方の電池の一方極性の金属電極と他方の電池の他方極性の金属電極とを電気的に直列接続する接続体とを具備する電池モジュールであって、前記接続体は、前記一方の電池の前記金属電極に電気的に接続される第1の接続部と、前記他方の電池の前記金属電極に電気的に接続される第2の接続部とを備えるとともに、前記接続体による接続後の各前記電池を各前記電池の直列接続方向のいずれか側から平面視した際、各前記電池に対して重なる領域内に配置されていることを特徴とする。
【0014】
また、電池モジュールを具備するカプセル内視鏡は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記電池モジュールを具備することを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、小径化を実現することができることにより小型化を実現する構成を具備する電池モジュール、該電池モジュールを具備するカプセル内視鏡を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】第1実施の形態を示す電池モジュールの構成を概略的に示す図
【図2】図1の電池モジュールを、図1中のII方向からみた上面図
【図3】図1の電池モジュールの製造方法を示す工程図
【図4】第2実施の形態を示す電池モジュールの構成を概略的に示す図
【図5】図4の電池モジュールの製造方法を示す工程図
【図6】図1または図4の電池モジュールが設けられるカプセル内視鏡の構成の概略を示す断面図
【図7】従来の電池モジュールの構成を示す部分断面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。尚、図面は模式的なものであり、各部材の厚みと幅との関係、それぞれの部材の厚みの比率などは現実のものとは異なることに留意すべきであり、図面の相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
【0018】
(第1実施の形態)
図1は、本実施の形態を示す電池モジュールの構成を概略的に示す図、図2は、図1の電池モジュールを、図1中のII方向からみた上面図である。
【0019】
図1に示すように、電池モジュール100は、一方の電池であるボタン電池1と、他方の電池であるボタン電池2と、接続体3と、補強剤4とにより主要部が構成されている。
【0020】
ボタン電池1は、ボタン電池2との直列接続方向Sにおいて、一方の面に、他方極性である正極の金属電極1aが形成されているとともに、他方の面に、一方極性である負極の金属電極1bが形成されている。
【0021】
ボタン電池2は、ボタン電池1と同一規格、同一種類のものであり、即ち、径方向Rにおいて同径に形成されており、直列接続方向Sの一方の面に、他方極性である正極の金属電極2aが形成されているとともに、他方の面に、一方極性である負極の金属電極2bが形成されている。即ち、金属電極2aは、金属電極1bに対向して位置している。
【0022】
接続体3は、厚みvの、例えばアルミニウムから形成された板状部材から構成されており、ボタン電池1の金属電極1bと、ボタン電池2の金属電極2aとを電気的に直列接続するものである。即ち、接続体3により、ボタン電池1とボタン電池2とは、一体的に形成される。言い換えれば、ボタン電池1とボタン電池2とは、接続体3により一体化する。尚、ボタン電池1とボタン電池2とは、接続体3による一体化後、分離することがない。
【0023】
また、接続体3は、同径に形成されたボタン電池1とボタン電池2との径方向Rの位置を一致させて、ボタン電池1とボタン電池2とを一体化する。より具体的には、直列接続方向Sにおいて、電池モジュール100を、ボタン電池1の金属電極1a側またはボタン電池2の金属電極2b側のいずれかから平面視した際、ボタン電池2に対してボタン電池1が完全に重なるよう、ボタン電池1とボタン電池2とを一体化する。
【0024】
接続体3は、金属電極1bに電気的に接続される第1の接続部3bと、金属電極2aに電気的に接続される第2の接続部3aとを具備するとともに、第1の接続部3bと第2の接続部3aとの間において折り曲げられた折り曲げ部3cを2つ有していることにより、即ち、板状部材が2回折り曲げられることにより、ボタン電池1とボタン電池2とを間において、断面Z状に折り曲げられた形状を有している。
【0025】
また、接続体3は、図1、図2に示すように、ボタン電池1の金属電極1bとボタン電池2の金属電極2aとの間に配置されているとともに、電池モジュール100を、直列接続方向Sにおいて、例えばボタン電池2の金属電極2b側から平面視した際、各電池1、2に対して重なる領域Q内に配置されている。即ち、接続体3の一部が、ボタン電池1、2の外周から径方向Rにはみ出して配置されることがない。
【0026】
補強剤4は、例えばエポキシ樹脂から構成されており、領域Q内に充填されている。補強剤4は、金属電極1bに対する第1の接続部3bの接続と、金属電極2aに対する第2の接続部3aの接続とを補強する機能を有している。
【0027】
尚、補強剤4も領域Qのみに充填されていることにより、ボタン電池1、2の外周から径方向Rにはみ出すことがない。また、補強剤は、エポキシ樹脂に限らず、アクリル樹脂や、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等から構成されていても構わない。
【0028】
次に、上述した電池モジュール100の製造方法について、図3を用いて説明する。図3は、図1の電池モジュールの製造方法を示す工程図であり、(a)は、板状部材を金型にセットした状態を概略的に示す図、(b)は、金型によって変形された(a)の板状部材の第2の接続部を、他方のボタン電池の金属電極に電気的に接続した状態を概略的に示す図である。
【0029】
また、図1(c)は、金型によって変形された(b)の板状部材の第1の接続部を、一方のボタン電池の金属電極に電気的に接続した状態を概略的に示す図、(d)は、(c)の他方のボタン電池が一方のボタン電池に対向するまで移動させた状態を概略的に示す図である。
【0030】
電池モジュール100を製造する場合は、先ず、図3(a)に示すように、例えばアルミニウムから形成された板状部材6を金型5にセットし、その後、金型5を用いて、板状部材6を90°の折り曲げ部を2つ有するクランク状に折り曲げる。その結果、板状部材6により接続体3が形成される。
【0031】
次いで、図3(b)に示すように、ボタン電池2の金属電極2aに、例えば既知の超音波接合法により接続体3の第2の接続部3aを接合する。その結果、金属電極2aに第2の接続部3aが電気的に接続される。
【0032】
尚、該接合に、超音波接合法を用いた理由としては、超音波接合法は熱を用いないため、接合の際、ボタン電池2に熱を付与してしまうことがないためである。よって、このことを無視すれば、接合に、スポット溶接法や導電性接着剤、導電性接着テープを用いた手法等を利用しても構わない。
【0033】
次いで、図3(c)に示すように、ボタン電池2及び金属電極2aに電気的に接続された接続体3を、直列接続方向Sにおいて180°反転させた後、ボタン電池1の金属電極1bに、例えば超音波接合法により接続体3の第1の接続部3bを接合する。
【0034】
尚、金属電極1bへの第1の接続部3bの接合は、ボタン電池2及び金属電極2aに電気的に接続された接続体3を、直列接続方向Sにおいて180°反転させずに行っても構わない。また、該接合に超音波接合法を用いた理由も上述のとおりである。よって、この接合においても、スポット溶接法や導電性接着剤、導電性接着テープを用いた手法等を利用しても構わない。
【0035】
その結果、金属電極1bに第1の接続部3bが電気的に接続され、ボタン電池1がボタン電池2に接続体3によって一体化された状態となる。
【0036】
次いで、図3(d)に示すように、ボタン電池1を固定したまま、ボタン電池2をボタン電池1に直列接続方向Sにおいて対向する位置まで移動させて、接続体3を、Z状に折り曲げる。その後、ボタン電池1に対してボタン電池2を押し付けると、図1に示した形状に接続体3は、Z状を有したまま直列接続方向Sに圧縮変形する。最後に、領域Qに補強剤4が充填することにより、電池モジュール100は製造される。
【0037】
このように、本実施の形態においては、接続体3は、ボタン電池1の金属電極1bとボタン電池2の金属電極2aとの間に配置されているとともに、電池モジュール100を直列接続方向Sにおいて、例えばボタン電池2の金属電極2b側から平面視した際、各電池1、2に対して重なる領域Q内に配置されていると示した。
【0038】
このことによれば、従来のように、接続体の一部がボタン電池1、2の外周から径方向Rの外側にはみ出てしまうことがないことから、電池モジュール100の外径は、ボタン電池1、2の外径と等しくなる。
【0039】
よって、電池モジュール100の径方向Rの小径化を実現することができることにより小型化を実現する構成を具備する電池モジュール100を提供することができる。
【0040】
(第2実施の形態)
図4は、本実施の形態を示す電池モジュールの構成を概略的に示す図である。
この第2実施の形態の電池モジュールの構成は、上述した図1、図2に示した第1実施の形態の電池モジュール100と比して、接続体3に形成された折り曲げ部3cが第1実施の形態よりも多く形成されている点が異なる。よって、この相違点のみを説明し、第1実施の形態と同様の構成には同じ符号を付し、その説明は省略する。
【0041】
図4に示すように、本実施の形態の電池モジュール100’における接続体3’は、第1の接続部3bと第2の接続部3aとの間において、直列接続方向Sに沿って、複数個、例えば図4では、5個の折り曲げ部3cを有していることにより、ボタン電池1とボタン電池2とを間において、複数回山折り及び谷折りされて形成されている。尚、折り曲げ部3cの個数は、5個に限定されない。
【0042】
また、接続体3’の折り曲げ部3cの個数を調整することにより、接続体3を構成する板状部材の厚みv分だけ、直列接続方向Sにおけるボタン電池1とボタン電池2との間の距離Lが設定自在となっている。
【0043】
即ち、折り曲げ部3cの個数を多くするほど、1個につき、厚みvだけ距離Lは大きくなり、折り曲げ部3cの個数を少なくするほど、1個につき、厚みvだけ距離Lは小さくなる。
【0044】
また、接続体3’も、図4に示すように、上述した第1実施の形態と同様に、ボタン電池1の金属電極1bとボタン電池2の金属電極2aとの間に配置されているとともに、電池モジュール100’を、直列接続方向Sにおいて、例えばボタン電池2の金属電極2b側から平面視した際、各電池1、2に対して重なる領域内に配置されている。
【0045】
尚、その他の電池モジュール100’の構成は、上述した第1実施の形態の電池モジュール100の構成と同じであるため、その説明は省略する。
【0046】
次に、上述した電池モジュール100’の製造方法について、図5を用いて説明する。図5は、図4の電池モジュールの製造方法を示す工程図であり、(a)は、板状部材を金型にセットした状態を概略的に示す図、(b)は、金型によって変形された(a)の板状部材の第1の接続部を、一方のボタン電池の金属電極に電気的に接続するとともに、第2の接続部を他方のボタン電池の金属電極に電気的に接続した状態を概略的に示す図、(c)は、(b)の他方のボタン電池を一方のボタン電池に対向するまで移動させた状態を概略的に示す図である。
【0047】
電池モジュール100’を製造する場合は、先ず、図5(a)に示すように、例えばアルミニウムから形成された板状部材6を、金型5’にセットし、その後、金型5’を用いて、複数個、例えば5個の折り曲げ部3cを有する形状に山折り及び谷折りする。その結果、板状部材6により接続体3’が形成される。
【0048】
次いで、図5(b)に示すように、ボタン電池1とボタン電池2とを同一平面上に並べた状態において、ボタン電池2の金属電極2aに、例えば超音波接合法により接続体3’の第2の接続部3aを接合するとともに、ボタン電池1の金属電極1bに、例えば超音波接合法により接続体3’の第1の接続部3bを接合する。
【0049】
尚、ボタン電池1とボタン電池2とを同一平面上に並べたのは、金属電極2aへの第2の接続部3aの接合と、金属電極1bへの第1の接続部3bの接合とを一括的に行うことにより、接合作業が容易になることから作業性を向上させことができるためである。
【0050】
また、図5(b)における接合は、上述した第1実施の形態と同様に、スポット溶接法や導電性接着剤、導電性接着テープを用いた手法等を利用しても構わない。
【0051】
図5(b)における接合の結果、金属電極2aに第2の接続部3aが電気的に接続され、金属電極1bに第1の接続部3bが電気的に接続される。即ち、ボタン電池1がボタン電池2に接続体3によって一体化された状態となる。
【0052】
次いで、図5(c)に示すように、ボタン電池1を固定したまま、ボタン電池2をボタン電池1に直列接続方向Sにおいて対向する位置まで180°回転移動させる。具体的には、金属電極1bに金属電極2aが対向する位置まで回転移動させる。
【0053】
その後、ボタン電池1に対してボタン電池2を押し付け、接続体3’を直列接続方向Sに圧縮変形する。最後に、領域Qに補強剤4が充填することにより、図4に示す電池モジュール100’は製造される。
【0054】
このように、本実施の形態においては、接続体3’の折り曲げ部3cの数を、第1実施の形態の接続体3よりも多くすると示した。
【0055】
このことによれば、折り曲げ部3cの数だけ、即ち、折り曲げ回数毎に接続体3’の板の厚みvだけボタン電池1に対するボタン電池2の直列接続方向Sの距離Lを長くすることが可能となるため、直列接続方向Sにおけるボタン電池1とボタン電池2との間の距離Lが設定自在となる。
【0056】
これにより、電池モジュール100’が搭載される電子機器の電源部の収納スペースに合った長さに、電池モジュール100’の大きさを調整することができる。尚、その他の効果は、上述した第1実施の形態と同じである。
【0057】
尚、上述した第1の実施の形態に示した電池モジュール100及び第2実施の形態に示した電池モジュール100’は、電子機器、例えばカプセル内視鏡に設けられる。以下、図6を用いて図1または図4の電池モジュールが設けられたカプセル内視鏡の構成を簡単に説明する。図6は、図1または図4の電池モジュールが設けられるカプセル内視鏡の構成の概略を示す断面図である。
【0058】
図6に示すようにカプセル内視鏡50は、外観形状がカプセル型の錠剤形状をなし、その縦断面が略小判形を有するカプセル形状の樹脂等からなる筐体50kを有し、その前部は透明部材によって形成されている。
【0059】
そして、筐体50kの内部には、体腔内を観察するレンズ51と、体腔内を照明する、例えばLEDからなる光源52と、レンズ51を介して受光面に入射した光に所定の光電変換処理を行って画像信号を出力する、例えばCCDまたはCMOSセンサからなる固体撮像素子53と、撮像素子53の駆動制御を行うドライバ回路、撮像した画像信号を体腔外に伝送出力する通信回路、カプセル内視鏡50全体の駆動制御を行う制御回路等の周辺回路を有する、例えばリジット基板からなる周辺回路基板54と、上述した電池モジュール100(100’)が設けられている。
【0060】
尚、ボタン電池1の金属電極1a及びボタン電池2の金属電極2bに、カプセル内視鏡50内に設けられた図示しないフレキシブル基板等が電気的に接続されることにより、光源52や撮像素子53、周辺回路基板54に対し、フレキシブル基板を介して、電池モジュール100(100’)から電力が供給される構成となっている。
【0061】
電池モジュール100(100’)は、径方向Rが、カプセル内視鏡50の短軸方向に一致するようカプセル内視鏡50内に設けられている。
【0062】
ここで、上述したように、接続体3(3’)は、各ボタン電池1、2の外周からはみ出ることがないようボタン電池1、2間に配置されていることにより、電池モジュール100(100’)は径方向Rに小径化されている。よって、各ボタン電池1、2の径方向Rの径に、カプセル内視鏡50の短軸方向の内径を一致させることができるため、カプセル内視鏡50の小型化を実現することができる。
【0063】
また、接続体3(3’)は、各ボタン電池1、2の外周からはみ出ていないことから、容易にカプセル内視鏡50内への電池モジュール100(100’)を組み込むことができる。これは、はみ出した接続体3(3’)の一部がカプセル内視鏡50内の他の部品に接触することがなくなるためである。よって、作業性を向上させることができる他、はみ出した接続体3の絶縁性を考慮する必要がなくなる。
【0064】
また、一般的にカプセル内視鏡等の電子機器に電池モジュールを組み込む場合、強力なバネ等により複数の電池を押さえつけることにより電池間を電気的に接続する構成を用いるが、上述した第1及び第2実施形態の電池モジュール100、100’の構成によれば、電池を押さえつける力が小さくても電池間の電気的な接続を確実に得ることができる他、カプセル内視鏡等の電子機器内に電池を複数個組み込む際に電池を一個ずつ組み込む必要がないため、容易に組み込むことが可能となり、作業性が向上する。
【0065】
以上から小径化を実現することができることにより小型化を実現する構成を具備する電池モジュール100(100’)、該電池モジュール100(100’)を具備するカプセル内視鏡50を提供することができる。
【0066】
尚、以下、変形例を示す。上述した第1及び第2実施の形態では、接続体3は、板状部材から構成されている場合を例に挙げて示しているが、線状の接続体から構成されていても構わないことは勿論である。
【0067】
また、板状部材の材質として、アルミニウム(Al)を用いる場合を例に挙げて示したが、板状部材の材質として、銅(Cu)や、金(Au)等の電気伝導率の高い金属もしくは電気伝導率の高い金属を用いたクラッド材であってもよいことは云うまでもない。
【0068】
さらに、一方の電池1及び他方の電池2としてボタン電池を用いた場合を例に挙げて示したが、これに限らず、乾電池、リチウムイオン電池、二カド電池、ニッケル水素電池等であっても構わないということは勿論である。
【0069】
また、電池モジュール100、100’は、カプセル内視鏡50内に設けられる場合を例に挙げて示したが、これに限らず、他の電子機器に設けられる場合に適用しても構わないということは勿論である。
【0070】
また、上記実施形態には、種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせによって、種々の発明が抽出され得る。例えば、上記一実施形態に示される全構成要件から幾つかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出され得る。
【符号の説明】
【0071】
1…一方の電池
1b…金属電極
2…他方の電池
2a…金属電極
3…接続体
3’…接続体
3a…第2の接続部
3b…第1の接続部
4…補強剤
50…カプセル内視鏡
100…電池モジュール
100’…電池モジュール
L…距離
Q…領域
S…直列接続方向
v…厚み

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ同径に形成された複数の電池と、該複数の電池間にあって一方の電池の一方極性の金属電極と他方の電池の他方極性の金属電極とを電気的に直列接続する接続体とを具備する電池モジュールであって、
前記接続体は、
前記一方の電池の前記金属電極に電気的に接続される第1の接続部と、前記他方の電池の前記金属電極に電気的に接続される第2の接続部とを備えるとともに、前記接続体による接続後の各前記電池を各前記電池の直列接続方向のいずれか側から平面視した際、各前記電池に対して重なる領域内に配置されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項2】
前記接続体は、板状部材から構成されていることを特徴とする請求項1に記載の電池モジュール。
【請求項3】
前記接続体は、前記第1の接続部と前記第2の接続部との間において折り曲げられた折り曲げ部を有していることを特徴とする請求項2に記載の電池モジュール。
【請求項4】
前記折り曲げ部の個数に応じて、前記直列接続方向における前記一方の電池と前記他方の電池との間の距離が設定自在となっており、
前記折り曲げ部の個数が1個増えるまたは1個減る毎に、前記距離は、前記板状部材の厚み分だけ変化することを特徴とする請求項3に記載の電池モジュール。
【請求項5】
前記一方の電池と前記他方の電池とは、前記接続体によって一体的に形成されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の電池モジュール。
【請求項6】
前記一方の電池と前記他方の電池との間における前記領域内に、前記一方の電池の前記金属電極に対する前記接続体の前記第1の接続部の接続と、前記他方の電池の前記金属電極に対する前記接続体の前記第2の接続部の接続とを補強する補強剤が充填されていることを特徴とする請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の前記電池モジュールを具備することを特徴とする電池モジュールを具備するカプセル内視鏡。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−104441(P2012−104441A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−253957(P2010−253957)
【出願日】平成22年11月12日(2010.11.12)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】