説明

電波到来方向推定装置及び方法

【課題】 高い相関を有する複数到来波の到来方向を精度良くかつ高速に推定することができる電波到来方向推定装置及び方法を提供する。
【解決手段】 この電波到来方向推定装置は、複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、その各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算器22と、演算された相関行列に、適当な修正値を特定の行列要素にのみ持つ修正行列を加算する修正行列加算器24と、修正行列が加算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算器26と、演算された逆行列に基づいてウエイトベクトルを演算するウエイトベクトル演算器28と、演算されたウエイトベクトルを用いて角度スペクトラムを演算する角度スペクトラム演算器30と、演算された角度スペクトラムのピーク波形から到来波の到来方向を推定する到来方向推定器32と、を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電波の到来方向を推定する装置及び方法に関し、特に、複数のアンテナ素子で構成されたアレーアンテナで様々な方向から到来する単一又は複数の電波を受信し、電波の到来方向を高速かつ精度良く推定する、レーダ、無線基地局等における電波到来方向推定装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のアンテナ素子で構成されるアレーアンテナを用いて、電波の到来方向を推定する多くの電波到来方向推定手法が提案されている。古典的な手法としては、ビームフォーマ法、Capon法、線形予測法などが知られており、さらには高分解能手法と呼ばれるMUSIC(Multiple Signal Classification)、ESPRIT(Estimation of Signal Parameters via Rotational Invariance Techniques)などが知られている。これらの手法は、下記の非特許文献1に詳しく記載されている。
【0003】
近年では、高分解能を有するMUSICやESPRITが広く利用され、研究も進められている。しかしながら、MUSICやESPRITでは、固有値分解をして到来方向を推定するので、計算量が非常に大きく、推定を高速化することは困難である。
【0004】
一方、Capon法や線形予測法では、固有値分解が必要ないために、高速化が可能であるが、両手法とも逆行列演算を行なわなければならないため、それが問題となっている。しかも、高い相関を有する複数到来波を受信した際の受信信号の相関行列は正則でない場合が多く、その場合に逆行列演算を行なうと、求めた逆行列が特異解となったり、演算が停止するため、方向推定に時間がかかったり、推定精度が低下したり、最悪の場合には推定結果の出力が不能な状態に陥る。
【0005】
【非特許文献1】菊間信良著「アレーアンテナによる適応信号処理」科学技術出版、1998年11月25日、pp.173−268
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、高い相関を有する複数到来波の到来方向を精度良くかつ高速に推定することができる電波到来方向推定装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明によれば、複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、前記相関行列演算手段によって演算された相関行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算する修正行列加算手段と、前記修正行列加算手段によって修正行列が加算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、を具備することを特徴とする電波到来方向推定装置が提供される。
【0008】
また、本発明によれば、複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、前記相関行列演算手段によって演算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、前記逆行列演算手段による逆行列演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に修正値を当該特定の行列要素に加算する修正値加算手段と、前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、を具備することを特徴とする電波到来方向推定装置が提供される。
【0009】
また、本発明によれば、複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、前記相関行列演算手段によって演算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、前記逆行列演算手段による逆行列演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に、逆行列演算中の行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算する修正行列加算手段と、前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、を具備することを特徴とする電波到来方向推定装置が提供される。
【0010】
前述した電波到来方向推定装置の一つの好適な態様では、前記修正値をあらかじめ格納する修正値記憶手段を更に具備する。
【0011】
前述した電波到来方向推定装置の一つの好適な態様では、前記受信機による各受信信号に対し信号対雑音比を演算する信号対雑音比演算手段と、前記信号対雑音比演算手段によって演算された信号対雑音比に基づいて前記修正値を演算する修正値演算手段と、を更に具備する。
【0012】
前述した電波到来方向推定装置の一つの好適な態様では、前記特定の行列要素が、対角行列要素、全行列要素、上副対角行列要素、下副対角行列要素、上三角行列要素、下三角行列要素又は三重対角行列要素である。
【0013】
前述した電波到来方向推定装置の一つの好適な態様では、前記特定の行列要素が、対角行列要素、全行列要素、上副対角行列要素、下副対角行列要素、上三角行列要素、下三角行列要素又は三重対角行列要素のうちの少なくとも二つ以上の組み合わせからなる行列要素である。
【0014】
前述した電波到来方向推定装置の一つの好適な態様では、前記逆行列からウエイトベクトルを演算する手段と、前記ウエイトベクトルから角度スペクトラム演算する手段と、をさらに有し、前記ウエイトベクトル演算手段は、Capon法によりウエイトベクトルを演算し、前記角度スペクトラム演算手段は、Capon法により角度スペクトラムを演算する。
【0015】
前述した電波到来方向推定装置の一つの好適な態様では、前記逆行列からウエイトベクトルを演算する手段と、前記ウエイトベクトルから角度スペクトラム演算する手段と、をさらに有し、前記ウエイトベクトル演算手段は、線形予測法によりウエイトベクトルを演算し、前記角度スペクトラム演算手段は、線形予測法により角度スペクトラムを演算する。
【0016】
また、本発明によれば、アレーアンテナの各アンテナ素子及び受信機による各受信信号から相関行列を演算するステップと、演算された相関行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算するステップと、該修正行列が加算された相関行列の逆行列を演算するステップと、演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定するステップと、を具備することを特徴とする電波到来方向推定方法が提供される。
【0017】
また、本発明によれば、アレーアンテナの各アンテナ素子及び受信機による各受信信号から相関行列を演算するステップと、演算された相関行列の逆行列を演算するステップと、前記逆行列の演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に修正値を当該特定の行列要素に加算するステップと、演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定するステップと、を具備することを特徴とする電波到来方向推定方法が提供される。
【0018】
また、本発明によれば、アレーアンテナの各アンテナ素子及び受信機による各受信信号から相関行列を演算するステップと、演算された相関行列の逆行列を演算するステップと、前記逆行列の演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に、逆行列演算中の行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算するステップと、正値を当該特定の行列要素に加算するステップと、演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定するステップと、を具備することを特徴とする電波到来方向推定方法が提供される。
【0019】
前述した電波到来方向推定方法の一つの好適な態様では、前記修正値をあらかじめ格納するステップを更に具備する。
【0020】
前述した電波到来方向推定方法の一つの好適な態様では、前記各受信信号に対し信号対雑音比を演算するステップと、演算された信号対雑音比に基づいて前記修正値を演算するステップと、を更に具備する。
【0021】
前述した電波到来方向推定方法の一つの好適な態様では、前記特定の行列要素が、対角行列要素、全行列要素、上副対角行列要素、下副対角行列要素、上三角行列要素、下三角行列要素又は三重対角行列要素である。
【0022】
前述した電波到来方向推定方法の一つの好適な態様では、前記特定の行列要素が、対角行列要素、全行列要素、上副対角行列要素、下副対角行列要素、上三角行列要素、下三角行列要素又は三重対角行列要素のうちの少なくとも二つ以上の組み合わせからなる行列要素である。
【0023】
前述した電波到来方向推定方法の一つの好適な態様では、前記逆行列に基づいてウエイトベクトルを演算するステップと、前記ウエイトベクトルを用いて角度スペクトラムを演算するステップと、をさらに有し、前記ウエイトベクトルを演算するステップは、Capon法によりウエイトベクトルを演算し、前記角度スペクトラムを演算するステップは、Capon法により角度スペクトラムを演算する。
【0024】
前述した電波到来方向推定方法の一つの好適な態様では、前記逆行列に基づいてウエイトベクトルを演算するステップと、前記ウエイトベクトルを用いて角度スペクトラムを演算するステップと、をさらに有し、前記ウエイトベクトルを演算するステップは、線形予測法によりウエイトベクトルを演算し、前記角度スペクトラムを演算するステップは、線形予測法により角度スペクトラムを演算する。
【0025】
また、本発明によれば、複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、前記相関行列演算手段によって演算された相関行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算する修正行列加算手段と、前記修正行列加算手段によって修正行列が加算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、を具備する電波到来方向推定装置を備えたレーダ装置が提供される。
【0026】
また、本発明によれば、複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、前記相関行列演算手段によって演算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、前記逆行列演算手段による逆行列演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に修正値を当該特定の行列要素に加算する修正値加算手段と、前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、を具備する電波到来方向推定装置を備えたレーダ装置が提供される。
【発明の効果】
【0027】
本発明による新規な電波到来方向推定装置及び方法は、前述の問題を全て解消する。すなわち、本発明による電波到来方向推定装置及び方法にあっては、逆行列の演算にあたり、受信信号の相関行列に修正行列又は修正値を加算して正則化しておくことにより、特異解が得られたり、演算が停止したりすることがなく、推定時間の短縮及び推定精度の向上が図られ、結果が出力されないという事態が確実に回避される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
最初に、本発明の原理を明確化するために、従来の電波到来方向推定方法と本発明による電波到来方向推定方法との違いを説明する。
【0029】
逆行列演算による従来の電波到来方向推定方法では、M素子アレーアンテナの受信信号から得られる相関行列の固有値と固有ベクトルとを、それぞれ、λk,ek(k=1,2,…,M)として、固有値展開すると、相関行列Rxxは下記の式(1)となる。ただし、ekHはekの複素共役転置行列を示す。
【0030】
【数1】

【0031】
さらに、相関行列の逆行列演算を行なうと下記の式(2)が得られるが、雑音を含む信号成分が非常に小さい値であると、分母が0に近くなり、相関行列の逆行列の要素が無限大の数値となってしまい、後のウエイトベクトルの演算や角度スペクトラムの演算に大きな影響を与えてしまう。この現象は、元の相関行列が正則でない場合に発生する。
【0032】
【数2】

【0033】
そこで、本発明による第一の方法は、逆行列演算の前に相関行列に修正行列C=c0Iを加算することにより、上記の現象を抑えようとするものである。詳細について説明すると、まず、加算される修正行列Cにおけるc0は修正値を表すスカラであり、その値は信号成分に影響を与えない程度の大きさである。さらに、IはM×Mの単位行列である。つまり、次の式(3)に示されるように、修正行列は、修正値を対角成分(対角行列要素)に持つ対角行列である。
【0034】
【数3】

【0035】
相関行列に修正行列を加算し、固有値展開すると、式(4)のようになる。
【0036】
【数4】

【0037】
そして、逆行列を演算すると、式(5)となり、雑音を含む信号成分が非常に小さい値であっても、分母に加算した修正行列が存在するため、分母が0になることはない。
【0038】
【数5】

【0039】
したがって、逆行列演算の前に相関行列に対角要素成分を持った修正行列をあらかじめ加算することにより、逆行列演算処理が停止することなく逆行列を算出可能である。さらには、信号の自己相関成分を底上げし、相互相関成分を下げるため、雑音成分の影響を抑えることができる。すなわち、電波到来方向推定の精度向上及び高速化が可能となる。
【0040】
また、逆行列演算手法の一手法であるガウスジョーダン消去法を用いた従来手法について説明する。まず、ガウスジョーダン法の手順について、図9を用いて説明する。ガウスジョーダン法では、図9(A)左側の行列に対して演算を実施していく際、図9(A)右側に示される単位行列に対しても同一の演算を実施していく。最初、図9(A)の状態において、1行目の1列目の要素で1行目の各要素を割って、図9(B)の状態にする。なお、この例では、1行目の1列目の要素は1であるため、変化はない。
【0041】
次いで、図9(B)の状態において、1行目に2をかけたものを2行目から引くとともに、1行目に3をかけたものを3行目から引くことにより、図9(C)の状態にする。次いで、図9(C)の状態において、2行目の2列目の要素で2行目の各要素を割って、図9(D)の状態にする。
【0042】
次いで、図9(D)の状態において、2行目に2をかけたものを1行目から引くとともに、2行目に−2をかけたものを3行目から引くことにより、図9(E)の状態にする。次いで、図9(E)の状態において、3行目の3列目の要素で3行目の各要素を割って、図9(F)の状態にする。
【0043】
次いで、図9(F)の状態において、3行目に−1をかけたものを1行目から引くとともに、3行目に2をかけたものを2行目から引くことにより、図9(G)の状態にする。図9(G)に示されるように左側の行列が単位行列になったとき、右側の行列が図9(A)左側の行列の逆行列となっている。すなわち、図9(H)に示される式が成立する。
【0044】
次に、式(6)に示すような行列Aを式(7)のように変形させていき、逆行列を算出することを考える。
【0045】
【数6】

【0046】
【数7】

【0047】
ここで、行列Aは正則ではないため、逆行列演算の途中において、式(8)のように対角行列要素が0となり、処理が停止してしまうという問題がある。
【0048】
【数8】

【0049】
そこで、本発明による第二の方法としては、下記アルゴリズムに示すように、従来の逆行列演算方法の式(5)において、逆行列演算の途中で対角行列要素が非常に小さい値であった場合にだけ、修正値cvを加算する加算手段を設け、随時分母が0になることを防止する。
【0050】
for i=1 to M
if Aii<th
ii=Aii+cv
end
end
【0051】
したがって、第二の方法においても、第一の方法による効果と同様の効果が得られる。本発明の第二の方法による具体的な逆行列演算の全体の手順が図10のフローチャートに示される。同図において、Aは相関行列であり、BはAと同一の行数及び列数の任意の行列である。まず、ステップS1では、パラメータjを1に設定する。次いで、ステップS2では、Bの対角要素を1に設定しBの非対角要素を0に設定することにより、Bを単位行列にする。
【0052】
次いで、ステップS3では、
jk=ajk/ajj
jk=bjk/ajj
(k=1,2,…,n)
なる演算を行う。
【0053】
次いで、ステップS4では、
mk=amk−αmjk
mk=bmk−αmjk
(m=1,2,…,n、ただしm≠j)
(k=1,2,…,n)
(αm=amj
なる演算を行う。
【0054】
次いで、ステップS5では、対角要素akk(k=1,2,…,n)が0か否かを判定し、akk=0の場合にはステップS6に進み、一方、akk≠0の場合にはステップS7に進む。ステップS6では、対角要素akkに修正値βを加算し、ステップS7に進む。なお、ステップS6では、第一の方法で説明した修正行列を加算するようにしてもよい。
【0055】
ステップS7では、j=nが成立するか否かを判定し、j≠nの場合にはステップS8でjをインクリメントしてステップS3にループバックする一方、j=nの場合には逆行列演算を終了する。
【0056】
以下、添付図面を参照して、上述の第一又は第二の方法を実施する装置の形態について説明する。なお、以下の実施形態は、主としてレーダ装置に適用されるものである。図1は、本発明による電波到来方向推定装置の第一の実施形態を示すブロック図である。この装置は、等間隔を置いて線状にM個のアンテナ素子10−1、10−2、…、10−Mが配置された構成の等間隔リニアアレーアンテナと、その各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機12−1、12−2、…、12−Mと、その受信機による受信信号を処理する信号処理器20と、を備える。
【0057】
そして、信号処理器20は、相関行列演算器22、修正行列加算器24、逆行列演算器26、ウエイトベクトル演算器28、角度スペクトラム演算器30及び到来方向推定器32を備える。ここで、相関行列演算器22は、受信信号から相関行列を演算する。修正行列加算器24は、適当な修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を相関行列に加算する。逆行列演算器26は、修正行列が加算された相関行列の逆行列を演算する。ウエイトベクトル演算器28は、Capon法によりウエイトベクトルを演算する。角度スペクトラム演算器30は、演算されたウエイトベクトルを用いてCapon法により角度スペクトラムを演算する。そして、到来方向推定器32は、演算された角度スペクトラムのピーク波形から到来波の到来方向を推定する。
【0058】
次に、本形態に係る電波到来方向推定装置の処理の流れについて説明する。まず、等間隔リニアアレーアンテナのアンテナ素子10−1、10−2、…、10−Mを介して受信機12−1、12−2、…、12−Mによって受信された入力信号x1(t),x2(t),…,xM(t)に基づいて、相関行列演算器22は、式(11)に示すように相関行列Rxxを演算する。ここで、Lはスナップショット数(入力サンプルによる時間平均から相関行列を求める際のサンプル数)である。
【0059】
【数9】

【0060】
X(t)=[x1(t),x2(t),…,xM(t)]T …(12)
【0061】
次いで、修正行列加算器24は、次の式(13)及び(14)に示されるように、修正値c1を表すスカラとM×Mの単位行列とを掛け合わせて修正行列C1を求め、それを相関行列Rxxに加算してRxx′を得る。
【0062】
【数10】

【0063】
xx′=Rxx+C1 …(14)
【0064】
次いで、逆行列演算器26は、得られたRxx′の逆行列Rxx-1を演算し、ウエイトベクトル演算器28は、Capon法により、モードベクトルa(θ)を用いて、式(15)に示されるウエイトベクトルを算出する。
【0065】
【数11】

【0066】
さらに、角度スペクトラム演算器30は、式(16)で示される角度スペクトラムPCP(θ)を演算する。
【0067】
【数12】

【0068】
最後に、到来方向推定器32は、演算された角度スペクトラムのピーク波形に基づいて到来波の到来方向を推定する。
【0069】
なお、ウエイトベクトル演算器28及び角度スペクトラム演算器30は、線形予測法やその他の、相関行列の逆行列を用いて方向推定する到来方向推定手法を採用するものであってもよい。
【0070】
線形予測法により推定する場合には、ウエイトベクトル演算器28は、線形予測法により、M次元の定数ベクトルTと、式(14)に示されるRxx′の逆行列Rxx-1とを用いて、式(17)に示されるウエイトベクトルを演算する。
【0071】
【数13】

【0072】
T=[1,0,…,0]T …(18)
【0073】
さらに、角度スペクトラム演算器30は、モードベクトルa(θ)を用いて、式(19)に示される角度スペクトラムを算出し、到来方向推定器32は、演算された角度スペクトラムのピーク波形に基づいて到来波の到来方向を推定する。
【0074】
【数14】

【0075】
なお、アレーアンテナは、等間隔に線状に配置されたアンテナ素子で構成される等間隔直線アレーアンテナである必要はなく、不等間隔に線状に配置されたアンテナ素子で構成される不等間隔直線アレーアンテナ、2次元平面上に配置されたアンテナ素子で構成される平面アレーアンテナ、円状に配置されたアンテナ素子で構成される円形アレーアンテナ、等であってもよい。さらに、アレーアンテナは、可変移相器を有するアンテナ素子で構成されるフェーズドアレーアンテナや、振幅調整器及び可変移相器を有するアンテナ素子で構成されるアダプティブアレーアンテナとすることも可能である。
【0076】
さらに、相関行列に加算される修正行列として、以下の式(20)〜(25)に示される修正行列C2〜C7(修正値を全行列要素、上副対角行列要素、下副対角行列要素、上三角行列要素、下三角行列要素又は三重対角行列要素に持つもの)を採用してもよい。さらに式(26)に示される修正行列C8のように、式(13)及び式(20)〜(25)に示される修正行列C1〜C7から複数個を選択し、それらを組合せて加算して得られる修正行列を採用してもよい。ただし、修正値については別途設定する必要がある。
【0077】
又、加算する修正値(修正行列)は、監視対象の行列要素の大きさで変えてもよく、例えば、大きな値の場合は小さな値へ、又は小さな値の場合は大きな値へ変えてもよい。又、あらかじめテーブルとして持っていてもよい。必要最小限の修正値を加算することができるため、推定結果に与える影響を最小限にすることができる。又、修正値を「加算」するのではなく、「乗算」してもよい。
【0078】
【数15】

【0079】
【数16】

【0080】
【数17】

【0081】
【数18】

【0082】
【数19】

【0083】
【数20】

【0084】
【数21】

【0085】
図2は、本発明による電波到来方向推定装置の第二の実施形態を示すブロック図である。この第二の実施形態の、前述した第一の実施形態との相違点は、第一の実施形態における構成要素に加えて更に修正値記憶装置34が設けられている点にある。この修正値記憶装置34は、修正行列の行列要素となる修正値をあらかじめ格納するものである。
【0086】
又、前記テーブルや修正行列C2〜C7等を予め格納してもよい。これにより、その都度、修正値を計算しなくてもよく、処理速度が向上する。
【0087】
図3は、本発明による電波到来方向推定装置の第三の実施形態を示すブロック図である。この第三の実施形態の、前述した第一の実施形態との相違点は、第一の実施形態における構成要素に加えて更に高速フーリエ変換器36、信号対雑音比演算器38及び修正値演算器40が設けられている点にある。ここで、高速フーリエ変換器36は、各受信信号に高速フーリエ変換を行なう。そして、信号対雑音比演算器38は、高速フーリエ変換により得られた信号電力及び雑音電力に基づいて信号対雑音比を演算する。さらに、修正値演算器40は、演算された信号対雑音比に基づいて修正値を演算する。これにより、最も適合した修正値が得られる。
【0088】
尚、信号対雑音比を推定できるものであれば何でもよく、例えば、受信電力、ターゲットの距離(前回測った値)、車であれば、車速情報やカーブ・勾配情報から信号対雑音比を推定してもよい。
【0089】
図4は、本発明による電波到来方向推定装置の第四の実施形態を示すブロック図である。この第四の実施形態の、前述した第一の実施形態との相違点は、第一の実施形態における構成要素に加えて更に検波器42、信号対雑音比演算器38及び修正値演算器40が設けられている点にある。ここで、検波器42は、各受信信号を検波する。そして、信号対雑音比演算器38は、検波により得られた信号電力及び雑音電力に基づいて信号対雑音比を演算する。さらに、修正値演算器40は、演算された信号対雑音比に基づいて修正値を演算する。これにより、最も適合した修正値が得られる。
【0090】
図5は、本発明による電波到来方向推定装置の第五の実施形態を示すブロック図である。この第五の実施形態の、前述した第一の実施形態との相違点は、第一の実施形態における修正行列加算器24に代えて修正値加算器44が設けられている点にある。この修正値加算器44は、相関行列の逆行列演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判別された場合にのみ適当な修正値をその特定の行列要素に加算するものである。
【0091】
第五の実施形態における処理の流れは、基本的には第一の実施形態における処理の流れと同じである。しかし、逆行列演算器26及び修正値加算器44において相違するので、流れを説明する。逆行列演算器26は、相関行列の逆行列演算のために式(51)のように処理を進めていく。
【0092】
xx′・E=E・Rxx-1 …(51)
【0093】
その際に変換途中の相関行列のある特定の例えば対角要素が十分小さいしきい値よりも小さい数値であった場合に、修正値加算器44は、その対角要素に修正値を加算する。あるいは、修正行列を加算するようにしてもよい。処理手順は、図10にて説明したとおりである。第五の実施形態においても、第一の実施形態による効果と同様の効果が得られる。
【0094】
図6は、本発明による電波到来方向推定装置の第六の実施形態を示すブロック図である。この第六の実施形態の、前述した第五の実施形態との相違点は、第五の実施形態における構成要素に加えて更に修正値記憶装置34が設けられている点にある。この修正値記憶装置34は、修正値加算器44において加算されるべき修正値をあらかじめ格納するものである。これにより汎用性が増す。
【0095】
図7は、本発明による電波到来方向推定装置の第七の実施形態を示すブロック図である。この第七の実施形態の、前述した第五の実施形態との相違点は、第五の実施形態における構成要素に加えて更に高速フーリエ変換器36、信号対雑音比演算器38及び修正値演算器40が設けられている点にある。ここで、高速フーリエ変換器36は、各受信信号に高速フーリエ変換を行なう。そして、信号対雑音比演算器38は、高速フーリエ変換により得られた信号電力及び雑音電力に基づいて信号対雑音比を演算する。さらに、修正値演算器40は、演算された信号対雑音比に基づいて修正値を演算する。これにより、最も適合した修正値が得られる。
【0096】
図8は、本発明による電波到来方向推定装置の第八の実施形態を示すブロック図である。この第八の実施形態の、前述した第五の実施形態との相違点は、第五の実施形態における構成要素に加えて更に検波器42、信号対雑音比演算器38及び修正値演算器40が設けられている点にある。ここで、検波器42は、各受信信号を検波する。そして、信号対雑音比演算器38は、検波により得られた信号電力及び雑音電力に基づいて信号対雑音比を演算する。さらに、修正値演算器40は、演算された信号対雑音比に基づいて修正値を演算する。これにより、最も適合した修正値が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明による電波到来方向推定装置の第一の実施形態を示すブロック図である。
【図2】本発明による電波到来方向推定装置の第二の実施形態を示すブロック図である。
【図3】本発明による電波到来方向推定装置の第三の実施形態を示すブロック図である。
【図4】本発明による電波到来方向推定装置の第四の実施形態を示すブロック図である。
【図5】本発明による電波到来方向推定装置の第五の実施形態を示すブロック図である。
【図6】本発明による電波到来方向推定装置の第六の実施形態を示すブロック図である。
【図7】本発明による電波到来方向推定装置の第七の実施形態を示すブロック図である。
【図8】本発明による電波到来方向推定装置の第八の実施形態を示すブロック図である。
【図9】ガウスジョーダン法による逆行列演算の手順を説明するための図である。
【図10】本発明の第二の方法による具体的な逆行列演算の手順を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0098】
10−1、10−2、…、10−M アンテナ素子
12−1、12−2、…、12−M 受信機
20 信号処理器
22 相関行列演算器
24 修正行列加算器
26 逆行列演算器
28 ウエイトベクトル演算器
30 角度スペクトラム演算器
32 到来方向推定器
34 修正値記憶装置
36 高速フーリエ変換器
38 信号対雑音比演算器
40 修正値演算器
42 検波器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、
前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、
前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、
前記相関行列演算手段によって演算された相関行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算する修正行列加算手段と、
前記修正行列加算手段によって修正行列が加算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、
前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、
を具備することを特徴とする電波到来方向推定装置。
【請求項2】
複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、
前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、
前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、
前記相関行列演算手段によって演算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、
前記逆行列演算手段による逆行列演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に修正値を当該特定の行列要素に加算する修正値加算手段と、
前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、
を具備することを特徴とする電波到来方向推定装置。
【請求項3】
複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、
前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、
前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、
前記相関行列演算手段によって演算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、
前記逆行列演算手段による逆行列演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に、逆行列演算中の行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算する修正行列加算手段と、
前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、
を具備することを特徴とする電波到来方向推定装置。
【請求項4】
前記修正値をあらかじめ格納する修正値記憶手段を更に具備することを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定装置。
【請求項5】
前記受信機による各受信信号に対し信号対雑音比を演算する信号対雑音比演算手段と、
前記信号対雑音比演算手段によって演算された信号対雑音比に基づいて前記修正値を演算する修正値演算手段と、
を更に具備することを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定装置。
【請求項6】
前記特定の行列要素が、対角行列要素、全行列要素、上副対角行列要素、下副対角行列要素、上三角行列要素、下三角行列要素又は三重対角行列要素であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定装置。
【請求項7】
前記特定の行列要素が、対角行列要素、全行列要素、上副対角行列要素、下副対角行列要素、上三角行列要素、下三角行列要素又は三重対角行列要素のうちの少なくとも二つ以上の組み合わせからなる行列要素であることを特徴とする、請求項1から請求項5までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定装置。
【請求項8】
前記逆行列からウエイトベクトルを演算する手段と、前記ウエイトベクトルから角度スペクトラム演算する手段と、をさらに有し、前記ウエイトベクトル演算手段は、Capon法によりウエイトベクトルを演算し、前記角度スペクトラム演算手段は、Capon法により角度スペクトラムを演算することを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定装置。
【請求項9】
前記逆行列からウエイトベクトルを演算する手段と、前記ウエイトベクトルから角度スペクトラム演算する手段と、をさらに有し、前記ウエイトベクトル演算手段は、線形予測法によりウエイトベクトルを演算し、前記角度スペクトラム演算手段は、線形予測法により角度スペクトラムを演算することを特徴とする、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定装置。
【請求項10】
アレーアンテナの各アンテナ素子及び受信機による各受信信号から相関行列を演算するステップと、
演算された相関行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算するステップと、
該修正行列が加算された相関行列の逆行列を演算するステップと、
演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定するステップと、
を具備することを特徴とする電波到来方向推定方法。
【請求項11】
アレーアンテナの各アンテナ素子及び受信機による各受信信号から相関行列を演算するステップと、
演算された相関行列の逆行列を演算するステップと、
前記逆行列の演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に修正値を当該特定の行列要素に加算するステップと、
演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定するステップと、
を具備することを特徴とする電波到来方向推定方法。
【請求項12】
アレーアンテナの各アンテナ素子及び受信機による各受信信号から相関行列を演算するステップと、
演算された相関行列の逆行列を演算するステップと、
前記逆行列の演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に、逆行列演算中の行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算するステップと、
修正値を当該特定の行列要素に加算するステップと、
演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定するステップと、
を具備することを特徴とする電波到来方向推定方法。
【請求項13】
前記修正値をあらかじめ格納するステップを更に具備することを特徴とする、請求項10から請求項12までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定方法。
【請求項14】
前記各受信信号に対し信号対雑音比を演算するステップと、
演算された信号対雑音比に基づいて前記修正値を演算するステップと、
を更に具備することを特徴とする、請求項10から請求項12までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定方法。
【請求項15】
前記特定の行列要素が、対角行列要素、全行列要素、上副対角行列要素、下副対角行列要素、上三角行列要素、下三角行列要素又は三重対角行列要素であることを特徴とする、請求項10から請求項14までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定方法。
【請求項16】
前記特定の行列要素が、対角行列要素、全行列要素、上副対角行列要素、下副対角行列要素、上三角行列要素、下三角行列要素又は三重対角行列要素のうちの少なくとも二つ以上の組み合わせからなる行列要素であることを特徴とする、請求項10から請求項14までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定方法。
【請求項17】
前記逆行列に基づいてウエイトベクトルを演算するステップと、前記ウエイトベクトルを用いて角度スペクトラムを演算するステップと、をさらに有し、前記ウエイトベクトルを演算するステップは、Capon法によりウエイトベクトルを演算し、前記角度スペクトラムを演算するステップは、Capon法により角度スペクトラムを演算することを特徴とする、請求項10から請求項12までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定方法。
【請求項18】
前記逆行列に基づいてウエイトベクトルを演算するステップと、前記ウエイトベクトルを用いて角度スペクトラムを演算するステップと、をさらに有し、前記ウエイトベクトルを演算するステップは、線形予測法によりウエイトベクトルを演算し、前記角度スペクトラムを演算するステップは、線形予測法により角度スペクトラムを演算することを特徴とする、請求項10から請求項12までのいずれか一項に記載の電波到来方向推定方法。
【請求項19】
複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、
前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、
前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、
前記相関行列演算手段によって演算された相関行列に、修正値を特定の行列要素に持つ修正行列を加算する修正行列加算手段と、
前記修正行列加算手段によって修正行列が加算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、
前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、
を具備する電波到来方向推定装置を備えたレーダ装置。
【請求項20】
複数のアンテナ素子から構成されるアレーアンテナと、
前記アレーアンテナの各アンテナ素子を介して到来波を受信する受信機と、
前記受信機による各受信信号から相関行列を演算する相関行列演算手段と、
前記相関行列演算手段によって演算された相関行列の逆行列を演算する逆行列演算手段と、
前記逆行列演算手段による逆行列演算中に特定の行列要素が所定値よりも小さいと判定された場合に修正値を当該特定の行列要素に加算する修正値加算手段と、
前記逆行列演算手段によって演算された逆行列に基づいて到来波の到来方向を推定する到来方向推定手段と、
を具備する電波到来方向推定装置を備えたレーダ装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−258529(P2006−258529A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−74527(P2005−74527)
【出願日】平成17年3月16日(2005.3.16)
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】