電流切り替え回路
【課題】定電流回路の定電流源トランジスタを破損せずに、安定的にシャットダウンを行う。
【解決手段】電流切り替え回路は、エミッタフォロア回路(EF回路)と、定電流回路と、定電流回路をオン/オフするスイッチSW1とを備える。EF回路は、ベースが信号入力端子IN1に接続され、コレクタが電源VCC1に接続され、エミッタが信号出力端子OUT1に接続されたトランジスタQ1からなる。定電流回路は、ベースがスイッチSW1の出力に接続され、コレクタがトランジスタQ1のエミッタに接続されたトランジスタQ2と、第1の端子がトランジスタQ2のエミッタに接続され、第2の端子が電源VEE1に接続された抵抗RS1と、第1の端子がトランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が電源VEE1に接続されたリーク電流源JREAK1とからなる。
【解決手段】電流切り替え回路は、エミッタフォロア回路(EF回路)と、定電流回路と、定電流回路をオン/オフするスイッチSW1とを備える。EF回路は、ベースが信号入力端子IN1に接続され、コレクタが電源VCC1に接続され、エミッタが信号出力端子OUT1に接続されたトランジスタQ1からなる。定電流回路は、ベースがスイッチSW1の出力に接続され、コレクタがトランジスタQ1のエミッタに接続されたトランジスタQ2と、第1の端子がトランジスタQ2のエミッタに接続され、第2の端子が電源VEE1に接続された抵抗RS1と、第1の端子がトランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が電源VEE1に接続されたリーク電流源JREAK1とからなる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路の電流切り替え回路に関連し、特に回路電流のシャットダウン時における定電流源トランジスタの耐圧確保の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来のレーザドライバ回路の構成例を示すブロック図である。このようなレーザドライバ回路については例えば非特許文献1に開示されている。レーザドライバ回路は、入力バッファ100と、CPC(Crossing Point Control)回路101と、プリバッファ102と、プリバッファ103と、ドライバー回路104と、バイアス制御(BIAS Control)回路105と、抵抗RIP,RINとからなる。図11において、IN,INBは入力端子、OUT,OUTBは出力端子、VB1は出力交差点制御(Output Crossing Control)端子、VB2は出力交差点基準(Output Crossing Reference)端子、VC1は変調電流制御(Modulation Current Control)端子、VC2はバイアス電流制御(Bias Current Control)端子、VD1,VD2は電源端子である。
【0003】
図11に示したレーザドライバ回路では、入力端子IN,INBに入力された入力信号に応じた変調信号を出力することで、出力端子OUTとOUTBとの間に接続された半導体レーザ(不図示)を駆動する。また、バイアス制御回路105は、半導体レーザに供給するバイアス電流を制御する。このようなレーザドライバ回路では、レーザ動作と無関係に一定の電流を消費しており、低消費電力化が課題であった。
【0004】
そこで、よく用いられる方法として、入力バッファ100やCPC回路101といった各機能ブロックに具備されている定電流回路に電流切り替え回路を設け、スタンバイ時に定電流回路をオフにしてレーザドライバ回路の消費電流をオフにする、いわゆるシャットダウン方法がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】KGA4185データシート,OKIセミコンダクタ株式会社,2008年10月1日,<http://www.okisemi.com/jp/semicon/optical/driver.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、定電流回路の電流を完全に遮断したり、定電流回路を構成する定電流源トランジスタがオフ状態になるように定電流源トランジスタのベース電圧を低電圧に切り替えたりすると、定電流源トランジスタにかかる電圧が不安定になり、場合によっては耐圧オーバーにより定電流源トランジスタが破損する恐れがあった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、レーザドライバ回路等の半導体集積回路の低消費電力化を実現するためのシャットダウン時において、定電流回路の定電流源トランジスタを破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる電流切り替え回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電流切り替え回路は、エミッタフォロア回路と、このエミッタフォロア回路に定電流を供給する第1の定電流回路と、この第1の定電流回路をオン/オフすることが可能な第1のスイッチとを備え、前記エミッタフォロア回路は、ベースが信号入力端子に接続され、コレクタが第1の電源に接続され、エミッタが信号出力端子に接続された第1のトランジスタからなり、前記第1の定電流回路は、ベースが前記第1のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記第1のトランジスタのエミッタに接続された第2のトランジスタと、第1の端子が前記第2のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源に接続された第1の抵抗と、第1の端子が前記第2のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第2の電源または前記第2のトランジスタのエミッタに接続された第1のリーク電流源とからなり、前記第1のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例は、さらに、前記第1のトランジスタのエミッタと前記第2のトランジスタのコレクタとの間に直列に挿入されたN(Nは1以上の整数)個のダイオードを備え、前記第1のトランジスタのエミッタは、第1の前記ダイオードのアノード及び第1の前記信号出力端子に接続され、第L(Lは1以上の整数で1〜N−1)の前記ダイオードのカソードは、第(L+1)の前記ダイオードのアノードと第(L+1)の前記信号出力端子出力とに接続され、第Nの前記ダイオードのカソードは、前記第2のトランジスタのコレクタと第(N+1)の前記信号出力端子と前記第1のリーク電流源の第1の端子とに接続されることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例は、さらに、前記エミッタフォロア回路の信号出力端子に接続された単相入力電流切り替え論理回路を備え、前記単相入力電流切り替え論理回路は、前記エミッタフォロア回路の出力を入力とし、一方の電源端子が第3の電源に接続された論理回路部または増幅器と、この論理回路部または増幅器の他方の電源端子と接続され、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する定電流源とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例は、さらに、2つの前記エミッタフォロア回路の信号出力端子に接続された差動入力電流切り替え論理回路を備え、2つの前記エミッタフォロア回路は、正相信号入力用の第1のエミッタフォロア回路と、逆相信号入力用の第2のエミッタフォロア回路とからなり、前記第1のスイッチは、その出力を前記第1、第2のエミッタフォロア回路の各々に設けられた前記第2のトランジスタのベースに入力し、前記差動入力電流切り替え論理回路は、前記第1、第2のエミッタフォロア回路の出力を入力とし、一方の電源端子が第3の電源に接続された論理回路部または増幅器と、この論理回路部または増幅器の他方の電源端子と接続され、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する定電流源とからなることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例において、前記単相入力電流切り替え論理回路は、前記定電流源の代わりに、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する第2の定電流回路を有すると共に、この第2の定電流回路をオン/オフすることが可能な第2のスイッチを有し、前記第2の定電流回路は、ベースが前記第2のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記論理回路部または増幅器の他方の電源端子に接続された第3のトランジスタと、第1の端子が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源に接続された第2の抵抗と、第1の端子が前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第4の電源または前記第3のトランジスタのエミッタに接続された第2のリーク電流源とからなり、前記第2のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例において、前記差動入力電流切り替え論理回路は、前記定電流源の代わりに、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する第2の定電流回路を有すると共に、この第2の定電流回路をオン/オフすることが可能な第2のスイッチを有し、前記第2の定電流回路は、ベースが前記第2のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記論理回路部または増幅器の他方の電源端子に接続された第3のトランジスタと、第1の端子が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源に接続された第2の抵抗と、第1の端子が前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第4の電源または前記第3のトランジスタのエミッタに接続された第2のリーク電流源とからなり、前記第2のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例において、前記リーク電流源は、抵抗、または抵抗とこの抵抗に並列に接続された容量とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例において、前記リーク電流源は、ベースに固定のバイアス電圧が印加されたトランジスタと、一端がこのトランジスタのエミッタに接続された抵抗とからなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1の定電流回路に第1のリーク電流源を設けたことにより、スタンバイ時に第2のトランジスタをオフにしても、第1のリーク電流源を流れるリーク電流のために第2のトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧はある一定値に固定される。したがって、第2のトランジスタの耐圧がこの一定値を満足するように設計すれば、第2のトランジスタを破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。本発明では、スタンバイ状態にしたときの消費電力自体は従来よりも若干増えるものの、第1の定電流回路を構成する定電流源トランジスタである第2のトランジスタに加わる電気的ストレスを僅かな部品の付加で軽減することができるため、第2のトランジスタが破壊されたり動作が不安定になったりすることを低コストで防ぐことができる。
【0015】
また、本発明では、第1のトランジスタのエミッタと第2のトランジスタのコレクタとの間に直列にN個のダイオードを挿入することにより、電圧レベルの異なる信号を生成することができる。
【0016】
また、本発明では、単相入力電流切り替え論理回路に第2の定電流回路を設け、第2の定電流回路に第2のリーク電流源を設けたことにより、第2の定電流回路を構成する定電流源トランジスタである第3のトランジスタを破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。
【0017】
また、本発明では、差動入力電流切り替え論理回路に第2の定電流回路を設け、第2の定電流回路に第2のリーク電流源を設けたことにより、第2の定電流回路を構成する定電流源トランジスタである第3のトランジスタを破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。
なお、本発明は、バイポーラトランジスタの代わりにFETを用いても同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第8の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図9】本発明の第9の実施の形態に係るリーク電流源の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第10の実施の形態に係るリーク電流源の構成を示す回路図である。
【図11】従来のレーザドライバ回路の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
本実施の形態の電流切り替え回路は、全体としてエミッタフォロア回路(以下、EF回路と称す)を構成しており、ベースが信号入力端子IN1に接続され、コレクタが第1の電源VCC1に接続され、エミッタが信号出力端子OUT1に接続されたトランジスタQ1と、コレクタがトランジスタQ1のエミッタに接続された定電流源トランジスタQ2と、定電流源トランジスタQ2のベースに与えるバイアス電圧を切り替えるスイッチSW1と、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続された抵抗RS1と、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続されたリーク電流源JREAK1とを有する。
【0020】
定電流源トランジスタQ2とスイッチSW1と抵抗RS1とリーク電流源JREAK1とは定電流回路を構成している。なお、リーク電流源とは、電流源として働き、かつ定電流回路のリーク電流を流すリークパスとしても働くことを意味している。
本実施の形態では、制御信号VCONT1によってスイッチSW1を切り替えることにより、トランジスタQ1,Q2を流れる電流の大きさを切り替えることができる。
【0021】
すなわち、通常動作時には、スイッチSW1に通常動作電流モードバイアス電圧VCS1側を選択させる。これにより、定電流源トランジスタQ2のベースに通常動作電流モードバイアス電圧VCS1が与えられるので、定電流源トランジスタQ2がオンとなり、VCS1に応じた電流がトランジスタQ1,Q2を流れる。このとき、信号入力端子IN1に入力された信号は、信号出力端子OUT1から出力される。
【0022】
一方、スタンバイ時には、制御信号VCONT1によってスイッチSW1にスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF1側を選択させる(VCS1>VOFF1)。これにより、定電流源トランジスタQ2のベースにスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF1が与えられ、定電流源トランジスタQ2がオフとなるので、トランジスタQ1,Q2を流れる電流は通常動作時に比べて大幅に減少する。こうして、EF回路の低消費電力化を実現することができる。
【0023】
本実施の形態では、EF回路の定電流回路にリーク電流源JREAK1を設けたことにより、スタンバイ時に定電流源トランジスタQ2をオフにしても、リーク電流源JREAK1を流れるリーク電流のために定電流源トランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間電圧はある一定値に固定される。したがって、定電流源トランジスタQ2の耐圧がこの一定値を満足するように設計すれば、定電流源トランジスタQ2を破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。本実施の形態では、スタンバイ状態にしたときの消費電力自体は従来よりも若干増えるものの、僅かな部品の付加で定電流回路を構成する定電流源トランジスタQ2に加わる電気的ストレスを軽減することができるため、定電流源トランジスタQ2が破壊されたり動作が不安定になったりすることを低コストで防ぐことができる。
【0024】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、トランジスタQ1,Q2と、スイッチSW1と、抵抗RS1と、リーク電流源JREAK1と、トランジスタQ1のエミッタと定電流源トランジスタQ2のコレクタとの間に直列に挿入されたN(Nは1以上の整数)個のダイオードD1〜DNとを有する。
【0025】
トランジスタQ1のエミッタは、第1のダイオードD1のアノード及び第1の信号出力端子OUT1に接続される。第L(Lは1以上の整数で1〜N−1)のダイオードDLのカソードは、第(L+1)のダイオードのアノードと第(L+1)の信号出力端子出力OUT(L+1)とに接続される。第NのダイオードDNのカソードは、定電流源トランジスタQ2のコレクタと第(N+1)の信号出力端子OUT(N+1)とリーク電流源JREAK1の第1の端子とに接続される。
本実施の形態は、しばしば用いられるいわゆるシリーズゲートを用いた論理回路において、電圧レベルの異なる電圧をEF回路で生成する際に用いる。
【0026】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図3は本発明の第3の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、第1の実施の形態において、リーク電流源JREAK1の代わりに、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が定電流源トランジスタQ2のエミッタに接続されたリーク電流源JREAK11を設けたものである。本実施の形態の効果は第1の実施の形態と同様である。
【0027】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図4は本発明の第4の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1、図2と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、第2の実施の形態において、リーク電流源JREAK1の代わりに、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が定電流源トランジスタQ2のエミッタに接続されたリーク電流源JREAK11を設けたものである。本実施の形態の効果は第2の実施の形態と同様である。
【0028】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図5は本発明の第5の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、EF回路の後段に単相入力電流切り替え論理回路1を接続したものである。単相入力電流切り替え論理回路1の信号入力端子ID1は、EF回路の信号出力端子OUT1と接続されている。
【0029】
単相入力電流切り替え論理回路1は、ベースが信号入力端子ID1に接続され、コレクタが信号出力端子OUT2Pに接続されたトランジスタQ3と、ベースに基準電圧VREF1が与えられ、コレクタが信号出力端子OUT2Nに接続されたトランジスタQ4と、第1の端子が第3の電源VCC2に接続され、第2の端子がトランジスタQ3のコレクタに接続された負荷抵抗RLP1と、第1の端子が第3の電源VCC2に接続され、第2の端子がトランジスタQ4のコレクタに接続された負荷抵抗RLN1と、第1の端子がトランジスタQ3,Q4のコレクタに接続され、第2の端子が第4の電源VEE2に接続された定電流源JL1とから構成される。トランジスタQ3,Q4と負荷抵抗RLP1,RLN1とは、論理回路部または増幅器を構成している。論理回路部または増幅器の一方の電源端子(負荷抵抗RLP1,RLN1の第1の端子)は、第3の電源VCC2に接続され、論理回路部または増幅器の他方の電源端子(トランジスタQ3,Q4のエミッタ)は、定電流源JL1に接続されている。
【0030】
単相入力電流切り替え論理回路1は、EF回路の信号入力端子IN1に入力され信号出力端子OUT1から出力される単相信号を、差動信号に変換すると同時に、論理反転または増幅して差動信号出力端子OUT2P,OUT2Nから出力するものである。
【0031】
なお、本実施の形態では、単相入力電流切り替え論理回路1を接続するEF回路として第1の実施の形態に示したものを用いているが、第2〜第4の実施の形態に示したEF回路を用いてもよいことは言うまでもない。
【0032】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図6は本発明の第6の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、正相信号入力用の第1のEF回路と、逆相信号入力用の第2のEF回路と、スイッチSW1と、差動入力電流切り替え論理回路2とを有する。
【0033】
正相信号入力用の第1のEF回路は、ベースが信号入力端子IN1Pに接続され、コレクタが第1の電源VCC1に接続され、エミッタが信号出力端子OUT1Pに接続されたトランジスタQ1と、コレクタがトランジスタQ1のエミッタに接続された定電流源トランジスタQ2と、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続された抵抗RS1と、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続されたリーク電流源JREAK1とを有する。
【0034】
逆相信号入力用の第2のEF回路は、ベースが信号入力端子IN1Nに接続され、コレクタが第1の電源VCC1に接続され、エミッタが信号出力端子OUT1Nに接続されたトランジスタQ5と、コレクタがトランジスタQ5のエミッタに接続された定電流源トランジスタQ6と、第1の端子が定電流源トランジスタQ6のエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続された抵抗RS2と、第1の端子が定電流源トランジスタQ6のコレクタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続されたリーク電流源JREAK2とを有する。
【0035】
本実施の形態では、スイッチSW1の出力が定電流源トランジスタQ2,Q6のベースに接続されている。スイッチSW1の動作は第1の実施の形態で説明したとおりであり、通常動作時にはスイッチSW1が通常動作電流モードバイアス電圧VCS1側を選択することにより、定電流源トランジスタQ2,Q6がオンとなり、スタンバイ時にはスイッチSW1がスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF1側を選択することにより、定電流源トランジスタQ2,Q6がオフとなる。
【0036】
差動入力電流切り替え論理回路2は、ベースが信号入力端子ID1Pに接続され、コレクタが信号出力端子OUT2Pに接続されたトランジスタQ3と、ベースが信号入力端子IDINに接続され、コレクタが信号出力端子OUT2Nに接続されたトランジスタQ4と、第1の端子が第3の電源VCC2に接続され、第2の端子がトランジスタQ3のコレクタに接続された負荷抵抗RLP1と、第1の端子が第3の電源VCC2に接続され、第2の端子がトランジスタQ4のコレクタに接続された負荷抵抗RLN1と、第1の端子がトランジスタQ3,Q4のコレクタに接続され、第2の端子が第4の電源VEE2に接続された定電流源JL1とから構成される。
【0037】
差動入力電流切り替え論理回路2の差動信号入力端子ID1P,IDINは、第1、第2のEF回路の差動信号出力端子OUT1P,OUT1Nと接続されている。
差動入力電流切り替え論理回路2は、第1、第2のEF回路の差動信号入力端子IN1P,IN1Nに入力され差動信号出力端子OUT1P,OUT1Nから出力される差動信号を、論理反転または増幅して差動信号出力端子OUT2P,OUT2Nから出力するものである。
【0038】
本実施の形態では、第1、第2のEF回路の定電流回路にリーク電流源JREAK1,JREAK2を設けたことにより、定電流源トランジスタQ2,Q6を破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。こうして、本実施の形態では、差動信号を入力とするEF回路において、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、差動入力電流切り替え論理回路2を接続する第1、第2のEF回路として第1の実施の形態に示したものを用いているが、第2〜第4の実施の形態に示したEF回路を用いてもよいことは言うまでもない。
【0040】
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。図7は本発明の第7の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1、図5と同様の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、第5の実施の形態において、単相入力電流切り替え論理回路1の代わりに、単相入力電流切り替え論理回路1aを設けたものである。
【0041】
単相入力電流切り替え論理回路1aは、第5の実施の形態の単相入力電流切り替え論理回路1において、定電流源JL1の代わりに、定電流回路を設けたものである。この定電流回路は、コレクタがトランジスタQ3,Q4のエミッタに接続された定電流源トランジスタQ7と、定電流源トランジスタQ7のベースに与えるバイアス電圧を切り替えるスイッチSW2と、第1の端子が定電流源トランジスタQ7のエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源VEE2に接続された抵抗RS3と、第1の端子が定電流源トランジスタQ7のコレクタに接続され、第2の端子が第4の電源VEE2に接続されたリーク電流源JREAK3とから構成される。
【0042】
EF回路の動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。本実施の形態では、制御信号VCONT2によってスイッチSW2を切り替えることにより、トランジスタQ3,Q4,Q7を流れる電流の大きさを切り替えることができる。
すなわち、通常動作時には、スイッチSW2に通常動作電流モードバイアス電圧VCS2側を選択させる。これにより、定電流源トランジスタQ7のベースに通常動作電流モードバイアス電圧VCS2が与えられるので、定電流源トランジスタQ7がオンとなり、VCS2に応じた電流がトランジスタQ3,Q4,Q7を流れる。
【0043】
一方、スタンバイ時には、制御信号VCONT2によってスイッチSW2にスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF2側を選択させる(VCS2>VOFF2)。これにより、定電流源トランジスタQ7のベースにスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF2が与えられ、定電流源トランジスタQ7がオフとなるので、トランジスタQ3,Q4,Q7を流れる電流は通常動作時に比べて大幅に減少する。こうして、単相入力電流切り替え論理回路1aの低消費電力化を実現することができる。
【0044】
本実施の形態では、単相入力電流切り替え論理回路1aの定電流回路にリーク電流源JREAK3を設けたことにより、定電流源トランジスタQ7を破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。
【0045】
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。図8は本発明の第8の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1、図6と同様の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、第6の実施の形態において、差動入力電流切り替え論理回路2の代わりに、差動入力電流切り替え論理回路2aを設けたものである。
【0046】
差動入力電流切り替え論理回路2aは、第6の実施の形態の差動入力電流切り替え論理回路2において、定電流源JL1の代わりに、定電流回路を設けたものである。この定電流回路は、第7の実施の形態の単相入力電流切り替え論理回路1aにおける定電流回路と同じ構成なので、詳細な説明は省略する。本実施の形態では、リーク電流源JREAK3を含む定電流回路を設けたことにより、差動入力電流切り替え論理回路2aの低消費電力化を実現することができると共に、定電流源トランジスタQ7を破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。
なお、第7、第8の実施の形態において、リーク電流源JREAK3の第2の端子を定電流源トランジスタQ7のエミッタに接続するようにしてもよい。
【0047】
[第9の実施の形態]
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。図9(A)、図9(B)は本発明の第9の実施の形態に係るリーク電流源の構成を示す回路図である。
本実施の形態は、第1〜第8の実施の形態で用いたリーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11の具体例を示すものである。
【0048】
リーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11は、図9(A)に示すように抵抗RJ1によって構成してもよいし、図9(B)に示すように抵抗RJ1と容量CJ1とを並列に接続したものによって構成してもよい。図9(A)の例では、抵抗RJ1の一端がリーク電流源の第1の端子となり、抵抗RJ1の他端がリーク電流源の第2の端子となる。図9(B)の例では、抵抗RJ1と容量CJ1との一方の接続点がリーク電流源の第1の端子となり、他方の接続点がリーク電流源の第2の端子となる。
【0049】
リーク電流源の抵抗RJ1を流れる電流が、このリーク電流源と接続されている定電流源トランジスタのオン時に流れる電流の1/3以下になるように抵抗RJ1の値を設計すれば、十分な低消費電力化が実現できる。抵抗RJ1を流れる電流の上限をこのように定めた理由(すなわち、抵抗値の下限を定めた理由)は、定電流源トランジスタのオン時に流れる電流の1/3を超える電流を抵抗RJ1に流すと、消費電力削減のために定電流源トランジスタをオフにする効果が薄れてしまうためである。
【0050】
一方、抵抗RJ1の上限は、定電流源トランジスタのオフ抵抗(ベース−エミッタ間電圧がしきい値電圧以下のときのエミッタ−コレクタ間の抵抗)に対して相対的に決まり、オフ抵抗よりも1桁以上小さな抵抗値となるようにする。その理由は、抵抗RJ1の値が高過ぎると、定電流源トランジスタをオフにしたときに抵抗RJ1側に電気的ストレス(急激な印加電圧の上昇)が十分に分散せず、定電流源トランジスタに耐圧を超えて電圧が印加される恐れがあるためである。
【0051】
[第10の実施の形態]
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。図10(A)、図10(B)は本発明の第10の実施の形態に係るリーク電流源の構成を示す回路図である。
本実施の形態は、第1〜第8の実施の形態で用いたリーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11の別の具体例を示すものである。
【0052】
リーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11は、図10(A)に示すように、トランジスタQJと、第1の端子がトランジスタQJのエミッタに接続された抵抗RJ2とから構成してもよい。トランジスタQJのベースには、固定のバイアス電圧が印加される。
【0053】
また、リーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11は、図10(B)に示すように、トランジスタQJと、抵抗RJ2と、第1の端子がトランジスタQJのコレクタに接続され、第2の端子が抵抗RJ2の第2の端子に接続された容量CJ2とから構成してもよい。図10(A)、図10(B)の例では、トランジスタQJのコレクタがリーク電流源の第1の端子となり、抵抗RJ2の第2の端子がリーク電流源の第2の端子となる。
【0054】
本実施の形態においては、リーク電流源のトランジスタQJを流れる電流が、このリーク電流源と接続されている定電流源トランジスタのオン時に流れる電流の1/3以下になるように設計すれば、十分な低消費電力化が実現できる。
なお、第1〜第10の実施の形態では、バイポーラトランジスタを用いて説明したが、各実施の形態においてバイポーラトランジスタの代わりにFETを用いても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、半導体集積回路の電流切り替え回路に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1,1a…単相入力電流切り替え論理回路、2,2a…差動入力電流切り替え論理回路、Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7,QJ…トランジスタ、D1〜DN…ダイオード、RS1,RS2,RS3,RLP1,RLN1,RJ1,RJ2…抵抗、CJ1,CJ2…容量、SW1,SW2…スイッチ、JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11…リーク電流源、JL1…定電流源。
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体集積回路の電流切り替え回路に関連し、特に回路電流のシャットダウン時における定電流源トランジスタの耐圧確保の技術に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図11は、従来のレーザドライバ回路の構成例を示すブロック図である。このようなレーザドライバ回路については例えば非特許文献1に開示されている。レーザドライバ回路は、入力バッファ100と、CPC(Crossing Point Control)回路101と、プリバッファ102と、プリバッファ103と、ドライバー回路104と、バイアス制御(BIAS Control)回路105と、抵抗RIP,RINとからなる。図11において、IN,INBは入力端子、OUT,OUTBは出力端子、VB1は出力交差点制御(Output Crossing Control)端子、VB2は出力交差点基準(Output Crossing Reference)端子、VC1は変調電流制御(Modulation Current Control)端子、VC2はバイアス電流制御(Bias Current Control)端子、VD1,VD2は電源端子である。
【0003】
図11に示したレーザドライバ回路では、入力端子IN,INBに入力された入力信号に応じた変調信号を出力することで、出力端子OUTとOUTBとの間に接続された半導体レーザ(不図示)を駆動する。また、バイアス制御回路105は、半導体レーザに供給するバイアス電流を制御する。このようなレーザドライバ回路では、レーザ動作と無関係に一定の電流を消費しており、低消費電力化が課題であった。
【0004】
そこで、よく用いられる方法として、入力バッファ100やCPC回路101といった各機能ブロックに具備されている定電流回路に電流切り替え回路を設け、スタンバイ時に定電流回路をオフにしてレーザドライバ回路の消費電流をオフにする、いわゆるシャットダウン方法がある。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】KGA4185データシート,OKIセミコンダクタ株式会社,2008年10月1日,<http://www.okisemi.com/jp/semicon/optical/driver.htm>
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、定電流回路の電流を完全に遮断したり、定電流回路を構成する定電流源トランジスタがオフ状態になるように定電流源トランジスタのベース電圧を低電圧に切り替えたりすると、定電流源トランジスタにかかる電圧が不安定になり、場合によっては耐圧オーバーにより定電流源トランジスタが破損する恐れがあった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、レーザドライバ回路等の半導体集積回路の低消費電力化を実現するためのシャットダウン時において、定電流回路の定電流源トランジスタを破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる電流切り替え回路を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の電流切り替え回路は、エミッタフォロア回路と、このエミッタフォロア回路に定電流を供給する第1の定電流回路と、この第1の定電流回路をオン/オフすることが可能な第1のスイッチとを備え、前記エミッタフォロア回路は、ベースが信号入力端子に接続され、コレクタが第1の電源に接続され、エミッタが信号出力端子に接続された第1のトランジスタからなり、前記第1の定電流回路は、ベースが前記第1のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記第1のトランジスタのエミッタに接続された第2のトランジスタと、第1の端子が前記第2のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源に接続された第1の抵抗と、第1の端子が前記第2のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第2の電源または前記第2のトランジスタのエミッタに接続された第1のリーク電流源とからなり、前記第1のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例は、さらに、前記第1のトランジスタのエミッタと前記第2のトランジスタのコレクタとの間に直列に挿入されたN(Nは1以上の整数)個のダイオードを備え、前記第1のトランジスタのエミッタは、第1の前記ダイオードのアノード及び第1の前記信号出力端子に接続され、第L(Lは1以上の整数で1〜N−1)の前記ダイオードのカソードは、第(L+1)の前記ダイオードのアノードと第(L+1)の前記信号出力端子出力とに接続され、第Nの前記ダイオードのカソードは、前記第2のトランジスタのコレクタと第(N+1)の前記信号出力端子と前記第1のリーク電流源の第1の端子とに接続されることを特徴とするものである。
【0010】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例は、さらに、前記エミッタフォロア回路の信号出力端子に接続された単相入力電流切り替え論理回路を備え、前記単相入力電流切り替え論理回路は、前記エミッタフォロア回路の出力を入力とし、一方の電源端子が第3の電源に接続された論理回路部または増幅器と、この論理回路部または増幅器の他方の電源端子と接続され、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する定電流源とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例は、さらに、2つの前記エミッタフォロア回路の信号出力端子に接続された差動入力電流切り替え論理回路を備え、2つの前記エミッタフォロア回路は、正相信号入力用の第1のエミッタフォロア回路と、逆相信号入力用の第2のエミッタフォロア回路とからなり、前記第1のスイッチは、その出力を前記第1、第2のエミッタフォロア回路の各々に設けられた前記第2のトランジスタのベースに入力し、前記差動入力電流切り替え論理回路は、前記第1、第2のエミッタフォロア回路の出力を入力とし、一方の電源端子が第3の電源に接続された論理回路部または増幅器と、この論理回路部または増幅器の他方の電源端子と接続され、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する定電流源とからなることを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例において、前記単相入力電流切り替え論理回路は、前記定電流源の代わりに、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する第2の定電流回路を有すると共に、この第2の定電流回路をオン/オフすることが可能な第2のスイッチを有し、前記第2の定電流回路は、ベースが前記第2のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記論理回路部または増幅器の他方の電源端子に接続された第3のトランジスタと、第1の端子が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源に接続された第2の抵抗と、第1の端子が前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第4の電源または前記第3のトランジスタのエミッタに接続された第2のリーク電流源とからなり、前記第2のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例において、前記差動入力電流切り替え論理回路は、前記定電流源の代わりに、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する第2の定電流回路を有すると共に、この第2の定電流回路をオン/オフすることが可能な第2のスイッチを有し、前記第2の定電流回路は、ベースが前記第2のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記論理回路部または増幅器の他方の電源端子に接続された第3のトランジスタと、第1の端子が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源に接続された第2の抵抗と、第1の端子が前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第4の電源または前記第3のトランジスタのエミッタに接続された第2のリーク電流源とからなり、前記第2のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例において、前記リーク電流源は、抵抗、または抵抗とこの抵抗に並列に接続された容量とからなることを特徴とするものである。
また、本発明の電流切り替え回路の1構成例において、前記リーク電流源は、ベースに固定のバイアス電圧が印加されたトランジスタと、一端がこのトランジスタのエミッタに接続された抵抗とからなることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、第1の定電流回路に第1のリーク電流源を設けたことにより、スタンバイ時に第2のトランジスタをオフにしても、第1のリーク電流源を流れるリーク電流のために第2のトランジスタのコレクタ−エミッタ間電圧はある一定値に固定される。したがって、第2のトランジスタの耐圧がこの一定値を満足するように設計すれば、第2のトランジスタを破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。本発明では、スタンバイ状態にしたときの消費電力自体は従来よりも若干増えるものの、第1の定電流回路を構成する定電流源トランジスタである第2のトランジスタに加わる電気的ストレスを僅かな部品の付加で軽減することができるため、第2のトランジスタが破壊されたり動作が不安定になったりすることを低コストで防ぐことができる。
【0015】
また、本発明では、第1のトランジスタのエミッタと第2のトランジスタのコレクタとの間に直列にN個のダイオードを挿入することにより、電圧レベルの異なる信号を生成することができる。
【0016】
また、本発明では、単相入力電流切り替え論理回路に第2の定電流回路を設け、第2の定電流回路に第2のリーク電流源を設けたことにより、第2の定電流回路を構成する定電流源トランジスタである第3のトランジスタを破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。
【0017】
また、本発明では、差動入力電流切り替え論理回路に第2の定電流回路を設け、第2の定電流回路に第2のリーク電流源を設けたことにより、第2の定電流回路を構成する定電流源トランジスタである第3のトランジスタを破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。
なお、本発明は、バイポーラトランジスタの代わりにFETを用いても同様の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図3】本発明の第3の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第4の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第5の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図6】本発明の第6の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図7】本発明の第7の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図8】本発明の第8の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
【図9】本発明の第9の実施の形態に係るリーク電流源の構成を示す回路図である。
【図10】本発明の第10の実施の形態に係るリーク電流源の構成を示す回路図である。
【図11】従来のレーザドライバ回路の構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の第1の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図である。
本実施の形態の電流切り替え回路は、全体としてエミッタフォロア回路(以下、EF回路と称す)を構成しており、ベースが信号入力端子IN1に接続され、コレクタが第1の電源VCC1に接続され、エミッタが信号出力端子OUT1に接続されたトランジスタQ1と、コレクタがトランジスタQ1のエミッタに接続された定電流源トランジスタQ2と、定電流源トランジスタQ2のベースに与えるバイアス電圧を切り替えるスイッチSW1と、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続された抵抗RS1と、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続されたリーク電流源JREAK1とを有する。
【0020】
定電流源トランジスタQ2とスイッチSW1と抵抗RS1とリーク電流源JREAK1とは定電流回路を構成している。なお、リーク電流源とは、電流源として働き、かつ定電流回路のリーク電流を流すリークパスとしても働くことを意味している。
本実施の形態では、制御信号VCONT1によってスイッチSW1を切り替えることにより、トランジスタQ1,Q2を流れる電流の大きさを切り替えることができる。
【0021】
すなわち、通常動作時には、スイッチSW1に通常動作電流モードバイアス電圧VCS1側を選択させる。これにより、定電流源トランジスタQ2のベースに通常動作電流モードバイアス電圧VCS1が与えられるので、定電流源トランジスタQ2がオンとなり、VCS1に応じた電流がトランジスタQ1,Q2を流れる。このとき、信号入力端子IN1に入力された信号は、信号出力端子OUT1から出力される。
【0022】
一方、スタンバイ時には、制御信号VCONT1によってスイッチSW1にスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF1側を選択させる(VCS1>VOFF1)。これにより、定電流源トランジスタQ2のベースにスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF1が与えられ、定電流源トランジスタQ2がオフとなるので、トランジスタQ1,Q2を流れる電流は通常動作時に比べて大幅に減少する。こうして、EF回路の低消費電力化を実現することができる。
【0023】
本実施の形態では、EF回路の定電流回路にリーク電流源JREAK1を設けたことにより、スタンバイ時に定電流源トランジスタQ2をオフにしても、リーク電流源JREAK1を流れるリーク電流のために定電流源トランジスタQ2のコレクタ−エミッタ間電圧はある一定値に固定される。したがって、定電流源トランジスタQ2の耐圧がこの一定値を満足するように設計すれば、定電流源トランジスタQ2を破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。本実施の形態では、スタンバイ状態にしたときの消費電力自体は従来よりも若干増えるものの、僅かな部品の付加で定電流回路を構成する定電流源トランジスタQ2に加わる電気的ストレスを軽減することができるため、定電流源トランジスタQ2が破壊されたり動作が不安定になったりすることを低コストで防ぐことができる。
【0024】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。図2は本発明の第2の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、トランジスタQ1,Q2と、スイッチSW1と、抵抗RS1と、リーク電流源JREAK1と、トランジスタQ1のエミッタと定電流源トランジスタQ2のコレクタとの間に直列に挿入されたN(Nは1以上の整数)個のダイオードD1〜DNとを有する。
【0025】
トランジスタQ1のエミッタは、第1のダイオードD1のアノード及び第1の信号出力端子OUT1に接続される。第L(Lは1以上の整数で1〜N−1)のダイオードDLのカソードは、第(L+1)のダイオードのアノードと第(L+1)の信号出力端子出力OUT(L+1)とに接続される。第NのダイオードDNのカソードは、定電流源トランジスタQ2のコレクタと第(N+1)の信号出力端子OUT(N+1)とリーク電流源JREAK1の第1の端子とに接続される。
本実施の形態は、しばしば用いられるいわゆるシリーズゲートを用いた論理回路において、電圧レベルの異なる電圧をEF回路で生成する際に用いる。
【0026】
[第3の実施の形態]
次に、本発明の第3の実施の形態について説明する。図3は本発明の第3の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、第1の実施の形態において、リーク電流源JREAK1の代わりに、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が定電流源トランジスタQ2のエミッタに接続されたリーク電流源JREAK11を設けたものである。本実施の形態の効果は第1の実施の形態と同様である。
【0027】
[第4の実施の形態]
次に、本発明の第4の実施の形態について説明する。図4は本発明の第4の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1、図2と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、第2の実施の形態において、リーク電流源JREAK1の代わりに、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が定電流源トランジスタQ2のエミッタに接続されたリーク電流源JREAK11を設けたものである。本実施の形態の効果は第2の実施の形態と同様である。
【0028】
[第5の実施の形態]
次に、本発明の第5の実施の形態について説明する。図5は本発明の第5の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1と同一の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、EF回路の後段に単相入力電流切り替え論理回路1を接続したものである。単相入力電流切り替え論理回路1の信号入力端子ID1は、EF回路の信号出力端子OUT1と接続されている。
【0029】
単相入力電流切り替え論理回路1は、ベースが信号入力端子ID1に接続され、コレクタが信号出力端子OUT2Pに接続されたトランジスタQ3と、ベースに基準電圧VREF1が与えられ、コレクタが信号出力端子OUT2Nに接続されたトランジスタQ4と、第1の端子が第3の電源VCC2に接続され、第2の端子がトランジスタQ3のコレクタに接続された負荷抵抗RLP1と、第1の端子が第3の電源VCC2に接続され、第2の端子がトランジスタQ4のコレクタに接続された負荷抵抗RLN1と、第1の端子がトランジスタQ3,Q4のコレクタに接続され、第2の端子が第4の電源VEE2に接続された定電流源JL1とから構成される。トランジスタQ3,Q4と負荷抵抗RLP1,RLN1とは、論理回路部または増幅器を構成している。論理回路部または増幅器の一方の電源端子(負荷抵抗RLP1,RLN1の第1の端子)は、第3の電源VCC2に接続され、論理回路部または増幅器の他方の電源端子(トランジスタQ3,Q4のエミッタ)は、定電流源JL1に接続されている。
【0030】
単相入力電流切り替え論理回路1は、EF回路の信号入力端子IN1に入力され信号出力端子OUT1から出力される単相信号を、差動信号に変換すると同時に、論理反転または増幅して差動信号出力端子OUT2P,OUT2Nから出力するものである。
【0031】
なお、本実施の形態では、単相入力電流切り替え論理回路1を接続するEF回路として第1の実施の形態に示したものを用いているが、第2〜第4の実施の形態に示したEF回路を用いてもよいことは言うまでもない。
【0032】
[第6の実施の形態]
次に、本発明の第6の実施の形態について説明する。図6は本発明の第6の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1と同様の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、正相信号入力用の第1のEF回路と、逆相信号入力用の第2のEF回路と、スイッチSW1と、差動入力電流切り替え論理回路2とを有する。
【0033】
正相信号入力用の第1のEF回路は、ベースが信号入力端子IN1Pに接続され、コレクタが第1の電源VCC1に接続され、エミッタが信号出力端子OUT1Pに接続されたトランジスタQ1と、コレクタがトランジスタQ1のエミッタに接続された定電流源トランジスタQ2と、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続された抵抗RS1と、第1の端子が定電流源トランジスタQ2のコレクタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続されたリーク電流源JREAK1とを有する。
【0034】
逆相信号入力用の第2のEF回路は、ベースが信号入力端子IN1Nに接続され、コレクタが第1の電源VCC1に接続され、エミッタが信号出力端子OUT1Nに接続されたトランジスタQ5と、コレクタがトランジスタQ5のエミッタに接続された定電流源トランジスタQ6と、第1の端子が定電流源トランジスタQ6のエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続された抵抗RS2と、第1の端子が定電流源トランジスタQ6のコレクタに接続され、第2の端子が第2の電源VEE1に接続されたリーク電流源JREAK2とを有する。
【0035】
本実施の形態では、スイッチSW1の出力が定電流源トランジスタQ2,Q6のベースに接続されている。スイッチSW1の動作は第1の実施の形態で説明したとおりであり、通常動作時にはスイッチSW1が通常動作電流モードバイアス電圧VCS1側を選択することにより、定電流源トランジスタQ2,Q6がオンとなり、スタンバイ時にはスイッチSW1がスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF1側を選択することにより、定電流源トランジスタQ2,Q6がオフとなる。
【0036】
差動入力電流切り替え論理回路2は、ベースが信号入力端子ID1Pに接続され、コレクタが信号出力端子OUT2Pに接続されたトランジスタQ3と、ベースが信号入力端子IDINに接続され、コレクタが信号出力端子OUT2Nに接続されたトランジスタQ4と、第1の端子が第3の電源VCC2に接続され、第2の端子がトランジスタQ3のコレクタに接続された負荷抵抗RLP1と、第1の端子が第3の電源VCC2に接続され、第2の端子がトランジスタQ4のコレクタに接続された負荷抵抗RLN1と、第1の端子がトランジスタQ3,Q4のコレクタに接続され、第2の端子が第4の電源VEE2に接続された定電流源JL1とから構成される。
【0037】
差動入力電流切り替え論理回路2の差動信号入力端子ID1P,IDINは、第1、第2のEF回路の差動信号出力端子OUT1P,OUT1Nと接続されている。
差動入力電流切り替え論理回路2は、第1、第2のEF回路の差動信号入力端子IN1P,IN1Nに入力され差動信号出力端子OUT1P,OUT1Nから出力される差動信号を、論理反転または増幅して差動信号出力端子OUT2P,OUT2Nから出力するものである。
【0038】
本実施の形態では、第1、第2のEF回路の定電流回路にリーク電流源JREAK1,JREAK2を設けたことにより、定電流源トランジスタQ2,Q6を破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。こうして、本実施の形態では、差動信号を入力とするEF回路において、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0039】
なお、本実施の形態では、差動入力電流切り替え論理回路2を接続する第1、第2のEF回路として第1の実施の形態に示したものを用いているが、第2〜第4の実施の形態に示したEF回路を用いてもよいことは言うまでもない。
【0040】
[第7の実施の形態]
次に、本発明の第7の実施の形態について説明する。図7は本発明の第7の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1、図5と同様の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、第5の実施の形態において、単相入力電流切り替え論理回路1の代わりに、単相入力電流切り替え論理回路1aを設けたものである。
【0041】
単相入力電流切り替え論理回路1aは、第5の実施の形態の単相入力電流切り替え論理回路1において、定電流源JL1の代わりに、定電流回路を設けたものである。この定電流回路は、コレクタがトランジスタQ3,Q4のエミッタに接続された定電流源トランジスタQ7と、定電流源トランジスタQ7のベースに与えるバイアス電圧を切り替えるスイッチSW2と、第1の端子が定電流源トランジスタQ7のエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源VEE2に接続された抵抗RS3と、第1の端子が定電流源トランジスタQ7のコレクタに接続され、第2の端子が第4の電源VEE2に接続されたリーク電流源JREAK3とから構成される。
【0042】
EF回路の動作は第1の実施の形態で説明したとおりである。本実施の形態では、制御信号VCONT2によってスイッチSW2を切り替えることにより、トランジスタQ3,Q4,Q7を流れる電流の大きさを切り替えることができる。
すなわち、通常動作時には、スイッチSW2に通常動作電流モードバイアス電圧VCS2側を選択させる。これにより、定電流源トランジスタQ7のベースに通常動作電流モードバイアス電圧VCS2が与えられるので、定電流源トランジスタQ7がオンとなり、VCS2に応じた電流がトランジスタQ3,Q4,Q7を流れる。
【0043】
一方、スタンバイ時には、制御信号VCONT2によってスイッチSW2にスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF2側を選択させる(VCS2>VOFF2)。これにより、定電流源トランジスタQ7のベースにスタンバイ電流モードバイアス電圧VOFF2が与えられ、定電流源トランジスタQ7がオフとなるので、トランジスタQ3,Q4,Q7を流れる電流は通常動作時に比べて大幅に減少する。こうして、単相入力電流切り替え論理回路1aの低消費電力化を実現することができる。
【0044】
本実施の形態では、単相入力電流切り替え論理回路1aの定電流回路にリーク電流源JREAK3を設けたことにより、定電流源トランジスタQ7を破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。
【0045】
[第8の実施の形態]
次に、本発明の第8の実施の形態について説明する。図8は本発明の第8の実施の形態に係る電流切り替え回路の構成を示す回路図であり、図1、図6と同様の構成には同一の符号を付してある。
本実施の形態の電流切り替え回路は、第6の実施の形態において、差動入力電流切り替え論理回路2の代わりに、差動入力電流切り替え論理回路2aを設けたものである。
【0046】
差動入力電流切り替え論理回路2aは、第6の実施の形態の差動入力電流切り替え論理回路2において、定電流源JL1の代わりに、定電流回路を設けたものである。この定電流回路は、第7の実施の形態の単相入力電流切り替え論理回路1aにおける定電流回路と同じ構成なので、詳細な説明は省略する。本実施の形態では、リーク電流源JREAK3を含む定電流回路を設けたことにより、差動入力電流切り替え論理回路2aの低消費電力化を実現することができると共に、定電流源トランジスタQ7を破損せずに、安定的にシャットダウンを行うことができる。
なお、第7、第8の実施の形態において、リーク電流源JREAK3の第2の端子を定電流源トランジスタQ7のエミッタに接続するようにしてもよい。
【0047】
[第9の実施の形態]
次に、本発明の第9の実施の形態について説明する。図9(A)、図9(B)は本発明の第9の実施の形態に係るリーク電流源の構成を示す回路図である。
本実施の形態は、第1〜第8の実施の形態で用いたリーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11の具体例を示すものである。
【0048】
リーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11は、図9(A)に示すように抵抗RJ1によって構成してもよいし、図9(B)に示すように抵抗RJ1と容量CJ1とを並列に接続したものによって構成してもよい。図9(A)の例では、抵抗RJ1の一端がリーク電流源の第1の端子となり、抵抗RJ1の他端がリーク電流源の第2の端子となる。図9(B)の例では、抵抗RJ1と容量CJ1との一方の接続点がリーク電流源の第1の端子となり、他方の接続点がリーク電流源の第2の端子となる。
【0049】
リーク電流源の抵抗RJ1を流れる電流が、このリーク電流源と接続されている定電流源トランジスタのオン時に流れる電流の1/3以下になるように抵抗RJ1の値を設計すれば、十分な低消費電力化が実現できる。抵抗RJ1を流れる電流の上限をこのように定めた理由(すなわち、抵抗値の下限を定めた理由)は、定電流源トランジスタのオン時に流れる電流の1/3を超える電流を抵抗RJ1に流すと、消費電力削減のために定電流源トランジスタをオフにする効果が薄れてしまうためである。
【0050】
一方、抵抗RJ1の上限は、定電流源トランジスタのオフ抵抗(ベース−エミッタ間電圧がしきい値電圧以下のときのエミッタ−コレクタ間の抵抗)に対して相対的に決まり、オフ抵抗よりも1桁以上小さな抵抗値となるようにする。その理由は、抵抗RJ1の値が高過ぎると、定電流源トランジスタをオフにしたときに抵抗RJ1側に電気的ストレス(急激な印加電圧の上昇)が十分に分散せず、定電流源トランジスタに耐圧を超えて電圧が印加される恐れがあるためである。
【0051】
[第10の実施の形態]
次に、本発明の第10の実施の形態について説明する。図10(A)、図10(B)は本発明の第10の実施の形態に係るリーク電流源の構成を示す回路図である。
本実施の形態は、第1〜第8の実施の形態で用いたリーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11の別の具体例を示すものである。
【0052】
リーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11は、図10(A)に示すように、トランジスタQJと、第1の端子がトランジスタQJのエミッタに接続された抵抗RJ2とから構成してもよい。トランジスタQJのベースには、固定のバイアス電圧が印加される。
【0053】
また、リーク電流源JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11は、図10(B)に示すように、トランジスタQJと、抵抗RJ2と、第1の端子がトランジスタQJのコレクタに接続され、第2の端子が抵抗RJ2の第2の端子に接続された容量CJ2とから構成してもよい。図10(A)、図10(B)の例では、トランジスタQJのコレクタがリーク電流源の第1の端子となり、抵抗RJ2の第2の端子がリーク電流源の第2の端子となる。
【0054】
本実施の形態においては、リーク電流源のトランジスタQJを流れる電流が、このリーク電流源と接続されている定電流源トランジスタのオン時に流れる電流の1/3以下になるように設計すれば、十分な低消費電力化が実現できる。
なお、第1〜第10の実施の形態では、バイポーラトランジスタを用いて説明したが、各実施の形態においてバイポーラトランジスタの代わりにFETを用いても同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0055】
本発明は、半導体集積回路の電流切り替え回路に適用することができる。
【符号の説明】
【0056】
1,1a…単相入力電流切り替え論理回路、2,2a…差動入力電流切り替え論理回路、Q1,Q2,Q3,Q4,Q5,Q6,Q7,QJ…トランジスタ、D1〜DN…ダイオード、RS1,RS2,RS3,RLP1,RLN1,RJ1,RJ2…抵抗、CJ1,CJ2…容量、SW1,SW2…スイッチ、JREAK1,JREAK2,JREAK3,JREAK11…リーク電流源、JL1…定電流源。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
エミッタフォロア回路と、
このエミッタフォロア回路に定電流を供給する第1の定電流回路と、
この第1の定電流回路をオン/オフすることが可能な第1のスイッチとを備え、
前記エミッタフォロア回路は、ベースが信号入力端子に接続され、コレクタが第1の電源に接続され、エミッタが信号出力端子に接続された第1のトランジスタからなり、
前記第1の定電流回路は、ベースが前記第1のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記第1のトランジスタのエミッタに接続された第2のトランジスタと、第1の端子が前記第2のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源に接続された第1の抵抗と、第1の端子が前記第2のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第2の電源または前記第2のトランジスタのエミッタに接続された第1のリーク電流源とからなり、
前記第1のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項2】
請求項1記載の電流切り替え回路において、
さらに、前記第1のトランジスタのエミッタと前記第2のトランジスタのコレクタとの間に直列に挿入されたN(Nは1以上の整数)個のダイオードを備え、
前記第1のトランジスタのエミッタは、第1の前記ダイオードのアノード及び第1の前記信号出力端子に接続され、第L(Lは1以上の整数で1〜N−1)の前記ダイオードのカソードは、第(L+1)の前記ダイオードのアノードと第(L+1)の前記信号出力端子出力とに接続され、第Nの前記ダイオードのカソードは、前記第2のトランジスタのコレクタと第(N+1)の前記信号出力端子と前記第1のリーク電流源の第1の端子とに接続されることを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項3】
請求項1または2記載の電流切り替え回路において、
さらに、前記エミッタフォロア回路の信号出力端子に接続された単相入力電流切り替え論理回路を備え、
前記単相入力電流切り替え論理回路は、前記エミッタフォロア回路の出力を入力とし、一方の電源端子が第3の電源に接続された論理回路部または増幅器と、この論理回路部または増幅器の他方の電源端子と接続され、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する定電流源とからなることを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項4】
請求項1または2記載の電流切り替え回路において、
さらに、2つの前記エミッタフォロア回路の信号出力端子に接続された差動入力電流切り替え論理回路を備え、
2つの前記エミッタフォロア回路は、正相信号入力用の第1のエミッタフォロア回路と、逆相信号入力用の第2のエミッタフォロア回路とからなり、
前記第1のスイッチは、その出力を前記第1、第2のエミッタフォロア回路の各々に設けられた前記第2のトランジスタのベースに入力し、
前記差動入力電流切り替え論理回路は、前記第1、第2のエミッタフォロア回路の出力を入力とし、一方の電源端子が第3の電源に接続された論理回路部または増幅器と、この論理回路部または増幅器の他方の電源端子と接続され、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する定電流源とからなることを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項5】
請求項3記載の電流切り替え回路において、
前記単相入力電流切り替え論理回路は、前記定電流源の代わりに、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する第2の定電流回路を有すると共に、この第2の定電流回路をオン/オフすることが可能な第2のスイッチを有し、
前記第2の定電流回路は、ベースが前記第2のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記論理回路部または増幅器の他方の電源端子に接続された第3のトランジスタと、第1の端子が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源に接続された第2の抵抗と、第1の端子が前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第4の電源または前記第3のトランジスタのエミッタに接続された第2のリーク電流源とからなり、
前記第2のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項6】
請求項4記載の電流切り替え回路において、
前記差動入力電流切り替え論理回路は、前記定電流源の代わりに、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する第2の定電流回路を有すると共に、この第2の定電流回路をオン/オフすることが可能な第2のスイッチを有し、
前記第2の定電流回路は、ベースが前記第2のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記論理回路部または増幅器の他方の電源端子に接続された第3のトランジスタと、第1の端子が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源に接続された第2の抵抗と、第1の端子が前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第4の電源または前記第3のトランジスタのエミッタに接続された第2のリーク電流源とからなり、
前記第2のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電流切り替え回路において、
前記リーク電流源は、抵抗、または抵抗とこの抵抗に並列に接続された容量とからなることを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電流切り替え回路において、
前記リーク電流源は、ベースに固定のバイアス電圧が印加されたトランジスタと、一端がこのトランジスタのエミッタに接続された抵抗とからなることを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項1】
エミッタフォロア回路と、
このエミッタフォロア回路に定電流を供給する第1の定電流回路と、
この第1の定電流回路をオン/オフすることが可能な第1のスイッチとを備え、
前記エミッタフォロア回路は、ベースが信号入力端子に接続され、コレクタが第1の電源に接続され、エミッタが信号出力端子に接続された第1のトランジスタからなり、
前記第1の定電流回路は、ベースが前記第1のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記第1のトランジスタのエミッタに接続された第2のトランジスタと、第1の端子が前記第2のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第2の電源に接続された第1の抵抗と、第1の端子が前記第2のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第2の電源または前記第2のトランジスタのエミッタに接続された第1のリーク電流源とからなり、
前記第1のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項2】
請求項1記載の電流切り替え回路において、
さらに、前記第1のトランジスタのエミッタと前記第2のトランジスタのコレクタとの間に直列に挿入されたN(Nは1以上の整数)個のダイオードを備え、
前記第1のトランジスタのエミッタは、第1の前記ダイオードのアノード及び第1の前記信号出力端子に接続され、第L(Lは1以上の整数で1〜N−1)の前記ダイオードのカソードは、第(L+1)の前記ダイオードのアノードと第(L+1)の前記信号出力端子出力とに接続され、第Nの前記ダイオードのカソードは、前記第2のトランジスタのコレクタと第(N+1)の前記信号出力端子と前記第1のリーク電流源の第1の端子とに接続されることを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項3】
請求項1または2記載の電流切り替え回路において、
さらに、前記エミッタフォロア回路の信号出力端子に接続された単相入力電流切り替え論理回路を備え、
前記単相入力電流切り替え論理回路は、前記エミッタフォロア回路の出力を入力とし、一方の電源端子が第3の電源に接続された論理回路部または増幅器と、この論理回路部または増幅器の他方の電源端子と接続され、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する定電流源とからなることを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項4】
請求項1または2記載の電流切り替え回路において、
さらに、2つの前記エミッタフォロア回路の信号出力端子に接続された差動入力電流切り替え論理回路を備え、
2つの前記エミッタフォロア回路は、正相信号入力用の第1のエミッタフォロア回路と、逆相信号入力用の第2のエミッタフォロア回路とからなり、
前記第1のスイッチは、その出力を前記第1、第2のエミッタフォロア回路の各々に設けられた前記第2のトランジスタのベースに入力し、
前記差動入力電流切り替え論理回路は、前記第1、第2のエミッタフォロア回路の出力を入力とし、一方の電源端子が第3の電源に接続された論理回路部または増幅器と、この論理回路部または増幅器の他方の電源端子と接続され、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する定電流源とからなることを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項5】
請求項3記載の電流切り替え回路において、
前記単相入力電流切り替え論理回路は、前記定電流源の代わりに、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する第2の定電流回路を有すると共に、この第2の定電流回路をオン/オフすることが可能な第2のスイッチを有し、
前記第2の定電流回路は、ベースが前記第2のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記論理回路部または増幅器の他方の電源端子に接続された第3のトランジスタと、第1の端子が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源に接続された第2の抵抗と、第1の端子が前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第4の電源または前記第3のトランジスタのエミッタに接続された第2のリーク電流源とからなり、
前記第2のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項6】
請求項4記載の電流切り替え回路において、
前記差動入力電流切り替え論理回路は、前記定電流源の代わりに、前記論理回路部または増幅器に定電流を供給する第2の定電流回路を有すると共に、この第2の定電流回路をオン/オフすることが可能な第2のスイッチを有し、
前記第2の定電流回路は、ベースが前記第2のスイッチの出力に接続され、コレクタが前記論理回路部または増幅器の他方の電源端子に接続された第3のトランジスタと、第1の端子が前記第3のトランジスタのエミッタに接続され、第2の端子が第4の電源に接続された第2の抵抗と、第1の端子が前記第3のトランジスタのコレクタに接続され、第2の端子が前記第4の電源または前記第3のトランジスタのエミッタに接続された第2のリーク電流源とからなり、
前記第2のスイッチは、外部から入力される制御信号に応じて、通常動作時には通常動作電流モードバイアス電圧を選択して出力し、スタンバイ時にはスタンバイ電流モードバイアス電圧を選択して出力することを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電流切り替え回路において、
前記リーク電流源は、抵抗、または抵抗とこの抵抗に並列に接続された容量とからなることを特徴とする電流切り替え回路。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の電流切り替え回路において、
前記リーク電流源は、ベースに固定のバイアス電圧が印加されたトランジスタと、一端がこのトランジスタのエミッタに接続された抵抗とからなることを特徴とする電流切り替え回路。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−54649(P2012−54649A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−193518(P2010−193518)
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月31日(2010.8.31)
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]