説明

電源システム、同電源システムを備えた画像形成装置および小容量電源回路

【課題】より省電力化の可能な、ゼロクロス点の検知技術を提供すること。
【解決手段】電源システム100は、スイッチング電源20と、制御装置51と、小容量電源回路30を備える。制御装置51は、スイッチング電源20を、通常モードと、スイッチング電源20の発振を停止させる省電力モードとに切り換え制御する。小容量電源回路30は省電力モードにおいて制御装置51に電力を供給し、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、および第1コンデンサC1の第2電極と第2コンデンサC2の第2電極との間に電気的に接続され、両コンデンサに印加される交流電圧を整流する整流回路31とを含む。小容量電源回路30は、また、整流回路31の後段の電流経路IPに接続され、電流経路IPに流れる整流電流Ircに基づいて交流電源ACのゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路34を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源システム、同電源システムを備えた画像形成装置および小容量電源回路に関し、詳しくは、交流電圧のゼロクロス点を検出する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、交流電圧のゼロクロス点(ゼロクロスタイミング)を検出する技術として、例えば、特許文献1に記載されたものが知られている。その従来技術文献においては、フォトカプラを利用して交流電圧のゼロクロス点を検知する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−239774号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来技術文献のように、フォトカプラを利用したゼロクロス点の検知方法では、好適にゼロクロス点を検知できるものの、フォトカプラのフォトダイオードによる消費電力量が無視できる程度に低くはなかった。そのため、より省電力化が可能なゼロクロス点を検知する技術が切望されていた。
本発明は、より省電力化の可能な、ゼロクロス点の検知技術を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本明細書によって開示される電源システムは、交流電源の交流電圧を整流平滑化し、発振を行う通常モードにおいて所定の直流電圧を生成するスイッチング電源と、前記スイッチング電源を、前記通常モードと、前記スイッチング電源の発振を停止させる省電力モードとに切り換え制御する制御装置と、前記省電力モードにおいて前記制御装置に電力を供給する小容量電源回路であって、第1電極および第2電極を有し、当該第1電極が前記交流電源の一端に接続される第1コンデンサと、第1電極および第2電極を有し、当該第1電極が前記交流電源の他端に接続される第2コンデンサと、前記第1コンデンサの前記第2電極と前記第2コンデンサの前記第2電極との間に電気的に接続され、両コンデンサに印加される交流電圧を整流する整流回路とを含む小容量電源回路とを備え、前記小容量電源回路は、前記整流回路の後段の電流経路に接続され、前記電流経路に流れる整流電流に基づいて前記交流電源のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路を含む。
【0006】
上記電源システムにおいて、前記ゼロクロス検出回路は、前記平滑コンデンサと基準電位配線とを結ぶ電流経路に接続されるようにしてもよい。
【0007】
また、上記電源システムにおいて、前記整流回路に接続される専用電流経路をさらに備え、前記ゼロクロス検出回路は前記専用電流経路に接続されるようにしてもよい。
その場合、前記専用電流経路は、直列接続された二個の分圧抵抗によって構成されるとともに、前記整流回路と前記平滑コンデンサとの間において、前記平滑コンデンサと並列接続され、前記ゼロクロス検出回路は前記二個の分圧抵抗の間に接続されるようにしてもよい。あるいは、前記整流回路と前記平滑コンデンサとの間に接続される抵抗をさらに備え、前記専用電流経路は、前記抵抗の電圧降下によってオン・オフされるスイッチ回路と、前記スイッチ回路と基準電位配線との間に接続された二個の分圧抵抗によって構成され、前記ゼロクロス検出回路は前記二個の分圧抵抗の間に接続されるようにしてもよい。
【0008】
また、上記電源システムにおいて、前記ゼロクロス検出回路は、ゼロクロス点に対応したゼロクロスパルスを検出し、前記ゼロクロスパルスに基づいて前記ゼロクロス点を検出し、前記制御装置は、前記ゼロクロスパルスが検出されない場合、前記交流電源の電圧が低下した、あるいは前記交流電源が不意にオフされたと判断し、電源異常信号を生成するようにしてもよい。
【0009】
また、上記電源システムにおいて、前記ゼロクロス検出回路は、ゼロクロス点に対応したゼロクロスパルスを検出し、前記ゼロクロスパルスに基づいて前記ゼロクロス点を検出し、前記制御装置は、前記ゼロクロスパルスのパルス幅が所定パルス幅より短い場合、矩形波の交流電源が入力されたと判断し、矩形波電源異常信号を生成するようにしてもよい。
【0010】
また、本明細書によって開示される画像形成装置は、通常モードと省電力モードとを有する画像形成装置であって、上記いずれかの電源システムを備える。
【0011】
また、本明細書によって開示される小容量電源回路は、第1電極および第2電極を有し、当該第1電極が交流電源の一端に接続される第1コンデンサと、第1電極および第2電極を有し、当該第1電極が前記交流電源の他端に接続される第2コンデンサと、前記第1コンデンサの前記第2電極と前記第2コンデンサの前記第2電極との間に電気的に接続され、両コンデンサに印加される交流電圧を整流する整流回路と、前記整流回路の後段の電流経路に接続され、前記電流経路に流れる整流電流に基づいて前記交流電源のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路とを備える。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、省電力モードに利用される小容量電源回路の整流電流は、スイッチング電源の整流電流と比べてはるかに小さい。そのため、小容量電源回路に流れる整流電流を利用してゼロクロス検出を行うことによって、より省電力化の可能な、ゼロクロス点の検知を行える。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の構成を概略的に示すブロック図
【図2】実施形態1に係る電源システムの構成を概略的に示す回路図
【図3】実施形態1におけるゼロクロス点の検出を説明するグラフ
【図4】実施形態2における小容量電源回路の構成を示す回路図
【図5】実施形態3における小容量電源回路の構成を示す回路図
【図6】別の整流回路の構成を示す回路図
【発明を実施するための形態】
【0014】
<実施形態1>
実施形態1について図1から図3を参照して説明する。
1.プリンタの説明
図1は、画像形成装置の一例であるプリンタ1の電気的構成を示すブロック図である。プリンタ1は、印刷部2、通信部3a、画像メモリ3b、および電源システム100を含む。電源システム100は、電源部10と制御装置50とを含む。電源部10はプリンタ1の電源となるものであり、印刷部2、通信部3a、画像メモリ3bおよび制御装置50に対して電力を供給する。
【0015】
印刷部2は、感光ドラム2a、感光ドラム2aの表面を帯電させる帯電プロセスを実行する帯電器2b、感光ドラム2aの表面に静電潜像を形成する露光プロセスを実行する露光装置2c、感光ドラム2aの表面に形成された静電潜像に現像剤を付着させて現像剤像を形成する現像プロセスを実行する現像器2d、記録媒体に現像剤像を転写する転写プロセスを実行する転写器2e、記録媒体上に転写された現像剤像を定着させる定着プロセスを実行する定着器2f等から構成されている。
【0016】
印刷部2は帯電プロセス、露光プロセス、現像プロセス、転写プロセス、定着プロセスを実行して、記録媒体上に印刷データに基づく画像を印刷する印刷処理を実行するものである。通信部3aはPC等の情報端末装置との間で通信を行うものであり、情報端末装置から印刷指示や印刷データを受信する機能を担う。画像メモリ3bは、情報端末装置から受信した印刷データを一時記憶するものである。
【0017】
上記プリンタ1は、通信部3aが情報端末装置から印刷指示を受けて印刷データを受信すると、制御装置50が、印刷部2に帯電プロセス、露光プロセス、現像プロセス、転写プロセス、定着プロセスからなる印刷処理を実行させることで、記録媒体に印刷データに基づく画像を印刷させる。なお、印刷部2の動作電圧は主に24Vであるのに対して、通信部3a、画像メモリ3bおよび制御装置50の動作電圧は主に3.3Vである。
【0018】
なお、プリンタ1は、動作モードとして通常モードと省電力モードとを有する。通常モードとは、プリンタ1が印刷指示に応答して即座に印刷処理を実行できる状態、あるいは、印刷処理を実行している状態にあるモードである。そのため、通常モードにおいては、電源システム100は動作しており、定着器2fは定着可能な温度或いは定着可能な温度よりやや低い温度に維持されるように通電制御されている。また、省電力モードとは、印刷指示が所定時間なくプリンタ1が待機状態にあるモードである。省電力モードでは、電源システム100は、その一部しか動作しておらず、定着器2fは通電されていない。
【0019】
2.電源システムの構成
次に、図2を参照して電源システム100の構成について説明する。上述したように、電源システム100は、電源部10と制御装置50とを含む。まず、電源システム100の電源部10の構成について説明する。電源部10は、スイッチング電源20および小容量電源回路30を含む。
【0020】
スイッチング電源20は、整流平滑回路21、制御IC22、電圧発生回路23、トランス24、FET(電界効果トランジスタ)Q1、整流平滑回路25、電圧検出回路26、およびDC−DCコンバータ27、28を含む。
【0021】
スイッチング電源20は、交流電源ACの交流電圧Vacを整流平滑化し、通常モードにおいて+24V、+5Vおよび+3.3Vの直流電圧を生成する。+24Vの直流電圧(以下「DC24V」と記す)は第1出力端子OUT1から出力され、+5Vの直流電圧(以下「DC5V」と記す)は第2出力端子OUT2から出力され、+3.3Vの直流電圧(以下「DC3.3V」と記す)は第3出力端子OUT3から出力される。
【0022】
整流平滑回路21は、いわゆるコンデンサインプット型であり、交流電源ACの交流電圧Vac(例えば、240V)を整流するブリッジダイオードおよび整流後の電圧を平滑化するコンデンサを含む。整流平滑回路21の出力は、トランス24の一次コイルに印加される。
【0023】
トランジスタQ1はNチャンネルのMOSFETであり、制御IC22からゲートにオン・オフ信号(PWM信号)が与えられることにより、オン・オフ動作する。これにより、トランス24の一次側が発振して、トランス24の二次コイルに電圧を誘起させる。
【0024】
また、トランス24の一次側には電圧発生回路23が設けられている。電圧発生回路23は、トランス24の一次側に設けられた補助コイルに誘起される電圧を整流平滑化して、制御IC22用の電源電圧Vccを生成する。
【0025】
整流平滑回路25はトランス24の二次コイルに誘起された電圧を整流平滑化してDC24Vを生成する。
【0026】
電圧検出回路26は、フォトカプラPC1を含み、スイッチング電源20のDC24V出力の検出レベルに応じて、フォトカプラPC1の発光ダイオードLED1を発光させる。フォトカプラPC1は、制御IC22のフィードバックポートFBに接続されたフォトトランジスタPT1を含む。そのため、発光ダイオードLED1の光信号はフォトトランジスタPT1にて電気信号に戻され、DC24V出力の検出値が制御IC22のフィードバックポートFBにフィードバックされる。
【0027】
DC−DCコンバータ27は、DC24VをDC5Vに変換して出力し、DC−DCコンバータ28は、DC24VをDC3.3Vに変換して出力する。
【0028】
制御IC22は、制御入力ポートENに入力される制御パルス信号Scpに応じてトランジスタQ1へのオン・オフ信号を制御し、トランス24の一次側の発振を制御する。通常モードにおいては、トランス24の一次側を発振させて、各DC電圧を生成し、省電力モードにおいては、トランジスタQ1へのオン・オフ信号の出力を停止して、トランス24の一次側の発振を停止させる。すなわち、省電力モードにおいては、スイッチング電源20からDC電圧は出力されない。なお、プリンタ1の省電力モードから通常モードへの復帰時には、制御装置50から制御パルス信号Scpが制御入力ポートENに入力され、制御パルス信号Scpに応じてトランス24の一次側の発振が開始され、各DC電圧がスイッチング電源20から出力される。すなわち、プリンタ1の通常モードにおいてスイッチング電源20は出力モードとされ、プリンタ1の省電力モードにおいてスイッチング電源20は出力停止モードとされる。なお、入力ポートVHには、スイッチング電源20の始動時に電源電圧が供給される。
【0029】
次に、電源システム100の制御装置50の構成について説明する。制御装置50は、ASIC(特定用途向けIC)51とスイッチング電源制御部52とを含む。ASIC51は、プリンタ1の印刷部2を制御するメインブロックB1と、主にプリンタ1のモード制御を行うモード制御ブロックB2とから構成されている。なお、モード制御の一部はメインブロックB1で行うようにしてもよい。また、メインブロックB1およびモード制御ブロックB2は、ASIC51で構成されることに限られない。例えば、メインCPUとサブCPUによって構成されてもよい。
【0030】
メインブロックB1の電源ポートP1は、スイッチング電源20のDC−DCコンバータ28からDC3.3Vを受け取る。なお、メインブロックB1は通常モード中に限り電力が供給されて動作状態となり、スイッチング電源20が出力停止モード、すなわち、省電力モードに移行すると、電力の供給が断たれて停止状態になる。
【0031】
また、メインブロックB1は、タイマ55、メモリ56を含み、後述するように、ゼロクロス検出回路34からポートP5に入力されるパルス信号Pzcに基づいて、交流電源ACの交流電圧Vacのゼロクロス点ZP(図3参照)を検出する。そして、メインブロックB1は、ゼロクロス点ZPに基づいてゼロクロス信号Szcを生成し(図3参照)、ゼロクロス信号Szcに基づいて、例えば、定着器2fの通電制御を行う。
【0032】
タイマ55は、ゼロクロス点ZPを検出する際の時間計測に利用される。メモリ56は、ROMおよびRAMを含む。ROMには、ASIC51が実行する各種プログラムが格納され、RAMにはプログラムが実行される際の各種データが格納される。
【0033】
一方、モード制御ブロックB2の電源ポートP2は、小容量電源回路30のDC−DCコンバータ33に接続されており、通常モードおよび省電力モードにおいて小容量電源回路30から電力供給される。モード制御ブロックB2は、プリンタ1のモード切り換えに応じて、スイッチング電源20を、出力モードと、スイッチング電源20の発振を停止させる出力停止モードとに切り換え制御する。
【0034】
すなわち、モード制御ブロックB2は、制御IC22に対して制御パルス信号Scpを出力することにより、スイッチング電源20を出力モードと出力停止モードとに切り換える。ここで、出力モードとは、トランス24の一次側を発振させて、スイッチング電源20を出力状態にするモードであり、通常モードに対応する。一方、出力停止モードは、トランス24の発振を停止させてスイッチング電源20の出力を停止させるモードであり、省電力モードに対応する。このように、省電力モードにおいては、スイッチング電源20の出力が停止されるため、制御装置50には、すなわち、ASIC51のモード制御ブロックB2およびスイッチング電源動作制御部52には、小容量電源回路30から電力が供給される。
【0035】
スイッチング電源動作制御部52は、フォトカプラPC2の発光ダイオードLED2およびトランジスタQ2を含む。発光ダイオードLED2のアノードは、DC−DCコンバータ33からの直流+3.3V(以下、DC3.3VBと記す)の電源ラインに接続されている。
【0036】
発光ダイオードLED2は、スイッチング電源20の制御IC22の制御入力ポートENに接続されたフォトトランジスタPT2と共に、フォトカプラPC2を構成している。そのため、モード制御ブロックB2の制御ポートP3からトランジスタQ2のベースに制御パルス信号Scpが出力されると、制御パルス信号Scpは、フォトカプラPC2を介して光伝送され、制御IC22の制御入力ポートENに入力される。
【0037】
このように、制御装置50は、詳しくは、ASIC51のモード制御ブロックB2は、省電力モードから通常モードへ切り換える場合、小容量電源回路30から供給される電力によって、スイッチング電源20の発振を再開させる制御パルス信号Scpを生成し、制御パルス信号Scpをスイッチング電源20に送出する。そのため、省電力モードから通常モードへの切り換えを、省電力モード時に蓄えられた電力を利用して好適に行える。
また、ユーザは、スイッチS1によって、モード制御ブロックB2にモードの切り換えを指示することができる。
【0038】
なお、モード制御ブロックB2のポートP4からは、スイッチング電源20のDC−DCコンバータ28の動作をオン・オフ制御する制御信号Sconが出力される。そして、例えば、通常モードにおいても、小容量電源回路30から供給されるDC3.3VBの電力で事足りる場合には、AISC51は、制御信号Sconによってスイッチング電源20のDC−DCコンバータ28の動作を停止させる。
【0039】
3.小容量電源回路の構成
次に、小容量電源回路30について説明する。小容量電源回路30は省電力モードおよび通常モードにおいて制御装置50に電力を供給する。詳しくは、小容量電源回路30は、各モードにおいて、制御装置50のモード制御ブロックB2およびスイッチング電源動作制御部52に電力を供給する。通常モードにおいては、小容量電源回路30は、交流電圧Vacの大きさに応じて、交流電源ACから制御装置50に電力を供給したり、ダイオードD5を介してスイッチング電源20のDC5Vから電力を供給したりする。省電力モードにおいては、小容量電源回路30は、平滑コンデンサC3から制御装置50に電力を供給する。また、通常モードにおいて交流電源ACのゼロクロス点を検出するための構成を含む。
【0040】
小容量電源回路30は、第1コンデンサC1、第2コンデンサC2、整流回路31、ツェナーダイオードZD1、平滑コンデンサC3、DC−DCコンバータ33、ゼロクロス検出用パルス生成回路34および蓄電用コンデンサC4を含む。
【0041】
第1コンデンサC1は、第1電極C1p1および第2電極C1p2を有し、第1電極C1p1が交流電源ACの一端に接続され、第2電極C1p2が整流回路31に接続される。また、第2コンデンサC2は、第1電極C2p1および第2電極C2p2を有し、第1電極C2p1が交流電源ACの他端に接続され、第2電極C2p2が整流回路31に接続される。
【0042】
整流回路31は、第1コンデンサC1の第2電極C1p2と第2コンデンサC2の第2電極との間に電気的に接続され、両コンデンサC1、C2に印加される交流電圧Vacを整流する。実施形態1では、整流回路31は、4個のダイオードD1,D2,D3,D4からなるブリッジ回路によって構成される。ダイオードD1およびダイオードD2のカソードは第1接続点Nd1において接続され、ダイオードD1のアノードは第1コンデンサC1の第2電極C1p2に接続され、ダイオードD2のアノードは第2コンデンサC2の第2電極C2p2に接続される。
【0043】
また、ダイオードD3およびダイオードD4のアノードは第2接続点Nd2において接続され、ダイオードD3のカソードは第1コンデンサC1の第2電極C1p2に接続され、ダイオードD4のカソードは第2コンデンサC2の第2電極C2p2に接続される。第2接続点Nd2は基準電位配線Lgdに接続される。なお、実施形態1では、電源システム100はフレーム接地されており、それにより基準電位配線Lgdも接地され、基準電位配線Lgdの電位は0Vである。
【0044】
平滑コンデンサC3は、整流回路31に接続され、整流された交流電圧を平滑して平滑電圧Vchを生成する。平滑コンデンサC3は、ダイオードD5を介してスイッチング電源20のDC5Vの出力端(第2出力端子)OUT2に電気的に接続される。そのため、プリンタ1の電源投入時には、スイッチング電源20のDC5Vによって平滑コンデンサC3および蓄電用コンデンサC4に短時間で充電が可能となる。
【0045】
ダイオードD5は平滑コンデンサC3からDC−DCコンバータ27側への逆流を防止するものである。また、ツェナーダイオードZD1は、交流電源ACの交流電圧Vacが上昇した場合に、平滑電圧Vchの上昇を抑制するためのものである。
【0046】
DC−DCコンバータ33は、平滑電圧VchをDC3.3VBに変換する。DC3.3VBは、スイッチング電源動作制御部40およびモード制御ブロックB2の電源ポートP2に供給される。すなわち、モード制御ブロックB2の電力は、小容量電源回路30から供給される。
【0047】
蓄電用コンデンサC4は、DC−DCコンバータ33からのDC3.3VBによって充電される。充電電力は、省電力モードから通常モードに切り換わる際に、フォトカプラPC2のLED2の駆動電流に使用される。また、平滑コンデンサC3および蓄電用コンデンサC4の容量を適宜に選定することによって、省電力モードにおいて、所定電圧の必要に応じた電力量を蓄電することができる。実施形態1では、フォトカプラPC2の発光ダイオードLED2を確実に駆動させる電力量を蓄電することができる平滑コンデンサC3および蓄電用コンデンサC4が用いられる。そのため、スイッチング電源20を確実に再起動させることができる。
【0048】
ゼロクロス検出用パルス生成回路(以下、単に、「パルス生成回路」と記す)34は、整流回路31の後段の電流経路IPに接続され、電流経路IPに流れる整流電流Ircに基づいて交流電源ACのゼロクロス点ZP、すなわちゼロクロスタイミングを検出する。詳しくは、パルス生成回路34は、ゼロクロス点ZPに対応したゼロクロス検出用パルス信号(以下、単に、「パルス信号」と記す)Pzcを生成し、パルス信号Pzcに基づいて、ASIC51のメインブロックB1が最終的にゼロクロス点ZPを検出する。したがって、ゼロクロス検出用パルス生成回路34およびメインブロックB1が、「ゼロクロス検出回路」に相当する。
【0049】
パルス生成回路34は、図2に示されるように、抵抗R1、抵抗R2、ダイオードD6、およびNPNトランジスタ(以下、単に「トランジスタ」と記す)Q3を含む。
【0050】
電流経路IPは、整流回路31の第1接続点Nd1から平滑コンデンサC3および抵抗R1を介して基準電位線Lgdに至る経路であり、整流電流Ircが流れる。言い換えれば、電流経路IPは、交流電源ACから出力される交流電流Iacが交流電源ACに戻る際に、交流電流Iacが経由する経路となっている。
【0051】
トランジスタQ3は、整流電流Ircが電流経路IPに流れることによって生成されるベース電流によってスイッチング動作するスイッチングトランジスタとして動作する。すなわち、トランジスタQ3は、整流電流Ircをパルス信号Pzcに変換する。
【0052】
詳しくは、トランジスタQ3のコレクタは抵抗R2の一端に接続され、ベースが電流経路IPに接続され、エミッタは基準電位線Lgdに接続される。抵抗R2はプルアップ抵抗であり、その他端はDC−DCコンバータ28のOUT3のDC3.3Vに接続されている。
【0053】
トランジスタQ3はベースに供給されるベース電流に応じてオン・オフされる。また、パルス信号Pzcは、トランジスタQ3のコレクタから出力され、トランジスタQ3がオン時にはゼロVとなり、トランジスタQ3がオフ時に3.3Vとなる。ASIC51は、パルス信号Pzcのパルス周期Tpを検出し、パルス周期Tpを用いて交流電源ACの交流電圧Vacのゼロクロス点ZPを検出する(図3参照)。
【0054】
なお、トランジスタQ3は、NPNトランジスタに限られない。また、パルス信号Pzcを生成する構成は、必ずしもトランジスタQ3および抵抗R2の構成に限られない。例えば、トランジスタQ3はFETであってもよい。その際、整流電流Ircをゲート電圧に変換する電流−電圧変換回路を設ければよい。電流−電圧変換回路として、例えば、ボルテージフォロアのオペアンプが使用できる。
【0055】
4.ゼロクロス点の検出方法
次に、図3を参照して、ゼロクロス点の検出方法を説明する。なお、図3には、交流電源ACの周波数=50Hz、交流電圧Vac=240V(実効値)、コンデンサC1,C2の容量=3300pF(ピコファラッド)、ダイオードD1〜D4の順電圧降下=0.6V、負荷電流=50μA、ツェナーダイオードZD1のツェナー電圧=8.2V、抵抗R1の抵抗値=15kΩ、および抵抗R2の抵抗値=10kΩとした場合の波形が示される。
【0056】
図3に示されるように、交流電圧Vacの増加に伴って、整流電流Irc(平滑コンデンサC3に流れる電流)とツェナーダイオードZD1との合計電流である経路電流Iipが増加する。図3の時刻t1において、経路電流Iipによって抵抗R1の電圧降下、すなわちトランジスタQ3のベース−エミッタ間電圧がトランジスタQ3のオン電圧を超えると、トランジスタQ3がオンされ、パルス信号Pzcは0Vとなる。時刻t1以後、交流電圧Vacの変化に伴って、経路電流Iipがさらに上昇する。その後、経路電流Iipが下降して、時刻t2において抵抗R1の電圧降下がトランジスタQ3のオン電圧以下となると、トランジスタQ3がオフされ、パルス信号Pzcは、ほぼ3.3Vとなる。
【0057】
ASIC51のタイマ55は、図3の時刻t1においてパルス信号Pzcが0Vになると、パルス信号Pzcが0Vである期間K1(時刻t1〜時刻t2)の計測を開始する。
【0058】
また、タイマ55は、図3の時刻t2においてパルス信号Pzcが3.3Vになると、パルス信号Pzcが3.3Vである期間K2(時刻t2〜時刻t3)の計測を開始する。ここで、期間K1+期間K2、すなわち、時刻t1〜時刻t3はパルス信号Pzcのパルス周期Tpに相当し、タイマ55は、パルス信号Pzcのパルス周期Tpを検出する。そして、ASIC51は、パルス信号Pzcのパルス周期Tpに基づいてゼロクロス点ZP1を検出する。なお、実施形態1のパルス周期Tpは20ms(ミリ秒)となり、交流電圧Vacの周期と等しい。
【0059】
パルス周期Tpが、Tp=K1+K2の場合、ASIC51は、図3に示されるゼロクロス点ZP1の時刻t4を、
t4=t3+(K1/2) ……式1
として算出する。
【0060】
また、ASIC51は、図3に示されるゼロクロス点ZP2の時刻t6を、
t6=t5+(K2/2) ……式2
として算出する。
【0061】
ここで、図3の時刻t1およびt3は、パルス信号Pzcの立ち下がりタイミングであり、図3の時刻t2およびt5は、パルス信号Pzcの立ち上がりタイミングである。そのため、言いかえれば、ASIC51は、パルス信号Pzcの立ち上がりタイミングおよび立ち下がりタイミングに基づいて、ゼロクロス点ZPを検出する。
【0062】
以下、同様にして、ゼロクロス点ZP3〜ZP6の時刻t7〜t10を算出する。そして、ASIC51は、例えば、ゼロクロス点ZP1〜ZP6の時刻t4、t6〜t10において立ち上がるゼロクロス信号Szcを生成し、ゼロクロス信号Szcに基づいて、例えば、定着器2fの通電制御を行う。
【0063】
5.実施形態1の効果
ゼロクロス検出回路を構成するパルス生成回路34は、省電力モードに利用される小容量電源回路30に設けられ、小容量電源回路30の整流電流Ircを利用してゼロクロス検出が行われる。小容量電源回路30の整流電流Ircは、スイッチング電源20の整流電流と比べてはるかに小さい。そのため、小容量電源回路30に流れる整流電流Ircを利用してゼロクロス検出を行うことによって、より省電力化の可能な、ゼロクロス点の検知を行える。ちなみに、実施形態1のゼロクロス検出での消費電力量は、約80μWであり、従来のフォトカプラを用いたゼロクロス検出に比べてはるかに小さい。
【0064】
また、パルス生成回路34(ゼロクロス検出回路の一例)は、平滑コンデンサC3と基準電位配線Lgdとを結ぶ電流経路IPに接続される。このような電流経路IPは所定の平滑電圧Vchを生成するために、必要なものである。そのため、ゼロクロス検出のために、新たにゼロクロス検出のための専用の電流経路を設けることなく、元々必要な経路を利用できる。
【0065】
<実施形態2>
次に、図4を参照して電源システム100の実施形態2を説明する。図4は、実施形態2における小容量電源回路30Aの構成を示す。なお、実施形態1の電源システム100とは、小容量電源回路においてパルス生成回路34が設けられる電流経路のみが異なる。そのため、その相違点を説明し、同一構成についてはその説明を省略する。
【0066】
実施形態2においては、パルス生成回路34(ゼロクロス検出回路の一例)は、整流電流Ircを分流させる専用電流経路IPsに接続される。詳しくは、図4に示されるように、専用電流経路IPsは、直列接続された二個の分圧抵抗R1,R3によって構成されるとともに、整流回路31と平滑コンデンサC3との間において、平滑コンデンサC3と並列接続される。そして、パルス生成回路34は二個の分圧抵抗R1,R3の間に接続される。具体的には、パルス生成回路34のトランジスタQ3のベースが二個の分圧抵抗R1,R3の間に接続される。そして、整流電流Ircの分流Irc1によってトランジスタQ3がオン・オフされ、実施形態1と同等に、ゼロクロス検出が行われる。
【0067】
この構成では、ゼロクロスを検出するためのパルス生成回路34と、平滑回路35とが、ダイオードD7によって分離され、半波整流されたVchaの電圧によりゼロクロスを検出し、その後、平滑化された電圧Vchbとなる。すなわち、実施形態1と比べ、平滑化された電圧が安定するため、DC−DCコンバータ33で生成される+3.3VBが、より安定する。
【0068】
<実施形態3>
次に、図5を参照して電源システム100の実施形態3を説明する。図5は、実施形態3における小容量電源回路30Bの構成を示す。なお、実施形態1の電源システム100とは、実施形態2と同様に、小容量電源回路においてパルス生成回路34が設けられる電流経路のみが異なる。そのため、その相違点を説明し、同一構成についてはその説明を省略する。
【0069】
実施形態3においては、実施形態2と同様に、パルス生成回路34(ゼロクロス検出回路の一例)は専用電流経路IPsに接続される。詳しくは、図5に示されるように、整流回路31と平滑コンデンサC3との間に抵抗R4が接続される。そして、専用電流経路IPsは、抵抗R4の電圧降下によってオン・オフされるトランジスタQ4(スイッチ回路の一例)と、トランジスタQ4と基準電位配線Lgdとの間に接続された二個の分圧抵抗R1,R3によって構成される。そして、パルス生成回路34は二個の分圧抵抗R1,R3の間に接続される。具体的には、パルス生成回路34のトランジスタQ3のベースが二個の分圧抵抗R1,R3の間に接続される。
【0070】
この構成では、整流電流Ircが所定電流以上(抵抗R4の電圧降下が所定以上)のときにのみ、トランジスタQ4がオンされて、整流電流Ircの分流Irc2に基づいてゼロクロス検出が行われる。このように、整流電流Ircの電流量が所定量、確保される場合にのみゼロクロス検出が行われるため、ゼロクロス検出の信頼性が向上する。
【0071】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
【0072】
(1)実施形態1において、ツェナーダイオードZD1および平滑コンデンサC3を設ける例を示したがこれに限られず、ツェナーダイオードZD1および平滑コンデンサC3のいずれか一方を設けるようにしてもよい。この場合であっても、ゼロクロス検出回路34は、電流経路IPに流れる整流電流Ircに基づいて交流電源のゼロクロス点を検出することができる。
また、平滑コンデンサC3が設けられる場合、抵抗R1およびダイオードD6の少なくとも一方が設けられればよい。
【0073】
(2)実施形態2および実施形態3において、DC−DCコンバータ33および蓄電用コンデンサC4が設けられる場合、ツェナーダイオードZD1および平滑コンデンサC3は省略されてもよい。
【0074】
(3)上記各実施形態において、制御装置50、詳しくは、ASIC51のメインブロックB1は、パルス信号(ゼロクロスパルスに相当)Pzcが検出されない場合、交流電源ACの電圧Vacが低下した、あるいは交流電源ACが不意にオフされたと判断し、電源異常信号を生成するようにしてもよい。これは、パルス信号Pzcが検出されない場合には、交流電源ACの電圧低下、あるいは交流電源ACがオフされたことを検出できることによる。この場合、電源異常が発生した場合、好適に対処できる。
【0075】
(4)上記各実施形態において、制御装置50、詳しくは、ASIC51のメインブロックB1は、ゼロクロス信号(ゼロクロスパルスに相当)Pzcの期間K1(パルス幅に相当)が所定期間より短い場合、矩形波の交流電源ACが入力されたと判断し、矩形波電源異常信号を生成するようにしてもよい。
【0076】
これは、交流電源ACの波形が矩形波の場合、パルス信号Pzcの期間K1が非常に短くなる。そのため、期間K1を、矩形波を検出するための所定時間と比較し、期間K1が所定時間より短い場合、交流電源ACが矩形波であることを検出できることによる。すなわち、パルス信号Pzcの期間K1に基づいて、ゼロクロス点ZPを検出できるとともに、交流電源ACの波形異常を検出することができる。そのため、矩形波の交流電源ACが入力された場合、好適に対処できる。
【0077】
(5)上記各実施形態において、平滑コンデンサC3を、ダイオードD5を介してスイッチング電源20のDC5V出力(OUT2)に接続する構成は、必ずしも必要な構成ではなく、省略されてもよい。すなわち、平滑コンデンサC3はスイッチング電源20の第2出力端子OUT2に接続されなくてもよい。
【0078】
(6)上記各実施形態において、定電圧回路であるツェナーダイオードZD1は、必ずしも必要な構成ではなく、省略されてもよい。また、DC−DCコンバータ33および蓄電用コンデンサC4は、必ずしも必要な構成ではなく、省略されてもよい。その際、フォトカプラPC2のLED2の駆動電流は、平滑コンデンサC3から供給されることとなる。
【0079】
(7)上記各実施形態において、整流回路31の構成は、図2等に示される4個のダイオードD1〜D4によって構成されるものに限定されない。例えば、図6に示される整流回路31Aのように、二個のダイオードD2およびD4によって構成されてもよい。
【0080】
(8)上記各実施形態においては、基準電位配線Lgdが接地されている例を示したがこれに限られず、本発明は、基準電位配線Lgdが接地されていない場合にも適用できる。
【0081】
(9)上記各実施形態において、本明細書によって開示される電源システム100を画像形成装置に適用した例を示すが、これに限られない。電源システム100は、通常モードと省電力モードとを有するあらゆる装置に適用できる。
【符号の説明】
【0082】
1…プリンタ、20…スイッチング電源、30…小容量電源回路、31…整流回路、34…ゼロクロス検出用パルス生成回路、50…制御装置、100…電源システム、C1…第1コンデンサ、C2…第2コンデンサ、C3…平滑コンデンサ、IP…電流経路、IPs…専用電流経路、Irc…整流電流。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
交流電源の交流電圧を整流平滑化し、発振を行う通常モードにおいて所定の直流電圧を生成するスイッチング電源と、
前記スイッチング電源を、前記通常モードと、前記スイッチング電源の発振を停止させる省電力モードとに切り換え制御する制御装置と、
前記省電力モードにおいて前記制御装置に電力を供給する小容量電源回路であって、
第1電極および第2電極を有し、当該第1電極が前記交流電源の一端に接続される第1コンデンサと、
第1電極および第2電極を有し、当該第1電極が前記交流電源の他端に接続される第2コンデンサと、
前記第1コンデンサの前記第2電極と前記第2コンデンサの前記第2電極との間に電気的に接続され、両コンデンサに印加される交流電圧を整流する整流回路とを含む小容量電源回路とを備え、
前記小容量電源回路は、前記整流回路の後段の電流経路に接続され、前記電流経路に流れる整流電流に基づいて前記交流電源のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路を含む、電源システム。
【請求項2】
請求項1に記載の電源システムにおいて、
前記ゼロクロス検出回路は、前記平滑コンデンサと基準電位配線とを結ぶ電流経路に接続される、電源システム。
【請求項3】
請求項1に記載の電源システムにおいて、
前記整流回路に接続される専用電流経路をさらに備え、
前記ゼロクロス検出回路は前記専用電流経路に接続される、電源システム。
【請求項4】
請求項3に記載の電源システムにおいて、
前記専用電流経路は、直列接続された二個の分圧抵抗によって構成されるとともに、前記整流回路と前記平滑コンデンサとの間において、前記平滑コンデンサと並列接続され、
前記ゼロクロス検出回路は前記二個の分圧抵抗の間に接続される、電源システム。
【請求項5】
請求項3に記載の電源システムにおいて、
前記整流回路と前記平滑コンデンサとの間に接続される抵抗をさらに備え、
前記専用電流経路は、前記抵抗の電圧降下によってオン・オフされるスイッチ回路と、前記スイッチ回路と基準電位配線との間に接続された二個の分圧抵抗によって構成され、
前記ゼロクロス検出回路は前記二個の分圧抵抗の間に接続される、電源システム。
【請求項6】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電源システムにおいて、
前記ゼロクロス検出回路は、ゼロクロス点に対応したゼロクロスパルスを検出し、前記ゼロクロスパルスに基づいて前記ゼロクロス点を検出し、
前記制御装置は、前記ゼロクロスパルスが検出されない場合、前記交流電源の電圧が低下した、あるいは前記交流電源が不意にオフされたと判断し、電源異常信号を生成する、電源システム。
【請求項7】
請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の電源システムにおいて、
前記ゼロクロス検出回路は、ゼロクロス点に対応したゼロクロスパルスを検出し、前記ゼロクロスパルスに基づいて前記ゼロクロス点を検出し、
前記制御装置は、前記ゼロクロスパルスのパルス幅が所定パルス幅より短い場合、矩形波の交流電源が入力されたと判断し、矩形波電源異常信号を生成する、電源システム。
【請求項8】
通常モードと省電力モードとを有する画像形成装置であって、
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の電源システムを備える画像形成装置。
【請求項9】
第1電極および第2電極を有し、当該第1電極が交流電源の一端に接続される第1コンデンサと、
第1電極および第2電極を有し、当該第1電極が前記交流電源の他端に接続される第2コンデンサと、
前記第1コンデンサの前記第2電極と前記第2コンデンサの前記第2電極との間に電気的に接続され、両コンデンサに印加される交流電圧を整流する整流回路と、
前記整流回路の後段の電流経路に接続され、前記電流経路に流れる整流電流に基づいて前記交流電源のゼロクロス点を検出するゼロクロス検出回路と、
を備えた小容量電源回路。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2013−96902(P2013−96902A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241367(P2011−241367)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】