説明

電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置およびその方法

【課題】 電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置およびその方法に関し、より詳しくは、携帯用装置の電源状態に基づいてブロック回収の動作を調節することによって、携帯用装置の電力消耗を減らすことができる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置およびその方法を提供する。
【解決手段】 電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置は、所定のデータが格納される不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに割り当てられた物理ブロックを携帯用装置の電源状態に基づいて回収する電源管理部とを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置およびその方法に関するものであって、より詳しくは、携帯用装置の電源状態に基づいてブロック回収の動作を調節することによって、携帯用装置の電力消耗を減らすことができる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置およびその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、フラッシュメモリは、一度書き込まれた(ライト)ページに他のデータを上書きすることができず、必ずブロック単位の削除(イレーズ)をした後に新しいデータを記録することができる。ここで、フラッシュメモリは、電源が遮断された場合にもデータが消えない代表的な不揮発性メモリをいう。
【0003】
さらに、すでにページに記録されたデータを変更する時は、新しいデータを他のページに記録し、以前のデータは有効でない領域として管理する。これに、ブロック回収(ガーベージブロックコレクション)過程が求められる。
【0004】
図1は、従来のフラッシュメモリにおいてブロック回収を行う動作を示す図面である。
【0005】
図に示すように、ブロック回収は、特定ブロック内の有効なページのみを他のブロックにコピーしておいて、該当ブロックは削除することによって再び使用できるようにする。
【0006】
これに、ブロック回収の過程が行われるためには書き込みと削除という過程が必然的に求められる。しかし、前記のようなブロック回収の過程は時間が長くかかるだけでなく、下記(表1)に示すように電力も多く消耗するようになる。
【0007】
【表1】

さらに、フラッシュメモリが無線端末機のようなバッテリで動作する移動用システムにおいて用いられる場合、ブロック回収過程実行時のバッテリの使用可能時間に大きい影響を及ぼす。
【0008】
従来のブロック回収システムは、フラッシュメモリを自由ブロック(フリーブロック)と割当ブロック(アロケーテッドブロック)とに区分し、自由ブロックと割当ブロックとを管理する自由ブロックリストと割当ブロックリストとを含む。
【0009】
さらに、ブロック回収システムは、割当ブロックリスト内で割当ブロックを探し出して削除した後、自由ブロックリストに送るブロック回収部および所定ブロックを割り当ててブロック回収部にブロック回収を要請するブロック割当部(ブロックアロケータ)を含む。
【0010】
例えば、初期に用いられないすべてのブロックは自由ブロックリストに入り、フラッシュメモリでデータを用いるために新しいブロックが必要であれば、ブロック割当部が自由ブロックリストに新しいブロックを要請する。これに、自由ブロックリストは自由ブロックのうち1つを割り当てる。ここで、割り当てられたブロックは割当ブロックリストに追加される。
【0011】
この後、ブロック割当部は、自由ブロックリストに自由ブロックがない場合、および、新しく格納すべきデータに比べて空いている自由ブロックが足りない場合にブロック回収部にブロック回収を要請する。
【0012】
これに、ブロック回収部は割当ブロックリスト内で割当ブロックを探し出して削除した後、自由ブロックリストに伝送する。ここで、ブロック回収部は、外部から要請のない場合にもタイマを用いて特定時間周期や、または、システム休止検出部を用いてシステムが休止状態にある時にブロック回収過程を実行することもできる。
【0013】
しかし、ブロック回収部は割当ブロックリストからすべての割当ブロックを探したり、ブロック回収動作の時間を減らしたりするために、所定数の割当ブロックのみを探して自由ブロックリストに送る。即ち、ブロック回収部が割当ブロックを削除する数は、無線端末機の電源状態とは全く関係がない。
【0014】
従って、無線端末機のバッテリ電力が不足する時にブロック回収を行う場合、バッテリの電力をより一層減少させるという問題点がある。
【0015】
特許文献1は、移動通信端末機においてフラッシュメモリに対するゴミデータの収集がなされたり、必要とする時に端末機をしばらく低電力モードに切り替えることによって外部からのインターラプトを防止し、円滑なゴミデータの収集が行われるようにすることによって、端末機が安定して動作するようにする移動通信端末機のゴミデータの収集方法を開示しているが、これは無線端末機の電源状態に基づいてブロック回収を行う技術について全く言及していない。
【特許文献1】韓国特許公開第2004−0104203号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
本発明は、携帯用装置の電源状態に基づいてブロック回収の際、ブロック回収のコストおよび動作周期を調節することによって、携帯用装置の電力をより効率的に消費することができるようにすることにその目的がある。
【0017】
本発明の目的は、以上で言及した目的に制限されず、言及されていないまた他の目的は下記から当業者に明確に理解できる。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置は、所定のデータを格納する不揮発性メモリと、前記不揮発性メモリに割り当てられた物理ブロックを携帯用装置の電源状態に基づいて回収する電源管理部とを含む。
【0019】
さらに、本発明の他の態様に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法は、不揮発性メモリ内の自由ブロックの数をチェックするステップと、前記チェックの結果、自由ブロックの数が第1閾値より小さい場合に携帯用装置の電源状態をチェックするステップと、前記チェックの結果、電源が十分な場合にブロック回収のコストが大きい物理ブロックまで回収するステップと、前記チェックの結果、電源が十分でない場合にブロック回収のコストが小さい物理ブロックを回収するステップとを含む。
【0020】
さらに、本発明のまた他の態様に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法は、不揮発性メモリ内の自由ブロックの数をチェックするステップと、前記チェックの結果、自由ブロックの数が第1閾値よりも小さい場合に携帯用装置の電源状態をチェックするステップと、前記チェックの結果、電源が十分な場合にブロック回収の周期を第2閾値より短く設定するステップと、前記チェックの結果、電源が十分でない場合にブロック回収の周期を第2閾値より長く設定するステップと、前記設定されたブロック回収の周期に基づいて割り当てられた物理ブロックを回収するステップとを含む。
【発明の効果】
【0021】
本発明の電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置およびその方法によれば、次のような効果が1つあるいはそれ以上ある。
【0022】
不揮発性メモリのブロック回収の際、携帯用装置の電源状態に基づいてブロック回収のコストおよび動作周期を調節して割り当てられたブロックを回収することによって、携帯用装置の電力をより効率的に用いることができる長所がある。
【0023】
さらに、携帯用装置の電源状態に基づいてブロック回収を行うことにより、ブロック回収による携帯用装置の電力消耗を減らすことができる長所がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
その他、実施例の具体的な事項は、詳細な説明および図面に含まれている。
【0025】
本発明の利点および特徴、そしてそれらを達成する方法は、添付する図面と共に詳細に後述している実施形態を参照すれば明確になる。しかし、本発明は以下で開示する実施形態に限定されず、互いに異なる多様な形態によって実現することができ、単に本実施形態は本発明の開示を完全なものとし、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者に発明の範疇を完全に知らせるために提供しているものであって、本発明は請求項の範疇によってのみ定義されるものである。明細書全体に亘って、同一参照符号は同一の構成要素を示す。
【0026】
以下、本発明の実施形態によって、電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置およびその方法を説明するためのブロック図、または、処理フローチャートに対する図面を参考にして、本発明について説明する。この時、処理フローチャートの各ブロックとフローチャートの組合は、コンピュータプログラムインストラクションによって行われる可能性があることを理解できる。これらコンピュータプログラムインストラクションは、汎用コンピュータ、特殊用コンピュータ、または、その他のプログラム可能なデータプロセシング装備のプロセッサに搭載することができるため、コンピュータ、または、その他のプログラム可能なデータプロセシング装備のプロセッサを介して行われるそのインストラクションがフローチャートのブロックにおいて説明された機能を行う手段を生成するようになる。これらコンピュータプログラムインストラクションは、特定方式によって機能を実現するためにコンピュータ、または、その他のプログラム可能なデータプロセシング装備を指向できるコンピュータ利用可能、または、コンピュータ読取可能なメモリに格納されることも可能であるため、そのコンピュータ利用可能、または、コンピュータ読取可能なメモリに格納されたインストラクションは、フローチャートのブロックにおいて説明された機能を行うインストラクション手段を含む製造品目を生産することも可能である。コンピュータプログラムインストラクションはコンピュータ、または、その他のプログラム可能なデータプロセシング装備上に搭載されることも可能であるため、コンピュータ、または、その他のプログラム可能なデータプロセシング装備上で一連の動作段階が行われてコンピュータで実行されるプロセスを生成し、コンピュータ、または、その他のプログラム可能なデータプロセシング装備を行うインストラクションはフローチャートのブロックにおいて説明された機能を実行するための段階を提供することも可能である。
【0027】
さらに、各ブロックは、特定された論理的機能を実行するための1つ以上の実行可能なインストラクションを含むモジュール、セグメント、または、コードの一部を示すことができる。さらに、いくつかの代替実行例では、ブロックにおいて言及された機能が順序から外れて発生する可能性を注目しなければならない。例えば、続けて図に示されている2つのブロックは、実質的に同時に行われることも可能であり、または、そのブロックが時々該当する機能によって逆順で行われることも可能である。
【0028】
図2は、本発明の一実施形態に係わる電源状態によって不揮発性メモリのブロック回収を行う装置の内部ブロック図を示す図面である。
【0029】
図に示すように、電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置は、ホスト100、電源管理部200、および、不揮発性メモリ(即ち、フラッシュメモリ)300を含んで構成される。ここで、電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置は、ユーザが移動しながら所定機能および情報を用いることができる携帯用装置に装着され、携帯用装置は例えば携帯電話、PDA、および、SSD(ソリッドステートディスク)などをいう。
【0030】
この時、本実施形態で用いられる「〜部」という用語は、ソフトウェア、または、FPGA、または、ASICのようなハードウェア構成要素を意味し、「〜部」は何かの役割を行う。ところが「〜部」はソフトウェア、または、ハードウェアに限定される意味ではない。「〜部」はアドレッシングできる格納媒体にあるように構成することもでき、1つ、あるいは、それ以上のプロセッサを再生させるように構成することもできる。従って、一例として「〜部」はソフトウェア構成要素、オブジェクト指向ソフトウェア構成要素、クラス構成要素、および、タスク構成要素のような構成要素と、プロセス、関数、属性、プロシージャ、サブルーチン、プログラムコードのセグメント、ドライバ、ファームウェア、マイクロコード、回路、データ、データベース、データ構造、テーブル、アレイ、および、変数を含む。構成要素と「〜部」との中で提供されている機能は、さらに小さい数の構成要素および「〜部」によって結合されたり、追加的な構成要素と「〜部」にさらに分離したりすることができる。それだけでなく、構成要素および「〜部」は、デバイスまたは保安マルチメディアカード内の1つ、または、それ以上のCPUを再生させるように実現することもできる。
【0031】
ホスト100は、ユーザの命令に応じて不揮発性媒体300とお互いにデータを送受信する。
【0032】
電源管理部200は、携帯用装置の電源状態に基づいてブロック回収を行うものであって、携帯用装置の電源が十分な状態にあるか、または、十分でない状態にあるかを判断し、判断の結果に応じてブロック回収の際、ブロック回収のコストおよび動作周期を相異するように行う。ここで、電源管理部200は、ブロック割当部210、ブロック回収部220、電源状態チェック部230、リスト格納部240を含んで構成される。
【0033】
ブロック割当部210は、不揮発性メモリ300に物理ブロックを割り当てる。
【0034】
即ち、ブロック割当部210は、リスト格納部240に格納された自由ブロックリストにより不揮発性メモリ300に物理ブロックを割り当てることができる。ここで、自由ブロックリストは、データが存在していない空き物理ブロックを含む。
【0035】
ブロック回収部220は、不揮発性メモリ300に割り当てられた物理ブロックを回収するものであって、本発明におけるブロック回収部220は、物理ブロック回収の際に携帯用装置の電源状態に基づいて行う。
【0036】
即ち、ブロック回収部220は、携帯用装置の電力消耗を考慮して物理ブロックの回収を行うが、携帯用装置の電源が十分な場合にはブロック回収のコストが大きい物理ブロックまで回収し、またブロック回収の周期を短く設定してブロック回収作業を頻繁に行う。
【0037】
一方、携帯用装置の電源が十分でない場合には、ブロック回収のコストが小さい物理ブロックのみ回収し、またブロック回収の周期を長く設定して携帯用装置の電源が十分な場合よりブロック回収作業を少なく行う。以下、図3および図4でブロック回収のコストおよびブロック回収の周期に基づいてブロック回収を行う動作に対して説明する。
【0038】
さらに、ブロック回収部220は、不揮発性メモリ300から自由ブロックリストに自由ブロックの数が所定数以下であるか、非活性データが占める物理ブロックの数が所定数以上である場合にブロック回収を行う。ここで、ブロック回収部220は、使用頻度(ウェアレベル)を考慮してブロック回収を行う。
【0039】
例えば、不揮発性メモリ300ではデータのアップデートの際、既存のデータを修正せずに新しいデータを追加する方式を用いるため、新しいデータの追加時に非活性化データが占めるブロックの数が多くなる。よって、ブロック回収部220は、不揮発性データが位置するブロックを回収して新しいブロック割当時に用いることができるようにする。
【0040】
さらに、ブロック回収部220は、タイマ(図示せず)およびシステム休止状態検索部(図示せず)を介して、所定の周期およびシステム休止状態にある場合にブロック回収を行う。ここで、ブロック回収部220は、携帯用装置の電源状態に基づいて設定されたブロック回収の周期を変更してからブロック回収を行うこともできる。
【0041】
電源状態チェック部230は、携帯用装置の電源状態をチェックしてブロック回収部220に伝送する。ここで、電源状態は、携帯用装置のバッテリ供給電圧に基づいてチェックされた携帯用装置のバッテリ充電状態をいう。
【0042】
リスト格納部240は、不揮発性メモリ300に割り当てられた物理ブロックに対する割当ブロックリストおよび空き物理ブロックに対する自由ブロックリストを格納する。
【0043】
不揮発性メモリ300は、所定のデータが格納される領域であって、電源が遮断された場合にも格納されたデータが消えない。ここで、不揮発性メモリはフラッシュメモリなどとして理解できる。
【0044】
図3aと図3bは、本発明の他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置において、ブロック回収のコストに基づいてブロック回収を行う例を示す図面である。
【0045】
携帯用装置の電源状態をチェックする電源状態チェック部230から携帯用装置の電源状態情報が伝送されれば、ブロック回収部220は図3aに示すテーブルに基づいてブロック回収を行う。
【0046】
伝送された携帯用装置のバッテリ充電状態がバッテリ充電中の場合、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値以上で保持するために、ブロック回収のコストが大きい物理ブロックまでブロック回収を行う。ここで、バッテリ充電中の場合にはブロック回収部220が回収することができる全ての割り当てられた物理ブロックを回収する。さらに、第1閾値は、所定のデータ記録時に必要な自由ブロックの数を設定した値であり、ブロック回収のコストが大きい物理ブロックとは、所定の物理ブロックに有効なページの数が多い物理ブロックをいう。
【0047】
即ち、割り当てられた物理ブロックには、有効なページと有効でないページが存在し、ブロック回収部220は有効なページは他の物理ブロックにコピーしてから削除し、有効でないページは直ちに削除する。この時、有効なページの多い物理ブロックである場合、有効なページの少ない物理ブロックより有効なページをコピーしてから削除する過程をさらに多く行わなければならないため、有効なページの少ない物理ブロックを回収する時よりもさらに大量の電源が消耗される。よって、有効なページの多い物理ブロックは、有効なページの少ない物理ブロックよりブロック回収のコストが大きい。
【0048】
従って、ブロック回収部220は、リスト格納部240に格納された割当ブロックリストから各物理ブロック内の有効なページの数を算出し、算出の結果、有効なページの最も多い物理ブロック(即ち、ブロック回収のコストが大きい物理ブロック)までブロック回収を行う。
【0049】
例えば、図3bに示すように、リスト格納部240に物理ブロックが7つ存在する場合、ブロック回収部220は物理ブロック1〜物理ブロック7の内の有効なページ数を算出する。
【0050】
算出の結果、物理ブロック1の有効なページは5つ、物理ブロック3の有効なページは9つ、物理ブロック6の有効なページは3つ、物理ブロック7の有効なページは1つであることを知ることができ、物理ブロック2、物理ブロック4および物理ブロック5の有効なページは0であって、即ち自由ブロックであることが分かる。
【0051】
よって、ブロック回収部220は、物理ブロック1、物理ブロック3、物理ブロック6および物理ブロック7についてブロック回収を行う。
【0052】
さらに、携帯用装置のバッテリが十分にある場合(即ち、バッテリ充電状態100)、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値以上で保持するために、ブロック回収のコストが大きくない物理ブロック(例えば、物理ブロック1、物理ブロック6および物理ブロック7)を回収する。ここで、バッテリが十分にある場合には、リスト格納部240内に割り当てられた物理ブロックのうち、ブロック回収のコストが最も大きい物理ブロック(例えば、物理ブロック3)を除いて割り当てられた物理ブロックを回収する。
【0053】
さらに、携帯用装置のバッテリが十分にない場合(即ち、バッテリ充電状態50)、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値で保持するために、ブロック回収のコストが大きくない物理ブロック(例えば、物理ブロック6および物理ブロック7)のみ回収する。
【0054】
さらに、携帯用装置のバッテリがかなり放電している場合(即ち、バッテリ充電状態20)、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値以下で保持するためにブロック回収のコストが小さい物理ブロック(例えば、物理ブロック7)のみ回収する。
【0055】
従って、携帯用装置のバッテリ状態により、ブロック回収を行うため携帯用装置の電力をより少なく消費することができる。
【0056】
図4aと図4bは、本発明の他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置においてブロック回収の周期を調整する例を示す図面である。
【0057】
携帯用装置の電源状態をチェックする電源状態チェック部230から携帯用装置の電源状態情報が伝送されれば、ブロック回収部220は図4aに示すテーブルに基づいてブロック回収を行う。
【0058】
携帯用装置のバッテリ充電状態のチェックの結果、バッテリ充電中の場合、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値以上で保持するために、ブロック回収の周期を第2閾値より短く設定してからブロック回収を行う。ここで、第1閾値は所定のデータ記録時に必要な自由ブロックの数を設定した値であり、第2閾値はブロック回収の周期を設定した値である。
【0059】
例えば、図4bに示すように、基本的に設定されたブロック回収の周期が1時間であり、携帯用装置のバッテリが充電中の場合、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値以上で保持するためにブロック回収の周期を30分に変更設定する。
【0060】
その次に、ブロック回収部220は変更設定されたブロック回収の周期(例えば、30分)によりブロック回収を行う。従って、ブロック回収が頻繁に行われることによって、自由ブロックを第1閾値以上で保持することができる。
【0061】
さらに、携帯用装置のバッテリが十分にある場合(即ち、バッテリ充電状態100)、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値以上で保持するために、ブロック回収の周期を第2閾値より短く設定(例えば、30分)してからブロック回収を行う。
【0062】
さらに、携帯用装置のバッテリが十分にない場合(即ち、バッテリ充電状態50)、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値で保持するために、ブロック回収の周期を第2閾値で設定(例えば、1時間)してからブロック回収を行う。
【0063】
さらに、携帯用装置のバッテリがかなり放電している場合(即ち、バッテリ充電状態20)、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値以下で保持するために、ブロック回収の周期を第2閾値より長く設定してからブロック回収を行う。
【0064】
例えば、図4bに示すように、基本的に設定されたブロック回収の周期が1時間であり、携帯用装置のバッテリがかなり放電している場合、ブロック回収部220は自由ブロックを、設定された第1閾値で保持するために、ブロック回収の周期を2時間に変更設定する。
【0065】
その次に、ブロック回収部220は、変更設定されたブロック回収の周期(例えば、2時間)によりブロック回収を行う。従って、ブロック回収が少なく行われることによって、自由ブロックを、設定された第1閾値以下で保持することができる。
【0066】
図5は、本発明のまた他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法のうち、電源状態に基づいてブロック回収のコストを参照しながらブロック回収を行う例を示すフローチャートである。
【0067】
まず、ブロック回収部220は、リスト格納部240に存在する自由ブロックの数をチェックする(S500)。チェックの結果、自由ブロックの数が設定された第1閾値より多い場合(S510)、ブロック回収部220はブロック回収を行わない(S520)。ここで、第1閾値は、所定のデータ作成時に必要な自由ブロックの数を設定した値である。
【0068】
チェックの結果、自由ブロックの数が第1閾値より少ない場合(S510)、ブロック回収部220は電源状態チェック部230を介して感知した携帯用装置の電源状態をチェックする(S530)。
【0069】
チェックの結果、携帯用電源が十分な場合(S540)、ブロック回収部220は現在携帯用装置のバッテリが充電中であるかを判断する(S550)。判断の結果、バッテリ充電中の場合、ブロック回収部220はリスト格納部240に自由ブロックが第1閾値以上で保持されるようにブロック回収のコストが大きい物理ブロックまで回収する(S560)。ここで、ブロック回収のコストが大きい物理ブロックとは、所定の物理ブロックに有効なページの数が多い物理ブロックをいう。
【0070】
さらに、判断の結果、バッテリ充電中ではないが、バッテリの電源が十分な場合、ブロック回収部220はリスト格納部240内に自由ブロックが第1閾値以上で保持されるようにブロック回収のコストが大きくない物理ブロックを回収する(S570)。
【0071】
一方、チェックの結果、携帯用電源が十分でない場合(S540)、ブロック回収部220はリスト格納部240内に自由ブロックが第1閾値が保持されるようにブロック回収のコストが小さい物理ブロックのみ回収する(S580)。
【0072】
図6は、本発明のまた他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法のうち、電源状態に基づいてブロック回収の周期を変更する例を示すフローチャートである。
【0073】
まず、ブロック回収部220は、リスト格納部240に存在する自由ブロックの数をチェックする(S600)。チェックの結果、自由ブロックの数が設定された第1閾値より多い場合(S610)、ブロック回収部220はブロック回収を行わない(S620)。ここで、第1閾値は、所定のデータ作成時に必要な自由ブロックの数を設定した値である。
【0074】
チェックの結果、自由ブロックの数が第1閾値より少ない場合(S610)、ブロック回収部220は電源状態チェック部230を介して感知した携帯用装置の電源状態をチェックする(S630)。
【0075】
チェックの結果、携帯用電源が十分にある場合(S640)、ブロック回収部220はリスト格納部240に自由ブロックが第1閾値以上で保持されるようにブロック回収の周期を第2閾値より短く設定する(S650)。ここで、第1閾値は所定のデータ記録時に必要な自由ブロックの数を設定した値であり、第2閾値はブロック回収の周期を設定した値である。さらに、携帯用電源が十分にある場合は、携帯用装置が充電中であるか、バッテリ充電中ではないがバッテリが十分に充電された状態をいう。
【0076】
一方、チェックの結果、携帯用電源が十分にない場合(S640)、ブロック回収部220は、リスト格納部240内で自由ブロックが第1閾値で保持されるように、ブロック回収の周期を第2閾値より長く設定する(S660)。
【0077】
その次に、ブロック回収部220は、設定されたブロック回収の周期で割り当てられた物理ブロックを回収する。
【0078】
本発明では、携帯用装置の電源状態に基づいてブロックを回収する際、ブロック回収のコストおよび動作周期を全て考慮して、割り当てられた物理ブロックに対するブロック回収を行うこともできる。
【0079】
以上添付した図面を参照して本発明の実施例を説明したが、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者は本発明がその技術的思想や必須の特徴を変更せず、他の具体的な形態によって実施し得るということを理解することができる。従って、以上にて記述した実施形態はすべての面で例示的なものであって、限定的なものではないことを理解しなければならない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】従来のフラッシュメモリにおいてブロック回収部の動作を示す図である。
【図2】本発明の一実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置の内部ブロック図を示す図である。
【図3a】本発明の他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置においてブロック回収のコストに基づいてブロック回収を行う例を示す図である。
【図3b】本発明の他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置においてブロック回収のコストに基づいてブロック回収を行う例を示す図である。
【図4a】本発明のまた他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置においてブロック回収の周期を調整する例を示す図である。
【図4b】本発明のまた他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置においてブロック回収の周期を調整する例を示す図である。
【図5】本発明のまた他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法のうち、電源状態に基づいてブロック回収のコストを参照してブロック回収を行う例を示すフローチャートである。
【図6】本発明のまた他の実施形態に係わる電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法のうち、電源状態に基づいてブロック回収の周期を変更する例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0081】
100 ホスト
200 電源管理部
210 ブロック割当部
220 ブロック回収部
230 電源状態チェック部
240 リスト格納部
300 不揮発性メモリ(フラッシュメモリ)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のデータを格納する不揮発性メモリと、
前記不揮発性メモリに割り当てられた物理ブロックを携帯用装置の電源状態に基づいて回収する電源管理部とを含む電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置。
【請求項2】
電源管理部は、
前記不揮発性メモリに物理ブロックを割り当てるブロック割当部と、
前記割り当てられた物理ブロックを電源状態に基づいて回収するブロック回収部と、
前記ブロック回収部でチェックされた携帯用装置の電源状態を伝送する電源状態チェック部と、
前記不揮発性メモリ内に割り当てられた物理ブロックに対する割当ブロックリストおよび空き物理ブロックに対する自由ブロックリストを格納するリスト格納部とを含む請求項1に記載の電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置。
【請求項3】
前記ブロック回収部は、割り当てられたブロック回収の際、携帯用装置の電源状態に基づいてブロック回収のコストおよびブロック回収の動作周期を調節する請求項2に記載の電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置。
【請求項4】
前記ブロック回収部は、使用頻度を考慮して割り当てられた物理ブロックを回収する請求項2に記載の電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う装置。
【請求項5】
不揮発性メモリ内の自由ブロックの数をチェックするステップと、
前記チェックの結果、自由ブロックの数が第1閾値より小さい場合に携帯用装置の電源状態をチェックするステップと、
前記チェックの結果、電源が十分な場合にブロック回収のコストが大きい物理ブロックまで回収するステップと、
前記チェックの結果、電源が十分でない場合にブロック回収のコストが小さい物理ブロックを回収するステップとを含む電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法。
【請求項6】
前記自由ブロックの数が第1閾値以上である場合は、ブロック回収を行わないステップをさらに含む請求項5に記載の電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法。
【請求項7】
前記物理ブロック回収の際に使用頻度を考慮する請求項5に記載の電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法。
【請求項8】
不揮発性メモリ内の自由ブロックの数をチェックするステップと、
前記チェックの結果、自由ブロックの数が第1閾値より小さい場合に携帯用装置の電源状態をチェックするステップと、
前記チェックの結果、電源が十分な場合にブロック回収の周期を第2閾値より短く設定するステップと、
前記チェックの結果、電源が十分でない場合にブロック回収の周期を第2閾値より長く設定するステップと、
前記設定されたブロック回収の周期に基づいて割り当てられた物理ブロックを回収するステップとを含む電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法。
【請求項9】
前記自由ブロックの数が第1閾値以上である場合は、ブロック回収を行わないステップをさらに含む請求項8に記載の電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法。
【請求項10】
前記割り当てられた物理ブロック回収の際に使用頻度を考慮する請求項8に記載の電源状態に応じて不揮発性メモリのブロック回収を行う方法。

【図1】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−193803(P2007−193803A)
【公開日】平成19年8月2日(2007.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−4231(P2007−4231)
【出願日】平成19年1月12日(2007.1.12)
【出願人】(390019839)三星電子株式会社 (8,520)
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【Fターム(参考)】