説明

電源装置

【課題】装置の大型化を招くことなく停電保持時間を改善することができる電源装置を提供する。
【解決手段】本発明による電源装置は、昇圧型の力率改善回路(30)を備えた電源装置(10)において、当該電源装置の負荷が増加した場合、前記力率改善回路(30)の出力電圧(E)を上昇させるように、当該電源装置が備えるフィードバック制御系または基準電圧系の回路定数(3601,3602)を制御する制御部(60)を備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、力率改善回路を備えた電源装置に関し、特に停電保持時間を改善するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、コンピュータ等の電子機器は小型軽量なスイッチング電源を搭載しており、この種の電源装置の性能指数として停電保持時間tHOLDがある。この停電保持時間tHOLDは、停電により商用の入力電圧が遮断された際に出力電圧を一定に保持する時間として定義される。電源装置を搭載した電子機器は、停電後であっても、停電保持時間tHOLDで規定される期間内にデータをメモリに待避させるなどの停電時の緊急動作を実行することができる。
【0003】
図6に示す電源装置500の停電保持時間tHOLDの理論計算式を求める。
電源装置500は、概略的には、整流部501、入力コンデンサ502、DC−DCコンバータ503から構成され、この電源装置500の入力部には商用の交流入力ACINが接続されると共に、その出力部には負荷装置LDが接続される。
【0004】
図6において、VINはDC−DCコンバータ503の入力電圧であり、IINは入力電流であり、Cは入力コンデンサ502の容量値であり、VOUTは出力電圧であり、IOUTは出力電流である。また、以下の説明では、Qは入力コンデンサ502の電荷量であり、PINはDC−DCコンバータ502の入力電力であり、POUTは出力電力である。
【0005】
なお、電力の変換率をηとすると、POUT=η×PINの関係があり、入力電力PINと出力電力POUTは比例関係にある。
【0006】
上述の電源装置500の構成において、容量値Cと電荷量Qと入力電圧VINに着目すると、次の関係式が得られる。
IN=Q/C
【0007】
また、入力電力PINと入力電圧VINと入力電流IINに着目すると、次の関係式が得られる。
IN=PIN/IIN
【0008】
上記の二つの関係式よりVINを消去すると、次式(1)が得られる。
Q/C+PIN/IIN=Q/C+{PIN/(dQ/dt)}=0 …(1)
ただし、式(1)において、IIN=dQ/dtである。
【0009】
式(1)より次式が得られる。
Q/C+PINdt/dQ=0
【0010】
これより次式(2)が得られる。
QdQ=−PINCdt …(2)
【0011】
式(2)より次式が得られる。
∫QdQ=−∫PINCdt
【0012】
これより次式(3)が得られる。
/2=−PINC・t+A …(3)
ただし、式(3)において、Aは積分定数である。
【0013】
t=0のときのQの値(即ちQの初期値)をQとし、t=0のときのVINの値(即ちVINの初期値)をEとすると、Q=CEであり、これを式(3)に代入すると、次式(4)が得られる。
/2=A=(CE/2 …(4)
【0014】
式(3)と式(4)からAを消去すると、次式(5)が得られる。
t=C(E−VIN)/2PIN …(5)
【0015】
ここで、出力電圧VOUTを一定に保持するために必要とされる入力電圧VINの下限値(以下、「限界電圧」と称す)をVとすると、式(5)で与えられるtは停電保持時間tHOLDを表す。即ち、停電保持時間tHOLDは、次式(6)により表される。
HOLD=C(E−V)/2PIN …(6)
【0016】
式(6)から理解されるように、停電保持時間tHOLDは、入力コンデンサの容量C、入力電圧E、限界電圧V、入力電力PINの各値に依存する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】特開2005−269753号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
ところで、例えばコンピュータ等の電子機器にハードディスク装置等の負荷装置を増設すると、この電子機器に搭載された電源装置の出力電流(負荷電流)が増加し、その出力電力POUTが増加する。電源装置の出力電力POUTが増加すると、これに比例して電源装置の入力電力PINが増加する。この結果、前述の式(6)から理解されるように、停電保持時間tHOLDが減少し、電源装置を搭載する電子機器において、停電時にデータを待避させることができなくなる等の不都合が生じるおそれがある。
【0019】
このような事態に備えて停電保持時間tHOLDを確保するための方策として、前述の式(6)から理解されるように、容量Cを大きくすること、入力電圧Eを高くすること、限界電圧Vを低くすることが考えられる。
【0020】
このうち、容量Cを大きくする方策に分類される従来技術として、バックアップ用のコンデンサを備えた装置がある(特許文献1)。この従来技術によれば、入力電圧の低下時に、バックアップ用のコンデンサから直流電圧を電源ユニットに供給することにより、その出力電圧が保持される。
【0021】
しかしながら、容量Cを大きくする方策によれば、コンデンサのサイズを大きくする必要があるため、装置の大型化を招く。
また、入力電圧Eを高くする方策によれば、電力変換効率が低下するため、入力電圧Eを定常的に高い値に維持することは望ましくない。
【0022】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、装置の大型化等を招くことなく、負荷が増加した場合の停電保持時間を改善することができる電源装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するために、本発明に係る電源装置は、昇圧型の力率改善回路を備えた電源装置において、当該電源装置の負荷が増加した場合、前記力率改善回路の出力電圧を上昇させるように、当該電源装置が備えるフィードバック制御系または基準電圧系の回路定数を制御する制御部を備えたことを特徴とする。
【0024】
上記構成によれば、電源装置の負荷が増加した場合、当該電源装置が備えるフィードバック制御系または基準電圧系の回路定数を制御することにより、力率改善回路の出力電圧が一定量だけ上昇した状態で安定化される。従って、停電が発生したときに、力率改善回路の出力電圧が電源装置の出力電圧を保持する限界電圧にまで低下するのに要する時間が延長され、その分、停電保持時間が改善されることになる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、装置の大型化等の不都合を招くことなく、負荷が増加した場合の停電保持時間を改善することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の第1実施形態による電源装置の構成を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施形態による電源装置の動作を説明するための波形図である。
【図3】本発明の第2実施形態による電源装置の構成を示す回路図である。
【図4】本発明の第3実施形態による電源装置の構成を示す回路図である。
【図5】本発明の第4実施形態による電源装置の特徴部を示す回路図である。
【図6】従来技術による電源装置の構成を概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
(第1実施形態)
図1に、本発明の第1実施形態による電源装置10の構成を示す。
電源装置10は、概略的には、整流部20、昇圧型の力率改善回路30、コンバータ部40、検出部50、制御部60から構成される。
【0028】
ここで、整流部20は、商用の交流入力ACINを整流するためのものである。この整流部20の出力部には力率改善回路30の入力部が接続される。この力率改善回路30は、入力電力の電流波形を電圧波形と整合させることにより力率を改善するためのものである。
【0029】
力率改善回路30の出力部にはコンバータ部40の入力部が接続される。このコンバータ部40は、力率改善回路30の出力電圧Eを所望の直流出力電圧Vに変換するものである。
なお、図1において、力率改善回路30の「出力電圧E」は、その後段のコンバータ部40の入力電圧である点で、前述の図6に示すDC−DCコンバータ503の「入力電圧E」に対応するが、本実施形態では、コンバータ部40の前段に設けられた力率改善回路30に着目して、形式的に力率改善回路30の「出力電圧E」としている。
【0030】
コンバータ部40の出力部には、このコンバータ部40の出力電流I、即ち本電源装置10の出力電流Iを検出するための検出部50が接続され、検出部50の検出結果は制御部60に与えられる。出力電流Iは、本電源装置10の出力部に接続される負荷で消費される電流となることから、検出部50は、電源装置10の負荷として、電源装置10の出力電流Iを検出するものと言える。
【0031】
本実施形態では、検出部50は、コンバータ部40の出力部に直列接続された抵抗から構成され、出力電流Iの値を抵抗の端子間電圧として検出するものとするが、この例に限定されず、どのような手段を用いて出力電流Iを検出してもよい。
【0032】
制御部60は、電源装置10の負荷、即ち出力電流Iに応じて、当該電源装置10が備えるフィードバック制御系であって力率改善回路30の出力電圧Eを安定化させるための後述のフィードバック制御系の回路定数を制御するものである。とりわけ、本実施形態では、制御部60は、電源装置10の負荷が増加し、出力電流Iが所定値を超えた場合、力率改善回路30の出力電圧Eを上昇させるように上記回路定数を制御する。
【0033】
本電源装置10の各部の構成を更に詳細に説明する。
力率改善回路30は、昇圧インダクタ310、n型MOSトランジスタ320、ダイオード330、コンデンサ340、駆動回路350、抵抗361、ボリューム抵抗362、抵抗363、抵抗364、npn型バイポーラトランジスタ370から構成されるが、抵抗364とnpn型バイポーラトランジスタ370を除けば、基本的には一般的な昇圧型の力率改善回路と同様である。
【0034】
ここで、昇圧インダクタ310の一端は整流部20の高電圧側出力端子に接続されると共に、この昇圧インダクタ310の他端と整流部20の低電圧側出力端子との間にはn型MOSトランジスタ320が接続される。また、昇圧インダクタ310の他端にはダイオード330のアノードが接続され、このダイオード330のカソードと整流部20の低電圧側出力端子との間にはコンデンサ340が接続される。ダイオード330のカソードは力率改善回路30の出力部となる。
【0035】
また、ダイオード330のカソードと接地(所定電位ノード)との間には、出力電圧Eを分圧するための電圧分圧回路として、第1抵抗回路3601および第2抵抗回路3602が直列接続され、第1抵抗回路3601と第2抵抗回路3602との間の接続ノードNは駆動回路350の入力部に接続される。第1抵抗回路3601は抵抗361から構成され、第2抵抗回路3602は、ボリューム抵抗362、抵抗363、抵抗364、npn型バイポーラトランジスタ370から構成される。なお、ボリューム抵抗362は、微調整のためのものであり、必要に応じて省略してもよい。
【0036】
ここで、第1抵抗回路3601を構成する抵抗361の一端はダイオード330のカソードに接続され、その他端は接続ノードNに接続される。また、接続ノードNと接地との間には、第2抵抗回路3602を構成するボリューム抵抗362および抵抗363が直列接続される。更に、抵抗364と常開型スイッチとしてのnpn型バイポーラトランジスタ370とからなる直列回路が抵抗363と並列接続される。具体的には、抵抗364の一端は、ボリューム抵抗362と抵抗363との間の接続ノードに接続され、抵抗364の他端はnpn型バイポーラトランジスタ370を介して接地される。
【0037】
第1抵抗回路3601および第2抵抗回路3602と駆動回路350は、力率改善回路30の出力電圧Eを一定電圧に安定化させるためのフィードバック制御系を構成する。この第1実施形態では、上述の制御部60により制御されるフィードバック制御系の回路定数は、第1抵抗回路3601と第2抵抗回路3602との抵抗比であるものとし、とりわけ、出力電流Iが所定値を超えた場合、制御部60は、第2抵抗回路3602の抵抗値を減少させることにより、接続ノードNに現れる電圧EDIVが低下する方向に上記抵抗比を制御するものとする。
【0038】
駆動回路350は、その入力段に演算増幅器351を備える。この演算増幅器351の負入力部は、上述の抵抗361とボリューム抵抗362との間の接続ノードNに接続される。また、演算増幅器351の正入力部には基準電圧源352が接続され、所定基準電圧VREFが与えられる。
【0039】
この駆動回路350は、接続ノードNに現れる電圧EDIVと所定基準電圧VREFとの比較結果に基づいて、出力電圧Eを一定電圧に安定化させるように、昇圧インダクタ310を駆動するためのスイッチング素子であるn型MOSトランジスタ320を駆動する。
なお、図1では省略されているが、演算増幅器351の後段には、力率を改善するための構成要素として、入力電力の電流波形を電圧波形に整合させるための回路が備えられている。
【0040】
コンバータ部40は、基本的には一般的なDC−DCコンバータと同様に構成される。即ち、コンバータ部40は、絶縁トランス42、n型MOSトランジスタ43、主ダイオード44、環流ダイオード45、出力インダクタ46、出力コンデンサ47から構成される。ここで、絶縁トランス42の1次側コイルの一端は、力率改善回路30の出力部に接続され、その他端はn型MOSトランジスタ43を介して整流部20の低電圧側出力端子に接続される。
【0041】
また、絶縁トランス42の2次側コイルの一端には主ダイオード44のアノードが接続され、この主ダイオード44のカソードと絶縁トランス42の2次側コイルの他端との間には、環流用ダイオード45が接続される。また、主ダイオード44のカソードには、出力インダクタ46の一端が接続され、この出力インダクタ46の他端とトランス42の2次側コイルの他端との間には出力コンデンサ47が接続される。
【0042】
出力インダクタ46の他端は、コンバータ部40の出力部となり、この出力部には、検出部50をなす抵抗が直列接続される。
なお、図1では省略されているが、n型MOSトランジスタ43のスイッチング動作を制御するための制御回路が更に備えられる。
【0043】
制御部60は、出力電流判定部61、ホトカプラ発光部(発光ダイオード)62、ホトカプラ受光部(フォトトランジスタ)64、抵抗63から構成される。ここで、出力電流判定部61は、出力電流Iが所定値ITHを超えたか否かを判定するためのものであり、その出力部と接地との間にはホトカプラ発光部62が接続される。また、抵抗63の一端は高電位ノードに接続され、その他端にはホトカプラ受光部64の一端が接続される。このホトカプラ受光部64の他端は、制御部60の出力部となり、前述の力率改善回路30を構成するnpn型バイポーラトランジスタ370のベースに接続される。
【0044】
次に、本実施形態による電源装置10の動作について、図1と共に図2の信号波形を参照しながら、停電保持時間tHOLDに着目して説明する。
図2の信号波形は、時刻tで負荷の増加により出力電流Iが所定値ITHを超え、時刻tで停電が発生して商用の交流入力ACINが遮断された状況を示している。
【0045】
本電源装置10は、停電保持時間tHOLDに着目した場合、出力電流Iが所定値ITHを超えたか否かにより動作が異なる。従って、以下では、出力電流Iが所定値ITH以下の場合と、所定値ITHを超えた場合とに分けて説明する。
【0046】
(1)出力電流Iが所定値ITH以下の場合
例えば、電源装置10を搭載する電子機器に負荷装置として1台のハードディスク装置が接続されている場合を考える。このとき、図2の時刻t以前の波形で示すように出力電流Iが所定値ITH以下であれば、検出部50の抵抗の端子間電圧が所定電圧以下となり、この電圧から、出力電流判定部61は、出力電流Iが所定値ITH以下であると判定する。この場合、出力電流判定部61はホトカプラ発光部62を駆動しない。従ってホトカプラ発光部62は発光せず、ホトカプラ受光部64はオフ状態を維持する。
【0047】
ホトカプラ受光部64がオフ状態であれば、力率改善回路30を構成するnpn型バイポーラトランジスタ370のベースには電流が流れず、このnpn型バイポーラトランジスタ370は非導通状態となる。即ち、この場合、npn型バイポーラトランジスタ370からなる常開型スイッチは開放状態を維持し、接続ノードNには、抵抗361と、ボリューム抵抗362および抵抗363の直列抵抗とにより出力電圧Eを分圧して得られる電圧EDIVが現れる。
【0048】
駆動回路350は、電圧EDIVが基準電圧源352の所定基準電圧VREFと一致するようにn型MOSトランジスタ320のスイッチング動作を制御することにより、出力電圧Eを一定電圧に安定化させる。この出力電圧Eによる停電保持時間tHOLDは前述の式(6)から算出することができる。
【0049】
(2)出力電流Iが所定値ITHを超えた場合
次に、電源装置10を搭載する電子機器に負荷装置としてハードディスク装置が増設されたことにより電源装置10の負荷が増加し、時刻tで出力電流Iが所定値ITHを超えた場合を考える。この場合、制御部60は、以下に説明するように、力率改善回路30の出力電圧Eを安定化させるためのフィードバック制御系の回路定数を制御することにより、力率改善回路30の出力電圧Eを一定電圧だけ上昇させる。
【0050】
詳細に説明すると、電源装置10の負荷の増加により、時刻tで電源装置10の出力電流Iが所定値ITHを超えると、検出部50の抵抗の端子間電圧が所定電圧を超える。この電圧から、制御部60の出力電流判定部61は、出力電流Iが所定値ITHを超えたと判定し、ホトカプラ発光部62を駆動して発光させる。ホトカプラ発光部62が発光すると、ホトカプラ受光部64がオン状態になる。
【0051】
ホトカプラ受光部64がオン状態になると、抵抗63およびホトカプラ受光部64を介して、力率改善回路30のnpn型バイポーラトランジスタ370のベースに高電位ノードから電流が流れ込み、このnpn型バイポーラトランジスタ370が導通する。即ちこの場合、制御部60は、力率改善回路30のnpn型バイポーラトランジスタ370からなる常開型スイッチを強制的に閉成させる。
【0052】
npn型バイポーラトランジスタ370が導通すると、抵抗363に対して抵抗364が電気的に並列接続される。これにより、抵抗363および抵抗364からなる第2抵抗回路3602の抵抗値が減少し、接続ノードNの電圧EDIVが低下する傾向を示す。換言すると、この場合、接続ノードNの電圧EDIVが低下する傾向を示すように、第1抵抗回路3601の抵抗値と、第2抵抗回路3602の抵抗値との抵抗比が制御される。
【0053】
電圧EDIVを入力する駆動回路350は、低下する傾向を示す電圧EDIVを所定基準電圧VREFと一致させるべく、出力電圧Eが上昇するようにMOSトランジスタ320のスイッチング動作を制御する。従ってこの場合、図2に示すように、力率改善回路30の出力電圧Eは、出力電流Iが増加する前に比較して、出力電流Iが増加した時刻tの後では一定電圧だけ上昇して安定化される。
【0054】
ここで、前述の従来装置によれば、出力電流Iの増加とは無関係に電圧Eが一定に維持されるので、前述の式(6)から、出力電流Iの増加による入力電力PINの増加に応じて停電保持時間tHOLDが減少する。
【0055】
これに対し、本実施形態の電源装置10によれば、図2において、時刻tで出力電流Iが増加した場合、出力電圧Eが一定電圧だけ上昇するので、時刻tで停電が発生してから出力電圧Eが時刻tで限界電圧Vに到達するまでの時間(t−t)で表される停電保持時間tHOLDは、前述の従来装置に比較して有効に改善される。
【0056】
即ち、本実施形態の電源装置10によれば、出力電流Iが増加した場合(即ち入力電力PINが増加した場合)、力率改善回路30の出力電圧Eが一定電圧だけ上昇するが、前述の式(6)において、例えば、出力電圧Eの上昇による停電保持時間tHOLDの増加分が、入力電力PINの増加による停電保持時間tHOLDの減少分と等しければ、出力電流Iが増加しても、停電保持時間tHOLDは一定に維持されて減少しない。
【0057】
また、仮に、出力電圧Eの上昇による停電保持時間tHOLDの増加分が、入力電力PINの増加による停電保持時間tHOLDの減少分を下回ったとしても、停電保持時間tHOLDの低下を抑制することができ、前述の従来装置に比較して停電保持時間tHOLDを有効に改善することができる。
【0058】
本実施形態において、出力電流Iが増加した場合の出力電圧Eの上昇分は、必要とする停電保持時間tHOLDの値に応じて、第2抵抗回路3602を構成する抵抗364の値を選択することにより適切に設定される。
【0059】
上述した第1実施形態によれば、入力コンデンサ340のサイズを大きくすることなく停電保持時間tHOLDを有効に改善することができる。従って、装置の大型化を招くことがない。また、出力電流を検出することにより負荷の増加を把握するものとしたので、電源装置10を搭載するシステムから負荷の増加を示す信号を入力する必要がない。
なお、図1には示されていないが、npn型バイポーラトランジスタ370のベースと接地との間に抵抗およびコンデンサを付加してもよい。
以上で第1実施形態を説明した。
【0060】
(第2実施形態)
次に、図3を参照して、本発明の第2実施形態を説明する。
上述の第1実施形態では、図1に示した力率改善回路30の出力電圧Eを安定化させるためのフィードバック制御系の回路定数の制御において、出力電流Iが増加した場合に接続ノードNと接地との間の抵抗値(第2抵抗回路3602の抵抗値)を減少させるものとしたが、第2実施形態では、力率改善回路の出力部と接続ノードNとの間の抵抗値(後述の第1抵抗回路3601Aの抵抗値)を増加させる。上述の第1実施形態と本第2実施形態は、力率改善回路の出力電圧Eを一定電圧だけ上昇させるようにフィードバック制御系の回路定数を制御する点で共通する。
【0061】
図3に、第2実施形態による電源装置10Aの構成を示す。
図3において、前述の図1に示す要素と共通する要素には同一符号を付す。
第2実施形態による電源装置10Aと上述の第1実施形態による電源装置10との構成の違いを説明する。
【0062】
電源装置10Aは、前述の図1に示す第1実施形態による電源装置10の構成において、力率改善回路30に代えて力率改善回路30Aを備える。力率改善回路30Aは、第1実施形態による力率改善回路30の構成において、抵抗364およびnpn型バイポーラトランジスタ370に代え、ダイオード330のカソードと接続ノードNとの間に、抵抗361と直列接続された抵抗364Aと、この抵抗364Aと並列接続された常閉型スイッチとしてのnpn型バイポーラトランジスタ370Aを備える。具体的には、抵抗361の一端はダイオード330のカソードに接続され、この抵抗361の他端は抵抗364Aの一端に接続され、この抵抗364Aの他端は接続ノードNに接続される。抵抗361と抵抗364Aの間の接続点(符号なし)には、npn型バイポーラトランジスタ370Aのコレクタが接続され、このnpn型バイポーラトランジスタ370Aのエミッタは接続ノードNに接続される。
【0063】
ここで、抵抗361、抵抗364A、npn型バイポーラトランジスタ370Aは第1抵抗回路3601Aを構成し、ボリューム抵抗362および抵抗363は第2抵抗回路3602Aを構成する。
なお、微調整用のボリューム抵抗362は必要に応じて省略してもよい。
【0064】
また、電源装置10Aは、前述の図1に示す第1実施形態による電源装置10の構成において、制御部60に代えて制御部60Aを備える。この制御部60Aは、第1実施形態による制御部60のホトカプラ受光部64に代えて、抵抗63と接地との間に接続されたホトカプラ受光部64Aを備える。このホトカプラ受光部64Aと抵抗63との接続ノードは、力率改善回路30Aを構成するnpn型バイポーラトランジスタ370Aのベースに接続される。その他の構成については、本実施形態の電源装置10Aは上述の第1実施形態による電源装置10と同様である。
【0065】
次に、第2実施形態による電源装置10Aの動作を説明する。
1.出力電流Iが所定値ITH以下の場合
出力電流Iが所定値ITH以下であれば、出力電流判定部61は、ホトカプラ発光部62を駆動せず、このホトカプラ発光部62は発光しない。従って、ホトカプラ受光部64Aはオフ状態を維持する。この場合、力率改善回路30Aを構成する常閉型スイッチであるnpn型バイポーラトランジスタ370Aのベースには、抵抗63を介して高電位ノードから電流が供給され、npn型バイポーラトランジスタ370Aは導通し、これにより抵抗364Aの両端は短絡される。
【0066】
従ってこの場合、第1抵抗回路3601Aの抵抗値は抵抗361の値と等しくなり、接続ノードNには、抵抗361、ボリューム抵抗362、抵抗363により出力電圧Eを分圧して得られる電圧EDIVが現れる。この場合の停電保持時間tHOLDは前述の式(6)から算出することができる。
【0067】
2.出力電流Iが所定値ITHを超えた場合
例えば電源装置10Aを搭載する電子機器に負荷装置を増設したことにより、電源装置10Aの出力電流Iが増加して所定値ITHを超えると、制御部60Aの出力電流判定部61はホトカプラ発光部62を駆動して発光させる。ホトカプラ発光部62が発光すると、ホトカプラ受光部64Aがオン状態になる。この結果、npn型バイポーラトランジスタ370Aのベース電位が低下し、このnpn型バイポーラトランジスタ370Aが非導通状態になる。
【0068】
npn型バイポーラトランジスタ370Aが非導通状態になると、抵抗364Aが顕在化し、抵抗361に対して抵抗364Aが電気的に直列接続される。これにより、力率改善回路30Aの出力部と接続ノードNとの間の第1抵抗回路3601Aの抵抗値が増加する結果、接続ノードNの電圧EDIVが低下する傾向を示す。従って第1実施形態と同様に、出力電圧Eは、出力電流Iが増加する前に比較して、出力電流Iが増加した後では一定電圧だけ上昇し、停電保持時間tHOLDが改善される。
なお、図3には示されていないが、抵抗361と抵抗364Aの間の接続点と、npn型バイポーラトランジスタ370Aのコレクタとの間に抵抗を付加してもよい。
以上で第2実施形態を説明した。
【0069】
(第3実施形態)
次に、図4を参照して、本発明の第3実施形態を説明する。
図4において、前述の図3に示す要素と共通する要素には同一符号を付す。
本第3実施形態による電源装置10Bと上述の第2実施形態による電源装置10Aとの構成の違いを説明する。
【0070】
本第3実施形態による電源装置10Bは、前述の図3に示す第2実施形態による電源装置10Aの構成において、力率改善回路30Aに代えて力率改善回路30Bを備える。力率改善回路30Bは、第2実施形態による力率改善回路30Aの構成において、npn型バイポーラトランジスタ370Aに代えて、常閉型スイッチとしてのホトカプラ受光部370Bを備える。即ち、抵抗361と抵抗364Aの間の接続ノード(符号なし)と接続ノードNとの間にホトカプラ受光部370Bが接続される。これら抵抗361、抵抗364A、ホトカプラ受光部370Bは、第1抵抗回路3601Bを構成する。
【0071】
また、電源装置10Bは、前述の図3に示す第2実施形態による電源装置10Aの構成において、制御部60Aに代えて制御部60Bを備える。この制御部60Bは、第2実施形態による制御部60Aの抵抗63およびホトカプラ受光部64Aを備えず、出力電流判定部61に代えて出力電流判定部61Bを備える。この出力電流判定部61Bは、出力電流Iが所定値ITHを超えたか否かを判定し、出力電流Ioが所定値ITH以下であれば、ホトカプラ発光部62を駆動して発光させ、出力電流Ioが所定値ITHを超えれば、ホトカプラ発光部62を消灯させるものである。即ち、出力電流判定部61Bがホトカプラ発光部62を発光/消灯させる条件は、上述の第2実施形態による出力電流判定部61がホトカプラ発光部62を発光/消灯させる条件とは反対である。
その他の構成については、本実施形態の電源装置10Bは上述の第2実施形態による電源装置10Aと同様である。
【0072】
次に、第3実施形態による電源装置10Bの動作を説明する。
1.出力電流Iが所定値ITH以下の場合
出力電流Iが所定値ITH以下であれば、制御部60Bを構成する出力電流判定部61Bはホトカプラ発光部62を駆動し、このホトカプラ発光部62を発光させる。ホトカプラ発光部62が発光すると、力率改善回路30B内の第1抵抗回路3601Bを構成するホトカプラ受光部370Bはオン状態とされ、ホトカプラ受光部370Bにより抵抗364Aの両端は短絡される。
【0073】
従ってこの場合、上述の第2実施形態と同様に、第1抵抗回路3601Bの抵抗値は抵抗361の値と等しくなり、接続ノードNには、抵抗361、ボリューム抵抗362、抵抗363により出力電圧Eを分圧して得られる電圧EDIVが現れる。この場合の停電保持時間tHOLDは前述の式(6)から算出することができる。
【0074】
2.出力電流Iが所定値ITHを超えた場合
電源装置10Bの出力電流Iが増加して所定値ITHを超えると、制御部60Bの出力電流判定部61Bはホトカプラ発光部62を駆動せず、このホトカプラ発光部62を消灯させる。これにより、ホトカプラ受光部370Bがオフ状態となり、抵抗364Aの両端は短絡されない。
【0075】
従ってこの場合、上述の第2実施形態と同様に、抵抗364Aが顕在化し、抵抗361に対して抵抗364Aが電気的に直列接続される。これにより、第1抵抗回路3601Bの抵抗値が増加する結果、接続ノードNの電圧EDIVが低下する傾向を示す。従って第2実施形態と同様に、出力電圧Eは、出力電流Iが増加する前に比較して、出力電流Iが増加した後では一定電圧だけ上昇し、停電保持時間tHOLDが改善される。
なお、図4には示されていないが、抵抗361と抵抗364Aの間の接続点と、ホトカプラ受光部370Bとの間に抵抗を付加してもよい。
【0076】
本第3実施形態によれば、上述の第2実施形態に比較して、制御部60Bの構成素子数を低減させることができる。
以上で第3実施形態を説明した。
【0077】
(第4実施形態)
次に、図5を参照して、本発明の第4実施形態を説明する。
上述の第1から第3実施形態では、力率改善回路の出力電圧Eを上昇させるように、この出力電圧Eのフィードバック制御系の回路定数を制御したが、第4実施形態では、上述の第1から第3実施形態と異なり、上記回路定数として、当該電源装置が備える基準電圧系をなす基準電圧源の基準電圧であって電圧EDIVと比較すべき基準電圧源の基準電圧を制御している。
【0078】
第4実施形態による電源装置は、前述の第1実施形態の電源装置10の構成において、力率改善回路30を構成する抵抗364およびnpn型バイポーラトランジスタ370を削除すると共に、駆動回路350に代えて図5に示す駆動回路350Aを備える。
【0079】
駆動回路350Aは、第1実施形態による駆動回路350の基準電圧源352に加えて基準電圧源353を更に備える。また、駆動回路350Aは、スイッチ354,355を備え、基準電圧源352,353はスイッチ354,355により択一的に選択されて演算増幅器351の正入力部に接続される。即ち、本実施形態では、演算増幅器351の正入力部に与えられる基準電圧の値を変更することが可能となっている。なお、基準電圧源353の所定基準電圧VREFAは基準電圧源352の所定基準電圧VREFよりも一定電圧だけ高く設定されている。
【0080】
また、本実施形態による電源装置は、第1実施形態による電源装置10が備える制御部60に代えて、出力電流Iが所定値ITH以下の場合に基準電圧源352を択一的に選択すると共に、出力電流Iが所定値を超えた場合に基準電圧源353を択一的に選択するように、スイッチ354,355をそれぞれ制御するための図示しない制御部を備える。
【0081】
次に、第4実施形態による電源装置の動作を説明する。
この説明では、駆動回路350Aについては図5を参照し、その他の構成要素については図1を援用する。
【0082】
1.出力電流Iが所定値ITH以下の場合
出力電流Iが所定値ITH以下であれば、図示しない制御部は、駆動回路350Aのスイッチ354をオン状態に制御すると共に、スイッチ355をオフ状態に制御する。これにより、演算増幅器350の負入力部には、第1実施形態と同様に基準電圧源352により所定基準電圧VREFが与えられる。従って、前述の第1実施形態による電源装置10と同様に、この場合の停電保持時間tHOLDは前述の式(6)から算出することができる。
【0083】
2.出力電流Iが所定値ITHを超えた場合
出力電流Iが増加して所定値ITHを超えると、図示しない制御部は、スイッチ354をオフ状態に制御すると共に、スイッチ355をオン状態に制御する。これにより、基準電圧源353の所定基準電圧VREFAが演算増幅器351の正入力部に与えられる。これにより、演算増幅器351の正入力部に与えられる基準電圧がVREFからVREFAに一定電圧だけ上昇する。
【0084】
このことは、上述の第1実施形態において、接続ノードNの電圧を低下させる方向に回路定数を制御することに対応する。従って、上述の第1実施形態と同様に、力率改善回路30の出力電圧Eが上昇し、停電保持時間tHOLDが改善される。
なお、所定基準電圧VREFAは基準電圧源352の所定基準電圧VREFよりも一定電圧だけ高く設定されるが、所定基準電圧VREFAの値は、必要とされる停電保持時間tHOLDに応じて適切に設定される。
【0085】
以上で、本発明の第1から第4実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
例えば、上述の実施形態では、出力電流Iを検出するものとしたが、負荷装置の増設(負荷の増加)を機械的に検出して上記フィードバック制御系または基準電圧系の回路定数を制御するものとしてもよい。或いは、電源装置を搭載するシステム側から負荷の増加を示す信号を受け取り、この信号に基づいて制御部が上記フィードバック制御系または基準電圧系の回路定数を制御するものとしてもよい。この場合、出力電流Iを検出するための検出部を備える必要はない。
【0086】
また、上述の第1実施形態では、npn型バイポーラトランジスタ370により、抵抗364を抵抗363に対して電気的に並列接続するものとしたが、上述の第3実施形態と同様の発想に基づいて、npn型バイポーラトランジスタ370に代えてホトカプラ受光部(図示なし)を接続し、このホトカプラ受光部により制御部60を構成するホトカプラ発光部62から直接受光するように構成してもよい。この場合、制御部60内の抵抗63およびホトカプラ受光部64が不要となり、その構成素子数を低減することができる。
【0087】
また、上述の実施形態では、出力電圧Eのフィードバック制御系または基準電圧系の回路定数として、図1、図3、図4に示す演算増幅器351の負入力部に与えられる電圧EDIVを定める分圧用の抵抗値、または図5に示す演算増幅器350Aの正入力部に与えるべき基準電圧源の基準電圧を制御するものとしたが、これに限定されることなく、力率改善回路の他の回路定数を制御することも可能である。
【0088】
更に、第1実施形態では、抵抗364およびnpn型バイポーラトランジスタ370を力率改善回路30の構成要素としたが、これらを制御部60の構成要素として取り扱うこともでき、力率改善回路の出力電圧Eのフィードバック制御系または基準電圧系の回路定数を制御するという趣旨に反しない限度において、抵抗364およびnpn型バイポーラトランジスタ370をどのように取り扱ってもよい。第2実施形態の抵抗364Aおよびnpn型バイポーラトランジスタ370Aについても同様である。
【符号の説明】
【0089】
10,10A,10B…電源装置、20…整流部、30,30A,30B…力率改善回路、40…コンバータ部、50…検出部、60,60A,60B…制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
昇圧型の力率改善回路を備えた電源装置において、
当該電源装置の負荷が増加した場合、前記力率改善回路の出力電圧を上昇させるように、当該電源装置が備えるフィードバック制御系または基準電圧系の回路定数を制御する制御部を備えたことを特徴とする電源装置。
【請求項2】
前記負荷として当該電源装置の出力電流を検出して前記制御部に供給する検出部を更に備え、
前記制御部は、
前記出力電流が所定値を超えた場合、前記力率改善回路の出力電圧を上昇させるように前記回路定数を制御することを特徴とする電源装置。
【請求項3】
前記フィードバック制御系は、
前記力率改善回路の出力部と所定電位ノードとの間に直列接続された第1抵抗回路および第2抵抗回路と、
前記第1抵抗回路と前記第2抵抗回路との間の接続ノードに現れる電圧と前記基準電圧系をなす基準電圧源の基準電圧との比較結果に基づいて前記力率改善回路の昇圧インダクタを駆動するためのスイッチング素子を駆動する駆動回路と
を備え、
前記フィードバック制御系の回路定数は、前記第1抵抗回路と前記第2抵抗回路との抵抗比であることを特徴とする請求項1または2の何れか1項記載の電源装置。
【請求項4】
前記第1抵抗回路は、
前記力率改善回路の出力部と前記接続ノードとの間に接続された第1抵抗を備え、
前記第2抵抗回路は、
前記接続ノードと前記所定電位ノードとの間に接続された第2抵抗と、前記第2抵抗に並列接続された、第3抵抗および常開型スイッチの直列回路とを備え、
前記制御部は、前記検出部により検出された当該電源装置の出力電流が所定値を超えた場合、前記常開型スイッチを閉成させることを特徴とする請求項3記載の電源装置。
【請求項5】
前記第1抵抗回路は、
前記力率改善回路の出力部と前記接続ノードとの間に直列接続された第1抵抗および第4抵抗と、前記第4抵抗と並列接続された常閉型スイッチとを備え、
前記第2抵抗回路は、前記接続ノードと前記所定電位ノードとの間に接続された第2抵抗を備え、
前記制御部は、前記検出部により検出された当該電源装置の出力電流が所定値を超えた場合、前記常閉型スイッチを開放させることを特徴とする請求項3記載の電源装置。
【請求項6】
前記フィードバック制御系は、
前記力率改善回路の出力部と所定電位ノードとの間に直列接続された第1抵抗回路および第2抵抗回路と、
前記第1抵抗回路と前記第2抵抗回路との間の接続ノードに現れる電圧と前記基準電圧系をなす基準電圧源の基準電圧との比較結果に基づいて前記力率改善回路の昇圧インダクタを駆動するためのスイッチング素子を駆動する駆動回路と
を備え、
前記基準電圧系の回路定数は、前記基準電圧の値であることを特徴とする請求項1または2の何れか1項記載の電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−38850(P2013−38850A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−171004(P2011−171004)
【出願日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【出願人】(000002037)新電元工業株式会社 (776)
【Fターム(参考)】