電磁振動型ポンプ用気体通路タンク
【課題】コンパクトな構造で高圧化を実現でき、そのうえ取りつけ位置決めがしやすく、組立作業が簡単な電磁振動型ポンプ用のタンクを提供することである。
【解決手段】フレーム内に少なくとも1つの電磁石と、永久磁石を保持した複数の振動子と、前記振動子の両端に連結されたダイヤフラムまたはピストンを介して設けられたポンプケーシング部とからなり、前記振動子の両端が、それぞれポンプケーシング部の内部空間と気密に遮断するダイヤフラムまたはピストンと連結され、前記ポンプケーシング部に吸入ノズルと吐出ノズルとが設けられている電磁振動型ポンプに適用される気体通路タンクであって、前記ポンプケーシング部の上に設けられ、前記吸入ノズルおよび吐出ノズルを介してポンプケーシング部と連通し、通気路が直列および/または並列に仕切られ、当該気体通路の側壁に空気の供給および排出のために、少なくとも1つの吸気口と排出口を備えてなることを特徴としている。
【解決手段】フレーム内に少なくとも1つの電磁石と、永久磁石を保持した複数の振動子と、前記振動子の両端に連結されたダイヤフラムまたはピストンを介して設けられたポンプケーシング部とからなり、前記振動子の両端が、それぞれポンプケーシング部の内部空間と気密に遮断するダイヤフラムまたはピストンと連結され、前記ポンプケーシング部に吸入ノズルと吐出ノズルとが設けられている電磁振動型ポンプに適用される気体通路タンクであって、前記ポンプケーシング部の上に設けられ、前記吸入ノズルおよび吐出ノズルを介してポンプケーシング部と連通し、通気路が直列および/または並列に仕切られ、当該気体通路の側壁に空気の供給および排出のために、少なくとも1つの吸気口と排出口を備えてなることを特徴としている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁振動型ポンプ用タンクに関する。さらに詳しくは、主として自動車や船舶などの移動室内用あるいは一般室内用エアマットへのエア吸排、養魚用水槽や家庭浄化槽などにおける酸素補給、または公害監視における検査ガスのサンプリングなどに利用される電磁振動型ポンプ用気体通路タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁ダイヤフラム式ポンプを複数台連結する場合に、複数台のポンプを一体に連結することによって吐出量を増大することはできるが、それに伴って寸法が大きくなる。例えば、複数台のポンプを一体に組み込んで屋外用のブロワ等として使用することを想定した場合、防滴のためにハウジングを設ける必要がある。このような場合に、特に、ハウジングをも含めた装置全体が大型化して設置場所が制限されることから、小型化の要請がある。また、複数台のポンプ同士の配管が複雑になるという問題点もある。
【0003】
このため、複数の圧縮部を有する電磁ダイヤフラム式ポンプにおいて、前記複数の圧縮部が単一のケーシングで覆われ、該各圧縮部が、永久磁石を保持した振動子と、周縁部がケーシングに固定され、中心部が前記振動子の両端に固定されたダイヤフラムであって、前記振動子を前記ケーシングに対して該ダイヤフラムの直交方向に振動自在に支持するための一対のダイヤフラムと、前記振動子を挟み、前記永久磁石に対して前記振動子の振動方向に予定量偏倚させて磁極が配置されたフィールドコアと、前記フィールドコアに巻回されたコイルと、前記ダイヤフラムを一壁面とし、前記振動子の振動方向両側に配置された圧縮室と、前記圧縮室に設けられた弁付き吸入口と、前記圧縮室に設けられた弁付き吐出口とをそれぞれの圧縮部毎に具備するとともに、前記フィールドコアのうち、隣接する圧縮部の各振動子間に配置されたもの同士は一体的に形成されており、かつ、前記コイルに交流を供給して前記フィールドコアの磁極を励磁し、前記永久磁石を該磁極に交互に吸引・反発させることによって前記ダイヤフラムを振動させる電源回路手段を具備したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−54964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
叙上の特許文献1に記載された電磁振動型ダイヤフラムポンプの場合、構造が複雑で小型化できず、コストが高く、複数台のポンプ同士の配管が複雑になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、コンパクトな構造で高圧化を実現でき、そのうえ取りつけ位置決めがしやすく、組立作業が簡単な電磁振動型ポンプ用タンクを提供することである。
【0007】
本発明のフレーム内に少なくとも1つの電磁石と、永久磁石を保持した複数の振動子と、前記振動子の両端に連結されたダイヤフラムまたはピストンを介して設けられたポンプケーシングとからなり、前記振動子の両端が、それぞれポンプケーシング部の内部空間と気密に遮断するダイヤフラムと連結され、前記ポンプケーシング部に吸入ノズルと吐出ノズルとが設けられている電磁振動型ポンプに適用される気体通路タンクであって、
前記ポンプケーシング部の上に設けられ、
前記吸入ノズルおよび吐出ノズルを介してポンプケーシング部と連通し、
当該気体通路タンク内で、通気路が直列または並列に仕切られてなる
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンパクトな構造で高圧化を実現でき、そのうえ取りつけ位置決めがしやすく、組立作業が簡単な電磁振動型ポンプ用のタンクを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
添付図面を参照しながら本発明の実施の形態にかかわる電磁振動型ポンプ用気体通路タンク(以下、タンクという)を以下に詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図2は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図3は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図4は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図5は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図6は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図7は参考例にかかわる電磁振動型ダイヤフラムポンプのフレーム内にC型鉄心の両端とI型鉄心とに巻線が巻回され、振動子がC型鉄心とI型鉄心との間に設けられ、かつ各ポンプケーシング間に設けられた構造を示す説明図、図8は図7の構造の詳細説明図、図9は通気路の接続方法を示す説明図、図10は参考例の電磁振動型ダイヤフラムポンプの外観を示す斜視図、図11は中央電磁石が各ポンプケーシング部間を橋渡しの構造で装着固定された状態を示す説明図、図12は参考例のポンプの特性を示すグラフである。
【0011】
参考例
本参考例にかかわる電磁振動型ダイヤフラムポンプ(以下、ポンプという)1は、フレーム2内に側極の鉄心をもたない少な第1電磁石3および第2電磁石4と中央電磁石5と、永久磁石6を保持した2つの振動子7と、前記振動子7の両端に連結されたダイヤフラム8(図8参照)を介して設けられたポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2とから構成される。
【0012】
図8を参照すると前記振動子7a、7bの両端には螺子7cによってダイヤフラム8が固着されている。そして、前記振動子7a、7bの両端はそれぞれポンプケーシング部PCR1、PCL1の内部空間と、ポンプケーシング部PCR2、PCL2の内部空間と気密に遮断するダイヤフラム8と連結されている。
【0013】
本参考例においては、図11を参照すると、ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2と前記中央電磁石5は、前記中央電磁石5の巻枠5Fに凹凸5eを設け、該中央電磁石5がポンプケーシング部PCR1、PCL1間およびポンプケーシング部PCR2、PCL2間を橋渡しの構造で装着固定されて、ポンプケーシング部PCR1、PCL1間およびポンプケーシング部PCR2、PCL2間を橋渡しの構造で装着固定されている。
【0014】
前記ポンプケーシング部PCR1には吸入ノズルS1aおよび吐出ノズルD1a、ポンプケーシング部PCL1には吸入ノズルS1bおよび吐出ノズルD1b、ポンプケーシング部PCR2には吸入ノズルS2aおよび吐出ノズルD2a、ポンプケーシング部PCL2には吸入ノズルS2bおよび吐出ノズルD2bがそれぞれ設けられており、ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の上に設けられた気体通路タンク20が前記吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bを介してポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2と連通している(図7参照)。
【0015】
実施の形態1
図1、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20(図10参照)は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3により並列に仕切られた構造を有している。
【0016】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、第1段圧縮仕切壁W1により画定された(仕切られた)空間から流出口23を経て仕切壁W2およびW3に仕切られた空間に流入口24a、24cおよび24b、24dから流入し、流出口25a、25cおよび25b、25dから該流出口25a、25cおよび25b、25dと連通した吸入ノズルS1b、S1aおよびS2b、S2aを経て各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2に流入し、吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通している流出口26a、26b、26c、26dを経て、仕切壁W1、W2、W3および外壁Wによって画定された空間(流路)から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0017】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0018】
この構造が前述の参考例のポンプ1に吸入された流体を各ポンプケーシング部PCR1、PCR2とにそれぞれ導入して、圧縮したのち吐出するようにする構造((図9(c)参照))に相当し、吐出量(風量l/min)だけが際立って優れた特性が得られる(図12の参照符号L参照)。
【0019】
本実施の形態のタンク20は、参考例のポンプ1だけに適用されるのではなく、図3および7に示されるようなポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bを備えたポンプであれば、いかなる構造のものにでも適用することができる。
【0020】
実施の形態2
一方、図2、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4により直列に仕切られた構造を有している。
【0021】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1により画定された(仕切られた)空間から流出口23を経て仕切壁W2およびW3によって仕切られた空間に流入口24a、24bから流入し、流出口25a、25bから該流出口25a、25bと連通した吸入ノズルS1bおよびS2bを経て各ポンプケーシング部PCR1、PCL1に流入し、吐出ノズルD1a、D2aと連通している流出口26a、26bを経て、仕切壁W2、W3、W4および外壁Wによって画定された空間(流路)から吐出口27a、27bおよび該吐出口27a、27bと連通している吸入ノズルS2a、S2bを経てポンプケーシング部PCR2、PCL2に流入し、吐出ノズルD2a、D2bおよび該吐出ノズルD2a、D2bと連通している流入口28a、28bを経て仕切壁W1、W4および外壁Wによって画定された空間(流路)から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0022】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0023】
この構造が前述の参考例のポンプ1に吸入された流体を各ポンプケーシング部PCR1に導入し、圧縮したのち流体をポンプケーシング部PCL1に導入して、さらに圧縮した流体をポンプケーシング部PCL2に導入し、しかるのちにポンプケーシング部PCR2に導入してさらに圧縮したのち吐出するようにする構造(図9(d)参照)に相当し、吐出圧力(kPa)だけが際立って優れた特性が得られる(図12の参照符号M参照)。
【0024】
本実施の形態のタンク20は、参考例のポンプ1だけに適用されるのではなく、図3および7に示されるようなポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bを備えたポンプであれば、いかなる構造のものにでも適用することができる。
【0025】
実施の形態3
図3、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20(図10参照)は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4、W5により並直列に仕切られた構造を有している。
【0026】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1により仕切られた空間から流出口23を経て仕切壁W2、W3、W4およびW5に仕切られた空間に流入口24aおよび24bから流入し、流出口25aおよび25bから該流出口25aおよび25bと連通した吸入ノズルS1bおよびS1bを経て各ポンプケーシング部PCL1、PCR1に流入し、吐出ノズルD1b、D1aと連通している流出口26a、26bを経て、仕切壁W2、W3、W4および外壁Wによって画定された空間と、仕切壁W2、W4および外壁Wによって画定された空間から流出口27a、27bから流出口27a、27bと連通した吸入ノズルS2b、S2aを経て各ポンプケーシング部PCL2、PCR2に流入し、吐出ノズルD2b、D2aと連通している流出口28aおよび28bから仕切壁W1、W5および外壁Wによって画定された画定された流路から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0027】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0028】
この構造が前述の参考例のポンプ1に吸入された流体を各ポンプケーシング部PCR1、PCL1とにそれぞれ導入して、圧縮したのち各ポンプケーシング部PCL2、PCR2に吐出するようにする構造((図9(a)参照))に相当する。
【0029】
実施の形態4
図4、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20(図10参照)は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4、W5により直列に仕切られた構造を有している。
【0030】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1により仕切られた空間から流出口23を経て仕切壁W2、W3および外壁Wに仕切られた空間に流入口24から流入し、流出口25から該流出口25と連通した吸入ノズルS1bを経てポンプケーシング部PCL1に流入し、吐出ノズルD1bと連通している流出口26を経て、仕切壁W2、W3および外壁Wによって画定された空間から流出口27から流出口27と連通した吸入ノズルS1aを経てポンプケーシング部PCR1に流入し、吐出ノズルD1aと連通している流出口28から仕切壁W2、W4および外壁Wによって画定された空間から流出口29から流出口29と連通した吸入ノズルS2aを経てポンプケーシング部PCR2に流入し、吐出ノズルD2aと連通している流出口30から仕切壁W1、W2、W4、W5および外壁Wによって画定された空間に流入し、流出口31から該流出口31と連通した吸入ノズルS2bを経てポンプケーシング部PCL2に流入し、吐出ノズルD2bと連通している流出口32から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0031】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0032】
この構造が前述の参考例のポンプ1に吸入された流体をポンプケーシング部PCR1に導入して、圧縮したのちポンプケーシング部PCL1に吐出して圧縮したのち、ポンプケーシング部PCL2に吐出してさらに圧縮したのち、ンプケーシング部PCR2に吐出するようにする構造((図9(d)参照))に相当する。
【0033】
実施の形態5
図5、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20(図10参照)は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4、W5により左右独立して直列に仕切られた構造を有している。
【0034】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21a、21bから気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1、W2および外壁Wによって画定された空間と、仕切壁W1、W3および外壁Wによって画定された空間から、それぞれ流出口23a、23bを経て仕切壁W1、W2、W4および外壁Wに仕切られた空間と、W1、W3、W5および外壁Wに仕切られた空間に流入口24aおよび24bから流入し、流出口25aおよび25bから該流出口25aおよび25bと連通した吸入ノズルS2b、S2aを経て各ポンプケーシング部PCL2、PCR2に流入し、吐出ノズルD2b、D2aと連通している流出口26a、26bを経て、仕切壁W2、W3、W4および外壁Wによって画定された空間と、仕切壁W1、W4および外壁Wによって画定された空間と、W1、W5および外壁Wによって画定された空間に流入し、流出口27a、27bから吐出口22a、22bを経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0035】
実施の形態6
図6、7および8を参照すると、前述の実施の形態2の変形例である本実施の形態の気体通路タンク20は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4、W5により並直列に仕切られた構造を有している。
【0036】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1により仕切られた空間から流出口23を経て仕切壁W3およびW4によって仕切られた空間に流入口24a、24bから流入し、流出口25a、25bから該流出口25a、25bと連通した吸入ノズルS1bおよびS2bを経て各ポンプケーシング部PCR1、PCL1に流入し、吐出ノズルD1a、D2aと連通している流出口26a、26bを経て、仕切壁W2、W3および外壁Wによって画定された空間と、仕切壁W2、W4および外壁Wによって画定された空間にそれぞれ流入し、吐出口27a、27bおよび該吐出口27a、27bと連通している吸入ノズルS2a、S2bを経てポンプケーシング部PCR2、PCL2に流入し、吐出ノズルD2a、D2bおよび該吐出ノズルD2a、D2bと連通している流入口28a、28bを経て仕切壁W1、W5および外壁Wによって画定された流路から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0037】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0038】
前述の実施の形態1から6は、ポンプケーシング部が左右2つづつ設けられたものを例にとって説明しているが、本発明の気体通路タンクは、かかる構成の電磁振動型ポンプへの適用に限られない。複数個(2または3以上)のポンプケーシング部を備えた電磁振動型ポンプに適用することは当業者には自明の変形または修正であり、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図7】参考例にかかわる電磁振動型ダイヤフラムポンプのフレーム内にC型鉄心の両端とI型鉄心とに巻線が巻回され、振動子がC型鉄心とI型鉄心との間に設けられ、かつ各ポンプケーシング間に設けられた構造を示す説明図である。
【図8】図7の構造の詳細説明図である。
【図9】通気路の接続方法を示す説明図である。
【図10】参考例の電磁振動型ダイヤフラムポンプの外観を示す斜視図である。
【図11】中央電磁石が各ポンプケーシング部間を橋渡しの構造で装着固定された状態を示す説明図である。
【図12】参考例のポンプの特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0040】
1 ポンプ
2 フレーム
7、7a、7b 振動子
7c 螺子
8 ダイヤフラム
20 気体通気路タンク
PCR1、PCR2、
PCL1、PCL2 ポンプケーシング部
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁振動型ポンプ用タンクに関する。さらに詳しくは、主として自動車や船舶などの移動室内用あるいは一般室内用エアマットへのエア吸排、養魚用水槽や家庭浄化槽などにおける酸素補給、または公害監視における検査ガスのサンプリングなどに利用される電磁振動型ポンプ用気体通路タンクに関する。
【背景技術】
【0002】
電磁ダイヤフラム式ポンプを複数台連結する場合に、複数台のポンプを一体に連結することによって吐出量を増大することはできるが、それに伴って寸法が大きくなる。例えば、複数台のポンプを一体に組み込んで屋外用のブロワ等として使用することを想定した場合、防滴のためにハウジングを設ける必要がある。このような場合に、特に、ハウジングをも含めた装置全体が大型化して設置場所が制限されることから、小型化の要請がある。また、複数台のポンプ同士の配管が複雑になるという問題点もある。
【0003】
このため、複数の圧縮部を有する電磁ダイヤフラム式ポンプにおいて、前記複数の圧縮部が単一のケーシングで覆われ、該各圧縮部が、永久磁石を保持した振動子と、周縁部がケーシングに固定され、中心部が前記振動子の両端に固定されたダイヤフラムであって、前記振動子を前記ケーシングに対して該ダイヤフラムの直交方向に振動自在に支持するための一対のダイヤフラムと、前記振動子を挟み、前記永久磁石に対して前記振動子の振動方向に予定量偏倚させて磁極が配置されたフィールドコアと、前記フィールドコアに巻回されたコイルと、前記ダイヤフラムを一壁面とし、前記振動子の振動方向両側に配置された圧縮室と、前記圧縮室に設けられた弁付き吸入口と、前記圧縮室に設けられた弁付き吐出口とをそれぞれの圧縮部毎に具備するとともに、前記フィールドコアのうち、隣接する圧縮部の各振動子間に配置されたもの同士は一体的に形成されており、かつ、前記コイルに交流を供給して前記フィールドコアの磁極を励磁し、前記永久磁石を該磁極に交互に吸引・反発させることによって前記ダイヤフラムを振動させる電源回路手段を具備したものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2000−54964号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
叙上の特許文献1に記載された電磁振動型ダイヤフラムポンプの場合、構造が複雑で小型化できず、コストが高く、複数台のポンプ同士の配管が複雑になるという問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の目的は、コンパクトな構造で高圧化を実現でき、そのうえ取りつけ位置決めがしやすく、組立作業が簡単な電磁振動型ポンプ用タンクを提供することである。
【0007】
本発明のフレーム内に少なくとも1つの電磁石と、永久磁石を保持した複数の振動子と、前記振動子の両端に連結されたダイヤフラムまたはピストンを介して設けられたポンプケーシングとからなり、前記振動子の両端が、それぞれポンプケーシング部の内部空間と気密に遮断するダイヤフラムと連結され、前記ポンプケーシング部に吸入ノズルと吐出ノズルとが設けられている電磁振動型ポンプに適用される気体通路タンクであって、
前記ポンプケーシング部の上に設けられ、
前記吸入ノズルおよび吐出ノズルを介してポンプケーシング部と連通し、
当該気体通路タンク内で、通気路が直列または並列に仕切られてなる
ことを特徴としている。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、コンパクトな構造で高圧化を実現でき、そのうえ取りつけ位置決めがしやすく、組立作業が簡単な電磁振動型ポンプ用のタンクを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
添付図面を参照しながら本発明の実施の形態にかかわる電磁振動型ポンプ用気体通路タンク(以下、タンクという)を以下に詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図2は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図3は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図4は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図5は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図6は本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図、図7は参考例にかかわる電磁振動型ダイヤフラムポンプのフレーム内にC型鉄心の両端とI型鉄心とに巻線が巻回され、振動子がC型鉄心とI型鉄心との間に設けられ、かつ各ポンプケーシング間に設けられた構造を示す説明図、図8は図7の構造の詳細説明図、図9は通気路の接続方法を示す説明図、図10は参考例の電磁振動型ダイヤフラムポンプの外観を示す斜視図、図11は中央電磁石が各ポンプケーシング部間を橋渡しの構造で装着固定された状態を示す説明図、図12は参考例のポンプの特性を示すグラフである。
【0011】
参考例
本参考例にかかわる電磁振動型ダイヤフラムポンプ(以下、ポンプという)1は、フレーム2内に側極の鉄心をもたない少な第1電磁石3および第2電磁石4と中央電磁石5と、永久磁石6を保持した2つの振動子7と、前記振動子7の両端に連結されたダイヤフラム8(図8参照)を介して設けられたポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2とから構成される。
【0012】
図8を参照すると前記振動子7a、7bの両端には螺子7cによってダイヤフラム8が固着されている。そして、前記振動子7a、7bの両端はそれぞれポンプケーシング部PCR1、PCL1の内部空間と、ポンプケーシング部PCR2、PCL2の内部空間と気密に遮断するダイヤフラム8と連結されている。
【0013】
本参考例においては、図11を参照すると、ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2と前記中央電磁石5は、前記中央電磁石5の巻枠5Fに凹凸5eを設け、該中央電磁石5がポンプケーシング部PCR1、PCL1間およびポンプケーシング部PCR2、PCL2間を橋渡しの構造で装着固定されて、ポンプケーシング部PCR1、PCL1間およびポンプケーシング部PCR2、PCL2間を橋渡しの構造で装着固定されている。
【0014】
前記ポンプケーシング部PCR1には吸入ノズルS1aおよび吐出ノズルD1a、ポンプケーシング部PCL1には吸入ノズルS1bおよび吐出ノズルD1b、ポンプケーシング部PCR2には吸入ノズルS2aおよび吐出ノズルD2a、ポンプケーシング部PCL2には吸入ノズルS2bおよび吐出ノズルD2bがそれぞれ設けられており、ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の上に設けられた気体通路タンク20が前記吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bを介してポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2と連通している(図7参照)。
【0015】
実施の形態1
図1、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20(図10参照)は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3により並列に仕切られた構造を有している。
【0016】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、第1段圧縮仕切壁W1により画定された(仕切られた)空間から流出口23を経て仕切壁W2およびW3に仕切られた空間に流入口24a、24cおよび24b、24dから流入し、流出口25a、25cおよび25b、25dから該流出口25a、25cおよび25b、25dと連通した吸入ノズルS1b、S1aおよびS2b、S2aを経て各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2に流入し、吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通している流出口26a、26b、26c、26dを経て、仕切壁W1、W2、W3および外壁Wによって画定された空間(流路)から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0017】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0018】
この構造が前述の参考例のポンプ1に吸入された流体を各ポンプケーシング部PCR1、PCR2とにそれぞれ導入して、圧縮したのち吐出するようにする構造((図9(c)参照))に相当し、吐出量(風量l/min)だけが際立って優れた特性が得られる(図12の参照符号L参照)。
【0019】
本実施の形態のタンク20は、参考例のポンプ1だけに適用されるのではなく、図3および7に示されるようなポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bを備えたポンプであれば、いかなる構造のものにでも適用することができる。
【0020】
実施の形態2
一方、図2、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4により直列に仕切られた構造を有している。
【0021】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1により画定された(仕切られた)空間から流出口23を経て仕切壁W2およびW3によって仕切られた空間に流入口24a、24bから流入し、流出口25a、25bから該流出口25a、25bと連通した吸入ノズルS1bおよびS2bを経て各ポンプケーシング部PCR1、PCL1に流入し、吐出ノズルD1a、D2aと連通している流出口26a、26bを経て、仕切壁W2、W3、W4および外壁Wによって画定された空間(流路)から吐出口27a、27bおよび該吐出口27a、27bと連通している吸入ノズルS2a、S2bを経てポンプケーシング部PCR2、PCL2に流入し、吐出ノズルD2a、D2bおよび該吐出ノズルD2a、D2bと連通している流入口28a、28bを経て仕切壁W1、W4および外壁Wによって画定された空間(流路)から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0022】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0023】
この構造が前述の参考例のポンプ1に吸入された流体を各ポンプケーシング部PCR1に導入し、圧縮したのち流体をポンプケーシング部PCL1に導入して、さらに圧縮した流体をポンプケーシング部PCL2に導入し、しかるのちにポンプケーシング部PCR2に導入してさらに圧縮したのち吐出するようにする構造(図9(d)参照)に相当し、吐出圧力(kPa)だけが際立って優れた特性が得られる(図12の参照符号M参照)。
【0024】
本実施の形態のタンク20は、参考例のポンプ1だけに適用されるのではなく、図3および7に示されるようなポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bを備えたポンプであれば、いかなる構造のものにでも適用することができる。
【0025】
実施の形態3
図3、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20(図10参照)は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4、W5により並直列に仕切られた構造を有している。
【0026】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1により仕切られた空間から流出口23を経て仕切壁W2、W3、W4およびW5に仕切られた空間に流入口24aおよび24bから流入し、流出口25aおよび25bから該流出口25aおよび25bと連通した吸入ノズルS1bおよびS1bを経て各ポンプケーシング部PCL1、PCR1に流入し、吐出ノズルD1b、D1aと連通している流出口26a、26bを経て、仕切壁W2、W3、W4および外壁Wによって画定された空間と、仕切壁W2、W4および外壁Wによって画定された空間から流出口27a、27bから流出口27a、27bと連通した吸入ノズルS2b、S2aを経て各ポンプケーシング部PCL2、PCR2に流入し、吐出ノズルD2b、D2aと連通している流出口28aおよび28bから仕切壁W1、W5および外壁Wによって画定された画定された流路から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0027】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0028】
この構造が前述の参考例のポンプ1に吸入された流体を各ポンプケーシング部PCR1、PCL1とにそれぞれ導入して、圧縮したのち各ポンプケーシング部PCL2、PCR2に吐出するようにする構造((図9(a)参照))に相当する。
【0029】
実施の形態4
図4、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20(図10参照)は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4、W5により直列に仕切られた構造を有している。
【0030】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1により仕切られた空間から流出口23を経て仕切壁W2、W3および外壁Wに仕切られた空間に流入口24から流入し、流出口25から該流出口25と連通した吸入ノズルS1bを経てポンプケーシング部PCL1に流入し、吐出ノズルD1bと連通している流出口26を経て、仕切壁W2、W3および外壁Wによって画定された空間から流出口27から流出口27と連通した吸入ノズルS1aを経てポンプケーシング部PCR1に流入し、吐出ノズルD1aと連通している流出口28から仕切壁W2、W4および外壁Wによって画定された空間から流出口29から流出口29と連通した吸入ノズルS2aを経てポンプケーシング部PCR2に流入し、吐出ノズルD2aと連通している流出口30から仕切壁W1、W2、W4、W5および外壁Wによって画定された空間に流入し、流出口31から該流出口31と連通した吸入ノズルS2bを経てポンプケーシング部PCL2に流入し、吐出ノズルD2bと連通している流出口32から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0031】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0032】
この構造が前述の参考例のポンプ1に吸入された流体をポンプケーシング部PCR1に導入して、圧縮したのちポンプケーシング部PCL1に吐出して圧縮したのち、ポンプケーシング部PCL2に吐出してさらに圧縮したのち、ンプケーシング部PCR2に吐出するようにする構造((図9(d)参照))に相当する。
【0033】
実施の形態5
図5、7および8を参照すると、本実施の形態の気体通路タンク20(図10参照)は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4、W5により左右独立して直列に仕切られた構造を有している。
【0034】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21a、21bから気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1、W2および外壁Wによって画定された空間と、仕切壁W1、W3および外壁Wによって画定された空間から、それぞれ流出口23a、23bを経て仕切壁W1、W2、W4および外壁Wに仕切られた空間と、W1、W3、W5および外壁Wに仕切られた空間に流入口24aおよび24bから流入し、流出口25aおよび25bから該流出口25aおよび25bと連通した吸入ノズルS2b、S2aを経て各ポンプケーシング部PCL2、PCR2に流入し、吐出ノズルD2b、D2aと連通している流出口26a、26bを経て、仕切壁W2、W3、W4および外壁Wによって画定された空間と、仕切壁W1、W4および外壁Wによって画定された空間と、W1、W5および外壁Wによって画定された空間に流入し、流出口27a、27bから吐出口22a、22bを経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0035】
実施の形態6
図6、7および8を参照すると、前述の実施の形態2の変形例である本実施の形態の気体通路タンク20は、参考例に示されたポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bおよび吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bと連通して、気体通路タンク20内で、通気路が仕切壁W1、W2、W3、W4、W5により並直列に仕切られた構造を有している。
【0036】
吸入ノズルS1a、S1b、S2a、S2bは、それぞれポンプケーシングPCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吸入室SRと連通している。そして、吸入室SRと圧縮室C1、C2、C3、C4とが逆止弁NRを介して連通している。このため、吸気口21から気体通路タンク20に流入した空気は、仕切壁W1により仕切られた空間から流出口23を経て仕切壁W3およびW4によって仕切られた空間に流入口24a、24bから流入し、流出口25a、25bから該流出口25a、25bと連通した吸入ノズルS1bおよびS2bを経て各ポンプケーシング部PCR1、PCL1に流入し、吐出ノズルD1a、D2aと連通している流出口26a、26bを経て、仕切壁W2、W3および外壁Wによって画定された空間と、仕切壁W2、W4および外壁Wによって画定された空間にそれぞれ流入し、吐出口27a、27bおよび該吐出口27a、27bと連通している吸入ノズルS2a、S2bを経てポンプケーシング部PCR2、PCL2に流入し、吐出ノズルD2a、D2bおよび該吐出ノズルD2a、D2bと連通している流入口28a、28bを経て仕切壁W1、W5および外壁Wによって画定された流路から吐出口22を経て気体通路タンク20の外部に吐出される。
【0037】
図中の矢印Hは空気などの流体の流れる方向を示す。吐出ノズルD1a、D1b、D2a、D2bは各ポンプケーシング部PCR1、PCL1、PCR2、PCL2の吐出室DRと連通しており、吐出室DRは圧縮室C1、C2、C3、C4と逆止弁NRを介して連通している。
【0038】
前述の実施の形態1から6は、ポンプケーシング部が左右2つづつ設けられたものを例にとって説明しているが、本発明の気体通路タンクは、かかる構成の電磁振動型ポンプへの適用に限られない。複数個(2または3以上)のポンプケーシング部を備えた電磁振動型ポンプに適用することは当業者には自明の変形または修正であり、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図2】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図3】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図4】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図5】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図6】本発明の他の実施の形態の気体通路タンク内の空気の流れを示す説明図である。
【図7】参考例にかかわる電磁振動型ダイヤフラムポンプのフレーム内にC型鉄心の両端とI型鉄心とに巻線が巻回され、振動子がC型鉄心とI型鉄心との間に設けられ、かつ各ポンプケーシング間に設けられた構造を示す説明図である。
【図8】図7の構造の詳細説明図である。
【図9】通気路の接続方法を示す説明図である。
【図10】参考例の電磁振動型ダイヤフラムポンプの外観を示す斜視図である。
【図11】中央電磁石が各ポンプケーシング部間を橋渡しの構造で装着固定された状態を示す説明図である。
【図12】参考例のポンプの特性を示すグラフである。
【符号の説明】
【0040】
1 ポンプ
2 フレーム
7、7a、7b 振動子
7c 螺子
8 ダイヤフラム
20 気体通気路タンク
PCR1、PCR2、
PCL1、PCL2 ポンプケーシング部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
フレーム内に少なくとも1つの電磁石と、永久磁石を保持した複数の振動子と、前記振動子の両端に連結されたダイヤフラムまたはピストンを介して設けられたポンプケーシング部とからなり、前記振動子の両端が、それぞれポンプケーシング部の内部空間と気密に遮断するダイヤフラムまたはピストンと連結され、前記ポンプケーシング部に吸入ノズルと吐出ノズルとが設けられている電磁振動型ポンプに適用される気体通路タンクであって、
前記ポンプケーシング部の上に設けられ、前記吸入ノズルおよび吐出ノズルを介してポンプケーシング部と連通し、
通気路が直列および/または並列に仕切られ、当該気体通路の側壁に空気の供給および排出のために、少なくとも1つの吸気口と排出口を備えてなる
ことを特徴とする気体通路タンク。
【請求項2】
前記ポンプケーシング部が複数個設けられ、前記通気路が、当該複数個のポンプケーシングに対して並列になるように仕切られてなる請求項1記載の気体通路タンク。
【請求項3】
前記ポンプケーシング部が複数個設けられ、前記通気路が、当該複数個のポンプケーシング同士が並列になるように仕切られたのち、さらにそれぞれが直列になるように仕切られてなる請求項1記載の気体通路タンク。
【請求項4】
前記ポンプケーシング部が複数個設けられ、前記通気路が、当該複数個のポンプケーシングすべてに対して直列になるように仕切られてなる請求項1記載の気体通路タンク。
【請求項5】
前記ポンプケーシング部が複数個設けられ、前記通気路が、当該複数個のポンプケーシングが、それぞれ直列になるように仕切られてなる請求項1記載の気体通路タンク。
【請求項1】
フレーム内に少なくとも1つの電磁石と、永久磁石を保持した複数の振動子と、前記振動子の両端に連結されたダイヤフラムまたはピストンを介して設けられたポンプケーシング部とからなり、前記振動子の両端が、それぞれポンプケーシング部の内部空間と気密に遮断するダイヤフラムまたはピストンと連結され、前記ポンプケーシング部に吸入ノズルと吐出ノズルとが設けられている電磁振動型ポンプに適用される気体通路タンクであって、
前記ポンプケーシング部の上に設けられ、前記吸入ノズルおよび吐出ノズルを介してポンプケーシング部と連通し、
通気路が直列および/または並列に仕切られ、当該気体通路の側壁に空気の供給および排出のために、少なくとも1つの吸気口と排出口を備えてなる
ことを特徴とする気体通路タンク。
【請求項2】
前記ポンプケーシング部が複数個設けられ、前記通気路が、当該複数個のポンプケーシングに対して並列になるように仕切られてなる請求項1記載の気体通路タンク。
【請求項3】
前記ポンプケーシング部が複数個設けられ、前記通気路が、当該複数個のポンプケーシング同士が並列になるように仕切られたのち、さらにそれぞれが直列になるように仕切られてなる請求項1記載の気体通路タンク。
【請求項4】
前記ポンプケーシング部が複数個設けられ、前記通気路が、当該複数個のポンプケーシングすべてに対して直列になるように仕切られてなる請求項1記載の気体通路タンク。
【請求項5】
前記ポンプケーシング部が複数個設けられ、前記通気路が、当該複数個のポンプケーシングが、それぞれ直列になるように仕切られてなる請求項1記載の気体通路タンク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2006−322396(P2006−322396A)
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−146856(P2005−146856)
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(390006286)株式会社テクノ高槻 (17)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年11月30日(2006.11.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年5月19日(2005.5.19)
【出願人】(390006286)株式会社テクノ高槻 (17)
【Fターム(参考)】
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