説明

電磁放射検知器の製造方法およびその方法によって得られた検知器

【課題】電磁放射検知回路の成長基板を除去する方法を提供する。
【解決手段】赤外または可視範囲での電磁放射検知回路の成長基板を除去する方法であって、検知回路が、液相または気相エピタキシによって、または分子ビームエピタキシによって得られたHg(1−x)CdTeで作られた、放射の検知層を含み、検知回路がリード回路上にハイブリッド化された方法。この方法は、以下の段階を含む。検知回路の材料と成長基板と間の界面領域まで、その厚みを低減するために成長基板に機械研磨または化学機械研磨ステップまたは化学エッチングステップを施す段階、そのように得られた界面にヨウ素処理を施す段階。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電磁放射検知器、より詳細にはそのような検知器を製造する方法に関する。
【0002】
本発明は、より詳細には赤外スペクトル範囲、特に近赤外、並びに可視範囲に関する。
【背景技術】
【0003】
電磁放射検知器は従来、検出されるべき電磁波を検出するための電子回路から形成され、その結果対応する波長範囲に感度を有し、既知の方法で電磁放射を連続的に電気信号に変換する。そのような検知回路は、検知回路によって生成される電気信号を、特に後続の処理を実行することができるように増幅することによって、変換することが意図された電気的なリード回路と関係付けられる。
【0004】
本発明は、より詳細には、ハイブリダイゼーションバンプまたはマイクロバンプを用いて、よく知られるフリップチップ技術によって、典型的にはシリコンで作られた、リード回路でハイブリッド化された検知回路で形成された検知器、および後方からの関係する放射の検知を目的とする。
【0005】
検討された検知器は、一般式HgCdTeの合金に基づき形成された検知回路を有するものを含み、この材料は赤外電磁放射を吸収することでよく知られている。この材料は、従来液相または気相エピタキシにより、または固体CdZnTe合金で形成された基板に基づく、または、その変形として、CdTeまたはCdZnSeTeに基づくメッシュパラメータ適合層が予め堆積された、Si、Ge、またはAsGa型の半導体基板上での、分子ビームエピタキシにより、得られる。以下の記載において、および他の方法で特定されない限り、固体CdZnTeで作られた、またはCdTeまたはCdZnSeTe層でコーティングされた半導体で作られたこの基板は、一般式Cd(Zn)Teで示される。
【0006】
そのようなCd(Zn)Te基板は、典型的には200から800マイクロメートルの間である、変更され得る厚みを有する。特に赤外に関して、検知される放射はほとんど吸収されない。しかしながら、検知器に対して近赤外または可視範囲に感度を有することが望まれるとき、問題が提起される。
【0007】
実は、Cd(Zn)Te基板は、近赤外または可視波長範囲において入射する放射を吸収し、それによって検知される信号は低減され、かつその目的を達成しない。
【0008】
天文学においても、そのようなCd(Zn)Te基板が宇宙線を同様に吸収し、その後HgCdTe吸収材料が感度を有する波長において再放射し、不要なゴースト像の生成をもたらすので、同じ理由で、同じ問題が提起される。
【0009】
そのような問題を排除するため、リード回路上に検知回路をハイブリッド化した後、Cd(Zn)Te成長基板を除去できることが好ましい。
【0010】
この目的のために、今までの方法は、リード回路上に検知回路をハイブリッド化する段階の後、その名目上の厚みである数百マイクロメートルを数十マイクロメートルの厚みに、典型的には5から80マイクロメートルの間に低減するために、Cd(Zn)Te基板の機械研磨または化学機械研磨を実施する段階を含む。
【0011】
そのような研磨段階は、HgCdTeに対してCdZnTeを選択的にエッチングする溶液を用いる化学エッチングの段階によって引き継がれ、または置き換えられてよい。化学溶液によるHgCdTeに対するCdZnTeエッチングの選択性は、界面における2つの材料の間の水銀およびカドミウム組成の相違に起因する。
【0012】
材料の組成がCdZnTe基板の組成と近づくとき、この選択性は減少する。
【0013】
実験によって、HgCdTe材料に対するCdZnTe材料の化学的エッチングの選択性が利用できる組成の限界が、式Hg(1−x)CdTeによって記述されるHgCdTe材料のカドミウムの原子組成x=0.5に達することが示される。
【0014】
CdZnTe基板とHg(1−x)CdTe材料との間の緩やかな組成の遷移が存在する。実は、CdZnTe基板上のHg(1−x)CdTe合金でできた検知層のエピタキシャル成長の間、活性Hg(1−x)CdTe層と基板との間にカドミウム組成の勾配が形成され、これは以下のどちらかによりもたらされる。
・液相エピタキシに関連する、Hg(1−x)CdTeエピタキシとCdZnTe基板との間の相互拡散。
・分子ビームエピタキシまたは気相エピタキシにおける成長パラメータの連続的な調整。
【0015】
基板と吸収材料との間の遷移が緩やかなものであるという事実は、化学エッチングの選択性の欠如と関連して、結果的にエピタキシの間に形成された組成勾配の部分がCdZnTe基板の化学エッチングの間に存在しなくなることを意味する。
【0016】
化学研磨または化学機械研磨、およびその後の化学研磨、によりCdZnTeを除去する従来法により、感光性Hg(1−x)CdTe材料の水銀に富む組成物(すなわちxcd<0.4)の制御された製造効率を有する高機能検知器が提供される。
【0017】
可視波長において、Hg(1−x)CdTe材料の吸収係数はおおよそ数10から10cm−1の間の範囲である。言い換えれば、対象とする放射の殆どは非常に迅速に吸収される(数百ナノメートル)。
【0018】
Hg(1−x)CdTe検知材料の層の後方表面に近いフォトンの吸収により、電子−正孔対(光キャリア)が生成される。
【0019】
水銀に富むHg(1−x)CdTeの場合、残余のカドミウムの組成勾配および関連する伝導の潜在的な勾配および価電子帯は、光キャリアを、表面に位置する再結合中心(不飽和ダングリングボンド、欠陥…)上で再結合させることなく、後方側から離れるように駆動するのに十分である。光キャリアは、その後それらがリード回路によって収集される前方表面に拡散することができる。
【0020】
Hg(1−x)CdTeの水銀組成が低い場合(xcd>0.4)、残余の組成勾配および関連する潜在的な勾配は、光キャリアを後方側から離れるように駆動するのに不十分であり、前記光キャリアは表面に位置する再結合中心上で再結合する。
【0021】
ここで、光キャリア再結合は、表面の近くで生成されるとき、結果的にそれらが最も高い吸収係数を有する短い波長のフォトンに対応するとき、なおさら光キャリアに影響する。検知器領域に応じて変化する低い波長における感度の損失が、結果的に観察され得る。
【0022】
言い換えれば、Cd(Zn)Te基板とHgCdTe検知材料との間のエピタキシから得られる組成勾配は、光キャリアを後方側に向かって遠ざけるバンドギャップ勾配を形成し、検知機能が水銀原子組成が0.6よりも大きいHgCdTe材料の表面に位置する潜在的な再結合中心の影響を受けないようにする。
【0023】
反対に、CdZnTe成長基板の除去方法は、CdZnTeとHgCdTeとの間で実質的に選択的ではなく、このことによってエピタキシの間形成されるカドミウム組成勾配の部分的なまたは全体的な消失(相補的に、水銀に関しても同じ)が起こり、HgCdTe材料表面に位置する再結合中心が後方側の近くで光生成されたキャリアの再結合を起こし、結果的に低波長における検知器の感度の損失を誘起するようにする。
【0024】
本発明は、これらの問題点を克服することを目的とする。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0025】
【特許文献1】仏国特許第2646558号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明は、第1に、前記表面上に存在する再結合中心を抑制し、それによって光キャリアと前記再結合中心との再結合を回避するために、CdZnTe成長基板を除去する傾向がある、従来の機械または化学機械処理および/または、他の方法として、化学エッチング法の後で、リード回路上にハイブリッド化された検知回路のHgCdTeで作られた検知層の後方側を処理することを可能にする特定の方法を目的とする。
【0027】
本発明は、液体もしくは気体エピタキシまたは分子ビームエピタキシによりHg(1−x)CdTeで作られ、検知回路はリード回路上にハイブリッド化された、特に赤外または可視範囲における電磁放射検知回路のCdZnTe成長基板を除去するための、および、成長基板と前記成長基板の除去に引き続いて得られる検知材料との間の界面の後続の処理のための、方法を目的とする。
【0028】
本方法は、成長基板に、基板を除去するための機械または化学機械研磨を、または化学エッチングを施す段階、およびそのようにして得られたアセンブリにヨウ素処理を施す段階を含む。
【0029】
言い換えれば、本発明は、特に機械または化学機械研磨により、および/または化学エッチングにより、従来の成長基板除去法を実施する段階、およびその後これら従来の段階を実施した後で、特に適切な組成物(典型的には酸水溶性KI/I/HBrまたはHI/I溶液内で)の溶液槽内に浸漬することによって、アセンブリに化学ヨウ素処理を施す段階を含む。
【0030】
従来の機械または化学機械研磨、および/または従来の化学エッチングを実施した後に得られる部品の、例えばKI/I/HBrの水溶液による処理は、表面に直接架橋された、かつ時間的にも温度的にも安定である、非常に薄い表面の元素ヨウ素膜の形成をもたらす。
【0031】
そのような表面膜はHgCdTe表面に存在する再結合中心が材料を吸収するのを抑制(または少なくとも中和)することを可能にする。言い換えれば、ヨウ素膜は前記表面の不動態化を引き起こす。
【0032】
溶液槽はアルコールに溶解された分子ヨウ素、特にI−MeOHで形成されてもよい。
【0033】
化学的酸ヨウ素処理の前に、ただし研磨に続いて、残余のCdZnTe厚みを除去するために、前記成長基板に化学エッチングを施すことが考えられる。
【0034】
いずれにしても、本発明の方法は、HgCdTe材料の後方側を不動態化する一方で、そのエッチングを可能な限り最小とすることを目的とする。
【0035】
本発明の前述のおよび他の特徴および利点は、添付される図面と関連する特定の実施形態に関する以下の非制限的説明において議論される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1a】本発明による電磁放射検知器の簡単化された断面図であり、HgCdTe検知材料からCdZnTe成長基板を除去する方法の様々な段階を説明する。
【図1b】本発明による電磁放射検知器の簡単化された断面図であり、HgCdTe検知材料からCdZnTe成長基板を除去する方法の様々な段階を説明する。
【図1c】本発明による電磁放射検知器の簡単化された断面図であり、HgCdTe検知材料からCdZnTe成長基板を除去する方法の様々な段階を説明する。
【発明を実施するための形態】
【0037】
本発明の検知回路は、赤外放射に対して透明である支持体4上の金属学的成長によって得られる、HgCdTe合金の層3で形成される。成長基板または支持体4は、記載される例において、CdZnTe合金で作られる。変形として、成長段階の前に、数マイクロメートルの厚みを有するCdTeベースのメッシュ適合層が堆積された、単結晶半導体基板(Si、Ge、またはAsGa)で置き換えられてよい。この層を形成する材料は、例えばCdSeZnTe型の四元合金であってよい。
【0038】
成長は、液相、気相、または分子ビームエピタキシによって実施される。
【0039】
成長法は、実際の吸収層3とCdZnTe基板4との間に、カドミウム組成変化領域5の生成をもたらし、これはある意味では、領域3と基板4との間の界面に位置する。言い換えれば、領域5は成長基板と吸収領域3との間の界面に位置する。
【0040】
成長が液相エピタキシによって得られる場合、組成変化領域は相互拡散領域であり、これは明確には区切られていない。
【0041】
吸収層3の他の表面、すなわち組成変化領域5の反対側は、その上に形成されたダイオード6を有する。
【0042】
典型的にはシリコン技術で作られた、リード回路1を備えたアセンブリ3、4、5により形成される検知回路の接続は、既知のハイブリッド化技術によって、特にインジウムで作られた、バンプまたはマイクロバンプ2を用いて、例えば仏国特許第2646558号公報に記載されるように、得られる。
【0043】
そのようなマイクロバンプ2は、検知アセンブリのリード回路1に対する正の機械的接続、および検知回路と電磁放射との相互作用から得られる電気信号のリード回路への移送を可能にする電気伝導の両方を確かにする。
【0044】
序文で述べたように、本発明の検知器は後方検知(すなわち検知領域3の回路の後方から実施される)を提供する。この目的のために、前記検知層3のCd(Zn)Te成長基板4は除去されるべきである。
【0045】
このように、シリコンリード回路1上の検知回路3、4、5のハイブリッド化の後(図1a)、Cd(Zn)Te基板4の化学機械研磨の第1段階が実施される。この研磨は、機械ラッピング段階で置き換えられてもよい。この段階は、Cd(Zn)Te支持体の厚みの多くを削除することを可能にし、さらにHgCdTeとCd(Zn)Teとの間の選択性を有するエッチング溶液を用いて第1化学作用の下で行ってよい。そのような溶液は、例えばフッ酸、硝酸、および酢酸溶液槽で形成される。
【0046】
成長基板がCdTe材料の層が堆積されている単結晶半導体で形成されるという仮定の下で、前記基板の削除は、検討される半導体とCdTeベース層との間の選択性を有する、簡単な化学作用で始められてよい
【0047】
これは、吸収材料領域またはHg(1−x)CdTeで作られた検知層3と接触する、残余の組成変化領域5’のみが残っている図1bの簡略図をもたらす。それ以前の段階の間に部分的なエッチング(機械的または化学的)を受けるので、この領域は残余と呼ばれる。
【0048】
領域5’の自由表面7は、序文に議論されるように、近赤外または可視の検知に関して問題を起こす複数の活性再結合中心を示す。
【0049】
リード回路上にハイブリッド化される検知回路により形成されるアセンブリは、その後1Mの塩酸に浸漬することによって前記領域5’表面の脱酸素をまず施される。
【0050】
脱イオン水でアセンブリを洗い流した後、次いで同じアセンブリが数秒から数分または数十分までの範囲の時間、ヨウ化エッチング溶液内で浸漬による処理を受ける。この溶液は典型的には以下の組成を有する。
・分子ヨウ素:10−1から10−5
・臭化水素酸:HBr、0.09Mから9M
・脱イオン水
【0051】
臭化水素酸は、同様に0.09Mから9Mの、ヨウ化水素酸HIで置き換えられてもよく、または同じモル濃度を有する塩酸HClで置き換えられてもよい。
【0052】
ヨウ素Iの溶解を加速する機能、および溶液を安定化する機能を有する、8Mから0Mのヨウ化カリウムKIを溶液に導入することも考えられる。
【0053】
そのような溶液によって、残余の組成変化領域5’の上部層のエッチング速度が典型的には1分あたり1から6,000ナノメートルの間の範囲であることがわかる。
【0054】
続いて、脱イオン水内で約5分間洗い流し窒素ブローした後、リード回路のハイブリッド化表面とは反対側に、残余組成変化領域5’表面に共有結合によって直接化学的に結合される、ヨウ素で形成された非常に薄い表面膜8の形成が観察される。
【0055】
薄膜8は不動態層として働き、実際には、CdZnTe成長基板の薄化または除去といった従来の方法から得られる残余組成変化領域5’表面に元々存在する活性再結合中心を阻害する。
【0056】
残余組成変化領域5’表面における、この非常に薄いヨウ素膜8(典型的には単原子膜)の形成は、XPS(x−ray photoelectron spectroscopy)スペクトルの修正によって特に観察可能であり、ヨウ素と、残余組成変化領域5’の材料を形成するカドミウムおよび水銀の各々との間の共有結合形成に特徴的なカドミウム3dおよび水銀4fのエネルギーピークのオフセットを示す。
【0057】
酸処理による前記層の表面改質は、偏光解析法によって、すなわち光極性変化に基づく特性評価および表面分析の光学的方法によって、サンプル平面表面上の光の反射によって、検知することもできる。この偏光解析法による解析はHg(1−x)CdTeの実および虚光学指数の変更をもたらす。
【0058】
このように得られた部品を高温に曝しても(典型的には145℃で10分)処理表面に変化はなく、結果的にヨウ化表面ネットワーク8の時間および温度に対する安定性を示す。
【0059】
この結果は、ヨウ素による表面不動態化の利益を失うことなく、Cd(Zn)Te基板の除去に続く熱処理の実行を可能にするので、完全に利点である。
【0060】
これは結果的に、赤外部品、特に冷却された赤外部品の製造に含まれる一連の技術手順にヨウ素処理を統合することを可能にする。
【0061】
検知特性の観点から、そのように不動態化されることによって、選択的化学エッチング段階におけるCd(Zn)Te基板とHg(1−x)CdTe材料でできた活性検知層との間の組成勾配の部分的または全体的な消失に対する検知器の脆弱性を低減することが可能になる。したがって、最も短い波長(典型的には400から800ナノメートル)を有し、表面近くで吸収されるフォトンから生じる光キャリアは、検知回路の後方側ではもはや再結合せず、リード回路によって収集され得る。
【0062】
前述の例において、酸性媒体におけるヨウ素溶液の特定の組成物が使用されている。ヨウ化カリウムはヨウ素酸カリウムKIOで置き換えられてよい。
【0063】
本発明は、例えば前述の例において溶媒として水の代わりにアルコールを有する系など、分子ヨウ素が形成および/または安定化される、任意の方法も目的とする。重要なのは、溶液中に使用可能な分子ヨウ素を有することである。
【0064】
もちろん、本発明は当業者により容易に考えられる様々な代替物、変更物、および改良物を含むだろう。そのような代替物、変更物、および改良物は、本開示の一部であると意図され、本発明の精神および範囲内のものであると意図される。したがって、先の記述は例示のみを目的とし、制限を意図しない。本発明は、ただ以下の請求項に記載されるように、およびその均等物に制限される。
【符号の説明】
【0065】
1 リード回路
2 バンプ
3 吸収層
4 基板
5、5’ 組成変化領域
6 ダイオード
7 自由表面
8 ヨウ素膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
特に赤外または可視範囲での電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法であって、前記検知回路が、液相または気相エピタキシによって、または分子ビームエピタキシによって得られたHg(1−x)CdTeで作られた、前記放射の検知層(3)を含み、前記検知回路がリード回路(1)上にハイブリッド化され、以下の段階を含む方法:
・検知回路の材料と成長基板と間の界面領域まで、その厚みを低減するために成長基板(4)に機械研磨または化学機械研磨ステップまたは化学エッチングステップを施す段階、
・そのように得られた界面にヨウ素処理を施す段階。
【請求項2】
ヨウ素が溶液中に分子の形態で存在し、その溶媒が水である、請求項1に記載の電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法。
【請求項3】
ヨウ素処理が酸性媒体中で実施される、請求項1または2に記載の電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法。
【請求項4】
ヨウ素処理が、機械研磨および/または化学機械研磨ステップおよび/または化学エッチングから得られる検知器を、以下の組成を有する溶液槽内に一般的に浸漬することによって実施される、請求項1から3の何れか一項に記載の電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法:
・分子ヨウ素:10−1から10−5
・臭化水素酸HBrまたはヨウ化水素酸HI:0.09Mから9M
・脱イオン水
【請求項5】
酸性媒体中のヨウ素処理が、機械研磨および/または化学機械研磨ステップおよび/またはアセンブリに塩酸溶液槽を用いることによる化学エッチングステップの後に得られる残余組成変化領域(5’)の表面(7)の脱酸素の実施の後に行われる、請求項4に記載の電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法。
【請求項6】
ヨウ素処理が、機械研磨および/または化学機械研磨ステップおよび/または化学エッチングから得られる検知器を、以下の組成を有する溶液槽内に一般的に浸漬することによって実施される、請求項1から3の何れか一項に記載の電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法:
・分子ヨウ素:10−1から10−5
・塩酸HCl:0.09Mから9M
・脱イオン水
【請求項7】
ヨウ素が溶液中に分子の形態で存在し、その溶媒がアルコールであり、特にI−MeOHである、請求項1に記載の電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法。
【請求項8】
成長基板が固体Cd(Zn)Te材料で形成される、請求項1から7の何れか一項に記載の電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法。
【請求項9】
成長基板が、数マイクロメートルの厚みを有するCdTeベースメッシュパラメータ適合層が予め堆積された単結晶半導体で形成される、請求項1から7の何れか一項に記載の電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法。
【請求項10】
アセンブリにヨウ素処理を施す前に、ただし機械研磨または化学機械研磨ステップまたは化学エッチングステップに続いて、成長基板の残余の厚みを除去するために、アセンブリに化学エッチングを施す、請求項1から9の何れか一項に記載の電磁放射検知回路(3、4、5)の成長基板(4)を除去する方法。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【公開番号】特開2013−16796(P2013−16796A)
【公開日】平成25年1月24日(2013.1.24)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−143911(P2012−143911)
【出願日】平成24年6月27日(2012.6.27)
【出願人】(595181922)ソシエテ・フランセズ・ドゥ・デテクトール・アンフラ−ルージュ−ソフラディール (1)
【出願人】(500531141)セントレ・ナショナル・デ・ラ・レシェルシェ・サイエンティフィーク (84)
【Fターム(参考)】