電磁誘導加熱装置及びそれを用いた暖房・給湯装置
【課題】無駄な熱の散逸が殆どなく、短時間に高温になり、又、細菌やウイルスを死滅させ易い電磁誘導加熱装置を提供する。
【解決手段】内側の第一発熱体1と第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2と第二発熱体2の外側に設けられた第一流路F1と第一発熱体1と第二発熱体2との間に設けられた第二流路F2とを備え、第一流路F1に導入された非加熱媒体は第二発熱体2及び第一発熱体1に接触せずに第一流路F1及び第二流路F2を流れ、第二発熱体2に交番電力を印加することにより第二発熱体2が発熱すると共に第一発熱体1との間の電磁誘導作用により第一発熱体1が発熱し、第一流路F1に導入された非加熱媒体は第一流路F1にて第二発熱体2により加熱されると共に第二流路F2にて第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるように構成する。
【解決手段】内側の第一発熱体1と第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2と第二発熱体2の外側に設けられた第一流路F1と第一発熱体1と第二発熱体2との間に設けられた第二流路F2とを備え、第一流路F1に導入された非加熱媒体は第二発熱体2及び第一発熱体1に接触せずに第一流路F1及び第二流路F2を流れ、第二発熱体2に交番電力を印加することにより第二発熱体2が発熱すると共に第一発熱体1との間の電磁誘導作用により第一発熱体1が発熱し、第一流路F1に導入された非加熱媒体は第一流路F1にて第二発熱体2により加熱されると共に第二流路F2にて第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるように構成する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁誘導加熱装置及びそれを用いた暖房・給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、暖房装置や給湯装置に具備せしめられる加熱装置としては、重油等の燃料を燃焼した熱で、水を加熱するボイラが一般的に用いられてきた。
一方、加熱装置として、電磁誘導作用により生じた熱で、水を加熱するように構成された電磁誘導加熱装置も多数提案されている。
例えば、特開2001−263810号公報には、水が流通するパイプの内側に電磁誘導により発熱する鉄板からなる昇温器を配設し、当該パイプの外側にコイルを巻いて通電することによって、パイプ内に設けた当該昇温器を電磁誘導加熱して、パイプ内を通過する水を加熱するように構成されたものが提案されている。
しかしながら、この従来例では、水が流通するパイプの内側に電磁誘導加熱し得る鉄板からなる昇温器を設けて、パイブの外側に電線を巻き回してワ−クコイル(ソレノイドコイル)を形成して、パイプ内を流れる水を加熱する構成であるため、昇温器と水が接触して熱損失が大きく熱効率が低いものとなる。
他の電磁誘導加熱装置も、上記昇温器のような発熱体が水と接触して当該水を加熱する形式が殆んどである(特開2002−022107号公報、特開2003−297537号公報、特開2005−233572号公報、特開2005−327738号公報、特開2006−064358号公報、特開2007−178089号公報、特開2008−202922号公報、特開2008−204927号公報、特開2009−174768号公報)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−263810号公報、特開2002−022107号公報、特開2003−297537号公報、特開2005−233572号公報、特開2005−327738号公報、特開2006−064358号公報、特開2007−178089号公報、特開2008−202922号公報、特開2008−204927号公報、特開2009−174768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消できる技術を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的および新規な特徴は以下の明細書及び図面の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特許請求の範囲は、次の通りである。
(請求項1) 内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第二流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路及び第二流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されると共に、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
(請求項2) 内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路及び第二流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第三流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路、第二流路及び第三流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第三流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
(請求項3) 内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第三発熱体と、当該第三発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第三発熱体の内側に設けられた第二流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第三流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第三発熱体、第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路、第二流路及び第三流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体及び第三発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体及び第三発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第三発熱体により加熱され、次いで、当該第二流路にて当該第二発熱体及び第三発熱体により加熱されると共に、当該第三流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
(請求項4) 第一発熱体が、金属製の筒体の内部に加熱により発熱し蓄熱することができる発熱・蓄熱材を内蔵させてなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の電磁誘導加熱装置。
(請求項5) 請求項1、2、3又は4に記載の電磁誘導加熱装置と暖房を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から供給された加熱媒体により該暖房を必要とする部位又は設備の暖房を行うようにしてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置を用いた暖房装置。
(請求項6) 請求項1、2、3又は4に記載の電磁誘導加熱装置と温水を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から該温水を必要とする部位又は設備に対して温水の供給を行うようにしてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置を用いた給湯装置。
【発明の効果】
【0006】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、本発明によれば、請求項1に記載の発明において、電磁誘導加熱装置を内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第二流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路及び第二流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成することにより、当該第二発熱体に交番電力を印加すると、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体も発熱するので、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体の両者により共に加熱されることができるので、極めて高い熱効率で加熱することができ、本発明の電磁誘導加熱装置は、無駄な熱の散逸が殆どなく、電磁誘導により第一発熱体及び第二発熱体の両者から発生した熱を共に無駄にすることなく非加熱媒体の加熱に利用でき、高速の非加熱媒体の加熱上昇が行われて短時間に高温になり、又、その細菌やウイルスを死滅させ易く、更には、当該第一流路及び第二流路を通過した非加熱媒体は、その分子レベルが小さくなり、ナノレベルのものとなる。
第二流路が、密閉(被覆)された第一発熱体と第二発熱体との間に設けられ、又、第一流路が、密閉(被覆)された第二発熱体の外側に設けられているので、非加熱媒体は、当該第一流路及び第二流路中を第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに流れるので、熱損失が少なく熱効率が高いものとなる。
即ち、第一発熱体及び第二発熱体は、金属の筒体等で被覆されており、非加熱媒体等に曝されるのを防止でき、第二発熱体中の励磁コイルが破損(腐食し断線する等)したりするすることを低減でき、装置の信頼性を増すことができる。
請求項2に記載の発明において、電磁誘導加熱装置の非加熱媒体の流路を3つとし、第一流路、第二流路及び第三の流路を備えさせることにより、上記の利点に加えて、非加熱媒体の導入口や非加熱媒体の流れを変更することができる。
請求項3に記載の発明において、第一発熱体及び第二発熱体に加えて、第三発熱体を備えさせることにより、上記の利点に加えて、第二発熱体に交番電力を印加すると、その両側の当該第一発熱体及び第三発熱体の両者が発熱するので、より一層、高速の非加熱媒体の加熱上昇が行われて、短時間に高温になり、又、より一層、その細菌やウイルスを死滅させ易く、更には、非加熱媒体は、より一層、その分子レベルが小さくなり、ナノレベルのものとなる。請求項2に記載の発明と同様に、電磁誘導加熱装置の非加熱媒体の流路を3つとし、第一流路、第二流路及び第三の流路を備えてなるので、同様に、非加熱媒体の導入口や非加熱媒体の流れを変更することができる。
請求項4に記載の発明において、第一発熱体を、金属製の筒体の内部に加熱により発熱し蓄熱することができる発熱・蓄熱材を内蔵させてなるが、当該第一発熱体における発熱・蓄熱材は、加熱により500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができ、特に、当該発熱・蓄熱材として固化した塊状のものを使用すれば、当該発熱・蓄熱材による非加熱媒体の加熱効率を向上させることができ、当該発熱・蓄熱材は、発熱と共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体が暖房機などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で加熱することができる。
請求項5に記載の発明において、暖房装置に具備せしめられる非加熱媒体の加熱装置を上記のような電磁誘導加熱装置にて構成し、当該電磁誘導加熱装置と暖房を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から供給された加熱媒体により該暖房を必要とする部位又は設備の暖房を行うようにしたので、効率的な暖房を行うことができ、短時間に高温になり、第一発熱体における発熱・蓄熱材は、発熱と共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体が暖房機などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で加熱することができ、非加熱媒体を不凍液で構成すると、寒冷地での暖房でも、凍結せずに、暖房を良好に行うことができる。
請求項6に記載の発明においては、電磁誘導加熱装置と温水を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から該温水を必要とする部位又は設備に対して温水の供給を行うようにすると、上記した電磁誘導加熱装置による利点と共に、給湯を短時間で、しかも、非加熱媒体が給湯器などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で加熱することができる。
【0007】
次に、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0008】
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、図1及び図2に示すように、内側の第一発熱体1と、当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2と、当該第二発熱体2の外側に設けられた第一流路F1と、当該第一発熱体1と当該第二発熱体2との間に設けられた第二流路F2とを備えてなる。
【0009】
当該内側の第一発熱体1は、例えば、金属製の筒体100の内部に、発熱・蓄熱材101を内蔵させて形成されてなる。
当該内側の第一発熱体1を構成する金属製の筒体100は、銅などの反磁性金属若しくはアルミニウムなどの常磁性金属によりなっていてもよいが、非磁性系の金属(合金)であることが、電磁誘導発熱性能を劣化させずに錆を防止し得る等の利点があり、好ましい。尚、ここに、非磁性とは、強磁性を含まず、反磁性若しくは常磁性を意味している。
当該発熱・蓄熱材101は、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる電磁誘導型発熱材であって、且つ、熱を備蓄し第二流路F2にて非加熱媒体Wをその蓄熱により熱効率よく加熱することができる発熱・蓄熱材が用いられ、例えば、金属やカ−ボン等の磁性材により構成することができ、具体的には、例えば、金属粒子と固形材(ガラス、セラミック、セメントなど)との混練物を固化したもの、若しくは、金属線の線材や金属廃材を裁断して上記と同様の固形材で固化したものが挙げられる。当該発熱・蓄熱材101としては、焼結により固化させたものが当該発熱・蓄熱作用に優れている点で好ましい。
当該発熱・蓄熱材101は、固化した塊状で、図示のように、金属製の筒体100の内部に多数充填される。
【0010】
当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2は、図示例のように、例えば、内体200及び外体201で被覆された内部に発熱体202が内蔵されている構造よりなる。
当該内体200は、例えば、金属製の筒体よりなる。当該金属製の筒体は、例えば非磁性系の金属(合金)具体的には例えば非磁性系ステンレスにより構成される。
当該内体200の周面に、その図示が省略されているが、電気絶縁体を巻回し、当該電気絶縁体の上から発熱体202例えば励磁コイル(電線)202を巻回してワークコイル(ソレノイド体)を形成し、第二発熱体2を構成する。当該励磁コイル(電線)202としては、例えば、エナメル線が挙げられ、当該エナメル線を螺旋状に巻回してソレノイド体を形成すればよい。当該電気絶縁体には、熱伝導を阻害せず、しかも、耐熱性に秀れた電気絶縁体を巻回するようにする。当該ソレノイド体から、当該励磁コイル202を引き出し、引出線203から交番電力を印加して当該第二発熱体2を発熱させるようにする。
当該外体201も、上記内体200と同様に、例えば、金属製の筒体よりなる。当該金属製の筒体は、例えば非磁性系の金属(合金)具体的には例えば非磁性系ステンレスにより構成される。
上記電気絶縁体は、例えば、合成樹脂、ゴム材料等により構成され、内体200や外体201と同様の電磁誘導発熱性能を劣化させない等の利点がある材質であることが好ましい。
【0011】
図1及び図2に示すように、電磁誘導加熱装置Eにおいて、第二発熱体2の励磁コイル202から引出された引出線203が図示しない電力給電線に電気的に接続され、当該電磁誘導加熱装置Eにおける第二発熱体2の励磁コイル202に交番電力が印加されると、第二発熱体2が発熱すると共に、当該第二発熱体2と第一発熱体1とは交番磁界内におかれ、当該第一発熱体1が当該第二発熱体2の誘導加熱による誘導電流損とヒシテリシス損などによって加熱され、当該第一発熱体1における金属製の筒体100が発熱し又当該金属製の筒体100の内部の発熱・蓄熱材101が加熱により例えば800℃程度に発熱する。
【0012】
図1及び図2に示すように、内側の第一発熱体1の筒体100と当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2の内体200との間には、第二流路F2が設けられている。
当該第二流路F2の外側で、且つ、当該第二発熱体2の外側に第一流路F1が設けられている。
当該第一流路F1は、電磁誘導加熱装置本体Iと当該第二発熱体2の外体201との間に形成されている。
【0013】
電磁誘導加熱装置Eの非加熱媒体Wの導入口4から当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、図1及び図2に示すように、当該第二発熱体2及び第一発熱体1に接触せずに、当該第一流路F1、次いで、第二流路F2の中を流れる。
当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、図1及び図2に示すように、当該第一流路F1を下降し、次いで、第二流路F2を上昇して流れる。
第二発熱体2の内体200の上部で非加熱媒体Wは、合流し、電磁誘導加熱装置Eの非加熱媒体Wの排出口5から排出される。当該排出口5から排出された非加熱媒体Wは、後述のように暖房機などとの間で循環される。
【0014】
上記のように、当該第二発熱体2は励磁コイル202を有し当該第二発熱体2の当該励磁コイル202に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体2が発熱すると共に、当該第一発熱体1との間の電磁誘導作用により、うず電流を生じ、当該第一発熱体1が発熱するので、当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、上記のように、当該第一流路F1にて当該第二発熱体2により加熱されると共に、当該第二流路F2にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるので、極めて高い熱効率で加熱することができる。第一発熱体1における発熱・蓄熱材101は、加熱により例えば800℃程度に発熱すると共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体Wが暖房機などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で再び循環してきた非加熱媒体Wを加熱することができる。
【0015】
本発明の電磁誘導加熱装置Eにおいては、第二発熱体2により加熱されると共に、当該第二流路F2にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるので、非加熱媒体Wの温度上昇が高速で行われ、短時間で高温になり、その細菌やウイルスが死滅され易く、又、その分子レベルが小さくなり、分子レベルの小さいナノレベルのものとなる。
非加熱媒体Wは、第二発熱体2及び第一発熱体1に接触せずに、第一流路F1及び第二流路F2を流れるので、熱損失が小さく熱効率が高いものとなる。
当該第一発熱体1は、金属製の筒体100の内部に、加熱により発熱する発熱・蓄熱材101を内蔵させてなり、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる。当該発熱・蓄熱材101として粉粒条の電磁誘導発熱物質(材料)を焼結により固化した塊状のものを使用すれば、当該発熱・蓄熱材101による非加熱媒体Wの加熱効率を向上させることができる。
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、無駄な熱の散逸が殆どなく、電磁誘導により第一発熱体1及び第二発熱体2の両者から発生した熱を共に無駄にすることなく非加熱媒体Wの加熱に利用できる。
又、本発明の電磁誘導加熱装置Eでは、その交番電力が印加される第二発熱体2の励磁コイル202は被覆されており、当該励磁コイル202が非加熱媒体Wに曝されるのを防止できることになり、それにより、例えば、励磁コイル202が破損(腐食し断線する等)することを低減でき、信頼性を増すことができる。
本発明の電磁誘導液体加熱装置Eによれば、上記のように、第二発熱体2の励磁コイル202の自己発熱および第一発熱体1の電磁誘導発熱による熱の殆んどが非加熱媒体Wの加熱に使われるので、極めて熱効率が高く、しかも、励磁コイル202の破損を可及的に防止でき極めて信頼性に秀れた加熟装置になる。
更に、例えぱ、当該第一発熱体1の筒体100並びに第二発熱体2の内体200及び外体201を非磁性系の金属(合金)により構成すると、電磁誘導発熱性能を劣化させずに錆を防止し得る等の利点がある。
【0016】
本発明の電磁誘導加熱装置Eの他の例について、図3に基づいて説明する。
図3に示す電磁誘導加熱装置Eは、前記の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eとは第三流路を備えてなる点を除いてはほぼ同様である。
当該図3に示す電磁誘導液体加熱装置Eは、図3に示すように、内側の第一発熱体1と、当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2とを備えてなる点では、前記の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eとほぼ同じであるが、当該電磁誘導加熱装置Eにおける非加熱媒体Wの流路が、前記の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eとは異なっていて、当該図3に示す電磁誘導液体加熱装置Eでは、当該第二発熱体2の外側に第一流路F1及び第二流路F2の2つの流路を有すると共に、当該第一発熱体1と当該第二発熱体2との間に第三流路F3が設けられている。
当該図3に示す電磁誘導加熱装置Eと前記の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eとはほぼ同じであるので詳細な説明は省略するが、当該内側の第一発熱体1は、例えば、金属製の筒体100の内部に、発熱・蓄熱材101を内蔵させて形成されており、当該内側の第一発熱体1を構成する金属製の筒体100は、例えば、非磁性系の金属(合金)等よりなり、当該発熱・蓄熱材101は、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる電磁誘導型発熱剤であって、且つ、熱を備蓄し第一の流路F1にて非加熱媒体Wをその蓄熱により熱効率よく加熱することができる発熱・蓄熱材が用いられ、例えば、金属やカ−ボン等の磁性材により構成することができ、具体的には、例えば、金属粒子と固形材(ガラス、セラミック、セメントなど)との混練物を固化したもの、若しくは、金属線の線材や金属廃材を裁断して上記と同様の固形材で固化したものが挙げられ、当該発熱・蓄熱材101としては、焼結により固化させたものが当該発熱・蓄熱作用に優れている点で好ましく、当該発熱・蓄熱材101は、固化した塊状で、図示のように、金属製の筒体100の内部に多数充填される。
【0017】
当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2は、図示例のように、例えば、内体200及び外体201で被覆された内部に発熱体202が内蔵されている構造よりなり、当該内体200は、例えば、金属製の筒体、例えば非磁性系の金属(合金)、具体的には例えば非磁性系ステンレスにより構成され、当該内体200の周面に、その図示が省略されているが、電気絶縁体を巻回し、当該電気絶縁体の上から発熱体202として励磁コイル(電線)202を巻回してソレノイド体を形成して第二発熱体2を形成し、当該励磁コイル(電線)202の一例としてのエナメル線を螺旋状に巻回してソレノイド体を形成し、当該ソレノイド体から、当該励磁コイル202を引き出し、引出線203から交番電力を印加して当該第二発熱体2を発熱させるようにする。
前述の図1で説明したように、当該電磁誘導加熱装置Eにおいて、第二発熱体2の励磁コイル202から引出した引出線203を電力給電線に電気的に接続して、当該電磁誘導加熱装置Eにおける第二発熱体2の励磁コイル202に交番電カを印加すると、第二発熱体2が発熱すると共に、当該第二発熱体2と第一発熱体1とは交番磁界内におかれ、当該第一発熱体1は、当該第二発熱体2の誘導加熱による誘導電流損とヒシテリシス損などによって加熱され、当該第一発熱体1における金属製の筒体100が発熱し又当該金属製の筒体100の内部の発熱・蓄熱材101が加熱により例えば800℃程度に発熱する。
【0018】
図3に示す当該電磁誘導加熱装置Eも、前記実施例の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eと同様に、内側の第一発熱体1の筒体100と当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2の内体200との間に流路を有し、第三流路F3が設けられている。
当該第三流路F3の外側で、且つ、当該第二発熱体2の外側には、第一流路F1及び第二流路F2が設けられている。
図3に示す当該電磁誘導加熱装置Eでは、電磁誘導液体加熱装置本体Iと当該第二発熱体2の外体201との間に、例えば間仕切り6を設けることにより区画形成された第一流路F1及び第二流路F2が設けられている。
【0019】
図3に示す電磁誘導加熱装置Eでは、当該電磁誘導加熱装置Eの下部の非加熱媒体Wの導入口4から導入された非加熱媒体Wは、図3に示すように、先ず、第一流路F1を上昇し、順次、当該第二流路F2を下降し、次いで、第三流路F3を上昇する。
当該非加熱媒体Wは、図3に示すように、第二発熱体2にも又第一発熱体1にも接触せずに、第一流路F1、第二流路F2、次いで、第三流路F3中を流れる。
第二発熱体2の内体200の上部を経て第一発熱体1の上部で非加熱媒体Wは、合流し、電磁誘導加熱装置Eの非加熱媒体Wの排出口5から排出される。当該排出口5から排出された非加熱媒体Wは、後述のように暖房機などとの間で循環される。
【0020】
上記のように、当該第二発熱体2は励磁コイル202を有し当該第二発熱体2の当該励磁コイル202に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体2が発熱すると共に、当該第一発熱体1との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体1が発熱するので、当該第一流路F1を経て第二流路F2に導入された非加熱媒体Wは、上記のように、当該第二流路F2にて当該第二発熱体2により加熱されると共に、当該第三流路F3にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるので、極めて高い熱効率で加熱することができる。第一発熱体1における発熱・蓄熱材101は、加熱により例えば800℃程度に発熱すると共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体Wが暖房機などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で再び循環してきた非加熱媒体Wを加熱することができる。
他図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eと同様の作用効果を奏する。
【0021】
本発明の電磁誘導加熱装置Eの更に他の例について、図4に基づいて説明する。
図4に示す電磁誘導加熱装置Eは、内側の第一発熱体1と、当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2と、当該第二発熱体2の外側に設けられた第三発熱体3と、当該第三発熱体3の外側に設けられた第一流路F1と、当該第三発熱体3の内側に設けられた第二流路F2と、当該第一発熱体1と当該第二発熱体2との間に設けられた第三流路F3とを備え、当該第一流路F1に導入された非加熱媒体は、当該第三発熱体3、第二発熱体2及び第一発熱体1に接触せずに当該第一流路F1、第二流路F2及び第三流路F3を流れ、当該第二発熱体2に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体2が発熱すると共に、当該第一発熱体1及び第三発熱体3との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体1及び第三発熱体3が発熱し、当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、当該第一流路F1にて当該第三発熱体3により加熱され、次いで、当該第二流路F2にて当該第二発熱体2及び第三発熱体3により加熱されると共に、当該第三流路F3にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるように構成されてなる。
当該図4に示す電磁誘導液体加熱装置Eは、第二発熱体2の当該励磁コイル202に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体2が発熱すると共に、当該第二発熱体2の内側の第一発熱体1のみならず、当該第二発熱体2の外側の第三発熱体3との間でも、電磁誘導作用によりうず電流を生じ、これら第一発熱体1及び第三発熱体3の両者が発熱するので、当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、当該第一流路F1にて当該第三発熱体3により加熱され、次いで、当該第二流路F2にて当該第二発熱体2及び第三発熱体3により加熱されると共に、当該第三流路F3にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるので、前記図1、図2及び図3に示す電磁誘導加熱装置Eに比して、より一層、極めて高い熱効率で加熱することができる。
図示のように、当該図4に示す電磁誘導加熱装置Eでは、第二発熱体2に空洞部Cを備えさせるようにしており、当該空洞部Cにより、上記のように、第二発熱体2に交番電力を印加すると当該第二発熱体2の両側の第一発熱体1及び第三発熱体3の両者が発熱して加熱し過ぎる場合があるときに、当該加熱し過ぎを抑制することができる。
他は、図1、図2及び図3に示す電磁誘導加熱装置Eと同様の構造であり、又、同様の作用効果を奏するので詳細な説明は省略する。
当該第三発熱体3は、第一発熱体1と同様の構成になることが好ましく、例えば、金属製の筒体100の内部に、発熱・蓄熱材101を内蔵させて形成されてなる。
当該内側の第一発熱体1を構成する金属製の筒体100は、銅などの反磁性金属若しくはアルミニウムなどの常磁性金属によりなっていてもよいが、非磁性系の金属(合金)であることが、電磁誘導発熱性能を劣化させずに錆を防止し得る等の利点があり、好ましい。尚、ここに、非磁性とは、強磁性を含まず、反磁性若しくは常磁性を意味している。
当該発熱・蓄熱材101は、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる電磁誘導型発熱材であって、且つ、熱を備蓄し第二流路F2にて非加熱媒体Wをその蓄熱により熱効率よく加熱することができる発熱・蓄熱材が用いられ、例えば、金属やカ−ボン等の磁性材により構成することができ、具体的には、例えば、金属粒子と固形材(ガラス、セラミック、セメントなど)との混練物を固化したもの、若しくは、金属線の線材や金属廃材を裁断して上記と同様の固形材で固化したものが挙げられる。当該発熱・蓄熱材101としては、焼結により固化させたものが当該発熱・蓄熱作用に優れている点で好ましい。
当該発熱・蓄熱材101は、固化した塊状で、図示のように、金属製の筒体100の内部に多数充填される。
【0022】
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、図5に示すように、床暖房7、セントラルヒーティング8又はファンコンベクタ−9等の各種暖房用途に使用することができる。
当該ファンコンベクタ−9は、温水で部屋全体を暖めるもので、例えば、送風機と熱交換器とエア−フィルタとで構成することができる。
必要に応じて冷水と温水を供給し得るようにしてもよい。
【0023】
電磁誘導加熱装置Eの導入口4から導入され、排出口5から排出された温水は、膨張タンク10を経て、ポンプ11に送出され、当該床暖房7、セントラルヒ−ティング8又はファンコンベクタ−9等の各種の暖房を必要とする部位や設備に送られる。
当該ポンプ11は、ポンプ用スイッチ12の駆動により作動する。本発明では、当該スイッチ12の作動は、単相100vで実施し得るようになっている。
電磁誘導加熱装置Eは、定格電圧は単相200v、定格電流25A、周波数50/60Hzで実施し得るようになっている。電磁誘導加熱装置Eにおける電源側は、ブレーカ13、スイッチ14、制御装置15に接続しており、制御装置15により非加熱媒体Wの加熱温度等を制御するようになっている。電磁誘導加熱装置Eでは、ポンプ用スイッチ12と電源側スイッチ14とを適宜オン・オフさせて作動させることができ、それにより、省電力化を図っている。
【0024】
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、図6に示すように、キッチン16、風呂17及び洗面18のような各種の温水を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から該温水を必要とする部位又は設備に対して温水の供給を行うことができる。当該電磁誘導加熱装置Eとキッチン16、風呂17及び洗面18のような各種の温水を必要とする部位又は設備とからなる給湯装置Xでは、図示のように、ポンプ19、タンク20、ポンプ21、ヘッダ−22及びヘッダ−23を介して、当該キッチン16、風呂17及び洗面18のような各種の温水を必要とする部位又は設備に温水が供給される。当該給湯装置Xでは、主給水管や主給湯管をヘッダー22、23を介して複数の枝管に分岐し、これら枝管を夫々対応する上記キッチン16、風呂17及び洗面18(いずれも混合栓)のような水廻り設備の水栓に接続するようにしたヘッダ−式給水・給湯配管が敷設されている。
【0025】
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、図7に示すように、複数個設置して上記のような暖房・給湯を行うことができる。図7には、当該電磁誘導加熱装置Eを2個設置して上記のような暖房・給湯を行う例を示しているが、当該電磁誘導加熱装置Eを3個以上設置して上記のような暖房・給湯を行ってもよい。当該電磁誘導加熱装置Eを2個設置して上記のような暖房・給湯を行う場合も、前記図5に示すように、膨張タンク10や圧縮ポンプ11を経て、床暖房7、セントラルヒーティング8又はファンコンベクタ−9等の各種の暖房を必要とする部位や設備や図7に示すようなキッチン16、風呂17及び洗面18のような各種の温水を必要とする部位又は設備に、温水が送出される。
当該電磁誘導加熱装置Eを2個設置する場合も、当該電磁誘導加熱装置Eの数に応じて制御装置15で非加熱媒体Wの加熱温度等を制御することができるようになっている。
当該電磁誘導加熱装置Eでは、適宜非加熱媒体抜き部Fから非加熱媒体Wの種類などに応じた水抜き等をすることができる。
【0026】
次に、本発明の電磁誘導加熱装置Eを用いた暖房装置について説明する。
図8に示すように、本発明の暖房装置Hの基本的な構成は、上記の電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24とを備えてなる。
図8に示すように、当該暖房装置Hでは、当該電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24とを配管25a、25bにより接続し、配管(往路管)25aにより、当該電磁誘導加熱装置Eで電磁誘導加熱された非加熱媒体Wを、暖房用放熱器24に送り込み、当該暖房用放熱器24で自然対流又は放射により暖房を行うようにしてなり、次いで、当該非加熱媒体Wは、当該暖房用放熱器24から配管(復路管)25bに送出されて、再び、当該電磁誘導加熱装置Eに帰還するようになっている。
当該電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24と往路管25aと復路管25bとの間の循環路には、上記のように、ポンプ装置11a、11bを配設して、当該電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24との間で、循環して加熱された非加熱媒体Wが供給されるようにし、当該循環供給された加熱された非加熱媒体Wにより当該暖房用放熱器24で、前記の床暖房7、セントラルヒーティング8又はファンコンベクタ−9等の暖房を必要とする部位又は設備26の暖房を行うようにすることができる。
当該暖房装置Hでは、基本的には、当該電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24と配管25a、25bを備えていれば足りるが、図8に示すように、制御装置15を、ポンプ装置11b及び非加熱媒体Wの導入口4に接続し、当該制御装置13により非加熱媒体Wの導入口4に送り込まれる非加熱媒体Wの流量を制御したり、加熱された非加熱媒体Wの温度を制御したり或いは当該電磁誘導加熱装置Eの第二発熱体2における励磁コイル202に交番電力を印加する際の電流の制御等を行うようにするとよい。又、室内モニタや室内センサなどの監視装置27を設けて検知・監視などを行うようにするとよい。
又、前記の図5に示す当該非加熱媒体Wの流量の制御に必要な膨張タンク10を設けたり、非加熱媒体W中のエアー抜きに必要な空気抜きバルブ28を設けたり、図示していないが、アキュムレ−タやリザ−ブタンクなどを設けるようにしてもよい。
【0027】
上記の暖房用放熱器24は、離れた場所で加熱された媒体を放熱することができる。暖房用放熱器24は、熱の大半を輻射および対流によって放熱する。暖房用放熱器24を用いた自然対流による暖房も可能である。
暖房用の他、保温にも使用でき、本発明の暖房装置Hは、当該保温の場合も包含する。 熱源機としての本発明の上記の電磁誘導加熱装置Eから供給される非加熱媒体Wによって、暖房用放熱器24は温められる。
当該非加熱媒体Wとしては、水、熱媒又は不凍液が例示できる。熱媒とは、熱を輸送する液体又は気体である。当該液体は、通常は、水であるが、寒冷地での暖房などを考慮すると、不凍液が好ましい。液体を不凍液で構成すると、寒冷地での暖房でも、凍結せず、暖房が良好に行われる。本発明の暖房装置は、第一発熱体1、第二発熱体2及び第三発熱体3が密閉・被覆され、非加熱媒体Wと接触せず、非加熱媒体Wは、当該第一発熱体1、第二発熱体2及び第三発熱体3とは接触しない第一流路F1及び第二流路F2、又は、第一流路F1、第二流路F2及び第三流路F3の流路中を流れる等から、不凍液の使用に適しているように構成されている。当該不凍液としては特に限定されず、例えば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル等が挙げられ、又、当該エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル等を主成分として水で希釈したものに防錆剤等を添加したもの等が挙げられる。水の場合、気体としての蒸気の供給によっても温めることができる。本発明の電磁誘導加熱装置Eでは、第一発熱体1及び第二発熱体2、又は、第一発熱体1、第二発熱体2及び第三発熱体3により加熱されるので、極めて高い熱効率で加熱することができ、第一発熱体1及び第三発熱体3における発熱・蓄熱材101は、加熱により例えば800℃程度に発熱すると共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体Wが循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で再び循環してきた非加熱媒体Wを加熱することができる等の利点があり、その為、蒸気暖房にも適している。。
暖房用放熱器24は、熱を外部に放出する装置で、例えば、加熱液体をパイプなどの内部に通して、フィン表面からの放射によって暖房するラジエタ−や熱交換用のフィン付きコイルを内蔵し、空気の対流を発生させ、室内空気を加熱、循環させるコンベクタ−と称されるものを包含する。温水等の加熱液体が一方の端部から供給され、熱の放出に伴い温水等の加熱液体は冷却され他方の端部から排出される。
図9及び図10に基づいて、当該暖房用放熱器24の一つのコンベクタ−(パネルコンベクタ−)の一例を説明する。
当該コンベクタ−24は、内蔵した放熱フィン(ひれ)付きのコイル2400と、それを覆うケ−シング2401とを有してなる。温水等の加熱液体が液入口2402から内蔵した放熱フィン(ひれ)付きのコイル2400に供給され、熱の放出に伴い冷却された温水等の加熱液体は液出口2403から排出される。
【0028】
本発明における暖房を必要とする部位又は設備26には、前記のように床暖房7、セントラルヒーティング8又はファンコンベクタ−9等の各種暖房を必要とする部位又は設備が挙げられるが、場所的には、例えば、床、床下、壁面、窓下、洗面所等が挙げられる。暖房の種類には、例えば、温水を通すなどして暖めた床や壁等の面から放射熱により暖房する方法であるパネルヒ−ティングなどがある。
床の暖房のフロアヒ−ティング(床暖房)7は、例えば、建設中において、室内の床下全面に配管を設置し、その後コンクリ−トの層で覆うことにより行うことができる。当該床暖房7では、通常、温水が各室の全床面の下を循環する。パイプ・配管・配線は床下に埋め込まれ、室内は穏やかに加熱される。
当該暖房には、暖房用放熱器24を床下に設置して、床上室と床下を暖房するようにした床下型暖房装置があり、寒冷地の暖房手段として、暖房用放熱器24を床下に設置して、当該放熱器24で発生する暖気を循環させて床上室と床下を暖房するようにしたものがある。
【0029】
図11に基づいて、当該床下型暖房装置の一例について説明する。
床下700に暖房用放熱器24を設置し、前記と同様にして、当該床下暖房用放熱器24と前記電磁誘導加熱装置Eとを配管25a、25bにより接続し、往路管25aにより当該電磁誘導加熱装置Eにより電磁誘導加熱された液体Wを、当該暖房用放熱器24に送り込み、当該暖房用放熱器24で自然対流又は放射により暖房を行うようにし、次いで、当該液体Wを、当該暖房用放熱器24から復路管25bに送出して、再び、当該電磁誘導加熱装置Eに帰るようにする。
当該床下700と室内701とを仕切る床702に、暖気を当該室内701に流し込むことができる開口部703と暖気を当該床下700に帰還させる開口部704とを設け、当該床下暖房用放熱器24からの放射・対流を当該開口部703から上昇させて室内を暖め、一方、温度降下した暖気を当該開口部704から戻すようにする。
【0030】
図12は、当該暖房装置を、トイレに設置した例を示す。
当該当該暖房装置では、トイレTに暖房用放熱器24を設置し、前記と同様にして、当該床下暖房用放熱器24と前記電磁誘導加熱装置Eとを配管25a、25bにより接続し、往路管25aにより電磁誘導加熱された液体Wを、当該暖房用放熱器24に送り込み、当該暖房用放熱器24で自然対流又は放射により暖房を行うようにし、次いで、当該液体Wを、当該暖房用放熱器24から復路管25bに送出して、再び、当該電磁誘導加熱装置Eに帰還するようにする。
【0031】
本発明の上記実施例では、暖房用放熱器24を設置して、当該暖房用放熱器4を介して暖房を行う例を説明したが、当該暖房用放熱器24を介さずに直接暖房を必要とする部位又は設備26を暖房するようにしてもよい。
図13は、当該実施例を示し、床702にパネルパイプ25Cを配設し、前記電磁誘導加熱装置Eから往路管25aにより加熱された液体Wを当該パネルパイプ25Cに送り込み、当該パネルパイプ25Cにおける暖気の自然対流又は放射により暖房を行うようにし、次いで、当該液体Wを、当該パネルパイプ25Cから復路管25bに送出して、再び、当該電磁誘導加熱装置Eに帰るようにする。
【0032】
本発明は上記実施例に限定されず、適宜変更が可能である。、
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、暖房について説明したが、冷暖房に適用してもよいし、上記実施例以外の各種の場合、例えば、窓からの冷気を効果的に遮断するため、暖房用放熱器24を窓の直下に設置とか、タオルをかけて乾燥させるための装置(タオルウォ−マ−)としての役割を兼用するような場合にも適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例を示す電磁誘導加熱装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例を示す電磁誘導加熱装置の断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す電磁誘導加熱装置の構成図である。
【図4】本発明の更に他の実施例を示す電磁誘導加熱装置の構成図である。
【図5】本発明の電磁誘導加熱装置の使用例の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す電磁誘導加熱装置の使用例の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す電磁誘導加熱装置の構成図である。
【図8】本発明の実施例を示す暖房装置の構成図である。
【図9】本発明で使用される暖房用放熱器の一例外観構成図である。
【図10】(A)同暖房用放熱器の断面図、(B)同暖房用放熱器の一部断面図である。
【図11】本発明の実施例を示す暖房装置の構成図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す暖房装置の構成図である。
【図13】本発明の実施例を示す暖房用放熱器を使用しない暖房装置の構成図である。
【符号の説明】
【0035】
1…第一発熱体
2…第二発熱体
3…第三発熱体
24…暖房用放熱器
26…暖房を必要とする部位又は設備
101…発熱・蓄熱材
E…電磁誘導加熱装置
F1…第一流路
F2…第二流路
F3…第三流路
H…暖房装置
W…非加熱媒体
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁誘導加熱装置及びそれを用いた暖房・給湯装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、暖房装置や給湯装置に具備せしめられる加熱装置としては、重油等の燃料を燃焼した熱で、水を加熱するボイラが一般的に用いられてきた。
一方、加熱装置として、電磁誘導作用により生じた熱で、水を加熱するように構成された電磁誘導加熱装置も多数提案されている。
例えば、特開2001−263810号公報には、水が流通するパイプの内側に電磁誘導により発熱する鉄板からなる昇温器を配設し、当該パイプの外側にコイルを巻いて通電することによって、パイプ内に設けた当該昇温器を電磁誘導加熱して、パイプ内を通過する水を加熱するように構成されたものが提案されている。
しかしながら、この従来例では、水が流通するパイプの内側に電磁誘導加熱し得る鉄板からなる昇温器を設けて、パイブの外側に電線を巻き回してワ−クコイル(ソレノイドコイル)を形成して、パイプ内を流れる水を加熱する構成であるため、昇温器と水が接触して熱損失が大きく熱効率が低いものとなる。
他の電磁誘導加熱装置も、上記昇温器のような発熱体が水と接触して当該水を加熱する形式が殆んどである(特開2002−022107号公報、特開2003−297537号公報、特開2005−233572号公報、特開2005−327738号公報、特開2006−064358号公報、特開2007−178089号公報、特開2008−202922号公報、特開2008−204927号公報、特開2009−174768号公報)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−263810号公報、特開2002−022107号公報、特開2003−297537号公報、特開2005−233572号公報、特開2005−327738号公報、特開2006−064358号公報、特開2007−178089号公報、特開2008−202922号公報、特開2008−204927号公報、特開2009−174768号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記のような従来技術の欠点を解消できる技術を提供することを目的としたものである。
本発明の他の目的および新規な特徴は以下の明細書及び図面の記載からも明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の特許請求の範囲は、次の通りである。
(請求項1) 内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第二流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路及び第二流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されると共に、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
(請求項2) 内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路及び第二流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第三流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路、第二流路及び第三流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第三流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
(請求項3) 内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第三発熱体と、当該第三発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第三発熱体の内側に設けられた第二流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第三流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第三発熱体、第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路、第二流路及び第三流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体及び第三発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体及び第三発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第三発熱体により加熱され、次いで、当該第二流路にて当該第二発熱体及び第三発熱体により加熱されると共に、当該第三流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
(請求項4) 第一発熱体が、金属製の筒体の内部に加熱により発熱し蓄熱することができる発熱・蓄熱材を内蔵させてなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の電磁誘導加熱装置。
(請求項5) 請求項1、2、3又は4に記載の電磁誘導加熱装置と暖房を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から供給された加熱媒体により該暖房を必要とする部位又は設備の暖房を行うようにしてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置を用いた暖房装置。
(請求項6) 請求項1、2、3又は4に記載の電磁誘導加熱装置と温水を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から該温水を必要とする部位又は設備に対して温水の供給を行うようにしてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置を用いた給湯装置。
【発明の効果】
【0006】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記のとおりである。
すなわち、本発明によれば、請求項1に記載の発明において、電磁誘導加熱装置を内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第二流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路及び第二流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成することにより、当該第二発熱体に交番電力を印加すると、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体も発熱するので、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体の両者により共に加熱されることができるので、極めて高い熱効率で加熱することができ、本発明の電磁誘導加熱装置は、無駄な熱の散逸が殆どなく、電磁誘導により第一発熱体及び第二発熱体の両者から発生した熱を共に無駄にすることなく非加熱媒体の加熱に利用でき、高速の非加熱媒体の加熱上昇が行われて短時間に高温になり、又、その細菌やウイルスを死滅させ易く、更には、当該第一流路及び第二流路を通過した非加熱媒体は、その分子レベルが小さくなり、ナノレベルのものとなる。
第二流路が、密閉(被覆)された第一発熱体と第二発熱体との間に設けられ、又、第一流路が、密閉(被覆)された第二発熱体の外側に設けられているので、非加熱媒体は、当該第一流路及び第二流路中を第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに流れるので、熱損失が少なく熱効率が高いものとなる。
即ち、第一発熱体及び第二発熱体は、金属の筒体等で被覆されており、非加熱媒体等に曝されるのを防止でき、第二発熱体中の励磁コイルが破損(腐食し断線する等)したりするすることを低減でき、装置の信頼性を増すことができる。
請求項2に記載の発明において、電磁誘導加熱装置の非加熱媒体の流路を3つとし、第一流路、第二流路及び第三の流路を備えさせることにより、上記の利点に加えて、非加熱媒体の導入口や非加熱媒体の流れを変更することができる。
請求項3に記載の発明において、第一発熱体及び第二発熱体に加えて、第三発熱体を備えさせることにより、上記の利点に加えて、第二発熱体に交番電力を印加すると、その両側の当該第一発熱体及び第三発熱体の両者が発熱するので、より一層、高速の非加熱媒体の加熱上昇が行われて、短時間に高温になり、又、より一層、その細菌やウイルスを死滅させ易く、更には、非加熱媒体は、より一層、その分子レベルが小さくなり、ナノレベルのものとなる。請求項2に記載の発明と同様に、電磁誘導加熱装置の非加熱媒体の流路を3つとし、第一流路、第二流路及び第三の流路を備えてなるので、同様に、非加熱媒体の導入口や非加熱媒体の流れを変更することができる。
請求項4に記載の発明において、第一発熱体を、金属製の筒体の内部に加熱により発熱し蓄熱することができる発熱・蓄熱材を内蔵させてなるが、当該第一発熱体における発熱・蓄熱材は、加熱により500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができ、特に、当該発熱・蓄熱材として固化した塊状のものを使用すれば、当該発熱・蓄熱材による非加熱媒体の加熱効率を向上させることができ、当該発熱・蓄熱材は、発熱と共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体が暖房機などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で加熱することができる。
請求項5に記載の発明において、暖房装置に具備せしめられる非加熱媒体の加熱装置を上記のような電磁誘導加熱装置にて構成し、当該電磁誘導加熱装置と暖房を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から供給された加熱媒体により該暖房を必要とする部位又は設備の暖房を行うようにしたので、効率的な暖房を行うことができ、短時間に高温になり、第一発熱体における発熱・蓄熱材は、発熱と共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体が暖房機などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で加熱することができ、非加熱媒体を不凍液で構成すると、寒冷地での暖房でも、凍結せずに、暖房を良好に行うことができる。
請求項6に記載の発明においては、電磁誘導加熱装置と温水を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から該温水を必要とする部位又は設備に対して温水の供給を行うようにすると、上記した電磁誘導加熱装置による利点と共に、給湯を短時間で、しかも、非加熱媒体が給湯器などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で加熱することができる。
【0007】
次に、本発明の実施例を図面を参照しつつ説明する。
【実施例】
【0008】
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、図1及び図2に示すように、内側の第一発熱体1と、当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2と、当該第二発熱体2の外側に設けられた第一流路F1と、当該第一発熱体1と当該第二発熱体2との間に設けられた第二流路F2とを備えてなる。
【0009】
当該内側の第一発熱体1は、例えば、金属製の筒体100の内部に、発熱・蓄熱材101を内蔵させて形成されてなる。
当該内側の第一発熱体1を構成する金属製の筒体100は、銅などの反磁性金属若しくはアルミニウムなどの常磁性金属によりなっていてもよいが、非磁性系の金属(合金)であることが、電磁誘導発熱性能を劣化させずに錆を防止し得る等の利点があり、好ましい。尚、ここに、非磁性とは、強磁性を含まず、反磁性若しくは常磁性を意味している。
当該発熱・蓄熱材101は、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる電磁誘導型発熱材であって、且つ、熱を備蓄し第二流路F2にて非加熱媒体Wをその蓄熱により熱効率よく加熱することができる発熱・蓄熱材が用いられ、例えば、金属やカ−ボン等の磁性材により構成することができ、具体的には、例えば、金属粒子と固形材(ガラス、セラミック、セメントなど)との混練物を固化したもの、若しくは、金属線の線材や金属廃材を裁断して上記と同様の固形材で固化したものが挙げられる。当該発熱・蓄熱材101としては、焼結により固化させたものが当該発熱・蓄熱作用に優れている点で好ましい。
当該発熱・蓄熱材101は、固化した塊状で、図示のように、金属製の筒体100の内部に多数充填される。
【0010】
当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2は、図示例のように、例えば、内体200及び外体201で被覆された内部に発熱体202が内蔵されている構造よりなる。
当該内体200は、例えば、金属製の筒体よりなる。当該金属製の筒体は、例えば非磁性系の金属(合金)具体的には例えば非磁性系ステンレスにより構成される。
当該内体200の周面に、その図示が省略されているが、電気絶縁体を巻回し、当該電気絶縁体の上から発熱体202例えば励磁コイル(電線)202を巻回してワークコイル(ソレノイド体)を形成し、第二発熱体2を構成する。当該励磁コイル(電線)202としては、例えば、エナメル線が挙げられ、当該エナメル線を螺旋状に巻回してソレノイド体を形成すればよい。当該電気絶縁体には、熱伝導を阻害せず、しかも、耐熱性に秀れた電気絶縁体を巻回するようにする。当該ソレノイド体から、当該励磁コイル202を引き出し、引出線203から交番電力を印加して当該第二発熱体2を発熱させるようにする。
当該外体201も、上記内体200と同様に、例えば、金属製の筒体よりなる。当該金属製の筒体は、例えば非磁性系の金属(合金)具体的には例えば非磁性系ステンレスにより構成される。
上記電気絶縁体は、例えば、合成樹脂、ゴム材料等により構成され、内体200や外体201と同様の電磁誘導発熱性能を劣化させない等の利点がある材質であることが好ましい。
【0011】
図1及び図2に示すように、電磁誘導加熱装置Eにおいて、第二発熱体2の励磁コイル202から引出された引出線203が図示しない電力給電線に電気的に接続され、当該電磁誘導加熱装置Eにおける第二発熱体2の励磁コイル202に交番電力が印加されると、第二発熱体2が発熱すると共に、当該第二発熱体2と第一発熱体1とは交番磁界内におかれ、当該第一発熱体1が当該第二発熱体2の誘導加熱による誘導電流損とヒシテリシス損などによって加熱され、当該第一発熱体1における金属製の筒体100が発熱し又当該金属製の筒体100の内部の発熱・蓄熱材101が加熱により例えば800℃程度に発熱する。
【0012】
図1及び図2に示すように、内側の第一発熱体1の筒体100と当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2の内体200との間には、第二流路F2が設けられている。
当該第二流路F2の外側で、且つ、当該第二発熱体2の外側に第一流路F1が設けられている。
当該第一流路F1は、電磁誘導加熱装置本体Iと当該第二発熱体2の外体201との間に形成されている。
【0013】
電磁誘導加熱装置Eの非加熱媒体Wの導入口4から当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、図1及び図2に示すように、当該第二発熱体2及び第一発熱体1に接触せずに、当該第一流路F1、次いで、第二流路F2の中を流れる。
当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、図1及び図2に示すように、当該第一流路F1を下降し、次いで、第二流路F2を上昇して流れる。
第二発熱体2の内体200の上部で非加熱媒体Wは、合流し、電磁誘導加熱装置Eの非加熱媒体Wの排出口5から排出される。当該排出口5から排出された非加熱媒体Wは、後述のように暖房機などとの間で循環される。
【0014】
上記のように、当該第二発熱体2は励磁コイル202を有し当該第二発熱体2の当該励磁コイル202に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体2が発熱すると共に、当該第一発熱体1との間の電磁誘導作用により、うず電流を生じ、当該第一発熱体1が発熱するので、当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、上記のように、当該第一流路F1にて当該第二発熱体2により加熱されると共に、当該第二流路F2にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるので、極めて高い熱効率で加熱することができる。第一発熱体1における発熱・蓄熱材101は、加熱により例えば800℃程度に発熱すると共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体Wが暖房機などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で再び循環してきた非加熱媒体Wを加熱することができる。
【0015】
本発明の電磁誘導加熱装置Eにおいては、第二発熱体2により加熱されると共に、当該第二流路F2にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるので、非加熱媒体Wの温度上昇が高速で行われ、短時間で高温になり、その細菌やウイルスが死滅され易く、又、その分子レベルが小さくなり、分子レベルの小さいナノレベルのものとなる。
非加熱媒体Wは、第二発熱体2及び第一発熱体1に接触せずに、第一流路F1及び第二流路F2を流れるので、熱損失が小さく熱効率が高いものとなる。
当該第一発熱体1は、金属製の筒体100の内部に、加熱により発熱する発熱・蓄熱材101を内蔵させてなり、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる。当該発熱・蓄熱材101として粉粒条の電磁誘導発熱物質(材料)を焼結により固化した塊状のものを使用すれば、当該発熱・蓄熱材101による非加熱媒体Wの加熱効率を向上させることができる。
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、無駄な熱の散逸が殆どなく、電磁誘導により第一発熱体1及び第二発熱体2の両者から発生した熱を共に無駄にすることなく非加熱媒体Wの加熱に利用できる。
又、本発明の電磁誘導加熱装置Eでは、その交番電力が印加される第二発熱体2の励磁コイル202は被覆されており、当該励磁コイル202が非加熱媒体Wに曝されるのを防止できることになり、それにより、例えば、励磁コイル202が破損(腐食し断線する等)することを低減でき、信頼性を増すことができる。
本発明の電磁誘導液体加熱装置Eによれば、上記のように、第二発熱体2の励磁コイル202の自己発熱および第一発熱体1の電磁誘導発熱による熱の殆んどが非加熱媒体Wの加熱に使われるので、極めて熱効率が高く、しかも、励磁コイル202の破損を可及的に防止でき極めて信頼性に秀れた加熟装置になる。
更に、例えぱ、当該第一発熱体1の筒体100並びに第二発熱体2の内体200及び外体201を非磁性系の金属(合金)により構成すると、電磁誘導発熱性能を劣化させずに錆を防止し得る等の利点がある。
【0016】
本発明の電磁誘導加熱装置Eの他の例について、図3に基づいて説明する。
図3に示す電磁誘導加熱装置Eは、前記の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eとは第三流路を備えてなる点を除いてはほぼ同様である。
当該図3に示す電磁誘導液体加熱装置Eは、図3に示すように、内側の第一発熱体1と、当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2とを備えてなる点では、前記の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eとほぼ同じであるが、当該電磁誘導加熱装置Eにおける非加熱媒体Wの流路が、前記の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eとは異なっていて、当該図3に示す電磁誘導液体加熱装置Eでは、当該第二発熱体2の外側に第一流路F1及び第二流路F2の2つの流路を有すると共に、当該第一発熱体1と当該第二発熱体2との間に第三流路F3が設けられている。
当該図3に示す電磁誘導加熱装置Eと前記の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eとはほぼ同じであるので詳細な説明は省略するが、当該内側の第一発熱体1は、例えば、金属製の筒体100の内部に、発熱・蓄熱材101を内蔵させて形成されており、当該内側の第一発熱体1を構成する金属製の筒体100は、例えば、非磁性系の金属(合金)等よりなり、当該発熱・蓄熱材101は、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる電磁誘導型発熱剤であって、且つ、熱を備蓄し第一の流路F1にて非加熱媒体Wをその蓄熱により熱効率よく加熱することができる発熱・蓄熱材が用いられ、例えば、金属やカ−ボン等の磁性材により構成することができ、具体的には、例えば、金属粒子と固形材(ガラス、セラミック、セメントなど)との混練物を固化したもの、若しくは、金属線の線材や金属廃材を裁断して上記と同様の固形材で固化したものが挙げられ、当該発熱・蓄熱材101としては、焼結により固化させたものが当該発熱・蓄熱作用に優れている点で好ましく、当該発熱・蓄熱材101は、固化した塊状で、図示のように、金属製の筒体100の内部に多数充填される。
【0017】
当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2は、図示例のように、例えば、内体200及び外体201で被覆された内部に発熱体202が内蔵されている構造よりなり、当該内体200は、例えば、金属製の筒体、例えば非磁性系の金属(合金)、具体的には例えば非磁性系ステンレスにより構成され、当該内体200の周面に、その図示が省略されているが、電気絶縁体を巻回し、当該電気絶縁体の上から発熱体202として励磁コイル(電線)202を巻回してソレノイド体を形成して第二発熱体2を形成し、当該励磁コイル(電線)202の一例としてのエナメル線を螺旋状に巻回してソレノイド体を形成し、当該ソレノイド体から、当該励磁コイル202を引き出し、引出線203から交番電力を印加して当該第二発熱体2を発熱させるようにする。
前述の図1で説明したように、当該電磁誘導加熱装置Eにおいて、第二発熱体2の励磁コイル202から引出した引出線203を電力給電線に電気的に接続して、当該電磁誘導加熱装置Eにおける第二発熱体2の励磁コイル202に交番電カを印加すると、第二発熱体2が発熱すると共に、当該第二発熱体2と第一発熱体1とは交番磁界内におかれ、当該第一発熱体1は、当該第二発熱体2の誘導加熱による誘導電流損とヒシテリシス損などによって加熱され、当該第一発熱体1における金属製の筒体100が発熱し又当該金属製の筒体100の内部の発熱・蓄熱材101が加熱により例えば800℃程度に発熱する。
【0018】
図3に示す当該電磁誘導加熱装置Eも、前記実施例の図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eと同様に、内側の第一発熱体1の筒体100と当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2の内体200との間に流路を有し、第三流路F3が設けられている。
当該第三流路F3の外側で、且つ、当該第二発熱体2の外側には、第一流路F1及び第二流路F2が設けられている。
図3に示す当該電磁誘導加熱装置Eでは、電磁誘導液体加熱装置本体Iと当該第二発熱体2の外体201との間に、例えば間仕切り6を設けることにより区画形成された第一流路F1及び第二流路F2が設けられている。
【0019】
図3に示す電磁誘導加熱装置Eでは、当該電磁誘導加熱装置Eの下部の非加熱媒体Wの導入口4から導入された非加熱媒体Wは、図3に示すように、先ず、第一流路F1を上昇し、順次、当該第二流路F2を下降し、次いで、第三流路F3を上昇する。
当該非加熱媒体Wは、図3に示すように、第二発熱体2にも又第一発熱体1にも接触せずに、第一流路F1、第二流路F2、次いで、第三流路F3中を流れる。
第二発熱体2の内体200の上部を経て第一発熱体1の上部で非加熱媒体Wは、合流し、電磁誘導加熱装置Eの非加熱媒体Wの排出口5から排出される。当該排出口5から排出された非加熱媒体Wは、後述のように暖房機などとの間で循環される。
【0020】
上記のように、当該第二発熱体2は励磁コイル202を有し当該第二発熱体2の当該励磁コイル202に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体2が発熱すると共に、当該第一発熱体1との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体1が発熱するので、当該第一流路F1を経て第二流路F2に導入された非加熱媒体Wは、上記のように、当該第二流路F2にて当該第二発熱体2により加熱されると共に、当該第三流路F3にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるので、極めて高い熱効率で加熱することができる。第一発熱体1における発熱・蓄熱材101は、加熱により例えば800℃程度に発熱すると共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体Wが暖房機などとの間で循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で再び循環してきた非加熱媒体Wを加熱することができる。
他図1及び図2に示す電磁誘導加熱装置Eと同様の作用効果を奏する。
【0021】
本発明の電磁誘導加熱装置Eの更に他の例について、図4に基づいて説明する。
図4に示す電磁誘導加熱装置Eは、内側の第一発熱体1と、当該第一発熱体1の外側に位置する第二発熱体2と、当該第二発熱体2の外側に設けられた第三発熱体3と、当該第三発熱体3の外側に設けられた第一流路F1と、当該第三発熱体3の内側に設けられた第二流路F2と、当該第一発熱体1と当該第二発熱体2との間に設けられた第三流路F3とを備え、当該第一流路F1に導入された非加熱媒体は、当該第三発熱体3、第二発熱体2及び第一発熱体1に接触せずに当該第一流路F1、第二流路F2及び第三流路F3を流れ、当該第二発熱体2に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体2が発熱すると共に、当該第一発熱体1及び第三発熱体3との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体1及び第三発熱体3が発熱し、当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、当該第一流路F1にて当該第三発熱体3により加熱され、次いで、当該第二流路F2にて当該第二発熱体2及び第三発熱体3により加熱されると共に、当該第三流路F3にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるように構成されてなる。
当該図4に示す電磁誘導液体加熱装置Eは、第二発熱体2の当該励磁コイル202に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体2が発熱すると共に、当該第二発熱体2の内側の第一発熱体1のみならず、当該第二発熱体2の外側の第三発熱体3との間でも、電磁誘導作用によりうず電流を生じ、これら第一発熱体1及び第三発熱体3の両者が発熱するので、当該第一流路F1に導入された非加熱媒体Wは、当該第一流路F1にて当該第三発熱体3により加熱され、次いで、当該第二流路F2にて当該第二発熱体2及び第三発熱体3により加熱されると共に、当該第三流路F3にて当該第一発熱体1及び第二発熱体2により加熱されるので、前記図1、図2及び図3に示す電磁誘導加熱装置Eに比して、より一層、極めて高い熱効率で加熱することができる。
図示のように、当該図4に示す電磁誘導加熱装置Eでは、第二発熱体2に空洞部Cを備えさせるようにしており、当該空洞部Cにより、上記のように、第二発熱体2に交番電力を印加すると当該第二発熱体2の両側の第一発熱体1及び第三発熱体3の両者が発熱して加熱し過ぎる場合があるときに、当該加熱し過ぎを抑制することができる。
他は、図1、図2及び図3に示す電磁誘導加熱装置Eと同様の構造であり、又、同様の作用効果を奏するので詳細な説明は省略する。
当該第三発熱体3は、第一発熱体1と同様の構成になることが好ましく、例えば、金属製の筒体100の内部に、発熱・蓄熱材101を内蔵させて形成されてなる。
当該内側の第一発熱体1を構成する金属製の筒体100は、銅などの反磁性金属若しくはアルミニウムなどの常磁性金属によりなっていてもよいが、非磁性系の金属(合金)であることが、電磁誘導発熱性能を劣化させずに錆を防止し得る等の利点があり、好ましい。尚、ここに、非磁性とは、強磁性を含まず、反磁性若しくは常磁性を意味している。
当該発熱・蓄熱材101は、電磁誘導により、500℃以上、好ましくは600℃〜900℃といった高温域の所望の温度に発熱させることができる電磁誘導型発熱材であって、且つ、熱を備蓄し第二流路F2にて非加熱媒体Wをその蓄熱により熱効率よく加熱することができる発熱・蓄熱材が用いられ、例えば、金属やカ−ボン等の磁性材により構成することができ、具体的には、例えば、金属粒子と固形材(ガラス、セラミック、セメントなど)との混練物を固化したもの、若しくは、金属線の線材や金属廃材を裁断して上記と同様の固形材で固化したものが挙げられる。当該発熱・蓄熱材101としては、焼結により固化させたものが当該発熱・蓄熱作用に優れている点で好ましい。
当該発熱・蓄熱材101は、固化した塊状で、図示のように、金属製の筒体100の内部に多数充填される。
【0022】
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、図5に示すように、床暖房7、セントラルヒーティング8又はファンコンベクタ−9等の各種暖房用途に使用することができる。
当該ファンコンベクタ−9は、温水で部屋全体を暖めるもので、例えば、送風機と熱交換器とエア−フィルタとで構成することができる。
必要に応じて冷水と温水を供給し得るようにしてもよい。
【0023】
電磁誘導加熱装置Eの導入口4から導入され、排出口5から排出された温水は、膨張タンク10を経て、ポンプ11に送出され、当該床暖房7、セントラルヒ−ティング8又はファンコンベクタ−9等の各種の暖房を必要とする部位や設備に送られる。
当該ポンプ11は、ポンプ用スイッチ12の駆動により作動する。本発明では、当該スイッチ12の作動は、単相100vで実施し得るようになっている。
電磁誘導加熱装置Eは、定格電圧は単相200v、定格電流25A、周波数50/60Hzで実施し得るようになっている。電磁誘導加熱装置Eにおける電源側は、ブレーカ13、スイッチ14、制御装置15に接続しており、制御装置15により非加熱媒体Wの加熱温度等を制御するようになっている。電磁誘導加熱装置Eでは、ポンプ用スイッチ12と電源側スイッチ14とを適宜オン・オフさせて作動させることができ、それにより、省電力化を図っている。
【0024】
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、図6に示すように、キッチン16、風呂17及び洗面18のような各種の温水を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から該温水を必要とする部位又は設備に対して温水の供給を行うことができる。当該電磁誘導加熱装置Eとキッチン16、風呂17及び洗面18のような各種の温水を必要とする部位又は設備とからなる給湯装置Xでは、図示のように、ポンプ19、タンク20、ポンプ21、ヘッダ−22及びヘッダ−23を介して、当該キッチン16、風呂17及び洗面18のような各種の温水を必要とする部位又は設備に温水が供給される。当該給湯装置Xでは、主給水管や主給湯管をヘッダー22、23を介して複数の枝管に分岐し、これら枝管を夫々対応する上記キッチン16、風呂17及び洗面18(いずれも混合栓)のような水廻り設備の水栓に接続するようにしたヘッダ−式給水・給湯配管が敷設されている。
【0025】
本発明の電磁誘導加熱装置Eは、図7に示すように、複数個設置して上記のような暖房・給湯を行うことができる。図7には、当該電磁誘導加熱装置Eを2個設置して上記のような暖房・給湯を行う例を示しているが、当該電磁誘導加熱装置Eを3個以上設置して上記のような暖房・給湯を行ってもよい。当該電磁誘導加熱装置Eを2個設置して上記のような暖房・給湯を行う場合も、前記図5に示すように、膨張タンク10や圧縮ポンプ11を経て、床暖房7、セントラルヒーティング8又はファンコンベクタ−9等の各種の暖房を必要とする部位や設備や図7に示すようなキッチン16、風呂17及び洗面18のような各種の温水を必要とする部位又は設備に、温水が送出される。
当該電磁誘導加熱装置Eを2個設置する場合も、当該電磁誘導加熱装置Eの数に応じて制御装置15で非加熱媒体Wの加熱温度等を制御することができるようになっている。
当該電磁誘導加熱装置Eでは、適宜非加熱媒体抜き部Fから非加熱媒体Wの種類などに応じた水抜き等をすることができる。
【0026】
次に、本発明の電磁誘導加熱装置Eを用いた暖房装置について説明する。
図8に示すように、本発明の暖房装置Hの基本的な構成は、上記の電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24とを備えてなる。
図8に示すように、当該暖房装置Hでは、当該電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24とを配管25a、25bにより接続し、配管(往路管)25aにより、当該電磁誘導加熱装置Eで電磁誘導加熱された非加熱媒体Wを、暖房用放熱器24に送り込み、当該暖房用放熱器24で自然対流又は放射により暖房を行うようにしてなり、次いで、当該非加熱媒体Wは、当該暖房用放熱器24から配管(復路管)25bに送出されて、再び、当該電磁誘導加熱装置Eに帰還するようになっている。
当該電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24と往路管25aと復路管25bとの間の循環路には、上記のように、ポンプ装置11a、11bを配設して、当該電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24との間で、循環して加熱された非加熱媒体Wが供給されるようにし、当該循環供給された加熱された非加熱媒体Wにより当該暖房用放熱器24で、前記の床暖房7、セントラルヒーティング8又はファンコンベクタ−9等の暖房を必要とする部位又は設備26の暖房を行うようにすることができる。
当該暖房装置Hでは、基本的には、当該電磁誘導加熱装置Eと暖房用放熱器24と配管25a、25bを備えていれば足りるが、図8に示すように、制御装置15を、ポンプ装置11b及び非加熱媒体Wの導入口4に接続し、当該制御装置13により非加熱媒体Wの導入口4に送り込まれる非加熱媒体Wの流量を制御したり、加熱された非加熱媒体Wの温度を制御したり或いは当該電磁誘導加熱装置Eの第二発熱体2における励磁コイル202に交番電力を印加する際の電流の制御等を行うようにするとよい。又、室内モニタや室内センサなどの監視装置27を設けて検知・監視などを行うようにするとよい。
又、前記の図5に示す当該非加熱媒体Wの流量の制御に必要な膨張タンク10を設けたり、非加熱媒体W中のエアー抜きに必要な空気抜きバルブ28を設けたり、図示していないが、アキュムレ−タやリザ−ブタンクなどを設けるようにしてもよい。
【0027】
上記の暖房用放熱器24は、離れた場所で加熱された媒体を放熱することができる。暖房用放熱器24は、熱の大半を輻射および対流によって放熱する。暖房用放熱器24を用いた自然対流による暖房も可能である。
暖房用の他、保温にも使用でき、本発明の暖房装置Hは、当該保温の場合も包含する。 熱源機としての本発明の上記の電磁誘導加熱装置Eから供給される非加熱媒体Wによって、暖房用放熱器24は温められる。
当該非加熱媒体Wとしては、水、熱媒又は不凍液が例示できる。熱媒とは、熱を輸送する液体又は気体である。当該液体は、通常は、水であるが、寒冷地での暖房などを考慮すると、不凍液が好ましい。液体を不凍液で構成すると、寒冷地での暖房でも、凍結せず、暖房が良好に行われる。本発明の暖房装置は、第一発熱体1、第二発熱体2及び第三発熱体3が密閉・被覆され、非加熱媒体Wと接触せず、非加熱媒体Wは、当該第一発熱体1、第二発熱体2及び第三発熱体3とは接触しない第一流路F1及び第二流路F2、又は、第一流路F1、第二流路F2及び第三流路F3の流路中を流れる等から、不凍液の使用に適しているように構成されている。当該不凍液としては特に限定されず、例えば、エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル等が挙げられ、又、当該エチレングリコ−ル、プロピレングリコ−ル等を主成分として水で希釈したものに防錆剤等を添加したもの等が挙げられる。水の場合、気体としての蒸気の供給によっても温めることができる。本発明の電磁誘導加熱装置Eでは、第一発熱体1及び第二発熱体2、又は、第一発熱体1、第二発熱体2及び第三発熱体3により加熱されるので、極めて高い熱効率で加熱することができ、第一発熱体1及び第三発熱体3における発熱・蓄熱材101は、加熱により例えば800℃程度に発熱すると共に、熱を蓄えることができるので、非加熱媒体Wが循環使用されても、冷めず極めて高い熱効率で再び循環してきた非加熱媒体Wを加熱することができる等の利点があり、その為、蒸気暖房にも適している。。
暖房用放熱器24は、熱を外部に放出する装置で、例えば、加熱液体をパイプなどの内部に通して、フィン表面からの放射によって暖房するラジエタ−や熱交換用のフィン付きコイルを内蔵し、空気の対流を発生させ、室内空気を加熱、循環させるコンベクタ−と称されるものを包含する。温水等の加熱液体が一方の端部から供給され、熱の放出に伴い温水等の加熱液体は冷却され他方の端部から排出される。
図9及び図10に基づいて、当該暖房用放熱器24の一つのコンベクタ−(パネルコンベクタ−)の一例を説明する。
当該コンベクタ−24は、内蔵した放熱フィン(ひれ)付きのコイル2400と、それを覆うケ−シング2401とを有してなる。温水等の加熱液体が液入口2402から内蔵した放熱フィン(ひれ)付きのコイル2400に供給され、熱の放出に伴い冷却された温水等の加熱液体は液出口2403から排出される。
【0028】
本発明における暖房を必要とする部位又は設備26には、前記のように床暖房7、セントラルヒーティング8又はファンコンベクタ−9等の各種暖房を必要とする部位又は設備が挙げられるが、場所的には、例えば、床、床下、壁面、窓下、洗面所等が挙げられる。暖房の種類には、例えば、温水を通すなどして暖めた床や壁等の面から放射熱により暖房する方法であるパネルヒ−ティングなどがある。
床の暖房のフロアヒ−ティング(床暖房)7は、例えば、建設中において、室内の床下全面に配管を設置し、その後コンクリ−トの層で覆うことにより行うことができる。当該床暖房7では、通常、温水が各室の全床面の下を循環する。パイプ・配管・配線は床下に埋め込まれ、室内は穏やかに加熱される。
当該暖房には、暖房用放熱器24を床下に設置して、床上室と床下を暖房するようにした床下型暖房装置があり、寒冷地の暖房手段として、暖房用放熱器24を床下に設置して、当該放熱器24で発生する暖気を循環させて床上室と床下を暖房するようにしたものがある。
【0029】
図11に基づいて、当該床下型暖房装置の一例について説明する。
床下700に暖房用放熱器24を設置し、前記と同様にして、当該床下暖房用放熱器24と前記電磁誘導加熱装置Eとを配管25a、25bにより接続し、往路管25aにより当該電磁誘導加熱装置Eにより電磁誘導加熱された液体Wを、当該暖房用放熱器24に送り込み、当該暖房用放熱器24で自然対流又は放射により暖房を行うようにし、次いで、当該液体Wを、当該暖房用放熱器24から復路管25bに送出して、再び、当該電磁誘導加熱装置Eに帰るようにする。
当該床下700と室内701とを仕切る床702に、暖気を当該室内701に流し込むことができる開口部703と暖気を当該床下700に帰還させる開口部704とを設け、当該床下暖房用放熱器24からの放射・対流を当該開口部703から上昇させて室内を暖め、一方、温度降下した暖気を当該開口部704から戻すようにする。
【0030】
図12は、当該暖房装置を、トイレに設置した例を示す。
当該当該暖房装置では、トイレTに暖房用放熱器24を設置し、前記と同様にして、当該床下暖房用放熱器24と前記電磁誘導加熱装置Eとを配管25a、25bにより接続し、往路管25aにより電磁誘導加熱された液体Wを、当該暖房用放熱器24に送り込み、当該暖房用放熱器24で自然対流又は放射により暖房を行うようにし、次いで、当該液体Wを、当該暖房用放熱器24から復路管25bに送出して、再び、当該電磁誘導加熱装置Eに帰還するようにする。
【0031】
本発明の上記実施例では、暖房用放熱器24を設置して、当該暖房用放熱器4を介して暖房を行う例を説明したが、当該暖房用放熱器24を介さずに直接暖房を必要とする部位又は設備26を暖房するようにしてもよい。
図13は、当該実施例を示し、床702にパネルパイプ25Cを配設し、前記電磁誘導加熱装置Eから往路管25aにより加熱された液体Wを当該パネルパイプ25Cに送り込み、当該パネルパイプ25Cにおける暖気の自然対流又は放射により暖房を行うようにし、次いで、当該液体Wを、当該パネルパイプ25Cから復路管25bに送出して、再び、当該電磁誘導加熱装置Eに帰るようにする。
【0032】
本発明は上記実施例に限定されず、適宜変更が可能である。、
【産業上の利用可能性】
【0033】
本発明は、暖房について説明したが、冷暖房に適用してもよいし、上記実施例以外の各種の場合、例えば、窓からの冷気を効果的に遮断するため、暖房用放熱器24を窓の直下に設置とか、タオルをかけて乾燥させるための装置(タオルウォ−マ−)としての役割を兼用するような場合にも適用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の実施例を示す電磁誘導加熱装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例を示す電磁誘導加熱装置の断面図である。
【図3】本発明の他の実施例を示す電磁誘導加熱装置の構成図である。
【図4】本発明の更に他の実施例を示す電磁誘導加熱装置の構成図である。
【図5】本発明の電磁誘導加熱装置の使用例の一例を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の実施例を示す電磁誘導加熱装置の使用例の一例を示すブロック図である。
【図7】本発明の他の実施例を示す電磁誘導加熱装置の構成図である。
【図8】本発明の実施例を示す暖房装置の構成図である。
【図9】本発明で使用される暖房用放熱器の一例外観構成図である。
【図10】(A)同暖房用放熱器の断面図、(B)同暖房用放熱器の一部断面図である。
【図11】本発明の実施例を示す暖房装置の構成図である。
【図12】本発明の他の実施例を示す暖房装置の構成図である。
【図13】本発明の実施例を示す暖房用放熱器を使用しない暖房装置の構成図である。
【符号の説明】
【0035】
1…第一発熱体
2…第二発熱体
3…第三発熱体
24…暖房用放熱器
26…暖房を必要とする部位又は設備
101…発熱・蓄熱材
E…電磁誘導加熱装置
F1…第一流路
F2…第二流路
F3…第三流路
H…暖房装置
W…非加熱媒体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第二流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路及び第二流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
【請求項2】
内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路及び第二流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第三流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路、第二流路及び第三流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第三流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
【請求項3】
内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第三発熱体と、当該第三発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第三発熱体の内側に設けられた第二流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第三流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第三発熱体、第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路、第二流路及び第三流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体及び第三発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体及び第三発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第三発熱体により加熱され、次いで、当該第二流路にて当該第二発熱体及び第三発熱体により加熱されると共に、当該第三流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
【請求項4】
第一発熱体が、金属製の筒体の内部に加熱により発熱し蓄熱することができる発熱・蓄熱材を内蔵させてなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の電磁誘導加熱装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載の電磁誘導加熱装置と暖房を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から供給された加熱媒体により該暖房を必要とする部位又は設備の暖房を行うようにしてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置を用いた暖房装置。
【請求項6】
請求項1、2、3又は4に記載の電磁誘導加熱装置と温水を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から該温水を必要とする部位又は設備に対して温水の供給を行うようにしてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置を用いた給湯装置。
【請求項1】
内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第二流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路及び第二流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第二流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
【請求項2】
内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第一流路及び第二流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第三流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路、第二流路及び第三流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第二流路にて当該第二発熱体により加熱されると共に、当該第三流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
【請求項3】
内側の第一発熱体と、当該第一発熱体の外側に位置する第二発熱体と、当該第二発熱体の外側に設けられた第三発熱体と、当該第三発熱体の外側に設けられた第一流路と、当該第三発熱体の内側に設けられた第二流路と、当該第一発熱体と当該第二発熱体との間に設けられた第三流路とを備え、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第三発熱体、第二発熱体及び第一発熱体に接触せずに当該第一流路、第二流路及び第三流路を流れ、当該第二発熱体に交番電力を印加することにより、当該第二発熱体が発熱すると共に、当該第一発熱体及び第三発熱体との間の電磁誘導作用により、当該第一発熱体及び第三発熱体が発熱し、当該第一流路に導入された非加熱媒体は、当該第一流路にて当該第三発熱体により加熱され、次いで、当該第二流路にて当該第二発熱体及び第三発熱体により加熱されると共に、当該第三流路にて当該第一発熱体及び第二発熱体により加熱されるように構成されてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置。
【請求項4】
第一発熱体が、金属製の筒体の内部に加熱により発熱し蓄熱することができる発熱・蓄熱材を内蔵させてなることを特徴とする、請求項1、2又は3に記載の電磁誘導加熱装置。
【請求項5】
請求項1、2、3又は4に記載の電磁誘導加熱装置と暖房を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から供給された加熱媒体により該暖房を必要とする部位又は設備の暖房を行うようにしてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置を用いた暖房装置。
【請求項6】
請求項1、2、3又は4に記載の電磁誘導加熱装置と温水を必要とする部位又は設備とを接続して、当該電磁誘導加熱装置から該温水を必要とする部位又は設備に対して温水の供給を行うようにしてなることを特徴とする電磁誘導加熱装置を用いた給湯装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2011−238449(P2011−238449A)
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−108400(P2010−108400)
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(592257538)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年11月24日(2011.11.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月10日(2010.5.10)
【出願人】(592257538)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]