説明

電磁駆動式制御弁の故障診断装置

【課題】電磁駆動力によって可動する可動部材の動きを簡素な構成で直接検出し、異常発生を確実に診断する。
【解決手段】ステップモータのモータ軸65の下端部に作動検出軸67を連設し、作動検出軸67の下端部にスプリングによって付勢されたバルブ軸53の上端部を当接させる。また、作動検出軸67の軸方向の規定位置に作動検出軸67の外周面から径方向に突出する複数の爪状の突起部材68を配設し、電磁駆動部の下部にモータ軸65の進退動作に応じて作動検出軸67の各位置の突起部材68と接触する突起部材69を固設する。モータ軸65の可動範囲の最小位置或いは最大位置への移動に伴って突起部材68,69が接触して振動若しくは音が発生するため、この振動若しくは音をセンサ70で検出することにより、軸体(可動部材)の動きを簡素な構成で直接検出して異常発生を確実に診断することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電磁駆動部で発生する駆動力によって開閉される開閉弁を有する電磁駆動式制御弁の故障診断装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、自動車等の制御システムで用いられる各種制御弁は、ソレノイドやモータ等の電磁駆動力を用いて駆動されるものが多く、例えば、エンジンの排気環流制御弁(EGRバルブ)やスロットル弁を、ステップモータを組み込んだ電磁駆動式制御弁として構成している。
【0003】
このような制御弁では、ステップモータ等に与える駆動指令値によって所望の弁開度を得ることができるため、オープンループで制御することが一般的である。従って、制御弁に故障が発生するとシステムの動作が不安定となって原因究明に時間がかかるため、制御弁自体の故障診断が必須となっている。
【0004】
例えば、特許文献1には、ステップモータを用いたEGRバルブの脱調に関する故障診断に関して、ステップモータと弁を弾性的に連結し、ステップモータを閉弁方向に駆動し、弁が弁シートに着座した後、その弾性連結によりさらにステップモータをストッパーまで回転させ、ステップモータがストッパーに当接したかどうかをステップモータのコイル内の逆起電力から判別することで、ステップモータの脱調等の故障発生を検出する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平8−248105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1では、ステップモータのコイル端子電圧から故障診断を行うようにしており、電磁駆動力によって可動する可動部材の動きを直接検出していないため、ノイズの影響等により誤診断が発生する可能性がある。
【0007】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、電磁駆動力によって可動する可動部材の動きを簡素な構成で直接検出し、異常発生を確実に診断することのできる電磁駆動式制御弁の故障診断装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明による電磁駆動式制御弁の故障診断装置は、電磁駆動部で発生する駆動力によって進退動作する軸体と、この軸体の進退動作に応じて開閉される開閉弁とを有する電磁駆動式制御弁の故障診断装置であって、前記軸体の規定位置に設けられ、前記軸体から径方向に突出する第1の突起部材と、前記第1の突起部材と接触可能に前記電磁駆動部に固設される第2の突起部材と、前記第2の突起部材に連設され、前記第1の突起部材と前記第2の突起部材との接触によって発生する振動若しくは音を検知するセンサと、前記電磁駆動部に駆動信号を与えて前記軸体を進退動作させ、前記駆動信号に基づく前記軸体の進退位置と前記センサからの信号とに基づいて前記電磁駆動式制御弁の故障を診断する故障診断部とを有している。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電磁駆動力によって可動する可動部材の動きを簡素な構成で直接検出することができ、異常発生を確実に診断することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】エンジン制御系の全体構成図
【図2】EGRバルブの構成図
【図3】モータ軸及びバルブ軸周辺の拡大図
【図4】故障診断ルーチンのフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。以下では、電磁駆動式制御弁の例として、図1に示すエンジン1の排気系に備えられる排気環流制御弁(EGR制御弁)16を示し、このEGR制御弁16に対する故障診断について説明する。図1において、エンジン1は、シリンダヘッド2に各気筒の吸気ポート或いは気筒内に燃料を噴射するインジェクタ30と、気筒内の混合気に火花放電して燃焼させる点火プラグ31とを配設した4気筒エンジンを例示している。
【0012】
エンジン1の吸気系の構成として、各気筒の吸気ポートに連通するブランチ部を有する吸気マニホルド3がシリンダヘッド2に連設され、吸気マニホルド3の各ブランチが集合する吸気通路4に、スロットル弁5が介装されている。スロットル弁5は、電子制御装置(ECU)100からの制御信号によってスロットル開度を制御するアクチュエータ6に連設されている。
【0013】
更に、スロットル弁5の上流側に、インタークーラ7が介装され、インタークーラ7の上流側に、ターボ過給機8のコンプレッサ8aが介装され、コンプレッサ8a上流側に、エアクリーナ9が介装されている。エアクリーナ9の下流側には吸入空気量センサ10が介装されている。
【0014】
一方、エンジン1の排気系の構成としては、各気筒の排気ポートに連通するブランチ部を有する排気マニホルド11がシリンダヘッド2に連設され、排気マニホルド11の各ブランチが集合する排気通路12に、ターボ過給機8のタービン8bが介装されている。ターボ過給機8は、例えば、周知の可変ノズル式ターボ過給機(Variable Geometory Turbosupercharger:VGT)であり、タービン8bの周囲に設けられた可変ノズルのベーンに、ECU100からの制御信号によってベーン開度を制御するアクチュエータ13がリンク機構(図示せず)を介して連設されている。
【0015】
タービン8bの上流側の排気通路12は、排気ガス還流(EGR)通路14を介してスロットル弁5下流側の吸気通路4にバイパス接続されている。EGR通路14には、EGRガスを冷却するEGRクーラ15と、ECU100からの制御信号によってEGR通路14からのEGR量を制御するEGR制御弁16とが介装されている。更に、タービン8b下流側の排気通路12には、タービン8bを通過した排気を浄化する触媒コンバータ20が介装されている。触媒コンバータ20の上流側には、空燃比センサ21が臨まされている。
【0016】
次に、ECU100を中心とする電子制御系について説明する。
ECU100は、CPU,ROM,RAM,I/Oインターフェイス等からなるマイクロコンピュータを備えて構成される電子制御装置であり、A/D変換器、タイマ、カウンタ、各種ロジック回路、各種駆動回路等を備えている。
【0017】
ECU100には、上述の吸入空気量センサ10、空燃比センサ21、その他、クランク軸の回転位置を検出するクランク角センサやアクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルペダルセンサ等の図示しない各種センサ・スイッチ類が入力インターフェースを介して接続されている。また、ECU100には、出力インターフェースを介して、インジェクタ30、点火プラグ31に火花放電を発生させるための高電圧を誘起する点火コイル(図示せず)、スロットル弁5を開閉駆動するアクチュエータ6、ターボ過給機8のアクチュエータ13、EGR制御弁16等の各種アクチュエータ類が接続されている。
【0018】
尚、ECU100は、CAN(Controller Area Network)等の通信プロトコルに基づく車内ネットワーク(図示せず)に接続されており、変速機を制御するトランスミッションECU、ブレーキを制御するブレーキECU等の車内ネットワークに接続される他のECUからの各種制御情報を車内ネットワークを介して受信すると共に、他のECUへの制御情報を車内ネットワークに送出する。
【0019】
ECU100は、上述の各種センサ・スイッチ類からの信号、車内ネットワークを介して入力される各種制御情報に基づいて、各種アクチュエータ類を駆動し、燃料噴射制御、点火時期制御、過給圧制御、EGR制御等の各種エンジン制御を実行する。また、ECU100は、自己診断機能を備えており、この自己診断機能により、EGR制御弁16を初めとするアクチュエータ類の故障やセンサ類に対する故障診断を行う。
【0020】
EGR制御弁16に対する故障診断では、バルブの固着や電磁駆動系の異常による作動不良を診断する。EGR制御弁16は、本実施の形態においては、ステップモータ(リニアステップモータ)によってバルブが開閉駆動される制御弁として構成されており、ステップモータの故障による作動不良やバルブ固着等の異常を、ECU100の自己診断によって検出する。
【0021】
ここで、EGR制御弁16の具体的な構成について説明する。図2に示すように、EGR制御弁16は、EGR流量を制御する開閉弁としてのバルブ51を収納するケース部50と、バルブ51を開閉動作させる電磁駆動部60とから構成されている。バルブ51は、ケース部50の内部通路に形成された弁座50aに当接・離間してEGR通路14を開閉するバルブ本体52と、バルブ本体52から延出されて電磁駆動部60の下部に配設されたスプリング61に係合され、バルブ本体52を閉弁方向に付勢するバルブ軸53とを備えて構成されている。
【0022】
電磁駆動部60は、ステップモータ62を主として構成されている。ステップモータ62は、本実施の形態においては、ステータ63、ロータ64、モータ軸65を有し、ロータ64とモータ軸65との間にすべりねじ(ボールねじ)66を設けてロータ64の回転をモータ軸65の進退動作に変換するリニアステップモータである。このステップモータ62のモータ軸65には、太径の作動検出軸67が一体的に連設され、モータ軸65と作動検出軸67とが電磁駆動力によって進退動作する軸体(可動部材)を構成している。
【0023】
作動検出軸67は、詳細には、図3の拡大図に示すように、モータ軸65の下端部に一体的に連設され、作動検出軸67の下端部に、スプリング61によって付勢されたバルブ軸53の上端部が当接される。また、作動検出軸67の軸方向の規定位置には、モータ軸65の進退動作位置を検出するため、作動検出軸67の外周面から径方向に突出する複数の爪状の突起部材68が第1の突起部材として配設されている。
【0024】
本実施の形態においては、バルブ51の全開位置、全閉位置、全開と全閉との間の略中間の各位置に対応して、作動検出軸67の上部、下部、中間の位置の3カ所に突起部材68が固設されている。バルブ全開、全閉、中間の各位置に対応して設けられる突起部材68の数は、例えば、3個,3個,2個である。
【0025】
また、作動検出軸67の各位置の突起部材68に対応して、電磁駆動部60の下部には、モータ軸65の進退動作に応じて作動検出軸67の各位置の突起部材68と接触する突起部材69が第2の突起部材として固設されている。電磁駆動部60下部に固設される突起部材69は、作動検出軸67の突起部材68と同様の爪状の部材であり、この突起部材69に振動若しくは音を検出するセンサ70が連設されている。
【0026】
このような構成によるEGR制御弁16は、ステップモータ62の駆動ステップ数に応じてモータ軸65が進退動作することで、バルブ51のバルブ本体52がスプリング61の付勢力に抗して弁座50aから離間して開弁し、また、バルブ本体52がスプリング61の付勢力によって弁座50aに押圧されて閉弁する。ここで、モータ軸65の実可動範囲は、バルブ本体52の全閉位置から全開位置までの作動範囲に対して所定の余裕を持たせた範囲に設定されている。
【0027】
すなわち、ステップモータ62のステップ数をバルブ全閉位置に対応するステップ数よりも小さいステップ数としてモータ軸65を実可動範囲の最小位置に移動させると、モータ軸65に連設される作動検出軸67とバルブ軸53とが離間し、バルブ本体52がスプリング61の付勢力によって弁座50aに押圧されて閉弁する。一方、ステップモータ62のステップ数をバルブ全開位置に対応するステップ数よりも大きいステップ数としてモータ軸65を実可動範囲の最大位置に移動させると、作動検出軸67がスプリング61の付勢力に抗してバルブ軸53を開弁方向に押圧し、バルブ本体52が弁座50aから離間して全開位置に達した後も、所定量だけ開弁方向に移動される。
【0028】
このとき、モータ軸65の可動範囲の最小位置或いは最大位置への移動に伴って、作動検出軸67の突起部材68と電磁駆動部60内に固設される突起部材69とが接触し、振動若しくは音が発生する。従って、この振動若しくは音をセンサ70で検出することにより、ステップモータ62は正常に動いていると判断することができる。
【0029】
例えば、ステップモータ62のステップ数が0〜50ステップのとき、モータ軸65の実可動範囲が最小位置〜最大位置となり、バルブ本体52の作動範囲(全閉位置〜全開位置)で使用するステップ数を3〜47とすると、バルブ全閉時にステップ数「0」の信号を与えると、作動検出軸67下部の突起部材68と電磁駆動部60下部の突起部材69とが接触し、バルブ全閉ステップ数とモータ軸65が最小位置となるステップ数との差分の振動若しくは音が発生する。
【0030】
本実施の形態においては、作動検出軸67下部の3個の突起部材68と電磁駆動部60の突起部材69とが接触し、3ステップ分の振動若しくは音が発生する。従って、3ステップ分の振動若しくは音を感知できれば、ステップモータ62は正常に動いていると診断することができる。
【0031】
同様の診断を、バルブ中間位置、全開位置側でも行うことにより、バルブ全閉位置〜全開位置間でステップモータ62が正常に動いていると判断することができる。一方、バルブ全閉〜全開側で突起部材68,69の接触による振動若しくは音を検知できない場合には、バルブ本体52の弁座50aへの固着、バルブ軸53のスティック、ステップモータ62自体の故障によるモータ軸65の作動不良等を診断することができる。
【0032】
尚、本実施の形態においては、突起部材68を作動検出軸67に設けているが、作動検出軸67を用いることなく、モータ軸65に突起部材68を直接設けるようにしても良い。すなわち、突起部材68は電磁駆動力によって進退動作する軸体に設ければ良く、EGR制御弁16をソレノイド式の制御弁で構成し、突起部材68を設けたプランジャを、デューティ駆動や電流制御等によって進退動作させるようにしても良い。
【0033】
以上のEGR制御弁16に対する故障診断は、具体的には、ECU100で実行されるソフトウエア処理によって実行される。以下、ECU100で実行されるEGR制御弁16の故障診断ルーチンについて、図4のフローチャートを用いて説明する。
【0034】
尚、本故障診断ルーチンは、エンジン運転中のEGR制御に影響を与えないよう、例えばエンジン停止時に実行され、作動検出軸67の突起部材68と電磁駆動部60内の突起部材69との接触によって発生する振動をセンサ70で検出して故障診断を行うものとする。但し、エンジン運転中のEGR実施領域においても、作動検出軸67の中間位置の突起部材68と電磁駆動部60の突起部材69との接触による振動をセンサ70で検出することにより、故障診断が可能である。
【0035】
この故障診断ルーチンでは、先ず、最初のステップS1において、診断開始処理を実行する。この診断開始処理は、エンジン停止に伴ってバルブ全閉状態にあるEGR制御弁16に対して、先ず、バルブ51の開き側の動作を確認するための処理である。この開き側の動作確認の処理は、具体的には、ステップモータ62のモータ軸65がバルブ全開位置まで移動するステップ数を与える制御指令を出力する。
【0036】
次いで、ステップS2へ進み、センサ70からの信号を読み込み、バルブ全閉位置から全開位置の間で振動を検知したか否かを調べる。その結果、ステップS2において振動を検知していない場合には、ステップS2からステップS13へジャンプし、ステップモータ62の脱調や作動不良(モータ軸65のスティック等)、バルブ51の固着(バルブ本体52の弁座50aへの固着、バルブ軸53のスティック)等の異常が発生したと診断する。そして、ステップS16で異常発生を報知するチェックランプを点灯して本ルーチンを終了する。
【0037】
一方、ステップS2において振動を検知している場合には、ステップS2からステップS3へ進み、ステップモータ62のモータ軸65がバルブ全開側の最大可動位置(モータ最大可動位置)まで移動するステップ数を与える制御指令を出力する。そして、ステップS4でバルブ全開位置からモータ最大可動位置までのステップ数分の振動がセンサ70で検知されているか否かを調べる。
【0038】
ステップS4において、バルブ全開位置からモータ最大可動位置までのステップ数分の振動がセンサ70で検知されていない場合、ステップS14へジャンプして、ステップモータ62の脱調や作動不良、バルブ51の固着等の異常が発生したと診断し、上述のステップS16でチェックランプを点灯して本ルーチンを終了する。一方、ステップS4において振動が検知されている場合には、ステップS4からステップS5へ進んでEGR制御弁16の開き側の作動は正常であると診断する。
【0039】
EGR制御弁16の開き側の作動は正常であると診断されると、次にステップS6へ進み、バルブ閉じ側の動作を確認するため、ステップモータ62のモータ軸65がバルブ全閉位置まで移動するステップ数を与える制御指令を出力する。そして、ステップS7でバルブ全開位置から全閉位置までの間で振動を検知したか否かを調べる。
【0040】
ステップS7で振動を検知していない場合、ステップS15へジャンプしてステップモータ62のモータ軸65が固着する等の異常が発生したと診断し、上述のステップS16でチェックランプを点灯して本ルーチンを終了する。一方、ステップS7で振動を検知している場合には、ステップS7からステップS8へ進んで、ステップモータ62のモータ軸65がバルブ全閉側の最小可動位置(モータ最小可動位置)まで移動するステップ数を与える制御指令を出力し、ステップS9で、バルブ全閉位置からモータ最小可動位置までのステップ数分の振動がセンサ70で検知されているか否かを調べる。
【0041】
ステップS9において振動検知なしの場合、上述のステップS15での異常判定及びステップS16のチェックランプ点灯を経て本ルーチンを終了し、振動検知ありの場合、ステップS9からステップS10へ進んでEGR制御弁16の閉じ側の作動は正常であると診断する。そして、ステップS11で、EGR制御弁16は、開き側及び閉じ側の作動が共に正常であり、異常無しと診断し、ステップS12でステップモータ62にバルブ全閉位置とするステップ数を与える制御指令を出力してEGR制御弁16に対する診断終了の処理を行い、本ルーチンを終了する。
【0042】
このように本実施の形態においては、電磁駆動力によって進退動する軸体に設けた第1の突起部材と固定側の第2の突起部材とが機械的に接触して発生する振動若しくは音を検知して制御弁の故障診断を行うため、簡素な構成で軸体の実際の動きを確実に検出することができ、異常発生を確実且つ正確に診断することができる。
【0043】
この場合、電磁駆動力によって進退動する軸体の動きを、光センサや磁気センサによって検出することも可能であるが、排気ガスや油による汚れによる影響、ノイズの影響を受けて、位置を誤検出する虞がある。これに対して、本実施の形態では、第1,第2の突起部材の機械的な接触による振動若しくは音を検知するため、排気ガスや油による汚れによる影響、ノイズの影響を受けることなく、確実に異常を検出することができる。
【符号の説明】
【0044】
16 EGR制御弁
50a 弁座
51 バルブ
52 バルブ本体
53 バルブ軸
60 電磁駆動部
62 ステップモータ
65 モータ軸
67 作動検出軸
68 第1の突起部材
69 第2の突起部材
70 センサ
100 電子制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁駆動部で発生する駆動力によって進退動作する軸体と、この軸体の進退動作に応じて開閉される開閉弁とを有する電磁駆動式制御弁の故障診断装置であって、
前記軸体の規定位置に設けられ、前記軸体から径方向に突出する第1の突起部材と、
前記第1の突起部材と接触可能に前記電磁駆動部に固設される第2の突起部材と、
前記第2の突起部材に連設され、前記第1の突起部材と前記第2の突起部材との接触によって発生する振動若しくは音を検知するセンサと、
前記電磁駆動部に駆動信号を与えて前記軸体を進退動作させ、前記駆動信号に基づく前記軸体の進退位置と前記センサからの信号とに基づいて前記電磁駆動式制御弁の故障を診断する故障診断部と
を有することを特徴とする電磁駆動式制御弁の診断装置。
【請求項2】
前記第1の突起部材が設けられる前記軸体の規定位置を、前記開閉弁の全開位置に対応する位置及び前記開閉弁の全閉位置に対応する位置として、
前記故障診断部は、前記各対応位置における前記センサの信号に基づいて故障診断を行うことを特徴とする請求項1記載の電磁駆動式制御弁の診断装置。
【請求項3】
前記第1の突起部材が設けられる前記軸体の規定位置を、前記開閉弁の全開位置に対応する位置、前記開閉弁の全閉位置に対応する位置、前記開閉弁の全開位置と全閉位置との間の中間位置に対応する位置として、
前記故障診断部は、前記各対応位置における前記センサの信号に基づいて故障診断を行うことを特徴とする請求項1記載の電磁駆動式制御弁の診断装置。
【請求項4】
前記電磁駆動部を、ステップモータで構成することを特徴とする請求項1〜3の何れか一に記載の電磁駆動式制御弁の故障診断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−36749(P2013−36749A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−170370(P2011−170370)
【出願日】平成23年8月3日(2011.8.3)
【出願人】(000005348)富士重工業株式会社 (3,010)
【Fターム(参考)】