説明

電線の止水方法及び該止水方法で形成された止水部を有する電線

【課題】電線の止水部を、該電線の任意の中間位置に設ける。
【解決手段】車両の被水領域に配索される電線の止水方法であって、電線の長さ方向の中間部分において前記絶縁被覆層を除去して芯線を露出させ、該芯線露出部に流動性を有する止水剤を滴下し、該止水剤の滴下時または滴下後に、前記芯線露出部の素線の隙間に前記止水剤を浸透させると共に、前記電線端末から前記絶縁被覆層の内部に負圧を導入し、前記止水剤を前記絶縁被覆層の内部に吸引し、または、芯線露出部に圧力空気を負荷して前記止水剤を前記絶縁被覆層の内部に圧入し、該絶縁被覆層の内部の芯線の素線間にも前記止水剤を浸透させている。前記芯線露出部に中間圧着端子を加締め圧着している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電線の止水方法及び該止水方法で形成された止水部を有する電線に関し、詳しくは、車両の被水領域に配索される電線の任意の位置で止水処理ができるものである。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車やオートバイ等の車両に配索するワイヤハーネスが被水領域に沿って配索される場合がある。また、ワイヤハーネスのアース線の端末に圧着接続されたアース端子は車体にボルト締めしてアース接続される場合が多い。
アース端子の固定する車体が被水領域にある場合、アース端子と圧着した電線の芯線露出部から水がアース線の内部に侵入し、絶縁被覆層で囲まれた多数の素線からなる芯線の隙間を通してアース端子の他端側へ浸水が発生する。この場合、アース線の他端側に接続した端子はコネクタ内に挿入係止されている場合が多く、浸水した水によりアース線の他端側のコネクタ内にも水が侵入し、コネクタ内の端子に腐食が発生する問題がある。
【0003】
前記問題に対して、従来より種々のアース線の止水処理対策が提案されている。
例えば、本出願人らは、特開2006−228709号公報(特許文献1)で図12に示すように、アース線1の端末に圧着接続しているアース端子2の絶縁被覆バレル2aと芯線バレル2bとの間に止水剤3を滴下し、該アース線1の他端側から絶縁被覆層の内部のエアーを吸引して減圧している。これにより、滴下した止水剤3を絶縁被覆層の内部に浸透させて、複数の素線からなる芯線の隙間に止水剤3を充填して、アース端子2との接続部からアース線1内への被水を防止している。
特開2007−134054号公報(特許文献2)においても同様な方法でアース線端末のアース端子に止水剤を滴下し、該アース線の内部のエアーを吸引して止水剤をアース線内部に浸透している。かつ、特許文献2では、図13に示すように、アース端子2を位置決め保持すると共に、止水剤が側方にあふれるのを防止するため、治具4の両側壁4aの間に溢出防止壁4bを配置し、該溢出防止壁4bをアース端子2の両側面に密着させた状態で止水剤3を滴下している。
【0004】
【特許文献1】特開2006−228709号公報
【特許文献2】特開2007−134054号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記のように、特許文献1,2の止水方法は、いずれもアース線端末のアース端子の芯線露出部に止水剤を滴下し、止水剤による止水処理位置がアース線端末のアース端子の位置でなされている。即ち、アース線の端末にアース端子を圧着し、該アース端子を車体パネルにボルト締め固定することが前提となっている。このように、特許文献のアース線に止水処理対策は、アース線端末に圧着されたアース端子が車体パネルに固定されることを前提としている。
しかしながら、車両によってはアース端子を固定する場所を確保することが難しい場合がある。このような場合、アース端子の固定ができる場所までアース線を延在させなければならず、アース線の無駄な取り回しが必要となる。かつ、アース線が無駄に長くなると、その分、アース線が外部干渉材と干渉して損傷を受ける可能性が高まり、アース端子との端末位置で止水処理が施されても、アース線の途中で損傷を受けると、該損傷部位から被水が発生し、アース線の他端側のコネクタ接続部へ被水が発生する恐れがある。
【0006】
さらに、特許文献2に記載のように、アース端子に止水剤を滴下する時に、アース端子を位置決め保持すると共に、滴下した止水剤があふれない治具が必要となる。該治具はアース端子のサイズ毎に設ける必要があるため、設備費がかかり、コストアップとなる問題もあり、これらの点から改善の余地がある。
【0007】
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、車体にボルト止め固定されるアース端子の箇所で止水処理するのではなく、被水領域に配線される電線の任意の中間位置で止水処理できるようにし、それに伴い、コネクタ接続される電線に出来るだけ近接した位置で止水処理ができるようにして、コネクタ接続部への被水を確実に防止することを第一の課題としている。
さらに、特許文献2のように、アース端子のサイズに応じた治具等を必要とせず、電線の絶縁被覆層を除去した芯線露出部に止水剤の溜め部が形成できるようにして、止水処理用の設備コストの低減を図ることを第二の課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明は、車両の被水領域に配索される電線の止水方法であって、
前記電線は複数の素線からなる芯線を絶縁被覆層で被覆している電線からなり、
前記電線の長さ方向の中間部分において前記絶縁被覆層を除去して前記芯線を露出させ、
該芯線露出部に流動性を有する止水剤を滴下し、該止水剤の滴下時または滴下後に、
前記芯線露出部の素線の隙間に前記止水剤を浸透させ、かつ、
前記電線端末から前記絶縁被覆層の内部に負圧を導入して前記止水剤を前記絶縁被覆層の内部に吸引し、または、前記芯線露出部に大気圧より大きい正圧を負荷して前記止水剤を前記絶縁被覆層の内部に圧入し、
前記絶縁被覆層の内部の芯線の素線間にも前記止水剤を浸透させていることを特徴とする電線の止水方法を提供している。
【0009】
即ち、中間位置で止水処理する電線がアース電線で、該アース電線のコネクタ接続側と反対の端末にアース端子が接続され、該アース端子が車体にボルト止めされてアース接続する場合、特許文献1、2のようにアース端子の位置で止水処理しておらず、該アース電線の両端末の間の任意の位置、好ましくは、コネクタ接続側端末に近接した位置を前記中間位置とし、該位置で止水処理を行っている。
なお、本発明の止水処理する電線はアース電線に限定されず、被水領域に配索される電線で止水処理をすべきことが要望されている電源線や信号線に対しても適用できる。
【0010】
前記した本発明の電線の止水方法は、電線の長さ方向の中間部分で止水処理を施すことができるため、電線に無駄な取り回しを発生させず、かつ、電線のコネクタ接続側に近接した中間位置で止水処理を施すことにより、コネクタへの浸水防止をより確実に図ることができる。
特に、オートバイに配索するワイヤハーネスは、自動車よりもワイヤハーネスの配索スペースが少なく、かつ、水がかかりやすい領域が多いため、電線の任意の中間位置で止水処理を施すことができる利点は大きい。
かつ、前記止水処理する電線の中間部は、該中間部を挟む電線を固定保持しておくだけで、止水剤を滴下する芯線露出部を位置決め保持できる。かつ、止水剤を滴下する芯線露出部は両端の絶縁被覆層の端面間に挟まれ、該挟まれた部分が止水剤溜め部となる。よって、該止水剤溜め部に溜められる止水量を定量化することができると共に、止水剤溜め部に上方から滴下された止水剤が素線に沿って両側に流れても、両側の絶縁被覆層の中に負圧を導入し、両側の絶縁樹脂内に吸引し、あるいは、止水溜め部に圧力空気を負荷して両側の絶縁樹脂積極的に圧入するため、止水剤の流れを治具等を用いて阻止する必要はない。
【0011】
前記芯線露出部の一部に、芯線露出部を挟む一端側の絶縁被覆層の端末面と間隔をあけて中間端子を、加締め圧着、溶接、溶着またはハンダ付けで接続し、該中間端子の一端面と前記一端側の絶縁被覆層の端末面の間に挟まれた芯線露出部を止水剤溜め部とし、該一端側の絶縁被覆層の他端端末側から前記負圧を導入し、前記一端側の絶縁被覆層の内部に前記止水剤を吸引し、または、前記止水剤溜め部に大気圧より大きい圧力空気を負荷して、前記一端側の絶縁被覆層の内部に前記止水剤を圧入していることが好ましい。
【0012】
前記のように、中間位置の芯線露出部に、中間圧着端子を加締め圧着すると、該中間圧着端子で加締められた素線間の隙間を無くすことができ、該中間圧着端子の圧着位置で素線間の隙間を通る被水を遮断できる。よって、アース端子側からの浸水を該中間圧着端子の加締め位置でコネクタ接続側へ浸水していくのを確実の遮断することができる。
中間端子を、芯線露出部に溶接、溶着または半田付けで接続しても、芯線露出部の素線間の隙間を無くすことができ、該中間端子の位置で素線間の隙間を通る浸水を遮断できる。
【0013】
また、絶縁被覆層を除去して露出させる芯線露出部は、絶縁被覆層にスリットを設け、該スリットの位置から一方側の絶縁被覆層を移動させて芯線露出部を形成している場合が多い。その場合、移動させた位置から絶縁被覆層が弾性により復帰して芯線露出部の距離を縮めるため、前記中間端子を芯線露出部に加締め圧着、溶接、溶着、半田付けしておくと、該中間端子と、移動させていない他方側の絶縁被覆層との間に止水剤溜め部を一定寸法で確保しておくことができる。このように、止水剤溜め部の長さを一定に保持できるため、滴下する止水剤の量を定量管理することができる。
かつ、止水剤は浸透が必要な一端側の絶縁被覆層内にのみ浸透させることができ、止水剤の無駄がなくなる。
【0014】
さらに、芯線露出部を中間圧着端子で加締めると、芯線の素線構成が略同一であれば、絶縁被覆層の材質やその厚さが異なっても、専用または個別の中間圧着端子を用いる必要はなく、中間圧着端子の共用化を図ることができる。この点から、アース端子のサイズが相違すると治具を相違させる必要があるアース端子の部分で止水処理するよりも、部品コストや設備コストの低減を図ることができる。
【0015】
さらに、前記中間端子の他端面と他端側の絶縁被覆層の端面との間の芯線露出部にも止水剤を滴下すると共に、該他端側の電線端末から負圧を導入して絶縁被覆層の内部に止水剤を吸引してもよいし、圧力空気を負荷して止水剤を圧入してもよい。
電線がアース電線で他端側端末にアース端子を接続する場合には、前記他端側の芯線露出部に止水剤を滴下して止水処理する必要はない。しかしながら、電線の他端側端末にもコネクタ接続用の端子が圧着される電源線や信号線の場合には、前記一端側と同様に芯線露出部の素線の隙間に止水剤を浸透させると共に、絶縁被覆層の内部に負圧を導入して絶縁被覆層内の芯線の素線間にも止水剤を浸透して充填している。あるいは、空気圧を負荷して止水剤を圧入している。これにより、電線の両端末への浸水防止を保証することができる。
【0016】
具体的には、止水剤の滴下時または滴下後に電線端末から絶縁被覆層の内部に負圧を導入する。この場合、前記電線端末をエアー吸引ホースに接続し、該エアー吸引ホースに吸引ポンプを接続し、吸引ポンブの吸引力を制御して、前記絶縁被覆層の内部のエアーを吸引し、減圧することにより行っている。
【0017】
一方、芯線露出部に滴下した止水剤を圧力空気で圧入する場合は、滴下部分および該滴下部分を挟む絶縁被覆層を、コンプレッサーと接続した送圧管と連通すると共に前記電線をシール状態で貫通させる加圧容器内に位置させ、前記送圧管より50〜300kg/cmの圧力空気を供給し、前記滴下した止水剤を絶縁被覆層の内部に圧入することが好ましい。
【0018】
前記芯線露出部に中間圧着端子を加締め圧着する場合には、基板部の一端側に前記芯線露出部の素線に加締める芯線バレルを設けていると共に、前記止水剤溜め部と同一距離をあけた前記基板部の他端側に絶縁被覆バレルを設け、該絶縁被覆バレルを前記絶縁被覆層に加締め圧着している。
さらに、該両端バレルの間の前記止水溜め部の下面に位置する前記基板部には幅方向の両側に屈曲させた壁部を設け、該壁部と基板部とで芯線露出部の下側部を包囲してもよい。
【0019】
前記のように、中間圧着端子の他端側に絶縁被覆バレルを設けると、該絶縁被覆バレルの絶縁被覆層への加締め位置で、芯線バレルの加締め位置を特定でき、前記止水剤溜め部の間隔を確実に定量管理することができる。
かつ、前記両側の絶縁被覆バレルと芯線バレルとを連続する基板部に両側壁を設けてU形状とし、該U形状の部分の止水剤溜め部となる芯線露出部を包囲すると、滴下する止水剤が幅方向にあふれるのを防止できる。よって、前記特許文献2で必要とされた治具を用いることなく、止水剤の溢出を防止できる。
【0020】
なお、前記中間圧着端子と両端の絶縁被覆層との間の芯線露出部に夫々止水剤を滴下する場合には、前記中間圧着端子は基板部の中央部に前記芯線露出部の素線に加締める芯線バレルを設けていると共に、前記止水剤溜め部と同一距離をあけた前記基板部の両端側に絶縁被覆バレルをそれぞれ設けている。かつ、中央の芯線バレルと両側の絶縁被覆バレルとをそれぞれ連結する基板部には、前記のように両側壁を設けて、芯線露出部に滴下する止水剤の溢出を防止できるようにしていることが好ましい。
【0021】
前記止水剤としては、流動性を有する樹脂であれば良いが、シリコーン樹脂が最も好適に用いられる。
なお、シリコーン樹脂に代えて、シリコーンゴム、グリース、その他粘性および弾性を有する接着剤が好適に用いられる。シリコーン樹脂は2液混合タイプと1液タイプとがあり、所要時間流動性を有するものであれば、いずれでも良い。なお、硬化時間が遅い1液タイプの方が好適であり、かつ、シリコーン樹脂の滴下作業上からも1液タイプが好適に用いられる。
【0022】
本発明は、前記止水方法で形成された止水部を有する電線を提供している。
本発明の中間位置に止水部を設けた電線は被水領域に配線される電線であれば適用されるが、該電線がアース線である場合に最も好適に適用できる。
【0023】
例えば、一端末にアース端子を接続し、他端末にコネクタ接続用の端子を接続し、前記アース端子が被水領域の車体パネルに固定されるアース電線である場合、該アース電線の他端側のコネクタ接続部に近い中間位置に前記方法で形成した止水部を設け、かつ、前記コネクタ接続部側の端末から負圧を導入して前記止水剤をコネクタ接続側の絶縁被覆層内の素線間に浸透させて充填している。あるいは、止水剤滴下部分に圧力空気を負荷して止水剤を素線間に浸透させて充填している。
【0024】
また、前記電線は、一端末にコネクタ接続用の端子を接続している電源線または信号線からなり、該電線を他の電線と非被水領域でスプライス接続し、該スプライス接続した他の電線の端末にコネクタ接続用の端子を接続している場合、
前記スプライス接続位置より前記コネクタ接続用の端子を接続した端末との間の中間位置に前記止水部を設け、該止水部の芯線露出部および該芯線露出部を挟む両側の絶縁被覆層内の素線間に前記止水剤を充填している。
前記構成とすると、前記止水部のスプライス接続側を止水処理しない場合、スプライス接続側に被水が発生する恐れがあるが、両側を止水処理することで、前記非被水領域でスプライス接続する他の電線への被水を確実に遮断でき、スプライス接続部での止水処理を不要とすることができる。
【0025】
前記止水部には防水シートまたは防水テープを巻き付けることが好ましい。
即ち、本発明の止水方法で形成した止水部では、芯線の素線の隙間に確実に止水剤を浸透させて充填できることにより、止水部を露出させた状態のままとしても被水を防止できるが、止水部を外部干渉材から保護し、かつ、中間圧着端子を圧着している場合には外部干渉材と接触することを防止するために、防水シートや防水テープを巻き付けて保護していることが好ましい。
【発明の効果】
【0026】
上述したように、本発明の電線の止水方法では、電線の長さ方向の任意の位置で止水処理を施すことができ、設計の自由度を高めることが出来る。かつ、特許文献1、2のようにアース端子の位置で止水処理を施す必要がないため、車体パネルに固定するアース端子を接続した電線に限定されず、任意の電線の止水処理ができ、無駄な電線の引き回しをする必要が無くなる。さらにまた、止水処理が必要なコネクタ接続側の近くの中間位置で止水部を形成できるため、コネクタ接続側への止水の信頼性を高めることができる。
また、電線の中間位置で止水処理を行うため、特許文献2に記載されたアース端子を位置決め保持する治具が不要となり、止水処理の設備費のコストダウンを図ることができる。
【0027】
また、止水処理する芯線露出部に中間圧着端子を加締めて圧着すると、該圧着部で芯線の素線間の隙間を確実に無くすことができる。また、中間端子を溶接、溶着、半田付けする場合も、素線間の隙間を無くして、素線間を通る浸水を確実に遮断できる。かつ、中間圧着端子の場合は芯線構成が略同様であれば、共用化が可能であるため、部品点数の削減を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳述する。
図1乃至図3に第一実施形態を示す。
第一実施形態では、被水領域に配線するアース回路用の電線10に止水部11を設けている。
前記電線10は一端末にコネクタ20に挿入係止する端子13を圧着していると共に、他端末にアース端子14を圧着している。前記止水部11はアース端子14よりコネクタ接続用の端子13に近接した中間位置に形成している。
【0029】
図2(B)に示すように、電線10は多数本の素線15を撚線した芯線16と、該芯線16を囲む絶縁樹脂からなる絶縁被覆層17とからなる。
前記電線10の止水部11では、図3(A)に示すように、絶縁被覆層17にスリットを設け、該スリットを挟むアース端子接続側の絶縁樹脂層17Bを移動させ、該絶縁樹脂層17Bのスリット端面17B1と他端側の絶縁樹脂層17Aのスリット端面17A1との間に絶縁樹脂層を除去した芯線露出部18を形成している。
【0030】
前記芯線露出部18には、シリコーン樹脂からなる止水剤21を滴下して、該芯線露出部18の素線15の隙間に止水剤21を浸透させて充填している。かつ、芯線露出部18を挟む両端の絶縁樹脂層17Aと17B内に、そのスリット端面17A1、17B1より止水剤21を内部に浸透させ、これら絶縁被覆層17A、17Bの内部の芯線16の素線15の隙間にも止水剤21を充填している。
さらに、前記止水剤21を充填した芯線露出部18に粘着剤を塗布した防水シート22を巻き付けて固着している。
【0031】
次ぎに、前記止水部11の形成方法を図3に基づいて説明する。
図3(A)に示すように、一端側にコネクタ接続用の端子13を圧着していると共に他端側にアース端子14を圧着している電線10の所要位置に前記のように絶縁被覆層17を除去した芯線露出部18を形成する。
ついで、図3(B)に示すように、前記芯線露出部18が止水剤21のデイスペンサ(止水剤供給装置)23の下方に水平方向に位置するように電線10を保持する。
ついで、図3(C)に示すように、流動性を有する所要粘度(例えば、0.6Pa・s)の止水剤21を芯線露出部18に上方から滴下する。
ついで、図3(D)に示すように、止水剤21の滴下と同時に、または芯線露出部18の全体に止水剤21が塗布された状態で、前記電線10の両端末より絶縁被覆層17A、17Bの内部に負圧を導入する。具体的には、電線10の両端末を吸引ポンプに接続したエアー吸引ホース24に内挿して連結して取り付け、前記端子13と14の芯線バレルと絶縁被覆バレルとの間に露出した芯線露出部から、絶縁被覆層17A、17B内の素線15中のエアーを吸引して減圧する。
【0032】
前記絶縁被覆層17A、17B内を減圧することで、芯線露出部18に塗布された止水剤21はスリット端面17A1、17B1から絶縁被覆層17A、17Bの内部に吸引されて浸透していき、絶縁被覆層の内部の素線15の隙間に充填される。
同時に、止水剤21は芯線露出部18の素線15の隙間にも浸透して、素線15の間に充填されると共に、芯線露出部18の外周面に止水剤21が塗布された状態となる。
前記止水剤21の滴下と、電線10の端末からの負圧導入は1回の作業でも良いし、間隔をあけて複数回行ってもよい。
【0033】
前記芯線露出部18および該芯線露出部18を挟む両側の絶縁被覆層17A、17Bの素線15の隙間に浸透して充填される止水剤21は所要時間経過後に硬化する。
止水剤21の硬化前または硬化後に芯線露出部18に防水シート22を巻き付けて、止水部11を形成している。
【0034】
前記方法で形成した止水部11では、芯線露出部18の素線15の隙間に止水剤21が充填されると共に芯線露出部18の外周面全体も止水剤21で囲まれた状態となり、被水発生が防止できる。さらに、該芯線露出部18を挟む両側の絶縁被覆層17A、17B内のスリット端面17A1,17B1に近接した内部の素線15の隙間に止水剤21が充填されているため、確実な止水部11を構成する。
これにより、電線10の端末のアース端子14が被水領域に配置されて、該アース端子14の端末側から電線10内に浸水が発生し、電線10内の素線15の隙間を通って水が流入しても、止水部11で確実に止水でき、他端のコネクタ20に接続される端子13までに被水が発生することを防止できる。
【0035】
図4(A)(B)に第二実施形態を示す。
前記第一実施形態では電線10の両端末より絶縁被覆層17A、17Bの内部に負圧を導入して、止水剤21を芯線露出部18の素線15の隙間および両側の絶縁被覆層17A、17Bの内部に負圧で吸引しているが、第二実施形態では芯線露出部18に圧力空気を負荷して、止水剤21を芯線露出部18の素線15の隙間および両側の絶縁被覆層17A、17Bの内部に圧入している。
【0036】
図4に示すように、芯線露出部18および両側の絶縁樹脂層17A、17Bを密封する加圧容器50を設けている。該加圧容器50は下容器51とヒンジ結合した上容器52とを備え、下容器51に上容器52を回転させて閉鎖した状態で、上下容器51と52との両側壁51a、52aの接合面の中央部に、電線10を密嵌状態で貫通する半球状溝部51b、52bを設けている。
下容器51は浅底とし、底壁の中央部には段状突起51cを設けている。
一方、上容器52の上壁に配管取付孔52cを設け、コンプレッサー55と接続した送圧管56の先端を配管取付孔52cに連結している。
【0037】
前記加圧容器50の上容器52を全開した状態で、下容器51の中央部に電線10の芯線露出部18を位置させ、両側の絶縁被覆層17A、17Bを下容器51の両側壁の半球状溝部51bに載置し、かつ、芯線露出部18は段状突起51c上にセットする。
この状態で、芯線露出部18に止水剤21を滴下する。なお、芯線露出部18に止水剤21を滴下した直後に下容器51に電線10をセットしてもよい。
【0038】
下容器51に電線50をセットした後に、上容器52を回転させて下容器51を閉鎖する。この状態で、上容器52の半球状溝部52bを絶縁被覆層17A、17Bの上半周面に嵌合させる。これにより、上下容器52、51内に芯線露出部18およびその両側の絶縁被覆層17A、17Bは密封状態で収容される。
【0039】
ついで、コンプレッサー55より送圧管56を介して加圧容器50の内部に、50〜300kg/cmの圧力空気を導入する。
導入された圧力空気により、芯線露出部18に滴下した止水剤21は素線間の隙間に圧入されると共に、該芯線露出部18の両側に面する絶縁被覆層17A、17B内の素線間の隙間に圧入される。その際、絶縁被覆層17A、17Bも外周面に圧力が負荷されているため、絶縁被覆層17A、17B内への圧入される止水剤21は少量であり、絶縁被覆層17A、17B内で止水剤21が流れていくのが阻止でき、芯線露出部18の素線間の隙間に止水剤21を確実に圧入することができる。
その後、加圧容器50より取り出して、止水剤21が充填硬化した芯線露出部に防水シート22を巻き付けて、止水部を形成している。
【0040】
このように、芯線露出部18に滴下した止水剤21を加圧して素線間の隙間に充填すると、電線の端末側から負圧を導入する必要はなく、芯線露出部18の部分を加圧容器内にセットして圧力空気を負荷すれば良いだけとなる。このように、処理部は芯線露出部18と、その両側部分だけとなり、止水処理装置を小型化することができる。
【0041】
図5および図6に第三実施形態を示す。
第三実施形態では、前記芯線露出部18に断面U形状の中間圧着端子30を加締め圧着している。
該中間圧着端子30の長さ方向の一端30aと前記絶縁被覆層17Aのスリット端面17A1との間には所要寸法の長さとした止水剤溜め部31を設けている。
前記止水剤水溜め部31に止水剤21を上方から滴下し、絶縁被覆層17Aの端末側(即ち、コネクタ接続用の端子13を圧着した端末側)から第一実施形態と同様に負圧を導入して、絶縁被覆層17A内のスリット端面17A1から止水剤21を吸引している。
【0042】
前記中間圧着端子30の他端30b側には他方の絶縁被覆層17Bのスリット端面17B1との間に芯線露出部が形成されているが、該絶縁被覆層17Bはスリットより移動させて芯線露出部18を形成している側であるため、該絶縁被覆層17Bは次第に元に位置に復帰し、中間圧着端子30の他端30bと絶縁被覆層17Bのスリット端面17B1との間には最終的に隙間がなくなった状態となる。
【0043】
この第三実施形態の止水部11では、まず、中間圧着端子30の圧着位置で素線15の隙間がなくなっているため、アース端子側から絶縁被覆層17B内の素線間で被水が発生していても、中間圧着端子30の圧着位置で素線の間を通る浸水を遮断できる。
また、中間圧着端子30と絶縁被覆層17Bとの間の芯線露出部18およびコネクタ側となる絶縁被覆層17内の素線15の隙間に第一、第二実施形態と同様に止水剤21を充填しているため、コネクタ接続側の端末への止水を確実に行うことができる。
かつ、第二実施形態では、止水剤溜め部31の距離を一定に保持できるため、止水剤21の定量管理を行うことができる。
【0044】
第三実施形態では、第一実施形態と同様に芯線露出部18に滴下した止水剤21を電線端末側から導入する負圧で吸引しているが、第二実施形態と同様に加圧容器にセットして圧力空気を導入して、芯線露出部18に滴下した止水剤21を素線間の隙間に圧入して充填してもよい。
【0045】
図7及び図8に第四実施形態を示す。
第四実施形態の電線10は電源線からなり、該電線10は図8に示すように、絶縁被覆層17A側の端末にエンジンルームからなる被水領域に配置するユニット60と接続するコネクタ接続用の端子13を接続する一方、他端側に接続する端子61を車室内に配置する電気接続箱62のヒューズ端子63と接続している。また、該電線10は室内側の非被水領域で他のユニット64に接続される電線65の端末とスプライス接続している。このスプライス接続部66と前記電線10のコネクタ接続用端子との間でエンジンルーム内の被水領域S内において止水処理部70を形成する場合、図7に示す形態としている。
【0046】
即ち、中間圧着端子30と両側の絶縁被覆層17A、17のスリット端面17A1と17B1との間に形成される芯線露出部18A、18Bの両方に止水剤21を滴下し、かつ、電線10の両端末から負圧を導入している。
即ち、芯線露出部18A、18Bの素線15の隙間に止水剤21を充填すると共に、外周面全面に止水剤21を塗布し、かつ、第一実施形態と同様に、両側の絶縁被覆層17A、17B内の素線間にも止水剤21を充填している。
【0047】
前記構成とすると、被水領域Sに止水処理部70を設けても、スプライス接続部66への被水を遮断でき、前記他の電線65への被水発生を遮断でき、スプライス接続部66での止水処理が不要となる。さらに、該電線10の他端末に接続した端子61への被水も遮断できるため、電気接続箱61への被水発生を防止できる。
このように、止水処理部70における止水処理により、スプライス接続部66および他端側の端子61側での止水処理を不要とできる。
なお、前記第一実施形態においても、止水処理部において両側の絶縁被覆層17A、17Bの内部に止水剤を浸透しているため、電源回路の電線においても有効となる。
なお、電線10が電気接続箱62内の信号回路と接続した信号線の場合にも同様な構成とすると、止水処理部70の両側に止水処理部を設けると有効となる。
【0048】
この第四実施形態においても、芯線露出部18に滴下した止水剤21を電線端末側から導入する負圧で吸引する方法に代えて、第二実施形態と同様に加圧容器にセットして圧力空気を導入して、芯線露出部18に滴下した止水剤21を素線間の隙間に圧入して充填してもよい。
【0049】
図9および図10に第五実施形態を示す。
第五実施形態では、前記中間圧着端子40は、基板部41の一端側に芯線バレル42を設ける一方、所要寸法をあけた他端側に絶縁被覆バレル43を設けた形状としている。また、芯線バレル42と絶縁被覆バレル43の間の基板部41aには、その幅方向両端から側壁41bを突出して、断面U形状としている。
前記芯線バレル42は第三実施形態と同様に芯線露出部18の中間位置に加締め圧着する一方、絶縁被覆バレル43はコネクタ接続側の絶縁被覆層17Aのスリット端面17A1に近接した外周に加締め圧着している。前記加締め圧着したバレル42と43との間のU形状の基板部41aは止水剤溜め部31の芯線露出部18を下面および両側面を囲むように配置している。
【0050】
止水剤21は前記U形状の基板部41aで囲まれた芯線露出部18に滴下している。この滴下された止水剤21は基板部分41aの両側壁41bにより側方へあふれ出るのを確実に阻止でき、かつ、第三実施形態と同様に、止水剤溜め部31により止水剤21の滴下量の定量管理を行うことができる。
【0051】
前記止水剤溜め部31に滴下した止水剤21は第三実施形態と同様に、絶縁被覆層17Aの端末側から負圧を導入することで、該絶縁被覆層17A内に吸引され、内部の素線15の隙間に充填されると共に、止水剤溜め部31の芯線露出部18の素線間に浸透して充填され、かつ、外周面全面に塗布される。
【0052】
該第五実施形態においても、芯線露出部18に滴下した止水剤21を電線端末側から導入する負圧で吸引する方法に代えて、第二実施形態と同様に加圧容器にセットして圧力空気を導入して、芯線露出部18に滴下した止水剤21を素線間の隙間に圧入して充填してもよい。
【0053】
図11に第五実施形態の変形例を示す。
該変形例では、中間圧着端子45に芯線バレル42を挟んで両側に絶縁被覆バレル43と46とを設け、芯線露出部18を挟む両側の絶縁被覆層17Aと17Bに絶縁被覆バレル43、46を加締め圧着している。また、芯線バレル42と絶縁被覆バレル46との間の基板部41cにも両側壁41dを設けた断面U形状として、芯線バレル42と絶縁被覆バレル46との間の止水剤溜め部47の芯線露出部18Bの下面および両側面を囲むんでいる。
これにより、前記第四実施形態の変形例のように、両側の芯線露出部18A,18Bに止水剤21を滴下する場合、滴下された止水剤21が側方ヘあふれるのを確実に防止できる。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明の止水方法により形成された止水部を有する電線は、自動車およびオートバイの被水領域に配索される電線に適用できる。特に、オートバイに配索される電線は被水領域に配索される可能性が大きくかつ、アース端子を車体に固定できる箇所は自動車と比較して規制を受ける場合が多いため、オートバイに配線するアース線において最も好適に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明の第一実施形態の止水部を備えた電線を示し、(A)は全体図、(B)は防水シートを除去した止水部の拡大図である。
【図2】(A)は図1(B)のA−A線断面図、(B)は図1(B)のB−B線断面図、(C)は図1(B)のC−C線の一部拡大断面図である。
【図3】(A)〜(D)は、第一実施形態の止水部の形成工程を示す図面である。
【図4】(A)(B)は第二実施形態を示す斜視図である。
【図5】第三実施形態の止水部を備えた電線を示す図面である。
【図6】第三実施形態の止水部の形成方法を示す図面である。
【図7】第四実施形態の止水部を示す図面である。
【図8】第四実施形態の電源用の電線の配線経路を示す図面である。
【図9】第五実施形態の止水部を備えた電線を示す図面である。
【図10】第五実施形態の止水部の要部断面図である。
【図11】第五実施形態の変形例を示し、(A)は止水部の斜視図、(B)は中間圧着端子の斜視図である。
【図12】従来例を示す図面である。
【図13】(A)(B)は他の従来例を示す図面である。
【符号の説明】
【0056】
10 電線
11 止水部
13 コネクタ接続用の端子
14 アース端子
15 素線
16 芯線
17(17A、17B)絶縁被覆層
18 芯線露出部
21 止水剤
22 防水シート
30、40、45 中間圧着端子
31 止水剤溜め部
50 加圧容器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両の被水領域に配索される電線の止水方法であって、
前記電線は、複数の素線からなる芯線を絶縁被覆層で被覆している電線からなり、
前記電線の長さ方向の中間部分において前記絶縁被覆層を除去して前記芯線を露出させ、
該芯線露出部に流動性を有する止水剤を滴下し、該止水剤の滴下時または滴下後に、
前記芯線露出部の素線の隙間に前記止水剤を浸透させ、かつ、
前記電線端末から前記絶縁被覆層の内部に負圧を導入して前記止水剤を絶縁被覆層の内部に吸引し、または、前記芯線露出部に圧力空気を負荷して前記止水剤を前記絶縁被覆層の内部に圧入し、
前記絶縁被覆層の内部の芯線の素線間にも前記止水剤を浸透させることを特徴とする電線の止水方法。
【請求項2】
前記芯線露出部の一部に、芯線露出部を挟む一端側の絶縁被覆層の端末面と間隔をあけて中間端子を、加締め圧着、溶接、溶着またはハンダ付けで接続し、該中間端子の一端面と前記一端側の絶縁被覆層の端末面の間に挟まれた芯線露出部を止水剤溜め部とし、該一端側の絶縁被覆層の他端端末側から前記負圧を導入し、前記一端側の絶縁被覆層の内部に前記止水剤を吸引し、または、前記止水剤溜め部に圧力空気を負荷して、前記一端側の絶縁被覆層の内部に前記止水剤を圧入している請求項1に記載の電線の止水方法。
【請求項3】
前記中間端子の他端面と他端側の絶縁被覆層の端面との間の芯線露出部に止水剤を滴下し、該他端側の電線端末から負圧を導入して前記絶縁被覆層の内部に止水剤を吸引し、または、前記芯線露出部に圧力空気を負荷して、前記絶縁被覆層の内部に止水剤を圧入している請求項2に記載の電線の止水方法。
【請求項4】
前記中間圧着端子は、基板部の一端側に前記芯線露出部の素線に加締める芯線バレルを設けていると共に、前記止水剤溜め部と同一距離をあけた前記基板部の他端側に絶縁被覆バレルを設け、該絶縁被覆バレルを前記絶縁被覆層に加締め圧着し、かつ、該両端バレルの間の前記止水溜め部の下面に位置する前記基板部には幅方向の両側に屈曲させた壁部を設け、該壁部と基板部とで芯線露出部の下側部を包囲している請求項2に記載の電線の止水方法。
【請求項5】
前記止水剤はシリコーン樹脂からなる請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の電線の止水方法。
【請求項6】
前記止水剤の滴下部分および該滴下部分を挟む絶縁被覆層を、加圧容器内にシール状態で貫通させ、該加圧容器内に50〜300kg/cmの圧力空気を供給し、滴下した止水剤を芯線露出部および絶縁被覆層内に圧入している請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の電線の止水方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれか1項の止水方法で形成された止水部を有する電線。
【請求項8】
前記電線は、一端末にアース端子を接続し、他端末にコネクタ接続用の端子を接続し、前記アース端子が被水領域の車体パネルに固定されるアース電線であり、該アース電線の他端側のコネクタ接続部に近い中間位置に前記止水方法で形成した止水部を設け、かつ、前記コネクタ接続部側の端末から負圧を導入して前記止水剤をコネクタ接続側の絶縁被覆層内の素線間に浸透させて充填している請求項7に記載の電線。
【請求項9】
前記電線は、一端末にコネクタ接続用の端子を接続している電源線または信号線からなり、該電線を他の電線と非被水領域でスプライス接続し、該スプライス接続した他の電線の端末にコネクタ接続用の端子を接続しており、
前記スプライス接続位置より前記コネクタ接続用の端子を接続した端末との間の中間位置に前記止水部を設け、該止水部の芯線露出部および該芯線露出部を挟む両側の絶縁被覆層内の素線間に前記止水剤を充填している請求項7に記載の電線。
【請求項10】
前記止水部には防水シートまたは防水テープが巻き付けられている請求項7乃至請求項9のいずれか1項に記載の電線。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2009−135073(P2009−135073A)
【公開日】平成21年6月18日(2009.6.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−102951(P2008−102951)
【出願日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【Fターム(参考)】