説明

電話機のキー変換機構

【課題】 ユーザが電話機のテンキーを電卓のテンキーと同様に操作しても正確にテンキーを押し下げることのできるようにしたキー変換機構を提供する。
【解決手段】 卓上型電子計算機におけるテンキー操作を電話機におけるテンキー操作に変換する変換機構であって、電話機のテンキー(12)上に被せられるベース(21)と、該ベースに押下げ可能に支持され、卓上型電子計算機におけるテンキー配列を有する操作テンキー(22)と、上記ベースに支持され、上記操作テンキーと対応する電話機のテンキーとを相互に連携するレバー機構(23A〜23F)と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は電話機のキー変換機構に関し、特にユーザが電話機のテンキーを卓上電子計算機(以下、電卓という)のテンキーと同様に入力しても正確にテンキーを押し下げることのできるようにした機構に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、電卓操作を習熟すると、電卓のテンキーを見ないで指の感覚でもって、いわゆるブラインドタッチで迅速にテンキーを押し下げ、数字を入力することができるようになる。他方、電卓操作を習熟したユーザが電話機のテンキーを操作する場合、電卓と同様に電話機のブラインドタッチでテンキーを操作してしまい、誤った番号を入力してしまうことがある。
【0003】
これに対し、電卓のテンキー配列を電話機のテンキー配列に変換することが提案されている(特許文献1)。
【0004】
【特許文献1】実用新案登録第3062472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1の方法ではテンキー配列の異なる電卓を製造する必要があり、コスト高になるばかりでなく、古いタイプの電卓のテンキー操作を習熟したユーザーには電話機のキー操作をブラインドタッチで誤操作するおそれが依然として残る。
【0006】
本発明はかかる問題点に鑑み、電卓のテンキー操作を習熟したユーザが電話機のテンキーをブラインドタッチで操作しても誤りなく数字を入力できるようにした電話機のキー変換機構を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係る電話機のキー変換機構は、電卓におけるテンキー操作を電話機におけるテンキー操作に変換する変換機構であって、電話機のテンキー上に被せられるベースと、該ベースに押下げ可能に支持され、卓上型電子計算機におけるテンキー配列を有する操作テンキーと、上記ベースに支持され、上記操作テンキーと対応する電話機のテンキーとを相互に連携するレバー機構と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の特徴の1つはレバー機構によって電卓のテンキー操作を電話機のテンキー操作に変換するようにした点にある。
【0009】
これにより、特許文献1記載の方法のように、新たに電卓のテンキーの配列を変更する必要がなく、又古い電卓のテンキーに慣れたユーザもブラインドタッチで電話機のテンキーを正確に操作でき、誤った数字を入力することもない。
【0010】
レバー機構は操作テンキーと対応する電話機のテンキーとを相互に連携できればどのような機構でもよい。
【0011】
具体的には、レバー機構は、操作キーの下方にて上下動可能に設けられ、操作キーの押下にて押し下げられる受けロッドと、操作キーに対応する電話機のキーの上方にて上下動可能に設けられ、電話機のキーを押し下げる押下げロッドと、一方の外端部が上記受けロッドに、他方の外端部が押下げロッドに連結され、両方の内端部が上下動可能に連結され、各々の中間がベースに回転可能に支持され、操作キーの押下によって対応する電話機のキーの押下に変換する一対のレバーと、から構成されることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1ないし図3は本発明に係る電話機のキー変換機構の好ましい実施形態を示す。図において、電話機10のテンキー11は図2に示されるように、上段に“1”、“2”、“3”の数字のキー、中段に“4”、“5”、“6”の数字のキー、下段に“7”、“8”、“9”の数字のキーが配列されている。
【0013】
このテンキー12の上には本例のキー変換機構20が被せられている。このキー変換機構20はベース21、操作キー22及びレバー機構23から構成されている。操作キー22は電卓におけるテンキー配列を有し、ベース21のキー穴に嵌め込まれ、可撓性シート、例えばゴムシート21Aによって受けられて上下動可能に設けられている。
【0014】
レバー機構23は受けロッド23A、操作ロッド23B及び一対のレバー23C、23Dによって構成され,受けロッド23Aは操作キー22の下方にて上下動可能に設けられ、押下げロッド23Bは操作キー22に対応する電話機のキーの上方にて上下動可能に設けられ、一対のレバー23C、23Dは一方の外端部が受けロッド23Aに、他方の外端部が押下げロッド23Bに連結され、両方の内端部が上下動可能に連結され、各々の中間23E、23Fがベース21に回転可能に支持されている。
【0015】
例えば、電卓のテンキー22において、“1”のキー22Aを押すと、その動きは受けロッド23Aに伝えられ、受けロッド23Aが下方に変位する。すると、レバー23Cが中間の支点23E廻りに傾動し、他方のレバー23Dも中間の支点23F廻りに傾動し、電話機10の“1”のキー12Aが押し下げられ、こうして操作キー22の押下げによって対応する電話機のキー12の押下げに変換することができる。
【0016】
“2”と“8”、“3”と“9”のキーについても同様に、レバー機構23が設けられ、キー入力を変換することができるようになっている。
【0017】
従って、電卓操作に慣れたユーザがブラインドタッチで電話機10のキー操作を行っても正確に数字を入力できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明に係るキー変換機構の好ましい実施形態を備えた電話機を示す図である。
【図2】電話機のテンキー配列を示す図である。
【図3】キー変換機構の動作を示す図である。
【符号の説明】
【0019】
10 電話機
12 テンキー
20 キー変換機構
21 ベース
22 操作キー
23 レバー機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓上型電子計算機におけるテンキー操作を電話機におけるテンキー操作に変換する変換機構であって、
電話機のテンキー上に被せられるベースと、
該ベースに押下げ可能に支持され、卓上型電子計算機におけるテンキー配列を有する操作テンキーと、
上記ベースに支持され、上記操作テンキーと対応する電話機のテンキーとを相互に連携するレバー機構と、
を備えたことを特徴とする電話機のキー変換機構。
【請求項2】
上記レバー機構は、
操作キーの下方にて上下動可能に設けられ、操作キーの押下にて押し下げられる受けロッドと、
操作キーに対応する電話機のキーの上方にて上下動可能に設けられ、電話機のキーを押し下げる押下げロッドと、
一方の外端部が上記受けロッドに、他方の外端部が押下げロッドに連結され、両方の内端部が上下動可能に連結され、各々の中間がベースに回転可能に支持され、操作キーの押下によって対応する電話機のキーの押下に変換する一対のレバーと、
から構成されている請求項1記載の電話機のキー変換機構。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−278396(P2008−278396A)
【公開日】平成20年11月13日(2008.11.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−122137(P2007−122137)
【出願日】平成19年5月7日(2007.5.7)
【出願人】(507083582)
【Fターム(参考)】