説明

電話機

【課題】緊急時には人の安否を確認し、その安否を確実に報知することができる通信システムを提供すること。
【解決手段】通常モードとは、通常時、すなわち地震が起こる、或いは起こった可能性が低い場合のモードである。S110では、親機は子機を地震モードへ切り替えるコマンドを送信している。しかし、緊急地震速報が誤報である可能性もある。そのため、S140で5分間、大きな揺れがなかったと判断する場合は、地震が起こる、或いは起こった可能性は低いため、S170で子機200を通常モードへ切り替えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、信号を受信すると、周囲の人間の安否を確認し、確認した安否を電話機間で送受信し、報知する電話機に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、地震の発生を予告する、緊急地震速報をインターネットなどから受信すると、音声メッセージなどにより報知することが可能な電話機が提供されている。
【0003】
また、電話機の親機と子機とから構成されるシステムにおいて、火災報知器のように緊急情報を出力する装置からの入力が親機にあると、親機がコードレス通信により子機へ報知するものが存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−171281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、このようなシステムでは、仮に緊急情報が誤報であった場合などは、無駄に報知が行われることになり、ユーザにとっては煩わしいという問題がある。
【0006】
上述した課題を含め、本発明は緊急時には人の安否を確認し、その安否を確実に報知することができる通信システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的を達成するための、請求項1記載の発明は、ネットワークに接続する接続手段を備え、複数の子機とコードレス電話通信を行う親機と、前記親機とコードレス無線通信を行う子機と、を含む通信システムであって、前記親機は、接続手段を介して前記ネットワークから緊急地震速報を受信すると、前記子機へ第1信号を送信する、第1送信手段と、前記緊急地震速報を受信すると、揺れの大きさを測定する測定手段と、前記揺れの大きさによって異なる揺れ相関信号を、前記子機へ送信する第2送信手段と、前記測定手段が測定した揺れの大きさが第1条件を満たすか否かを判断する判断手段と、前記判断手段が前記第1条件を満たすと判断する場合は、周囲に存在する人間の安否を示す安否情報を作成する作成手段と、前記判断手段が前記第1条件を満たすと判断する場合は、前記第2送信手段が前記揺れ相関信号を送信した後に、前記子機の安否情報を、前記子機のそれぞれから受信する安否情報受信手段と、前記作成手段が作成した安否情報と、前記安否情報が受信した安否情報と、を前記子機のそれぞれへ送信する安否情報送信手段と、前記作成手段が作成した安否情報と、前記安否情報受信手段が受信した安否情報と、に基づき報知を行う報知手段と、を備え、前記子機は、前記親機から前記第1信号を受信した後、所定の時間内に前記親機から揺れ相関信号を受信したか否かを判断する第1判断手段と、前記第1判断手段が、前記揺れ相関信号を受信したと判断すると、前記揺れ相関信号が前記第2条件を満たすか否かをさらに判断する第2判断手段と、前記第2判断手段が、前記第2条件を満たすと判断する場合に、前記安否情報を作成する作成手段と、前記作成手段が作成した安否情報を前記親機へ送信する安否情報送信手段と、前記第2判断手段が、前記第2条件を満たすと判断する場合に、前記安否情報を前記親機から受信する安否情報受信手段と、前記作成手段が作成した安否情報と、前記安否情報受信手段が受信した安否情報と、に基づき報知を行う報知手段と、を備えたことを特徴とする通信システムである。
【0008】
また、請求項2記載の発明は、請求項1に記載の通信システムであって、前記親機において、前記判断手段が前記第1条件を満たさないと判断する場合は、前記作成手段と、前記安否情報送信手段と、前記安否情報受信手段と、前記報知手段と、はそれぞれの処理を行わず、前記子機は、前記第2判断手段が、前記第2条件を満たさないと判断すると、前記作成手段と、前記安否情報送信手段と、前記安否情報受信手段と、前記報知手段は、それぞれの処理を行わないことを特徴とする通信システムである。
【0009】
また、請求項3記載の発明は、請求項2に記載の通信システムであって、前記親機において、前記第2送信手段は、前記揺れの大きさが、しきい値以上である場合は第1揺れ相関信号を前記子機へ送信し、しきい値以上ではない場合は第2揺れ相関信号を前記子機へ送信し、前記判断手段は、前記揺れの大きさが前記しきい値以上であるか否かを判断するものであり、前記子機において、前記第2判断手段は、前記親機から受信した前記揺れ相関信号が前記第1揺れ相関信号であるか否かを判断することを特徴とする、通信システムである。
【0010】
また、請求項4記載の発明は、請求項1に記載の通信システムであって、前記子機において、前記第1判断手段が、前記所定時間内に前記揺れ相関信号を受信しなかったと判断すると、前記作成手段が前記安否情報を作成し、前記安否情報送信手段が、前記作成手段が作成した安否情報を前記自機とは異なる子機へ送信し、前記第1判断手段が、前記所定時間内に前記揺れ相関信号を受信しなかったと判断すると、前記安否情報受信手段が、前記自機とは異なる子機の前記安否情報を、前記自機とは異なる子機から受信し、前記報知手段が、前記作成手段が作成した安否情報と、前記安否情報受信手段が受信した安否情報と、に基づき報知を行うことを特徴とする通信システムである。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の通信システムによると、大きな地震が起こった確率が高い場合には、人の安否情報を確実に周囲に報知することができるという効果を奏する。
【0012】
また、請求項2記載の通信システムは、請求項1記載の通信システムの奏する効果に加えて、緊急地震速報が受信されたものの、それが誤報であると判断される場合には必要のない処理は行わず、周囲の人を煩わせないという効果を奏する。
【0013】
また、請求項3記載の通信システムによると、請求項2記載の通信システムの奏する効果に加えて、大きな地震が起こったか否かを確実に判断することができるという効果を奏する。
【0014】
また、請求項4記載の通信システムによると、地震の揺れにより親機が落下して故障するなどしても、子機のみで人の安否情報を行うことができる。そのため、請求項3記載の通信システムの奏する効果に加えて、より高い確率で人の安否情報を報知することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1(a)】親機100の電気的構成を示すブロック図である。
【図1(b)】子機200の電気的構成を示すブロック図である。
【図2(a)】IDテーブル104aの模式図である。
【図2(b)】状態テーブル104cの模式図である。
【図2(c)】IDテーブル204aの模式図である。
【図2(d)】状態テーブル204cの模式図である。
【図2(e)】状態テーブル104cの模式図である。
【図3】親機100において実行されるモード切り替え処理を示すフローチャートである。
【図4】子機200において実行されるモード切り替え処理を示すフローチャートである。
【図5】第1モードの処理を示すフローチャートである。
【図6】S310の検知処理を示すフローチャートである。
【図7】(a)は、親機100において実行されるS320の情報送受信処理を示すフローチャートである。(b)は、子機200において実行されるS320の情報送受信処理を示すフローチャートである。
【図8】S330の報知処理を示すフローチャートである。
【図9】第2モードの処理を示すフローチャートである。
【図10】S830の擬似親機決定処理を示すフローチャートである。
【図11】(a)は、S850の情報送受信処理である。(b)は、S860の情報送受信処理である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明の望ましい形態について、添付図面を参照して説明する。
【0017】
本発明の電話システムは、親機100と、複数の子機200とから構成される。親機100は、子機200と、デジタル方式のコードレス電話通信を行う。デジタル方式のコードレスの規格としては、例えばDECT(Digtal Enhanced Cordless Telecommunications)が挙げられる。DECTは、1.9GHz帯の周波数を利用する規格であり、2.4GHz帯の ワイヤレス機器からの電波干渉を受けない、という利点がある。また、DECTを用いると、親機100と子機200とは、音声データのみならずドキュメントデータ、画像データ、動画データなど様々なデータを送受信することができる。
【0018】
図1(a)は、親機100の電気的構成を示すブロック図である。CPU101、ROM102、RAM103、フラッシュメモリ104、表示制御部106、操作制御部108、ベースバンド部120、人感センサ制御部115、ネットワーク制御部117、無線通信制御部120が、それぞれバス122を介して接続されている。
【0019】
書き替ええ不能な不揮発性のメモリであるROM102には、親機プログラム102aが記憶されている。CPU101は、親機プログラム102aに従い各ハードウェアを制御する。なお、親機プログラム102aには、各種固定値や、所定の音声データなども含まれる。
【0020】
書き替え可能な揮発性のメモリであるRAM103には、一時的に使用されるデータなどが記憶される。また、RAM103の所定領域には、後述する処理で使用される情報コマンドカウンタの値Nを記憶する領域103a、情報送信カウンタの値Mを記憶する領域103bが設けられる。
【0021】
また、書き替え可能な不揮発性のメモリであるフラッシュメモリ104には、IDテーブル104a、状態テーブル104c、子機台数104dが記憶されている。IDテーブル104a、状態テーブル104cについての詳細は、図2を用いて後述する。子機台数104dは、親機200とデジタルコードレス電話通信を行うよう、IDが登録されている子機100の台数を示す。また、録音した音声の音声データを記憶する領域であるメッセージ録音領域104bが設けられている。
【0022】
表示制御部106はCPU101から入力した指示に応じて、LCD105へ電気信号を入力し制御する。LCD105は、表示制御部106から入力された電気信号に応じて、各種アイコンや、文字などを表示する。操作ボタン107は、ユーザにより押された場合、対応する電気信号を操作制御部108へ入力する。操作制御部108は、操作ボタン107から入力された電気信号を、デジタル信号へ変換し、CPU101へ入力する。ベースバンド部119には、マイク109と、スピーカー110が接続されており、マイク109及びスピーカー110を介して行われる音声の入出力を制御する。
【0023】
親機100はネットワークI/F116を介して図示しないネットワークに接続されており、契約しているプロバイダなどからネットワークI/F116を介して緊急地震速報を受信することができる。ネットワーク制御部117は、CPU101とネットワークI/F116の間の信号の送受信を仲介する。
【0024】
また、親機100は、ベースバンド部119に接続された電話回線I/F118を介して、図示しない公衆回線に接続された外部装置との間で通話音声信号やファクシミリデータの送受信が可能である。
【0025】
子機200と外部装置(通信相手)との間で外線通話が行われる際、公衆回線から電話回線I/F118を介して入力された音声信号は、ベースバンド部120で復調され、無線通信制御部120へ入力される。無線通信制御部120に入力された音声信号は、デジタルの音声データへ変換され、アンテナ121から送信される。一方、子機200から送信され、アンテナ121から受信された音声データは、無線通信制御部120でアナログの音声データに変換され、ベースバンド部119へ入力される。そして、入力された音声データは、ベースバンド部119で変調され、電話回線I/F118から公衆回線へ送出される。
【0026】
地震センサ112は加速度計を備えたハードウェアであり、CPU101から入力される指示に従い、揺れの大きさを測定し、Gal値(すなわち最大加速度の値)、或いはSI(Spectral Intensity)値などを出力する。地震センサ制御部113は、地震センサ112から入力された電気信号を、デジタル信号へ変換し、CPU101へ入力する。
【0027】
人感センサ114は、赤外線のエネルギーにより電位差を発生させる素子を複数備えている。そのため、所定領域内において温度の分布を測定することができる。そして、温度が周囲より高い領域の素子の温度が変化すると、対応する電気信号を人感センサ制御部115に入力する。人感センサ制御部115は、人感センサ114から入力された電気信号を、デジタル信号に変換し、CPU101へ入力する。
【0028】
次に、図2を用いて、IDテーブル104a、状態テーブル104cについて説明する。図2(a)に示すIDテーブル104aは、親機100と、親機100とデジタルコードレス電話通信を行うすべての子機200と、について、それぞれに固有のIDが記憶されている。このIDは、親機100が、子機200とデジタルコードレス電話通信を行う際に用いられる。親機100が子機200へデータやコマンドを含むパケットを送信する場合、パケットには送信元情報として、親機IDを含ませる。一方、親機100はデータやコマンドを含むパケットを受信した場合、受信したパケットに子機200のIDが含まれているかを確認することにより、そのパケットが子機200から送信されたものであると判断することができる。通常IDは10桁の数字からなるが、ここでは説明の簡単のため、単にID1、ID2などと表現する。また、状態テーブル104aには、子機200の番号である、子機番号も記憶されている。
【0029】
図2(b)に示す状態テーブル104cは、親機100と、親機100とデジタルコードレス電話通信を行うすべての子機200と、について、緊急フラグのオン或いはオフと、親機100或いは子機200が設置されている場所である、設置場所を記憶する領域が設けられている。緊急フラグは、本実施形態の処理が行われる前は、すべてオフとなっている。後述する処理において、動けない人が周囲にいると判断された電話機に対応する危険フラグは、オンに設定される。設置場所は、本実施形態の処理が行われる前は、親機100に対応する設置場所のみが記憶されている。親機100の設置場所は、例えば、操作ボタン107よりユーザが入力することにより、記憶される。本実施形態の処理が行われると、子機200の設置場所情報についても、状態テーブル104cに記憶される。また、状態テーブル104cには、子機200の番号である、子機番号も記憶されている。
【0030】
次に子機200について図1(b)を用いて説明する。子機200は、CPU201、ROM202、RAM203、フラッシュメモリ204、表示制御部206、操作制御部208、ベースバンド部219、人感センサ制御部215、無線通信制御部220が、それぞれバス222を介して接続されている。各ハードウェアについて親機と共通する点は、詳細な記載を省略する。
【0031】
ROM202には、子機プログラム202aが記憶されている。CPU201は、子機プログラム202aに従い各ハードウェアを制御する。なお、子機プログラム202aには、各種固定値や、所定の音声データなども含まれる。
【0032】
RAM203には、情報コマンドカウンタの値Nを記憶する領域203a、情報送信カウンタの値Mを記憶する領域203bに加え、擬似親機カウンタの値Lを記憶する領域203cが設けられている。
【0033】
フラッシュメモリ204には、IDテーブル204a、状態テーブル204c、子機台数204dが記憶されている。IDテーブル204a、状態テーブル204cについての詳細は、図2を用いて後述する。また、録音した音声の音声データを記憶するメッセージ録音領域204bが設けられている。
【0034】
子機200は、無線通信制御部220、アンテナ221を介して親機100や、他の子機200との間でデータやコマンドを含んだパケットの送受信を行う。
【0035】
図2を用いてIDテーブル204a、状態テーブル204cについて説明する。図2(c)は、IDテーブル204aの一例である。子機番号と、IDについては、IDテーブル104aと同一のものが記憶されている。子機200が、親機100へデータやコマンドを含むパケットを送信する場合、パケットには送信元情報として、自機のIDを含ませる。一方、子機200はデータやコマンドを含むパケットを受信した場合、受信したパケットに親機100のIDが含まれているかを確認することにより、そのパケットが親機100から送信されたものであると判断することができる。また、子機200が、他の子機200へデータやコマンドを含むパケットを送信する場合、パケットには送信元情報として、自機のIDと親機のIDを含ませる。一方、子機200はデータやコマンドを含むパケットを受信した場合、受信したパケットに親機100のIDと他の子機200のIDが含まれているか確認することにより、そのパケットが他の子機200から送信されたものであると判断することができる。
【0036】
また、IDテーブル204aには、擬似親機フラグのオン或いはオフを記憶する領域が設けられている点でIDテーブル104aと異なる。擬似親機とは、親機が破損などにより通信不可能になった場合に、親機に代わり他の子機200と通信する子機200を指す。本実施形態の処理が行われる前は、すべての子機200の擬似親機フラグはオフとなっている。後述する処理により、擬似親機に決定した子機200の擬似親機フラグはオンに設定される。
【0037】
図2(d)は、状態テーブル204cの一例である。状態テーブル204cは、親機100に記憶されている状態テーブル104cと同一のものである。ただし、設置場所に関しては、親機100の設置場所でなく、子機200の設置場所が記憶されている。例えば、図2(d)に示す状態テーブル204cは、子機番号が1の子機200に記憶されているものであるので、子機番号が1の子機200の設置場所のみが記憶されている。設置場所を記憶させる方法については、親機100の場合と同様であるので、説明は省略する。
【0038】
親機100において実行されるモード切り替え処理について説明する。この処理は、通常モードの状態で、ネットワークI/F116を介して緊急地震速報が受信され、CPU101にネットワーク制御部117から緊急地震速報の受信信号が入力されると、開始される。緊急地震速報を受信した親機は、揺れの大きさが大きい場合は、親機100とすべての子機200は周囲に動けない人がいるか調べる。そして、動けない人がいた場合は、音声により報知する処理を子機200と連携して行う。一方、揺れの大きさが小さい場合は、通常の状態、すなわち、緊急地震速報を受信する前の状態へ戻る。以下、図3を用いて具体的な処理を説明する。
【0039】
S110ではCPU101は、IDテーブル104aから、親機のIDと、子機のIDのそれぞれを読みだす。そして、CPU101は、無線通信制御部120を制御して、子機IDのそれぞれを受信先とし親機IDを送信元とした地震モードへ切り替えるコマンドを、全ての子機200へ送信させる(S110)。さらに、CPU101は、計時を開始する。そして、S120へ進む。
【0040】
S120では、CPU101は地震センサ制御部113を制御し、地震センサ112に、揺れの大きさを測定させる。そして、CPU101は、地震センサ制御部113から入力される信号に基づき、揺れがしきい値以上か判断する(S130)。しきい値以下であったと判断すれば(S130・No)、S160へ進み、しきい値以上であるときがあったと判断すれば(S130・Yes)、S140へ進む。なお、しきい値は、親機プログラム102aに含まれている。
【0041】
S140では、CPU101は、無線通信制御部120を制御し、すべての子機200へ、第1モードへ切り替えるコマンドを送信させる(S140)。そして、S150の第1モードの処理を実行し(S160)、親機の処理を終了する。なお、S160はサブルーチンとなっており、その詳細は図5を用いて説明する。
【0042】
S160では、CPU101は、S110で地震モードへ切り替えるコマンドを送信させた後から、5分が経過したかを判断する。そして、5分が経過したと判断すると(S160・Yes)、S170へ進む。一方、未だ5分が経過していないと判断すると、S120へ進む。
【0043】
S170では、CPU101は、無線通信制御部120を制御し、すべての子機200へ、通常モードへ切り替えるコマンドをアンテナ121から送信させる。そして親機の処理を終了する。通常モードの詳細については後述する。
【0044】
次に、子機200において実行されるモード切り替え処理について説明する。この処理は、通常モードの状態で、子機200が親機100から第1モードへ切り替えるコマンドを受信すると開始される。以下、図4を用いて具体的な処理を説明する。
【0045】
S210ではCPU210はこのモード切り替え処理を開始してから6分間の間に(S210・No)、親機のIDを送信元として、自機のIDを受信元として含むコマンドが、無線通信制御部220により受信されたかを判断する(S220)。CPU201はコマンドが受信されたと判断した場合は(S220・Yes),S230へ進む。一方、コマンドを受信されることなく(S220・No)、6分が経過したと判断した場合は(S210・Yes)、S260へ進み、地震モードの処理を実行する(S260)。なお、S260はサブルーチンとなっており、その詳細は、後述する。
【0046】
S230ではCPU201は、受信されたコマンドが指示するモードが、通常モードであるか、第1モードであるか判断する(S230)。通常モードが指示された場合は(S230・通常モード)、CPU201は、この処理を終了する。一方、第1モードが指示された場合は(S230・第1モード)、S240へ進み第1モードの処理を実行する。なお、S240の処理はサブルーチンとなっており、その詳細は後述する。
【0047】
ここで、通常モード、地震モードのそれぞれについて説明する。通常モードとは、通常時、すなわち地震が起こる、或いは起こった可能性が低い場合のモードである。図3のS110では、親機100は子機200を地震モードへ切り替えるコマンドを送信している。しかし、緊急地震速報が誤報である可能性もある。そのため、S140で5分間、大きな揺れがなかったと判断する場合は、地震が起こる、或いは起こった可能性は低いため、S170で子機200を通常モードへ切り替えている。
【0048】
地震モードとは、親機100においては、緊急地震速報が発表されたことを親機100が子機200へ送信するとともに、以後の危険度の高さを判断するモードである。すなわち、揺れが大きく危険であると判断する場合は、第1モードの処理を行うと判断する。そして、子機も第1モードへ切り替える。一方、揺れが小さく危険ではないと判断する場合は、子機200を通常モードへ切り替え、自身も通常モードへもどる。
【0049】
一方、子機200においては、地震モードは以後取るべきモードを判断するモードである。緊急地震速報が受信されたということは、大きな地震が起こる確立が高いということである。そのため、親機が故障し、以後親機と通信ができなくなる可能性がある。そこで、S220では親機100からコマンドが送信されるかを判断している。そして、親機100からコマンドを受信しない場合は、親機が故障している可能性が高いので、親機を介さず子機200間で連携する第2モードへ切り替わる。親機からコマンドを受信した場合は、そのコマンドに従い、通常モード或いは、第1モードへ切り替わる。
【0050】
図5を用いて、親機100、子機200において実行される第1モードの処理について説明する。親機100、子機200の両方において、S310の検知処理、S320の情報送受信処理、S330の報知処理が行われる。S310の検知処理は、周囲に人がいる場合はその安否を確認する処理であり、親機100と子機200とにおいて、同様の処理が行われる。その詳細は、図6を用いて説明する。
【0051】
S320の情報送受信処理は、S310の処理で親機100と子機200のそれぞれが取得した安否情報を、親機100が取得し、取得したすべての電話機の安否情報を、子機200へ送信する処理である。詳細については、図7を用いて説明する。
【0052】
S330の報知処理は、親機100と子機200のそれぞれのが、すべての電話機の安否情報を報知する処理である。親機100と子機200とにおいて、同様の処理が行われる。その詳細については図8を用いて説明する。
【0053】
S310の検知処理について説明する。先述したように図6に示す検知処理は、親機100と、子機200のそれぞれにおいて行われる。ここでは、親機100を例にして説明する。まず、CPU101は人感センサ制御部115へ、人感センサ114を制御するよう指示を入力する。すると、人感センサ制御部115は、人感センサ114を制御し、人感センサ114の検知結果に対応する電気信号が人感センサ制御部115へ入力される。CPU101は人感センサ制御部115から、入力される信号に基づき、自機の周辺に人が存在するか判断する(S410)。人が存在すると判断した場合は(S410・Yes)、S420へ進む。一方、人が存在しないと判断した場合は(S410・No)、この検知処理を終了する。
【0054】
S420では、CPU101は時間の計測を開始し、5分間経過するまで(S420・No)電話機の周囲にいるユーザに対し、操作部106からキャンセルを入力することを促すメッセージを、音声制御部111を制御し、スピーカー109から放音させる処理(S430)と、操作部106からキャンセルが入力されたかを判断する処理(S440)と、を繰り返す。メッセージの一例としては、次のようなものが考えられる。“大きな地震がありました。お客様の安否を確認します。無事な場合は、キャンセルボタンを押してください。” なお、このようなメッセージは親機プログラム102aに工場出荷時から、含まれている。CPU101は、操作ボタン107に設けられたキャンセルボタンに対応する電気信号が、操作制御部108から入力されたと判断すると(S440・Yes)検知処理を終了する。一方、キャンセルボタンに対応する電気信号が入力されることなく(S440・No)、5分間が経過したとCPU101が判断すると(S420・Yes)、S450へ進む。
【0055】
S450では、CPU101は、音声の録音処理を行う(S450)。より具体的には、まず、CPU101は音声制御部111を制御し、音声の録音を行う旨を説明するメッセージをスピーカー109から放音させる。例えば、次のようなメッセージである。“メッセージを録音します。メッセージをお話しください”その後、CPU101は、所定の時間、音声制御部111を制御しマイク109から集音された音声データを録音領域104bへ記憶させる。そして、S460へ進む。
【0056】
S460では、CPU101は状態テーブル104cにおいて、自機に対応する緊急フラグをオンにする。そして、検知処理を終了する。前述したように、この検知処理は、子機200においても行われる。その詳細については、図6の説明において、親機100が備えるハードウェアを、子機が備えるものに読み替えればよい。
【0057】
図7(a)を用いて親機において行われる情報送受信処理について説明する。CPU101は、情報要求カウンタ103aの値Nを1にし(S510)、S520へ進む。
【0058】
S520ではCPU101は、無線通信制御部120を制御して、子機番号がNである子機200のIDを受信先として、自機のIDを送信元として、状態テーブル204cの返信を要求するコマンドを、送信させる(S520)。この場合、例えば、情報要求カウンタ103aの値Nが1であれば、子機番号が1の子機のIDが受信先として指定されることになる。
【0059】
そして、S530へ進み、CPU101は、S520で送信させたコマンドに対する返信が無線通信制御部120により受信されたかを判断する(S530)。CPU101は返信が受信されたと判断した場合は(S530・Yes)、S540へ進み、返信に含まれる状態テーブル204cから、送信元ID(すなわち、S520でコマンドの受信先に設定された子機200のID)、子機の設置場所、緊急フラグのオン或いはオフを読み出す。そして、読み出した送信元ID、子機の設置場所、危険フラグのオン或いはオフを、状態テーブル104cの対応する領域へ記憶させる(S540)。一方、CPU101は所定時間内に返信が受信されなかったと判断した場合は(S530・No)、S540をスキップして、S550へ進む。
【0060】
S550では、CPU101は情報要求カウンタ103aの値Nに1を加算し(S550)、S560へ進む。
【0061】
S560では、CPU101は情報要求カウンタ103aの値Nが、子機台数104dの値を超えたか判断し、超えたと判断すると(S560・Yes)、S570へ進み、未だ超えていないと判断すると(S560・No)、S520へ進む。
【0062】
S570では、CPU101は情報送信カウンタ103bの値Mを1にする。そして、S580へ進む。
【0063】
S580ではCPU101は、無線通信制御部120を制御して、子機番号の値がMである子機200のIDを受信先として、自機のIDを送信元として、状態テーブル104cを送信させる(S580)。そしてS590へ進み、情報送信カウンタ103bの値Mに1を加算し、S5100へ進む。
【0064】
S5100ではCPU101は情報送信カウンタ103bの値Mが子機台数104dの値を超えたか判断し、超えたと判断すると(S5100・Yes)、情報送受信処理を終了し、未だ超えていないと判断すると(S5100・No)、S580へ進む。
【0065】
図7(b)を用いて、子機において行われる、情報送受信処理について説明する。S610では、CPU201は、無線通信制御部220により、自機のIDを受信先とし、親機のID機を送信元としたコマンドが、受信されたかを判断する(S610)。なお、このコマンドは、図7(a)のS520で親機100により送信されたコマンドである。そして、CPU201が、未だコマンドが受信されていないと判断した場合は(S610・No)、判断を繰り返す(S610)。そして、判断を繰り返すうちに、判断が肯定されると(S610・Yes)、S620へ進む。
【0066】
S620では、CPU201は無線通信制御部220を制御して、S610で受信したコマンドに対する返信として、状態テーブル204cを送信させる。
【0067】
そして、S630へ進み、CPU201は無線通信制御部220により、親機100から104cが受信されたかを判断する(S630)。未だ受信されていないと判断する場合は(S630・No)、判断を繰り返し(S630)、受信されたと判断する場合は(S630・Yes)、S640へ進む。
【0068】
S640では、CPU201はS630で受信された状態テーブル104cから、親機100と、他の子機200の危険フラグのオン或いはオフ、設置場所を読み出し、状態テーブル204cに記憶させる(S640)。そして、情報送受信処理を終了する。
【0069】
図8を用いて、S330の報知処理について説明する。先述したように図8に示す報知処理は、親機100と、子機200のそれぞれにおいて行われる。この処理は、S310の検知した、自機の周辺のユーザの安否情報と、S320の情報送受信処理により、得られた他の電話機の周辺の安否情報を、音声により報知する処理である。ここでは、親機100を例にして説明する。まず、CPU101は、音声制御部111を制御して、マイク109に集音をさせる(S710)。そして、S720へ進む。
【0070】
S720ではCPU101は、集音した音声がしきい値以上か判断し(S720)、しきい値以上であると判断すると、10分間待機し(S770)、S710へ進む。一方、しきい値以下であると判断すると(S720・No)、S730へ進む。なお、しきい値は、親機プログラム102aに含まれている。
【0071】
S730では、CPU101は、状態テーブル104cの内容を、音声制御部111を制御し、スピーカー109から放音させる。例えば、状態テーブルが、図2(e)のようになっている場合は、次のような内容になる。“台所に動けない人がいます。こども部屋に動けない人がいます。”そして、CPU101は、計時を開始して、S740へ進む。
【0072】
S740では、CPU101は、S740の処理を開始してから、計時を開始してから、3日間が経過したかを判断し(S740)、経過していないと判断すると(S740・No)、S750へ進む。一方、計時を開始してから3日間が経過したと判断すると(S740・Yes)、報知処理を終了する。
【0073】
S750では、CPU101は操作部106よりキャンセルが入力されたかを判断すし(S750)、未だ入力されていないと判断すると、S710へ進む。一方、キャンセルが入力されたと判断すると(S750・Yes)、S760へ進む。
【0074】
S760では、CPU101はメッセージ録音領域104bより音声メッセージを読み出し、音声制御部107を制御して、音声メッセージをスピーカー109より放音させる。そしてこの処理を終了する。
【0075】
なお、S720・Noである場合、すなわち、周囲の音量がしきい値以下の場合のみ、音声メッセージを放音するのは、次の理由による。一般的に、地震により家屋が倒壊し、下敷きになった人がいる場合、救助の声が聞こえなくなることを避けるために、重機等を停止させる時間帯である、サイレントタイムが設けられる。そこで、重機等による音が発生している間は、放音処理を行わず、サイレントタイムにのみ放音処理を行うことで、効率的に報知を行うことができる。また、バッテリーの減りを遅らせることもできる。
【0076】
以上説明したように、第1モードでは、親機100と子機200は連携して、周囲に動けない人がいる場合は、その旨を効率的に報知することができる。
【0077】
次に、S260の第2モードの処理について説明する。前述したように、第2モードは親機が故障している可能性が高い場合に、他の子機200と連携し、周囲に動けない人がいる場合は、その旨を効率的に報知するモードである。以下、図9を用いて、子機200で行われる具体的な処理について説明する。
【0078】
まず、S810では、CPU106は時間の計測を開始する(S810)。以降、説明の都合上、計測した時間を、同期タイマの計測時間と称する。後述する図10の処理において、すべての子機200は、S920の処理を同時に開始する必要がある。しかし、S820の検知処理では、それぞれの子機200において、処理が終了するタイミングがずれる可能性がある。そのため、すべての子機200がS810から所定の時間経過後に図10のS920の処理を開始することで、その処理の開始を同時に行うことができる。
【0079】
S820では、検知処理が行われる。この処理はサブルーチンとなっており、その詳細は図6と同様である。そのため、詳細な説明を省略する。そして、S830へ進む。
【0080】
S830では、擬似親機決定処理が行われる。この処理はサブルーチンとなっており、その詳細は、図10を用いて後述する。S830は、複数の子機の間において、擬似親機を決定する処理である。本実施形態における擬似親機とは、第1モードで親機100が行う処理と、同様の処理を行う子機200を指す。擬似親機決定処理が終了すると、すべての子機200のIDテーブル204aにおいて、擬似親機に決定した子機200の擬似親機フラグがオンに設定された状態になっている。
【0081】
S840では、CPU201は、IDテーブル204aを参照し、自機が擬似親機であるか判断する(S840)。そして、自機が擬似親機であると判断すると(S840・Yes)、S850へ進み、擬似親機ではないと判断すると(S840・No)、S860へ進む。
【0082】
S850では、擬似親機としての情報送受信処理が、S860では、擬似子機以外の子機の情報送受信処理が行われる。これらの処理はサブルーチンとなっており、その詳細はそれぞれ、図11(a)、図11(b)を用いて後述する。そして、S850或いは、S860の処理が行われると、S870へ進む。この処理はサブルーチンとなっており、その詳細は、図8を用いて説明した処理と同様であるため、詳細を省略する。
【0083】
図10を用いて、S830の擬似親機決定処理の詳細について説明する。S910では、CPU201は、同期タイマの計測時間が、10分を経過したか判断し、未だ経過していないと判断した場合は(S910・No)、10分経過したと判断するまで、判断を繰り返す。そして、10分経過したと判断すると(S910・Yes)、S920へ進む。
【0084】
S920では、CPU201は擬似親機カウンタ203cの値Lを1にする(S920)。そして、S930へ進む。
【0085】
S930では、CPU201は、擬似親機カウンタ203cの値が、自機の番号と等しいか判断する。等しいと判断すると(S930・Yes)、S940へ進む。一方、等しくないと判断すると(S930・No)、計時を開始して、S960へ進む。
【0086】
S940では、CPU201は、IDテーブル204aにおいて、自機の擬似親機フラグをオンにする(S940)。そして、S950へ進む。
【0087】
S950では、CPU201は、無線通信制御部220を制御し、自機が擬似親機であることを示すコマンドを、他の子機200に対して送信させる。そして、擬似親機決定処理を終了する。この際、送信されるコマンドには、IDテーブル204aから読み出した自機のものであるIDとともに、親機のIDが、送信元ID付加されている。そして、S950で送信されたコマンドを受信した子機は、付加された親機IDにより、受信したコマンドが、同一の親機100に対応する子機200から送信されたものであると判断する。そのため、近くに同じモデルでかつ異なる親機100と接続している子機200が存在しても、そのような子機200間で誤ってデジタルコードレス電話通信がなされる恐れがない。
【0088】
S960では、CPU201は、計時を開始してから5分が経過したか判断し、未だ経過していない場合は(S960・No)、S970へ進む。
【0089】
S970では、同じ親機を持つ子機200から送信された、擬似親機であることを示すコマンドが、無線通信制御部220により受信されたかを判断する。このとき、擬似親機であることを示すコマンドが、同じ親機を持つ子機200から送信されたものであるかは、コマンドの送信元IDとして、IDテーブル204aに記憶されている親機のIDと、子機のIDが含まれているかに基づき判断する。なお、S970で受信されるコマンドは、他の子機200が、S950で送信したコマンドである。S970の判断が肯定される場合は(S970・Yes)、S980へ進む。一方、S970の判断が否定される場合は(S970・No)、S960へ進む。
【0090】
S980では、CPU201は、S970で受信したパケットの送信元となる子機IDをパケットから読み出し、IDテーブル204aにおいて、読み出したIDに対応する子機の擬似親機フラグをオンにする(S980)。そして、擬似親機決定処理を終了する。
【0091】
S990では、CPU201は、擬似親機203cの値Lに1を加算し(S990)、S930へ進む。
【0092】
図11(a)を用いて、S850の処理の詳細を説明する。この処理は、図7(a)を用いて説明した親機100で行われる処理と似ている。そのため、似ているステップには同一の符号を付した。ただし、図7(a)で親機100とされた箇所を、擬似親機と読み変える。また、それに併せて各ハードウェアの番号も、子機200が備えるハードウェアの番号へ読み替える。
【0093】
以下、異なる符号を付した処理について説明する。S1010では、CPU201は、情報要求カウンタ203aの値Nを、自機の子機番号に1を加算した値にする。これは、次の理由による。図10の処理では、子機番号が若い子機200から優先的に擬似親機となる処理が行われた。そのため、図10で、擬似親機となった子機200よりも、若い子機番号の子機200は、故障などにより、動作していない可能性が高い。そのため、図7(a)の処理では、擬似親機となった子機200より若い子機番号の子機200に対しては、コマンドや、状態テーブル204cの送信(S520、S580)は行わない。
【0094】
S1020では、CPU201は、情報送信カウンタ203bの値Mを、自機の子機番号に1を加算した値にする。この理由は、前述したS1010と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0095】
図11(b)を用いて、S860の処理の詳細を説明する。この処理は、図7(b)を用いて説明した子機200で行われる処理と似ている。異なる点は、親機100とある箇所が、擬似親機となる点のみである。そのため、詳細な説明は、省略する。
【0096】
以上、説明したように、子機200は地震モードにおいて、親機100からの指示が送信されない場合、親機100を介さずに子機200間でデジタルコードレス電話通信を行うことができる。そして、子機200間のコードレス電話通信を用いて、周囲のユーザの安否を送受信する。そして、送受信したユーザの安否情報を報知することができる。そのため、地震などにより親機100が破損し故障しても、ユーザの安否を周囲に知らせることができる。
【0097】
また、子機200は、周囲の音量がしきい値以下のときに報知処理を行う。そのため、サイレントタイムに合わせて効率的に報知処理を行うことができる。
【0098】
また、コードレス電話通信は、DECTでなくてもよい。例えば、sPHS(super Personal Handy−phone System)でもよい。
【0099】
また、図6のS410では、CPU101は、人感センサ114から単に、温度が周囲より高い領域に対応する電気信号が入力されただけでも、人が存在すると判断してもよい。すなわち、人が動かない状態であっても、人感センサ114は、電気信号を人感センサ制御部115に入力する。また、人感センサ114は、超音波により人を検知するものであってもよい。
【0100】
また、図3、図4のモード切り替え処理において、次のようにしてもよい。図3のS140と、S170で、CPU101は、無線通信制御部120を制御し、すべての子機200へ、検知した揺れの大きさを送信させる。さらに、図4のS230では、CPU201は親機から送信された揺れの大きさがしきい値以上であるかを判断し、しきい値以上であると判断すれば(S230・Yes)、S240へ進み、しきい値以下であると判断すれば(S230・No)、モード切り替え処理を終了する。ただし、この場合、子機プログラム202aには、揺れの大きさのしきい値が含まれている。
【符号の説明】
【0101】
100 親機
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 フラッシュメモリ
105 LCD
107 操作ボタン
115 人感センサ
117 ネットワーク制御部
119 ベースバンド部
120 無線通信部
200 子機
201 CPU
202 ROM
203 RAM
204 フラッシュメモリ
205 LCD
207 操作ボタン
215 人感センサ
219 ベースバンド部
220 無線通信部



【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続する接続手段を備え、複数の子機とコードレス電話通信を行う親機と、前記親機とコードレス無線通信を行う子機と、を含む通信システムであって、
前記親機は、
接続手段を介して前記ネットワークから緊急地震速報を受信すると、前記子機へ第1信号を送信する、第1送信手段と、
前記緊急地震速報を受信すると、揺れの大きさを測定する測定手段と、
前記揺れの大きさによって異なる揺れ相関信号を、前記子機へ送信する第2送信手段と、
前記測定手段が測定した揺れの大きさが第1条件を満たすか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段が前記第1条件を満たすと判断する場合は、周囲に存在する人間の安否を示す安否情報を作成する作成手段と、
前記判断手段が前記第1条件を満たすと判断する場合は、前記第2送信手段が前記揺れ相関信号を送信した後に、前記子機の安否情報を、前記子機のそれぞれから受信する安否情報受信手段と、
前記作成手段が作成した安否情報と、前記安否情報が受信した安否情報と、を前記子機のそれぞれへ送信する安否情報送信手段と、
前記作成手段が作成した安否情報と、前記安否情報受信手段が受信した安否情報と、に基づき報知を行う報知手段と、を備え、
前記子機は、
前記親機から前記第1信号を受信した後、所定の時間内に前記親機から揺れ相関信号を受信したか否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段が、前記揺れ相関信号を受信したと判断すると、前記揺れ相関信号が前記第2条件を満たすか否かをさらに判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段が、前記第2条件を満たすと判断する場合に、前記安否情報を作成する作成手段と、
前記作成手段が作成した安否情報を前記親機へ送信する安否情報送信手段と、
前記第2判断手段が、前記第2条件を満たすと判断する場合に、前記安否情報を前記親機から受信する安否情報受信手段と、
前記作成手段が作成した安否情報と、前記安否情報受信手段が受信した安否情報と、に基づき報知を行う報知手段と、を備えたことを特徴とする通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記親機において、
前記判断手段が前記第1条件を満たさないと判断する場合は、前記作成手段と、前記安否情報送信手段と、前記安否情報受信手段と、前記報知手段と、はそれぞれの処理を行わず、
前記子機は、
前記第2判断手段が、前記第2条件を満たさないと判断すると、
前記作成手段と、前記安否情報送信手段と、前記安否情報受信手段と、前記報知手段は、それぞれの処理を行わないことを特徴とする通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の通信システムであって、
前記親機において、
前記第2送信手段は、前記揺れの大きさが、しきい値以上である場合は第1揺れ相関信号を前記子機へ送信し、しきい値以上ではない場合は第2揺れ相関信号を前記子機へ送信し、
前記判断手段は、前記揺れの大きさが前記しきい値以上であるか否かを判断するものであり、
前記子機において、前記第2判断手段は、前記親機から受信した前記揺れ相関信号が前記第1揺れ相関信号であるか否かを判断することを特徴とする、通信システム。
【請求項4】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記子機において、
前記第1判断手段が、前記所定時間内に前記揺れ相関信号を受信しなかったと判断すると、前記作成手段が前記安否情報を作成し、
前記安否情報送信手段が、前記作成手段が作成した安否情報を前記自機とは異なる子機へ送信し、
前記第1判断手段が、前記所定時間内に前記揺れ相関信号を受信しなかったと判断すると、前記安否情報受信手段が、前記自機とは異なる子機の前記安否情報を、前記自機とは異なる子機から受信し、
前記報知手段が、前記作成手段が作成した安否情報と、前記安否情報受信手段が受信した安否情報と、に基づき報知を行うことを特徴とする通信システム。



【図1(a)】
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【図1(b)】
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【図2(a)】
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【図2(b)】
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【図2(c)】
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【図2(d)】
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【図2(e)】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−212321(P2012−212321A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−77652(P2011−77652)
【出願日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】