説明

電話装置

【課題】 時報等を聞く際には、発呼する番号を自動的にDTMF信号にする。
【解決手段】 ダイヤル入力があり(S1ステップ)、入力された電話番号が電話帳メモリ230に格納されており、尚且つその電話番号にDTMF信号で電話番号を回線へ送出するように指示する情報が付加されている場合には(S2ステップのY)、S1ステップで入力された電話番号をDTMF信号で回線へ送出する(S3ステップ)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は電話装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在では、日本電信電話株式会社がボイスワープといわれるサービスを提供している。このサービスは、自宅や事務所にかかってきた電話をあらかじめ設定した電話番号へ転送するサービスである。
【0003】
このボイスワープを利用する為には、電話機をDTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号を送信できるように設定しなければ各種設定が行われない。
【0004】
尚、本出願人は関係する特許文献を発見できなかったが、DTMF信号により遠隔操作する技術は、例えば特許文献1に記載されている。
【特許文献1】特開平05−122310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このようなサービスは、DTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号を回線へ送出することにより実行できるものである。この為、電話装置側で、送出するダイヤル信号がDTMF信号ではなくダイヤルパルスに設定されていれば、ユーザがサービスを受ける為の各種の登録操作をテンキーでしても登録することはできない。このような場合、ユーザがスライドスイッチ操作やキー操作を行うことにより、回線へ送出する信号をダイヤルパルスからDTMFに切り換える必要があり、面倒である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明はこのような課題を解決する為のものであり、
請求項1記載の電話装置は、電話番号を記憶する記憶手段と、電話番号をDTMF信号で回線へ送出するか又はダイヤルパルスで送出するかを設定する設定手段と、入力手段と、当該入力手段から入力された電話番号が前記記憶手段に記憶されていると、前記設定手段の設定状態に係らず、入力された電話番号をDTMF信号で回線へ送出する送出手段と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項2記載の電話装置は、電話番号と、当該電話番号をDTMF信号で回線へ送出するか、又はダイヤルパルスで回線へ送出するかを示す情報と、を記憶する記憶手段と、入力手段と、当該入力手段から入力された電話番号が前記記憶手段に記憶されていると判定すると共に前記情報がDTMF信号で回線へ送出ことを示す情報であれば、前記入力手段から入力された電話番号をDTMF信号で回線へ送出する送出手段と、を有することを特徴とする。
請求項3記載の電話装置は、請求項1〜2に記載の電話装置であり、更にマイクとミュート回路を有し、DTMF信号送出開始又はDTMF信号送出後から、前記ミュート回路を作動させ、前記マイクから入力された音声を回線へ送出することを禁止することを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の電話装置は、電話番号と、当該電話番号をDTMF信号で回線へ送出するか、又はダイヤルパルスで回線へ送出するかを示す情報と、を記憶する記憶手段と、入力手段と、当該入力手段から入力された電話番号が前記記憶手段に記憶されていると判定すると共に前記情報がダイヤルパルスで回線へ送出ことを示す情報であれば、前記入力手段から入力された電話番号をダイヤルパルスで回線へ送出する送出手段と、を有することを特徴とする。
請求項5記載の電話装置は、請求項4に記載の電話装置であり、更にマイクとミュート回路を有し、ダイヤルパルス信号送出開始又はダイヤルパルス送出後から、前記ミュート回路を作動させ、前記マイクから入力された音声を回線へ送出することを禁止することを特徴とする。
【0009】
請求項6記載の電話装置は、電話番号を記憶する記憶手段と、電話番号をDTMF信号で回線へ送出するか又はダイヤルパルスで送出するかを設定する設定手段と、入力手段と、当該入力手段から入力された電話番号が前記記憶手段に記憶されていないと、前記設定手段の設定状態に係らず、入力された電話番号をDTMF信号で回線へ送出する送出手段と、を有することを特徴とする。
請求項7記載の電話装置は、請求項6に記載の電話装置であり、更にマイクとミュート回路を有し、DTMF信号送出開始又はDTMF信号送出後から、前記ミュート回路を作動させ、前記マイクから入力された音声を回線へ送出することを禁止することを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の電話装置によると、記憶手段に記憶されている電話番号の入力があると、その電話番号を、設定手段の設定に係らず、DTMF信号で回線へ送出するため、ユーザが一々ダイヤルパルスかDTMFの切り替え操作を行う必要がない。
【0011】
請求項2記載の電話装置によると、入力された電話番号が、記憶手段に記憶されており尚且つDTMFで送出する情報が付加されていると、その電話番号を、設定手段の設定に係らず、DTMF信号で回線へ送出するため、ユーザが一々ダイヤルパルスかDTMFの切り替え操作を行う必要がない。
【0012】
請求項3記載の電話装置によると、発呼開始或いは発呼後に自動的にマイクからの音声にミュートがかかる為、回線からの情報が聞き取りにくいといった問題を回避できる。
【0013】
請求項4記載の電話装置によると、入力された電話番号が、記憶手段に記憶されている電話番号であり尚且つダイヤルパルスで送出する情報が付加されたものであると、その電話番号を、設定手段の設定に係らず、ダイヤルパルス信号で回線へ送出するため、ユーザが一々ダイヤルパルスかDTMFの切り替え操作を行う必要がない。
【0014】
請求項5記載の電話装置によると、発呼開始或いは発呼後に自動的にマイクからの音声にミュートがかかる為、回線からの情報が聞き取りにくいといった問題を回避できる。
【0015】
請求項6記載の電話装置によると、記憶手段に記憶されていない電話番号の入力があると、その電話番号を、設定手段の設定に係らず、DTMF信号で回線へ送出するため、ユーザが一々ダイヤルパルスかDTMFの切り替え操作を行う必要がない。
【0016】
請求項7記載の電話装置によると、発呼開始或いは発呼後に自動的にマイクからの音声にミュートがかかる為、回線からの情報が聞き取りにくいといった問題を回避できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
図1は本発明を適用してなる実施例装置(電話装置)のブロック図である。
【0018】
図1において、制御部100は電話装置内部の各回路の制御を司る。又、制御部100は、着信時に発呼側の電話番号を一時的に格納するバッファメモリ(図示せず)と所定時間の計時を行うタイマ(図示せず)とを有している。
ダイオードブリッジ110は回線Lと接続されており、回線Lの極性が反転しても装置内部の回路の電位を一定に保つ。リンガー検出部120は、回線Lに接続され、回線Lから一定周期で送られてくる周波数16ヘルツの着信信号を検出すると上記着信を示す信号を制御部100に送出する。
【0019】
網制御部130は、上記制御部100の制御の下で回線の閉結動作を行い、回線の極性反転を検出する機能も有している。又、DTMF(Dual Tone Multiple Frequency)信号や、ダイヤルパルス信号を回線へ送出する機能を有している。
ビープ音発生部140は、制御部100の制御の下で例えば2キロヘルツのビープ音を網制御部130を介して回線Lへ送出する。
【0020】
スピーカ150は、アンプ160とミュート回路170を介して制御部100と接続されており、上記リンガー検出部120により回線Lからの着信信号が検出された際に着信音を送出し、又、拡声受話を行う際には、回線Lからの音声やRBT(Ring Back Tone)をスピーカ150から出力する。
【0021】
ミュート回路170は、制御部100の制御の下で、スピーチネットワーク部180から入力した音声信号や着信音等をスピーカから送出させないようにする。スピーチネットワーク部180は、音声信号の通過するラインの接続切換を行う。
【0022】
又、スピーチネットワーク部180は、スピーカ191から入力した音声信号を回線Lへ送出しないようにするためのミュート回路を内蔵している(図示せず)。
【0023】
送受話部190のスピーカ191は、アンプ192を介して上記スピーチネットワーク部180と接続されており、回線Lから入力した発呼側の音声信号を送出する。送受話部190のマイク193は、アンプ194を介して上記スピーチネットワーク部180と接続されており、ユーザの発した音声信号をスピーチネットワーク部180へ送出する。
フック検出部200は、制御部100と接続されており、上記送受話部190のオンフック、オフフックを検出する。
発呼側番号検出部210は、スピーチネットワーク部180と制御部100とに接続されており、着信時に回線Lからの発呼側電話番号を検出する。
入力部220は、テンキーや、DTMFとダイヤルパルスとを切り換えるスイッチ等を有しており、入力部220で入力された信号は制御部100に送出される。
【0024】
電話帳メモリ230は、例えばEEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)等の書き換え自由な不揮発性メモリからなり、電話番号と発呼側の名称とを対にして複数件格納可能である。又、特定の電話番号(例えば、時報等で使用する「117」等)には、DTMF信号で電話番号を回線へ送出するように指示する情報が付加されている。更に、前記入力部のスライドスイッチで設定された、回線へ送出する信号がDTMFかダイヤルパルスかを示す情報も格納される。尚、本実施例では、例えば「117」等の特定の電話番号の入力があると、たとえスライドスイッチでの設定がダイヤルパルスとなっていてもDTMF信号を回線へ送出する構成となっている。
【0025】
用件メッセージ格納部240は、例えばEEPROMからなり、電話装置が留守録音を開始した際に回線Lから入力した発呼側の用件メッセージを格納する領域と、上記用件メッセージに対応する発呼側の電話番号を格納する領域とを有しており、上記発呼側番号検出部210が着信時に発呼側の電話番号を検出した場合には、上記用件メッセージと発呼側の電話番号とを対にして格納可能であり、これらの情報を複数件格納可能である。又、着信時に前記発呼側番号検出部210が電話番号を検出しなかった場合には、用件メッセージのみ用件メッセージ格納部240に格納される。尚、用件メッセージに対応して着信した日付、日時等を格納しても良い。
【0026】
表示部250は、上記入力部220から入力された電話番号や、上記電話帳メモリ230に格納されている電話番号及び名称等を表示することが可能である。又、上記用件メッセージ格納部240に格納されている発呼側からの用件メッセージを再生(スピーカ150から送出)している際に、上記用件メッセージ格納部240に上記発呼側のメッセージと対となって格納されている発呼側の電話番号を表示する。
【0027】
拒否番号格納部260は、例えばEEPROM等からなり、着信を拒否する相手先の電話番号が格納される。
【0028】
応答メッセージ格納部270は、例えばEEPROM等からなり、用件メッセージを格納する前に発呼側へ送出する応答メッセージ(例えば、"ただ今でかけております、発信音の後にメッセージを入れてください")を格納している。
【0029】
次に、本発明を適用してなる実施例装置の動作について以下に説明する。
【0030】
図2は本実施例装置の動作を示すフロー図である。図2のS1ステップにおいて、制御部100は、入力部220から電話番号の入力があると判定すると、S2ステップへ処理を進める。
【0031】
S2ステップでは、制御部100は、前記S1ステップで入力された電話番号が電話帳メモリ230に格納されており、尚且つその電話番号にDTMF信号で電話番号を回線へ送出するように指示する情報が付加されている場合には、S3ステップへ処理を進め、そうでなければ、S4ステップへ処理を進める。
【0032】
S3ステップでは、制御部100は、前記S1ステップで入力された電話番号をDTMF信号で回線へ送出するように網制御部130を制御する。これにより、前記S1ステップで入力された電話番号は、電話帳メモリ230に格納されている、スライドスイッチの状態に基づくDTMF信号を送出するかダイヤルパルスを送出するかの設定に係らず、DTMF信号で回線へ送出される。又、S3ステップ以降では、マイク193から入力された音声は、スピーチネットワーク部180でミュートがかけられる。こうすることにより、マイク193から入力された音声が回線へ送出されることがない。その結果、回線からの情報をユーザが聞いている最中に、マイク193から入力された周囲の騒音等により聞き取りにくいといった状況を回避することができる。
S4ステップでは、制御部100は、前記S1ステップで入力された電話番号を電話帳メモリ230に格納されている、スライドスイッチの状態に基づくDTMF信号を送出するかダイヤルパルスを送出するかの設定に基づいて回線へ送出する。
【0033】
尚、本実施例では電話帳メモリに格納されている電話番号の入力があれば、DTMF信号を回線へ送出する構成としたが、電話帳メモリに格納されていない電話番号の入力があれば、DTMF信号を回線へ送出する構成としても良い。
【0034】
又、電話帳メモリに、電話番号とダイヤルパルスで送出する情報とが対で格納し、発呼する相手先が、このダイヤルパルスで送出する情報が付加された電話番号であると、電話番号をダイヤルパルスで回線へ送出する構成としても良い。これは、相手側がDTMF信号ではなくダイヤルパルスで応答するシステムに対応させるためのものである。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】は、本発明を適用してなる実施例装置のブロック図である。
【図2】は、本発明を適用してなる実施例装置の動作を示すフロー図である。
【符号の説明】
【0036】
100 制御部
130 網制御部
180 スピーチネットワーク部
220 電話帳メモリ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話番号を記憶する記憶手段と、電話番号をDTMF信号で回線へ送出するか又はダイヤルパルスで送出するかを設定する設定手段と、入力手段と、当該入力手段から入力された電話番号が前記記憶手段に記憶されていると、前記設定手段の設定状態に係らず、入力された電話番号をDTMF信号で回線へ送出する送出手段と、を有することを特徴とする電話装置。
【請求項2】
電話番号と、当該電話番号をDTMF信号で回線へ送出するか、又はダイヤルパルスで回線へ送出するかを示す情報と、を記憶する記憶手段と、
入力手段と、当該入力手段から入力された電話番号が前記記憶手段に記憶されていると判定すると共に前記情報がDTMF信号で回線へ送出ことを示す情報であれば、前記入力手段から入力された電話番号をDTMF信号で回線へ送出する送出手段と、を有することを特徴とする電話装置。
【請求項3】
請求項1〜2に記載の電話装置であり、更にマイクとミュート回路を有し、DTMF信号送出開始又はDTMF信号送出後から、前記ミュート回路を作動させ、前記マイクから入力された音声を回線へ送出することを禁止することを特徴とする電話装置。
【請求項4】
電話番号と、当該電話番号をDTMF信号で回線へ送出するか、又はダイヤルパルスで回線へ送出するかを示す情報と、を記憶する記憶手段と、
入力手段と、当該入力手段から入力された電話番号が前記記憶手段に記憶されていると判定すると共に前記情報がダイヤルパルスで回線へ送出ことを示す情報であれば、前記入力手段から入力された電話番号をダイヤルパルスで回線へ送出する送出手段と、を有することを特徴とする電話装置。
【請求項5】
請求項4に記載の電話装置であり、更にマイクとミュート回路を有し、ダイヤルパルス信号送出開始又はダイヤルパルス送出後から、前記ミュート回路を作動させ、前記マイクから入力された音声を回線へ送出することを禁止することを特徴とする電話装置。
【請求項6】
電話番号を記憶する記憶手段と、電話番号をDTMF信号で回線へ送出するか又はダイヤルパルスで送出するかを設定する設定手段と、入力手段と、当該入力手段から入力された電話番号が前記記憶手段に記憶されていないと、前記設定手段の設定状態に係らず、入力された電話番号をDTMF信号で回線へ送出する送出手段と、を有することを特徴とする電話装置。
【請求項7】
請求項6に記載の電話装置であり、更にマイクとミュート回路を有し、DTMF信号送出開始又はDTMF信号送出後から、前記ミュート回路を作動させ、前記マイクから入力された音声を回線へ送出することを禁止することを特徴とする電話装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2008−141225(P2008−141225A)
【公開日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−315456(P2006−315456)
【出願日】平成18年11月22日(2006.11.22)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】