説明

電飾装置

【課題】任意な方向からの微弱な風でも有効に利用し、得られたねじれ振動エネルギーを電気エネルギーに変換することができ、また、受風翼の耐風力以上の強風を受けた場合は、この強風から受風翼の損傷、破壊を防止することができる簡易な構造の風力発電装置を有した電飾装置を提供する。
【解決手段】長尺状で、その長さ方向に垂直な断面がV字形状または円弧形状であり、その長手方向の一端が保持され他端が開放された状態でその凹面側が風力を受けた際にねじれ振動を生ずる受風翼11と、圧電体を備えた発電板21とから構成される発電ユニット2と、発光体14とから構成される。さらに、発電板を支持する磁性の台座部材と、土台に設けられた前記台座部材を磁力により吸着する永久磁石と、前記台座部材が前記永久磁石に対して着脱可能であるように前記台座部材に取り付けられた蝶番様部材とを具備する受風翼保護機構を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、圧電体を利用して風力から電気エネルギーを取り出し、該電気エネルギーを利用した電飾装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
電飾装置としては、太陽電池によって発生する電気エネルギーを利用して発光体を発光させる電飾装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これらの電飾装置は、種々の装飾体の電飾やイルミネーション等に使用されている。
【0004】
ところで、上述の太陽電池を利用して電気エネルギーを取り出す従来の方法では、太陽電池自体が高価であること、曇り等では必要な電力が得られない等の問題があった。
この問題を解決する方法として、風力発電と発光体を組み合わせた風力式電飾装置が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
一方、風力から電気エネルギーを取り出す方法しては、風力により羽根を有する回転部材を回転させ、この回転に伴う運動(回転)エネルギーを電気エネルギーとして取り出す電磁型発電装置や、風力によって圧電振動板を振動させ、この振動エネルギーを電気エネルギーとして取り出す圧電型発電装置(例えば、特許文献3参照)等が知られている。
【0006】
ところが、上述の圧電振動板を振動させ、この振動エネルギーを電気エネルギーとして取り出す従来の圧電型発電装置では、回転軸を用いた支持構造を有するため、構造が複雑であり、より一層の小型化を図ることが困難であった。
この問題を解決する方法として、風を受けてフレーム部材に支持された圧電振動板を屈曲運動させる板状の受風部材を用いる方法が提案されている(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
【特許文献1】特開平05−226682
【特許文献2】特開2005−025081
【特許文献3】特開平11−303726
【特許文献4】特開2001−231273
【0008】
しかしながら、風を受けてフレーム部材に支持された圧電振動板を屈曲運動させる板状の受風部材を用いる方法では、振動板の振動がフレームによって抑制されるため、発電効率が低下する問題がある。一方、このような振動板のフレームによる振動抑制を低減させるためには、フレームを大きくしなければならず、設置面積が広くなってしまうという問題が生じる。
さらに、これらの発電方式で効率良く発電できるためには、風が不規則であったり、定常流の場合にも、板状受風部の固有振動数が風下にできるカルマン渦の周期に合致するといった特殊な条件が必要である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、微弱な、しかも任意な方向からの任意の種類の風も有効に利用して電気エネルギーに変換することのできる、簡易な構造の風力発電装置を有した電飾装置を提供することにある。
【0010】
さらには、受風翼の耐風力以上の強風を受けた場合は、この強風から受風翼の損傷、破壊を防止する機構を具備している風力発電装置を有した電飾装置を提供することにある。
【0011】
即ち、本発明は、任意の方向からの風に対しても微風力でねじれ振動を生じさせ、このねじれ振動のエネルギーを電気エネルギーに変換し、発光ダイオード(LED)や有機電界発光素子(有機EL素子)等の発光体を発光させることを可能とする簡易な小規模風力発電装置を有した電飾装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、下記の方法を見出し、本発明を完成した。
先ず本発明者は、長尺状で、その長さ方向に垂直な断面がV字形状または円弧形状であり、その長手方向の一端が保持され他端が開放された状態でその凹面側が風力を受けた際にねじれ振動を生ずることのできる受風翼を設けることによって、如何なる方向から来る風に対しても風のエネルギーを効率的にねじれ振動に変換することができることを見出した。
【0013】
そして、さらに、受風翼に連結している発電板が取り付けられている磁性台座部材と、土台上に設けられた永久磁石とを蝶番様部材で連結することによって、風力が永久磁石の吸着保持力よりも大きくなると、自然に台座部材と永久磁石とが離れて蝶番様部材が開き受風翼が傾斜して保持されるので、受ける風力が小さくなり受風翼が保護されることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
本発明の電飾装置は、風力によって得られたねじれ振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電ユニットと、該電気エネルギーによって発光する発光体とから構成される。
発電ユニットは、風力を振動エネルギーに変換する受風翼と、該振動エネルギーを電気エネルギーに変換する圧電体を備えた発電板とから構成される。
【0015】
すなわち、本発明は、風力で得られたねじれ振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電ユニットと発光体とからなることを特徴とする電飾装置(請求項1)であり、その発電ユニットが、長尺状で、その長さ方向に垂直な断面がV字形状または円弧形状であり、その長手方向の一端が保持され他端が開放された状態でその凹面側が風力を受けた際にねじれ振動を生ずる受風翼と、圧電体を備えた発電板とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の電飾装置である(請求項2)。
さらに、発電ユニットを複数個、放射線状に、受風翼の自由端を下方に向けて配置することにより、任意の方向からの風に対して前記受風翼のねじれ振動が前記発電板に伝えられて前記発電板が振動することにより、前記圧電体に発生する電力で発光体を発光させることを特徴とする請求項1、及び請求項2に記載の電飾装置である(請求項3)。
また、発電板を支持する磁性の台座部材と、土台に設けられた前記台座部材を磁力により吸着する永久磁石と、前記台座部材が前記永久磁石に対して着脱可能であるように前記台座部材に取り付けられた蝶番様部材とを具備する受風翼保護機構を有することを特徴とする請求項1、請求項2、及び請求項3に記載の電飾装置である(請求項4)。
そして、整流回路、電力貯蔵体、照度センサー回路を具備し、ねじれ振動により前記発電板で得られる電力を整流回路で整流して電力貯蔵体に蓄積し、日没を照度センサー回路で感知し、夜間に発光することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、及び請求項4に記載の電飾装置であり(請求項5)、太陽電池を具備し、日中は、太陽電池から得られる電力も電力貯蔵体に溜め、夜間発光することを特徴とする請求項5に記載の電飾装置である(請求項6)。
【0016】
受風翼の好ましい形状としては、固定端側の幅が開放端側の幅よりも狭くなっている形状や、固定端と開放端の幅が長さ方向中央部の幅よりも狭くなっている形状が挙げられ、小さな風力でねじれ振動を生じさせることができる。また、受風翼の幅が一定の形状の場合には、その幅をD、長さをLとした場合に、L/D≧5の関係を満たせば、ねじれ振動が生じやすくなる。また、放射状に配置される各受風翼は、その折り曲げ線が放射状配置軸の中心から−10°〜30°外側に向けて配置されることが望ましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、受風翼にねじれ振動を生じさせて発電させ、発光させる風力発電発光電飾装置において、如何なる方向から来る風に対しても、複数の受風翼のうちのいずれかの受風翼が風を受けてねじれ振動を生じて、該ねじれ振動エネルギーを電気エネルギーへ変換することができ、該電気エネルギーで発光体を発光させるという機能を小規模容易に実現できるという効果が得られる。
【0018】
さらに、受風翼の耐風力以上の強風を受けた場合は、この強風から受風翼の損傷、破壊を防止することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1に電飾装置10の概略構造を平面図(a)と側面図(b)と斜視図(c)を示す。
この電飾装置10は、受風翼11と、発電板21と、受風翼11を発電板21に取り付けるための支持部材13とからなる発電ユニット2と、発光体14とを複数有しているものである。
図1のように、上記発電ユニット2を複数個放射状に下方に向けて配置する。発電ユニットの数は図1のように4個でも良いし、3個でも良いが、あらゆる角度からの風で発電発光するためには、好ましくは4個以上であることが望ましい。また、発光体としての例えば発光ダイオードの形状または、個数、設置位置は任意に設定することができる。また、イルミネーション効果を高めるために、受風翼11にフォログラムフィルム等を貼って反射機能を持たせることも効果的である。
【0020】
また、発電ユニット2と発光体14との結線も任意に設定することができる。各発電ユニット2と各発光体14を個別に結線すること、あるいは各発電ユニット2の出力を整流回路91で整流した後に並列とし、その電力を全発光体14に共通に供給する結線も可能である。また、整流回路91を用いずに発光体14を極性を逆に並列とした回路と結線することもできる。この場合、発光体14の点滅が多くなりイルミネーション効果を高めることができる。
【0021】
図2に受風翼11の斜視図を示す。受風翼11は長尺状をなし、その幅方向で一定角度θ(以下「内角θ」という)に二つ折りされた断面略V字型の形状を有している。また、受風翼11は、後述する‘ねじれ振動’を微弱風でも生じさせることができるように、その幅を長さ方向で変化させた形状を有している。
受風翼11にはバネ性を有する金属材料または樹脂材料が好適に用いられる。受風翼11は、薄板を用いて構成する場合には、その材料となる薄板を折り曲げ加工することにより作製することができ、一方、このような折り曲げ加工を用いることができない場合において、金属材料を用いる場合には鋳造や接合(溶接)を、樹脂材料を用いる場合には射出成形や押出成形等を用いて作製することができる。
なお、受風翼11の長手方向をZ方向、発電板21の主面と平行な方向をX方向、発電板21の主面と直交する方向をY方向としている。
【0022】
次に、発電ユニット2の動作について説明する。最初に、受風翼11と発電板21の変位(振動)の態様について説明する。図3(a)に受風翼11に生じるねじれ振動の態様を、図3(b)に発電板21に生じるねじれ振動の態様を、それぞれ模式的に示す。受風翼11の内角θ側の面(凹面)が風を受けると、受けた風を逃がそうとして受風翼11に‘ねじれ振動’が生じ、このねじれ振動が支持部材13を介して発電板21に伝えられ、発電板21にもねじれ振動が生じる。
【0023】
つまり、受風翼11の開放端における折り曲げ部をP点とすると、受風翼11が静止している状態ではP点はX軸とY軸の交点に位置している。受風翼11の内角θ側の面がX方向からの風を受けると、受風翼11は受けた風を逃がそうとし、受けた風が逃げると元の姿勢に戻ろうとし、このとき受風翼11は慣性を有しているので、受風翼11には、図3(a)に示す点線間での変位、すなわち、受風翼11の開放端側のP点が、風下側でY方向にずれたP1点とP2点との間をX軸とY軸の交点を通って往復しながら回動する振動が生じる。このとき、受風翼11の支持部材13側の端面の変位量は、発電板21と支持部材13による拘束によって、開放端の変位量よりは小さくなるので、受風翼11にはねじれが生ずることとなる。なお、P1点とP2点の位置は風向きや風速によって変化する。
【0024】
受風翼11の形状がX軸を含む平面について対称であると、実験上、安定したねじれ振動を生じさせることができる。このとき、P1点側とP2点側のそれぞれの振動振幅はほぼ等しくなっていると考えられる。受風翼11の長さ、幅、内角θは、このねじれ振動を発生させることができる限りおいて制限されない。受風翼11の内角θは45°〜135°の間に設定することが好ましく、90°近傍とすることがより好ましい。内角θが45°より小さいと風を受ける力が小さくなってねじれ振動が生じ難くなり、一方、135°より大きいと受風翼11が風下側へ倒されやすくなる。
【0025】
受風翼11にこのようなねじれ振動が発生すると、このねじれ振動が支持部材13によって発電板21に伝えられ、発電板21にも、発電板21の受風翼11側の端面が、図3(b)に示す点線間で変位するような‘ねじれ振動’が発生し、圧電板21b、21c(図9及び図10参照)が発電する。なお、図3(b)では発電板21の構造を簡略化して示している。圧電板21b、21c(図9及び図10参照)から取り出される電流は交流電流なので、LEDの場合は2個を極性を逆にして並列に接続するか、整流回路を通してこれを直流電流に変換してLEDに供給することが好ましい。
【0026】
発電板21としては、いわゆる、圧電バイモルフや圧電ユニモルフ等の屈曲変位型の圧電体を用いることができる。
【0027】
続いて、発電ユニット2における受風翼11の破壊回避動作について説明する。図10に発電ユニット2に破壊回避動作を行う受風翼保護機構35を装備した場合の例を示す。発電ユニット2では、風速が大きくなって、永久磁石32が台座部材31を吸着保持する力よりも受風翼11が受ける風力が大きくなると、自然に台座部材31と永久磁石32とが離れて蝶番様部材33が開く。これにより受風翼11と発電板21と支持部材13(以下、「受風翼11等」という)が一体的に傾斜して保持され、受風翼11が受ける風力が小さくなる。台座部材31が永久磁石32から離れる条件は、風速、受風翼11の形状、永久磁石32の磁力の強さに大きく支配されるので、逆に、これらのパラメータを適切に定めることにより、受風翼11等の傾倒条件を定めることができる。
【0028】
こうして、受風翼11等の破壊を回避することができるが、受風翼11等が傾倒した状態においても、受風翼11にねじれ振動を発生させて発電を行うことができるように、受風翼11等を保持する角度ηを設定することが好ましい。例えば、この角度ηの設定は、蝶番様部材33の開閉角度をその機械的構造によって制限することにより、行うことができる。
風速が小さくなると、バネ部材34が台座部材31を永久磁石32側に引き戻そうとする。台座部材31が永久磁石32に徐々に近づくと、ある位置で急激に台座部材31は永久磁石32に吸い寄せられるため、バネ部材34はその位置まで台座部材31を移動させるだけのバネ定数を有していればよい。こうして、風速が小さくなると、受風翼11等は元の姿勢に復帰する。
【0029】
なお、図11のように受風翼11等が吊り下げられて配置されている場合は、強風により台座部材31が永久磁石32から離れて受風翼11等が傾倒しても、風が弱まれば受風翼11等は重力の作用により自然に元の姿勢に復帰することができるので、バネ部材34は受風翼保護機構35に必ずしも必要とされない。
【0030】
次に、電力貯蔵体95を有する電飾装置について説明する。図4(a)に電力貯蔵体95を有する集電回路90の概略構造を示す。この集電回路90は、整流回路91、電力貯蔵体95、照度センサー回路100を具備し、この電力貯蔵体95に発電ユニット2からの発電電力を蓄電し、CdSなどを用いた照度センサー回路100を用いて、日没を感知し、夜間にのみ効率的に蓄電された電力と、新規に発電される電力を用いて発光することを可能とする。
尚、照度センサー回路100は、光を感知して回路の開閉を制御するものである。
【0031】
発光方法としては、連続発光する方法だけでなく、点滅回路を用いて点滅し、警告効果やイルミネーション効果を挙げることもできる。
また、赤、青、白等の複数の色の発光体をそれぞれ複数組み合わせたり、さらに発光体14の点灯および消灯のタイミングをずらすことによって、より効果的なイルミネーション効果を挙げることもできる。
【0032】
次に、太陽電池101も併用する電飾装置について説明する。図4(b)に前記の電力貯蔵体95を備えた発電ユニット2において、太陽電池101を具備した集積回路90の概略構造を示す。この集積回路90では、電力貯蔵体95は、発電ユニット2からの発電電力と、太陽電池101で発電される電力とを蓄電し、照度センサー回路100を用いて、夜間にのみ、蓄電された電力と、新規に発電される電力を用いて発光することを可能とする。照度センサー回路100として太陽電池101自身を用いることもできる。
【0033】
次に、発電ユニット集合体を連結した電飾装置について説明する。
この場合の概略構造を図5に示す。発電ユニット集合体は、受風翼11、発電板21、支持部材13、とからなる発電ユニット2を複数個、放射線状に下方に向けて配置する構成になっているものを一単位として、これを複数単位で連結したしたものである。この発電ユニット集合体と複数の発光体14とから構成されるのが、発電ユニット集合体を連結した電飾装置である。尚、発光体14は適宜必要な箇所に必要な個数だけ発電ユニット集合体に装備される。
【0034】
一方、発電ユニット集合体を屋外に設置し、発光体14を発電ユニット集合体から離れた屋外の場所や屋内に設置して使用することもできる。この場合、前述した電力貯蔵体95や太陽電池101を併用すれば、日中のみならず夜間にも使用することができる。
【0035】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこのような形態に限定されるものではない。例えば、上記説明においては、受風翼11としてその一翼が台形のものを示したが、受風翼11の形状はこれに限定されるものではない。図6の斜視図に示す受風翼11aのように、両端部よりも中央部の幅が広くなっている形状のものもまた、微弱風でもねじれ振動が生じることから、好適に用いられる。また、図7の斜視図に示す受風翼11bのように、長尺状でその長さ方向に垂直な断面の形状が円弧状のものを用いることもできる。受風翼11bを用いて前述の電飾装置と同様の構成とした場合にも、発電板21の主面が、受風翼11bの幅方向の両端面を含む平面に直交する方向、すなわち、受風翼11bの弧形状の断面の中心を通り、その弧の法線方向と平行な構造とすることが好ましい。さらに、図8に示す受風翼11cのように、幅Dが一定で、長さがLであるものでは、L/D≧5の関係を満たせばねじれ振動が生じやすくなり、実用に供することができる。
【0036】
本発明の電飾装置では、支持部材13と発電板21を用いず、受風翼11等を直接に台座部材31に取り付けて、受風翼11等の表面(内角θ側でも、その反対側でもよい)に圧電板21b、21cを貼り付けた構造としてもよい。
【0037】
以上説明したように、本発明の風力によるねじれ振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電ユニット2と発光体14から構成される電飾装置10は、自然のエネルギーを活用でき、しかも安価で簡易な構造であるという点で、従来の風力発電による電磁型の発電方法による電飾や太陽電池による電飾よりも優れている。
【産業上の利用可能性】
【0038】
本発明により、安価な設置費用と維持費用で種々の装飾体の電飾やイルミネーション等に用いることが容易となる。
尚、本発明の電飾装置の実施形態の一例を図11と図12に示す。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る電飾装置の一例を示す概略構造の平面図、側面図と斜視図である。
【図2】受風翼の斜視図である。
【図3】受風翼と発電板のねじれ振動の態様を模式的に示す図である。
【図4】電力貯蔵体、太陽電池を組合わせた電飾装置の態様を模式的に示す図である。
【図5】電飾装置を複数集合させた概略構造を示す図である。
【図6】別の受風翼を示す斜視図である。
【図7】さらに別の受風翼を示す斜視図である。
【図8】さらに別の受風翼を示す斜視図である。
【図9】本発明に係る発電ユニットの一例を示す概略構造の正面図と側面図である。
【図10】本発明に係る発電ユニットの別の一例を示す概略構造の正面図と側面図である。
【図11】本発明に係る電飾装置の使用の一例を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る電飾装置の使用の別の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0040】
2…発電ユニット
10…電飾装置
11、11a、11b、11c…受風翼
13…支持部材
14…発光体
21…発電板
21a…補強板
21b、21c…圧電板
31…台座部材
32…永久磁石
33…蝶番様部材
34…バネ部材
35…受風翼保護機構
41…土台
90…集電回路
91…整流回路
92…負荷
93…充放電回路
94…ダイオード
95…電力貯蔵体
100…照度センサー回路
101…太陽電池




【特許請求の範囲】
【請求項1】
風力で得られたねじれ振動エネルギーを電気エネルギーに変換する発電ユニットと発光体とからなることを特徴とする電飾装置。
【請求項2】
発電ユニットが、長尺状で、その長さ方向に垂直な断面がV字形状または円弧形状であり、その長手方向の一端が保持され他端が開放された状態でその凹面側が風力を受けた際にねじれ振動を生ずる受風翼と、圧電体を備えた発電板とから構成されることを特徴とする請求項1に記載の電飾装置。
【請求項3】
発電ユニットを複数個、放射線状に、受風翼の自由端を下方に向けて配置することにより、任意の方向からの風に対して前記受風翼のねじれ振動が前記発電板に伝えられて前記発電板が振動することにより、前記圧電体に発生する電力で発光体を発光させることを特徴とする請求項1、及び請求項2に記載の電飾装置。
【請求項4】
発電板を支持する磁性の台座部材と、土台に設けられた前記台座部材を磁力により吸着する永久磁石と、前記台座部材が前記永久磁石に対して着脱可能であるように前記台座部材に取り付けられた蝶番様部材とを具備する受風翼保護機構を有することを特徴とする請求項1、請求項2、及び請求項3に記載の電飾装置。
【請求項5】
整流回路、電力貯蔵体、照度センサーを具備し、ねじれ振動により前記発電板で得られる電力を整流回路で整流して電力貯蔵体に蓄積し、日没を照度センサーで感知し、夜間に発光することを特徴とする請求項1、請求項2、請求項3、及び請求項4に記載の電飾装置。
【請求項6】
太陽電池を具備し、日中は、太陽電池から得られる電力も電力貯蔵体に溜め、夜間発光することを特徴とする請求項5に記載の電飾装置。





【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−56809(P2007−56809A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−244661(P2005−244661)
【出願日】平成17年8月25日(2005.8.25)
【出願人】(000000240)太平洋セメント株式会社 (1,449)
【Fターム(参考)】