説明

露光装置、露光方法、及び表示用パネル基板の製造方法

【課題】複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する際、空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきによる光ビームの回折光の強度分布のばらつきを補正して、描画品質を向上させる。
【解決手段】各光ビーム照射装置20の照射光学系20bより前の光ビームの光路内に補正用ミラー53を設け、各光ビーム照射装置20に補正用ミラー53の角度を調節する調節手段を設け、各光ビーム照射装置20の空間的光変調器のミラー25aの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置20の調節手段により各光ビーム照射装置20の補正用ミラー53の角度を調節して、各光ビーム照射装置20の照射光学系20bへ入射する光ビームの光路を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造において、フォトレジストが塗布された基板へ光ビームを照射し、光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置、露光方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に係り、特に複数の光ビーム照射装置を用い、複数の光ビームにより基板の走査を行う露光装置、露光方法、及びそれらを用いた表示用パネル基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
表示用パネルとして用いられる液晶ディスプレイ装置のTFT(Thin Film Transistor)基板やカラーフィルタ基板、プラズマディスプレイパネル用基板、有機EL(Electroluminescence)表示パネル用基板等の製造は、露光装置を用いて、フォトリソグラフィー技術により基板上にパターンを形成して行われる。露光装置としては、従来、レンズ又は鏡を用いてマスクのパターンを基板上に投影するプロジェクション方式と、マスクと基板との間に微小な間隙(プロキシミティギャップ)を設けてマスクのパターンを基板へ転写するプロキシミティ方式とがあった。
【0003】
近年、フォトレジストが塗布された基板へ光ビームを照射し、光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置が開発されている。光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを直接描画するため、高価なマスクが不要となる。また、描画データ及び走査のプログラムを変更することにより、様々な種類の表示用パネル基板に対応することができる。この様な露光装置として、例えば、特許文献1、特許文献2、及び特許文献3に記載のものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−44318号公報
【特許文献2】特開2010−60990号公報
【特許文献3】特開2010−102084号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
光ビームにより基板にパターンを描画する際、光ビームの変調には、DMD(Digital Micromirror Device)等の空間的光変調器が用いられる。DMDは、光ビームを反射する複数の微小なミラーを直交する二方向に配列して構成され、駆動回路が描画データに基づいて各ミラーの角度を変更することにより、光源から供給された光ビームを変調する。空間的光変調器により変調された光ビームは、光ビーム照射装置の投影レンズを含む照射光学系から基板へ照射される。
【0006】
液晶ディスプレイ装置等の表示用パネル基板の製造においては、露光領域が広いため、1つの光ビーム照射装置を用い、一本の光ビームにより基板全体を走査すると、基板全体の走査に時間が掛かり、タクトタイムが長くなる。タクトタイムを短縮するためには、複数の光ビーム照射装置を用い、複数の光ビームにより基板の走査を並行して行う必要がある。
【0007】
DMDのミラーの動作角度には、DMD毎に公差によるばらつきがある。DMDのミラーの動作角度が異なると、光ビーム照射装置内で投影レンズ等の照射光学系を透過する光ビームの光路がずれ、光ビームの回折光の強度分布が変化する。複数の光ビーム照射装置を用い、複数の光ビームにより基板の走査を行う場合、各光ビーム照射装置から基板へ照射される光ビームの回折光の強度分布にばらつきがあると、解像性能のばらつきとなり、パターンの描画が均一に行われず、描画品質が低下するという問題がある。
【0008】
本発明の課題は、複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する際、空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきによる光ビームの回折光の強度分布のばらつきを補正して、描画品質を向上させることである。また、本発明の課題は、高品質な表示用パネル基板を製造することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の露光装置は、フォトレジストが塗布された基板を支持するチャックと、二方向に配列した複数のミラーの角度を変更して光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を有する複数の光ビーム照射装置と、チャックと複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動する移動手段とを備え、移動手段によりチャックと複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動し、複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置であって、各光ビーム照射装置が、照射光学系より前の光ビームの光路内に設けられた補正用ミラーと、補正用ミラーの角度を調節する調節手段とを有し、各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の調節手段により各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度が調節されて、各光ビーム照射装置の照射光学系へ入射する光ビームの光路が補正されたものである。
【0010】
また、本発明の露光方法は、フォトレジストが塗布された基板をチャックで支持し、チャックと、二方向に配列した複数のミラーの角度を変更して光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を有する複数の光ビーム照射装置とを、相対的に移動し、複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光方法であって、各光ビーム照射装置の照射光学系より前の光ビームの光路内に補正用ミラーを設け、各光ビーム照射装置に補正用ミラーの角度を調節する調節手段を設け、各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の調節手段により各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度を調節して、各光ビーム照射装置の照射光学系へ入射する光ビームの光路を補正するものである。
【0011】
各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の調節手段により各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度を調節して、各光ビーム照射装置の照射光学系へ入射する光ビームの光路を補正するので、各光ビーム照射装置内において、投影レンズ等の照射光学系を透過する光ビームの光路が同じになる。従って、空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきによる光ビームの回折光の強度分布のばらつきが補正され、描画品質が向上する。
【0012】
さらに、本発明の露光装置は、調節手段が、補正用ミラーを支持する支持板と、支持板の角度を調節する調節ねじとを有し、各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布に応じて、調節ねじにより支持板の角度が調節されるものである。
【0013】
また、本発明の露光方法は、調節手段として、補正用ミラーを支持する支持板と、支持板の角度を調節する調節ねじとを設け、各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布に応じて、調節ねじにより支持板の角度を調節するものである。
【0014】
各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布に応じて、調節ねじにより支持板の角度を調節するので、簡単な構成で、各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度が調節される。
【0015】
あるいは、本発明の露光装置は、調節手段が、補正用ミラーの角度を調節するピエゾ素子と、ピエゾ素子を駆動するピエゾ素子駆動回路とを有し、各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布を検出し、検出結果に応じて、ピエゾ素子駆動回路を制御する手段を備えたものである。
【0016】
また、本発明の露光方法は、調節手段として、補正用ミラーの角度を調節するピエゾ素子と、ピエゾ素子を駆動するピエゾ素子駆動回路とを設け、各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布を検出し、検出結果に応じて、ピエゾ素子駆動回路を制御するものである。
【0017】
各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布を検出し、検出結果に応じて、ピエゾ素子駆動回路を制御するので、各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度が自動的に調節される。
【0018】
本発明の表示用パネル基板の製造方法は、上記のいずれかの露光装置又は露光方法を用いて基板の露光を行うものである。上記の露光装置又は露光方法を用いることにより、空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきによる光ビームの回折光の強度分布のばらつきが補正され、描画品質が向上するので、高品質な表示用パネル基板が製造される。
【発明の効果】
【0019】
本発明の露光装置及び露光方法によれば、各光ビーム照射装置の照射光学系より前の光ビームの光路内に補正用ミラーを設け、各光ビーム照射装置に補正用ミラーの角度を調節する調節手段を設け、各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の調節手段により各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度を調節して、各光ビーム照射装置の照射光学系へ入射する光ビームの光路を補正することにより、空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきによる光ビームの回折光の強度分布のばらつきを補正して、描画品質を向上させることができる。
【0020】
さらに、本発明の露光装置及び露光方法によれば、調節手段として、補正用ミラーを支持する支持板と、支持板の角度を調節する調節ねじとを設け、各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布に応じて、調節ねじにより支持板の角度を調節することにより、簡単な構成で、各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度を調節することができる。
【0021】
あるいは、本発明の露光装置及び露光方法によれば、調節手段として、補正用ミラーの角度を調節するピエゾ素子と、ピエゾ素子を駆動するピエゾ素子駆動回路とを設け、各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布を検出し、検出結果に応じて、ピエゾ素子駆動回路を制御することにより、各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度を自動的に調節することができる。
【0022】
本発明の表示用パネル基板の製造方法によれば、空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきによる光ビームの回折光の強度分布のばらつきを補正して、描画品質を向上させることができるので、高品質な表示用パネル基板を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態による露光装置の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の一実施の形態による露光装置の側面図である。
【図3】本発明の一実施の形態による露光装置の正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態による露光装置の光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。
【図5】DMDのミラー部の一例を示す図である。
【図6】レーザー測長系の動作を説明する図である。
【図7】描画制御部の概略構成を示す図である。
【図8】本発明の一実施の形態による露光方法を説明する図である。
【図9】図9(a)はミラーホルダの側面図、図9(b)はミラーホルダの背面図である。
【図10】補正用ミラーの動作を説明する図である。
【図11】補正用ミラーの角度を調節する際のDMDのミラーの動作状態の一例を示す図である。
【図12】CCDカメラで撮影した回折像の例を示す図である。
【図13】本発明の他の実施の形態による露光方法を説明する図である。
【図14】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図15】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図16】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図17】光ビームによる基板の走査を説明する図である。
【図18】液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【図19】液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1は、本発明の一実施の形態による露光装置の概略構成を示す図である。また、図2は本発明の一実施の形態による露光装置の側面図、図3は本発明の一実施の形態による露光装置の正面図である。露光装置は、ベース3、Xガイド4、Xステージ5、Yガイド6、Yステージ7、θステージ8、チャック10、ゲート11、光ビーム照射装置20、リニアスケール31,33、エンコーダ32,34、レーザー測長系、レーザー測長系制御装置40、ステージ駆動回路60、及び主制御装置70を含んで構成されている。なお、図2及び図3では、レーザー測長系のレーザー光源41、レーザー測長系制御装置40、ステージ駆動回路60、及び主制御装置70が省略されている。露光装置は、これらの他に、基板1をチャック10へ搬入し、また基板1をチャック10から搬出する基板搬送ロボット、装置内の温度管理を行う温度制御ユニット等を備えている。
【0025】
なお、以下に説明する実施の形態におけるXY方向は例示であって、X方向とY方向とを入れ替えてもよい。
【0026】
図1及び図2において、チャック10は、基板1の受け渡しを行う受け渡し位置にある。受け渡し位置において、図示しない基板搬送ロボットにより基板1がチャック10へ搬入され、また図示しない基板搬送ロボットにより基板1がチャック10から搬出される。チャック10は、基板1の裏面を真空吸着して支持する。基板1の表面には、フォトレジストが塗布されている。
【0027】
基板1の露光を行う露光位置の上空に、ベース3をまたいでゲート11が設けられている。ゲート11には、複数の光ビーム照射装置20が搭載されている。なお、本実施の形態は、8つの光ビーム照射装置20を用いた露光装置の例を示しているが、光ビーム照射装置の数はこれに限らず、本発明は2つ以上の光ビーム照射装置を用いた露光装置に適用される。
【0028】
図4は、本発明の一実施の形態による露光装置の光ビーム照射装置の概略構成を示す図である。光ビーム照射装置20は、光ファイバー22、コンデンサレンズ23a、フライアイレンズ23b、ミラー24、DMD(Digital Micromirror Device)25、投影レンズ26、DMD駆動回路27、第1プリズム51、第2プリズム52、補正用ミラー53、及びミラーホルダ54を含んで構成されている。光ファイバー22は、レーザー光源ユニット21から発生された紫外光の光ビームを、光ビーム照射装置20内へ導入する。光ファイバー22から射出された光ビームは、コンデンサレンズ23aにより集光されて、フライアイレンズ23bへ入射する。なお、フライアイレンズ23bの代わりにロッドレンズ等を用いてもよい。
【0029】
フライアイレンズ23bから射出された光ビームは、ミラー24を介して、第1プリズム51へ入射し、第1プリズム51の斜面で反射されて、第1プリズム51から補正用ミラー53へ照射される。補正用ミラー53は、ミラーホルダ54により、DMD25のオン状態のミラーの角度と同じ角度に支持されており、後述する様に、DMD25のミラーの動作角度のばらつきに応じて、ミラーホルダ54によりその角度が調節される。補正用ミラー53で反射された光ビームは、再び第1プリズム51へ入射し、第1プリズム51及び第2プリズム52を透過して、DMD25へ照射される。
【0030】
DMD25は、光ビームを反射する複数の微小なミラーを直交する二方向に配列して構成された空間的光変調器であり、各ミラーの角度を変更して光ビームを変調する。DMD駆動回路27は、主制御装置70から供給された描画データに基づいて、DMD25の各ミラーの角度を変更する。DMD25により変調された光ビームは、再び第2プリズム52へ入射し、第2プリズム52の斜面で反射されて、第2プリズム52から投影レンズ26を含む照射光学系20bへ入射する。照射光学系20bへ入射した光ビームは、照射光学系20bから基板1へ照射される。
【0031】
図2及び図3において、チャック10は、θステージ8に搭載されており、θステージ8の下にはYステージ7及びXステージ5が設けられている。Xステージ5は、ベース3に設けられたXガイド4に搭載され、Xガイド4に沿ってX方向へ移動する。Yステージ7は、Xステージ5に設けられたYガイド6に搭載され、Yガイド6に沿ってY方向へ移動する。θステージ8は、Yステージ7に搭載され、θ方向へ回転する。Xステージ5、Yステージ7、及びθステージ8には、ボールねじ及びモータや、リニアモータ等の図示しない駆動機構が設けられており、各駆動機構は、図1のステージ駆動回路60により駆動される。
【0032】
θステージ8のθ方向への回転により、チャック10に搭載された基板1は、直交する二辺がX方向及びY方向へ向く様に回転される。Xステージ5のX方向への移動により、チャック10は、受け渡し位置と露光位置との間を移動される。露光位置において、Xステージ5のX方向への移動により、各光ビーム照射装置20の照射光学系20bから照射された光ビームが、基板1をX方向へ走査する。また、Yステージ7のY方向への移動により、各光ビーム照射装置20の照射光学系20bから照射された光ビームによる基板1の走査領域が、Y方向へ移動される。図1において、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、θステージ8のθ方向へ回転、Xステージ5のX方向への移動、及びYステージ7のY方向への移動を行う。
【0033】
図5は、DMDのミラー部の一例を示す図である。光ビーム照射装置20のDMD25は、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査方向(X方向(図5の図面奥行き方向))と垂直なZ方向に対して、所定の角度θだけ傾いて配置されている。DMD25を、Z方向に対して傾けて配置すると、直交する二方向に配列された複数のミラー25aのいずれかが、隣接するミラー25a間の隙間に対応する箇所をカバーするので、パターンの描画を隙間無く行うことができる。
【0034】
なお、本実施の形態では、Xステージ5によりチャック10をX方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査を行っているが、光ビーム照射装置20を移動することにより、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査を行ってもよい。また、本実施の形態では、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動することによって、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査領域を変更しているが、光ビーム照射装置20を移動することにより、光ビーム照射装置20からの光ビームによる基板1の走査領域を変更してもよい。
【0035】
図1及び図2において、ベース3には、X方向へ伸びるリニアスケール31が設置されている。リニアスケール31には、Xステージ5のX方向への移動量を検出するための目盛が付けられている。また、Xステージ5には、Y方向へ伸びるリニアスケール33が設置されている。リニアスケール33には、Yステージ7のY方向への移動量を検出するための目盛が付けられている。
【0036】
図1及び図3において、Xステージ5の一側面には、リニアスケール31に対向して、エンコーダ32が取り付けられている。エンコーダ32は、リニアスケール31の目盛を検出して、パルス信号を主制御装置70へ出力する。また、図1及び図2において、Yステージ7の一側面には、リニアスケール33に対向して、エンコーダ34が取り付けられている。エンコーダ34は、リニアスケール33の目盛を検出して、パルス信号を主制御装置70へ出力する。主制御装置70は、エンコーダ32のパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量を検出し、エンコーダ34のパルス信号をカウントして、Yステージ7のY方向への移動量を検出する。
【0037】
図6は、レーザー測長系の動作を説明する図である。なお、図6においては、図1に示したゲート11、及び光ビーム照射装置20が省略されている。レーザー測長系は、公知のレーザー干渉式の測長系であって、レーザー光源41、レーザー干渉計42,44、及びバーミラー43,45を含んで構成されている。バーミラー43は、チャック10のY方向へ伸びる一側面に取り付けられている。また、バーミラー45は、チャック10のX方向へ伸びる一側面に取り付けられている。
【0038】
レーザー干渉計42は、レーザー光源41からのレーザー光をバーミラー43へ照射し、バーミラー43により反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー43により反射されたレーザー光との干渉を測定する。この測定は、Y方向の2箇所で行う。レーザー測長系制御装置40は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計42の測定結果から、チャック10のX方向の位置及び回転を検出する。
【0039】
一方、レーザー干渉計44は、レーザー光源41からのレーザー光をバーミラー45へ照射し、バーミラー45により反射されたレーザー光を受光して、レーザー光源41からのレーザー光とバーミラー45により反射されたレーザー光との干渉を測定する。レーザー測長系制御装置40は、主制御装置70の制御により、レーザー干渉計44の測定結果から、チャック10のY方向の位置を検出する。
【0040】
図4において、主制御装置70は、光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ描画データを供給する描画制御部を有する。図7は、描画制御部の概略構成を示す図である。描画制御部71は、メモリ72、バンド幅設定部73、中心点座標決定部74、及び座標決定部75を含んで構成されている。メモリ72は、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する描画データを、そのXY座標をアドレスとして記憶している。また、メモリ72は、後述する補正用ミラー53の角度調節用の描画データを記憶している。
【0041】
バンド幅設定部73は、メモリ72から読み出す描画データのY座標の範囲を決定することにより、光ビーム照射装置20の照射光学系20bから照射される光ビームのY方向のバンド幅を設定する。
【0042】
レーザー測長系制御装置40は、露光位置における基板1の露光を開始する前のチャック10のXY方向の位置を検出する。中心点座標決定部74は、レーザー測長系制御装置40が検出したチャック10のXY方向の位置から、基板1の露光を開始する前のチャック10の中心点のXY座標を決定する。図1において、光ビーム照射装置20からの光ビームにより基板1の走査を行う際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Xステージ5によりチャック10をX方向へ移動させる。基板1の走査領域を移動する際、主制御装置70は、ステージ駆動回路60を制御して、Yステージ7によりチャック10をY方向へ移動させる。図7において、中心点座標決定部74は、エンコーダ32,34からのパルス信号をカウントして、Xステージ5のX方向への移動量及びYステージ7のY方向への移動量を検出し、チャック10の中心点のXY座標を決定する。
【0043】
座標決定部75は、中心点座標決定部74が決定したチャック10の中心点のXY座標に基づき、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する描画データのXY座標を決定する。メモリ72は、座標決定部75が決定したXY座標をアドレスとして入力し、入力したXY座標のアドレスに記憶された描画データを、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ出力する。
【0044】
以下、本発明の一実施の形態による露光方法について説明する。図5において、DMD25の各ミラー25aは、正方形で、その対角線の1つを軸として回転することにより、各ミラー25aの角度が変更される。DMD25のミラー25aの動作角度は、例えば±12度であっても、DMD毎に公差によるばらつきがある。DMD25のミラー25aの動作角度が異なると、図4において、光ビーム照射装置20内で投影レンズ26を含む照射光学系20bを透過する光ビームの光路がずれ、光ビームの回折光の強度分布が変化する。複数の光ビーム照射装置20を用い、複数の光ビームにより基板1の走査を行う場合、各光ビーム照射装置20から基板1へ照射される光ビームの回折光の強度分布にばらつきがあると、パターンの描画が均一に行われず、描画品質が低下する。
【0045】
図8は、本発明の一実施の形態による露光方法を説明する図である。本実施の形態では、各光ビーム照射装置20から照射された光ビームの回折光の強度分布の観察結果から、各光ビーム照射装置20のDMD25のミラー25aの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置20の補正用ミラー53の角度を調節して、各光ビーム照射装置20の照射光学系20bへ入射する光ビームの光路を補正する。
【0046】
補正用ミラー53の角度を調節する際は、図8に示す様に、フライアイレンズ23bとミラー24の間に、開口絞り23cを設置する。これは、入射開口数NAiを小さくすることで、照明σ(=入射開口数NAi/出射開口数NAo)を小さくし、光ビームの回折像を鮮明に得るためである。開口絞り23cは、フライアイレンズ23bを透過した光ビームの内、光軸上の光のみを通過させる。照射光学系20bの投影レンズ26の瞳位置には、瞳回折像を観察するため、すりガラズ等の半透明板23dを設置する。そして、投影レンズ26の瞳位置に焦点を合わせて、CCDカメラ55を設置する。
【0047】
図9(a)はミラーホルダの側面図、図9(b)はミラーホルダの背面図である。ミラーホルダ54は、支持板54a、本体54b、引張コイルバネ54c、及び調節ねじ54dを含んで構成されている。図9(a)に示す様に、補正用ミラー53は、裏面が支持板54aに取り付けられて、支持板54aにより支持されている。支持板54aは、2本の引張コイルバネ54cにより、本体54bの方向へ付勢されている。図9(b)に示す様に、本体54bには、3つの調節ねじ54dがねじ込まれており、図9(a)に示す様に、各調節ねじ54dの先端が支持板54aに接触して、支持板54aと本体54bとの間隔を保っている。3つの調節ねじ54dの内、図9(b)に一点鎖線で示した軸を挟んで対称に配置された2つの調節ねじ54dのいずれかを回して、調節ねじ54dのねじ込み量を変えることにより、支持板54aが一点鎖線で示した軸と直交する方向において傾いて、補正用ミラー53の角度が調節される。
【0048】
図10は、補正用ミラーの動作を説明する図である。図10(a)はDMD25のミラー25a、第1プリズム51、第2プリズム52、及び補正用ミラー53を横から見た図、図10(b)はそれらを背後から見た図、図10(c)はそれらを上から見た図である。なお、図8及び図10では、理解を容易にするため、DMD25のミラー25aを拡大して1つだけ示している。
【0049】
図10(a)に示す様に、第1プリズム51へ入射した光ビームは、第1プリズム51の斜面で反射されて、第1プリズム51から補正用ミラー53へ照射される。補正用ミラー53で反射された光ビームは、再び第1プリズム51へ入射し、第1プリズム51及び第2プリズム52を透過して、DMD25のミラー25aへ照射される。DMD25のミラー25aがオン状態であるとき、ミラー25aで反射された光ビームは、再び第2プリズム52へ入射し、第2プリズム52の斜面で反射されて、第2プリズム52から下方へ射出される。補正用ミラー53は、ミラーホルダ54により、図10(a),(b),(c)に一点鎖線で示した軸と直交する方向において傾けられて、DMD25のオン状態のミラー25aと平行に成る様にその角度が調節される。DMD25のミラー25aの動作角度のばらつきに応じて、補正用ミラー53の角度を調節することにより、光ビーム照射装置20の照射光学系20bへ入射する光ビームの光路が補正される。
【0050】
各光ビーム照射装置20のDMD25のミラー25aの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置20のミラーホルダ54により各光ビーム照射装置20の補正用ミラー53の角度を調節して、各光ビーム照射装置20の照射光学系20bへ入射する光ビームの光路を補正するので、各光ビーム照射装置20内において、投影レンズ26を含む照射光学系20bを透過する光ビームの光路が同じになる。従って、DMD25のミラー25aの動作角度のばらつきによる光ビームの回折光の強度分布のばらつきが補正され、描画品質が向上する。
【0051】
図7において、補正用ミラー53の角度を調節する際、主制御装置70の描画制御部71は、メモリ72に記憶されている補正用ミラー53の角度調節用の描画データを、各光ビーム照射装置20のDMD駆動回路27へ供給する。図11は、補正用ミラーの角度を調節する際のDMDのミラーの動作状態の一例を示す図である。補正用ミラー53の角度調節用の描画データは、DMD25の複数のミラー25aの内、所定の間隔だけ離れたミラーをオン状態にするものであって、図11においては、オン状態のミラー25aが黒く塗りつぶして示されている。光ビームの波長をλ、DMD25の各ミラー25aのピッチをdとすると、隣接するミラー25aをオン状態にしたとき、光ビームの回折像のピッチはλ/dと成るが、図11に示す様にミラー25aをn個おきにオン状態にすると、光ビームの回折像のピッチはλ/ndと成る。
【0052】
図12は、CCDカメラで撮影した回折像の例を示す図である。補正用ミラー53の角度が調節前の12度の状態で、図12(a)はミラー25aの動作角度が12度より小さい場合の回折像、図12(b)はミラー25aの動作角度が12度の場合の回折像、図12(c)はミラー25aの動作角度が12度より大きい場合の回折像を示している。図12(a),(b),(c)において、灰色の丸い部分は投影レンズ26の瞳であり、その内部の白い部分が回折像である。図11に示すオン状態のミラー25aで反射された光ビームの回折像は、ピッチが短く、投影レンズ26の瞳位置において、重なって観察される。
【0053】
図12(b)の場合、重なった回折像の中心は、瞳の中心と一致するが、図12(a)及び図12(c)の場合、重なった回折像の中心は、瞳の中心から外れている。本実施の形態では、CCDカメラ55で撮影した回折像を観察しながら、重なった回折像の中心が、瞳の中心と一致する様に、ミラーホルダ54の調節ねじ54dを回して、支持板54aの角度を調節し、補正用ミラー53の角度を調節する。
【0054】
各光ビーム照射装置20から照射された光ビームの回折光の強度分布に応じて、調節ねじ54dにより支持板54aの角度を調節するので、簡単な構成で、各光ビーム照射装置20のDMD25のミラー25aの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置20の補正用ミラー53の角度が調節される。
【0055】
図13は、本発明の他の実施の形態による露光方法を説明する図である。本実施の形態では、図8のミラーホルダ54の代わりに、補正用ミラー53の角度を調節する2つのピエゾ素子56と、各ピエゾ素子56を駆動するピエゾ素子駆動回路57とが設けられている。また、ピエゾ素子駆動回路57を制御する画像処理装置58が設けられている。
【0056】
画像処理装置58は、CCDカメラ55の画像信号を処理して、回折光の強度分布を検出し、図12(a),(b),(c)に示す様に重なった回折像の中心の位置を検出する。また、画像処理装置58は、CCDカメラ55の画像信号を処理して、瞳の輪郭から瞳の中心の位置を算出する。そして、画像処理装置58は、重なった回折像の中心が、瞳の中心と一致する様に、ピエゾ素子駆動回路57を制御して、ピエゾ素子56により補正用ミラー53の角度を調節する。
【0057】
各光ビーム照射装置20から照射された光ビームの回折光の強度分布を検出し、検出結果に応じて、ピエゾ素子駆動回路57を制御するので、各光ビーム照射装置のDMD25のミラー25aの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置20の補正用ミラー53の角度が自動的に調節される。
【0058】
図14〜図17は、光ビームによる基板の走査を説明する図である。図14〜図17は、8つの光ビーム照射装置20からの8本の光ビームにより、基板1のX方向の走査を4回行って、基板1全体を走査する例を示している。図14〜図17においては、各光ビーム照射装置20の照射光学系20bを含むヘッド部20aが破線で示されている。各光ビーム照射装置20のヘッド部20aから照射された光ビームは、Y方向にバンド幅Wを有し、Xステージ5のX方向への移動によって、基板1を矢印で示す方向へ走査する。
【0059】
図14は、1回目の走査を示し、X方向への1回目の走査により、図14に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。1回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図15は、2回目の走査を示し、X方向への2回目の走査により、図15に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。2回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図16は、3回目の走査を示し、X方向への3回目の走査により、図16に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われる。3回目の走査が終了すると、Yステージ7のY方向への移動により、基板1がY方向へバンド幅Wと同じ距離だけ移動される。図17は、4回目の走査を示し、X方向への4回目の走査により、図17に灰色で示す走査領域でパターンの描画が行われ、基板1全体の走査が終了する。
【0060】
なお、図14〜図17では、基板1のX方向の走査を4回行って、基板1全体を走査する例を示したが、走査の回数はこれに限らず、基板1のX方向の走査を3回以下又は5回以上行って、基板1全体を走査してもよい。
【0061】
以上説明した実施の形態によれば、各光ビーム照射装置20の照射光学系20bより前の光ビームの光路内に補正用ミラー53を設け、各光ビーム照射装置20に補正用ミラー53の角度を調節する調節装置を設け、各光ビーム照射装置20のDMD25のミラー25aの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置20の調節装置により各光ビーム照射装置20の補正用ミラー53の角度を調節して、各光ビーム照射装置20の照射光学系20bへ入射する光ビームの光路を補正することにより、DMD25のミラー25aの動作角度のばらつきによる光ビームの回折光の強度分布のばらつきを補正して、描画品質を向上させることができる。
【0062】
さらに、図8〜図9に示した実施の形態によれば、調節装置として、補正用ミラー53を支持する支持板54aと、支持板54aの角度を調節する調節ねじ54dとを有するミラーホルダ54を設け、各光ビーム照射装置20から照射された光ビームの回折光の強度分布に応じて、調節ねじ54dにより支持板54aの角度を調節することにより、簡単な構成で、各光ビーム照射装置20のDMD25のミラー25aの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置20の補正用ミラー53の角度を調節することができる。
【0063】
あるいは、図13に示した実施の形態によれば、調節装置として、補正用ミラー53の角度を調節するピエゾ素子56と、ピエゾ素子56を駆動するピエゾ素子駆動回路57とを設け、各光ビーム照射装置20から照射された光ビームの回折光の強度分布を検出し、検出結果に応じて、ピエゾ素子駆動回路57を制御することにより、各光ビーム照射装置20のDMD25のミラー25aの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置20の補正用ミラー53の角度を自動的に調節することができる。
【0064】
本発明の露光装置又は露光方法を用いて基板の露光を行うことにより、空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきによる光ビームの回折光の強度分布のばらつきを補正して、描画品質を向上させることができるので、高品質な表示用パネル基板を製造することができる。
【0065】
例えば、図18は、液晶ディスプレイ装置のTFT基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。薄膜形成工程(ステップ101)では、スパッタ法やプラズマ化学気相成長(CVD)法等により、基板上に液晶駆動用の透明電極となる導電体膜や絶縁体膜等の薄膜を形成する。レジスト塗布工程(ステップ102)では、ロール塗布法等によりフォトレジストを塗布して、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜上にフォトレジスト膜を形成する。露光工程(ステップ103)では、露光装置を用いて、フォトレジスト膜にパターンを形成する。現像工程(ステップ104)では、シャワー現像法等により現像液をフォトレジスト膜上に供給して、フォトレジスト膜の不要部分を除去する。エッチング工程(ステップ105)では、ウエットエッチングにより、薄膜形成工程(ステップ101)で形成した薄膜の内、フォトレジスト膜でマスクされていない部分を除去する。剥離工程(ステップ106)では、エッチング工程(ステップ105)でのマスクの役目を終えたフォトレジスト膜を、剥離液によって剥離する。これらの各工程の前又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。これらの工程を数回繰り返して、基板上にTFTアレイが形成される。
【0066】
また、図19は、液晶ディスプレイ装置のカラーフィルタ基板の製造工程の一例を示すフローチャートである。ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)では、レジスト塗布、露光、現像、エッチング、剥離等の処理により、基板上にブラックマトリクスを形成する。着色パターン形成工程(ステップ202)では、染色法や顔料分散法等により、基板上に着色パターンを形成する。この工程を、R、G、Bの着色パターンについて繰り返す。保護膜形成工程(ステップ203)では、着色パターンの上に保護膜を形成し、透明電極膜形成工程(ステップ204)では、保護膜の上に透明電極膜を形成する。これらの各工程の前、途中又は後には、必要に応じて、基板の洗浄/乾燥工程が実施される。
【0067】
図18に示したTFT基板の製造工程では、露光工程(ステップ103)において、図19に示したカラーフィルタ基板の製造工程では、ブラックマトリクス形成工程(ステップ201)及び着色パターン形成工程(ステップ202)の露光処理において、本発明の露光装置又は露光方法を適用することができる。
【符号の説明】
【0068】
1 基板
3 ベース
4 Xガイド
5 Xステージ
6 Yガイド
7 Yステージ
8 θステージ
10 チャック
11 ゲート
20 光ビーム照射装置
20a ヘッド部
20b 照射光学系
21 レーザー光源ユニット
22 光ファイバー
23a コンデンサレンズ
23b フライアイレンズ
23c 開口絞り
23d 半透明板
24 ミラー
25 DMD(Digital Micromirror Device)
25a ミラー
26 投影レンズ
27 DMD駆動回路
31,33 リニアスケール
32,34 エンコーダ
40 レーザー測長系制御装置
41 レーザー光源
42,44 レーザー干渉計
43,45 バーミラー
51 第1プリズム
52 第2プリズム
53 補正用ミラー
54 ミラーホルダ
54a 支持板
54b 本体
54c 引張コイルバネ
54d 調節ねじ
55 CCDカメラ
56 ピエゾ素子
57 ピエゾ素子駆動回路
58 画像処理装置
60 ステージ駆動回路
70 主制御装置
71 描画制御部
72 メモリ
73 バンド幅設定部
74 中心点座標決定部
75 座標決定部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フォトレジストが塗布された基板を支持するチャックと、
二方向に配列した複数のミラーの角度を変更して光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を有する複数の光ビーム照射装置と、
前記チャックと前記複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動する移動手段とを備え、
前記移動手段により前記チャックと前記複数の光ビーム照射装置とを相対的に移動し、前記複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光装置であって、
各光ビーム照射装置は、照射光学系より前の光ビームの光路内に設けられた補正用ミラーと、補正用ミラーの角度を調節する調節手段とを有し、
各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の調節手段により各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度が調節されて、各光ビーム照射装置の照射光学系へ入射する光ビームの光路が補正されたことを特徴とする露光装置。
【請求項2】
前記調節手段は、前記補正用ミラーを支持する支持板と、支持板の角度を調節する調節ねじとを有し、
各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布に応じて、前記調節ねじにより前記支持板の角度が調節されることを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記調節手段は、前記補正用ミラーの角度を調節するピエゾ素子と、ピエゾ素子を駆動するピエゾ素子駆動回路とを有し、
各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布を検出し、検出結果に応じて、前記ピエゾ素子駆動回路を制御する手段を備えたことを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
【請求項4】
フォトレジストが塗布された基板をチャックで支持し、
チャックと、二方向に配列した複数のミラーの角度を変更して光ビームを変調する空間的光変調器、描画データに基づいて空間的光変調器を駆動する駆動回路、及び空間的光変調器により変調された光ビームを照射する照射光学系を有する複数の光ビーム照射装置とを、相対的に移動し、
複数の光ビーム照射装置からの複数の光ビームにより基板を走査して、基板にパターンを描画する露光方法であって、
各光ビーム照射装置の照射光学系より前の光ビームの光路内に補正用ミラーを設け、
各光ビーム照射装置に補正用ミラーの角度を調節する調節手段を設け、
各光ビーム照射装置の空間的光変調器のミラーの動作角度のばらつきに応じて、各光ビーム照射装置の調節手段により各光ビーム照射装置の補正用ミラーの角度を調節して、各光ビーム照射装置の照射光学系へ入射する光ビームの光路を補正することを特徴とする露光方法。
【請求項5】
調節手段として、補正用ミラーを支持する支持板と、支持板の角度を調節する調節ねじとを設け、
各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布に応じて、調節ねじにより支持板の角度を調節することを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
【請求項6】
調節手段として、補正用ミラーの角度を調節するピエゾ素子と、ピエゾ素子を駆動するピエゾ素子駆動回路とを設け、
各光ビーム照射装置から照射された光ビームの回折光の強度分布を検出し、
検出結果に応じて、ピエゾ素子駆動回路を制御することを特徴とする請求項4に記載の露光方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の露光装置を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。
【請求項8】
請求項4乃至請求項6のいずれか一項に記載の露光方法を用いて基板の露光を行うことを特徴とする表示用パネル基板の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2012−123127(P2012−123127A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−273042(P2010−273042)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】