露光装置及び露光方法及びカラーフィルタの製造方法
【課題】装置のコスト増を招くことなく、高精度に位置決めした状態でステップ移動を行い、基板上にファーストレイヤーを露光できる露光装置を提供する。
【解決手段】本発明の露光装置101は、光源と、基板501との位置合わせのためのアライメントマークを有するフォトマスク200と、基板502とフォトマスク200とを相対的に移動する搬送機構と、フォトレジストの一部にレーザーを照射するレーザー照射装置と、フォトマスク200と、基板501との位置合わせを行う位置合わせ機構とを備える。位置合わせは、例えば、前回の露光位置で形成されたレーザー照射跡312及び323と、これらに対応するフォトマスク200上のアライメントマークとが重なるように、基板501の位置が調整されることで実現される。
【解決手段】本発明の露光装置101は、光源と、基板501との位置合わせのためのアライメントマークを有するフォトマスク200と、基板502とフォトマスク200とを相対的に移動する搬送機構と、フォトレジストの一部にレーザーを照射するレーザー照射装置と、フォトマスク200と、基板501との位置合わせを行う位置合わせ機構とを備える。位置合わせは、例えば、前回の露光位置で形成されたレーザー照射跡312及び323と、これらに対応するフォトマスク200上のアライメントマークとが重なるように、基板501の位置が調整されることで実現される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカラーフィルタを露光する為の露光装置及びこれを用いた露光方法及びカラーフィルタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の液晶表示装置の大型化に伴い、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタも大型化している。カラーフィルタの製造工程では、フォトリソグラフィ法によってブラックマトリクスがパターニングされるが、大型の露光マスクは非常に高価であるため、カラーフィルタの製造コストが高くなるという問題がある。そこで、基板の大きさより小さなフォトマスクを用いて、基板上に複数回に分けてフォトマスクの開口パターンを露光する方式(以下「ステップ露光方式」という)が広く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−292955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板上に、ブラックマトリクスを形成するには、黒色のレジストを基板上に塗布して、基板上にフォトマスクの開口パターンを転写する。当該露光工程では、基板上への露光と、基板とフォトマスクとの相対移動とを繰り返し、基板上の異なる位置にフォトマスクのパターンを繰り返し露光する(以下、「ステップ露光」という)。これによって、基板より小さなフォトマスクを用いて、基板の全域にブラックマトリクスを形成することが可能となる。
【0005】
ブラックマトリクスは、フォトリソグラフィ法を用いて基板上に最初に形成されるレイヤー(以下、「ファーストレイヤー」という)である。従って、ブラックマトリクスの露光時には、基板上にフォトマスクとの位置決めの基準となるアライメントマーク等が存在しない。そこで、例えば、基板を搬送するステージの位置を、レーザー干渉計を用いて正確に測定することで、各ステップ移動における露光位置が決定されている。しかし、露光装置にレーザー干渉計を設けると、露光装置のコスト増に繋がる為好ましくない。
【0006】
それ故に、本発明では、装置のコスト増を招くことなく、高精度に位置決めした状態でステップ移動を行い、基板上にファーストレイヤーを露光できる露光装置およびこれを用いた露光方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板上への露光と、基板とフォトマスクとの相対移動とを繰り返し、基板上の異なる位置にフォトマスクのパターンを繰り返し露光する露光装置に関する。露光装置は、光源と、基板を保持するためのステージと、基板と前記光源との間に配置され、基板との位置合わせのためのアライメントマークを有するフォトマスクと、基板とフォトマスクとを相対的に移動する搬送機構と、基板上のフォトレジストを露光する際に、フォトレジストの一部にレーザーを照射するレーザー照射装置と、露光と、レーザーの照射とを行った後に、次の露光位置まで基板とフォトマスクとを相対的に移動させる際に、フォトレジスト上に形成されたレーザーの照射跡と、フォトマスクのアライメントマークとが所定の位置関係となるように、フォトマスクと、基板との位置合わせを行う位置合わせ機構とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、装置のコスト増を招くことなく、高精度に位置決めした状態でステップ移動を行い、基板上にファーストレイヤーを露光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】第1の実施形態に係る露光装置の上面図
【図1B】図1Aに続く工程を示す露光装置の上面図
【図1C】図1Bに続く工程を示す露光装置の上面図
【図1D】図1Cに続く工程を示す露光装置の上面図
【図1E】図1Dに続く工程を示す露光装置の上面図
【図2】図1A〜1Eに示す露光装置の側面図
【図3】第1の実施形態に係るフォトマスクの平面図
【図4A】第2の実施形態に係る露光装置の上面図
【図4B】図3Aに続く動作を示す露光装置の上面図
【図4C】図3Bに続く動作を示す露光装置の上面図
【図4D】図3Cに続く動作を示す露光装置の上面図
【図4E】図3Dに続く動作を示す露光装置の上面図
【図4F】図3Eに続く動作を示す露光装置の上面図
【図5】図4A〜4Fに示す露光装置の側面図
【図6A】第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図
【図6B】第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図
【図6C】第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
図1A〜1Eは、第1の実施形態に係る露光装置の上面図であり、各々、基板に対するステップ露光の過程を示している。また、図2は、図1A〜1Eに示す露光装置の側面図であり、図3は、第1の実施形態に係るフォトマスクの平面図である。尚、図1A〜1Eでは、基板上に形成されるブラックマトリクスをストライプで示している。
【0011】
露光装置101は、ステップ露光によって、基板501上の異なる位置にフォトマスク200の開口パターン201を繰り返し露光する為のものであり、光源(図示せず)と、フォトマスク200と、基板501を搬送する搬送機構601と、フォトレジストの一部にレーザーを照射するレーザー照射装置300a〜300dと、フォトマスク200と基板501との位置合わせを行う位置合わせ機構400a〜400dとを備える。
【0012】
光源は、フォトマスクの開口パターンをフォトレジストに転写するための光を照射する。
【0013】
フォトマスク200は、露光パターンを基板上に転写する際の原版となるものであり、図3に示すように、複数の開口パターン201と、基板との位置合わせに用いられるアライメントマーク202a〜202dと、フォトレジストに照射するレーザー光を透過させるための開口部203a〜203dと、レーザーの照射位置を調整する際の基準となる基準マーク204a〜204dとを有する。フォトマスク200は、光源と基板501との間に配置される。
【0014】
搬送機構601は、フォトマスク200に対して基板501を相対的に移動するためのものであり、基板501をXY方向に自在に移動することができる。
【0015】
レーザー照射装置300a〜300dは、レーザー光をフォトレジスト上にスポット照射するためのものである。レーザー照射装置300a〜300dは、X方向及びY方向に移動自在であり、矩形状のフォトマスクの各コーナの上方に配置されている。レーザー光が照射された箇所のフォトレジストは溶融もしくは蒸発する。この結果、フォトレジスト上にマーキングや孔(これらを、以下、「レーザー照射跡」という)が形成される。尚、第1の実施形態では、レーザー照射装置と位置合わせ機構とは、一体的に構成され、図1の破線で示す位置に配置されている。
【0016】
位置合わせ機構400a〜400dは、例えば、CCDカメラを備え、フォトマスク200のアライメントマークと、レーザー照射跡とを検出し、アライメントマークとレーザー照射跡とが所定の位置関係となるように、基板を移動させる。尚、第1の実施形態では、アライメントマークの中心とレーザー照射跡とが重なるように、基板が移動される。
【0017】
次に、図1A〜1Eを用いて、基板上にファーストレイヤーをステップ露光する工程を説明する。尚、各図において、開口部203a〜203d内に描かれる丸印のうち、黒く塗りつぶした丸印は、各工程において、フォトマスク200と基板501との位置合わせに用いられるレーザー照射跡を示す。更に、第1の実施形態では、基板501上の左上の領域、左下の領域、右下の領域及び右上の領域の順に露光され、便宜上、各領域の位置をこの順に、第1〜4の露光位置という。
【0018】
まず、図1Aに示すように、フォトレジストを塗布した基板501上の第1の露光位置にフォトマスク200が重なるように、フォトマスク200に対して基板501を相対的に移動させる。また、開口部203a〜203cの上方に位置する位置合わせ機構400a〜400cの各々は、右上、右下及び左下の基準マーク204a〜204c(図2参照)を基準として、レーザー光の光軸が、開口部203a〜203cの中心を通過するように、レーザー照射装置300a〜300cの位置を調整する。
【0019】
そして、第1の露光位置において、開口パターン201を基板501のフォトレジスト上に転写する。これと同時にレーザー照射装置300a〜300cの各々からレーザー光を照射する。照射された各レーザー光は、開口部203a〜203cを通過して、フォトレジスト上に照射される。この結果、フォトレジスト上の所定位置にレーザー照射跡301〜303が形成される。
【0020】
次に、基板501上の第2の露光位置を露光する為に、図1Bに示す位置まで、フォトマスク200に対して基板501をY軸正方向に移動する。この時、位置合わせ機構400a及び400dがレーザー照射跡313及び312と、フォトマスク200の左上アライメントマーク202d及び右上のアライメントマーク202a(図2参照)との位置関係を検出し、レーザー照射跡313及び312と、アライメントマーク202d及び202aの中心とが重なるように、基板501のXY方向の位置、水平度及び回転方向(XY平面におけるX軸に対するθ角)が調整される。この結果、基板501上の第2の露光ショットの位置に、精度良くフォトマスク200が重ねられる。また、位置合わせ機構400bは、フォトマスク200の右下の基準マーク204bを基準として、レーザー光の照射位置を調整する。
【0021】
位置合わせ後、第2の露光位置において、開口パターン201を基板501のフォトレジスト上に転写する。これと同時に、レーザー照射装置300bからレーザー光を照射し、フォトレジスト上にレーザー照射跡314を形成する。
【0022】
次に、基板501上の第3の露光ショット位置を露光する為に、図1Cに示す位置まで、フォトマスク200に対して基板501をX軸負方向に移動する。この時、位置合わせ機構400c及び400dが、レーザー照射跡314及び312と、フォトマスク200の左下のアライメントマーク202c及び左上のアライメントマーク202d(図2参照)との位置関係を検出し、レーザー照射跡314及び312と、アライメントマーク202c及び202dの中心とが重なるように、基板501の位置を調整する。この結果、基板501上の第3の露光ショットの位置に、精度良くフォトマスク200が重ねられる。また、位置合わせ機構400aは、フォトマスクの右上の基準マーク204aを基準として、レーザー光の照射位置を調整する。
【0023】
位置合わせ後、第3の露光位置において、開口パターン201を基板501のフォトレジスト上に転写する。これと同時に、レーザー照射装置300aからレーザー光を照射し、フォトレジスト上にレーザー照射跡315を形成する。
【0024】
次に、基板上の第4の露光位置を露光する為に、図1Dに示す位置まで、フォトマスク200に対して基板501をY軸負方向に移動する。この時、位置合わせ機構400b〜400dがレーザー照射跡315、312及び311と、フォトマスクの右下、左下及び左上のアライメントマーク202b〜202d(図2参照)との位置関係を検出し、レーザー照射跡315、312及び311と、アライメントマーク202b〜202dの中心とが重なるように、基板501の位置を調整する。この結果、基板501上の第4の露光の位置に、精度良くフォトマスク200が重ねられる。
【0025】
位置合わせ後、第4の露光位置において、開口パターン201を基板501のフォトレジスト上に転写する。これによって、図1Eに示すように、第1〜4の露光ショット位置における開口パターンの各々が精度良く位置合わせされた状態で、開口パターンが基板501の全面に転写される。
【0026】
以上のように、第1の実施形態に係る露光装置及び露光方法によれば、レーザー干渉計のようなコスト増に繋がる装置を用いずに、前回のショットで形成したレーザー跡で、基板とフォトマスクとを精度良く位置合わせしながら、ファーストレイヤーをステップ露光することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
図4A〜4Fは、本発明の実施形態に係る搬送処理装置の上面図であり、各々、基板の搬送処理の過程を示している。また、図5は、図4A〜4Fに示す露光装置の側面図である。更に、図6A〜6Cは、第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図である。尚、図4A〜4Fでは、基板上に形成されるブラックマトリクスをハッチングで示している。
【0028】
露光装置102は、基板の搬送路上に前列と後列の2列に並べて配置された複数のフォトマスクに対して、基板をY軸正方向に搬送しながらステップ露光を行うものである。
【0029】
搬送機構602は、エア噴出により基板502を浮上させる搬送路610と、搬送路610の片側(図3の上側)に配置され、基板をY軸正方向に搬送するスライダーチャック621a及び621bと、スライダーチャックをスライドさせるためのガイド622とを備える。
【0030】
搬送路610は、基板502が投入される側から順に、受取部611と、前列処理ステージ612と、中間部613と、後列処理ステージ614と、受渡部615とを有する。受取部611は、搬送処理装置102の上流の装置から受け取った基板502を、前列処理ステージ612に搬送する為のものである。中間部613は、前列処理ステージ612による露光処理が完了した基板を、後列処理ステージ614に搬送する為のものである。受渡部15は、後列処理ステージ614による露光処理が完了した基板を、下流装置に受け渡す為のものである。
【0031】
スライダーチャック621a及び621bは、Y軸方向に延びるガイド622に沿って、Y軸方向に自在に移動することができる。スライダーチャック621a及び621bの各々には、基板502の下面に吸着する吸着面(図のXY平面に平行な面)が設けられている。基板502の搬送は、基板502の下面にスライダーチャック621a又は621bの吸着面が吸着した状態で、当該スライダーチャックをY軸正方向に移動させることによって行われる。
【0032】
露光ヘッド701〜706の各々には、光源(図示せず)と、フォトマスクと、位置合わせ機構(図示せず)と、レーザー照射装置(図示せず)とが設けられる。露光ヘッド701〜703は、前列処理ステージ612の上方(紙面に対して垂直方向かつ手前側)に、X軸方向に間欠的に並べて配置される。一方、露光ヘッド704〜706は、後列処理ステージ614の上方に、X軸方向に間欠的に、かつ、露光ヘッド701〜703の間を補完する位置に配置される。尚、各露光ヘッド701〜706において、開口パターンの転写、フォトマスクのアライメントマーク及び基準マークの検出、及びフォトレジスト上へのレーザーの照射を独立して行うことができる。
【0033】
フォトマスク210、220及び230は、ブラックマトリクスのパターンを基板502上に転写するためのものである。フォトマスク210、220及び230は、複数の開口パターンと、2つの開口部と、2つの基準マークと、4つのアライメントマークとを備えるが、各々、開口パターンの形状や配置が異なる。図6Aに示すフォトマスク210は、開口パターン211と、アライメントマーク212a〜212dと、開口部213c及び213dと、検出部214c及び214dとを備える。また、図6Bに示すフォトマスク220は、開口パターン221a及び221bと、アライメントマーク222a〜222dと、開口部223c及び223dと、検出部224c及び224dとを備える。ここで、フォトマスク210における開口パターン211と、フォトマスク220における開口パターン221aとで、一つのチップに対応するブラックマトリクスのパターンが形成される。また、図6Cに示すフォトマスク230は、開口パターン231と、アライメントマーク232a〜232dと、開口部233c及び233dと、検出部234c及び234dとを備える。ここで、フォトマスク220における開口パターン221bと、フォトマスク230における開口パターン231とで、一つのチップに対応するブラックマトリクスのパターンが形成される。フォトマスク210は、露光ヘッド701及び705に設けられ、フォトマスク220は、露光ヘッド703及び704に設けられ、フォトマスク230は、露光ヘッド702及び706に設けられる。
【0034】
次に、図4A〜4F、図5及び図6A〜6Cを用いて、露光装置102を用いたカラーフィルタの製造方法について説明する。尚、基板502は、前列処理ステージ612を通過する間に4回停止し、各停止位置において開口パターンが転写される。この時、基板502上において開口パターンが転写される各々の位置を、便宜上、基板502の投入される側から順に、第1〜4の露光位置という。また、同様に、基板502が後列処理ステージ614を通過するまでに転写される位置を、基板502の投入側から順に、第5〜8の露光位置という。
【0035】
まず、黒色顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤及び重合禁止材を含有し、かつ、波長340〜380nmの紫外線照射で硬化する黒色レジストを基板上に塗布する。
【0036】
各露光ヘッド701〜706にフォトマスクを装着する。この際、露光ヘッド701〜706の各々に設けられるフォトマスクを位置合わせするための位置合わせ機構によって、前列処理ステージ612及び後列処理ステージ614上に設けられたアライメントマークと、各露光ヘッド701〜706におけるフォトマスク上のアライメントマークとの位置関係を検出する。そして検出した位置を基準として、各々のフォトマスクの傾きと、フォトマスクどうしの位置関係が調整される。その後は順次投入される基板への露光処理が終了するまで、当該調整された位置において、露光ヘッド701〜706におけるフォトマスクが固定される。従って、前列処理ステージ612の各々に設けられるフォトマスク同士の相対的な位置関係、及び、後列処理ステージ614に設けられるフォトマスク同士の相対的な位置関係は一定となる。尚、基板とフォトマスクとの位置合わせは、前列処理ステージ612では、露光ヘッド701及び703のフォトマスクのみを用いて行われ、後列処理ステージ614では、露光ヘッド704及び706のフォトマスクのみを用いて行われる。そのため、露光ヘッド702及び704では、レーザー照射が行われず、後述するアライメントマークとレーザー照射跡との位置関係の検出も行われない。
【0037】
次に、図4Aに示すように、基板502を受取部611に投入する。受取部611上には、基板がセットされる際に基板の端縁の当たりとなるピンが設けられている。従って、当該ピンに基板502の端縁を押し当てることで、基板502を所定位置にセットすることができる(いわゆる、ピンアライメント)。そして基板502の搬送に備えて、スライダーチャック621aが基板502の端部を吸着保持する。
【0038】
次に、図4Bに示す第1の露光位置まで基板502を搬送した後、基板502を停止させる。また、露光ヘッド701に設けられる位置合わせ機構が、露光ヘッド701に装着されるフォトマスク210の左下の基準マーク214c(図6A参照)を検出する。そして、基準マーク214cの位置を基準として、フォトマスク210の左下の開口部213c(図6A参照)の中心にレーザー光が照射されるように、レーザー照射装置(図示せず)の位置が調整される。同様に、露光ヘッド703においても、フォトマスク220の左下の基準マーク224c(図6B)の位置を基準にして、レーザー光の光軸が、開口部223cの中心に重なるように、レーザーの照射位置が調整される。
【0039】
そして、第1の露光位置において、露光ヘッド701〜703の各々に装着されたフォトマスクの開口パターンが基板のフォトレジスト上に転写される(転写されたパターンをハッチングで示す)。また、露光ヘッド701及び703においては、フォトレジスト上にレーザーが照射され、レーザー照射跡321及び322が形成される。
【0040】
次に、図4Cに示す第2の露光位置まで基板502を搬送した後、基板502を停止させる。このとき、露光ヘッド701における位置合わせ機構が、フォトマスク210の右下のアライメントマーク212b(図6A参照)と、レーザー照射跡321との位置関係を検出する。また、露光ヘッド703における位置合わせ機構が、フォトマスク220の右下アライメントマーク222b(図6B参照)と、レーザー照射跡322との位置関係を検出する。そして、これらの位置関係に基づいて、フォトマスク210の右下のアライメントマーク212b及びフォトマスク220の右下のアライメントマーク232aの中心が、レーザー照射跡321及び322と重なるように、基板502のXY方向の位置、水平度及び回転方向が調整される。この結果、第1の露光位置に対して、第2の露光位置が精度良く位置決めされる。また、第1の露光位置の場合と同様に、基準マーク214c及び224cに基づいて、露光ヘッド701及び703において、レーザーの照射位置が調整される。
【0041】
そして、第2の露光位置において、フォトマスク210、220及び230の開口パターン211、221a、221b及び231が基板502のフォトレジスト上に転写される。また、露光ヘッド701及び702においては、フォトレジスト上にレーザー照射跡323及び324が形成される。
【0042】
次に、第3の露光位置においても、第2の露光位置と同様に、レーザー照射跡323及び324を基準として、基板502とフォトマスク210及び220との位置合わせを行った後、基板502上のフォトレジスト上に、開口パターンを転写し、更に、レーザー照射跡325及び326を形成する。次に、第4の露光位置においても、第2及び3の露光位置と同様に、レーザー照射跡325及び326を基準として、基板502とフォトマスク210及び220との位置合わせを行った後、基板502上のフォトレジスト上に、開口パターンを転写し、更に、レーザー照射跡327及び328を形成する。
【0043】
以上のように、第2〜4の露光位置は、各々、第1〜3の露光位置で形成されたレーザー照射跡を基準として、フォトマスク210と基板502とが精度良く位置決めされている。この結果、図4Dに示すように、基板の第1〜4の露光位置において、開口パターン211、221a、221b及び231が良好な位置精度で転写される。
【0044】
前列処理ステージ612における露光が終了した基板502は、スライダーチャック621aによって中間部613まで搬送される。基板502が中間部613まで搬送された後、スライダーチャック621aは基板502への吸着を解除し、次の基板の搬送に備えて受取部611に復帰する。そして、スライダーチャック621aと入れ替わりに、スライダーチャック621bが、基板502を吸着保持し、基板502を後列処理ステージ614に向けて搬送する。
【0045】
以降は、後列処理ステージ614における露光について説明する。尚、後列処理ステージ614における第5〜8の露光位置では、前列処理ステージ612で形成されたレーザー照射跡321〜328を用いて位置合わせされる。従って、第5〜8の露光位置では、フォトレジスト上にレーザーを照射しない。また、基板502が後列処理ステージ614で露光が行わると共に、前列処理ステージ612では、次に投入された基板の露光処理が開始される。
【0046】
図4Eに示す第5の露光位置まで基板502を搬送した後、基板502を停止させる。そして、露光ヘッド704における位置合わせ機構が、フォトマスク220の左上のアライメントマーク212d(図6B参照)と、レーザー照射跡321との位置関係を検出する。更に、露光ヘッド706における位置合わせ機構が、フォトマスク230の左上のアライメントマーク232d(図6C参照)と、レーザー照射跡322との位置関係を検出する。そして、これらの位置関係に基づいて、フォトマスク220の左上のアライメントマーク222d及フォトマスク230の左上のアライメントマーク232dの中心が、レーザー照射跡321及び322の各々と重なるように、基板502のXY方向の位置、水平度及び回転方向が調整される。
【0047】
そして、第5の露光位置において、第1の露光位置で転写された開口パターン211の端縁(図4Eの下側に位置する)に繋がるように、開口パターン221aが転写され、第1の露光位置で転写された開口パターン231の端縁(図4Eの上側に位置する)に繋がるように、開口パターン221bが転写され、第1の露光位置で転写された開口パターン221aの端縁(図4Eの上側に位置する)に繋がるように、開口パターン211が転写され、第1の露光位置で転写された開口パターン221bの端縁(図4Eの下側に位置する)に繋がるように、開口パターン231が転写される。
【0048】
以降の第6〜8の露光位置においても、第5の露光位置と同様に、前列処理ステージ612で形成されたレーザー照射跡と、フォトマスクのアライメントマークとの位置関係から、基板とフォトマスクとの位置合わせを行った後、フォトレジスト上に開口パターンが順次転写される。この結果、図4Fに示すように、基板502上に、4行×4列のマトリクス状にブラックマトリクスのパターンが良好な位置精度で転写される。
【0049】
その後、基板502は受渡部615から下流装置に搬出され、例えば、現像及び洗浄が行われる。そして、ブラックマトリクスが形成された基板502に、カラーレジストを塗布して、基板上の所定位置に着色パターンを露光する。当該着色パターンの露光は、カラーフィルタを構成する色数に応じて繰り返し行う。この結果、基板上に複数のチップが多面付けされたカラーフィルタ基板が形成される。尚、基板上に着色パターンを露光するには、第2の実施形態の露光装置102を用いても良いし、他の公知の露光装置(例えば、1枚のフォトマスクで基板全面を一括露光するもの)を用いても良い。
【0050】
尚、上記した第1及び第2の実施形態では、フォトマスクの構成を図3及び6に示すものに特定しているが、特にこれらに限定されず、アライメントマーク、開口部、基準マークの数、形状、配置等は、露光装置の構成や露光パターンに応じて最適なものを選択すれば良い。
【0051】
また、上記した第1及び第2の実施形態では、基板とフォトマスクとを相対的に移動する搬送機構は、基板のみを搬送していたが、特にこれに限定されない。例えば、第1の実施形態において、基板を固定し、フォトマスクを移動しても良い。
【0052】
更に、上記した第1及び第2の実施形態では、アライメントマークとレーザー照射跡とが重なるようにして、基板とフォトマスクとの位置合わせを行っているが、特にこれに限定されない。つまり、アライメントマークとレーザー照射跡とが重ならなくても、両者が所定の位置関係となるように、基板及びフォトマスクの位置を調整すれば良い。
【0053】
更に、上記した第1及び第2の実施形態では、基板上に露光する回数を特定しているが、これらに限定されるものではない。例えば、第1の実施形態において、更に小さなフォトマスクを用いて、露光及びレーザー照射を行う工程の繰り返し回数を増やしても良い。また、第2の実施形態において、より多くの露光ヘッドを用いて、露光及びレーザー照射の工程を繰り返しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、例えば、基板上にカラーフィルタを構成するブラックマトリクスを露光する露光装置として用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
101、102 露光装置
200、210、220、230 フォトマスク
201、211、221a、221b、231 開口パターン
202a〜202d、212a〜212d、222a〜222d、232a〜232d アライメントマーク
203a〜203d、213c、213d、223c、223d、233c、233d 開口部
204a〜204d、214c、214d、224c、224d、234c、234d 基準マーク
300a〜300d レーザー照射装置
311〜315、321〜328 レーザー照射跡
400a〜400d 位置合わせ機構
501、502 基板
601、602 搬送機構
701〜706 露光ヘッド
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばカラーフィルタを露光する為の露光装置及びこれを用いた露光方法及びカラーフィルタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年の液晶表示装置の大型化に伴い、液晶表示装置に用いられるカラーフィルタも大型化している。カラーフィルタの製造工程では、フォトリソグラフィ法によってブラックマトリクスがパターニングされるが、大型の露光マスクは非常に高価であるため、カラーフィルタの製造コストが高くなるという問題がある。そこで、基板の大きさより小さなフォトマスクを用いて、基板上に複数回に分けてフォトマスクの開口パターンを露光する方式(以下「ステップ露光方式」という)が広く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−292955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板上に、ブラックマトリクスを形成するには、黒色のレジストを基板上に塗布して、基板上にフォトマスクの開口パターンを転写する。当該露光工程では、基板上への露光と、基板とフォトマスクとの相対移動とを繰り返し、基板上の異なる位置にフォトマスクのパターンを繰り返し露光する(以下、「ステップ露光」という)。これによって、基板より小さなフォトマスクを用いて、基板の全域にブラックマトリクスを形成することが可能となる。
【0005】
ブラックマトリクスは、フォトリソグラフィ法を用いて基板上に最初に形成されるレイヤー(以下、「ファーストレイヤー」という)である。従って、ブラックマトリクスの露光時には、基板上にフォトマスクとの位置決めの基準となるアライメントマーク等が存在しない。そこで、例えば、基板を搬送するステージの位置を、レーザー干渉計を用いて正確に測定することで、各ステップ移動における露光位置が決定されている。しかし、露光装置にレーザー干渉計を設けると、露光装置のコスト増に繋がる為好ましくない。
【0006】
それ故に、本発明では、装置のコスト増を招くことなく、高精度に位置決めした状態でステップ移動を行い、基板上にファーストレイヤーを露光できる露光装置およびこれを用いた露光方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、基板上への露光と、基板とフォトマスクとの相対移動とを繰り返し、基板上の異なる位置にフォトマスクのパターンを繰り返し露光する露光装置に関する。露光装置は、光源と、基板を保持するためのステージと、基板と前記光源との間に配置され、基板との位置合わせのためのアライメントマークを有するフォトマスクと、基板とフォトマスクとを相対的に移動する搬送機構と、基板上のフォトレジストを露光する際に、フォトレジストの一部にレーザーを照射するレーザー照射装置と、露光と、レーザーの照射とを行った後に、次の露光位置まで基板とフォトマスクとを相対的に移動させる際に、フォトレジスト上に形成されたレーザーの照射跡と、フォトマスクのアライメントマークとが所定の位置関係となるように、フォトマスクと、基板との位置合わせを行う位置合わせ機構とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明によると、装置のコスト増を招くことなく、高精度に位置決めした状態でステップ移動を行い、基板上にファーストレイヤーを露光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】第1の実施形態に係る露光装置の上面図
【図1B】図1Aに続く工程を示す露光装置の上面図
【図1C】図1Bに続く工程を示す露光装置の上面図
【図1D】図1Cに続く工程を示す露光装置の上面図
【図1E】図1Dに続く工程を示す露光装置の上面図
【図2】図1A〜1Eに示す露光装置の側面図
【図3】第1の実施形態に係るフォトマスクの平面図
【図4A】第2の実施形態に係る露光装置の上面図
【図4B】図3Aに続く動作を示す露光装置の上面図
【図4C】図3Bに続く動作を示す露光装置の上面図
【図4D】図3Cに続く動作を示す露光装置の上面図
【図4E】図3Dに続く動作を示す露光装置の上面図
【図4F】図3Eに続く動作を示す露光装置の上面図
【図5】図4A〜4Fに示す露光装置の側面図
【図6A】第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図
【図6B】第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図
【図6C】第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図
【発明を実施するための形態】
【0010】
(第1の実施形態)
図1A〜1Eは、第1の実施形態に係る露光装置の上面図であり、各々、基板に対するステップ露光の過程を示している。また、図2は、図1A〜1Eに示す露光装置の側面図であり、図3は、第1の実施形態に係るフォトマスクの平面図である。尚、図1A〜1Eでは、基板上に形成されるブラックマトリクスをストライプで示している。
【0011】
露光装置101は、ステップ露光によって、基板501上の異なる位置にフォトマスク200の開口パターン201を繰り返し露光する為のものであり、光源(図示せず)と、フォトマスク200と、基板501を搬送する搬送機構601と、フォトレジストの一部にレーザーを照射するレーザー照射装置300a〜300dと、フォトマスク200と基板501との位置合わせを行う位置合わせ機構400a〜400dとを備える。
【0012】
光源は、フォトマスクの開口パターンをフォトレジストに転写するための光を照射する。
【0013】
フォトマスク200は、露光パターンを基板上に転写する際の原版となるものであり、図3に示すように、複数の開口パターン201と、基板との位置合わせに用いられるアライメントマーク202a〜202dと、フォトレジストに照射するレーザー光を透過させるための開口部203a〜203dと、レーザーの照射位置を調整する際の基準となる基準マーク204a〜204dとを有する。フォトマスク200は、光源と基板501との間に配置される。
【0014】
搬送機構601は、フォトマスク200に対して基板501を相対的に移動するためのものであり、基板501をXY方向に自在に移動することができる。
【0015】
レーザー照射装置300a〜300dは、レーザー光をフォトレジスト上にスポット照射するためのものである。レーザー照射装置300a〜300dは、X方向及びY方向に移動自在であり、矩形状のフォトマスクの各コーナの上方に配置されている。レーザー光が照射された箇所のフォトレジストは溶融もしくは蒸発する。この結果、フォトレジスト上にマーキングや孔(これらを、以下、「レーザー照射跡」という)が形成される。尚、第1の実施形態では、レーザー照射装置と位置合わせ機構とは、一体的に構成され、図1の破線で示す位置に配置されている。
【0016】
位置合わせ機構400a〜400dは、例えば、CCDカメラを備え、フォトマスク200のアライメントマークと、レーザー照射跡とを検出し、アライメントマークとレーザー照射跡とが所定の位置関係となるように、基板を移動させる。尚、第1の実施形態では、アライメントマークの中心とレーザー照射跡とが重なるように、基板が移動される。
【0017】
次に、図1A〜1Eを用いて、基板上にファーストレイヤーをステップ露光する工程を説明する。尚、各図において、開口部203a〜203d内に描かれる丸印のうち、黒く塗りつぶした丸印は、各工程において、フォトマスク200と基板501との位置合わせに用いられるレーザー照射跡を示す。更に、第1の実施形態では、基板501上の左上の領域、左下の領域、右下の領域及び右上の領域の順に露光され、便宜上、各領域の位置をこの順に、第1〜4の露光位置という。
【0018】
まず、図1Aに示すように、フォトレジストを塗布した基板501上の第1の露光位置にフォトマスク200が重なるように、フォトマスク200に対して基板501を相対的に移動させる。また、開口部203a〜203cの上方に位置する位置合わせ機構400a〜400cの各々は、右上、右下及び左下の基準マーク204a〜204c(図2参照)を基準として、レーザー光の光軸が、開口部203a〜203cの中心を通過するように、レーザー照射装置300a〜300cの位置を調整する。
【0019】
そして、第1の露光位置において、開口パターン201を基板501のフォトレジスト上に転写する。これと同時にレーザー照射装置300a〜300cの各々からレーザー光を照射する。照射された各レーザー光は、開口部203a〜203cを通過して、フォトレジスト上に照射される。この結果、フォトレジスト上の所定位置にレーザー照射跡301〜303が形成される。
【0020】
次に、基板501上の第2の露光位置を露光する為に、図1Bに示す位置まで、フォトマスク200に対して基板501をY軸正方向に移動する。この時、位置合わせ機構400a及び400dがレーザー照射跡313及び312と、フォトマスク200の左上アライメントマーク202d及び右上のアライメントマーク202a(図2参照)との位置関係を検出し、レーザー照射跡313及び312と、アライメントマーク202d及び202aの中心とが重なるように、基板501のXY方向の位置、水平度及び回転方向(XY平面におけるX軸に対するθ角)が調整される。この結果、基板501上の第2の露光ショットの位置に、精度良くフォトマスク200が重ねられる。また、位置合わせ機構400bは、フォトマスク200の右下の基準マーク204bを基準として、レーザー光の照射位置を調整する。
【0021】
位置合わせ後、第2の露光位置において、開口パターン201を基板501のフォトレジスト上に転写する。これと同時に、レーザー照射装置300bからレーザー光を照射し、フォトレジスト上にレーザー照射跡314を形成する。
【0022】
次に、基板501上の第3の露光ショット位置を露光する為に、図1Cに示す位置まで、フォトマスク200に対して基板501をX軸負方向に移動する。この時、位置合わせ機構400c及び400dが、レーザー照射跡314及び312と、フォトマスク200の左下のアライメントマーク202c及び左上のアライメントマーク202d(図2参照)との位置関係を検出し、レーザー照射跡314及び312と、アライメントマーク202c及び202dの中心とが重なるように、基板501の位置を調整する。この結果、基板501上の第3の露光ショットの位置に、精度良くフォトマスク200が重ねられる。また、位置合わせ機構400aは、フォトマスクの右上の基準マーク204aを基準として、レーザー光の照射位置を調整する。
【0023】
位置合わせ後、第3の露光位置において、開口パターン201を基板501のフォトレジスト上に転写する。これと同時に、レーザー照射装置300aからレーザー光を照射し、フォトレジスト上にレーザー照射跡315を形成する。
【0024】
次に、基板上の第4の露光位置を露光する為に、図1Dに示す位置まで、フォトマスク200に対して基板501をY軸負方向に移動する。この時、位置合わせ機構400b〜400dがレーザー照射跡315、312及び311と、フォトマスクの右下、左下及び左上のアライメントマーク202b〜202d(図2参照)との位置関係を検出し、レーザー照射跡315、312及び311と、アライメントマーク202b〜202dの中心とが重なるように、基板501の位置を調整する。この結果、基板501上の第4の露光の位置に、精度良くフォトマスク200が重ねられる。
【0025】
位置合わせ後、第4の露光位置において、開口パターン201を基板501のフォトレジスト上に転写する。これによって、図1Eに示すように、第1〜4の露光ショット位置における開口パターンの各々が精度良く位置合わせされた状態で、開口パターンが基板501の全面に転写される。
【0026】
以上のように、第1の実施形態に係る露光装置及び露光方法によれば、レーザー干渉計のようなコスト増に繋がる装置を用いずに、前回のショットで形成したレーザー跡で、基板とフォトマスクとを精度良く位置合わせしながら、ファーストレイヤーをステップ露光することができる。
【0027】
(第2の実施形態)
図4A〜4Fは、本発明の実施形態に係る搬送処理装置の上面図であり、各々、基板の搬送処理の過程を示している。また、図5は、図4A〜4Fに示す露光装置の側面図である。更に、図6A〜6Cは、第2の実施形態に係るフォトマスクの平面図である。尚、図4A〜4Fでは、基板上に形成されるブラックマトリクスをハッチングで示している。
【0028】
露光装置102は、基板の搬送路上に前列と後列の2列に並べて配置された複数のフォトマスクに対して、基板をY軸正方向に搬送しながらステップ露光を行うものである。
【0029】
搬送機構602は、エア噴出により基板502を浮上させる搬送路610と、搬送路610の片側(図3の上側)に配置され、基板をY軸正方向に搬送するスライダーチャック621a及び621bと、スライダーチャックをスライドさせるためのガイド622とを備える。
【0030】
搬送路610は、基板502が投入される側から順に、受取部611と、前列処理ステージ612と、中間部613と、後列処理ステージ614と、受渡部615とを有する。受取部611は、搬送処理装置102の上流の装置から受け取った基板502を、前列処理ステージ612に搬送する為のものである。中間部613は、前列処理ステージ612による露光処理が完了した基板を、後列処理ステージ614に搬送する為のものである。受渡部15は、後列処理ステージ614による露光処理が完了した基板を、下流装置に受け渡す為のものである。
【0031】
スライダーチャック621a及び621bは、Y軸方向に延びるガイド622に沿って、Y軸方向に自在に移動することができる。スライダーチャック621a及び621bの各々には、基板502の下面に吸着する吸着面(図のXY平面に平行な面)が設けられている。基板502の搬送は、基板502の下面にスライダーチャック621a又は621bの吸着面が吸着した状態で、当該スライダーチャックをY軸正方向に移動させることによって行われる。
【0032】
露光ヘッド701〜706の各々には、光源(図示せず)と、フォトマスクと、位置合わせ機構(図示せず)と、レーザー照射装置(図示せず)とが設けられる。露光ヘッド701〜703は、前列処理ステージ612の上方(紙面に対して垂直方向かつ手前側)に、X軸方向に間欠的に並べて配置される。一方、露光ヘッド704〜706は、後列処理ステージ614の上方に、X軸方向に間欠的に、かつ、露光ヘッド701〜703の間を補完する位置に配置される。尚、各露光ヘッド701〜706において、開口パターンの転写、フォトマスクのアライメントマーク及び基準マークの検出、及びフォトレジスト上へのレーザーの照射を独立して行うことができる。
【0033】
フォトマスク210、220及び230は、ブラックマトリクスのパターンを基板502上に転写するためのものである。フォトマスク210、220及び230は、複数の開口パターンと、2つの開口部と、2つの基準マークと、4つのアライメントマークとを備えるが、各々、開口パターンの形状や配置が異なる。図6Aに示すフォトマスク210は、開口パターン211と、アライメントマーク212a〜212dと、開口部213c及び213dと、検出部214c及び214dとを備える。また、図6Bに示すフォトマスク220は、開口パターン221a及び221bと、アライメントマーク222a〜222dと、開口部223c及び223dと、検出部224c及び224dとを備える。ここで、フォトマスク210における開口パターン211と、フォトマスク220における開口パターン221aとで、一つのチップに対応するブラックマトリクスのパターンが形成される。また、図6Cに示すフォトマスク230は、開口パターン231と、アライメントマーク232a〜232dと、開口部233c及び233dと、検出部234c及び234dとを備える。ここで、フォトマスク220における開口パターン221bと、フォトマスク230における開口パターン231とで、一つのチップに対応するブラックマトリクスのパターンが形成される。フォトマスク210は、露光ヘッド701及び705に設けられ、フォトマスク220は、露光ヘッド703及び704に設けられ、フォトマスク230は、露光ヘッド702及び706に設けられる。
【0034】
次に、図4A〜4F、図5及び図6A〜6Cを用いて、露光装置102を用いたカラーフィルタの製造方法について説明する。尚、基板502は、前列処理ステージ612を通過する間に4回停止し、各停止位置において開口パターンが転写される。この時、基板502上において開口パターンが転写される各々の位置を、便宜上、基板502の投入される側から順に、第1〜4の露光位置という。また、同様に、基板502が後列処理ステージ614を通過するまでに転写される位置を、基板502の投入側から順に、第5〜8の露光位置という。
【0035】
まず、黒色顔料、透明樹脂、エチレン性不飽和二重結合を有するモノマー、光重合開始剤及び重合禁止材を含有し、かつ、波長340〜380nmの紫外線照射で硬化する黒色レジストを基板上に塗布する。
【0036】
各露光ヘッド701〜706にフォトマスクを装着する。この際、露光ヘッド701〜706の各々に設けられるフォトマスクを位置合わせするための位置合わせ機構によって、前列処理ステージ612及び後列処理ステージ614上に設けられたアライメントマークと、各露光ヘッド701〜706におけるフォトマスク上のアライメントマークとの位置関係を検出する。そして検出した位置を基準として、各々のフォトマスクの傾きと、フォトマスクどうしの位置関係が調整される。その後は順次投入される基板への露光処理が終了するまで、当該調整された位置において、露光ヘッド701〜706におけるフォトマスクが固定される。従って、前列処理ステージ612の各々に設けられるフォトマスク同士の相対的な位置関係、及び、後列処理ステージ614に設けられるフォトマスク同士の相対的な位置関係は一定となる。尚、基板とフォトマスクとの位置合わせは、前列処理ステージ612では、露光ヘッド701及び703のフォトマスクのみを用いて行われ、後列処理ステージ614では、露光ヘッド704及び706のフォトマスクのみを用いて行われる。そのため、露光ヘッド702及び704では、レーザー照射が行われず、後述するアライメントマークとレーザー照射跡との位置関係の検出も行われない。
【0037】
次に、図4Aに示すように、基板502を受取部611に投入する。受取部611上には、基板がセットされる際に基板の端縁の当たりとなるピンが設けられている。従って、当該ピンに基板502の端縁を押し当てることで、基板502を所定位置にセットすることができる(いわゆる、ピンアライメント)。そして基板502の搬送に備えて、スライダーチャック621aが基板502の端部を吸着保持する。
【0038】
次に、図4Bに示す第1の露光位置まで基板502を搬送した後、基板502を停止させる。また、露光ヘッド701に設けられる位置合わせ機構が、露光ヘッド701に装着されるフォトマスク210の左下の基準マーク214c(図6A参照)を検出する。そして、基準マーク214cの位置を基準として、フォトマスク210の左下の開口部213c(図6A参照)の中心にレーザー光が照射されるように、レーザー照射装置(図示せず)の位置が調整される。同様に、露光ヘッド703においても、フォトマスク220の左下の基準マーク224c(図6B)の位置を基準にして、レーザー光の光軸が、開口部223cの中心に重なるように、レーザーの照射位置が調整される。
【0039】
そして、第1の露光位置において、露光ヘッド701〜703の各々に装着されたフォトマスクの開口パターンが基板のフォトレジスト上に転写される(転写されたパターンをハッチングで示す)。また、露光ヘッド701及び703においては、フォトレジスト上にレーザーが照射され、レーザー照射跡321及び322が形成される。
【0040】
次に、図4Cに示す第2の露光位置まで基板502を搬送した後、基板502を停止させる。このとき、露光ヘッド701における位置合わせ機構が、フォトマスク210の右下のアライメントマーク212b(図6A参照)と、レーザー照射跡321との位置関係を検出する。また、露光ヘッド703における位置合わせ機構が、フォトマスク220の右下アライメントマーク222b(図6B参照)と、レーザー照射跡322との位置関係を検出する。そして、これらの位置関係に基づいて、フォトマスク210の右下のアライメントマーク212b及びフォトマスク220の右下のアライメントマーク232aの中心が、レーザー照射跡321及び322と重なるように、基板502のXY方向の位置、水平度及び回転方向が調整される。この結果、第1の露光位置に対して、第2の露光位置が精度良く位置決めされる。また、第1の露光位置の場合と同様に、基準マーク214c及び224cに基づいて、露光ヘッド701及び703において、レーザーの照射位置が調整される。
【0041】
そして、第2の露光位置において、フォトマスク210、220及び230の開口パターン211、221a、221b及び231が基板502のフォトレジスト上に転写される。また、露光ヘッド701及び702においては、フォトレジスト上にレーザー照射跡323及び324が形成される。
【0042】
次に、第3の露光位置においても、第2の露光位置と同様に、レーザー照射跡323及び324を基準として、基板502とフォトマスク210及び220との位置合わせを行った後、基板502上のフォトレジスト上に、開口パターンを転写し、更に、レーザー照射跡325及び326を形成する。次に、第4の露光位置においても、第2及び3の露光位置と同様に、レーザー照射跡325及び326を基準として、基板502とフォトマスク210及び220との位置合わせを行った後、基板502上のフォトレジスト上に、開口パターンを転写し、更に、レーザー照射跡327及び328を形成する。
【0043】
以上のように、第2〜4の露光位置は、各々、第1〜3の露光位置で形成されたレーザー照射跡を基準として、フォトマスク210と基板502とが精度良く位置決めされている。この結果、図4Dに示すように、基板の第1〜4の露光位置において、開口パターン211、221a、221b及び231が良好な位置精度で転写される。
【0044】
前列処理ステージ612における露光が終了した基板502は、スライダーチャック621aによって中間部613まで搬送される。基板502が中間部613まで搬送された後、スライダーチャック621aは基板502への吸着を解除し、次の基板の搬送に備えて受取部611に復帰する。そして、スライダーチャック621aと入れ替わりに、スライダーチャック621bが、基板502を吸着保持し、基板502を後列処理ステージ614に向けて搬送する。
【0045】
以降は、後列処理ステージ614における露光について説明する。尚、後列処理ステージ614における第5〜8の露光位置では、前列処理ステージ612で形成されたレーザー照射跡321〜328を用いて位置合わせされる。従って、第5〜8の露光位置では、フォトレジスト上にレーザーを照射しない。また、基板502が後列処理ステージ614で露光が行わると共に、前列処理ステージ612では、次に投入された基板の露光処理が開始される。
【0046】
図4Eに示す第5の露光位置まで基板502を搬送した後、基板502を停止させる。そして、露光ヘッド704における位置合わせ機構が、フォトマスク220の左上のアライメントマーク212d(図6B参照)と、レーザー照射跡321との位置関係を検出する。更に、露光ヘッド706における位置合わせ機構が、フォトマスク230の左上のアライメントマーク232d(図6C参照)と、レーザー照射跡322との位置関係を検出する。そして、これらの位置関係に基づいて、フォトマスク220の左上のアライメントマーク222d及フォトマスク230の左上のアライメントマーク232dの中心が、レーザー照射跡321及び322の各々と重なるように、基板502のXY方向の位置、水平度及び回転方向が調整される。
【0047】
そして、第5の露光位置において、第1の露光位置で転写された開口パターン211の端縁(図4Eの下側に位置する)に繋がるように、開口パターン221aが転写され、第1の露光位置で転写された開口パターン231の端縁(図4Eの上側に位置する)に繋がるように、開口パターン221bが転写され、第1の露光位置で転写された開口パターン221aの端縁(図4Eの上側に位置する)に繋がるように、開口パターン211が転写され、第1の露光位置で転写された開口パターン221bの端縁(図4Eの下側に位置する)に繋がるように、開口パターン231が転写される。
【0048】
以降の第6〜8の露光位置においても、第5の露光位置と同様に、前列処理ステージ612で形成されたレーザー照射跡と、フォトマスクのアライメントマークとの位置関係から、基板とフォトマスクとの位置合わせを行った後、フォトレジスト上に開口パターンが順次転写される。この結果、図4Fに示すように、基板502上に、4行×4列のマトリクス状にブラックマトリクスのパターンが良好な位置精度で転写される。
【0049】
その後、基板502は受渡部615から下流装置に搬出され、例えば、現像及び洗浄が行われる。そして、ブラックマトリクスが形成された基板502に、カラーレジストを塗布して、基板上の所定位置に着色パターンを露光する。当該着色パターンの露光は、カラーフィルタを構成する色数に応じて繰り返し行う。この結果、基板上に複数のチップが多面付けされたカラーフィルタ基板が形成される。尚、基板上に着色パターンを露光するには、第2の実施形態の露光装置102を用いても良いし、他の公知の露光装置(例えば、1枚のフォトマスクで基板全面を一括露光するもの)を用いても良い。
【0050】
尚、上記した第1及び第2の実施形態では、フォトマスクの構成を図3及び6に示すものに特定しているが、特にこれらに限定されず、アライメントマーク、開口部、基準マークの数、形状、配置等は、露光装置の構成や露光パターンに応じて最適なものを選択すれば良い。
【0051】
また、上記した第1及び第2の実施形態では、基板とフォトマスクとを相対的に移動する搬送機構は、基板のみを搬送していたが、特にこれに限定されない。例えば、第1の実施形態において、基板を固定し、フォトマスクを移動しても良い。
【0052】
更に、上記した第1及び第2の実施形態では、アライメントマークとレーザー照射跡とが重なるようにして、基板とフォトマスクとの位置合わせを行っているが、特にこれに限定されない。つまり、アライメントマークとレーザー照射跡とが重ならなくても、両者が所定の位置関係となるように、基板及びフォトマスクの位置を調整すれば良い。
【0053】
更に、上記した第1及び第2の実施形態では、基板上に露光する回数を特定しているが、これらに限定されるものではない。例えば、第1の実施形態において、更に小さなフォトマスクを用いて、露光及びレーザー照射を行う工程の繰り返し回数を増やしても良い。また、第2の実施形態において、より多くの露光ヘッドを用いて、露光及びレーザー照射の工程を繰り返しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0054】
本発明は、例えば、基板上にカラーフィルタを構成するブラックマトリクスを露光する露光装置として用いることができる。
【符号の説明】
【0055】
101、102 露光装置
200、210、220、230 フォトマスク
201、211、221a、221b、231 開口パターン
202a〜202d、212a〜212d、222a〜222d、232a〜232d アライメントマーク
203a〜203d、213c、213d、223c、223d、233c、233d 開口部
204a〜204d、214c、214d、224c、224d、234c、234d 基準マーク
300a〜300d レーザー照射装置
311〜315、321〜328 レーザー照射跡
400a〜400d 位置合わせ機構
501、502 基板
601、602 搬送機構
701〜706 露光ヘッド
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の露光と、前記基板とフォトマスクとの相対移動とを繰り返し、前記基板上の異なる位置にフォトマスクのパターンを繰り返し形成する露光装置であって、
光源と、
前記光源の下方に配置され、アライメントマークを有するフォトマスクと、
前記基板と前記フォトマスクとを相対的に移動させる搬送機構と、
前記基板上のフォトレジストを露光する際に、前記フォトレジストの一部にレーザーを照射するレーザー照射装置と、
前記露光と、前記レーザーの照射とを行った後に、次の露光位置まで前記基板と前記フォトマスクとを相対的に移動させる際に、前記フォトレジスト上に形成された前記レーザーの照射跡と、前記フォトマスクのアライメントマークとが所定の位置関係となるように、前記フォトマスクと、前記基板との位置合わせを行う位置合わせ機構とを備える、露光装置。
【請求項2】
前記フォトマスクは、基準マークを有し、
前記レーザー照射装置は、前記基板の平面方向に移動可能であり、前記基準マークを基準として、前記レーザーが照射する位置を調整する、請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記フォトマスクは、前記フォトレジストに照射されるレーザーを透過させる開口を有し、前記レーザー照射装置は、前記開口を通じてレーザーを前記フォトレジストに照射する、請求項1または2に記載の露光装置。
【請求項4】
基板の露光と、前記基板とフォトマスクとの相対移動とを繰り返し、前記基板上の異なる位置に前記フォトマスクのパターンを繰り返し形成する露光方法であって、
前記基板に塗布されたフォトレジストに露光を行い、前記フォトレジストの一部にレーザーを照射する第1の工程と、
前記第1の工程の次の露光位置まで、前記基板と前記フォトマスクとを相対的に移動させ、前記フォトレジスト上に形成された前記レーザーの照射跡と、前記フォトマスクのアライメントマークが所定の位置関係となるように、前記基板と前記フォトマスクとの位置合わせを行う第2の工程と、
前記第1の工程と、前記第2の工程とを交互に所定回数だけ繰り返した後、前記第2の工程で前記基板と前記フォトマスクとの位置合わせを行った後、前記基板に塗布されたフォトレジストに露光を行う第3の工程とを備える、露光方法。
【請求項5】
前記第3の工程では、前記基板に塗布されたフォトレジストに露光を行う際に、更に、前記フォトレジストの一部にレーザーを照射し、
前記第1又は第3の工程で形成された前記レーザーの照射跡と、前記フォトマスクのアライメントマークとが所定の位置関係となるように、前記基板と前記フォトマスクとの位置合わせを行う第4の工程と、
前記第4の工程において、前記基板と前記フォトマスクとの位置合わせを行った後、前記基板に塗布されたフォトレジストに露光を行う第5の工程とを更に備え、
前記第3の工程を行った後、前記第4の工程と、前記第5の工程とを交互に所定回数だけ繰り返す、請求項4に記載の露光方法。
【請求項6】
基板上に複数のカラーフィルタを露光する、カラーフィルタの製造方法であって、
請求項4に記載する露光方法によって、前記基板上に、ブラックマトリクスのパターンを形成し、
前記ブラックマトリクスを形成した基板上にカラーレジストを塗布し、前記基板上の所定位置に着色パターンを露光する工程を、前記カラーフィルタを構成する色数に応じて繰り返す、カラーフィルタの製造方法。
【請求項1】
基板の露光と、前記基板とフォトマスクとの相対移動とを繰り返し、前記基板上の異なる位置にフォトマスクのパターンを繰り返し形成する露光装置であって、
光源と、
前記光源の下方に配置され、アライメントマークを有するフォトマスクと、
前記基板と前記フォトマスクとを相対的に移動させる搬送機構と、
前記基板上のフォトレジストを露光する際に、前記フォトレジストの一部にレーザーを照射するレーザー照射装置と、
前記露光と、前記レーザーの照射とを行った後に、次の露光位置まで前記基板と前記フォトマスクとを相対的に移動させる際に、前記フォトレジスト上に形成された前記レーザーの照射跡と、前記フォトマスクのアライメントマークとが所定の位置関係となるように、前記フォトマスクと、前記基板との位置合わせを行う位置合わせ機構とを備える、露光装置。
【請求項2】
前記フォトマスクは、基準マークを有し、
前記レーザー照射装置は、前記基板の平面方向に移動可能であり、前記基準マークを基準として、前記レーザーが照射する位置を調整する、請求項1に記載の露光装置。
【請求項3】
前記フォトマスクは、前記フォトレジストに照射されるレーザーを透過させる開口を有し、前記レーザー照射装置は、前記開口を通じてレーザーを前記フォトレジストに照射する、請求項1または2に記載の露光装置。
【請求項4】
基板の露光と、前記基板とフォトマスクとの相対移動とを繰り返し、前記基板上の異なる位置に前記フォトマスクのパターンを繰り返し形成する露光方法であって、
前記基板に塗布されたフォトレジストに露光を行い、前記フォトレジストの一部にレーザーを照射する第1の工程と、
前記第1の工程の次の露光位置まで、前記基板と前記フォトマスクとを相対的に移動させ、前記フォトレジスト上に形成された前記レーザーの照射跡と、前記フォトマスクのアライメントマークが所定の位置関係となるように、前記基板と前記フォトマスクとの位置合わせを行う第2の工程と、
前記第1の工程と、前記第2の工程とを交互に所定回数だけ繰り返した後、前記第2の工程で前記基板と前記フォトマスクとの位置合わせを行った後、前記基板に塗布されたフォトレジストに露光を行う第3の工程とを備える、露光方法。
【請求項5】
前記第3の工程では、前記基板に塗布されたフォトレジストに露光を行う際に、更に、前記フォトレジストの一部にレーザーを照射し、
前記第1又は第3の工程で形成された前記レーザーの照射跡と、前記フォトマスクのアライメントマークとが所定の位置関係となるように、前記基板と前記フォトマスクとの位置合わせを行う第4の工程と、
前記第4の工程において、前記基板と前記フォトマスクとの位置合わせを行った後、前記基板に塗布されたフォトレジストに露光を行う第5の工程とを更に備え、
前記第3の工程を行った後、前記第4の工程と、前記第5の工程とを交互に所定回数だけ繰り返す、請求項4に記載の露光方法。
【請求項6】
基板上に複数のカラーフィルタを露光する、カラーフィルタの製造方法であって、
請求項4に記載する露光方法によって、前記基板上に、ブラックマトリクスのパターンを形成し、
前記ブラックマトリクスを形成した基板上にカラーレジストを塗布し、前記基板上の所定位置に着色パターンを露光する工程を、前記カラーフィルタを構成する色数に応じて繰り返す、カラーフィルタの製造方法。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【図1B】
【図1C】
【図1D】
【図1E】
【図2】
【図3】
【図4A】
【図4B】
【図4C】
【図4D】
【図4E】
【図4F】
【図5】
【図6A】
【図6B】
【図6C】
【公開番号】特開2012−98373(P2012−98373A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−244122(P2010−244122)
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年10月29日(2010.10.29)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】
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