説明

露出制御装置

【課題】1回の露出補正量の演算を行うことで、積算輝度を基準値に一致させる。
【解決手段】正規化輝度積算部12は、画像を構成する画素ごとの輝度S1を積算した積算輝度S2を算出した後、その積算輝度S2を基準値THで除算した正規化積算輝度S3を算出し、露出補正量算出部13は、正規化輝度積算部12にて算出された正規化積算輝度S3の対数計算を行うことで露出補正量S4を算出し、露出量算出部14は、露出補正量算出部13にて計算された露出補正量S4にて露出量S5を補正する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は露出制御装置に関し、特に、撮像装置にて撮像された画像を構成する画素の積算輝度を算出する方法に適用して好適なものである。
【背景技術】
【0002】
撮像装置などでは、イメージセンサにて撮像される画像の明るさを調整するため、自動露出制御が行われている。この自動露出制御では、画像を構成する画素ごとの輝度を積算し、積算輝度を基準値と比較することで、積算輝度と基準値との差分が算出される。そして、この差分から露出補正量が算出され、この露出補正量にて補正された露出量に基づいて露光時間やアナログゲインなどを制御することで、画像の明るさの調整が行われる。
【0003】
また、例えば、特許文献1には、撮影者が意識的に露光補正を行うことなく、撮影状況に柔軟に適応させ、高速かつ高性能な適正露光を自動的に決定する方法が開示されている。すなわち、この特許文献1に開示された方法では、複数の画素から構成されるブロックからなるブロック層と、上記ブロックから構成されるエリアからなるエリア層と,上記エリアから構成されるクラスタからなるクラスタ層を対向配置させた階層構造を画像フレームに持たせ、上記各層の領域要素から選択的に生成され、該当する領域要素の各画素の色成分から算出される輝度評価値に基づいて露光制御が実行される。
【0004】
しかしながら、撮像装置などのダイナミックレンジはデシベル(dB)など対数で表現される量であるため、露出補正量は比率として得る必要がある。このため、積算輝度と基準値との差分を計算するだけでは、積算輝度が基準値に一致する露出補正量を求めることができない。このため、従来の自動露出制御では、積算輝度と基準値との差分の大きさに応じて、積算輝度が基準値に近づくように露出補正量が段階的に増減されることから、フレームなどの制御単位時間ごとに、積算輝度が初期値から基準値に漸近的に収束し、露出調整に時間がかかるという問題があった。
【0005】
【特許文献1】特開平11−55564号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、本発明の目的は、1回の露出補正量の演算を行うことで、積算輝度を基準値に一致させることが可能な露出制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様によれば、画像を構成する画素ごとの輝度を積算した積算輝度を算出し、前記積算輝度を基準値で除算した正規化積算輝度を算出する正規化輝度積算部と、前記正規化積算輝度の対数計算結果に基づいて露出補正量を算出する露出補正量算出部とを備えることを特徴とする露出制御装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、正確に露出補正量の演算を行うことができ、高速に積算輝度を基準値に一致させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態に係る露出制御装置について図面を参照しながら説明する。
【0010】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る露出制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図1において、露出制御装置には、正規化輝度積算部12、露出補正量算出部13、露出量算出部14および制御量変換部15が設けられている。
【0011】
ここで、正規化輝度積算部12は、画像を構成する画素ごとの輝度S1を積算した積算輝度S2を算出し、その積算輝度S2を基準値THで除算した正規化積算輝度S3を算出することができる。具体的には、正規化輝度積算部12には、輝度積算部12aおよび正規化装置12bが設けられている。そして、輝度積算部12aは、イメージセンサ11にて撮像される画像を構成する画素ごとの輝度S1を積算した積算輝度S2を算出することができる。正規化装置12bは、輝度積算部12aにて算出された積算輝度S2を基準値THで除算した正規化積算輝度S3を算出することができる。ここで、正規化装置12bには、積算輝度S2を基準値THで除算する除算器12cが設けられている。
【0012】
なお、正規化積算輝度S3は、積算輝度S2が基準値THの何倍であるかを示す値である。また、基準値THは、イメージセンサ11にて撮像される画像の明るさを指定する目標値である。ここで、基準値THは、装置の小型化や設計の容易化を図るために、2のべき乗などの値を選択することが好ましい。また、イメージセンサ11としては、例えば、CMOSセンサまたはCCDなどの固体撮像素子を用いることができ、撮像管を用いるようにしてもよい。
【0013】
露出補正量算出部13は、正規化輝度積算部12にて算出された正規化積算輝度S3の対数計算結果に基づいて露出補正量S4を算出することができる。ここで、露出補正量算出部13には、正規化積算輝度S3の対数を計算する対数計算部13aが設けられている。なお、対数計算部13aには、正規化積算輝度S3とその対数値との関係を登録したROMテーブルを設け、このROMテーブルから正規化積算輝度S3の対数値を求めるようにしてもよい。
【0014】
露出量算出部14は、露出補正量算出部13にて計算された露出補正量S4にて補正された露出量S5を算出することができる。なお、露出量S5は、シャッタスピードや絞り値が変わるたびに増減するEV値で表現することができる。このEV値を用いる場合、EV値を±x段階だけ増減させると、露光時間あるいはアナログゲインなどを2±x倍に増減させることができる。
【0015】
制御量変換部15は、露出量算出部14にて算出された露出量S5を露出制御に使用される制御量S6に変換することができる。なお、露出制御に使用される制御量S6としては、シャッタスピードや絞り値やアナログゲインなどを挙げることができる。
【0016】
図2は、図1の基準値THを変化させた時の積算輝度S2と正規化積算輝度S3との関係を示す図である。
図2において、正規化積算輝度S3は、積算輝度S2に比例し、基準値THに反比例する。そして、基準値THを標準値TH0の2倍にした場合、積算輝度S2が2倍になると、正規化積算輝度S3が標準値TH0になる。また、基準値THを標準値TH0の0.5倍にした場合、積算輝度S2が0・5倍になると、正規化積算輝度S3が標準値TH0になる。
【0017】
そして、図1において、レンズ10を介してイメージセンサ11に入射した光LOは、画素ごとに電気信号に変換され、画像ごとの輝度S1が正規化輝度積算部12に順次入力される。そして、画像ごとの輝度S1が正規化輝度積算部12に順次入力されると、輝度積算部12aにおいて、1フレームなどの制御単位時間だけ画素ごとの輝度S1が積算されることで積算輝度S2が算出され、正規化装置12bに出力される。なお、積算輝度S2を算出する場合、画像全体の画素ごとの輝度S1を用いるようにしてもよいし、中心部などの画像の一部の画素ごとの輝度S1を用いるようにしてもよい。また、画像の位置に応じて重み付けをするようにしてもよいし、画素の間引きを行いながら積算輝度S2を算出するようにしてもよい。
【0018】
そして、正規化装置12bにおいて、輝度積算部12aにて算出された積算輝度S2が基準値THで除算されることで正規化積算輝度S3が算出され、露出補正量算出部13に出力される。そして、正規化積算輝度S3が露出補正量算出部13に入力されると、対数計算部13aにおいて、正規化積算輝度S3の2を底とした対数値に−1を乗じた値が計算され、その値が露出補正量S4として露出量算出部14に出力される。そして、露出量算出部14に露出補正量S4が入力されると、露出補正量S4にて補正された露出量S5が算出され、制御量変換部15に出力される。例えば、露出補正量S4が+1EVの場合には、露出量S5が+1EVだけ増加され、露出補正量S4が−1EVの場合には、露出量S5が−1EVだけ減少される。
【0019】
そして、制御量変換部15において、露出量S5が制御量S6に変換され、イメージセンサ11に出力されることで、積算輝度S2が基準値THに一致するように、露光時間あるいはアナログゲインなどが制御される。例えば、露出量S5が+1EVだけ変化した場合には、露光時間あるいはアナログゲインが2倍だけ増加され、露出量S5が−1EVだけ変化した場合には、露光時間あるいはアナログゲインが1/2倍に減少される。
【0020】
ここで、正規化積算輝度S3を露出補正量S4の算出に用いることで、基準値THに対する積算輝度S2の比率から露出補正量S4を求めることができ、1回の露出補正量S4の演算を行うことで、積算輝度S2を基準値THに一致させることが可能となる。このため、フレームなどの制御単位時間内に、積算輝度S2を初期値から基準値に収束させることができ、露出調整にかかる時間を短くすることが可能となることから、露出調整を高速化することができる。
【0021】
図3は、図1の露出制御装置による輝度S1の収束状況を示す図である。
図3において、積算輝度S2と基準値THとの差分の大きさに応じて露出補正量S4を制御した場合、積算輝度S2が基準値THに近づくように露出補正量S4が段階的に増減される。このため、1フレームなどの制御単位時間TSごとに、積算輝度S2が初期値S0から基準値THに漸近的に収束し、露出調整に時間がかかる。
【0022】
これに対して、基準値THに対する積算輝度S2の比率から露出補正量S4を求めた場合、積算輝度S2を基準値THに一致させる露出補正量S4を直接求めることができる。このため、1フレームなどの制御単位時間内に、積算輝度S2を初期値S0から基準値THに収束させることが可能となり、露出調整にかかる時間を短くすることができる。
【0023】
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態に係る露出制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図4において、この露出制御装置には、図1の露出制御装置の正規化輝度積算部12の代わりに正規化輝度積算部21が設けられている。ここで、正規化輝度積算部21には、間引きカウンタ21a、比較器21bおよび積算部21cが設けられている。そして、間引きカウンタ21aは、基準値THに対応した周期TPでリセットされながらカウント動作を繰り返すことができる。なお、間引きカウンタ21aとしては、例えば、基準値THの分解能に数ビットを加えた程度のリニアバイナリカウンタを用いることができる。比較器21bは、間引きカウンタ21aにて算出されたカウント値と所定値SHとの比較結果に基づいて積算イネーブル信号ENを出力することができる。積算部21cは、積算イネーブル信号ENが出力されている期間だけ、画像を構成する画素ごとに順次出力される輝度S1を積算することで、正規化積算輝度S3を算出することができる。
【0024】
そして、レンズ10を介してイメージセンサ11に入射した光LOは、画素ごとに電気信号に変換され、画像ごとの輝度S1が積算部21cに順次入力される。また、図5に示すように、間引きカウンタ21aにおいて、基準値THに対応した周期TPでリセットされながらカウント動作が繰り返され、その時のカウント値が比較器21bに出力される。そして、比較器21bにおいて、間引きカウンタ21aから出力されたカウント値が所定値SHと比較され、間引きカウンタ21aから出力されたカウント値が所定値SHより小さい期間だけ、積算イネーブル信号ENが積算部21cに出力される。
【0025】
そして、積算部21cにおいて、積算イネーブル信号ENが出力されている期間だけ、画素ごとの輝度S1が積算されることで、基準値THの逆数的割合で画素が間引かれた正規化積算輝度S3が算出され、露出補正量算出部13に出力される。
【0026】
そして、正規化積算輝度S3が露出補正量算出部13に入力されると、対数計算部13aにおいて、正規化積算輝度S3の2を底とした対数値に−1を乗じた値が計算され、その値が露出補正量S4として露出量算出部14に出力される。そして、露出量算出部14に露出補正量S4が入力されると、露出補正量S4にて補正された露出量S5が算出され、制御量変換部15に出力される。そして、制御量変換部15において、露出量S5が制御量S6に変換され、イメージセンサ11に出力されることで、露光時間あるいはアナログゲインなどが制御される。
【0027】
ここで、基準値THの逆数的割合で画素を間引きながら輝度S1の積算を行うことで、図1の除算器12cを用いることなく、積算輝度S2が基準値THで除算された正規化積算輝度S3を算出することができ、回路規模を低減しつつ、露出調整を高速化することができる。
【0028】
(第3実施形態)
図6は、本発明の第3実施形態に係る露出制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図6において、この露出制御装置には、図4の露出制御装置の露出補正量算出部13および制御量変換部15の代わりに露出補正量算出部31および制御量変換部32が設けられている。ここで、露出補正量算出部31には、比較器31a、ラッチ31b、スイープカウンタ31cおよび逆数演算器31dが設けられている。そして、比較器31aは、相対露出スイープ値S13を指数とした指数計算を指数計算部32bに行わせることで得られた正規化輝度比較値S11と、正規化積算輝度S3との比較結果に基づいてラッチイネーブル信号S12を出力することができる。ラッチ回路31bは、ラッチイネーブル信号S12に基づいて相対露出補正量スイープ値S14をラッチすることで露出補正量S4を出力することができる。スイープカウンタ31cは、露出制御装置の動作範囲内で露出量をスイープさせた相対露出スイープ値S13を発生することができる。なお、スイープカウンタ31cとしては、例えば、露出量S5を保持するために必要なビット数と同程度のリニアバイナリカウンタを用いることができる。逆数演算器31dは、相対露出スイープ値S13の逆数計算結果に基づいて相対露出補正量スイープ値S14を計算することができる。
【0029】
また、制御量変換部32には、スイッチ32aおよび指数計算部32bが設けられている。そして、スイッチ32aは、制御量変換部32の内部からの出力と、スイープカウンタ31cからの出力のいずれか一方を選択して指数計算部32bに入力することができる。指数計算部32bは、制御量S6を計算するための指数演算を行うことができる。
【0030】
そして、レンズ10を介してイメージセンサ11に入射した光LOは、画素ごとに電気信号に変換され、画像ごとの輝度S1が積算部21cに順次入力される。そして、積算部21cにおいて、比較器21bから積算イネーブル信号ENが出力されている期間だけ、画素ごとの輝度S1が積算されることで、基準値THの逆数的割合で画素が間引かれた正規化積算輝度S3が算出され、比較器31aに出力される。
【0031】
また、露出補正量S4の算出が行われる場合、スイッチ32aにて、スイープカウンタ31cからの出力が指数計算部32bへの入力に切り替えられる。そして、図7に示すように、スイープカウンタ31cにおいて、動作範囲内で小さな値から大きな値に露出量をスイープさせた相対露出スイープ値S13が発生され、逆数演算器31dに入力されるとともに、スイッチ32aを介して指数計算部32bに入力される。
【0032】
そして、相対露出スイープ値S13が逆数演算器31dに入力されると、逆数演算器31dにおいて相対露出スイープ値S13の逆数が計算され、その計算結果が相対露出補正量スイープ値S14としてラッチ回路31bに出力される。
【0033】
また、相対露出スイープ値S13が指数計算部32bに入力されると、指数計算部32bにおいて相対露出スイープ値S13を指数とした指数演算が行われ、その演算結果が正規化輝度比較値S11として比較器31aに出力される。
【0034】
そして、比較器31aにおいて、正規化輝度比較値S11が正規化積算輝度S3と比較され、正規化輝度比較値S11が正規化積算輝度S3に一致した時点でラッチイネーブル信号S12がラッチ回路31bに出力される。そして、ラッチイネーブル信号S12がラッチ回路31bに出力されると、相対露出補正量スイープ値S14がラッチされ、そのラッチされた相対露出補正量スイープ値S14が露出補正量S4として露出量算出部14に出力される。そして、露出量算出部14に露出補正量S4が入力されると、露出補正量S4にて補正された露出量S5が算出され、制御量変換部32に出力される。
【0035】
そして、制御量S6の算出が行われる場合、スイッチ32aにて、制御量変換部32の内部からの出力が指数計算部32bへの入力に切り替えられる。そして、制御量変換部32において、指数計算部32bにて指数演算が行われることで露出量S5が制御量S6に変換され、イメージセンサ11に出力されることで、露光時間あるいはアナログゲインなどが制御される。
【0036】
ここで、相対露出スイープ値S13の指数演算結果に基づいて設定されたタイミングに従って相対露出補正量スイープ値S14をラッチすることで、図4の対数計算部13aを用いることなく、露出補正量S4を算出することができ、回路規模を低減しつつ、露出調整を高速化することができる。
また、制御量S6の算出に用いられる指数計算部32bにて相対露出スイープ値S13の指数演算を時分割的に行うことで、相対露出スイープ値S13の指数演算を行う指数演算器を別途設ける必要がなくなり、制御量S6の算出に支障をきたすことなく、回路規模を削減することができる。
【0037】
(第4実施形態)
図8は、本発明の第4実施形態に係る露出制御装置の概略構成を示すブロック図である。
図8において、この露出制御装置には、図4の露出制御装置の露出補正量算出部13の代わりに露出補正量算出部41が設けられている。ここで、露出補正量算出部41には、比較器41a、ラッチ41b、スイープカウンタ41c、逆数演算器41d、乗算器41eおよびフリップフロップ41fが設けられている。そして、比較器41aは、フリップフロップ41fに保持されている正規化輝度比較値S11と、正規化積算輝度S3との比較結果に基づいてラッチイネーブル信号S12を出力することができる。ラッチ回路41bは、ラッチイネーブル信号S12に基づいて相対露出補正量スイープ値S14をラッチすることで露出補正量S4を出力することができる。スイープカウンタ41cは、露出制御装置の動作範囲内で露出量をスイープさせた相対露出スイープ値S13を発生することができる。逆数演算器41dは、相対露出スイープ値S13の逆数計算結果に基づいて相対露出補正量スイープ値S14を計算することができる。乗算器41eは、フリップフロップ41fに保持された正規化輝度比較値S11を、1ステップだけスイープされるごとに固定倍することができる。フリップフロップ41fは、乗算器41eにて算出された正規化輝度比較値S11を保持することができる。
【0038】
そして、レンズ10を介してイメージセンサ11に入射した光LOは、画素ごとに電気信号に変換され、画像ごとの輝度S1が積算部21cに順次入力される。そして、積算部21cにおいて、比較器21bから積算イネーブル信号ENが出力されている期間だけ、画素ごとの輝度S1が積算されることで、基準値THの逆数的割合で画素が間引かれた正規化積算輝度S3が算出され、比較器41aに出力される。
【0039】
また、スイープカウンタ41cにおいて、動作範囲内で小さな値から大きな値に露出量をスイープさせた相対露出スイープ値S13が発生され、逆数演算器41dに入力されるとともに、動作範囲内でのスイープが行われるごとにリセット信号RSが生成され、フリップフロップ41fのリセット端子に入力される。
【0040】
そして、相対露出スイープ値S13が逆数演算器31dに入力されると、逆数演算器31dにおいて相対露出スイープ値S13の逆数が計算され、その計算結果が相対露出補正量スイープ値S14としてラッチ回路31bに出力される。
【0041】
また、リセット信号RSがフリップフロップ41fのリセット端子に入力されると、フリップフロップ41fがリセットされた後、フリップフロップ41fに保持された値が乗算器41eにて固定倍された後、フリップフロップ41fに入力され、乗算器41eに出力される。そして、乗算器41eによる固定倍演算が1ステップだけスイープされるごと繰り返されることで指数演算が行われ、その演算結果が正規化輝度比較値S11として比較器41aに出力される。
【0042】
そして、比較器41aにおいて、正規化輝度比較値S11が正規化積算輝度S3と比較され、正規化輝度比較値S11が正規化積算輝度S3に一致した時点でラッチイネーブル信号S12がラッチ回路41bに出力される。そして、ラッチイネーブル信号S12がラッチ回路41bに出力されると、相対露出補正量スイープ値S14がラッチされ、そのラッチされた相対露出補正量スイープ値S14が露出補正量S4として露出量算出部14に出力される。そして、露出量算出部14に露出補正量S4が入力されると、露出補正量S4にて補正された露出量S5が算出され、制御量変換部15に出力される。
【0043】
そして、制御量変換部15において、露出量算出部14から出力された露出量S5が制御量S6に変換され、イメージセンサ11に出力されることで、露光時間あるいはアナログゲインなどが制御される。
【0044】
ここで、乗算器41eおよびフリップフロップ41fにて行われた指数演算結果に基づいて設定されたタイミングに従って相対露出補正量スイープ値S14をラッチすることで、図4の対数計算部13aを用いることなく、露出補正量S4を算出することができ、回路規模を低減しつつ、露出調整を高速化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の第1実施形態に係る露出制御装置の概略構成を示すブロック図。
【図2】図1の基準値THを変化させた時の積算輝度S2と正規化積算輝度S3との関係を示す図。
【図3】図1の露出制御装置による輝度S1の収束状況を示す図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る露出制御装置の概略構成を示すブロック図。
【図5】図4の露出制御装置における正規化積算輝度の算出時の間引き動作を示す図。
【図6】本発明の第3実施形態に係る露出制御装置の概略構成を示すブロック図。
【図7】図6の露出制御装置における露出補正量の算出方法を示す図。
【図8】本発明の第4実施形態に係る露出制御装置の概略構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0046】
10 レンズ、11 イメージセンサ、12、21 正規化輝度積算部、12a 輝度積算部、12b 正規化装置、12c 除算器、13、31 露出補正量算出部、13a 対数計算部、14 露出量算出部、15、32 制御量変換部、21a 間引きカウンタ、21b、31a、41a 比較器、21c 積算部、31b、41b ラッチ回路、31c、41c スイープカウンタ、31d、41d 逆数演算器、32a スイッチ、32b 指数計算部、41e 乗算器、41f フリップフロップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を構成する画素ごとの輝度を積算した積算輝度を算出し、前記積算輝度を基準値で除算した正規化積算輝度を算出する正規化輝度積算部と、
前記正規化積算輝度の対数計算結果に基づいて露出補正量を算出する露出補正量算出部とを備えることを特徴とする露出制御装置。
【請求項2】
前記正規化輝度積算部は、
前記基準値に対応した周期でリセットしながらカウント動作を繰り返す間引きカウンタと、
前記間引きカウンタにて算出されたカウント値と所定値との比較結果に基づいて積算イネーブル信号を出力する比較器と、
前記積算イネーブル信号が出力されている期間だけ、前記画素ごとに順次出力される輝度を積算することで、前記正規化積算輝度を算出する積算部とを備えることを特徴とする請求項1に記載の露出制御装置。
【請求項3】
前記露出補正量算出部は、
動作範囲内で露出量をスイープさせた相対露出スイープ値を発生するスイープカウンタと、
前記相対露出スイープ値を指数とした指数計算結果に基づいて正規化輝度比較値を計算する指数計算部と、
前記相対露出スイープ値の逆数計算結果に基づいて相対露出補正量スイープ値を計算する逆数演算器と、
前記正規化積算輝度と前記正規化輝度比較値との比較結果に基づいてラッチイネーブル信号を出力する比較器と、
前記ラッチイネーブル信号に基づいて前記相対露出補正量スイープ値をラッチすることで前記露出補正量を出力するラッチ回路とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の露出制御装置。
【請求項4】
前記指数計算部は、
前記正規化輝度比較値を保持するフリップフロップと、
前記フリップフロップに保持された正規化輝度比較値を、1ステップだけスイープされるごとに固定倍する乗算器とを備えることを特徴とする請求項3に記載の露出制御装置。
【請求項5】
前記露出制御装置は、
前記露出補正量にて補正された露出量を算出する露出量算出部と、
前記露出量算出部にて算出された露出量を露出制御に使用される制御量に変換する制御量変換部とをさらに備え、
前記制御量変換部は、前記制御量を計算するための指数演算を行う指数計算部を備え、
前記露出補正量算出部は、
動作範囲内で露出量をスイープさせた相対露出スイープ値を発生するスイープカウンタと、
前記相対露出スイープ値の逆数計算結果に基づいて相対露出補正量スイープ値を計算する逆数演算器と、
前記相対露出スイープ値を指数とした指数計算を前記指数計算部に行わせることで得られた正規化輝度比較値と、前記正規化積算輝度との比較結果に基づいてラッチイネーブル信号を出力する比較器と、
前記ラッチイネーブル信号に基づいて前記相対露出補正量スイープ値をラッチすることで前記露出補正量を出力するラッチ回路とを備えることを特徴とする請求項1または2に記載の露出制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−28566(P2010−28566A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−188903(P2008−188903)
【出願日】平成20年7月22日(2008.7.22)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(390010308)東芝デジタルメディアエンジニアリング株式会社 (192)
【Fターム(参考)】