説明

静圧気体軸受直線案内装置

【課題】ガイドレールの軽量化、生産効率の向上、低コスト化を図ると共に、当該ガイドレールに沿って可動体を移動させて位置決めする際において、負荷を非接触で安定してかつ効率良く支持することを可能にする静圧気体軸受直線案内装置を提供する。
【解決手段】一方向に沿って形成された凹部6gが同一向きに整列するようにレール構造体6S,6Tを相互に組み合わせたガイドレール2には、一方向に沿って延出した第1及び第2のガイド面6c,6bが直交配置され、可動体4は、第1のガイド面6cに対向する第1の軸受パッド4aと、第2のガイド面6bに対向する第2の軸受パッド4bとを備え、各軸受パッド4a、4bに設けられた気体噴出部8から可動体4とガイドレール2との間に加圧気体を噴射して導入することで、可動体4は、ガイドレール2に沿って非接触で移動可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加圧された気体(例えば、圧縮空気)を軸受隙間に導入することで、負荷を非接触で支持する静圧気体軸受直線案内装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば、高精度な工作機械、加工装置、測定装置、検査装置、及び半導体製造装置等の分野においては、試料、工具、及び検出器等を高精度に移動させて位置決めする必要がある。そのため、かかる移動並びに位置決めに際して例えば摩擦等の影響を殆ど受けない静圧気体軸受直線案内装置が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
静圧気体軸受直線案内装置は、潤滑剤として加圧された気体(例えば、圧縮空気)を用いた滑り軸受けの一種であり、その一般的な構造としては、所定部位に固定されるガイドレールと、ガイドレールに沿って移動可能な可動体(スライダ)とを備えて構成されている。一例として、特許文献1に示された可動体は、ガイドレールの上側面に対向配置される垂直方向軸受パッドと、当該ガイドレールの片側面に対向配置される水平方向軸受パッドとをL字状に組み合わせて構成されている。
【0004】
そして、各々の軸受パッドには、可動体とガイドレールとの間に加圧された気体(例えば、圧縮空気)を噴射して導入することにより、可動体をガイドレールに対して非接触で支持する気体噴出部と、可動体とガイドレールとの間を真空吸引して負圧を発生させることにより、当該可動体をガイドレールに接近させる真空吸引部とが設けられている。
【0005】
この場合、気体噴出部から可動体とガイドレールとの間に圧縮空気を噴射して導入することにより、垂直方向軸受パッドには、ガイドレールに対して垂直方向の浮上力が付与され、水平方向軸受パッドには、ガイドレールに対して水平方向の浮上力が付与される。同時に、真空吸引部によって可動体とガイドレールとの間を真空吸引して負圧を発生させることにより、垂直方向軸受パッドには、ガイドレールに対して垂直方向の真空吸引力が付与され、水平方向軸受パッドには、ガイドレールに対して水平方向の真空吸引力が付与される。
【0006】
ここで、上記した浮上力と真空吸引力とのバランス調整を行うことにより、垂直方向軸受パッドは、ガイドレールから垂直方向に適正量だけ浮上すると共に、水平方向軸受パッドは、ガイドレールから水平方向に適正量だけ浮上する。このとき、可動体とガイドレールとの間には、気体潤滑膜が生成された状態となり、これにより、可動体は、ガイドレールに対して垂直方向及び水平方向に非接触で支持された状態で、当該ガイドレールに沿って移動可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平9−222124号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところで、近年、例えばFPD(フラットパネルディスプレイ)関連をはじめ各種の製造ラインにおいては、上記した可動体によって移動させるワークの大型化に伴って、ガイドレールを長尺化させる必要がある。そうなると、長尺化させた分だけガイドレールの形成に要する材料が増加し、その結果、当該ガイドレールの質量が増大するだけでなく、ガイドレールの生産プロセスが煩雑化して生産効率が低下すると共に、製造コストも上昇してしまう。
【0009】
この場合、ガイドレールに沿って可動体を移動させて位置決めする際において、ピッチング、ヨーイング、ローリングの各方面から当該可動体に作用する外力(特に、モーメント)に対して、負荷を非接触で安定してかつ効率良く支持することが要求されている。
【0010】
本発明は、上記したような問題や要求に対応するためになされており、その目的は、ガイドレールの軽量化、生産効率の向上、低コスト化を図ると共に、当該ガイドレールに沿って可動体を移動させて位置決めする際において、負荷を非接触で安定してかつ効率良く支持することを可能にする静圧気体軸受直線案内装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
このような目的を達成するために、本発明の静圧気体軸受直線案内装置は、一方向に沿って連続して延出し、かつ所定部位に固定可能なガイドレールと、ガイドレールに沿って移動可能な可動体とを有し、ガイドレールは、その一側面を一部窪ませた凹部が一方向に沿って連続して形成された一対のレール構造体を備え、これら凹部が同一向きに整列するように当該レール構造体を相互に組み合わせて構成されていると共に、当該ガイドレールには、一方向に沿って連続して延出した第1のガイド面と、第1のガイド面に直交し、かつ第1のガイド面の端縁に沿って一方向に連続して延出した第2のガイド面とが構成されており、可動体は、第1のガイド面に対向配置される第1の軸受パッドと、第2のガイド面に対向配置される第2の軸受パッドとを備え、第1及び第2の軸受パッドには、それぞれ、可動体をガイドレールに対して非接触で支持する気体噴出部が設けられており、当該気体噴出部から可動体とガイドレールとの間に加圧された気体を噴射して導入することにより、可動体は、ガイドレールに対して非接触で支持された状態で、当該ガイドレールに沿って移動可能となる。
本発明において、一対のレール構造体は、それぞれ、一方向に沿って連続して延出した柱部と、柱部の両側から連続し、一方向に沿って互いに平行に、かつ対向して延出した一対のフランジ部とを備えており、当該レール構造体の一側面に形成された凹部は、柱部と一対のフランジ部とで囲まれた長尺の領域に構成されている。
本発明において、第1及び第2の軸受パッドには、それぞれ、可動体とガイドレールとの間を真空吸引して負圧を発生させることにより、可動体をガイドレールに接近させる真空吸引部が設けられており、気体噴出部は、可動体の移動方向に沿って真空吸引部の両外側領域に設けられている。
本発明において、気体噴出部は、真空吸引部の両外側領域において、可動体の移動方向を横断する方向に沿って少なくともその両隅に設けられている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、ガイドレールの軽量化、生産効率の向上、低コスト化を図ると共に、当該ガイドレールに沿って可動体を移動させて位置決めする際において、負荷を非接触で安定してかつ効率良く支持することを可能にする静圧気体軸受直線案内装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係る静圧気体軸受直線案内装置の全体の構成を概略的に示す斜視図。
【図2】(a)は、図1の矢印X方向から見た静圧気体軸受直線案内装置の構成を概略的に示す平面図、(b)は、図1の矢印Y方向から見た静圧気体軸受直線案内装置の構成を概略的に示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態に係る静圧気体軸受直線案内装置について、添付図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施形態の静圧気体軸受直線案内装置は、一方向に沿って連続して延出し、かつ所定部位に固定可能なガイドレール2と、ガイドレール2に沿って矢印S方向に移動可能な可動体4とを有している。
【0015】
なお、ガイドレール2が固定される所定部位としては、静圧気体軸受直線案内装置の使用目的や使用環境に応じて、例えば、水平面、垂直面、傾斜面などを設定することができるが、ここでは一例として、ガイドレール2が固定される所定部位を固定用水平面(図示しない)とし、当該固定用水平面に固定されたガイドレール2に沿って、可動体4を水平方向に平行移動させて位置決めする場合を想定する。
【0016】
ガイドレール2は、その一側面6aを一部窪ませた凹部6gが一方向に沿って連続して形成された一対のレール構造体6S,6Tを備え、これら凹部6gが同一向きに整列するように当該レール構造体6S,6Tを相互に組み合わせて構成されている。一対のレール構造体6S,6Tは、それぞれ、一方向に沿って連続して延出した柱部6pと、柱部6pの両側から連続し、一方向に沿って互いに平行に、かつ対向して延出した一対のフランジ部f1,f2とを備えている。そして、これら一対のレール構造体6S,6Tの一側面6aに形成された凹部6gは、柱部6pと一対のフランジ部f1,f2とで囲まれた長尺の領域に構成されている。
【0017】
ここでは一例として、双方のレール構造体6S,6Tの一側面6aは、上記した固定用水平面に対して垂直方向に延在する垂直面とする。また、双方のレール構造体6S,6Tの凹部6gは、互いに同一形状を成しており、当該一側面6aの一部を一方向に沿って連続して矩形状に窪ませて形成されているものとする。この場合、当該一側面6aを窪ませる量(深さGd、幅Gw)は、静圧気体軸受直線案内装置の使用目的や使用環境に応じて設定されるため、ここでは特に限定しない。
【0018】
更に、双方のレール構造体6S,6Tには、凹部6gが形成された一側面6aとは反対側(即ち、上記した柱部6pの反凹部6g側)に、上記した固定用水平面に対して垂直方向に延在する他側面6bが形成されている。また、双方のレール構造体6S,6Tにおいて、一対のフランジ部f1,f2のうち、一方のフランジ部f2は、上記した固定用水平面に固定されるようになっており、当該フランジ部f2に対向した他方のフランジ部f1には、凹部6gとは反対側に、柱部6pの他側面6bに対して鉛直方向に延在する上側面6cが形成されている。これにより、双方のレール構造体6S,6Tにおいて、他側面6bと上側面6cとは、互いに直交し、かつL字状を成して構成されている。
【0019】
ここで、一対のレール構造体6を相互に組み合わせる方法としては、例えば、一方のレール構造体6Sの一側面6aを他方のレール構造体6Tの他側面6bに結合させる。これにより、それぞれの凹部6gが同一向きに整列するように一対のレール構造体6S,6Tを相互に組み合わせたガイドレール2が構成される。なお、他方のレール構造体6Tの一側面6aを一方のレール構造体6Sの他側面6bに結合させてもよい。これによれば、双方のレール構造体6S,6Tの上側面6cは、互いに同一の水平面上に連続して位置付けられ、単一の水平面として構成される。
【0020】
この場合、双方のレール構造体6S,6Tの一側面6aと他側面6bとを結合させる方法としては、例えば、一側面6aと他側面6bとを接着剤で接着させる方法、一側面6aと他側面6bとをボルトで締結させる方法、或いは、接着剤とボルトを併用して結合させる方法などを適用することができる。要するに、静圧気体軸受直線案内装置の使用目的や使用環境に応じて、一側面6aと他側面6bとを結合させる方法を選択すればよい。
【0021】
また、上記した一対のレール構造体6S,6Tを相互に組み合わせたガイドレール2には、一方向に沿って連続して延出した第1のガイド面と、第1のガイド面に対してL字状に直交し、かつ第1のガイド面の端縁に沿って一方向に連続して延出した第2のガイド面とが構成されている。この場合、第1のガイド面としては、互いに同一の水平面上に連続して位置付けられ、単一の水平面として構成された双方のレール構造体6S,6T(フランジ部f1)の上側面6cを適用することができ、また、第2のガイド面として、一方のレール構造体6S(柱部6p)の他側面6bを適用することができる。
【0022】
このようなガイドレール2に沿って移動可能な可動体4は、第1のガイド面(即ち、2つの上側面6c)に対向配置される第1の軸受パッド4aと、第2のガイド面(即ち、他側面6b)に対向配置される第2の軸受パッド4bとを備えており、双方の軸受パッド4a,4bは、互いにL字状を成して連結されている。なお、双方の軸受パッド4a,4bを連結する方法としては、例えば、接着剤で接着させる方法、ボルトで締結させる方法、或いは、接着剤とボルトを併用して連結させる方法などを適用することができる。
【0023】
図1及び図2(a),(b)に示すように、第1及び第2の軸受パッド4a,4bには、それぞれ、可動体4をガイドレール2(具体的には、第1のガイド面6c、第2のガイド面6b)に対して非接触で支持する気体噴出部8と、可動体4とガイドレール2(第1のガイド面6c、第2のガイド面6b)との間を真空吸引して負圧を発生させることにより、可動体4をガイドレール2に接近させる真空吸引部10とが設けられている。
【0024】
気体噴出部8は、可動体4の移動方向Sに沿って真空吸引部10の両外側領域に設けられている。この場合、気体噴出部8は、例えば多孔質材が略同心円板状に埋め込まれ、かつガイドレール2(具体的には、第1のガイド面6c、第2のガイド面6b)に対向して構成されている。そして、当該多孔質材を通して加圧された気体(例えば、圧縮空気)を噴射することにより、浮上力を発生させることができるようになっている。なお、このような浮上力を発生させる方法としては、例えば、自成絞り、表面絞り、多孔質絞り、オリフィス絞り、スロット絞り、毛細管絞りなど、従来から知られている方法を適用すればよい。
【0025】
また、上記した気体噴出部8相互間に設けられている真空吸引部10は、ガイドレール2(具体的には、第1のガイド面6c、第2のガイド面6b)に対向して開口された空隙空間(ポケット)として構成されている。そして、当該真空吸引部10(空隙空間)を真空吸引して負圧を発生させることができるようになっている。
【0026】
ここで、気体噴出部8は、真空吸引部10の両外側領域において、可動体4の移動方向Sを横断する方向に沿って少なくともその両隅に設けることが好ましい。一例として、図面には、真空吸引部10周りの外側領域の四隅に配置した構成が示されているが、静圧気体軸受直線案内装置の使用目的や使用環境に応じて、気体噴出部8を配置する個数や位置が設定されるため、ここでは特に限定しない。なお、気体噴出部8は、気体供給路8rを介してコンプレッサ(図示しない)に接続されており、真空吸引部10は、吸引路10rを介して真空ポンプ(図示しない)に接続されている。
【0027】
この場合、コンプレッサから気体供給路8rを通して供給された加圧された気体(例えば、圧縮空気)を、気体噴出部8から適宜の圧力に絞られた状態で可動体4とガイドレール2との間に噴射して導入することにより、第1の軸受パッド4aには、ガイドレール2に対して垂直方向の浮上力が付与され、第2の軸受パッド4bには、ガイドレール2に対して水平方向の浮上力が付与される。
【0028】
同時に、真空ポンプによって吸引路10rを負圧に引いて、真空吸引部10によって可動体4とガイドレール2との間を真空吸引して負圧を発生させることにより、第1の軸受パッド4aには、ガイドレール2に対して垂直方向の真空吸引力が付与され、第2の軸受パッド4bには、ガイドレール2に対して水平方向の真空吸引力が付与される。
【0029】
このとき、図示しない制御装置によってコンプレッサ及び真空ポンプを制御し、可動体4の重力と、上記した浮上力及び真空吸引力とのバランス調整を行うことにより、第1の軸受パッド4aは、ガイドレール2から垂直方向に適正量だけ浮上すると共に、第2の軸受パッド4bは、ガイドレール2から水平方向に適正量だけ浮上する。このとき、可動体4とガイドレール2との間には、気体潤滑膜が生成された状態となり、これにより、可動体4は、ガイドレール2に対して垂直方向及び水平方向に非接触で支持された状態で、当該ガイドレール2に沿って移動可能となる。
【0030】
以上、本実施形態によれば、凹部6gが一方向に沿って連続して形成された一対のレール構造体6S,6Tによってガイドレール2を構成したことにより、当該ガイドレール2を長尺化させた場合でも、凹部6gを形成した分だけ当該ガイドレール2の形成に要する材料を削減することができる。これにより、当該ガイドレール2の大きさは一定に維持しつつ、その質量を大幅に減少させることができると共に、製造コストを飛躍的に低減させることができる。
【0031】
また、本実施形態によれば、双方のレール構造体6S,6Tを互いに同一形状に構成することにより、一方のレール構造体6Sの一側面6aを他方のレール構造体6Tの他側面6bに結合させても、逆に、他方のレール構造体6Tの一側面6aを一方のレール構造体6Sの他側面6bに結合させても、常に同一のガイドレール2を生産することができる。これにより、ガイドレール2の生産プロセスが簡素化して生産効率を向上させることができると共に、製造コストの低減を図ることもできる。
【0032】
また、本実施形態によれば、一対のレール構造体6S,6Tによってガイドレール2を構成した状態において、外部に面している凹部6g内の一方のフランジ部f2に、例えば固定用孔を形成することができる。これにより、ガイドレール2の設置スペースを広く確保する必要がなくなるため、静圧気体軸受直線案内装置の全体のコンパクト化を図ることができる。
【0033】
また、本実施形態によれば、加工精度が出し易く経年変化が極めて少ない材料、例えばセラミックス等の高価な材料でガイドレール2(即ち、一対のレール構造体6S,6T)を構成した場合でも、凹部6gを形成した分だけ当該ガイドレール2の形成に要するセラミックス材を削減することができる。これにより、超精密用途のガイドレール2を低コストで実現することができる。
【0034】
更に、本実施形態によれば、L字状を成してガイドレール2に構成された第1及び第2のガイド面6c,6bに対して、第1及び第2の軸受パッド4a,4bを対向させて可動体4を構成したことにより、ガイドレール2に沿って可動体4を移動させて位置決めする際において、ピッチング、ヨーイング、ローリングの各方面から当該可動体4に作用する外力(特に、モーメント)に対して、その負荷を非接触で安定してかつ効率良く支持することができる。
【0035】
この場合、各軸受パッド4a,4bにおいて、気体噴出部8を可動体4の移動方向Sに沿って真空吸引部10の両外側領域に設けたことにより、ピッチング、ヨーイング、ローリングの各方面から当該可動体4に作用する外力(特に、モーメント)に対する負荷を面状に受けることができる。これにより、高い真直度精度で可動体4をガイドレール2に沿って移動させ、所定位置で精度良く位置決めすることができる。
【0036】
なお、上記した一実施形態では、凹部6gとして矩形状のものを示したが、これに限定されることはなく、例えば、円弧形状、楕円形状、台形状など各種の形状で凹部6gを構成してもよい。
【符号の説明】
【0037】
2 ガイドレール
4 可動体
4a 第1の軸受パッド
4b 第2の軸受パッド
6c 第1のガイド面
6b 第2のガイド面
6g 凹部
6S,6T レール構造体
8 気体噴出部
10 真空吸引部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方向に沿って連続して延出し、かつ所定部位に固定可能なガイドレールと、
ガイドレールに沿って移動可能な可動体とを有し、
ガイドレールは、その一側面を一部窪ませた凹部が一方向に沿って連続して形成された一対のレール構造体を備え、これら凹部が同一向きに整列するように当該レール構造体を相互に組み合わせて構成されていると共に、
当該ガイドレールには、一方向に沿って連続して延出した第1のガイド面と、第1のガイド面に直交し、かつ第1のガイド面の端縁に沿って一方向に連続して延出した第2のガイド面とが構成されており、
可動体は、第1のガイド面に対向配置される第1の軸受パッドと、第2のガイド面に対向配置される第2の軸受パッドとを備え、第1及び第2の軸受パッドには、それぞれ、可動体をガイドレールに対して非接触で支持する気体噴出部が設けられており、
当該気体噴出部から可動体とガイドレールとの間に加圧された気体を噴射して導入することにより、可動体は、ガイドレールに対して非接触で支持された状態で、当該ガイドレールに沿って移動可能となることを特徴とする静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項2】
一対のレール構造体は、それぞれ、一方向に沿って連続して延出した柱部と、柱部の両側から連続し、一方向に沿って互いに平行に、かつ対向して延出した一対のフランジ部とを備えており、
当該レール構造体の一側面に形成された凹部は、柱部と一対のフランジ部とで囲まれた長尺の領域に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項3】
第1及び第2の軸受パッドには、それぞれ、可動体とガイドレールとの間を真空吸引して負圧を発生させることにより、可動体をガイドレールに接近させる真空吸引部が設けられており、
気体噴出部は、可動体の移動方向に沿って真空吸引部の両外側領域に設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の静圧気体軸受直線案内装置。
【請求項4】
気体噴出部は、真空吸引部の両外側領域において、可動体の移動方向を横断する方向に沿って少なくともその両隅に設けられていることを特徴とする請求項3に記載の静圧気体軸受直線案内装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−122514(P2012−122514A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272251(P2010−272251)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000004204)日本精工株式会社 (8,378)
【Fターム(参考)】