説明

非侵襲生体情報測定装置

【課題】 低消費電力で高精度に特徴量を推定する非侵襲生体情報測定装置を提供する。
【解決手段】 少なくとも一つの光源200と、光源200を制御する制御手段800と、生体情報を測定する生体情報センサ300と、生体情報センサ300の出力信号を増幅する増幅手段400と、増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段500と、A/D変換後のデジタルデータを記憶する記憶手段600と、記憶手段600のデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段700とを備え、デジタルデータから求めた測定対象物までの距離に応じて光源200の制御内容を変更することにより、低消費電力化を実現することが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体を侵襲することなく生体情報の測定が可能な非侵襲生体情報測定装置に関し、より詳細には、生体からの光音響波信号を用いて測定光の照射条件を可変することが可能な非侵襲生体情報測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
代表的な生活習慣病である糖尿病の患者数は世界的に増加傾向にある。糖尿病患者は、糖尿病による合併症を抑制し、患者の生活の質を向上するために、日常的な血糖コントロールが必要である。そのため、患者は医師の指導のもと、毎日定期的に血糖値を測定しなければならない。血糖値を測定する代表的な方法としては、患者の指を刺して血液を採取し血糖値を測定する侵襲型の血糖測定装置がある。指を刺して血液を採取する際に手間と痛みを伴うこと、さらに感染症などの危険が伴うことから、血液の採取を必要としない、非侵襲型の血糖測定装置が提案されている。
【0003】
非侵襲型の血糖測定装置として、光音響効果を用いた「生物学的測定システム」が記載されている。グルコースに吸収される波長の光を、生物学的測定システムから指先のような生体の部分に照射し、照射された光は生体内の比較的小さい焦点領域(例えば血管)に集光され、また一般的に光はグルコースに吸収されて焦点領域と隣接する領域の組織内で運動エネルギーに変換される。運動エネルギーは、吸収組織領域の温度及び圧力を増大させ、音波を生成する。この音波を、以下「光音響波信号」と表記する。光音響波信号は吸収組織領域から放射され、生物学的測定システムが備える音響センサによって検出される。
【0004】
音響センサは生体表面と接するよう装着される。光音響波信号の強度は、吸収組織領域内のグルコースの関数であり、音響センサによって計測された強度は血糖値を調べるために使用される(例えば、特許文献1)。
【0005】
このようなシステムでは生体内の血管位置が変化した場合に血管と音響センサの距離が離れるために光音響波信号が減衰し、光音響波信号の信号品質が悪化することがある。そこで複数チャンネルの生体音響センサを平面的に配列し、複数の生体音響センサから得られた信号の中から最適なチャンネルの信号を選択する方法が開示されている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特表2001−526557号公報
【特許文献2】特開2004−147940号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1、上記特許文献2に記載された技術では、生体から得られる光音響波は非常に微弱であるため、血管と音響センサの距離に関わらず、その微弱な信号の変化で特徴量を推定できるだけの十分な光量を光源から出力している。
【0007】
そのため、上記従来の装置では大きな消費電力を必要とし、ポータブルな製品を実用化するには不向きであるという課題を有していた。
【0008】
また、従来はノイズの影響や体動の影響を最小限にするために、測定を複数回行い、一連の測定結果を平均化している。そのため、消費電力のみならず、測定時間も増大するという課題を有していた。
【0009】
本発明は、上記のような従来の課題を解決するためになされたもので、低消費電力、かつ、測定時間の短縮が可能な非侵襲生体情報測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
従来の課題を解決するために、本発明の請求項1にかかる非侵襲生体情報測定装置は、生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、少なくとも一つの光源と、前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されているデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段とを備え、前記特徴量推定手段は前記デジタルデータから第一の測定位置と第二の測定位置を抽出し、第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差に応じて前記光源の制御方法を前記制御手段を通じて変更することを特徴としたものである。
【0011】
また、本発明の請求項2にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項1に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記光源の制御方法は光源の光量であることを特徴としたものである。
【0012】
また、本発明の請求項3にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項1に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記光源の制御方法は光源の点灯時間であることを特徴としたものである。
ことを特徴としたものである。
【0013】
また、本発明の請求項4にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項2乃至請求項3に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記特徴量推定手段は、前記第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差と、該時間差を2つ以上の領域に分ける少なくとも1つ以上の時間差しきい値とを比較し、該領域に応じて前記光源の制御方法を変更することを特徴としたものである。
【0014】
また、本発明の請求項5にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項4に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記特徴量推定手段は、書き込みが可能なレジスタを備え、レジスタによって前記時間差しきい値を外部から変更することが可能であることを特徴としたものである。
【0015】
また、本発明の請求項6にかかる非侵襲生体情報測定装置は、生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、少なくとも一つの光源と、前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶されているデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段とを備え、前記特徴量推定手段は前記デジタルデータから第二の測定位置を抽出し、前記光源が点灯してから第二の測定位置までの時間差に応じて前記光源の制御方法を前記制御手段を通じて変更することを特徴としたものである。
【0016】
また、本発明の請求項7にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項6に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記光源の制御方法は、光源の光量であることを特徴としたものである。
【0017】
また、本発明の請求項8にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項6に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記光源の制御方法は、光源の点灯時間であることを特徴としたものである。
【0018】
また、本発明の請求項9にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項7乃至請求項8に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記特徴量推定手段は、前記光源が点灯してから第二の測定位置までの時間差と、該時間差を2つ以上の領域に分ける少なくとも1つ以上の時間差しきい値を比較し、該領域に応じて前記光源の制御方法を変更することを特徴としたものである。
【0019】
また、本発明の請求項10にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項9に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記特徴量推定手段は、書き込みが可能なレジスタを備え、レジスタによって前記時間差しきい値を外部から変更することが可能であることを特徴としたものである。
【0020】
また、本発明の請求項11にかかる非侵襲生体情報測定装置は、生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、少なくとも一つの光源と、前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、前記光源を点灯させてから前記デジタルデータを前記記憶手段に記録するまでの一連の動作を所定回数繰り返し、前記記憶手段に記憶されている所定回数分のデジタルデータを平均化し、前記平均化したデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段とを備え、前記特徴量推定手段は、前記平均化したデジタルデータから第一の測定位置と第二の測定位置を抽出し、第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差に応じて前記一連の動作の繰り返し回数を変更することを特徴としたものである。
【0021】
また、本発明の請求項12にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項11に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記特徴量推定手段は、前記第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差と、該時間差を2つ以上の領域に分ける少なくとも1つ以上の時間差しきい値とを比較し、該領域に応じて前記一連の動作の繰り返し回数を変更することを特徴としたものである。
【0022】
また、本発明の請求項13にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項12に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記特徴量推定手段は、書き込みが可能なレジスタを備え、レジスタによって前記時間差しきい値を外部から変更することが可能であることを特徴としたものである。
【0023】
また、本発明の請求項14にかかる非侵襲生体情報測定装置は、生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、少なくとも一つの光源と、前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、前記光源を点灯させてから前記デジタルデータを前記記憶手段に記録するまでの一連の動作を所定回数繰り返し、前記記憶手段に記憶されている所定回数分のデジタルデータを平均化し、前記平均化したデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段とを備え、前記特徴量推定手段は、前記平均化したデジタルデータから第二の測定位置を抽出し、前記光源が点灯してから第二の測定位置までの時間差に応じて前記一連の動作の繰り返し回数を変更することを特徴としたものである。
【0024】
また、本発明の請求項15にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項14に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記特徴量推定手段は、前記光源が点灯してから第二の測定位置までの時間差と、該時間差を2つ以上の領域に分ける少なくとも1つ以上の時間差しきい値とを比較し、該領域に応じて前記一連の動作の繰り返し回数を変更することを特徴としたものである。
【0025】
また、本発明の請求項16にかかる非侵襲生体情報測定装置は、請求項15に記載の非侵襲生体情報測定装置において、前記特徴量推定手段は、書き込みが可能なレジスタを備え、レジスタによって前記時間差しきい値を外部から変更することが可能であることを特徴としたものである。
【発明の効果】
【0026】
本発明の非侵襲生体情報測定装置によれば、光音響検出手段により検出したデータから第一の測定位置と第二の測定位置を抽出し、第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差に応じて次回からの光量あるいは測定回数を変更することにより、低消費電力で測定時間が短い測定装置を実現することが可能となり、ポータブル機器として実現した場合にその連続測定時間を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下に、本発明の非侵襲生体情報測定装置の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
【0028】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1においては、非侵襲生体情報測定装置として、光音響方式を用いた非侵襲血糖測定装置110を想定している。
【0029】
図1は、本発明の実施の形態1におけるシステム構成を示す図である。図1(a)において、110は非侵襲血糖測定装置、120は生体の表面、111は照射光、130は血管、131は光音響波信号である。また、図1(b)は起動信号803、図1(c)は点灯タイミング802、図1(d)は光音響波信号131、図1(e)は終了信号804、図1(f)は推定血糖値出力タイミングを示す。
【0030】
図2は、本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置110のブロック構成を示す図である。図2において、110は非侵襲血糖測定装置である。この非侵襲血糖測定装置110において、200は光源、300は生体情報を測定する生体情報センサ、400は生体情報センサ300からの出力信号を増幅する増幅手段、500は増幅手段400により増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段、600はA/D変換手段500によりA/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段、700は記憶手段600に記憶されているデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段、800は光源200の制御、および、増幅手段400、A/D変換手段500の起動を制御する制御手段である。また、801は光量、301は電圧信号、401は増幅信号、501はサンプリングデータ、601は記憶データ、602はデータ転送終了パルス、701は推定血糖値、702は時間差信号である。
【0031】
制御手段800は時間差判定手段820と光量変更手段830を有する光源制御内容変更手段810を備え、時間差判定手段820の内部に設けた時間差判定閾値レジスタ821と光量変更手段830の内部に設けた第1領域光量レジスタ831及び第2領域光量レジスタ832を用いることにより、特徴量推定手段700が算出した時間差信号702に応じて光源200の光量を変更するように制御手段800を制御する。
【0032】
図3は、特徴量推定手段700の詳細なブロック構成を示す図である。図3において、710は推定手段、720はサンプル数カウンタ、730は時間窓生成手段、740は測定位置検出手段、750は時間差検出手段である。また、721はサンプル数カウント信号、731は時間窓信号、736はカウンタ停止信号、741は測定位置パルスである。
【0033】
推定手段710は、記憶データ601とデータ転送終了パルス602から血糖値を推定し、推定結果を推定血糖値701として出力する。サンプル数カウンタ720は記憶データ601と終了信号804とカウンタ停止信号736を用いて記憶データ601のサンプル数をカウントし、カウント結果をサンプル数カウント信号721として出力する。
【0034】
時間窓生成手段730は、第一時間窓レジスタ732と第二時間窓レジスタ733と第三時間窓レジスタ734と第四時間窓レジスタ735を有し、サンプル数カウント信号721の示すカウント値に応じて時間窓の開閉を示す時間窓信号731を出力する。また、第四時間窓レジスタ735の示す値をカウンタ停止信号736としてサンプル数カウンタ720に出力する。
【0035】
測定位置検出手段740は、時間窓信号731と記憶データ601から測定位置を検出し、検出結果を測定位置パルス741として出力する。
【0036】
時間差検出手段750は、データ転送終了パルス602とサンプル数カウント信号721と測定位置パルス741から第一の測定位置と第二の測定位置をそれぞれ検出した後、第一の測定位置と第二の測定位置間の時間差を検出し、検出結果を時間差信号702として出力する。
【0037】
図4は、本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置110の動作を時間軸でプロットしたタイミングチャートである。図4において、(b)は起動信号803、(e)は終了信号804、(g)は記憶データ601、(h)はサンプル数カウント信号721、(i)は時間窓信号731、(j)は測定位置パルス741、(k)はデータ転送終了パルス602、(l)は時間差信号702、(f)は推定血糖値出力タイミングである。
【0038】
また、起動信号803が発生してから血糖値を推定するまでの区間を測定基本サイクル(10秒)として、測定周期(3分)ごとに一連の血糖値推定動作を行う。
【0039】
以下、図1、図2、図3、図4を用いて、非侵襲血糖測定装置110が血糖値の連続測定を行う場合の動作を説明する。非侵襲血糖測定装置110を、生体の表面120に接するように装着することで、光源200が発する照射光111が生体に入射される。入射した照射光111は生体内を伝播し、血管130内の血糖値を推定できる物質で吸収されて光音響波信号131が生成される。光音響波信号131は生体情報センサ300により検出され、検出結果である電圧信号301が増幅手段400に送られる。
【0040】
増幅手段400では電圧信号301を増幅し、増幅信号401をA/D変換手段500に出力する。A/D変換手段500は増幅信号401をサンプリングしてサンプリングデータ501を出力し、記憶手段600はサンプリングデータ501を記憶する。
【0041】
特徴量推定手段700は記憶手段600から記憶データ601を受け取り、記憶手段600からのデータ転送の終了タイミングを知らせるデータ転送終了パルス602を受け取ると、血糖値の推定を行い、推定結果を推定血糖値701として出力する。
【0042】
このとき、記憶手段600から受け取った記憶データ601から第一の測定位置と第二の測定位置を抽出し、それらの時間差を検出して、検出結果を時間差信号702として制御手段800に出力する。制御手段800は、増幅手段400とA/D変換手段500の起動や終了を行うと共に、時間差信号702を用いて光源200の制御内容を変更する。
【0043】
以下では、具体的な数値例を用いて説明する。本実施の形態1において、測定周期は3分間隔で実施するものとする。また、生体内を光音響波が伝播する速度を1500m/s、A/D変換手段500におけるサンプリング周波数を50MHz、生体内の測定対象である血管130は個人差により生体の表面120に対して1.0mmから2.25mmの深さに存在する可能性があるものとし、特に本実施の形態1では血管130が生体の表面120に対して1.5mmの深さにある場合を想定する。
【0044】
ここで、外部より書き込み可能なレジスタの初期値として以下の値を設定する。
【0045】
即ち、
(A)第一時間窓レジスタ732:時間窓生成手段730における1回目の時間窓が開くタイミングとして45を設定、
(B)第二時間窓レジスタ733:時間窓生成手段730における1回目の時間窓が閉じるタイミングとして55を設定、
(C)第三時間窓レジスタ734:時間窓生成手段730における2回目の時間窓が開くタイミングとして90を設定、
(D)第四時間窓レジスタ735:時間窓生成手段730における2回目の時間窓が閉じるタイミングとして130を設定、
(E)時間差判定閾値レジスタ821:時間差判定手段820における光量選択のための閾値として60を設定、
(F)第1領域光量レジスタ831:第1領域における光量変更手段830の光量値として1.5(μJ)を設定、
(G)第2領域光量レジスタ832:第2領域における領域別光量変更手段830の光量値として1.0(μJ)を設定、
また、図4に示す時間差信号702以外の各信号を0に初期化し、時間差信号702の初期値を時間差判定閾値レジスタ821の示す値よりも大となる100に設定する。
【0046】
以上の初期設定が終了した後、まず、非侵襲血糖測定装置110を図1に示すように患者の腕などの生体の表面120に装着する。その後、患者が非侵襲血糖測定装置110に設けられた血糖値測定開始スイッチ(図示せず)を起動すると、制御手段800により起動信号803が増幅手段400とA/D変換手段500とに出力され、増幅手段400とA/D変換手段500とが起動する(図4:T4A)。増幅手段400とA/D変換手段500とが安定動作に入るのと同じタイミングで光源200の点灯タイミング802および光量801が制御され、光源200が点灯され、光音響波信号131が生成される。
【0047】
このとき、時間差判定手段820には時間差信号702の初期値100が入力されており、この値は時間差判定閾値レジスタ821の示す値60以上である。そのため、光量変更手段830は第1領域光量レジスタ831の示す値を選択し、光源200は光量1.5(μJ)の照射光111を照射する。
【0048】
これは、1回目の測定時には血管130が生体の表面120に対してどの程度の深さにあるのか不明であるため、最も深い場合を想定したものである。
【0049】
光音響波信号131は、生体情報センサ300により、その圧力に応じた電圧信号301に変換される。
【0050】
生体情報センサ300によって変換された電圧信号301は、増幅手段400により、あらかじめ設定されているゲインで増幅され、増幅信号401としてA/D変換手段500に出力される。
【0051】
ここで、増幅手段400に起動信号803と終了信号804とが入力されているのは、光音響波信号131が発生するタイミングでのみ増幅手段400の構成要素であるオペアンプ等の素子を動作させることにより、増幅手段400の低消費電力化を図る目的のものである。従って、これらの信号によらずに同等の動作を実現することも可能である。
【0052】
制御手段800からの起動信号803はA/D変換手段500を起動する。増幅手段400から出力された増幅信号401はA/D変換手段500により特定の間隔でA/D変換され、該A/D変換結果であるサンプリングデータ501が記憶手段600に書き込まれる。
【0053】
ここで、終了信号804がA/D変換手段500に入力されているのは、光音響波信号131の発生しているタイミングでのみA/D変換手段500の構成要素であるADコンバータ等の素子を動作させることにより、A/D変換手段500の低消費電力化を図る目的のものである。従って、この信号によらずに同等の動作を実現することも可能である。
【0054】
制御手段800からの終了信号804が特徴量推定手段700により受け取られると(図4:T4B)、記憶手段600に記録されている記憶データ601が特徴量推定手段700により読み出される。このとき、サンプル数カウンタ720は終了信号804により0にリセットされた後、記憶データ601のサンプリング毎にカウントアップを開始する。
【0055】
本実施の形態1における使用方法では、記憶データ601に3つのピークが存在する。これらは時間経過順に、光源200の点灯タイミング直後に照射光111の一部が生体情報センサ300に到達することによって発生するピーク(図4:T4C)、生体の表面120において発生した光音響波信号131が生体情報センサ300に到達するまでの遅延時間後に発生するピーク(図4:T4E)、血管130から発生した光音響波信号131が生体情報センサ300に到達するまでの遅延時間後に発生するピーク(図4:T4H)である。
【0056】
これらのピークが発生する大まかな時間は生体内を光音響波が伝播する速さと距離の関係から既知であるので、時間窓を用いてそれぞれのピークを検出することにより、ピークの誤検出を効果的に防ぐことが可能となる。
【0057】
サンプル数カウント信号721が第一時間窓レジスタ732の示す値である45に達すると時間窓信号731が0から1に変化し(図4:T4D、1回目の時間窓が開く)、サンプル数カウント信号721が第二時間窓レジスタ733の示す値である55に達すると時間窓信号731が1から0に変化する(図4:T4F、1回目の時間窓が閉じる)。
【0058】
測定位置検出手段740では、1回目の時間窓が開いている間において記憶データ601のピーク位置を検出し、ピークを検出したサンプリングタイミングに1回目の測定位置パルス741を発生する(図4:T4E)。
【0059】
時間差検出手段750は1回目の測定位置パルス741の発生タイミングにおいてサンプル数カウント信号721が示す値を第一の測定位置として検出する。このときの第一の測定位置を50とする。
【0060】
サンプル数カウント信号721が第三時間窓レジスタ734の示す値である90に達すると時間窓信号731が再び0から1に変化し(図4:T4G、2回目の時間窓が開く)、サンプル数カウント信号721が第四時間窓レジスタ735の示す値である130に達すると時間窓信号731が再び1から0に変化する(図4:T4I、2回目の時間窓が閉じる)。
【0061】
測定位置検出手段740では、2回目の時間窓が開いている間において記憶データ601のピーク位置を検出し、ピークを検出したサンプリングタイミングに2回目の測定位置パルス741を発生する(図4:T4H)。
【0062】
このとき、時間差検出手段750は2回目の測定位置パルス741の発生タイミングにおけるサンプル数カウント信号721の示す値を第二の測定位置として検出する。このときの第二の測定位置を100とする。
【0063】
サンプル数カウンタ720は、2回目の時間窓が閉じるとカウントアップの動作を停止する。
【0064】
記憶手段600から特徴量推定手段700への記憶データ601の転送が終了すると、データ転送終了パルス602が発生する(図4:T4J)。
【0065】
特徴量推定手段700はデータ転送終了パルス602を受け取ると、時間差検出手段750において第一の測定位置(図4:T4E)と第二の測定位置(図4:T4H)の間のカウント値の差(50サンプル数)を時間差信号702として出力する(図4:T4K)。また、このときに推定手段710において血糖値の推定を開始する。
【0066】
ここで時間差信号702が50となるのは以下の理由によるものである。
【0067】
血管130と生体の表面120との距離Lを1.5mm、生体内を光音響波が伝播する速度vを1500m/sとした場合、第一の測定位置が発生してから第二の測定位置が発生するまでの時間差tはt=L/v=0.0015/1500=1μsとなる。A/D変換手段500におけるサンプリング周波数を50MHzとすると、サンプリング周期は20nsとなるため、1μsの時間差を記憶データ601におけるサンプリングデータ数に換算すると1μs/20ns=50サンプルデータ数となる。
【0068】
データ転送終了パルス602により開始された血糖値の推定が終了すると、推定手段710から推定血糖値701が外部に出力される(図4:T4L)。
【0069】
制御手段800の内部に設けた時間差判定手段820では、時間差信号702の示すサンプル数が時間差判定閾値レジスタ821の示す値60(血管130と生体の表面120との距離Lが1.8mmに相当)より小であるため、光量変更手段830に対して第2領域光量レジスタ832の示す値を選択するよう指示する。その結果、制御手段800は次回の測定周期における光量を1.0(μJ)に下げる。
【0070】
以上の動作を測定周期毎に繰り返す。
【0071】
本発明の実施の形態1では、記憶データ601におけるT4EからT4Hまでのサンプル数を用いて時間差信号702を作成したが、T4CからT4Hまでのサンプル数を用いても同様の効果が得られる。これは、生体の表面120に装着された非侵襲血糖測定装置110では、生体の表面120から生体情報センサ300まで光音響波信号131が伝播する時間は生体情報センサ300の構成材料及び寸法に起因して一意に決定するためである。
【0072】
但し、非侵襲血糖測定装置110の生体の表面120に対する接触圧が変化した場合はT4Eの発生位置がわずかながら変化することがあるため、1回目の時間窓の開く幅はT4Eの発生位置の変動量を考慮して設定すればよい。
【0073】
この場合、1回目の時間窓が開くタイミングを第一時間窓レジスタ732と第二時間窓レジスタ733によりあらかじめ変更しておけばよく、具体的には光源200の点灯タイミング直後に発生する記憶データ601のピーク(図4:T4C)を検出できるような幅の時間窓を設定し、時間差判定閾値レジスタ821の値を光音響波信号131が血管130から生体情報センサ300に到達するまでに必要な伝播時間を考慮して設定すればよい。
【0074】
時間差信号702を作成する別の方法として、制御手段800から出力される点灯タイミング802を特徴量推定手段700に入力し、照射光111を照射してから第二の測定位置までのサンプル数を用いてもよい。
【0075】
この場合、時間窓は第三時間窓レジスタ734と第四時間窓レジスタ735で設定したタイミングでのみ開くようにすればよい。
【0076】
また、本発明の実施の形態1では、光源200の光量を変更することで説明したが、光源の点灯時間を変更することでも同様の結果を得ることが可能である。
【0077】
また、本発明の実施の形態1では、A/D変換手段500のサンプリングデータ501を記憶手段600に一度書き込み、特徴量推定手段700で読み出すことにより推定血糖値701を算出するようにしたが、特徴量推定手段700が直接A/D変換手段500からサンプリングデータ501を受け取ることで推定血糖値701を算出してもよい。
【0078】
また、本発明の実施の形態1では、光量変更手段830で変更可能な光量を1.5(μJ)と1.0(μJ)の2通りとしたが、時間差判定閾値レジスタ821の閾値の数を複数にすることにより、3通り以上の光量設定も可能である。
【0079】
また、本発明の実施の形態1では、血管130が患者によって生体の表面120から1.0mmから2.25mmの深さに存在するとして説明したが、血管130の深さはこれに限ったものではない。第三時間窓レジスタ734と第四時間窓レジスタ735を用いて2回目の時間窓の開くタイミングを変更することにより、第一の測定位置と第二の測定位置を任意に検出することが可能である。
【0080】
以上、本発明の実施の形態1に記載の非侵襲血糖測定装置110では、血管130と生体の表面120の距離が変化した場合に必要最小限の光量を照射周期毎に設定することが可能となるため低消費電力の測定装置を実現することが可能となる。
【0081】
なお、本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置110で測定する対象は、血管130中のグルコース量に限定されるものではない。すなわち、照射光111の波長領域におけるエネルギーを吸収し光音響波を発生する物質であれば良く、例えば生体の表面120から血管130までの間の組織液に含まれるグルコースや血管130中のヘモグロビン量などに対しても適用可能である。
【0082】
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2において、非侵襲生体情報測定装置は非侵襲血糖測定装置140を想定している。この実施の形態2は、呼吸や脈拍等の体動、外部ノイズの影響による推定血糖値701の誤差を最小限に抑えるために、上記測定基本サイクルを10μsから100ms程度の周期で規定回数繰り返し動作させ、測定基本サイクルとして推定血糖値701を算出することにより、消費電力および測定回数の低減を図ったものである。
【0083】
図5は、本発明の実施の形態2におけるシステム構成を示す図である。図5(a)において、140は非侵襲血糖測定装置、120は生体の表面、111は照射光、130は血管、131は光音響波信号である。また、図5(b)は起動信号803、図5(c)は点灯タイミング802、図5(d)は光音響波信号131、図5(e)は終了信号804、図5(f)は推定血糖値出力タイミングを示す。
【0084】
図6は、本発明の実施の形態2における非侵襲血糖測定装置140のブロック構成を示す図である。図6において、140は非侵襲血糖測定装置である。この非侵襲血糖測定装置140において、200は光源、300は生体情報を測定する生体情報センサ、400は生体情報センサ300からの出力信号を増幅する増幅手段、500は増幅手段400により増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段、600はA/D変換手段500によりA/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段、700は記憶手段600に記憶されているデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段、805は光源200の制御、および、増幅手段400、A/D変換手段500の起動を制御する制御手段である。また、801は光量、301は電圧信号、401は増幅信号、501はサンプリングデータ、601は記憶データ、602はデータ転送終了パルス、701は推定血糖値、702は時間差信号である。
【0085】
制御手段805は時間差判定手段820と繰り返し回数変更手段840を有する光源制御内容変更手段811を備え、時間差判定手段820の内部に設けた時間差判定閾値レジスタ821と繰り返し回数変更手段840の内部に設けた第1領域繰り返し回数レジスタ841及び第2領域繰り返し回数レジスタ842を用いることにより、特徴量推定手段700が算出した時間差信号702に応じて一連の測定動作の繰り返し回数を変更するように制御手段805を制御する。
【0086】
図7は、特徴量推定手段700の詳細なブロック構成を示す図である。図7において、760は平均化手段、710は推定手段、720はサンプル数カウンタ、730は時間窓生成手段、740は測定位置検出手段、750は時間差検出手段である。また、721はサンプル数カウント信号、731は時間窓信号、736はカウンタ停止信号、741は測定位置パルス、761は平均化記憶データ、762は平均化終了パルス、763は平均化データ転送終了パルスである。
【0087】
平均化手段760は、記憶データ601とデータ転送終了パルス602と終了信号804から記憶データ601の平均化を行い、その結果を平均化記憶データ761として出力するとともに平均化の終了タイミングを示す平均化終了パルス762と平均化記憶データ761のデータ転送が終了したタイミングを示す平均化データ転送終了パルス763を出力する。
【0088】
推定手段710は、平均化記憶データ761と平均化データ転送終了パルス763から血糖値を推定し、推定結果を推定血糖値701として出力する。
【0089】
サンプル数カウンタ720は平均化記憶データ761と平均化終了パルス762とカウンタ停止信号736を用いて記憶データ601のサンプル数をカウントし、カウント結果をサンプル数カウント信号721として出力する。
【0090】
時間窓生成手段730は、第一時間窓レジスタ732と第二時間窓レジスタ733と第三時間窓レジスタ734と第四時間窓レジスタ735を有し、サンプル数カウント信号721の示すカウント値に応じて時間窓の開閉を示す時間窓信号731を出力する。また、第四時間窓レジスタ735の示す値をカウンタ停止信号736としてサンプル数カウンタ720に出力する。
【0091】
測定位置検出手段740は、時間窓信号731と平均化記憶データ761から測定位置を検出し、検出結果を測定位置パルス741として出力する。
【0092】
時間差検出手段750は、平均化データ転送終了パルス763とサンプル数カウント信号721と測定位置パルス741から第一の測定位置と第二の測定位置をそれぞれ検出した後、第一の測定位置と第二の測定位置間の時間差を検出し、検出結果を時間差信号702として出力する。
【0093】
図8は、本発明の実施の形態2における非侵襲血糖測定装置140の動作を時間軸でプロットしたタイミングチャートである。図8において、(b)は起動信号803、(e)は終了信号804、(m)は平均化終了パルス762、(n)は平均化記憶データ761、(h)はサンプル数カウント信号721、(i)は時間窓信号731、(j)は測定位置パルス741、(o)は平均化データ転送終了パルス763、(l)は時間差信号702、(f)は推定血糖値出力タイミングである。
【0094】
繰り返し測定において起動信号803の発生間隔を測定ユニット(0.1秒)、起動信号803が発生してから測定ユニットを所定回数繰り返して血糖値を推定するまでの区間を測定基本サイクル(10秒)として測定周期(3分)ごとに一連の動作を行う。
【0095】
以下、図5、図6、図7、図8を用いて、非侵襲血糖測定装置140が血糖値の連続測定を行う場合の動作を説明する。
【0096】
非侵襲血糖測定装置140を、生体の表面120に接するように装着することで、光源200が発する照射光111が生体に入射される。入射した照射光111は生体内を伝播し、血管130内の血糖値を推定できる物質で吸収されて光音響波信号131が生成される。
【0097】
光音響波信号131は生体情報センサ300により検出され、検出結果である電圧信号301が増幅手段400に送られる。
【0098】
増幅手段400は電圧信号301を増幅し、増幅信号401をA/D変換手段500に出力する。
【0099】
A/D変換手段500は増幅信号401をサンプリングしてサンプリングデータ501を出力し、記憶手段600はサンプリングデータ501を記憶する。
【0100】
特徴量推定手段700は記憶手段600から記憶データ601を受け取り、記憶手段600からのデータ転送の終了タイミングを知らせるデータ転送終了パルス602を受け取ると、血糖値の推定を行い、推定結果を推定血糖値701として出力する。
【0101】
このとき、記憶手段600から受け取った記憶データ601から第一の測定位置と第二の測定位置を抽出し、それらの時間差を検出して、検出結果を時間差信号702として制御手段805に出力する。
【0102】
制御手段805は、増幅手段400とA/D変換手段500の起動や終了を行うと共に、時間差信号702を用いて一連の測定動作の繰り返し回数を変更する。
【0103】
以下では、具体的な数値例を用いて説明する。本実施の形態において、測定周期は3分間隔で実施するものとする。また、生体内を光音響波が伝播する速度を1500m/s、A/D変換手段500におけるサンプリング周波数を50MHz、生体内の測定対象である血管130は個人差により生体の表面120に対して1.0mmから2.25mmの深さに存在する可能性があるものとし、特に本実施の形態2では血管130が生体の表面120に対して1.5mmの深さにある場合を想定する。
【0104】
ここで、外部より書き込み可能なレジスタの初期値として以下の値を設定する。
【0105】
即ち、
(A)第一時間窓レジスタ732:時間窓生成手段730における1回目の時間窓が開くタイミングとして45を設定、
(B)第二時間窓レジスタ733:時間窓生成手段730における1回目の時間窓が閉じるタイミングとして55を設定、
(C)第三時間窓レジスタ734:時間窓生成手段730における2回目の時間窓が開くタイミングとして90を設定、
(D)第四時間窓レジスタ735:時間窓生成手段730における2回目の時間窓が閉じるタイミングとして130を設定、
(E)時間差判定閾値レジスタ821:時間差判定手段820における繰り返し回数選択のための閾値として60を設定、
(F)第1領域繰り返し回数レジスタ841:第1領域における繰り返し回数として150回を設定、
(G)第2領域繰り返し回数レジスタ842:第2領域における繰り返し回数として100回を設定、
また、図8に示す時間差信号702以外の各信号を0に初期化し、時間差信号702の初期値を時間差判定閾値レジスタ821の示す値よりも大となる100に設定する。
【0106】
以上の初期設定が終了した後、まず、非侵襲血糖測定装置140を図5に示すように患者の腕などの生体の表面120に装着する。その後、患者が非侵襲血糖測定装置140に設けられた血糖値測定開始スイッチ(図示せず)を起動すると、制御手段805により起動信号803が増幅手段400とA/D変換手段500とに出力され、増幅手段400とA/D変換手段500とが起動する(図8:T8A)。増幅手段400とA/D変換手段500とが安定動作に入るのと同じタイミングで光源200の点灯タイミング802および光量801が制御され、光源200が点灯され、光音響波信号131が生成される。
【0107】
このとき、時間差判定手段820には時間差信号702の初期値100が入力されており、この値は時間差判定閾値レジスタ821の示す値60以上である。そのため、一連の測定動作の繰り返し回数は第1領域繰り返し回数レジスタ841の示す回数値が選択され、150回の繰り返しが行われる。
【0108】
これは、1回目の測定時には血管130が生体の表面120に対してどの程度の深さにあるのか不明であるため、最も深い場合を想定したものである。
【0109】
光音響波信号131は、生体情報センサ300により、その圧力に応じた電圧信号301に変換される。
【0110】
生体情報センサ300によって変換された電圧信号301は、増幅手段400により、あらかじめ設定されているゲインで増幅され、増幅信号401としてA/D変換手段500に出力される。
【0111】
ここで、増幅手段400に起動信号803と終了信号804とが入力されているのは、光音響波信号131が発生するタイミングでのみ増幅手段400の構成要素であるオペアンプ等の素子を動作させることにより、増幅手段400の低消費電力化を図る目的のものである。従って、これらの信号によらずに同等の動作を実現することも可能である。
【0112】
制御手段805からの起動信号803はA/D変換手段500を起動する。増幅手段400から出力された増幅信号401はA/D変換手段500により特定の間隔でA/D変換され、該A/D変換結果であるサンプリングデータ501が記憶手段600に書き込まれる。
【0113】
ここで、終了信号804がA/D変換手段500に入力されているのは、光音響波信号131の発生しているタイミングでのみA/D変換手段500の構成要素であるADコンバータ等の素子を動作させることにより、A/D変換手段500の低消費電力化を図る目的のものである。従って、この信号によらずに同等の動作を実現することも可能である。
【0114】
起動信号803が出力されてからサンプリングデータ501が記憶手段600に書き込まれるまでの一連の処理を150回繰り返す。
【0115】
150回目の制御手段805からの終了信号804が特徴量推定手段700により受け取られると(図8:T8B)、記憶手段600に記録されている記憶データ601が特徴量推定手段700により読み出される。
【0116】
平均化手段760は、終了信号804を受け取ると記憶データ601の平均化動作を開始する。そして、150回分の記憶データ601が平均化手段760に転送されたことを示すデータ転送終了パルス602を受け取ると、記憶データ601の平均化演算を行った後に平均化終了パルス762を発生する(図8:T8C)。
【0117】
このとき、サンプル数カウンタ720は平均化終了パルス762により0にリセットされた後、平均化記憶データ761のサンプリング毎にカウントアップを開始する。
【0118】
本実施の形態2における使用方法では、平均化記憶データ761に3つのピークが存在する。これらは時間経過順に、光源200の点灯タイミング直後に照射光111の一部が生体情報センサ300に到達することによって発生するピーク(図8:T8D)、生体の表面120において発生した光音響波信号131が生体情報センサ300に到達するまでの遅延時間後に発生するピーク(図8:T8F)、血管130から発生した光音響波信号131が生体情報センサ300に到達するまでの遅延時間後に発生するピーク(図8:T8I)である。
【0119】
これらのピークが発生する大まかな時間は生体内を光音響波が伝播する速さと距離の関係から既知であるので、時間窓を用いてそれぞれのピークを検出することにより、ピークの誤検出を効果的に防ぐことが可能となる。
【0120】
サンプル数カウント信号721が第一時間窓レジスタ732の示す値である45に達すると時間窓信号731が0から1に変化し(図8:T8E、1回目の時間窓が開く)、サンプル数カウント信号721が第二時間窓レジスタ733の示す値である55に達すると時間窓信号731が1から0に変化する(図8:T8G、1回目の時間窓が閉じる)。
【0121】
測定位置検出手段740では、1回目の時間窓が開いている間において平均化記憶データ761のピーク位置を検出し、ピークを検出したサンプリングタイミングに1回目の測定位置パルス741を発生する(図8:T8F)。
【0122】
時間差検出手段750は1回目の測定位置パルス741の発生タイミングにおいてサンプル数カウント信号721が示す値を第一の測定位置として検出する。このときの第一の測定位置を50とする。
【0123】
サンプル数カウント信号721が第三時間窓レジスタ734の示す値である90に達すると時間窓信号731が再び0から1に変化し(図8:T8H、2回目の時間窓が開く)、サンプル数カウント信号721が第四時間窓レジスタ735の示す値である130に達すると時間窓信号731が再び1から0に変化する(図8:T8J、2回目の時間窓が閉じる)。
【0124】
測定位置検出手段740では、2回目の時間窓が開いている間において記憶データ601のピーク位置を検出し、ピークを検出したサンプリングタイミングに2回目の測定位置パルス741を発生する(図8:T8I)。
【0125】
このとき、時間差検出手段750は2回目の測定位置パルス741の発生タイミングにおけるサンプル数カウント信号721の示す値を第二の測定位置として検出する。このときの第二の測定位置を100とする。
【0126】
サンプル数カウンタ720は、2回目の時間窓が閉じるとカウントアップの動作を停止する。
【0127】
平均化手段760から推定手段710への平均化記憶データ761のデータ転送が終了すると、平均化データ転送終了パルス763が発生する(図8:T8K)。
【0128】
特徴量推定手段700は平均化データ転送終了パルス763を受け取ると、時間差検出手段750において第一の測定位置(図8:T8F)と第二の測定位置(図8:T8I)の間のカウント値の差(50サンプル数)を時間差信号702として出力する(図8:T8L)。また、このときに推定手段710において血糖値の推定を開始する。
【0129】
ここで時間差信号702が50となるのは以下の理由によるものである。
【0130】
血管130と生体の表面120との距離Lを1.5mm、生体内を光音響波が伝播する速度vを1500m/sとした場合、第一の測定位置が発生してから第二の測定位置が発生するまでの時間差tはt=L/v=0.0015/1500=1μsとなる。A/D変換手段240におけるサンプリング周波数を50MHzとすると、サンプリング周期は20nsとなるため、1μsの時間差を記憶データ601におけるサンプリングデータ数に換算すると1μs/20ns=50サンプルデータ数となる。
【0131】
平均化データ転送終了パルス763により開始された血糖値の推定が終了すると、推定手段710から推定血糖値701が外部に出力される(図8:T8M)。
【0132】
制御手段805の内部に設けた繰り返し回数変更手段840では、時間差信号702の示すサンプル数が時間差判定閾値レジスタ821の示す値60(血管130と生体の表面120との距離Lが1.8mmに相当)より小であるため、光量変更手段830に対して第2領域繰り返し回数レジスタ842の示す値を選択するよう指示する。その結果、制御手段805は次回の測定周期における一連の繰り返し回数を100回に設定する。
【0133】
以上の動作を測定周期毎に繰り返す。
【0134】
本発明の実施の形態2では、平均化記憶データ761におけるT8FからT8Iまでのサンプル数を用いて時間差信号702を作成したが、T8DからT8Iまでのサンプル数を用いても同様の効果が得られる。これは、生体の表面120に装着された非侵襲血糖測定装置140では、生体の表面120から生体情報センサ300まで光音響波信号131が伝播する時間は生体情報センサ300の構成材料及び寸法に起因して一意に決定するためである。
【0135】
但し、非侵襲血糖測定装置140の生体の表面120に対する接触圧が変化した場合はT8Fの発生位置がわずかながら変化することがあるため、1回目の時間窓の開く幅はT8Fの発生位置の変動量を考慮して設定すればよい。
【0136】
この場合、1回目の時間窓が開くタイミングを第一時間窓レジスタ732と第二時間窓レジスタ733によりあらかじめ変更しておけばよく、具体的には光源200の点灯タイミング直後に発生する記憶データ601のピーク(図8:T8D)を検出できるような幅の時間窓を設定し、時間差判定閾値レジスタ821の値を光音響波信号131が血管130から生体情報センサ300に到達するまでに必要な伝播時間を考慮して設定すればよい。
【0137】
時間差信号702を作成する別の方法として、制御手段805から出力される点灯タイミング802を特徴量推定手段700に入力し、照射光111を照射してから第二の測定位置までのサンプル数を用いてもよい。
【0138】
この場合、時間窓は第三時間窓レジスタ734と第四時間窓レジスタ735で設定したタイミングでのみ開くようにすればよい。
【0139】
また、本発明の実施の形態2では、A/D変換手段500のサンプリングデータ501を記憶手段600に一度書き込み、特徴量推定手段700で読み出すことにより推定血糖値701を算出するようにしたが、特徴量推定手段700が直接A/D変換手段500からサンプリングデータ501を受け取ることで推定血糖値701を算出してもよい。
【0140】
また、本発明の実施の形態2では、繰り返し回数変更手段840で変更可能な繰り返し回数を100回と150回の2通りとしたが、時間差判定閾値レジスタ821の閾値の数を複数にすることにより、3通り以上の繰り返し回数も設定可能である。
【0141】
また、本発明の実施の形態2では、血管130が患者によって生体の表面120から1.0mmから2.25mmの深さに存在するとして説明したが、血管130の深さはこれに限ったものではない。第三時間窓レジスタ734と第四時間窓レジスタ735を用いて2回目の時間窓の開くタイミングを変更することにより、第一の測定位置と第二の測定位置を任意に検出することが可能である。
【0142】
以上、本発明の実施の形態2に記載の非侵襲血糖測定装置140では、血管130と生体の表面120の距離が変化した場合において、必要最小限の繰り返し回数を照射周期毎に設定することが可能となるため低消費電力の測定装置を実現することが可能となる。
【0143】
なお、本発明の実施の形態2における非侵襲血糖測定装置140で測定する対象は、血管130中のグルコース量に限定されるものではない。すなわち、照射光111の波長領域におけるエネルギーを吸収し光音響波を発生する物質であれば良く、例えば生体の表面120から血管130までの間の組織液に含まれるグルコースや血管130中のヘモグロビン量などに対しても適用可能である。
【産業上の利用可能性】
【0144】
以上のように、本発明にかかる非侵襲生体情報測定装置は、光音響検出手段により検出したデータから第一の測定位置と第二の測定位置を抽出し、第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差に応じて光源の制御方法や測定繰り返し回数を変更することにより、低消費電力で短い測定時間の装置を実現することが可能となり、ポータブルな非侵襲生体情報測定機器の連続測定時間を向上するうえで有用である。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】本発明の実施の形態1におけるシステム構成を示す図
【図2】本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置110のブロック構成を示す図
【図3】本発明の実施の形態1における特徴量推定手段700のブロック構成を示す図
【図4】本発明の実施の形態1における非侵襲血糖測定装置110の動作を示すタイミングチャート
【図5】本発明の実施の形態2におけるシステム構成を示す図
【図6】本発明の実施の形態2における非侵襲血糖測定装置140のブロック構成を示す図
【図7】本発明の実施の形態2における特徴量推定手段700のブロック構成を示す図
【図8】本発明の実施の形態2における非侵襲血糖測定装置140の動作を示すタイミングチャート
【符号の説明】
【0146】
110 非侵襲血糖測定装置
111 照射光
120 生体の表面
130 血管
131 光音響波信号
140 非侵襲血糖測定装置
200 光源
300 生体情報センサ
301 電圧信号
400 増幅手段
401 増幅信号
500 A/D変換手段
501 サンプリングデータ
600 記憶手段
601 記憶データ
602 データ転送終了パルス
700 特徴量推定手段
701 推定血糖値
702 時間差信号
710 推定手段
720 サンプル数カウンタ
721 サンプル数カウント信号
730 時間窓生成手段
731 時間窓信号
732 第一時間窓レジスタ
733 第二時間窓レジスタ
734 第三時間窓レジスタ
735 第四時間窓レジスタ
736 カウンタ停止信号
740 測定位置検出手段
741 測定位置パルス
750 時間差検出手段
760 平均化手段
761 平均化記憶データ
762 平均化終了パルス
763 平均化データ転送終了パルス
800 制御手段
801 光量
802 点灯タイミング
803 起動信号
804 終了信号
805 制御手段
810 光源制御内容変更手段
811 光源制御内容変更手段
820 時間差判定手段
821 時間差判定閾値レジスタ
830 光量変更手段
831 第1領域光量レジスタ
832 第2領域光量レジスタ
840 繰り返し回数変更手段
841 第1領域繰り返し回数レジスタ
842 第2領域繰り返し回数レジスタ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、
少なくとも一つの光源と、
前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、
生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、
前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段とを備え、
前記特徴量推定手段は前記デジタルデータから第一の測定位置と第二の測定位置を抽出し、第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差に応じて前記光源の制御方法を前記制御手段を通じて変更する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項2】
前記光源の制御方法は、光源の光量であることを特徴とする請求項1に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項3】
前記光源の制御方法は、光源の点灯時間であることを特徴とする請求項1に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項4】
前記特徴量推定手段は、前記第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差と、該時間差を2つ以上の領域に分ける少なくとも1つ以上の時間差しきい値とを比較し、該領域に応じて前記光源の制御方法を変更する、ことを特徴とする請求項2乃至請求項3に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項5】
前記特徴量推定手段は、書き込みが可能なレジスタを備え、レジスタによって前記時間差しきい値を外部から変更することが可能である、ことを特徴とする請求項4に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項6】
生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、
少なくとも一つの光源と、
前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、
生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、
前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、
前記記憶手段に記憶されているデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段とを備え、
前記特徴量推定手段は前記デジタルデータから第二の測定位置を抽出し、前記光源が点灯してから第二の測定位置までの時間差に応じて前記光源の制御方法を前記制御手段を通じて変更する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項7】
前記光源の制御方法は、光源の光量であることを特徴とする請求項6に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項8】
前記光源の制御方法は、光源の点灯時間であることを特徴とする請求項6に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項9】
前記特徴量推定手段は、前記光源が点灯してから第二の測定位置までの時間差と、該時間差を2つ以上の領域に分ける少なくとも1つ以上の時間差しきい値を比較し、該領域に応じて前記光源の制御方法を変更する、ことを特徴とする請求項7乃至請求項8に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項10】
前記特徴量推定手段は、書き込みが可能なレジスタを備え、レジスタによって前記時間差しきい値を外部から変更することが可能である、ことを特徴とする請求項9に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項11】
生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、
少なくとも一つの光源と、
前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、
生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、
前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、
前記光源を点灯させてから前記デジタルデータを前記記憶手段に記録するまでの一連の動作を所定回数繰り返し、前記記憶手段に記憶されている所定回数分のデジタルデータを平均化し、前記平均化したデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段とを備え、
前記特徴量推定手段は、前記平均化したデジタルデータから第一の測定位置と第二の測定位置を抽出し、第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差に応じて前記一連の動作の繰り返し回数を変更する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項12】
前記特徴量推定手段は、前記第一の測定位置から第二の測定位置までの時間差と、該時間差を2つ以上の領域に分ける少なくとも1つ以上の時間差しきい値とを比較し、該領域に応じて前記一連の動作の繰り返し回数を変更する、ことを特徴とする請求項11に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項13】
前記特徴量推定手段は、書き込みが可能なレジスタを備え、レジスタによって前記時間差しきい値を外部から変更することが可能である、ことを特徴とする請求項12に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項14】
生体の表面に光を入射して生体情報の特徴量を含んだ前記生体内からの光音響波信号を前記生体の表面から検出する非侵襲生体情報測定装置において、
少なくとも一つの光源と、
前記光源の光量や点灯タイミングや後述する各手段の起動を制御する制御手段と、
生体情報を所定時間測定する生体情報センサと、
前記生体情報センサからの出力信号を増幅する増幅手段と、
前記増幅された信号をA/D変換するA/D変換手段と、
前記A/D変換されたデジタルデータを記憶する記憶手段と、
前記光源を点灯させてから前記デジタルデータを前記記憶手段に記録するまでの一連の動作を所定回数繰り返し、前記記憶手段に記憶されている所定回数分のデジタルデータを平均化し、前記平均化したデジタルデータを解析して生体情報の特徴量を推定する特徴量推定手段と、を備え、
前記特徴量推定手段は、前記平均化したデジタルデータから第二の測定位置を抽出し、前記光源が点灯してから第二の測定位置までの時間差に応じて前記一連の動作の繰り返し回数を変更する、ことを特徴とする非侵襲生体情報測定装置。
【請求項15】
前記特徴量推定手段は、前記光源が点灯してから第二の測定位置までの時間差と、該時間差を2つ以上の領域に分ける少なくとも1つ以上の時間差しきい値とを比較し、該領域に応じて前記一連の動作の繰り返し回数を変更する、ことを特徴とする請求項14に記載の非侵襲生体情報測定装置。
【請求項16】
前記特徴量推定手段は、書き込みが可能なレジスタを備え、レジスタによって前記時間差しきい値を外部から変更することが可能である、ことを特徴とする請求項15に記載の非侵襲生体情報測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−39268(P2009−39268A)
【公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−206570(P2007−206570)
【出願日】平成19年8月8日(2007.8.8)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】