説明

非常時自動発令支援システムおよび非常時自動発令支援方法

【課題】発電所などにおける自然災害および単独災害に対する段階的発令のうちのどれを発するかを自動的に判定することができる非常時自動発令支援システムおよび非常時自動発令支援方法を提供する。
【解決手段】非常時自動発令支援システム1は、非常時自動発令装置10と、自然災害および単独災害が発生したことを知らせる情報を非常時自動発令装置10に入力するための情報入力装置40とを具備する。非常時自動発令装置10は、上記情報に含まれている用語に該当する使用用語およびその重付けに基づいてこの情報の緊急度を算出する緊急度算出部13と、緊急度算出部13によって算出された緊急度に基づいて、段階的発令のうちのどれを発するかを判定する判定部14とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非常時自動発令支援システムおよび非常時自動発令支援方法に関し、特に、火力発電所などにおいて発生した自然災害および単独災害に対して防災体制を発令するのに好適な非常時自動発令支援システムおよび非常時自動発令支援方法に関する。
【背景技術】
【0002】
電力会社などにおいては、たとえば、火力発電所に、台風、豪雨および地震などの自然災害や、火災、爆発および油漏洩などの災害(以下、「単独災害」という。)が発生したり発生することが予測されたりする場合に、このような非常災害対策への対応およびその復旧を速やかに行うことができるように、以下に一例を示すような発令基準を定めた非常災害対策規定を設けている。
(1)警戒体制の発令基準
強風(風速20m/s以上を目安)、豪雨(雨量150mm/Dまたは40mm/Hを目安)、津波、高潮または近隣災害の拡大などの異常事態により、発電所などに被害の発生が予測される場合。
(2)非常体制の発令基準
発電所などおよびその周辺に被害が発生し、発電所などが応急対策を実施する必要がある場合。
(3)特別非常体制の発令基準
発電所などおよびその周辺に甚大な被害が発生し、他機関(近隣事業所または近隣他企業など)の応援を必要とする場合。
【0003】
なお、下記の特許文献1には、災害の状況を的確に把握して災害の状況に対応して正確で効率的に対処するために、入力手段の入力操作や各種センサからの信号の読み取りなどにて設定入力した被災害物の状態に基づき、被災害物の災害の状態および推移を判断・予測し、対応する災害に対処するための活動フローを設定し、設定した活動フローの災害対策のための表示、判断・予測した災害の状況およびその推移を液晶モニタや各コンピュータのモニタなどに表示する災害対策システムが開示されている。
【0004】
下記の特許文献2には、発電所、工場、化学プラント、備蓄基地などでの災害発生を事前に予測して避難誘導させるために、発電所、工場、化学プラント、原子炉、備蓄基地などでの予め定められた計測項目を各種センサで計測し、災害予測演算部で計測値の経時的変化の有無を監視して災害の発生を予測したとき、事前に災害発生予測情報を出力し、最適避難誘導経路図の選択部が各エリアごとに最適な避難誘導経路図を、予め記憶された非難経路情報記憶装置から自動的に検索して、各エリアに設けられた表示装置に夫々の最適避難誘導経路図を表示する避難誘導システムが開示されている。
【0005】
下記の特許文献3には、災害の発生を早期に発見し各エリアから非難所への安全で最適な避難誘導経路情報を表示させるために、発電所・工場などの各エリアに災害の発生を検出するセンサを配置して、監視した監視情報を情報記憶装置に記憶し、監視情報から災害発生情報を出力したとき、各エリアの被害有無情報および人の有無情報を収集し、被害無しのエリアについてさらに安全を確認するために、2次災害発生の可能性を予測した災害発生予測情報をAI論理演算して求め、人の有無情報から人の居るエリアから避難所への2次災害発生の可能性のない最適な避難誘導経路図を非難経路情報記憶装置から検索して各エリアに報知する避難誘導システムが開示されている。
【特許文献1】特開2003−77084号公報
【特許文献2】特開2003−187362号公報
【特許文献3】特開2003−196770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記したような警戒体制、非常体制および特別非常体制といった段階的な発令基準に沿った発令(以下、「段階的発令」という。)をする場合には、どの段階の発令をするかは発令責任者(たとえば、発電所長)の判断に任されているが、その判断は様々な被害状況や危機管理上のリスクなどを予測勘案して決定されているため、判断を誤った場合には、応急対策や応援依頼のタイミングが遅れるといった問題がある。また、警報発令遅れによる人身事故や被災が社会的問題になっており、発令作業の自動化が要請されている。
【0007】
本発明の目的は、発電所などにおける自然災害および単独災害に対する段階的発令のうちのどれを発するかを自動的に判定することができる非常時自動発令支援システムおよび非常時自動発令支援方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の非常時自動発令支援システム(1)は、非常時自動発令装置(10)と、自然災害および単独災害が発生したことを知らせる情報を前記非常時自動発令装置に入力するための情報入力装置(40)とを具備する非常時自動発令支援システムであって、前記非常時自動発令装置が、前記情報に含まれている用語に該当する使用用語および該使用語の重付けに基づいて該情報の緊急度を算出する緊急度算出部(13)と、該緊急度算出部によって算出された緊急度に基づいて、段階的発令のうちのどれを発するかを判定する判定部(14)とを備えることを特徴とする。
ここで、前記緊急度算出部が、平均重付けを算出して緊急度を算出し、前記判定部が、前記緊急度算出部によって算出された平均重付けに応じて段階的発令のうちのどれを発するかを判定してもよい。
前記非常時自動発令装置に接続された出力装置(50)および責任者端末装置(60)をさらに具備し、前記非常時自動発令装置が、前記判定部による判定結果を前記出力装置および前記責任者端末装置に出力する出力部(15)をさらに備えてもよい。
前記非常時自動発令装置が、前記情報入力部から入力される情報の構文解析を行う構文解析部(11)と、該構文解析部から入力される構文解析結果に基づいて前記情報の意味を解析して、該情報に含まれている用語を抽出して前記緊急度算出部に出力する意味解析部(12)とをさらに備えてもよい。
前記非常時自動発令装置に接続されたデータベース編集装置(20)と、該データベース編集装置に接続された入力装置(30)とをさらに具備し、前記データベース編集装置が、前記入力装置から入力される使用用語と該使用用語の重付けとが定義された使用用語テーブルを作成するデータベース編集部(21)と、該データベース編集部によって作成された使用用語テーブルを使用用語データベース(23)に格納するとともに、前記緊急度算出部から入力される用語に基づいて使用用語テーブルを検索して、該用語に該当する使用用語と該使用用語の重付けとを読み出して前記緊急度算出部に出力するデータベース制御部(22)とを備えてもよい。
前記重付けが、複数段階の重要度、複数段階の至命度および複数段階の出現頻度であってもよい。
【0009】
本発明の非常時自動発令支援方法は、自然災害および単独災害が発生したことを知らせる情報が情報入力装置(40)を用いて非常時自動発令装置(10)に入力されるステップ(S11)と、前記非常時自動発令装置の緊急度算出部(13)が、前記情報に含まれている用語をデータベース編集装置(20)に出力し、該データベース編集装置のデータベース制御部(22)が、前記緊急度算出部から入力された用語に基づいて、使用用語データベース(23)に格納されている使用用語テーブルを検索して、該用語に該当する使用用語および該使用用語の重付けを取得して、該取得した使用用語および重付けを前記緊急度算出部に出力するステップ(S13)と、前記緊急度算出部が、前記データベース制御部から入力された使用用語および重付けに基づいて前記情報の緊急度を算出して、該算出した緊急度を前記非常時自動発令装置の判定部(14)に出力するステップ(S14)と、前記判定部が、前記緊急度算出部によって算出された緊急度に基づいて、段階的発令のうちのどれを発するかを判定するステップ(S15)とを具備することを特徴とする。
ここで、前記非常時自動発令装置の出力部(15)が、前記判定部による判定結果を出力装置(50)および責任者端末装置(60)に出力するステップ(S16)をさらに具備してもよい。
前記非常時自動発令装置の構文解析部(11)が、前記情報入力装置から入力された情報の構文解析を行うとともに、前記非常時自動発令装置の意味解析部(12)が、前記構文解析部から入力される構文解析結果に基づいて前記情報の意味を解析して、該情報に含まれている用語を抽出し、該抽出した用語を前記緊急度算出部に出力するステップ(S12)をさらに具備してもよい。
【発明の効果】
【0010】
本発明の非常時自動発令支援システムおよび非常時自動発令支援方法は、以下の効果を奏する。
(1)非常時自動発令装置10が現場などからの情報に基づいてたとえば警戒体制、非常体制および特別非常体制のうちのどの体制を敷くかを自動的に判定するので、発電所などにおける自然災害および単独災害に対する段階的発令のうちのどれを発するかを自動的に判定することができる。
(2)使用用語およびその重付けに基づいて緊急度を算出するので、段階的発令のうちのどれを発するかを自動的に判定する際に、客観的な判定を行うことができる。
(3)非常時自動発令装置10によって段階的発令のうちのどれを発するかを自動的に判定するので、人的原因による応急対策や応援依頼のタイミングの遅れ、および、警報発令遅れによる人身事故や被災などを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
発電所などにおける自然災害および単独災害に対する段階的発令のうちのどれを発するかを自動的に判定するという目的を、非常時自動発令装置の緊急度算出部において、自然災害および単独災害が発生したことを知らせる情報に含まれている用語に該当する使用用語およびその重付けに基づいて、この情報の緊急度を算出するとともに、非常時自動発令装置の判定部において、この算出された緊急度に基づいて、段階的発令のうちのどれを発するかを判定することにより実現した。
【実施例1】
【0012】
以下、本発明の非常時自動発令支援システムおよび非常時自動発令支援方法の実施例について、図面を参照して説明する。
本発明の一実施例による非常時自動発令支援システム1は、図1に示すように、非常時自動発令装置10と、非常時自動発令装置10に接続されたデータベース編集装置20と、データベース編集装置20に接続された入力装置30と、非常時自動発令装置10に接続された情報入力装置40、出力装置50および責任者端末装置60とを具備する。
ここで、非常時自動発令装置10は、構文解析部11と、意味解析部12と、緊急度算出部13と、判定部14と、出力部15とを備える。また、データベース編集装置20は、データベース編集部21と、データベース制御部22とを備える。
【0013】
データベース編集装置20のデータベース編集部21は、入力装置30から入力される、発電所などにおける自然災害および単独災害に対する段階的発令のうちのどれを発するかを自動的に判定する際の参考となる用語(以下、「使用用語」という。)と使用用語の重付けとを定義した使用用語テーブルを作成するのに用いられる。ここで、重付けは、たとえば、重要度を10段階に数値化し、至命度を5段階に数値化し、出現頻度を3段階に数値化したものである。
【0014】
表1から表3は、動詞の使用用語テーブルの一例と、主語および目的語の使用用語テーブルの一例と、副詞および形容詞の使用用語テーブルの一例とを示す。
【表1】

【表2】

【表3】

【0015】
データベース制御部22は、データベース編集部21によって作成された使用用語テーブルを使用用語データベース(使用用語DB)23に格納するとともに、後述する非常時自動発令装置10の緊急度算出部13から入力される用語に基づいて、使用用語データベース23に格納されている使用用語テーブルを検索して、その用語に該当する使用用語とこの使用用語の重付けとを読み出して緊急度算出部13に出力する。
【0016】
情報入力部40は、自然災害や単独災害が発生したことを知らせる情報を非常時自動発令装置10に入力するためのものであり、端末装置、電話機およびファクシミリ装置などから構成される。
【0017】
非常時自動発令装置10の構文解析部11は、情報入力部40から文章または音声で入力される情報の構文解析を行う。
意味解析部12は、構文解析部11から入力される構文解析結果に基づいて、情報入力部40から文章または音声で入力された情報の意味を解析して、この情報に含まれている動詞、主語、目的語、副詞および形容詞などの用語を抽出する。
【0018】
緊急度算出部13は、意味解析部12によって抽出された用語をデータベース編集装置20のデータベース制御部22に出力して、これらの用語に該当する使用用語およびその重付けを取得するとともに、取得した使用用語および重付けに基づいてこの情報の緊急度を算出する。ここで、緊急度の算出は、たとえば、平均重付け(取得した重付けを加算したものを、取得した使用用語の数で割ったもの)を算出することにより行われる。
【0019】
判定部14は、緊急度算出部13によって算出された緊急度(たとえば、平均重付け)に基づいて、警戒体制の発令、非常体制の発令および特別非常体制の発令(段階的発令)のうちのどれを発するかを判定する。ここで、この判定は、たとえば、平均重付けが1以上5未満であれば警戒体制を発令すると判定し、平均重付けが5以上〜14未満であれば非常体制を発令すると判定し、平均重付けが12以上であれば特別非常体制を発令すると判定することにより行われる。
【0020】
出力部15は、判定部14による判定結果を出力装置50および責任者端末装置60に出力する。
【0021】
次に、本実施例による非常時自動発令支援システム1の動作(本発明の一実施例による非常時自動発令支援方法)について、発電所の1号機において配管の損傷により微量のアンモニアガス漏れが発生した場合を例として、図2に示すフローチャートを参照して説明する。
【0022】
「1号機において配管の損傷により微量のアンモニアガス漏れが発生した。」との情報を現場の者から通報があると、担当者は、情報入力装置40を用いて、この情報を非常時自動発令装置10に入力する(ステップS11)。
【0023】
非常時自動発令装置10の構文解析部11は、公知の構文解析技術を用いて、情報入力装置40から入力された情報「1号機において配管の損傷により微量のアンモニアガス漏れが発生した。」の構文解析を行い、構文解析結果を意味解析部12に出力する。
意味解析部12は、公知の意味解析技術を用いて、構文解析部11から入力される構文解析結果に基づいて上記情報の意味を解析し、この情報に含まれている動詞、主語、および形容詞の用語を抽出する。この例では、意味解析部12は、たとえば、上記情報の意味を『1号機の配管が損傷して、微量のアンモニアのガスが漏洩した。』と解析して、この情報に含まれている動詞の用語「損傷」および「漏洩」と、主語の用語である「配管」、「アンモニア」および「ガス」と、形容詞の用語である「微量の」を抽出する。意味解析部12は、抽出した用語を緊急度算出部13に出力する(以上、ステップS12)。
【0024】
緊急度算出部13は、意味解析部12から入力される用語をデータベース編集装置20に出力する。
データベース編集装置20のデータベース制御部22は、緊急度算出部13から入力された用語に基づいて、使用用語データベース23に格納されている使用用語テーブル(表1から表3参照)を検索して、これらの用語に該当する使用用語およびその重付けを取得して、取得した使用用語およびその重付けを緊急度算出部13に出力する(以上、ステップS13)。
この場合には、使用用語「損傷」およびその重付け(重要度=1、致命度=1、出現頻度=1)と、使用用語「漏洩」およびその重付け(重要度=5、致命度=2、出現頻度=2)と、使用用語「配管」およびその重付け(重要度=10、致命度=7、出現頻度=3)と、使用用語「アンモニア」およびその重付け(重要度=5、致命度=3、出現頻度=2)と、使用用語「ガス」およびその重付け(重要度=7、致命度=3、出現頻度=3)と、使用用語「微量の」およびその重付け(重要度=2、致命度=1、出現頻度=2)とが取得される。
【0025】
非常時自動発令装置10の緊急度算出部13は、データベース制御部22から入力された使用用語および重付けに基づいて、この情報の緊急度を算出して、算出した緊急度を判定部14に出力する(ステップS14)。
緊急度は、たとえば、平均重付けを算出することにより算出される。すなわち、緊急度は、データベース制御部22から入力された重付けの合計値(=59=1+1+1+5+2+2+10+7+3+5+3+2+7+3+3+2+1+2)を、データベース制御部22から入力された使用用語の数(=6)で割った値(=9.8)として算出される。
【0026】
判定部14は、緊急度算出部13によって算出された緊急度(=9.8)に基づいて、警戒体制の発令、非常体制の発令および特別非常体制の発令のうちのどれを発するかを判定して、判定結果を出力部15に出力する(ステップS15)。
この場合には、緊急度が9.8であるため、「非常体制の発令を発する」と判定される。
【0027】
出力部15は、判定部14による判定結果(非常体制の発令)を出力装置50および責任者端末装置60に出力する(ステップS16)。
これにより、担当者は、出力装置50に表示された判定結果(非常体制の発令)を自動的に知ることができる。また、責任者は、責任者端末装置60に表示された判定結果(非常体制の発令)に基づいて、関連部署に非常体制を敷くように指示したり、発電所の周辺地域の重要施設(消防、警察、自治体など)に速やかに連絡したりすることができる。
【0028】
なお、担当者が、現場などからの情報に基づいて、この情報に含まれている用語を抽出して、抽出した用語を非常時自動発令装置10に入力するようにすれば、構文解析部11および意味解析部12は必ずしも必要ではない。
また、データベース編集装置20に、判定結果に基づいて関連部署および重要施設と通知方法とを取得することができる通知データベースを設けることにより、非常時自動発令装置10の出力部15が、判定結果をデータベース制御部22に出力して、通知すべき関連部署および重要施設と通知方法とを取得して、出力装置50および責任者端末装置60に出力するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0029】
以上説明したように、本発明の非常時自動発令支援システムおよび非常時自動発令支援方法は、たとえば、火力発電所などにおいて発生した自然災害および単独災害に対して防災体制を発令するのに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施例による非常時自動発令支援システムの構成を示す図である。(実施例1)
【図2】図1に示した非常時自動発令支援システム1の動作を説明するためのフローチャートである。(実施例1)
【符号の説明】
【0031】
1 非常時自動発令支援システム
10 非常時自動発令装置
11 構文解析部
12 意味解析部
13 緊急度算出部
14 判定部
15 出力部
20 データベース編集装置
21 データベース編集部
22 データベース制御部
23 使用用語データベース
30 入力装置
40 情報入力装置
50 出力装置
60 責任者端末装置
S11〜S16 ステップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非常時自動発令装置(10)と、
自然災害および単独災害が発生したことを知らせる情報を前記非常時自動発令装置に入力するための情報入力装置(40)と、
を具備する非常時自動発令支援システムであって、
前記非常時自動発令装置が、
前記情報に含まれている用語に該当する使用用語および該使用語の重付けに基づいて該情報の緊急度を算出する緊急度算出部(13)と、
該緊急度算出部によって算出された緊急度に基づいて、段階的発令のうちのどれを発するかを判定する判定部(14)とを備える、
ことを特徴とする、非常時自動発令支援システム。
【請求項2】
前記緊急度算出部が、平均重付けを算出して緊急度を算出し、
前記判定部が、前記緊急度算出部によって算出された平均重付けに応じて段階的発令のうちのどれを発するかを判定する、
ことを特徴とする、請求項1記載の非常時自動発令支援システム。
【請求項3】
前記非常時自動発令装置に接続された出力装置(50)および責任者端末装置(60)をさらに具備し、
前記非常時自動発令装置が、前記判定部による判定結果を前記出力装置および前記責任者端末装置に出力する出力部(15)をさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1または2記載の非常時自動発令支援システム。
【請求項4】
前記非常時自動発令装置が、
前記情報入力部から入力される情報の構文解析を行う構文解析部(11)と、
該構文解析部から入力される構文解析結果に基づいて前記情報の意味を解析して、該情報に含まれている用語を抽出して前記緊急度算出部に出力する意味解析部(12)とをさらに備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至3いずれかに記載の非常時自動発令支援システム。
【請求項5】
前記非常時自動発令装置に接続されたデータベース編集装置(20)と、
該データベース編集装置に接続された入力装置(30)と、
をさらに具備し、
前記データベース編集装置が、前記入力装置から入力される使用用語と該使用用語の重付けとが定義された使用用語テーブルを作成するデータベース編集部(21)と、
該データベース編集部によって作成された使用用語テーブルを使用用語データベース(23)に格納するとともに、前記緊急度算出部から入力される用語に基づいて使用用語テーブルを検索して、該用語に該当する使用用語と該使用用語の重付けとを読み出して前記緊急度算出部に出力するデータベース制御部(22)とを備える、
ことを特徴とする、請求項1乃至4いずれかに記載の非常時自動発令支援システム。
【請求項6】
前記重付けが、複数段階の重要度、複数段階の至命度および複数段階の出現頻度であることを特徴とする、請求項1乃至5いずれかに記載の非常時自動発令支援システム。
【請求項7】
自然災害および単独災害が発生したことを知らせる情報が情報入力装置(40)を用いて非常時自動発令装置(10)に入力されるステップ(S11)と、
前記非常時自動発令装置の緊急度算出部(13)が、前記情報に含まれている用語をデータベース編集装置(20)に出力し、該データベース編集装置のデータベース制御部(22)が、前記緊急度算出部から入力された用語に基づいて、使用用語データベース(23)に格納されている使用用語テーブルを検索して、該用語に該当する使用用語および該使用用語の重付けを取得して、該取得した使用用語および重付けを前記緊急度算出部に出力するステップ(S13)と、
前記緊急度算出部が、前記データベース制御部から入力された使用用語および重付けに基づいて前記情報の緊急度を算出して、該算出した緊急度を前記非常時自動発令装置の判定部(14)に出力するステップ(S14)と、
前記判定部が、前記緊急度算出部によって算出された緊急度に基づいて、段階的発令のうちのどれを発するかを判定するステップ(S15)と、
を具備することを特徴とする、非常時自動発令支援方法。
【請求項8】
前記非常時自動発令装置の出力部(15)が、前記判定部による判定結果を出力装置(50)および責任者端末装置(60)に出力するステップ(S16)をさらに具備することを特徴とする、請求項7記載の非常時自動発令支援方法。
【請求項9】
前記非常時自動発令装置の構文解析部(11)が、前記情報入力装置から入力された情報の構文解析を行うとともに、前記非常時自動発令装置の意味解析部(12)が、前記構文解析部から入力される構文解析結果に基づいて前記情報の意味を解析して、該情報に含まれている用語を抽出し、該抽出した用語を前記緊急度算出部に出力するステップ(S12)をさらに具備することを特徴とする、請求項7または8記載の非常時自動発令支援方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−98945(P2009−98945A)
【公開日】平成21年5月7日(2009.5.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−270004(P2007−270004)
【出願日】平成19年10月17日(2007.10.17)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】