説明

非接触充電システム

【課題】車両への非接触式充電を行う際に、人体、動物等の電磁界からの影響を低減することができる非接触充電システムを提供する。
【解決手段】非接触充電システムは、車両3に設けられる車両側の受電コイル21と車両外部の地上側充電装置10に設けられる地上側の送電コイル11との間でワイヤレスで送電を行い、車両3の二次電池23に地上側充電装置10からの電力を充電する。非接触充電システムは、非接触充電を実施するときに、または実施前の待機段階で、送電コイル11を覆う地上側パッド1及びその周辺から、人体、動物を含む排除すべき排除対象物を排除する排除手段を備える。当該排除手段は、地上側パッド1の外表面を上方に膨らむドーム形状に形成することにより構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の電源から車両の電池に非接触で電力を供給する非接触充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、環境に配慮した車両として、電気自動車、ハイブリッド車等の電動の車両が注目されている。これらの電動車両には、走行用の電力を外部電源から充電可能とする電池が装備されている。充電用の電力を給電する方法としては、給電側の電源口と車両の充電口とを充電ケーブルで接続するプラグイン式の給電方法や、給電用のケーブルを用いない非接触式の給電方法が知られている。
【0003】
非接触式の給電方法に関する従来技術として、例えば、特許文献1に記載の非接触充電システムがある。この従来技術は、磁場を介して送電が行われる。特許文献1の非接触充電システムでは、外部の施設に装備された交流電源からの電力を高周波電力ドライバによって高周波の電力に変換した後、一次コイルへ供給し、一次コイルは高周波電力を電磁誘導により2次側コイルが搭載される車両へ電力を送電する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−87733号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来技術では、上記のように地面近傍に配された一次コイルと車体下部に配された二次コイルとの間で電磁場を介して電力が伝送されるため、充電動作中に、一次コイル付近や二次コイル付近に人が存在したり、小動物が一次自己共振コイルを覆うボックスの上に存在したりすると、存在する人体や動物が電磁界の影響を受けるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的は、車両への非接触充電を行う際に、人体、動物等の電磁界からの影響を低減することができる非接触充電システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は上記目的を達成するために、以下の技術的手段を採用する。すなわち、請求項1は、車両に設けられる車両側受電部(21)と車両外部の地上側充電設備(10)に設けられる地上側送電部(11)との間で非接触で送電を行い、車両の蓄電装置(23)に地上側充電設備(10)からの電力を充電する非接触充電システムに係る発明であって、
非接触充電の実施時、または実施前の待機段階で、地上側送電部(11)を覆い地上に露出する地上側パッド(1,1A)及びその周辺から、人体、動物を含む排除対象物を排除する排除手段を備えることを特徴とする。
【0008】
この発明によれば、非接触充電時またはその待機段階において、排除手段により人体、動物を含む排除対象物を地上側パッド及びその周辺から排除することができる。これにより、非接触充電であるがゆえに充電開始状態であることに気が付つかない人や、地上側パッドから送電が行われていることを判断する能力がない動物等が地上側パッドやその周辺に存在して電磁界からの影響を受けてしまう事態を未然に防止することができる。したがって、車両へ非接触充電を行う際に、人体、動物等の排除対象物について電磁界からの影響を低減することが可能な非接触充電システムを提供できる。
【0009】
請求項2に記載の発明によると、排除手段は、地上側パッド(1)の外表面を湾曲面または斜面を有して上方に膨らむ膨出状に形成することにより構成されることを特徴とする。この発明によれば、地上側パッドの外表面を膨出状に形成することにより、送電経路であって地上に露出するパッド部分に動物や虫がのった場合にパッド部分からすべり落ちたり、安定性のなさから居心地が悪くなり地上側パットから離れたりするようになる。また人に対しては、地上側パッドが目立ちやすい外形であるため、気付きやすく注意を促せるという効果がある。
【0010】
請求項3に記載の発明によると、排除手段は、地上側パッド(1,1A)の外表面に多数の凹凸部を形成することにより構成されることを特徴とする。この発明によれば、地上側パッドの外表面に多数の凹凸部を形成することにより、送電経路であって地上に露出するパッド部分に動物等がのったとしても、安定性のなさから居心地が悪くなり地上側パットから離れるようになり、動物よけとしての機能を発揮し得る。
【0011】
請求項4に記載の発明によると、排除手段は、排除対象物に向けて発光する照明手段(16)を含んで構成されることを特徴とする。この発明によれば、充電時または充電待機段階において、照明手段による発光を実施することにより、人に対して充電中または充電待機中であることを認識できるように注意を促し、動物等に対しては光による不快感や嫌悪感を与え地上側パッド及びその周辺から離れるように仕向ける効果がある。
【0012】
請求項5に記載の発明によると、排除手段は、地上側パッド(1A)に向けて送風する送風手段(24)を含んで構成されることを特徴とする。この発明によれば、充電時または充電待機段階において、地上側パッドに向けて送風が行われるため、地上側パッドに存在する小さな排除対象物を吹き飛ばしたり、動物等に対しては風による不快感や嫌悪感を与えて地上側パッド及びその周辺から離れるように仕向けたりすることができる。
【0013】
請求項6に記載の発明によると、排除手段は、排除対象物に向けて超音波を発信する超音波発信手段(17)を含んで構成されることを特徴とする。この発明によれば、充電時または充電待機段階において超音波を発信するため、地上側パッドに存在する小さな排除対象物を吹き飛ばしたり、動物等に対しては風による不快感や嫌悪感を与えて地上側パッド及びその周辺から離れるように仕向けたりすることができる。
【0014】
請求項7に記載の発明によると、地上側パッド(1,1A)及びその周辺を撮像した画像に基づいて排除対象物の存否を検出する検出手段(100)を備え、検出手段(100)は、非接触充電の実施時、または実施前の待機段階で、排除対象物を検出した場合には非接触充電を停止することを特徴とする。
【0015】
この発明によれば、非接触充電の実施時、またはその待機段階において、排除対象物の存在を検出した場合には非接触充電を停止する。これにより、非接触充電に気が付つかない人や、非接触充電を判断する能力がない動物等が地上側パッドやその周辺に存在して電磁界の影響を受けてしまう事態を未然に防止することができる。
【0016】
請求項8に記載の発明によると、排除対象物に向けて所定の光または音波を発信する発信部(17A)と、その反射波または透過波を受信する受信部(26)と、を含む検出手段を備え、検出手段(100)は、非接触充電の実施時、または実施前の待機段階で、排除対象物を検出した場合には非接触充電を停止することを特徴とする。
【0017】
この発明によれば、非接触充電の実施時、またはその待機段階において、光または音波を用いた検出により、排除対象物の存在を検出した場合には非接触充電を停止する。これにより、非接触充電に気が付かない人や、非接触充電を判断する能力がない動物等が地上側パッドやその周辺に存在して電磁界の影響を受けてしまう事態を未然に防止することができる。
【0018】
請求項9は、車両に設けられる車両側受電部(21)と車両外部の地上側充電設備(10)に設けられる地上側送電部(11)との間で非接触で送電を行い、車両の蓄電装置(23)に地上側充電設備(10)からの電力を充電する非接触充電システムに係る発明であって、
地上側送電部(11)を覆い地上に露出する地上側パッド(1,1A)及びその周辺において、人体、動物を含む排除対象物を検出する検出手段(100)を備え、非接触充電の実施時、または実施前の待機段階で、検出手段(100)が排除対象物を検出した場合には非接触充電を停止することを特徴とする。
【0019】
この発明によれば、非接触充電の実施時、またはその待機段階において、検出手段により、排除対象物の存在を検出した場合には非接触充電を停止する。これにより、非接触充電であるがゆえに充電開始状態であることに気が付かない人や、地上側パッドから送電が行われていることを判断する能力がない動物等が地上側パッドやその周辺に存在して電磁界の影響を受けてしまう事態を未然に防止することができる。したがって、車両へ非接触充電を行う際に、人体、動物等の排除対象物について電磁界からの影響を低減することが可能な非接触充電システムを提供できる。
【0020】
請求項10によると、検出手段(100)は、地上側パッド(1,1A)及びその周辺を撮像した画像に基づいて排除対象物の存否を検出することを特徴とする。この発明によれば、撮像した画像から排除対象物の存否を検出することにより、画像解析により判別可能な大きさの排除対象物を確実に検出することができる。
【0021】
請求項11によると、検出手段は、排除対象物に向けて所定の光または音波を発信する発信部(17A)と、その反射波または透過波を受信する受信部(26)と、を含む手段であることを特徴とする。この発明によれば、所定の光または音波で反射または透過し得る排除対象物を確実に検出することができる。
【0022】
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具体的手段との対応関係を示すものであり、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明を適用した第1実施形態の非接触充電システムの概略図である。
【図2】非接触充電システムの概略構成を示すブロック図である。
【図3】非接触充電システムにおける排除手段及び検出手段に関する構成を示すブロック図である。
【図4】非接触充電システムにおける地上側パッドの外観を示す外観図である。
【図5】非接触充電システムにおける照明手段としてのランプの点灯状態と車両及び地上側充電装置間の距離との関係を説明するためのチャート図である。
【図6】非接触充電システムにおける他の形態の車両側パッド及び地上側パッドを示す外観図である。
【図7】非接触充電システムにおいて排除対象物を排除するために実施する第1の排除制御の要領を示すフローチャートである。
【図8】非接触充電システムにおいて排除対象物を排除するために実施する第2の排除制御の要領を示すフローチャートである。
【図9】非接触充電システムにおいて排除対象物を検出するために実施する第1の検出制御の要領を示すフローチャートである。
【図10】図9のステップ1で実行する第1の検出ルーチンを示すフローチャートである。
【図11】図9のステップ1で実行する第2の検出ルーチンを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、図面を参照しながら本発明を実施するための複数の形態を説明する。各形態において先行する形態で説明した事項に対応する部分には同一の参照符号を付して重複する説明を省略する場合がある。各形態において構成の一部のみを説明している場合は、構成の他の部分については先行して説明した他の形態を適用することができる。各実施形態で具体的に組み合わせが可能であることを明示している部分同士の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても実施形態同士を部分的に組み合わせることも可能である。
【0025】
(第1実施形態)
本発明を適用する第1実施形態について図1〜図11を参照しながら説明する。第1実施形態で説明する非接触充電システムは、非接触充電の際に、地上側の送電部と車両側の受電部との間に人体、動物を含む排除すべき対象物を排除する排除手段を備え、さらに当該排除対象物を検出する検出手段を備えることを特徴としている。図1は、第1実施形態の非接触充電システムの概略図である。図2は非接触充電システムの概略構成を示すブロック図である。図3は非接触充電システムにおける排除手段及び検出手段に関する構成を示すブロック図である。
【0026】
図1及び図2に示すように、非接触充電システムは、主に車両の外部に設置された地上側充電設備である地上側充電装置10と、車両3に搭載される車両側充電装置20と、非接触で電力を送電する送電コイル11(地上側送電部)を覆い地上に露出する地上側パッド1と、非接触で電力を受電する受電コイル21(車両側受電部)を覆い車外に露出する車両側パッド2と、を備えて構成されている。非接触充電システムは、蓄電装置としての二次電池23と車両の外部に設置される外部電源14との間で磁気的に結合された状態、例えば電磁誘導あるいは磁気共鳴によって電力の授受を行う非接触の電力授受システムである。
【0027】
車両3には、車両側パッド2、車両側充電装置20等が搭載されており、例えば電磁結合により受電コイル21に電流が流れることによって車両3に搭載された二次電池23が充電可能になっている。車両側充電装置20は、例えば、受電コイル21、整流回路22、二次電池23等を含む装置であり、車両3において外部電源14から給電される電力を充電する際に動作する装置である。
【0028】
地上側充電装置10は、例えば、家庭、集合住宅、コインパーキング等の駐車設備、商業施設、公共施設等に設けられ、車両3にとって外部となる外部電源14から整流回路13、高周波インバータ12、コンデンサ(図示せず)を介して送電コイル11が接続された充電器であり、車両3の受電コイル21に給電する際に動作する。送電コイル11は、駐車設備に画成された駐車スペース内に各々設置または埋設され、所定の通電によって電磁界を発生するように構成されている。この送電コイル11は、駐車スペースへの車両の進入を検知するとともに、車両側に設けられた受電コイル21との間で非接触による電力の受け渡しを行う。
【0029】
図2に示すように、車両3には、二次電池23、インバータ4、モータジェネレータ5等の負荷が搭載され、二次電池23の電力を基にしてモータジェネレータ5等の負荷が駆動されるようになっている。モータジェネレータ5の作動は、車両3に搭載された車両側ECU200によって制御される。二次電池23の電力によって駆動される負荷には、モータジェネレータ5の他、空調ユニット、電動パワーステアリングユニット等を適用することができる。
【0030】
整流回路22は、ダイオード及びコンデンサから構成されており、ダイオードにより、受電コイル21から供給された高周波電力を整流し、コンデンサで平滑化した後、充電回路(図示せず)に供給する。充電回路は、直流電圧により二次電池23を充電する。
【0031】
二次電池23は、高圧のバッテリであり、その端子電圧が高圧となるように設定されている。二次電池23は、充放電可能に構成された電池であり、例えばニッケル水素電池、リチウムイオン電池等を使用することができる。
【0032】
インバータ4は、二次電池23とモータジェネレータ5との間において電力形態の変換及び電力量を調整する電力変換部である。つまり、インバータ4は、二次電池23の直流電力を交流電力に変換(DC/AC変換)するとともに、モータジェネレータ5に必要とされる電力量を調整する。また、インバータ4は、減速時において車両の駆動輪からの駆動力によって、モータジェネレータ5が回転駆動されることで交流の回生電力が得られたときには、交流の回生電力を直流電力に変換(AC/DC変換)して二次電池23に供給し充電する。このようにインバータ4は、双方向の電力変換を可能としている。
【0033】
車両側ECU200は、図3に示すように、地上側充電装置10の作動を制御する地上側ECU100と通信して地上側ECU100側の各部の動作を把握しつつ、車両側充電装置20の作動を制御するとともに本発明の排除手段及び検出手段の機能を果たす各部を制御する。車両側ECU200は、端子電圧が低い低電圧バッテリを直接の電源とする。この低電圧バッテリは、二次電池23を電力供給源としており、二次電池23の電圧がDC/DCコンバータによって降下されて、降下された出力電圧が引加されるようになっている。
【0034】
モータジェネレータ5は、電動機および発電機の両機能を有する3相交流の回転電機である。モータジェネレータ5の回転軸の一方の端部は、内燃機関の出力軸に直結されており、他方の端部は、変速装置を介して駆動輪に機械的に連結されている。モータジェネレータ5は、インバータ4によって電力変換および電力調整された電量が供給されると、回転数および駆動トルクが制御されて、駆動輪に必要とされる駆動力を与える電動機として機能する。また、モータジェネレータ5は、減速時において駆動輪からの駆動力によって回転駆動されると、交流の回生電力を発生する発電機として機能する。
【0035】
図4は、非接触充電システムにおける地上側パッドの外観を示す外観図である。非接触充電システムは、非接触充電の実施時、または充電の待機段階で、送電コイル11を覆い地上に露出する地上側パッド1及びその周辺から、人体、動物を含む排除対象物を排除する種々の排除手段を備えている。
【0036】
(第1の排除手段)
当該排除手段の一つは、地上側パッド1の外表面を湾曲面または斜面を有して上方に膨らむ膨出状に形成することにより構成することができる。この排除手段の例として図4には、地上側パッド1の外表面を上方に膨出するドーム状に形成したものを示している。当該膨出状に形成する地上側パッド1の外表面は、例えば、かまぼこ形、半球状、円錐状、角錐状等に形成してもよい。これらの形状であれば、地上側パッド1の外表面に動物が乗った場合に、例えば犬、猫、小動物がのった場合に非常に不安定で居心地が悪く、また、外表面から落ち易い。このため、これらの動物を地上側パッド1及びその周辺から遠ざけ、排除することができる。
【0037】
(第2の排除手段)
また、地上側パッド1の外表面に多数の凹凸部を形成することにより排除手段を構成することもできる。この多数の凹凸部によっても、上記の犬、猫、小動物が地上側パッド1にのった場合に居心地が悪いので、安定性のなさから居心地が悪くなり地上側パット1から離れるようになり、これらの動物を地上側パッド1及びその周辺から遠ざけ、排除し得る。つまり、動物よけとしての機能を発揮するのである。
【0038】
(第3の排除手段)
排除手段の一つは、排除対象物に向けて発光する照明手段としてのランプ16を含んで構成することもできる。ランプ16は、図4に示すように、地上側パッド1の底部側に設けられ、ランプ16が点灯、点滅することにより、その光が地上側パッド1を透過して、外部を照らすようになっている。このランプ16の作動は、地上側ECU100によって制御されるようになっている。
【0039】
次にランプ16の点灯制御について図5を参照して説明する。図5は非接触充電システムにおけるランプ16の点灯状態と車両3及び地上側充電装置10間の距離との関係を説明するためのチャート図である。
【0040】
図5に示すように、車両3及び地上側充電装置10間の距離、すなわち車両側パッド2と地上側パッド1の距離が、地上側充電装置10が認識できる限界の距離である認識限界距離よりも大きいときは、ランプ16の100%点灯に対する点灯割合(照度ともいう)は、数%(または数秒毎に短い点灯時間と長い消灯時間を繰り返す)の点灯状態である。なお、完全に消灯する場合もある。当該距離が、認識限界距離よりも小さくなると、ランプ16は点灯割合を増加し、さらに、送電コイル11から受電コイル21に電力を送電可能である転送可能距離に近づくほど点灯割合が次第に大きくなり、照度は明るくなる。車両3が転送可能距離よりも地上側パッド1に近づき、電力転送が高効率で可能な範囲に入ると、充電待機状態になり、この間のランプ16の点灯割合は一定に制御される。そして、充電のためのすべての準備が整い、充電開始状態になると、ランプ16の点灯割合は100%に切り替わるように制御されて、最大の照度となり、人や動物に充電を開始することを知らせる。
【0041】
図5では最接近したときに待機状態にある状態を示したが、前記記載のように高効率領域(最接近よりも数十cm離れた場合)に入ったら待機状態に設定することも可能である。なお、以上の照度の遷移は、点滅状態から点灯状態への遷移、点滅間隔の変化に置き換えることも可能である。
【0042】
この排除手段によれば、充電時または充電待機段階において、ランプ16による発光を実施するので、人に対しては充電中または充電待機中であることを認識するように注意を喚起し、動物等に対しては光による不快感や嫌悪感を与えるため、地上側パッド1及びその周辺から離れるように仕向けることが期待できる。また、以上のランプ16の点灯または点滅は、車両3の乗員に対しても非接触充電の準備段階、待機中、充電開始状態、または充電中であることを知らしめる機能も果たしている。
【0043】
なお、車両3及び地上側充電装置10間の距離が認識限界距離よりも大きいときは、ランプ16を緑色に点灯するようにしてもよい。この色に点灯させることにより、人に地上側パッド1の存在を知らせることができ、足元のつまづき防止等の効果があり、特に夜など周囲が暗いときに有用である。その後、当該距離が認識限界距離よりも小さくなると、点灯色を赤色に変更して徐々に照度を上げていくように制御すればよい。
【0044】
(第4の排除手段)
排除手段の一つは、排除対象物に向けて超音波を発信する超音波発信手段としての超音波発信器を含んで構成することもできる。超音波発信器は、図4に示すように、地上側パッド1の底部側に設けられた発信部17により構築する。この発信部17の作動は、地上側ECU100によって制御されるようになっている。発信部17は、例えば犬、猫、ねずみ等の動物が嫌がる周波数を有する超音波を上方に発信する。この排除手段によれば、充電時または充電待機段階において超音波を発信するため、地上側パッド1に存在する小さな虫、死骸等の排除対象物を吹き飛ばしたり、動物等に対しては風による不快感や嫌悪感を与えるため、地上側パッド1及びその周辺から離れるように仕向けたりすることが期待できる。
【0045】
(第5の排除手段)
排除手段の一つは、地上側パッド1Aに向けて送風する送風手段としてのファン24を含んで構成することもできる。図6は、非接触充電システムにおける他の形態の車両側パッド2A及び地上側パッド1Aの外観を示す外観図である。
【0046】
ファン24は、図6に示すように、車両側パッド2Aにおける受電コイル21が配されていない部位に設けられ、下方に向けて送風可能に構成されている。ファン24の作動は、車両側ECU200によって制御されるようになっている。ファン24は、非接触充電を実施するとき、充電実施中、または充電の待機段階で、地上側パッド1Aに向けて送風するように制御される。また、ファン24による送風の風量は、排除対象物の種類、大きさ、重さ等に応じて変更できるように制御してもよい。
【0047】
この排除手段によれば、充電時または充電の待機段階において、地上側パッド1Aに向けて送風が行われるため、地上側パッド1Aに存在する小さな排除対象物、例えば虫、小さな動物、これらの死骸等を吹き飛ばしたり、動物等に対しては風による不快感や嫌悪感を与えることで地上側パッド1A及びその周辺から遠ざけるように仕向けたりすることに寄与する。
【0048】
非接触充電システムは、非接触充電の実施時、または充電の待機段階で、地上側パッド1A及びその周辺において排除対象物を検出する種々の検出手段を備えている。
【0049】
(第1の検出手段)
当該検出手段の一つは、地上側パッド1,1A及びその周辺を撮像した画像に基づいて排除対象物の存否を検出する手段である。CCDカメラ15は、地上側パッド1,1Aに設けられて、地上側パッド1,1A上及びその周辺の画像を撮像する。
【0050】
CCDカメラ15で撮像された画像は、光の明暗を電流の強弱に変換する撮像素子であるCCDに送信され、CCDは、画像を電気信号に変換して地上側ECU100に入力する。地上側ECU100は、入力された電気信号を解析することにより画像解析を実施し、排除対象物の存否を判定する。地上側ECU100は、排除対象物を検出した場合には、排除対象物を検出したことの報知、または充電を停止することを実施し、表示部18に排除対象物検出情報及び充電停止情報の少なくとも一方を表示するとともに、車両側ECU200にこの情報を出力する。車両側ECU200は、車両3に設けられた報知部25によって上記の情報をドライバー等の乗員に知らしめる。
【0051】
表示部18は、充電設備側に設けられた表示画面であり、例えば液晶ディスプレイで構成される。報知部25は、車両3の乗員に対し、音声または表示によって排除対象物検出情報、充電停止情報を知らせる手段であり、表示の場合は、例えばハンドルの前方またはダッシュボードの中央部に配された計器表示盤の一部に配置される液晶ディスプレイで構成される。
【0052】
また、CCDカメラ15は、ランプ16と一体に構成されたランプ付きカメラとして構成されてもよい。また、CCDカメラ15は、車両側パッド2,2Aに設けられて、地上側パッド1A上の画像を撮像するようにしてもよく、この場合、CCDは、画像を電気信号に変換して車両側ECU200に入力する。
【0053】
この検出手段によれば、車両側ECU200は、非接触充電の実施時、または充電の待機段階において排除対象物の存在を検出した場合には、非接触充電を停止する、または表示部18に排除対象物検出情報及び充電停止情報の少なくとも一方を表示し、もしくは当該情報が車両3側の報知部25によって乗員に対して報知される。これにより、非接触充電に気が付つかない人や、非接触充電を判断する能力がない動物等が地上側パッド1,1Aやその周辺に存在して電磁界の影響を受けてしまう事態を未然に防止することができる。
【0054】
また、撮像した画像から排除対象物の存否を検出することにより、画像解析により判別可能な大きさの排除対象物を確実に検出することができる。また、乗員は、人体または動物が地上側パッド1,1Aまたはその周辺に存在する事実を認識することができ、危険回避、充電の中断等の対処措置を講じることができる。
【0055】
(第2の検出手段)
検出手段の一つは、排除対象物に向けて所定の光または音波を発信する発信部と、その反射波または透過波を受信する受信部と、を含む手段で構成することもできる。ここでは、図6に示すように、発信部17Aは、地上側パッド1Aの周縁に所定間隔をあけて複数個設けられた発信器であり、例えば、排除対象物の有無を検出する超音波センサにより構成する。受信部26は、発信部17Aが発信した超音波が排除対称物に対して反射または透過した反射波または透過波を受信する受信器であり、車両側パッド2Aの周縁に所定間隔をあけて複数個設けられている。発信部17Aの作動は地上側ECU100によって制御される。受信部26が受信した反射波または透過波は、電気信号として車両側ECU200に入力され、車両側ECU200は排除対象物の有無を検出する。
【0056】
車両側ECU200または地上側ECU100は、排除対象物を検出した場合には、充電停止を実施し、報知部25または表示部18に排除対象物検出情報及び充電停止情報の少なくとも一方を報知または表示する。
【0057】
また、発信部17Aが光を発信する手段である場合には、光電センサを用いることができる。また、当該検出手段は、例えば図4のような地上側パッド1に設けた発信部17によって実現してもよい。この場合、発信部17から発信された超音波は地上側パッド1上またはその周辺に存在する排除対象物で反射し、この反射波を発信部17で受信して検出するようになる。また、このような発信部17は、車両側パッド2に設けられるものでもよい。
【0058】
この検出手段によれば、非接触充電の実施時、または充電の待機段階において、光または音波を用いた検出により、排除対象物の存在を検出した場合には非接触充電を停止する。これにより、非接触充電に気が付つかない人や、非接触充電を判断する能力がない動物等が地上側パッド1,1Aやその周辺に存在して電磁界の影響を受けてしまう事態を未然に防止することができる。
【0059】
また、車両3側の報知部25によって、排除対象物検出情報及び充電停止情報の少なくとも一方を報知することにより、乗員は、人体または動物が地上側パッド1,1Aまたはその周辺に存在する事実を認識することができ、危険回避、充電の中断等の対処措置を講じることができる。なお、異物存在の情報は、受信部17、受信部17Aあるいは報知部25からインターネットや携帯電話を通して車外のユーザーに通知することも可能である。
【0060】
次に、非接触充電システムにおける充電に係る動作について、図7〜図11の各フローチャートを参照して説明する。
【0061】
(第1の排除制御)
図7は、非接触充電システムにおいて排除対象物を排除するために実施する第1の排除制御の要領を示すフローチャートである。図7に示すフローチャートは、車両3の受電コイル21が地上側の送電コイル11に充電可能な距離まで近づき、その他の充電実施条件が整った充電待機段階になるとスタートする。まずステップ10で、地上側ECU100は、排除手段の一つである超音波を発信部17から発信するように制御する。この超音波発信により、地上側パッド1上及びその周辺に存在する排除対象物は、超音波の影響を受けるため、習性上、嫌悪感を受ける周波数の超音波から逃げるように、地上側パッド1から離れるようになる。この超音波の作用により、動物等の排除を実施することができる。
【0062】
ステップ10の処理によって、排除対象物を地上側パッド1及びその周辺から排除した後、地上側ECU100及び車両側ECU200は、ステップ20で充電運転を開始する。この充電は、車両3の二次電池23のSOC(state of charge)が所定のSOC、例えば満充電のSOC、ユーザーによって設定されたSOCに達するまで行われる。このようなSOCに達すると、充電終了条件が成立したものとする。充電運転は、ステップ30で充電終了条件が満たされたと判定することにより終了し、本フローチャートは終了する。充電終了条件の成立とは、満充電のSOC電力量、設定されたSOCまで二次電池23の蓄電量が達したということである。
【0063】
ステップ30で、まだ充電終了条件が成立していないと判定すると、ステップ40で先のステップ10と同様の処理である超音波の発信を再度実施し、排除対象物の排除処理を再度実施した後、ステップ30の判定に戻る。すなわち、本制御では、充電開始後、充電終了条件が成立するまで、充電中であっても、超音波の発信による排除処理を繰り返すのである。これにより、本制御では、充電前の待機状態と充電中の両方において排除処理を実施することができる。なお、他の制御形態として、ステップ10またはステップ40のいずれかの処理を実施しないで、充電前の待機状態、充電中のいずれか一方において排除処理を実施するようにすることもできる。
【0064】
(第2の排除制御)
図8は、非接触充電システムにおいて排除対象物を排除するために実施する第2の排除制御の要領を示すフローチャートである。図8に示すフローチャートは、車両3の受電コイル21が地上側の送電コイル11に充電可能な距離まで近づき、その他の充電実施条件が整った充電待機段階になるとスタートする。まずステップ10Aで、車両側ECU200は、排除手段の一つであるファン24による送風を実施するように、ファン24を制御する。この送風により、地上側パッド1A上及びその周辺に存在する排除対象物は、風を受けるため、風圧による不快感や嫌悪感を受けて当該風圧から逃げるように、地上側パッド1Aから離れるようになる。この送風作用により、動物等の排除を実施することができる。
【0065】
ステップ10Aの処理によって、排除対象物を地上側パッド1及びその周辺から排除した後、地上側ECU100及び車両側ECU200は、ステップ20で充電運転を開始する。この充電は、車両3の二次電池23のSOCが上記のように所定のSOCに達するまで行われる。充電運転は、ステップ30で充電終了条件が満たされたと判定することにより終了し、本フローチャートは終了する。
【0066】
ステップ30で、まだ充電終了条件が成立していないと判定すると、ステップ40Aで先のステップ10Aと同様の処理であるファン24による送風処理を再度実施し、排除対象物の排除処理を再度実施した後、ステップ30の判定に戻る。すなわち、本制御では、充電開始後、充電終了条件が成立するまで、充電中であっても、ファン24の送風による排除処理を繰り返すのである。これにより、本排除制御では、充電前の待機状態と充電中の両方において排除処理を実施することができる。なお、他の制御形態として、ステップ10Aまたはステップ40Aのいずれかの処理を実施しないで、充電前の待機状態、充電中のいずれか一方において排除処理を実施するようにすることもできる。
【0067】
なお、ステップ40あるいはステップ40Aの動作に関しては、全期間を連続ONするだけではなく、当該機能が維持可能な(数秒間毎にオンとオフを繰り返す)間欠動作も可能である。
【0068】
(第1の検出制御)
図9は、非接触充電システムにおいて排除対象物を検出するために実施する第1の検出制御の要領を示すフローチャートである。図9に示すフローチャートは、車両3の受電コイル21が地上側の送電コイル11に充電可能な距離まで近づき、その他の充電実施条件が整った充電待機段階になるとスタートする。まずステップ1で、地上側ECU100または車両側ECU200は、本検出制御の特徴である異物等の排除対象物の検出を行うサブルーチンを実行する。このサブルーチンの実行により、地上側パッド1,1A及びその周辺における異物等の有無を判定し、その判定結果に対応する適切な処理を実行することができる。
【0069】
次に、このサブルーチンについて、図10(第1の検出ルーチン)及び図11(第2の検出ルーチン)を参照して説明する。
【0070】
(第1の検出ルーチン)
図10は、図9のステップ1で実行する第1の検出ルーチンを示すフローチャートである。第1の検出ルーチンでは、上記の第1の検出手段によって異物等の検出を実施するものである。図10に示すように、まずステップ100で、CCDカメラ15により地上側パッド1,1A及びその周辺を撮像した画像データを取得する。画像データは、撮像素子であるCCDによって電気信号として地上側ECU100に入力される。地上側ECU100は、ステップ101で電気信号として取得した画像データを解析し画像処理を実行する。
【0071】
そして、地上側ECU100は、ステップ102で、画像処理の結果を用いて画像データに含まれる撮像範囲で異物等の排除対象物が存在するか否かを判定する。ステップ102の判定が「異物等の存在なし」の場合は、地上側ECU100は、ステップ105で充電開始許可に相当する電力転送許可の信号を送電コイル11に与え、本サブルーチンを終了する。
【0072】
ステップ102の判定が「異物等の存在あり」の場合は、地上側ECU100は、ステップ103で充電開始不許可に相当する電力転送禁止の信号を送電コイル11に与える。さらに地上側ECU100は、ステップ104で、車両側ECU200を介して報知部25が上記のように排除対象物検出情報及び充電停止情報の少なくとも一方の情報を報知するように制御し、本サブルーチンを終了する。また、地上側ECU100は、このステップで表示部18が当該情報を表示するように制御してもよい。
【0073】
(第2の検出ルーチン)
図11は、図9のステップ1で実行する第2の検出ルーチンを示すフローチャートである。第2の検出ルーチンでは、上記の第2の検出手段によって異物等の検出を実施するものである。図11に示すように、まずステップ100Aで、上記のように発信部17A、または発信部17及び受信部26を用いて、超音波によるソナー検出を実行する。受信器側で検出された反射波または透過波による信号は、地上側ECU100または車両側ECU200に入力される。
【0074】
地上側ECU100または車両側ECU200は、ステップ102Aで、入力された信号等を演算して、ソナー検出可能範囲内に異物等の排除対象物が存在するか否かを判定する。ステップ102Aの判定が「異物等の存在なし」の場合は、地上側ECU100は、ステップ105で充電開始許可に相当する電力転送許可の信号を送電コイル11に与え、本サブルーチンを終了する。
【0075】
ステップ102Aの判定が「異物等の存在あり」の場合は、地上側ECU100は、ステップ103で充電開始不許可に相当する電力転送禁止の信号を送電コイル11に与える。さらに地上側ECU100は、ステップ104で、車両側ECU200を介して報知部25が上記のように排除対象物検出情報及び充電停止情報の少なくとも一方の情報を報知するように制御し、本サブルーチンを終了する。また、地上側ECU100は、このステップで表示部18が当該情報を表示するように制御してもよい。
【0076】
このように排除対象物の存在を検出した場合には、報知部25や表示部18による排除対象物の存在を知らせる処理を実施するため、ユーザーは、以降の充電開始に至るまでに危険回避、充電の中断等の対処措置を講じることができる。なお、より高い安全性を確保するため、サブルーチンにおいて、排除対象物の存在を知らせる報知処理が行うとともに、自動で充電停止の処理を実施するようにしてもよい。
【0077】
以上のように排除対象物の検出を行うサブルーチンを実行後、図9に示すように、地上側ECU100及び車両側ECU200は、ステップ20で充電運転を開始する。この充電は、車両3の二次電池23のSOCが上記のように所定のSOCに達するまで行われる。充電運転は、ステップ30で充電終了条件が満たされたと判定することにより終了し、本フローチャートは終了する。
【0078】
ステップ30で、まだ充電終了条件が成立していないと判定すると、上述したステップ1のサブルーチンを再度実行して排除対象物の検出処理を再度実施した後、ステップ30の判定に戻る。すなわち、本制御では、充電開始後、充電終了条件が成立するまで、充電中であっても、異物等の排除対象物の検出処理を繰り返すのである。これにより、本制御では、充電前の待機状態と充電中の両方において排除対象物の検出処理を実施することができる。なお、他の制御形態として、充電前の待機状態、充電中のいずれか一方において排除処理を実施するようにすることもできる。
【0079】
本実施形態の非接触充電システムがもたらす作用効果について説明する。非接触充電システムは、非接触充電を実施するときに、または実施前の待機段階で、送電コイル11を覆う地上側パッド1及びその周辺から、人体、動物を含む排除すべき排除対象物を排除する排除手段を備える。
【0080】
この構成によれば、非接触充電時またはその待機段階において、排除手段により人体、動物を含む排除対象物を地上側パッド1,1A及びその周辺から排除することができる。これにより、非接触充電であるがゆえに充電開始状態であることに気が付つかない人や、地上側パッド1,1Aから送電が行われていることを判断する能力がない動物等が地上側パッド1,1Aやその周辺に存在して電磁界からの影響を受けてしまう事態を未然に防止でき、生物に対して悪影響を及ぼし得る状態を回避することができる。
【0081】
当該排除手段は、地上側パッド1の外表面を湾曲面または斜面を有して上方に膨らむ膨出状に形成することにより構成される。この構成によれば、地上側パッド1の外表面を膨出状に形成することにより、送電経路であって地上に露出する地上側パッド1に動物や虫がのった場合にパッド部分からすべり落ちたり、安定性のなさから居心地が悪くなり地上側パット1から離れたりするようになる。また人に対しては、地上側パッド1が目立ちやすい外形であるため、気付きやすく、近づかないように注意を促せるので、電磁界からの影響を受ける可能性を低減できるという効果がある。
【0082】
さらに湾曲面または斜面を有して上方に膨らむ膨出状に形成された地上側パッド1Aの外表面に、多数の凹凸部を形成することにより排除手段を構成することができる。この排除手段によれば、動物は多数の凹凸部にのったときに居心地の悪さや不快感を与えられるので、二重の排除手段が構築される。したがって、これら二重の排除手段によって、動物よけとしての一層大きな効果を期待できる。
【0083】
また、非接触充電システムは、地上側パッド1,1A及びその周辺において、人体、動物を含む排除対象物を検出する検出手段を備える。当該検出手段は、非接触充電の実施時、または実施前の待機段階で、排除対象物を検出した場合には非接触充電を停止する。
【0084】
この構成によれば、非接触充電の実施時、またはその待機段階において、検出手段により、排除対象物の存在を検出した場合には非接触充電を停止する。これにより、非接触充電であるがゆえに充電開始状態であることに気が付つかない人や、地上側パッド1,1Aから送電が行われていることを判断する能力がない動物等が地上側パッド1,1Aやその周辺に存在して電磁界からの影響を受けてしまう事態を未然に防止することができる。
【0085】
(他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に何ら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において種々変形して実施することが可能である。
【0086】
上記実施形態で説明した、各種排除手段と各種検出手段のそれぞれは、2つ以上組み合わせて実施することが可能である。例えば、一つの排除手段と一つまたは複数の検出手段を組み合わせたり、一つの検出手段と一つまたは複数の排除手段を組み合わせたり、複数の検出手段と複数の排除手段を組み合わせたりすることが可能である。
【符号の説明】
【0087】
1,1A…地上側パッド
10…地上側充電装置(地上側充電設備)
11…送電コイル(地上側送電部)
16…ランプ(照明手段)
17,17A…発信部(超音波発信手段)
21…受電コイル(車両側受電部)
23…二次電池(蓄電装置)
24…ファン(送風手段)
26…受信部
100…地上側ECU(検出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両に設けられる車両側受電部(21)と車両外部の地上側充電設備(10)に設けられる地上側送電部(11)との間で非接触で送電を行い、車両の蓄電装置(23)に前記地上側充電設備(10)からの電力を充電する非接触充電システムであって、
前記非接触充電の実施時、または実施前の待機段階で、前記地上側送電部(11)を覆い地上に露出する地上側パッド(1,1A)及びその周辺から、人体、動物を含む排除対象物を排除する排除手段を備えることを特徴とする非接触充電システム。
【請求項2】
前記排除手段は、前記地上側パッド(1)の外表面を湾曲面または斜面を有して上方に膨らむ膨出状に形成することにより構成されることを特徴とする請求項1に記載の非接触充電システム。
【請求項3】
前記排除手段は、前記地上側パッド(1,1A)の外表面に多数の凹凸部を形成することにより構成されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の非接触充電システム。
【請求項4】
前記排除手段は、前記排除対象物に向けて発光する照明手段(16)を含んで構成されることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の非接触充電システム。
【請求項5】
前記排除手段は、前記地上側パッド(1A)に向けて送風する送風手段(24)を含んで構成されることを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の非接触充電システム。
【請求項6】
前記排除手段は、前記排除対象物に向けて超音波を発信する超音波発信手段(17)を含んで構成されることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の非接触充電システム。
【請求項7】
前記地上側パッド(1,1A)及びその周辺を撮像した画像に基づいて前記排除対象物の存否を検出する検出手段(100)を備え、
前記検出手段(100)は、前記非接触充電の実施時、または実施前の待機段階で、前記排除対象物を検出した場合には前記非接触充電を停止することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の非接触充電システム。
【請求項8】
前記排除対象物に向けて所定の光または音波を発信する発信部(17A)と、その反射波または透過波を受信する受信部(26)と、を含む検出手段を備え、
前記検出手段(100)は、前記非接触充電の実施時、または実施前の待機段階で、前記排除対象物を検出した場合には前記非接触充電を停止することを特徴とする請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の非接触充電システム。
【請求項9】
車両に設けられる車両側受電部(21)と車両外部の地上側充電設備(10)に設けられる地上側送電部(11)との間で非接触で送電を行い、車両の蓄電装置(23)に前記地上側充電設備(10)からの電力を充電する非接触充電システムであって、
前記地上側送電部(11)を覆い地上に露出する地上側パッド(1,1A)及びその周辺において、人体、動物を含む排除対象物を検出する検出手段(100)を備え、
前記非接触充電の実施時、または実施前の待機段階で、前記検出手段(100)が前記排除対象物を検出した場合には前記非接触充電を停止することを特徴とする非接触充電システム。
【請求項10】
前記検出手段(100)は、前記地上側パッド(1,1A)及びその周辺を撮像した画像に基づいて前記排除対象物の存否を検出することを特徴とする請求項9に記載の非接触充電システム。
【請求項11】
前記検出手段は、前記排除対象物に向けて所定の光または音波を発信する発信部(17A)と、その反射波または透過波を受信する受信部(26)と、を含む手段であることを特徴とする請求項9に記載の非接触充電システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−165498(P2012−165498A)
【公開日】平成24年8月30日(2012.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−22059(P2011−22059)
【出願日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】