説明

非接触型情報通信装置

【課題】通信範囲の多様な切り替えが可能であり、且つ、小型化が可能な非接触型情報通信装置を提供する。
【解決手段】筐体から突き出した状態と収納された状態とが可能な第1アンテナ部21と、第1アンテナ部21に接続され、筐体から突き出した状態と収納された状態とが可能な棒状アンテナ部22と、第1アンテナ部21と同一軸上となるように筐体内に収納されているコイルバネ25と、第1アンテナ部21が筐体内に収納されている状態において第1アンテナ部21およびコイルバネ25の側方となる位置に設けられた反射板80とを備える。第1アンテナ部21および棒状アンテナ部22が筐体から突き出している第1状態と、棒状アンテナ部22は筐体内に収納され、第1アンテナ部21は筐体から突き出している第2状態と、第1アンテナ部21が筐体内に収納され、第1アンテナ部21およびコイルバネ25に給電される第3状態の3つの状態を可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、RFタグなどの非接触情報記憶媒体との間で通信を行う非接触型情報通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触情報記憶媒体として、たとえばRFタグが知られており、この非接触情報記憶媒体との間で通信を行う非接触型情報通信装置も種々知られている。
【0003】
RFタグとの間で通信を行う非接触型情報通信装置は、比較的遠いところに存在するRFタグとの間で通信を行う必要がある場合もあれば、遠い距離に存在するRFタグとの間では通信を行わず、比較的近いところに存在するRFタグに限定して通信を行う必要がある場合もある。また、比較的近いところに存在するRFタグに限定して通信を行う必要がある場合としては、通信対象の複数のRFタグは、距離はいずれも近いが方向が種々存在する場合もあれば、方向もある方向にまとまっている場合もある。
【0004】
そのため、RFタグとの間で通信を行う装置は、通信対象となるRFタグまでの距離や、RFタグの存在する方向に応じて通信距離や通信方向が切り替えできることが好ましい。
【0005】
ここで、アンテナを2つの状態に切り替えることにより通信距離を切り替えることができる無線機が知られている(たとえば、特許文献1)。
【0006】
特許文献1の無線機は、ローディングコイルを有する第1のアンテナ部と、この第1のアンテナ部の一端部に接続されている第2のアンテナ部とを備え、第2のアンテナ部が筐体に収納可能となっている。そして、第2のアンテナ部が筐体から引き出されたときは、第2のアンテナ部の筐体側の端部に給電される。一方、第2のアンテナ部が筐体に収納されたとき、第1のアンテナ部は筐体から突き出しており、かつ、この第1のアンテナ部に給電される。そのため、第2のアンテナ部を筐体から引き出すことにより通信可能距離を長くできる一方、第2のアンテナ部を筐体内に収納することにより、通信可能距離を短い距離に限定できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特許第2501413号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
非接触型情報通信装置のアンテナに特許文献1の技術を適用すれば、アンテナの状態を切り替えることにより、通信対象となるRFタグとの距離に応じた通信距離とすることができる。
【0009】
しかし、特許文献1の無線機は、第2のアンテナ部が筐体から引き出されたときも、また、第2のアンテナ部が筐体内に収納されたときも、広い指向性(具体的には、軸に垂直な方向は無指向性)である。そのため、近距離の狭い方向に限定してRFタグとの通信を行うことは困難であることから、近距離の狭い方向に限定してRFタグとの通信を行いたい場合であっても、他の方向に存在する通信不要なRFタグとの間で通信を行ってしまうという問題があった。
【0010】
この問題を解決するために、近距離の狭い方向に指向性が限定されているアンテナを別途設けることも考えられるが、この場合には、装置の大型化を招く恐れがある。
【0011】
本発明は、この事情に基づいて成されたものであり、その目的とするところは、通信範囲の多様な切り替えが可能であり、且つ、小型化が可能な非接触型情報通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
その目的を達成するための請求項1記載の発明は、非接触情報記憶媒体との間で非接触に通信を行う非接触型情報通信装置であって、
筐体と、前記筐体内に設けられた給電部と、ローディングコイル部を有し、前記筐体から突き出した状態と前記筐体内に収納された状態とが可能な第1アンテナ部と、その第1アンテナ部の一端に接続され、前記筐体から突き出した状態と前記筐体内に収納された状態とが可能な第2アンテナ部と、前記第1アンテナ部と同一軸上となるように前記筐体内に収納されているコイル状の第3アンテナ部と、前記第1アンテナ部が前記筐体内に収納されている状態において第1アンテナ部および第3アンテナ部の側方となる位置に設けられ、電波を反射する反射板とを備え、
前記第1アンテナ部および前記第2アンテナ部が前記筐体から突き出しており、且つ、前記第2アンテナ部の筐体側の端部に前記給電部から給電される第1状態と、前記第2アンテナ部は前記筐体内に収納される一方、前記第1アンテナ部は前記筐体から突き出しており、且つ、前記第1アンテナ部に前記給電部から給電される第2状態と、前記第1アンテナ部および前記第2アンテナ部がともに前記筐体内に収納され、前記第1アンテナ部の前記第3アンテナ部側の端部および前記第3アンテナ部の前記第1アンテナ部側の端部に前記給電部から給電される第3状態の3つの状態が可能であり、前記第1状態、第2状態、第3状態のそれぞれにおいて、前記非接触情報記憶媒体との間で通信が可能であることを特徴とする。
【0013】
本発明によれば、第1状態のときは、第1、第2アンテナ部がアンテナとして機能するモノポールアンテナとなるので、広い指向性を有し、且つ、通信可能距離が長くなる。また、第2状態のときは、ローディングコイル部を有する第1アンテナ部が主として機能して、モノポール型のノーマルモードヘリカルアンテナとなるので、軸周りの指向性は、第1状態と同様に広いものの通信可能距離は短くなり、また、軸方向にも指向性を有する。一方、第3状態のときは、ローディングコイル部を有する第1アンテナ部とコイル状の第3アンテナ部とにより、ダイポール型のノーマルモードヘリカルアンテナが構成されるので、このアンテナの軸方向に、第2状態と同様の通信可能距離を有する。さらに、この第3状態のときは、第1アンテナ部および第3アンテナ部の側方に反射板が存在し、この反射板に写る電気鏡像により、第1アンテナ部および第3アンテナ部は磁流源が強められるので、磁流源を放射源とする軸方向と垂直な方向の放射が増強される。ただし、反射板による反射によって反射板方向への放射は反対側に反射される。これらの結果、第3状態では、第1、第3アンテナ部の軸に垂直な方向であって反射板とは反対方向にも強い指向性を有する。
【0014】
このように、第1、第2、第3状態は、それぞれ、指向性および通信可能距離のうちの少なくともどちらかが他の状態とは異なるので、通信範囲の多様な切り替えができ、通信を行いたい非接触情報記憶媒体の方向、距離に応じて3つの状態を切り替えて使うことができる。
【0015】
また、第3状態におけるアンテナとして、第1、第2状態でもアンテナとして機能している第1アンテナ部を利用している。そのため、第1状態や第2状態においてアンテナを構成する部材を利用せずに第3状態のアンテナを構成する場合よりも、この非接触型情報通信装置を小型化できる。
【0016】
請求項2の非接触型情報通信装置は、アース板をさらに備え、且つ、前記給電部は、第1給電線の先端となる給電点と、第2給電線と電気的に接続している導体部とを備えるとともに、前記第2アンテナ部の軸方向両側に移動可能に構成されており、前記給電点は、前記第1状態では前記第2アンテナ部に接続し、前記第2状態および前記第3状態では前記第1アンテナ部に接続し、前記導体部は、前記第1状態および前記第2状態においては前記アース板に接触するが、前記第3状態のときは、前記アース板からは離隔しているとともに、前記第3アンテナ部と接触し、その導体部を介して前記第2給電線が前記第3アンテナ部と接続されることを特徴とする。
【0017】
これによれば、給電部が移動可能に構成されており、第1、第2状態において給電に用いられていた給電部によって、第3状態のときにも給電が行われる。そのため、第1、第2状態のための給電部とは別に第3状態のための給電部を設ける場合よりも給電部を小型化できる。
【0018】
請求項3の非接触型情報通信装置は、前記第1アンテナ部と同一軸上となるように前記筐体内に配置され、前記アース板に接触する方向に前記給電部を付勢するコイルバネを備え、前記第1状態および前記第2状態では、前記コイルバネにより付勢されることにより前記給電部の導体部は前記アース板に接触させられており、前記第3状態では、前記コイルバネが前記給電部の前記導体部と接触することにより、このコイルバネが前記第3アンテナ部となることを特徴とする。
【0019】
これによれば、第1状態、第2状態において給電部をアース板に接触させるためのコイルバネを第3アンテナ部として利用しているので、給電部をアース板に接触させる方向に付勢する部材とは別に第3アンテナ部を設ける場合に比べて装置をさらに小型化できる。
【0020】
請求項4の非接触型情報通信装置は、前記給電部は、前記給電点を備え、前記第2アンテナ部の軸方向に前記給電部が移動するのに伴い、前記第2アンテナ部の軸周りに回転する主コネクタ部と、前記コイルバネが接続されており、そのコイルバネの付勢力により前記主コネクタ部と接触しているバネ側コネクタ部とを備え、前記導体部は、前記主コネクタに設けられ、前記第2給電線が接続されている第1導体部と、前記バネ側コネクタに設けられ、前記コイルバネの一端が接続されている第2導体部とからなり、前記第1状態および前記第2状態では、前記第1導体部と前記第2導体部とが非接触状態にあるが、前記給電部が前記第2アンテナ部の軸方向に移動するのに伴い、前記第2アンテナ部の軸周りに回転することにより、前記第3状態では、前記第1導体部と前記第2導体部とが接触して、前記第2給電線が前記コイルバネと接続されることを特徴とする。
【0021】
これによれば、第2給電線が第3アンテナ部と接続する状態と接続しない状態とが、主コネクタ部の回転により切り替えられ、また、主コネクタ部は軸方向の移動に伴って回転する。すなわち、第2給電線が第3アンテナ部と接続する状態と接続しない状態とが給電部の軸方向の移動に連動して行われることになる。そのため、第2給電線が給電部の導体部を介してアース板と接触している第1、第2状態から、給電部が軸方向に移動して、第2給電線が給電部の導体部を介して第3アンテナ部と接続する第3状態への切り替えが容易且つ確実に行われる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1実施形態のRFIDリーダライタ1の全体形状を概略的に示す図である。
【図2】第1状態において、筐体10にアンテナ20が収容されている部分の拡大断面図である。
【図3】第1状態における給電部50の拡大断面図である。
【図4】第2状態において、筐体10にアンテナ20が収容されている部分の拡大断面図である。
【図5】第2状態における給電部50の拡大断面図である。
【図6】第3状態において、筐体10にアンテナ20が収容されている部分の拡大断面図である。
【図7】第3状態における給電部50の拡大断面図である。
【図8】第2実施形態における第1状態、第2状態、第3状態を示す図である。
【図9】第3実施形態における第2状態を示す図である。
【図10】図9の給電コネクタ200付近の拡大断面図を示す図である。
【図11】第3状態における給電コネクタ200付近の拡大断面図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
(第1実施形態)
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。まず、第1実施形態を説明する。この第1実施形態は、本発明の非接触型情報通信装置をRFIDリーダライタに適用したものである。RFIDリーダライタは、周知の通り、非接触型情報通信媒体であるRFIDタグとの間で無線通信を行うことで、RFIDタグからの情報の読み出し、および、RFIDタグへの情報の書き込みを非接触に行う装置である。
【0024】
図1は、第1実施形態のRFIDリーダライタ1の全体形状を概略的に示す図である。この図1に示すように、第1実施形態のRFIDリーダライタ1は、直方体形状の筐体10を備えている。この筐体10は使用者が把持可能な大きさであり、RFIDリーダライタ1は、使用者が持ち運んで使用する携帯型の装置である。また、筐体10は樹脂製である。
【0025】
RFIDリーダライタ1はアンテナ20および固定リング30を備えている。また、図2等に示す押し込みネジ40も備えており、図示しないが、複数の操作スイッチや、表示器等も表面に備えている。また、内部には、電源、制御装置等を備えている。
【0026】
固定リング30は、図2等に示す押し込みネジ40を筐体10に固定するものである。この固定リング30は円筒形状を有しており、筐体10の矩形状の上板11の隅に接着等により固定されている。
【0027】
図1に示す状態では、アンテナ20は、固定リング30の軸中心を貫通して筐体10の上板11から上方に突き出している。この状態においては、アンテナ20の先端部を構成している第1アンテナ部21が筐体10の外部に位置している。しかし、アンテナ20は図1に示す状態に固定されているのではなく、筐体10の上方へさらに突き出すことも可能である。また、反対に、図1の状態よりもさらに下方へ移動して、第1アンテナ部21の下端面が筐体10の上板11に略一致する状態や、第1アンテナ部21が筐体10の内部に収納される状態も可能である。
【0028】
以下では、アンテナ20が最も上方に突き出した状態を第1状態と呼び、第1アンテナ部21の下端面が筐体10の上板11に略一致する状態を第2状態と呼ぶ。また、第1アンテナ部21が筐体10内に最も押し込まれた状態を第3状態と呼ぶ。これら第1状態、第2状態、第3状態では、アンテナ20はそれぞれ異なった性能を示す。次に、第1状態、第2状態、第3状態におけるアンテナ20の性能を説明する。
【0029】
図2、3は第1状態を示しており、図4、5は第2状態を示しており、図6、7は第3状態を示している。また、図2、4、6は、筐体10においてアンテナ20が収容されている部分の拡大断面図であり、図3、5、7は、各状態における給電部50の拡大断面図である。
【0030】
まず、図2、3を用いて、アンテナ20の構成および第1状態を説明する。第1実施形態ではアンテナ20は、第1アンテナ部21、第2アンテナ部に相当する棒状アンテナ部22、第3アンテナ部として機能するコイルバネ25により構成される。
【0031】
図2に示すように、第1アンテナ部21の下端に棒状アンテナ部22が結合されている。なお、第1アンテナ部21は、円柱状の樹脂製カバーと、その樹脂製カバーに覆われているローディングコイル部(図示せず)からなる。このローディングコイル部は波長に対して十分に短い円周となるように巻かれている。ローディングコイル部の一端は、上記棒状アンテナ部22の一端とはんだ付け等により接合しており、ローディングコイル部の軸心と棒状アンテナ部22は同一直線上に位置している。
【0032】
上記棒状アンテナ部22は金属製であり、その長さは電気長がλ/2になる長さとなっている。また、前述のローディングコイル部の長さも電気長がλ/4となる長さとなっている。なお、λはこのRFIDリーダライタ1において使用する波長であり、たとえば、λ=0.12m(2.45GHz)、λ=22.1m(13.56MHz)、λ=0.33m(900MHz)である。
【0033】
上記棒状アンテナ部22の第1アンテナ部21の近傍部分に第1ストッパ部23が固定され、棒状アンテナ部22の下端(第1アンテナ部21側とは反対側の端)に第2ストッパ部24が固定されている。
【0034】
図2に示す第1状態では、上記第2ストッパ部24は給電コネクタ51により保持されている。この給電コネクタ51による第2ストッパ部24の保持構造は後述する。給電コネクタ51は円筒形状の収容筒12に収容されている。また、この収容筒12には、給電コネクタ51に加えて、コイルバネ25およびバネ側コネクタ52も収容されている。なお、給電コネクタ51は請求項の主コネクタ部に相当し、この給電コネクタ51とバネ側コネクタ52とにより給電部50が構成され、アンテナ20へはこの給電部50から給電が行われる。
【0035】
収容筒12は筐体10に一体的に形成されており、前述のように筐体10は樹脂製であるので、この収容筒12も樹脂製である。収容筒12の下端には、収容筒12の下側の開口を塞ぐ円盤状の底板60が固定されている。この底板60には、中心にその底板60を厚み方向に貫通する貫通穴61が形成されている。この貫通穴61の直径は、前述の第2ストッパ部24が通過できる大きさとなっている。
【0036】
また、収容筒12の上端には、前述の固定リング30が固定されている。この固定リング30は、その内径が収容筒12の内径よりも狭くなっており、固定リング30の内周面にはネジ溝31が形成されている。このネジ溝31は、押し込みネジ40に形成されているネジ山41と係合する形状を有している。
【0037】
また、収容筒12の上端面と筐体10の上板11との間には、請求項のアース板として機能する金属製のGND板70が上板11に沿って設けられている。このGND板70は給電コネクタ51の縁部に対向する位置まで突き出している。なお、このGND板70として、RFIDリーダライタ1内の電子部品を固定する基板を用いてもよいし、また、基板とは別にGND板70を設けてもよい。
【0038】
給電コネクタ51は、円盤形状であって、中心にこの給電コネクタ51を厚み方向に貫通する貫通穴511が形成されている。この貫通穴511の直径は、前述の第2ストッパ部24が通過できる大きさとなっている。また、給電コネクタ51の外周側面には径方向に突き出す突起部512が2つ形成されている。この2つの突起部512の位置は、給電コネクタ51の軸を基準としてこれら2つの突起部512が互いに対称となる位置となっている。
【0039】
収容筒12の内周面には、上記給電コネクタ51の2つの突起部512をそれぞれ収容する2本のガイド溝13が形成されており、給電コネクタ51はこのガイド溝13が形成されている範囲で収容筒12内を上下方向に移動可能である。また、これらのガイド溝13は、収容筒の軸方向において一方から他方へ向かうにつれて周方向の位置が移動するように形成されている。そのため、給電コネクタ51は、軸方向に上下するのに伴って、軸周りに回転することになる。
【0040】
バネ側コネクタ52も円盤形状であり、また、このバネ側コネクタ52にも、このバネ側コネクタ52を厚み方向に貫通する貫通穴521が形成されている。この貫通穴521の直径は、給電コネクタ51の貫通穴511と略同じである。
【0041】
コイルバネ25は、一端がバネ側コネクタ52の下面に接触し、他端が底板60の上面に接触しており、その軸が棒状アンテナ部22と一致する位置に配置されている。このコイルバネ25は金属製であり、コイルバネ25の長さも、前述のローディングコイル部と同様に電気長がλ/4となる長さとなっている。また、コイルバネ25も第1アンテナ部21と同様、波長に対して十分に短い円周となるように巻かれている。
【0042】
反射板80は、金属製の平板状部材であり、収容筒12に一部が接触するように配置されている。反射板80をこの位置に配置するのは、反射板80をコイルバネ25に隣接して配置するためであり、コイルバネ25の反射板80に最も近い部分と反射板80との距離は、たとえば、1〜2mmとする。また、反射板80は、このコイルバネ25の軸と平行となるように配置されている。
【0043】
押し込みネジ40は、前述のように、ネジ山41を有している。そしてこのネジ山41よりも先端側に円柱状の押し込み部42が形成され、押し込み部42とは反対側のネジ山41の端に鍔部43が形成されている。また、鍔部43には、ネジ山41とは反対側にアーチ部44が形成されている。このアーチ部44には紐90の一端が結び付けられている。紐90の他端は筐体10に固定されているアーチ部14に結び付けられている。
【0044】
次に、図3を用いて給電部50の構成を詳しく説明する。図3に示すように、給電コネクタ51には、外周縁付近に、次に説明する第1導体部100を収容するために厚み方向に貫通する収容穴513が形成されている。また、バネ側コネクタ52にも、外周縁付近に、後述する第2導体部110を収容するために厚み方向に貫通する収容穴522が形成されている。ただし、給電コネクタ51に形成されている収容穴513とバネ側コネクタ52に形成されている収容穴522とは、第1状態において周方向の互いに異なる位置(第1実施形態では図3に示すように軸対称となる位置)に形成されている。なお、これら収容穴513、522は、その収容穴513、522に収容される導体部100、110が板形状であるので、それらを収容しやすい形状、たとえば、軸方向視が矩形形状となっている。
【0045】
また、給電コネクタ51には、径方向に設けられた連通穴514も形成されている。この連通穴514は、軸部分に設けられた貫通穴511と外周縁付近に設けられた収容穴513とを連通するしている。
【0046】
第1導体部100は、板形状であって、給電コネクタ51の収容穴513の外周側面に接触しており、また、直角に折り曲げられた上側端部101、下側端部102はそれぞれ給電コネクタ51の上下の面に接触している。上側端部101は、図2、3に示す第1状態では、GND板70とも接触している。また、第1導体部100には、収容穴513の上側の開口付近において、同軸ケーブルの外部導体130(請求項の第2給電線)が半田付けされている。
【0047】
バネ側コネクタ52の収容穴522に収容されている第2導体部110も、板形状であって、その収容穴522の外周側面に接触しており、直角に折り曲げられた上側端部111、下側端部112はそれぞれバネ側コネクタ52の上下の面に接触している。
【0048】
給電コネクタ51の収容穴513には、さらに、導通部材120も収容されている。この導通部材120は、給電コネクタ51の上面から収容穴513、連通穴514を通って軸部分に形成されている貫通穴511に突き出す形状である。この導通部材120の一方の端部121は、給電コネクタ51の上側面に位置しており、同軸ケーブルの内部導体140(請求項の第1給電線)の先端が半田付けされている。また、他方の端部は給電点122となっており、この給電点122は係止部材150と接触している。
【0049】
上記係止部材150は、金属等の導体製であり、貫通穴511内に複数(たとえば2つ)設けられ、そのうちの1つに上述の導通部材120の給電点122が接触している。この係止部材150は、基部が給電コネクタ51に埋め込まれることにより、給電コネクタ51に固定されている。また、先端部は鉤状となっており、図3に示す第1状態では、第2ストッパ部24に形成されたくびれ部241と係合している。より詳しくは、くびれ部241は、下側へ向かうほど小径となる上側面と上側へ向かうほど小径となる下側面とから形成されている。また、係止部材150の先端形状は、くびれ部241の上側側面に沿う形状となっており、くびれ部241の上側面と係止部材150の先端とが係合している。このように、第1状態では、係止部材150の先端部と第2ストッパ部24のくびれ部241とが係合することにより、第2ストッパ部24やその第2ストッパ部24を固定しているアンテナ20の位置が保持される。
【0050】
また、第2ストッパ部24は、くびれ部241よりも下側部分が給電コネクタ51の貫通穴511の径と略一致する径を有する大径部242となっており、くびれ部241よりも上側部分が、その大径部242よりも小径の小径部243となっている。また、前述のように、係止部材150の先端形状は、くびれ部241の上側側面に沿う形状である。そのため、第1状態において、第2ストッパ部24は、やや強い力が加えられることにより軸方向下側へは移動可能である一方、軸方向上側への移動は不能である。
【0051】
上記第2ストッパ部24は金属等の導体製であり、棒状アンテナ部22と導通している。そのため、図3に示す第1状態では、同軸ケーブルの内部導体140から、導通部材120、係止部材150、第2ストッパ部24を介して、棒状アンテナ部22や第1アンテナ部21に給電される。また、第1状態では、同軸ケーブルの外部導体130は、第1導体部100を介してGND板70と接触している。
【0052】
そのため、第1状態では、電気長がλ/2である棒状アンテナ部22および電気長がλ/4である第1アンテナ部21がアンテナとして機能して、電気長が3λ/4のモノポールアンテナとなる。第1状態ではこのモノポールアンテナを用いてRFIDタグとの間で通信を行う。
【0053】
次に、図4、5を用いて第2状態を説明する。第2状態では、図2、3に示す第1状態から、アンテナ20が下方に移動して、棒状アンテナ部22は筐体10に収納された状態となり、第1アンテナ部21は給電コネクタ51の上面に当接している。また、この第2状態では、図4に示すように、第2ストッパ部24は給電コネクタ51を突き抜けて収容筒12の下部に位置しており、代わりに、第1ストッパ部23が給電コネクタ51の貫通穴511に位置している。
【0054】
図5は、第2状態における給電コネクタ51付近の拡大図であり、この図5に示すように、第2状態では、第1ストッパ部23が係止部材150と係合している。より詳しくは、第1ストッパ部23も、第2ストッパ部24のものと同様の上側面および下側面から構成されるくびれ部231を有しており、第1ストッパ部23の上側面と係止部材150の先端とが係合している。このように、第2状態では、係止部材150の先端部と第1ストッパ部23のくびれ部231とが係合することにより、第1ストッパ部23やその第1ストッパ部23を固定しているアンテナ20の位置が保持される。
【0055】
この第1ストッパ部23は金属等の導体製であり、第1アンテナ部21のローディングコイル部と導通している。そのため、図4に示す第2状態では、同軸ケーブルの内部導体140から、導通部材120、係止部材150、第1ストッパ部23を介して、第1アンテナ部21のローディングコイル部に給電される。なお、棒状アンテナ部22は、筐体10内に収容されるためアンテナとしての機能は抑制される。ただし、この棒状アンテナ部22を第2状態において完全にアンテナとして機能させないようにするために、第2状態において第2ストッパ部24あるいは棒状アンテナ部22の第2ストッパ部24付近に接触するアース部を設けてもよい。また、第2状態でも、同軸ケーブルの外部導体130は、第1導体部100を介してGND板70と接触している。
【0056】
以上の導通状態により、第2状態では、ローディングコイル部を有する第1アンテナ部21が主として機能する電気長がλ/4のモノポール型ノーマルモードヘリカルアンテナとなる。そのため、軸周りの指向性は、第1状態と同様に広いものの通信可能距離は短くなり、また、軸方向にも指向性を有する。第2状態ではこのモノポール型ノーマルモードヘリカルアンテナを用いてRFIDタグとの間で通信を行う。
【0057】
次に、図6、7を用いて第3状態を説明する。図6、7にも示すように、第1アンテナ部21の直径は給電コネクタ51の貫通穴511よりも大きくなっている。そのため、図3、4に示す第2状態からさらに第1アンテナ部21を下方(すなわち収容筒12内)に押し込むと、第1アンテナ部21に押されて、給電コネクタ51およびバネ側コネクタ52も下方に移動する。なお、第1アンテナ部21を収容筒12内に押し込むには押し込みネジ40を使用する。
【0058】
第3状態は、図6に示すように、押し込みネジ40を使用して給電コネクタ51の突起部512をガイド溝13の下端まで移動させた状態である。この第3状態では、第1アンテナ部21も筐体10に収納された状態となり、第1アンテナ部21とコイルバネ25とが給電コネクタ51、バネ側コネクタ52を挟んだ状態で互いに近接している。また、同図に示すように、反射板80は、第3状態において、第1アンテナ部21およびコイルバネ25の側方となるように、大きさおよびそれら第1アンテナ部21およびコイルバネ25の軸方向の配置位置が設定されている。また、この第3状態では、押し込みネジ40のネジ山41と固定リング30のネジ溝31とが螺合しており、これによって第3状態が保持される。
【0059】
前述したように、給電コネクタ51が軸方向に上下すると、それに伴って突起部512がガイド溝13に案内されるので、給電コネクタ51は軸周りに回転する。そして、第3状態では、給電コネクタ51は第1状態、第2状態に対して180度回転している。一方、バネ側コネクタ52は上下に移動しても回転しない。
【0060】
図7は、第3状態における給電コネクタ51付近の拡大図であり、この図7に示すように、第3状態では、第1状態、第2状態に対して給電コネクタ51が180度回転することにより、給電コネクタ51に設けられている第1導体部100の下側端部102と、バネ側コネクタ52に設けられている第2導体部110の上側端部111とが接触している。また、第2導体部110の下側端部112には、コイルバネ25の端部が半田付けされている。そのため、第3状態では、同軸ケーブルの外部導体130から、第1導体部100、第2導体部110を介してコイルバネ25の上端に給電される。
【0061】
また、第3状態においても、導通部材120の給電点122と係止部材150との接触状態は保持される。そのため、第3状態においても、同軸ケーブルの内部導体140から、導通部材120、係止部材150、第1ストッパ部23を介して第1アンテナ部21のローディングコイル部の下端部に給電される。なお、第3状態においても、棒状アンテナ部22を完全にアンテナとして機能させないようにするために、第3状態において第2ストッパ部24あるいは棒状アンテナ部22の第2ストッパ部24付近に接触するアース部を設けてもよい。
【0062】
以上の導通状態により、第3状態では、ともに電気長がλ/4である第1アンテナ部21およびコイルバネ25がそれぞれアンテナとして機能して、ダイポール型のノーマルモードヘリカルアンテナが構成される。そのため、アンテナの軸方向には、第2状態と同様の通信可能距離を有する。
【0063】
さらに、この第3状態のときは、第1アンテナ部21およびコイルバネ25の側方に反射板80が存在する。この反射板80に写る電気鏡像により、第1アンテナ部21およびコイルバネ25によって構成されるダイポール型のノーマルモードヘリカルアンテナは磁流源が強められるので、磁流源を放射源とする軸方向と垂直な方向の放射が増強される。ただし、反射板80による反射によって反射板方向への放射は反対側に反射される。これらの結果、第3状態では、アンテナの軸に垂直な方向であって反射板80とは反対方向にも強い指向性を有する。第3状態ではこのダイポール型のノーマルモードヘリカルアンテナを用いてRFIDタグとの間で通信を行う。
【0064】
なお、アンテナの軸に垂直な方向への指向性は、コイルの巻き数、アンテナ長、アンテナ幅、反射板80との距離により調整が可能である。たとえば、反射板80との距離を長くすると、この方向の指向性は弱くなる。また、巻き数を少なくするほどこの方向の放射が強くなる。そして、アンテナの軸に垂直な方向への指向性を強くすると、アンテナの軸方向への指向性を弱めることができる。反対に、アンテナの軸に垂直な方向への指向性を弱くすると、アンテナの軸方向への指向性を強めることができる。このような調整により、例えば、軸方向への放射強度と軸に垂直な方向への放射強度とを略等しくすることなどが可能である。
【0065】
以上、説明した第1実施形態によれば、第1状態では、軸周りに広い指向性を有し、且つ、通信可能距離が長くなる。また、第2状態では、軸周りの指向性は第1状態と同様に広いが通信可能距離を短い距離に制限することができる。また、第3状態では、軸方向および軸に垂直な方向であって反射板80とは反対方向に指向性を有する。このように、第1、第2、第3状態は、それぞれ、指向性および通信可能距離のうちの少なくともどちらかが他の状態とは異なるので、通信範囲の多様な切り替えができ、通信を行いたい非接触情報記憶媒体の方向、距離に応じて3つの状態を切り替えて使うことができる。
【0066】
また、第3状態におけるアンテナとして、第1、第2状態でもアンテナとして機能している第1アンテナ部21を利用している。そのため、第1状態や第2状態においてアンテナを構成する部材を利用せずに第3状態のアンテナを構成する場合よりも、この非接触型情報通信装置を小型化できる。
【0067】
また、第1実施形態によれば、給電部50が軸方向に移動可能に構成されており、第1、第2、第3状態のいずれの状態においても、この給電部50によって給電が行われる。そのため、第1、第2状態のための給電部とは別に第3状態のための給電部を設ける場合よりも給電部を小型化できる。
【0068】
また、第1実施形態によれば、第1状態、第2状態において給電部をGND板70に接触させるためのコイルバネ25を第3アンテナ部として利用しているので、給電部50をGND板70に接触させる方向に付勢する部材とは別に第3アンテナ部を設ける場合に比べて装置をさらに小型化できる。
【0069】
また、第1実施形態によれば、同軸ケーブルの外部導体130がコイルバネ25と接続する状態と接続しない状態とが、給電コネクタ51の回転により切り替えられ、また、給電コネクタ51は軸方向の移動に伴って回転する。すなわち、同軸ケーブルの外部導体130がコイルバネ25と接続する状態と接続しない状態とが給電コネクタ51の軸方向の移動に連動して行われることになる。そのため、同軸ケーブルの外部導体130が給電コネクタ51に設けられた第1導体部100を介してGNDいた70と接触している第1、第2状態から、給電コネクタ51が軸方向に移動して、同軸ケーブルの外部導体130が給電コネクタ51の第1導体部100を介してコイルバネ25と接続する第3状態への切り替えが容易且つ確実に行われる。
【0070】
(第2実施形態)
次に第2実施形態を図8を用いて説明する。図8の(A)は第1状態、(B)は第2状態、(C)は第3状態を示している。なお、以下の説明において、前述の第1実施形態と同一の構成を有する部分には同一の符号を付している。
【0071】
図8に示す第2実施形態では、コイルバネ25は第3アンテナ部としてのみ機能している。そして、ラック160およびピニオンギヤ162により、第1アンテナ部21、棒状アンテナ部22は上下方向に移動する。また、給電部170も、ラック180およびピニオンギヤ182により上下方向に移動する。
【0072】
より詳しくは、ラック160が棒状アンテナ部22に固定されており、このラック160とピニオンギヤ162とが常時噛み合っている。そして、ピニオンギヤ162は図示しない操作部により軸周りに回転可能となっており、ピニオンギヤ162を軸周りに回転させることにより、棒状アンテナ部22や第1アンテナ部21を上下方向に移動させることができる。
【0073】
また、給電部170にもラック180が固定されており、このラック180とピニオンギヤ182とが常時噛み合っている。このピニオンギヤ182を図示しない操作部を操作して軸周りに回転させることで、給電部170を上下方向に移動させることができる。
【0074】
給電部170には、図示しない同軸ケーブルの内部導体と接続している第1給電部材190と、図示しない同軸ケーブルの外部導体と接続している第2給電部材192とが設けられている。また、GND板70からはGND給電部194が突き出している。また、第1アンテナ部21、棒状アンテナ部22、コイルバネ25からは、それぞれ、第1アンテナ給電部21a、第2アンテナ給電部22a、第3アンテナ給電部25aが突き出している。
【0075】
そして、図8(A)に示す第1状態では、第2給電部材192とGND給電部194とが接触し、第1給電部材190と第2アンテナ給電部22aとが接触している。図8(B)に示す第2状態では、第2給電部材192とGND給電部194とが接触し、第1給電部材190と第1アンテナ給電部21aとが接触している。図8(C)に示す第3状態では、第2給電部材192と第3アンテナ給電部25aとが接触し、第1給電部材190と第1アンテナ給電部21aとが接触している。
【0076】
このように、第2実施形態ではラック160、180とピニオンギヤ162、182とを用いて第1、第2、第3状態の切り替えを行っている。
【0077】
(第3実施形態)
次に、第3実施形態を図9、10、11を用いて説明する。第3実施形態でも、コイルバネ25は第3アンテナ部としてのみ機能している。図9に示すように、第3実施形態では、コイルバネ25に加えて、給電コネクタ200をGND板70方向へ付勢する樹脂製のバネ(以下樹脂バネ)202を備えている。
【0078】
また、バネ側コネクタ204は、収容筒12内の下方に固定されている。そして、樹脂バネ202は、バネ側コネクタ204と給電コネクタ200との間に配置されている。また、コイルバネ25は、バネ側コネクタ204と底板60との間に配置されている。
【0079】
図10に給電コネクタ200付近の拡大断面図を示す。図10に示すように、第3実施形態の給電コネクタ200は、第1実施形態の給電コネクタ51と比較して突起部512を備えていない点が相違するのみであり、その他は同じ構成である。突起部512を備えていないので、給電コネクタ200は上下方向に移動しても軸周りには回転しない。なお、図9、10は第2状態である。この第3実施形態における第1状態は、給電コネクタ200の位置は図10と同じであり、第2ストッパ部24が給電コネクタ200に固定されている係止部材150と係合する。
【0080】
図11に第3状態における給電コネクタ200付近の拡大断面図を示す。バネ側コネクタ204は、第1実施形態のものと同様に、貫通穴521および収容穴522を有している。ただし、第3実施形態のバネ側コネクタ204は第1実施形態のものに対して軸周りに180度回転した状態となっている。
【0081】
バネ側コネクタ204の収容穴522には、第2導体部210の一部が収容されている。第1実施形態の第2導体部110は両端部111、112がバネ側コネクタ52の上下の面に接触していたが、第3実施形態の第2導体部210は上側端部211がバネ側コネクタ204の上面から突き出している。この突き出している長さは、第3状態における樹脂バネ202の軸方向長さと略一致する長さとなっている。そのため、同図に示すように、第3状態では、第1導体部100の下側端部102と第2導体部210の上側端部211とが接触する。
【0082】
また、第2導体部210の下側端部212は、第1実施形態のものと同様、コイルバネ25の一端が半田付けされている。そのため、第3状態では、同軸ケーブルの外部導体130からコイルバネ25へ給電される。
【0083】
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、次の実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
【0084】
たとえば、前述の実施形態では、棒状アンテナ部22は一本の棒であったが、複数本の棒を備えて、全長が伸縮可能となっていてもよい。
【0085】
また、棒状アンテナ部を2本の棒によって構成して伸縮可能としてもよい。この場合、各棒の電気長をそれぞれλ/4とすることで、第1状態でのアンテナの電気長は3λ/4となる。
【符号の説明】
【0086】
1:RFIDリーダライタ、 10:筐体、 11:上板、 12:収容筒、 13:ガイド溝、 14:アーチ部、 20:アンテナ、 21:第1アンテナ部、 21a:第1アンテナ給電部、 22:棒状アンテナ部(第2アンテナ部)、 22a:第2アンテナ給電部、 23:第1ストッパ部、 24:第2ストッパ部、 241:くびれ部、 242:大径部、 243:小径部、 25:コイルバネ(第3アンテナ部)、 25a:第3アンテナ給電部、 30:固定リング、 31:ネジ溝、 40:押し込みネジ、 41:ネジ山、 42:押し込み部、 43:鍔部、 44:アーチ部、 50:給電部、 51:給電コネクタ(主コネクタ部)、 511:貫通穴、 512:突起部、 513:収容穴、 514:連通穴、 52:バネ側コネクタ、 521:貫通穴、 522:収容穴、 60:底板、 61:貫通穴、 70:GND板(アース板)、 80:反射板、 90:紐、 100:第1導体部、 101:上側端部、 102:下側端部、 110:第2導体部、 111:上側端部、 112:下側端部、 120:導通部材、 121:端部、 122:給電点、 130:同軸ケーブルの外部導体(第2給電線)、 140:同軸ケーブルの内部導体(第1給電線)、 150:係止部材、 160:ラック、 162:ピニオンギヤ、 170:給電部、 180:ラック、 182:ピニオンギヤ、 190:第1給電部材、 192:第2給電部材、 194:GND給電部、 200:給電コネクタ、 202:樹脂バネ、 204:バネ側コネクタ、 210:第2導体部、 211:上側端部、 212:下側端部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
非接触情報記憶媒体との間で通信を行う非接触型情報通信装置であって、
筐体と、
前記筐体内に設けられた給電部と、
ローディングコイル部を有し、前記筐体から突き出した状態と前記筐体内に収納された状態とが可能な第1アンテナ部と、
その第1アンテナ部の一端に接続され、前記筐体から突き出した状態と前記筐体内に収納された状態とが可能な第2アンテナ部と、
前記第1アンテナ部と同一軸上となるように前記筐体内に収納されているコイル状の第3アンテナ部と、
前記第1アンテナ部が前記筐体内に収納されている状態において第1アンテナ部および第3アンテナ部の側方となる位置に設けられ、電波を反射する反射板とを備え、
前記第1アンテナ部および前記第2アンテナ部が前記筐体から突き出しており、且つ、前記第2アンテナ部の筐体側の端部に前記給電部から給電される第1状態と、
前記第2アンテナ部は前記筐体内に収納される一方、前記第1アンテナ部は前記筐体から突き出しており、且つ、前記第1アンテナ部に前記給電部から給電される第2状態と、
前記第1アンテナ部および前記第2アンテナ部がともに前記筐体内に収納され、前記第1アンテナ部の前記第3アンテナ部側の端部および前記第3アンテナ部の前記第1アンテナ部側の端部に前記給電部から給電される第3状態の3つの状態が可能であり、
前記第1状態、第2状態、第3状態のそれぞれにおいて、前記非接触情報記憶媒体との間で通信が可能であることを特徴とする非接触型情報通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の非接触型情報通信装置において、
アース板をさらに備え、且つ、
前記給電部は、第1給電線の先端となる給電点と、第2給電線と電気的に接続している導体部とを備えるとともに、前記第2アンテナ部の軸方向両側に移動可能に構成されており、
前記給電点は、前記第1状態では前記第2アンテナ部に接続し、前記第2状態および前記第3状態では前記第1アンテナ部に接続し、
前記導体部は、前記第1状態および前記第2状態においては前記アース板に接触するが、前記第3状態のときは、前記アース板からは離隔しているとともに、前記第3アンテナ部と接触し、その導体部を介して前記第2給電線が前記第3アンテナ部と接続されることを特徴とする非接触型情報通信装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記第1アンテナ部と同一軸上となるように前記筐体内に配置され、前記アース板に接触する方向に前記給電部を付勢するコイルバネを備え、
前記第1状態および前記第2状態では、前記コイルバネにより付勢されることにより前記給電部の導体部は前記アース板に接触させられており、
前記第3状態では、前記コイルバネが前記給電部の前記導体部と接触することにより、このコイルバネが前記第3アンテナ部となることを特徴とする非接触型情報通信装置。
【請求項4】
請求項3において、
前記給電部は、
前記給電点を備え、前記第2アンテナ部の軸方向に前記給電部が移動するのに伴い、前記第2アンテナ部の軸周りに回転する主コネクタ部と、
前記コイルバネが接続されており、そのコイルバネの付勢力により前記主コネクタ部と接触しているバネ側コネクタ部とを備え、
前記導体部は、前記主コネクタに設けられ、前記第2給電線が接続されている第1導体部と、前記バネ側コネクタに設けられ、前記コイルバネの一端が接続されている第2導体部とからなり、前記第1状態および前記第2状態では、前記第1導体部と前記第2導体部とが非接触状態にあるが、前記給電部が前記第2アンテナ部の軸方向に移動するのに伴い、前記第2アンテナ部の軸周りに回転することにより、前記第3状態では、前記第1導体部と前記第2導体部とが接触して、前記第2給電線が前記コイルバネと接続されることを特徴とする非接触型情報通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2011−97256(P2011−97256A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−247842(P2009−247842)
【出願日】平成21年10月28日(2009.10.28)
【出願人】(501428545)株式会社デンソーウェーブ (1,155)
【Fターム(参考)】