説明

非接触型ICカードの製造方法

【課題】カード厚みが均一で、カード表面に歪みがなく、印字特性等外観特性に優れた非接触型ICカードの製造方法を提供する。
【解決手段】カード構成部材をラミネート・プレスし複数のカード形状部が多面付けされたカードベースとしての積層体を得る工程と、該積層体をカード形状に打抜きカードを得る工程とを有し、前記カード構成部材を、上側プレス板と、該カード構成部材を収容可能な凹部を有する下側プレス板に収容した状態で挟み込み、押圧することで貼り合わせて、積層体を得る工程において、前記カード構成部材は、カード形状部以外の部位に、積層する際に該カード構成部材各々に貫通する1以上の貫通孔を有し、前記下側プレス板の前記凹部内又は前記上側プレス板に1以上の突起部を有し、前記下側プレス板の前記凹部内に前記カード構成部材を収容し、前記カード構成部材各々の貫通孔と前記突起部とが嵌合された状態で押圧する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カード基材にICチップとアンテナコイルが内蔵された、少なくとも非接触で外部と情報の授受を行うことができる、非接触型ICカードの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
非接触型ICカードは1990年代から製品化が始まり、今日ではデータ伝送の仕様や、カード内のデータ処理機能などさまざまなタイプの製品が開発されている。非接触型ICカードの最大の特徴は、非接触でデータの送受信を行うことができる点にある。これにより利用者の使用時の操作性向上と、端末インフラのメンテナンス負担の軽減が実現する。この非接触型ICカードのスピーディで利便性が高い特徴から、ゲート装置との組み合わせによる交通乗車券、入退室管理カード、会員証/社員証などのIDカード、更には電子マネーなどでの応用が広がっている。
【0003】
従来から、主に金融系のクレジットカードやキャッシュカードでは、カードの変造防止とインプリンタによる取引を目的として、金属製の活字を用いてカード裏面より打刻することにより英数字やカナ文字を浮き上がらせるエンボス加工が使用されている。しかし、近年急速に利用が拡大している交通系の非接触型ICチップ搭載クレジットカードでは、非接触型ICチップやアンテナへの影響からエンボスではなく、モノクロ印字(UG:ウルトラグラフィック)で代用される場合が増加しており、交通定期券等ではリライタブル(繰り返し書き換えることができる)機能が求められる。また社員証や入退室管理証等では顔写真を印字するCP印字特性とUG印字特性が必要で、カード表面に歪みがなく平滑で印字特性に優れたカードが求められている。顔写真付きの会員カード等では、セキュリティ機能と合わせて外観品質上の無欠点が求められており、外観品質への品質要求は非常に厳しいものがある。
【0004】
非接触型ICカードの最も一般的な製造方式はラミネート方式であり、予め印刷を施したプラスチックシートに、LSIとアンテナを接合したインレットを挟み込み、ラミネート方式によりカード化を行う。この際に、インレットの厚みを吸収するために、プラスチックシートにインレット部を抜き加工する、あるいは複数層のシートの組み合わせによりインレットの凹凸を吸収し表面上は平滑なカードを製造する。しかしながら、上記した方法で製造して得られる非接触型ICカードの表面には、大きな波打ちや傾き、あるいはICモジュールのズレが発生する等の問題点があった。
【0005】
特許文献1には、プレス成形に際して、基材、ICモジュール、ホットメルト接着剤及び化粧フィルムの積層体の外周に、得られる非接触型ICカードの厚さの±20%以内の厚さを有する枠体をプレス型板間に介在させる製造方法が開示されている。この製造方法によれば、積層体がICカード1枚分の小さい面積のものとか、積層体の外周部では、枠体のみで厚みを目標のものとすることは出来る。しかし、ICカードの生産を量産として行う場合には、通常大きな多面付けシートにより行うことが必要で、この場合、上下プレス板の面積が大きくなり、これに従って重量も大きくなる。特に上側プレス板にタワミが発生し、積層体中央部での上下プレス板の間隔が外周部の枠体の厚みと均一にならず、積層体全体での厚みを均一にすることが困難であった。
【特許文献1】特開2001−331773号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明はかかる従来技術の問題点を解決するものであり、カード厚みが均一で、カード表面に歪みがなく、印字特性等外観特性に優れた非接触型ICカードの製造方法を提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の請求項1に係る発明は、少なくともコアシート、インレット、オーバーシートからなるカード構成部材をラミネート・プレスし複数のカード形状部が多面付けされたカードベースとしての積層体を得る工程と、該積層体をカード形状に打抜きカードを得る工程、とを有する非接触型ICカードの製造方法において、積層体を得る工程が、前記カード構成部材を、上側プレス板と、該カード構成部材を収容可能な凹部を有する下側プレス板に収容した状態で挟み込み、押圧することで貼り合わせて積層体を得る工程であって、前記カード構成部材は、カード形状部以外の部位に、積層する際に該カード構成部材各々に貫通する1以上の貫通孔を有し、前記下側プレス板の前記凹部内又は前記上側プレス板に1以上の突起部を有し、前記下側プレス板の前記凹部内に前記カード構成部材を収容し、前記カード構成部材各々の貫通孔と前記突起部とが嵌合された状態で押圧することを特徴とする非接触型ICカードの製造方法である。
【0008】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記下側プレス板の前記凹部の深さと、前記突起部の高さの差が、0.02mm以内であることを特徴とする請求項1に記載する非接触型ICカードの製造方法である。
【0009】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記カード構成部材各々の貫通孔の開口径が、0.3mm以上1.0mm以下前記突起部の外径より大きいことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載する非接触型ICカードの製造方法である。
【0010】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記カード構成部材各々を押圧して貼り合わせる前の厚みの総厚が、前記下側プレス板の前記凹部の深さより0.02〜0.05mm厚いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載する非接触型ICカードの製造方法である。
【0011】
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記下側プレス板の前記凹部の外周部に、幅0.5〜1.0mmのエアー抜き用の溝を設けてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載する非接触型ICカードの製造方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明の非接触型ICカードの製造方法によれば、カード構成部材は凹部を有する下側プレス板に収容した状態でしかも、カード形状部以外の部位に設けた貫通孔と、下側プレス板の凹部内又は上側プレス板に設けた凹部と略同等の高さの突起部と嵌合された状態で、上側プレス板で挟み込み押圧する。そのため、カードの仕上がり厚みは凹部の深さと突起部の高さで規定され、広い面積の多面付けカードベース全体で均一な厚みに積層可能となる。
【0013】
さらに、本発明の非接触型ICカードの製造方法によれば、貫通孔がカード形状部以外の部位に設けられ、かつ、カード構成部材各々の貫通孔の開口径が、0.3mm以上1.0mm以下突起部の外径より大きいため、凹部へのカード構成部材のセッティングが容易であり、カード形状に打ち抜いたカードに横ズレ等が発生せず、寸法の均一性が得られる。
【0014】
また、カード構成部材の貼り合わせる前の厚みの総厚が、凹部の深さより0.02〜0.05mm厚く、凹部の外周部に、幅0.5〜1.0mmのエアー抜き用の溝を設けてあるため、カード表面にエアー溜まり、凹み、クモリ等の外観上の欠陥のない平滑な表面がえられる。結果として、熱ラミネート後のカード表面に歪が無く外観特性に優れ、また印字特性に優れる非接触ICカードとすることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の非接触型ICカードの製造方法を一実施形態に基づいて、図面を参照しながら以下に説明する。
【0016】
図1は、本発明の非接触型ICカードの製造方法の一実施形態のカード構成部材を断面で説明する概略図であり、(a)はラミネート前、(b)はラミネート後を示し、(c)はインレットをしめす。図2は、本発明の製造方法による非接触型ICカードのカード形状に打抜後の1枚のカードを説明する透視図である。また、図3は、本発明の非接触型ICカードの製造方法の、複数のカード形状部が多面付けされたカードベースとしての積層体を得る工程の一実施形態を説明する概略図で、(a)は、下側プレス板凹部に各カード構成部材を配置した状態を上面から見た概略図、(b)は(a)の断面X−X’でのカード構成部材の断面概略図であり、(c)は、上側プレス板と下側プレス板が押圧して積層体となった状態を、(a)の断面X−X’での部分断面で見た概略図である。
【0017】
本発明の非接触型ICカードの構成の一例は、図1に示すように、上部側から順に、第1の表面シート(3)、第1のコアシート(1)、インレット(10)、第2のコアシート(2)、第2の表面シート(4)となる。通常は、インレットを挟み込んだ第1及び第2のコアシートを、それぞれ多面付けでオフセット印刷またはスクリーン印刷を施した表裏の第1及び第2の表面シートでサンドイッチして溶融ラミネートしてカードベースとする。
第1の表面シート(3)は材質としてPET(2軸延伸ポリエチレンテレフタレート)が好ましく、最表層にリライト層を備える場合もある。第2の表面シート(4)の材質は、カードのカールを避ける為に、第1の表面シート(3)と同じ厚みのPETが好ましい。第1のコアシート(1)は、電気絶縁性の熱可塑性樹脂シートが使用できる。一般には、硬質塩化ビニル(PVC)シートを使用するが、焼却時に有毒ガスを発生するPVCの代替として、非結晶性ポリエステル(例えば、イーストマン・ケミカル社製のEastsr
PET−G:テレフタル酸、グリコール、1,4シクロヘキサンジメタノール共重合体)等が好ましく使用できる。第2のコアシート(2)の材質は、熱融着性から第1のコアシート(1)と同じものを使用する。
【0018】
インレット(10)は、PET、PEN(ポリエチレンナフタレート)、PI(ポリイミド)等の電気絶縁性のアンテナシート(14)上に、ICチップ(11)、それを封止するとともにICチップの物理的強度を改善するための補強板(13)、そしてCu(銅)、Al(アルミニウム)等で形成されたアンテナコイル(15)で形成される。アンテナコイルとICチップの接続は、図示しないが、ICチップの入出力パッドに形成されたバンプとアンテナコイルのアンテナ接続ランドとを、異方導電性フィルムACF等を介して接続される。使用するアンテナはそのICの持つ伝送仕様に合わせたπや巻き数で前記したフィルムまたはシート上へのエッチングや印刷、巻き線で作成される。その際にエンボス等の後加工がある場合は、これらの加工と並存できるようアンテナパターン及びアンテナのカード内の位置設計がなされるが、本発明ではエンボス適性よりも表面の平滑性を重視しており、アンテナ設計の自由度が高い。
【0019】
第1のコアシート(1)は、前述したように材質がPET−G,PVC等、厚み0.1〜0.4mmの電気絶縁性樹脂シートで、図1(a)に示すように、この第1のコアシート(1)には、インレット(10)に搭載されたICチップ(11)、封止樹脂(12)、補強板(13)からなるICチップ部を収納可能に、開口部(5)を形成する。ここで
ICチップ部と第1のコアシートの開口部側壁とのクリアランスは片側基準で0.3mm〜1mm程度とし、第1のコアシート(1)がICチップの部分に乗り上げないようにして、熱ラミネート時の圧力によりICチップが破損したりすることを避ける必要がある。また、熱ラミネート時に、溶融樹脂がICチップと第1のコアシートの開口部側壁とのクリアランスを十分に充填でき、且つカードのIC部分が凹凸状にならない様に形状を決定する。開口部の形状はICチップ、あるいはICチップ上に配置された補強板の形状に合わせて、円形状あるいは矩形形状とする。
【0020】
前述した構成で、溶融ラミネート後のカードの総厚が、非接触型ICカードの厚み規格0.68〜0.84mmの中の目標厚み、例えば、0.76mmを精度良く達成できるように前記部材を構成して積層体とする。なおここで、第1及び第2のコアシートは、ICチップ部の高さ、あるいは他の構成材料との関係で1層とすることに限定されず複数層としても良い。また、図示しないが表面シートとコアシートの熱融着性、接着性を助けるための接着性樹脂層の介在あるいは界面の処理に関しては特に限定されない。
【0021】
前記カード構成部材は、図3(a)に示すように、多面付けとして形成し、複数のインレットが搭載されたものとする。ここで、第1の表面シート(3)、第1のコアシート(1)、第2のコアシート(2)及び第2の表面シート(4)には、積層した際に夫々に貫通する貫通穴(6)が形成されている。
【0022】
次に、図3(c)に示すように、ラミネート・プレス成型装置の上側プレス板(7)は平板とし、下側プレス板(8)には前記カード構成部材が収容可能に、凹部(9)を設けてある。また下側プレス板には、前記カード構成部材に設けた貫通孔(6)に入り込む複数個の突起部(60)が形成されている。ここで、前記凹部深さと、凹部(9)に形成された突起部(60)の高さは、略同等の寸法に形成されており、この寸法は目的とする非接触型ICカードの厚みに対して±0.01mm以内とする。つまり、凹部深さ、および突起部高さは、非接触型ICカードの厚み0.68mmから0.84mmの規格厚さの中の目的とする寸法であり、下側プレス板の凹部の深さと、突起部の高さの差は、最大でも0.02mm以内とするのが好ましい。
【0023】
また、下側プレス板(8)としては、例えば、厚み3mmのステンレス鋼材を使用して、切削加工してカード厚みに対応する深さの凹部(9)を作成し、突起部はピン形状のものを複数個、ネジ止めして形成することができる。凹部(9)の形成方法としては、外周部にカード厚みに対応する厚みのステンレス板の枠体をネジ止めして凹部を形成することもできる。ここで、凹部面積は積層体の厚み減少分を吸収できるように余裕を確保する。さらに、凹部(9)の外周部には幅0.5mm〜1.0mmのエアー抜き用の溝(16)を設けて、カード表面にエアーが溜まり、凹み、クモリ等の外観上の欠陥が生じないようにする。また、上側プレス板(7)についても剛性を確保するため、厚さ3mmのステンレス鋼材を使用する。
【0024】
前述した積層構成部材を、図1(a)に示したシート構成として、貫通孔(6)を合わせて下側プレス板(8)の凹部(9)にセットし、上下のプレス板で挟み込み、130℃から170℃の温度で熱ラミネートによりインレットを挟み込んだ形で単層化し、多面付け状態の厚みの均一性に優れたカードベースとする。次に、カードベースをプレス板から剥がし、その後片刃またはオスーメスの金型による打ち抜きでカード形状に打ち抜いて、単体化された非接触型ICカードとする。なおここで、積層構成部材の総厚みは、下側プレス板の凹部深さ、つまり突起部高さに対して0.02mmから0.05mm厚くしておくことで、ラミネート後の厚みを目標とするカード厚みとすることができる。
【0025】
以上説明したように、本発明の非接触型ICカードの製造方法によれば、多面付けされ
た非接触型ICカードの厚みを目標厚みの±0.03mm以内に仕上げることが出来、また、歪のない外観品質に優れた非接触型ICカードとすることができる。
【0026】
上記した、本発明の一実施形態の説明では、下側プレス板に凹部、及び突起部を設けることとしたが、下側プレス板に凹部、上側プレス板に突起部を設ける構造としてもよい。
【0027】
また、上記説明では、上下プレス板を1セットとする一層配置の状態を示したが、量産においては、4・5層の多層プレスとすることが望まれる。この際は、プレス板の自重が大きくなり、プレス板にタワミが発生して、カードの厚みに変化が出易いが、本発明の製造方法のように、プレス板の凹部内に突起部を設けることにより、プレス板のタワミが防止でき、製品厚みの均一性を確保するうえで突起部の効果は大きなものとなる。
【0028】
また、上記した本発明の一実施形態では、カード厚みを非接触型ICカードの厚み規格0.68mmから0.84mmの中の目標厚みとなるよう、ラミネート前のカード構成部材の総厚みを下側プレス板の凹部深さに対して0.02mmから0.05mm厚くしておき、ラミネート後の厚みが凹部深さと同等となるようにしたが、例えば、カード厚みとして0.6mmのものについても、プレス板を準備することにより用意に製造することができる。
【0029】
本発明の製造法で作成された各カードには従来と同様に、ホログラム、回折格子等、あるいはリライト機能の付与等、様々なオプション加工が施される。またICの初期化とセキュリティ情報の設定や、必要なデータファイルの生成などの0次発行、1次発行が行われる。また、外部との情報のやり取りの機能や各種規格物性に基づいた検査が実施されて使用可能な状態となる。
【0030】
以上のようにして作製された小切れのカードは、通常重ね合わされた状態で梱包され、輸送され、顧客側に出荷される。最終的には、カードの仕様に応じた発行機を用いて2次発行(パーソナライズ)として、ICエンコードと共に、カードの表面に個別情報を入れる。カード発行機における加工内容としては、モノクロ印字(UG)、カラー印字(写真CP)、オーバーコート等がある。本発明の製造方法で作成された非接触型ICチップ搭載のクレジットカードでは、非接触型ICチップへの影響を避ける為、通常、エンボスでなく、モノクロ印字や顔写真のカラー印字を行う。また、交通定期券ではリライト層に書き込みを行う。以上説明した本発明の非接触型ICカードの製造方法を採用することで、2次発行時の顔写真を印字するCP印字およびモノクロ印字するUG(ウルトラグラフィック)印字適正に優れた表面性を有している非接触型ICカードを量産で安定して提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の製造方法の一実施形態のカード構成部材を断面で説明する概略図。
【図2】本発明の製造方法の一実施形態での1枚の形状の非接触型ICカードの透視図。
【図3】本発明の製造方法の多面付けされたカードベースを得る工程の一実施形態を説明する概略図。
【符号の説明】
【0032】
1・・・第1のコアシート 2・・・第2のコアシート
3・・・第1の表面シート 4・・・第2の表面シート
5・・・開口部 6・・・貫通孔 7・・・上側プレス板
8・・・下側プレス板 9・・・凹部 10・・・インレット
11・・・ICチップ 12・・・封止樹脂13・・・補強板
14・・・アンテナシート 15・・・アンテナコイル
16・・・エアー抜き溝 20・・・積層体 60・・・突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともコアシート、インレット、オーバーシートからなるカード構成部材をラミネート・プレスし複数のカード形状部が多面付けされたカードベースとしての積層体を得る工程と、該積層体をカード形状に打抜きカードを得る工程、とを有する非接触型ICカードの製造方法において、
積層体を得る工程が、前記カード構成部材を、上側プレス板と、該カード構成部材を収容可能な凹部を有する下側プレス板に収容した状態で挟み込み、押圧することで貼り合わせて、積層体を得る工程であって、
前記カード構成部材は、カード形状部以外の部位に、積層する際に該カード構成部材各々に貫通する1以上の貫通孔を有し、
前記下側プレス板の前記凹部内又は前記上側プレス板に1以上の突起部を有し、
前記下側プレス板の前記凹部内に前記カード構成部材を収容し、前記カード構成部材各々の貫通孔と前記突起部とが嵌合された状態で押圧することを特徴とする非接触型ICカードの製造方法。
【請求項2】
前記下側プレス板の前記凹部の深さと、前記突起部の高さの差が、0.02mm以内であることを特徴とする請求項1に記載する非接触型ICカードの製造方法。
【請求項3】
前記カード構成部材各々の貫通孔の開口径が、0.3mm以上1.0mm以下前記突起部の外径より大きいことを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載する非接触型ICカードの製造方法。
【請求項4】
前記カード構成部材各々を押圧して貼り合わせる前の厚みの総厚が、前記下側プレス板の前記凹部の深さより0.02〜0.05mm厚いことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載する非接触型ICカードの製造方法。
【請求項5】
前記下側プレス板の前記凹部の外周部に、幅0.5〜1.0mmのエアー抜き用の溝を設けてなることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載する非接触型ICカードの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−108230(P2010−108230A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−279365(P2008−279365)
【出願日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】