説明

非接触式粘性材料噴射システム

【課題】改良型のコンピュータ制御された粘性流体吐出システムを提供する。
【解決手段】非接触式粘性材料噴射システムは、表面に対し相対運動するように取り付けられた噴射ディスペンサを有する。制御部は、噴射ディスペンサに、粘性材料ドットとして表面に塗布される粘性材料小滴を噴射させるように動作可能である。カメラまたは重量計などのデバイスが、制御部に接続され、表面に塗布されるドットのサイズに関連した物理的特性を表すフィードバック信号を供給する。後続して塗布されるドットのサイズに関連した物理的特性は、サイズに関連した物理的特性フィードバックに応答して、加熱および冷却することによって、または噴射ディスペンサのピストン行程を調整することによって制御される。吐出される材料体積制御および粘度オフセット補償も提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[発明の分野]
本発明は、包括的に、粘性材料を吐出する装置に関し、特に、粘性材料のドットを表面上に塗布する、コンピュータ制御された非接触式噴射システムに関する。
【0002】
本願は、2003年5月23日付けで出願された米国出願第60/473,166号(参照により本発明に明示的に援用する)に対する優先権を主張するものである。
【0003】
[発明の背景]
基板(例えば、プリント回路(「PC」)基板)の製造において、少量の粘性材料、すなわち50センチポイズよりも大きな粘度を有する粘性材料を塗布する必要がある場合が多い。そのような材料としては、限定するものではないが、例えば、汎用接着剤、はんだペースト、はんだ融剤、はんだマスク、グリース、オイル、封入剤、ポッティング樹脂、エポキシ、ダイ接着ペースト、シリコーン、RTV、およびシアノアクリレートが挙げられる。
【0004】
回路のさらなる小型化への要望が増える中、フリップチップ技術として知られる製造プロセスが開発されてきており、この製造プロセスは、粘性流体の吐出を必要とする複数プロセスを有する。例えば、半導体ダイまたはフリップチップは、最初にはんだボールまたはパッドによりPC基板に取り付けられ、このプロセスでは、粘性はんだ融剤を、フリップチップとPC基板との間に塗布する。次に、粘性液体エポキシを流して、チップの下側を完全に覆うことを可能にする。このアンダーフィル作業(underfill operation)は、正確な量の液体エポキシが半導体チップの少なくとも1つの側面端に沿って概ね連続的に堆積されることを必要とする。液体エポキシは、チップの下側とPC基板の上面との間の小さな空隙に起因して毛管作用が生じる結果、チップの下側を流れる。アンダーフィル作業が完了すると、好ましくは、電気的相互接続部のすべてをカプセル封入するのに十分な液体エポキシが堆積されて、チップの側面端に沿ってフィレットを形成するようになっている。フィレットが適正に形成されると、チップとPC基板との間の結合部の機械的強度を最大にするのに十分なエポキシが堆積されたことが保証される。したがって、エポキシを用いたアンダーフィル作業は、第1に、熱サイクルおよび/または機械的充填の際、相互接続はんだパッド上の応力および限界ひずみを低減するのを助けるよう機械的結合として作用し、第2に、湿りおよび他の環境の影響作用からはんだパッドを保護する。正確な量のエポキシが適正位置に正確に配置されるアンダーフィルプロセスの質が極めて重要である。エポキシが少なすぎると、腐食および過剰な熱応力を生じる可能性がある。エポキシが多すぎると、エポキシはチップの下側を越えて流れ、他の半導体デバイスおよび相互接続部を阻害する。
【0005】
別の用途では、チップはPC基板に結合される。この用途では、接着剤パターンがPC基板上に堆積され、チップは、下方へ加圧することにより接着剤の上に配置される。接着剤パターンは、チップの底面とPC基板の間に均一に接着剤が流れ、接着剤がチップの下側から流出することがないように設計される。ここでも同様に、この用途では、正確な量の接着剤が、PC基板の正確な位置に堆積されることが重要である。
【0006】
PC基板は、PC基板の上方に2つの移動軸に対し取り付けられた粘性材料ディスペンサを通過するコンベヤにより保持されていることが多い。移動中のディスペンサは、粘性材料のドットをPC基板の所望の位置に堆積することが可能である。高品質の粘性材料吐出プロセスを提供するために制御される場合が多い種々の変数がある。第1に、各ドットの重量またはサイズが制御されることができる。既知の粘性材料ディスペンサが、材料吐出プロセスの際、一定のドットサイズを保持するように設計された閉ループ制御を有する。粘性材料の供給圧、ディスペンサ内の吐出弁のオン時間、および吐出弁における打撃ハンマの行程を変えることにより、吐出される重量およびドットサイズを制御することが既知である。それらの制御ループのそれぞれは、特定のディスペンサの設計およびそのディスペンサによって吐出される粘性物質に応じて利点および不利点を有する可能性がある。しかしながらこれらの技法は、追加の構成要素および機械構造を必要とする場合が多いため、追加コストおよび信頼性の問題を招く。さらに、これらの技法の応答性は、ドットが吐出されるレート(割合すなち速度)が大するため、あまり満足度を与えるものではない。したがって、ドットのサイズまたは重量を制御するためのより優れたより簡単な閉ループ制御の必要性が存続している。
【0007】
吐出プロセスで制御されることができる第2の重要な変数は、特定サイクルで吐出すべき粘性材料の全量または総体積である。チップの設計者は、所望のアンダーフィルまたは接着プロセスを提供するために用いられる粘性材料、例えばアンダーフィルの際のエポキシ、または接着の際の接着剤、の全量または体積を指定する場合が多い。所与のドットサイズおよびディスペンサ速度について、PC基板の所望の位置に所望のラインまたはパターンで指定量の粘性材料を吐出するよう、適切な数のドットをディスペンサが吐出するようにディスペンサ制御をプログラムすることは既知である。かかるシステムは、要するに、粘性材料の吐出に影響を及ぼすパラメータが一定のままである際に理にかなって効果的である。しかしながら、かかるパラメータは、短期間にわたって若干であるとしても着実に変化する場合が多く、かかる変化の累積効果はディスペンサによって吐出される流体体積に検出可能な変化をもたらす可能性がある。したがって、吐出された重量の変化を検出し、かつディスペンサ速度を自動調整して、粘性材料の所望の総体積が吐出サイクル全体にわたって均一に吐出されるようにすることができる制御システムが必要とされている。
【0008】
第3の重要な変数は、進行中に(on the fly)粘性材料のドットを吐出するタイミングに関連する。粘性材料のドットは、進行中に吐出されると、PC基板に着地する前に空気中を水平方向に飛翔する。ドットをPC基板に正確に配置するようにするために、時間に基づいた補償値を求め、ディスペンサをプリトリガするのに用いられる較正サイクルを行うことが知られている。ここでも同様に、進行中のディスペンサが粘性材料のドットを吐出することができるプロセスを改良して、より正確にPC基板上にドットが配置されるようにする必要性が存続している。
【0009】
したがって、上記の必要性に対処する、改良型のコンピュータ制御された粘性流体吐出システムが必要とされている。
【0010】
[発明の概要]
本発明は、基板上に粘性材料ドットを進行中により正確に塗布する改良型非接触式噴射システムを提供する。第1に、本発明の改良型非接触式噴射システムは、吐出される重量またはドットサイズを、ノズルの温度、または噴射弁のピストンの行程を変えることによって調整することを可能にする。このことは、吐出される重量またはドットサイズを較正するのにより高速な応答時間を有する、より単純でより安価なシステムを提供する。さらに、本発明の改良型非接触式噴射システムは、ノズルと基板の相対速度を、当該材料吐出特性と基板上に用いるべき材料の指定された総体積の関数として、自動的に最適化することを可能にする。その結果、基板上に吐出される粘性材料がより正確かつ均一に塗布される。さらに、本発明の改良型非接触式噴射システムは、ノズルと基板の相対速度に応じて、各ドットが吐出される位置を最適化し、進行中に吐出された粘性材料ドットが、基板上に正確に配置される。本発明の改良型非接触式噴射システムは、粘性材料ドットの重量または体積および基板上でのその位置を正確かつ厳密に制御する必要がある用途に特に有用である。
【0011】
本発明の原理および説明される実施形態に従って、本発明は、表面に対し相対運動するように取り付けられる噴射ディスペンサを有する非接触式粘性材料噴射システムを提供する。制御部は、噴射ディスペンサに接続され、粘性材料のドットの所望のサイズに関連した物理的特性を格納するメモリを有する。制御部は、噴射ディスペンサに、表面上に粘性材料のドットを塗布させるように動作可能である。デバイスは制御部に接続され、表面に塗布されたドットの検出されたサイズに関連した物理的特性を表すフィードバック信号を提供する。温度コントローラは、ノズルの温度を上げる第1のデバイスおよびノズルの温度を下げる第2のデバイスを有する。制御部は、検出されたサイズに関連した物理的特性と所望のサイズに関連した物理的特性の相違に応答して、温度コントローラにノズルの温度を変えさせるように動作可能である。
【0012】
本発明の各種態様では、サイズに関連した物理的特性は、表面に塗布されるドットの直径、重量、または体積のいずれかによって決まる。本発明の別の態様ではデバイスはカメラであり、本発明のさらに別の態様ではデバイスは重量計である。本発明の他の態様は、検出されたサイズに関連した物理的特性と所望のサイズに関連した物理的特性の相違に応答して、ノズルの温度を上げる第1のデバイスまたはノズルの温度を下げる第2のデバイスのいずれかを動作させる方法を含む。
【0013】
本発明の別の実施形態では、制御部はまず、噴射ディスペンサのピストンを弁座から離れる行程で移動させ、その後、ピストンを弁座へ向う行程で移動させてノズルから粘性材料の小滴を噴射するように動作可能である。小滴は、粘性材料のドットとして表面に塗布される。制御部はさらに、ドットのサイズに関連した物理的特性(それぞれ、所望のドットサイズ値よりも小さいかまたは大きい)を表すフィードバック信号に応答して、ピストンの行程を増減させるように動作可能である。本発明の別の態様ではデバイスはカメラであり、本発明のさらに別の態様ではデバイスは重量計である。本発明の他の態様では、それぞれ所望値よりも小さいかまたは大きい、表面に塗布されたドットのサイズに関連した物理的特性に応答して、ピストンの行程を増減させる方法が用いられる。
【0014】
本発明のさらに他の実施形態では、制御部は、吐出すべき粘性材料の総体積を表す総体積値および吐出される粘性材料の総体積の長さを表す長さ値を格納する。制御値は、噴射ディスペンサに、表面に粘性材料のドットを塗布させるように動作可能である。デバイスは、表面に塗布されたドットに含有される粘性材料の量を表すフィードバック信号を制御部に供給する。制御部は、フィードバック信号、体積値、および長さ値に応答して、噴射ディスペンサと表面との間の相対運動についての最大速度値を求め、その結果、長さにわたって均一に吐出される材料の総体積が得られる。
【0015】
本発明のさらに別の実施形態では、制御部が噴射ディスペンサにノズルから粘性材料小滴を第1の位置にて噴射させることによって、表面に塗布される粘性材料のドットが得られる。制御部に接続されるカメラは、表面上のドットの物理的特性の位置を表すフィードバック信号を供給する。制御部は、表面上でのドットの位置を求め、次に、第1の位置と表面上のドットの位置の差を表すずれ値を求める。ずれ値は、制御部に格納され、粘性材料を後続して噴射する際に、第1の位置を表す較正値をオフセットするのに用いられる。
【0016】
本発明のこれらのおよび他の目的および利点は、本明細書の図面とともに以下の詳細な説明を読む際、より容易に明らかとなるであろう。
【0017】
[発明の詳細な説明]
図1は、アシムテック(米国カリフォルニア州カールスバッド市所在)から市販されているタイプのコンピュータ制御された非接触式粘性材料噴射システム10の概略的な図である。矩形フレーム11は、水平または垂直方向に相互接続された鋼梁からなる。粘性材料小滴発生器12は、フレーム11の上梁の下側に取り付けられたX−Yポジショナ14から懸垂しているZ軸駆動部に取り付けられている。X−Yポジショナ14は、既知のようにして、一対の独立して制御可能なモータ(図示せず)により作動される。X−YポジショナおよびZ軸駆動部は、小滴発生器12について3つの略垂直な移動軸を提供する。ビデオカメラおよびLED光リングアセンブリ16は、X、Y、およびZ軸に沿って移動するよう、小滴発生器12と接続して、ドットを検査し、参照基準点を突き止めるようにすることができる。ビデオカメラおよび光リングアセンブリ16は、米国特許第5,052,338号(参照により開示全体が本明細書に援用される)に記載されているタイプのものとすることができる。
【0018】
コンピュータ18は、システムの全般的な制御を行うようにフレーム11の下部に取り付けられる。コンピュータ18は、プログラム可能な論理コントローラ(「PLC」)または他のマイクロプロセッサベースのコントローラ、ハード(hardened)パーソナルコンピュータ、または本明細書中で説明される機能を実行することが可能な、当業者には理解されるであろう他の従来の制御装置とすることができる。ユーザは、キーボード(図示せず)およびビデオモニタ20を介してコンピュータ18とインターフェース接続する。市販により入手可能な、コンピュータ内のビデオフレームグラバーにより、制御ソフトウェアのテキストに囲われた、十字線の分散したドットのリアルタイムの拡大像21が、モニタ20の窓に表示される。コンピュータ18は、規格RS−232およびSMEMA CIM通信バス50を備えることができ、これらは、基板製造組立てラインに用いられる他の自動化機器のほとんどのタイプと互換性がある。
【0019】
小滴発生器12により粘性材料(例えば接着剤、エポキシ樹脂、はんだなど)のドットが迅速に塗布されることになる基板(例えばPC基板)は、手動で装填されるか、または自動コンベヤー22によって小滴発生器12の下側に水平方向に直接搬送される。コンベヤ22は、従来の設計のものであり、種々の寸法のPC基板を受け入れるように調整することができる幅を有する。コンベヤ22はまた、空気圧作動式のリフト/ロック機構も含む。この実施形態はさらに、ノズルプライミング作業部24および較正作業部26を有する。コントロールパネル28は、コンベヤ22の高さ位置の真下でフレーム11に取り付けられており、起動、較正、および粘性材料充填の際にいくつかの特定の機能を手動で開始するための複数の押しボタンを有する。
【0020】
図2を参照すると、小滴発生器12は、基板36(例えばPC基板)の上面81上へ粘性材料の小滴34が下方に噴射されている様子を示されている。PC基板36は、迅速かつ正確に所望位置に配置された粘性材料の微小ドット35を用いて、基板上に構成要素の表面が取り付けられるように設計されたタイプのものである。PC基板は、図2の水平方向矢印で示されるようにコンベヤ22により所望位置に移動される。
【0021】
軸駆動部38は、PC基板36の表面にわたって小滴発生器12を迅速に移動させることが可能である。軸駆動部38は、X、Y、およびZの移動軸77、78、79をそれぞれ提供するようX−Yポジショナ14およびZ軸駆動機構の電気機械構成要素を有する。多くの場合、小滴発生器12は、1つの固定された高さZから粘性材料の小滴を噴射する。しかしながら、小滴発生器12は、Z軸駆動部を用いて高さを上げられ、他の高さZで吐出するようにするか、または基板上に既に取り付けられている他の構成要素を排除するようにすることができる。
【0022】
小滴発生器12は、異なる設計を用いて実施することができ、本明細書に記載された特定の実施形態は、本発明の例であって、限定ではないと見なされるべきである。小滴発生器12は、特に、微小量の粘性材料を噴射するように設計された非接触式ディスペンサである、オン/オフ噴射ディスペンサ40を含む。ディスペンサ40は、シリンダ43内にピストン41が配置された噴射弁44を有することができる。ピストン41は、材料室47まで延びた下部ロッド45を有する。下部ロッド45の遠位下端は、戻しばね46によって弁座49に対し付勢される。ピストン41はさらに、マイクロメータ55のねじ53の端部の停止面に隣接して位置する遠位上端を有して延びた上部ロッド51を有する。マイクロメータねじ53を調整することにより、ピストン41の行程の上限を変更する。ディスペンサ40は、既知のようにして粘性材料の供給部(図示せず)に流体接続されるシリンジ型供給デバイス42を有してもよい。小滴発生器コントローラ70は、加圧流体源(供給デバイス42に加圧空気を搬入する(port))に接続された電圧−圧力変換器72(例えば、エアパイロット流体レギュレータ)、1つまたは複数の空気圧ソレノイドなど)に出力信号を供給する。したがって、供給デバイス42は、加圧された粘性材料をチャンバ47に供給することができる。
【0023】
噴射動作は、小滴発生器コントローラ70に、加圧流体源に接続された電圧-圧力変換器80(例えばエアパイロット流体レギュレータ、1つまたは複数の空気圧ソレノイドなど)に出力パルスを供給するようにさせるコマンド信号を、小滴発生器コントローラ70に供給するコンピュータ18によって開始される。変換器80のパルス動作は、パルス状の加圧空気をシリンダ43に搬入して、ピストン41を急速に上昇させる。ピストンの下部ロッド45が弁座49から持ち上がることにより、チャンバ47の粘性材料がピストンの下部ロッド45と弁座49との間の位置にまで引き出される。出力パルスの終了時点で、変換器80はその最初の状態に戻り、それによって、シリンダ43内の加圧空気が解放され、戻しばね46が、ピストンの下部ロッド45を急速に下降させて弁座49に戻す。このプロセスでは、粘性材料の小滴34は、ノズル48の開口部または吐出オリフィス59を介して急速に押し出されるか、または噴射される。図2に誇張した形態で概略的に示すように、粘性材料の小滴34は、それ自身の前方運動量に起因して離脱(break away)し、この前方運動量により基板の上面81に運ばれ、そこで粘性材料ドット37として塗布される。噴射弁41の急速な連続動作は、基板の上面81上に粘性材料のドットのライン35を形成する個々の噴射小滴34をもたらす。本明細書中で使用される「噴射」という用語は、粘性材料の小滴34およびドット37を形成する上述のプロセスを指す。ディスペンサ40は、非常に高率で、例えば1秒あたり最大100またはそれ以上の小滴の割合で、ノズル48から小滴34を噴射することが可能である。小滴発生器コントローラ70により制御可能なモータ61は、マイクロメータねじ53に機械的に接続され、そのためピストン41の行程を自動的に調整することが可能であり、この調整により各噴射小滴における粘性材料の量を変えることができる。上述のタイプの噴射ディスペンサは、米国特許第6,253,757号および同第5,747,102号(ここで、双方の開示の全体は、参照により本明細書に援用される)により十分に記載されている。
【0024】
動きコントローラ62は、小滴発生器12と該発生器に接続されているカメラおよび光リングアセンブリ16の動きを管理する。動きコントローラ62は、軸駆動部38と電気通信し、既知のようにして各X、Y、およびZ軸のモータについて別個の駆動回路にコマンド信号を供給する。
【0025】
カメラおよび光リングアセンブリ16は、ビジョン回路(vision circuit)64に接続されている。この回路は、光リングの赤色LEDを駆動して、基板の上面81およびそこに塗布されるドット37を照らす。アセンブリ16内のビデオカメラは、デジタル形式に変換されるとともに基板36上に吐出される選択ドットの位置およびサイズを求める際に処理される出力を有する電荷結合素子(CCD)を含む。ビジョン回路44は、コンピュータ18と通信して、起動および実行モードの双方においてコンピュータ18に情報を提供する。
【0026】
コンベヤコントローラ66は、基板コンベヤ22に接続される。コンベヤコントローラ66は、動きコントローラ62およびコンベヤ22間でインターフェース接続して、コンベヤ22の幅調整の管理およびリフト/ロック機構を制御するようになっている。コンベヤコントローラ66はまた、基板36のシステムへの進入および粘性材料付着プロセスが完了した時点でのシステムからの離脱を制御する。用途によっては、基板ヒータ68は、基板がシステム内を搬送されるにつれ、基板を加熱し、粘性材料の所望の温度プロファイルを維持するよう、既知のようにして動作可能である。基板ヒータ68は、ヒータコントローラ69によって既知のようにして動作可能である。
【0027】
較正作業部26は、吐出されるドット37の重量またはサイズを正確に制御するドットサイズ較正、および、進行中に、すなわち、小滴発生器12が基板36に相対して移動している間に吐出される粘性材料ドットを正確に配置するドット配置較正、を行う較正目的に使用される。さらに、較正作業部26は、当該材料吐出特性に応じて小滴発生器12の速度、小滴が吐出されるレート(割合すなわち速度)、および、ドットのパターン(例えばライン35)で吐出すべき粘性材料の所望の総体積を正確に制御する材料体積較正を行うのに使用される。較正作業部26は、静止加工面74、および吐出された材料のサイズに関連した物理的特性を表すフィードバック信号をコンピュータ18に供給する測定デバイス52(例えば重量計)を有し、この物理的特性は、この実施形態では重量計52によって量られる材料の重量である。重量計52は、コンピュータ18と作用するように接続され、コンピュータ18は、材料の重量を、以前に求められた指定値、例えばコンピュータメモリ54に格納された粘性材料重量設定値と比較する。他のタイプのデバイスを重量計24の代用としてもよく、そのようなデバイスとしては、例えば、カメラを含めたビジョンイステム、LED、またはフォトトランジスタなどの、吐出された材料の直径、面積、および/または体積を測定するための他のドットサイズ測定デバイスを挙げることができる。
【0028】
この実施形態では、非接触式噴射システム10はさらに、ヒータ56、クーラ57、および温度センサ58(例えば熱電対)、RTVデバイスなどを含む温度コントローラ86を有し、これらはノズル48のすぐ隣に配置される。ヒータ56は、放射輝度または対流によりノズル48に熱を供給する抵抗加熱器とすることができる。クーラ57は、例えば、冷風源、加圧空気源に接続される渦冷却発生器といったいかなる適用可能なデバイスとすることができる。他の実施形態では、ペルチェ素子を用いることができる。加熱および冷却を行うのに選択される特定の市販により入手可能なデバイスは、非接触式噴射システム10が用いられる環境、使用される粘性材料、加熱および冷却要件、加熱および冷却デバイスのコスト、システムの設計(例えば、熱シールドが用いられているかどうか)、および他の用途に関連したパラメータに応じて様々である。熱電対58は、温度フィードバック信号をヒータ/クーラコントローラ60に供給し、コントローラ60は、温度設定点で表される所望温度にノズル48を維持するようにヒータ56およびクーラ57を作動させる。コントローラ60は、コンピュータ18と電気通信する。したがって、ノズル48およびその内部の粘性材料の温度が正確に制御されるとともに、粘性材料がノズル48内に配置されノズル48から噴射され、それによって、高品質およびより一貫した吐出プロセスが行われる。
【0029】
動作時に、ディスクまたはコンピュータ統合生産(「CIM」)コントローラからのCADデータがコンピュータ18により用いられて、動きコントローラ62に小滴発生器12を移動させるように命令する。これにより、粘性材料の微小ドットが基板36上の所望位置に正確に配置されることが確実となる。コンピュータ18は、ユーザ仕様または格納された構成要素ライブラリに基づいて特定の構成要素に自動的にドットサイズを割り当てる。CADデータが利用可能ではない用途では、コンピュータ18が用いるソフトウェアにより、ドットの位置が直接プログラムされることが可能となる。既知のようにして、コンピュータ18は、XおよびY位置、構成要素のタイプ、および構成要素の向きを用いて、粘性材料ドットを基板36の上面81に塗布する場所および程度を決定する。微小粘性材料の小滴を吐出する経路は、インライン地点(in-line point)を整合させることによって最適化する。動作前に、多くの場合、流体流路内の気泡をなくすように設計された既知の使い捨てタイプのノズルアセンブリが設置される。
【0030】
設定手順の全てが完了した後、ユーザはコントロールパネル28(図1)を用いて、コンピュータ18にサイクル開始コマンドを与える。図3を参照すると、コンピュータ18は、吐出動作サイクルの実行を開始する。300にて、サイクル開始コマンドが検出されると、コンピュータ18は、小滴発生器12をノズルプライミング作業部24に移動させるコマンド信号を動きコントローラ62に供給する。このノズルプライミング作業部では、ノズルアセンブリが既知のようにして弾性プライミングブーツ(priming boot)(図示せず)に嵌まる。空気シリンダ(図示せず)を用いて、ブーツに対し真空引きし、加圧シリンジ42からノズルアセンブリ内に粘性材料を吸引する。
【0031】
その後、304にて、コンピュータ18は、ドットサイズ較正が必要とされるかどうかを判定する。多くの場合、ドットサイズ較正は、ドット吐出プロセスを最初に開始した時点で、あるいは粘性材料が変更される任意の時点で行われる。理解されるように、ドットサイズ較正の実行は、用途に応じたものであり、設定された時間間隔、部分間隔、各部分ごとなどで自動的に実行されることができる。306にて、ドットサイズ較正が実行される場合、コンピュータは、ドットサイズ較正サブルーチンを実行する。図4を参照すると、コンピュータ18はドットサイズ較正を行い、この較正は、ノズル48内の粘性材料の温度を変えることで、粘性材料の粘度および流れ特性を変えることにより、吐出される材料体積の量、したがってドットサイズを変えることが可能である。この較正プロセスの第1のステップでは、400にて、コンピュータ18は、動きコントローラ62に、ノズル48が直接加工面74の上にくるように小滴発生器12を較正作業部26に移動させるよう命令する。次に、402にて、コンピュータ18は、動きコントローラ62に、小滴発生器コントローラ70に加工面74上にドット37a、37b、37n(図2)を吐出させるよう命令する。この較正プロセスの際、ディスペンサの供給レート(feed rate)は重要ではないが、ドット37は、生産吐出プロセスに用いられるレートで塗布される。次に、404にて、コンピュータ18は、動きコントローラ62に、カメラ16をドット37a、37b、37nが塗布されている経路と同じ経路に沿って移動させるよう命令する。コンピュータ18およびビジョン回路64は、塗布されたドットのサイズに関連した物理的特性(この実施形態では、第1のドットの第1のエッジ82)を表すフィードバック信号を供給し、コンピュータ18は、その第1のエッジ82の地点の位置座標をコンピュータメモリ54に格納する。経路に沿ってカメラを移動し続ける場合、第1のドット37aの直径の反対側の第2のエッジ84を表す別のフィードバック信号が供給され、第1のドット37aの第2のエッジ84上の地点の位置座標もまたコンピュータメモリ54に格納される。2つの組の位置座標間の距離は、第1のドット37aの直径またはサイズを表す。ドットのエッジを検出し、かつ個々の位置座標を格納する上記プロセスは、加工面74上の他のドット37b、37nに対して続行する。十分な数のドットが吐出され、ドット径の統計的に信頼できる測度を提供するようにコンピュータ18により測定される。しかしながら、理解されるように、塗布された単一のドットの直径を測定し、それを用いてドットサイズ較正を開始してもよい。
【0032】
ドットのすべてが堆積され、測定された後、コンピュータ18は、406にて平均ドット径またはサイズを求め、408にて平均ドット径が指定のドット径よりも小さいかどうかを判定する。小さい場合、コンピュータ18は、410にて、ヒータ/クーラコントローラ60に温度設定点を一定量の増分で上げさせるコマンド信号を供給する。次に、ヒータ/クーラコントローラ60はヒータ56をオンにし、熱電対58からの温度フィードバック信号を監視することによって、ノズル48およびその内部の粘性材料の温度を、新たな温度設定点に等しい温度に急速に上げる。温度の上昇が達成されると、コンピュータ18は、動きコントローラ62に、小滴発生器70に前述したプロセスのステップ402〜408を再び行わせるコマンド信号を供給する。温度が上昇したことにより、粘性材料の粘度が下がり、それにより、吐出されるより多くの材料、したがってより大きな平均体積、およびドット径がもたらされ、次に、408にて、そのより大きな平均ドット径は、指定のドット径と比較される。直径がなおも小さすぎる場合、コントローラ18は、410にて、温度設定点の値を再び上げさせるコマンド信号を再び供給する。プロセスのステップ402〜410は、コンピュータ18が、その時点の平均ドット径が指定のドット径に等しいか、あるいは指定のドット径の許容可能誤差内にあるかを判定する。
【0033】
コンピュータ18は、408にて、平均ドット径が小さすぎないと判定すると、412にて、平均ドット径が大きすぎるかどうか判定する。大きすぎる場合、コンピュータ18は、414にて、一定量の増分で温度設定点を下げさせるコマンド信号をヒータ/クーラコントローラ60に供給する。温度設定点を下げる場合、ヒータ/クーラコントローラ60は、クーラ56をオンにするように動作可能であり、熱電対58からの温度フィードバック信号を監視することにより、コントローラ60は、ノズル48およびその内部の粘性材料の温度を新たに下がった温度設定点の値に急速に下げる。粘性材料の温度を下げることによって、その粘度値は上がる。したがって、後続の複数のドットの噴射の際、粘性材料はあまり多く吐出されないため、コンピュータ18は、より小さな平均体積またはドット径を検出する。ここでも同様に、プロセスのステップ402〜412が、平均ドット径が指定ドット径に等しい値または指定ドット径の許容可能誤差内の値に下がるまで繰り返される。
【0034】
上述のドットサイズ較正プロセスでは、コンピュータ18は、指定のドット径が達成されるまで連続ドットを噴射かつ測定することでプロセスを繰り返す。代替の実施形態では、特定の粘性材料についての温度の変化とドットサイズの変化の関係は、実験により、または他の方法で求めることができる。この関係は、ドットサイズの変化を温度の変化と関連させる算術アルゴリズムまたはテーブルのいずれかとしてコンピュータ18に格納されることができる。複数の種々の粘性材料についてのアルゴリズムまたはテーブルを作成し、かつ格納することができる。したがって、上述の繰返しプロセスの代わりに、ドット径が大きすぎるか、または小さすぎるかを量で判定した後、410および414にて、コンピュータ18は、格納されたアルゴリズムまたはテーブルを用いて、ドットサイズの所望の変化を与えるのに必要とされる温度変化を判定することができる。ヒータ/クーラコントローラ60に、その量によって温度設定点を変えるように命令した後、プロセスは、破線416で示すように終了する。さらに他の実施形態では、上述した較正プロセスは、カメラによって検出されたエッジから求められる個々のドットの半径または円周を用いて行われる。
【0035】
図3を再び参照すると、ドットサイズ較正が完了した後、コンピュータ18は、308にて、材料体積較正が必要とされるかどうかを判定する。多くの場合、材料体積較正は、ドット吐出プロセスを最初に開始した時点で、あるいは吐出重量、ドット径、ドットサイズ、または粘性材料が変わる任意の時点で行われる。理解されるように、材料体積較正の実行は、用途に応じたものであり、設定された時間間隔、部分間隔、各部分ごとなどで自動的に実行されることができる。先に説明したように、最適なプロセス、例えばアンダーフィル、接着、はんだ付けなどの場合、材料の正確な総体積が厳密な位置に均一に塗布されることが必要とされる。多くの場合、全材料体積は、ユーザにより指定され、ダイのサイズ、粘性材料、その比重、塗布されるライン厚、ダイと基板の間の距離、適当な場合はフィレットのサイズなどによって決まる。均一に吐出される全材料体積の場合、ディスペンサ速度を正確に求めることが必要とされ、その速度は材料体積較正サブルーチンの関数である。
【0036】
コンピュータ18は、310にて、材料体積較正を実行するべきと判定すると、図5に示す材料体積較正サブルーチンを行う。このプロセスの第1のステップは、500にて、コンピュータ18が、ノズル48が重量計52の台76の上にくるように小滴発生器12を移動させるコマンド信号を供給することを要求する。その後、502にて、コンピュータ18は、必要とされる材料の総体積を求める。この決定は、ユーザが入力した値をメモリ54から読み取るか、または上記のユーザが入力したパラメータ、例えばライン厚、ダイのサイズ、フィレットのサイズなどを用いて総体積を求めることによって行うことができる。その後、504にて、コンピュータ18は、重量計52の台76上に複数のドットを吐出する。理解されるように、吐出されるドットは通常、重量計52の分解能範囲内で検出可能ではない。したがって、重量計52により、吐出された材料の重量の統計的に信頼性のある測定値を提供するために、かなりの数のドットが吐出される必要がある場合がある。しかしながら、理解されるように、重量計が十分に高い分解能を有する場合、粘性材料の単一のドットのみを用いてドットサイズ較正を行うことができる。この吐出プロセスの終了時に、506にて、コンピュータ18は、重量計52から、吐出されたドットの重量を表す重量フィードバック信号を読み取るか、またはサンプリングする。吐出されたドット数が分かると、コンピュータ18は次に、508にて、各ドットの重量を求めることができる。コンピュータ18は次に、ユーザによって提供されコンピュータメモリ54に格納された比重を用いて、510にて、各ドットの体積を求めることができる。プロセスステップ502から必要とされる材料の総体積および各ドットの体積が分かると、コンピュータ18は次に、512にて、総体積を吐出するのに必要とされるドットの数を求めることができる。
【0037】
アンダーフィル作業の際、ドットは、ダイの一方の側のすぐ隣にある単一のラインに沿って吐出される。ダイ接着作業の際、小滴は、粘性材料のラインのパターンで吐出され、その全長は、材料の総体積が吐出される、パターンでのラインの累積長さである。いずれの場合でも、全長の値は多くの場合、ユーザによって提供され、コンピュータメモリ54に格納される。したがって、コンピュータ18は、513にて、全長を、メモリから読み出すか、または選択された吐出パターンから求めることによって求めることができる。ドットの全長および数が分かると、コンピュータ18は、514にて、ドットのピッチ、すなわち各ドットの中心間の距離を求めることができる。ドットのピッチはまた、経路に沿った単位長あたりの粘性材料の体積の測度である。一般的に、吐出される材料の粘度と他の用途に関連した要因との関数である最大のドットレートは、ユーザにより、または実験により求められ、コンピュータメモリ54に格納される。最適な生産効率のために、最大のドットレートを用いて、ドット発生器12と基板36の最大相対速度を求めることが望ましい。最大のドットレートおよびドット間の距離が分かると、コンピュータ18は、516にて、最大相対速度を求め、かつ格納することができ、その速度で、動きコントローラ62が小滴発生器12に基板36に対して相対運動するよう命令することができる。
【0038】
図5の材料体積較正プロセスの代替の実施形態では、用途によっては、小滴発生器12と基板36の最大相対速度は、ユーザまたは他の要素(例えば電気機械的構成要素38など)により求められてもよい。その状況では、所望の最大相対速度およびドットピッチが与えられれば、コンピュータ18は、516にて、ドットが吐出されるレートを求めることができる。ドットレートが最大ドットレート以下であれば、コンピュータ18は、小滴発生器コントローラ70にそのレートでドットを吐出するよう命令することができる。
【0039】
図3に戻って参照すると、材料体積較正が終了すると、コンピュータ18は、312にて、ドット配置較正が必要とされるかどうかを判定する。多くの場合、ドット配置較正は、ドット吐出プロセスを最初に開始した時点で、ならびに最大速度または粘性材料が変更する任意の時点で行われる。理解されるように、ドット配置較正の実行は、用途に応じたものであり、設定された時間間隔、部分間隔、各部分ごとなどで自動的に実行されることができる。多くの場合、小滴発生器12は、進行中に、すなわち小滴発生器12が基板36に相対して移動する間に粘性材料小滴34を噴射する。したがって、粘性材料小滴34は、基板36上に垂直方向に滴下しないが、その代わり、基板37に着地する前に水平方向動き成分を有する。その結果、小滴発生器12が材料小滴34を吐出する位置は、基板36に着地する前に粘性材料小滴34の水平方向変位を補償するようずれるはずである。このずれを求めるために、コンピュータ18は、314にて、図6にさらに示すドット配置較正サブルーチンを行う。
【0040】
コンピュータ18は、600にて、動きコントローラ62に、小滴発生器12を較正作業部26の加工面74の上にノズル48を配置する位置に移動させるよう命令する。コンピュータ18は、602にて、動きコントローラ62に、小滴発生器コントローラ70に図5の材料体積補償サブルーチンにより求められた最大速度で加工面74上に粘性材料ドットのラインを吐出させるよう命令する。その後、コンピュータ18は、604にて、動きコントローラ62に、ドットが吐出される経路と同じ経路に沿ってカメラ16を移動させるよう命令する。先に述べたようにして、コンピュータ18およびビジョン回路64は、ドットの直径の反対側の両エッジを検出し、コンピュータ18は、両エッジの地点の座標値を格納する。それらの格納された地点に基づいて、コンピュータ18は、ドットの中心の位置座標を求める。コンピュータ18は次に、606にて、小滴34が噴射されたときのノズル48の位置と加工面74上の個々のドット37の位置の差を求める。これらの2つの位置の差は、ずれ値としてコンピュータメモリ54に格納される。
【0041】
図3を参照すると、各種較正サブルーチンが行われた後、コンピュータ18は、316にて、コンベヤコントローラ66に、コンベヤ22を作動させ、非接触式噴射システム10内の定位置に基板36を搬送させるよう命令する。既知のようにして、自動基準認識(automatic fiducial recognition)システムは、基板上の基準点(fiducials)を突き止め、いかなるミスアライメントも補正して基板36が非接触式噴射システム10内に正確に配置されることを保証する。
【0042】
コンピュータ18は、318にて、堆積すべき粘性材料のラインの最初および最後の吐出地点の位置座標を求め、さらに、ドット配置較正の際に求めたずれ値を適用する。理解されるように、ずれ値は、基板上のラインの向きに応じてX成分およびY成分に分解されることができる。次に、コンピュータ18は、材料体積較正の際に求めた最大速度に小滴発生器12を加速させるのに必要とされる距離を求める。次に、最初および最後の地点間の経路に沿っているが、加速距離だけ最初の地点から変位される開始前の地点を画定する。その後、コンピュータ18は、320にて、動きコントローラ62にノズル48を移動させるように命令する。
【0043】
まず、動きコントローラは、開始前の地点に移動させるように命令され、次に、ずれ値だけ修正した最初の吐出地点に移動させるように命令される。このようにして、開始前地点に達した後、ノズルは最初および最後の吐出地点間の経路に沿って移動し始める。動きコントローラ62は次に、326にて、ノズル48が次の吐出地点、例えばずれ値だけ修正された最初の吐出地点に移動したときを判断する。次に、動きコントローラ62は、328にて、小滴発生器コントローラ70に噴射弁40を作動させ、第1のドットを吐出するコマンドを与える。したがって、第1のドットは、第1の吐出位置からずらされたノズル位置で噴射されるが、小滴発生器12および基板36間の相対速度に起因して、第1のドットは、所望の最初の吐出位置に着地する。
【0044】
その後、吐出プロセスは、他のドットを吐出するためにステップ322〜328を繰り返す。各繰り返しにつき、コンピュータ18は、動きコントローラ62に、小滴発生器12をドットピッチに等しい増分変位で移動させるコマンドを与える。ドットピッチに等しい連続した増分移動はそれぞれ、次の吐出地点を表し、326にて、動きコントローラ62により検出される。各増分移動を検出すると、動きコントローラ62は、328にて、粘性材料の小滴を吐出させるコマンドを小滴発生器コントローラ70に与える。最初の吐出地点がずれ値だけ修正されるため、他の増分的に決定される吐出地点の位置もまた、ずれ値だけ修正される。したがって、さらなる小滴が基板の所望の地点に塗布される。
【0045】
動きコントローラ62は、ずれ値だけ修正された最後の吐出地点に達したときを判定し、小滴発生器コントローラ70に最後のドットを吐出させるコマンドを与える。コンピュータ18は、330にて、すべてのドットが吐出されたときを判断する。
【0046】
したがって、ずれ値の適用により、ディスペンサ40に、ディスペンサが静止していた場合に吐出がなされる位置よりも前の位置に材料小滴34を噴射させる。しかしながら、ディスペンサ40が最大速度で移動しており、最大速度により求められたずれ値を使用する場合、そのずれ値によって求められた前進位置に小滴を噴射することによって、噴射された小滴34は、ドット37として基板36上の所望の場所に着地する。
【0047】
ステップ326〜330を繰り返す際、動きコントローラ62が、連続した吐出地点を絶対座標値に関してまたはドットピッチによって(ごとに)特定するかどうかに応じて相違があることに留意されたい。動きコントローラ62がドットピッチを追跡している場合、ずれ値は、ラインの最初および最後の吐出地点のみに適用される。しかしながら、動きコントローラ62が吐出地点のそれぞれの絶対位置値を求めている場合、ずれ値は、吐出地点のそれぞれについての絶対座標値から差し引かれる。
【0048】
使用の際、ドットサイズ、材料体積、およびドット配置較正は、顧客仕様、用いられる粘性材料のタイプ、用途要件などに応じて様々な回数で行われる。例えば、一群の部品についてのドット吐出プロセスの最初の開始時、例えば部品の機械への装填および機械からの脱装の際に全3つの較正が行われる。さらに、全3つのプロセスは、粘性材料が変わる任意の時点で行われる。さらに、較正は、設定された時間間隔、部分間隔で、あるいは各部分ごとで自動的に実行されることができる。吐出された重量、ドット径、またはドットサイズが変わる場合、新たな最大速度を得るように材料体積較正が再度行われ、さらに、最大粘度が変わる場合、新たなずれ値を得るようにドット配置較正が再度行われることにも留意されたい。
【0049】
ドットサイズ較正はまた、コンピュータ18のメモリ54に較正テーブル83(図2)を提供するように行われることができる。較正テーブル83は、各動作パラメータ、例えば温度、ピストン41の行程、および/または変換器80の動作パルスのオン時間などに較正されたある範囲のドットサイズを格納する。したがって、較正テーブル83は、特定のドットサイズを温度および/またはピストン行程および/または動作パルス幅に関連させる。さらに、それらの格納された較正に基づいて、ドットサイズをドット吐出サイクルの際にリアルタイムで変更して、所要のピストン行程または動作パルス幅を適宜調整することによって種々の用途要求を満たすことができる。種々の材料体積は予め既知であるため、一実施形態では、較正テーブル83から所望のドットサイズの選択を予めプログラムすることができる。
【0050】
上記の例のように、基板の第1の部分は、第1のドットサイズの3つのドットを吐出する必要がある第1の材料体積である必要があり、基板の第2の部分は、第1の部分上に吐出される第1のドットの3.5に等しい第2の材料体積を必要とする。第1のドットの半分は吐出されることができないため、第1の部分上に第1のドットを吐出した後であるが、第2の部分上にドットを吐出する前に、コンピュータ18は、較正テーブル83から異なる第2のドットサイズを選択する。第2のドットサイズは、自然数倍で、すなわち有効端数は入れずに、第2の材料体積に分けることができるものである。コンピュータ18は次に、小滴発生器コントローラ70に、ピストン行程を調整させるか、または動作パルス幅を変更させるコマンドを与えて、基板の第2の部分にドットを吐出する際に第2のドットサイズを与えることによって、第2の材料体積を吐出する。
【0051】
たいてい多くの場合、1つのサイズのドットが基板の一領域にわたって吐出されて所望の材料体積を達成するようになっているが、代替の用途では、所望の材料体積は、領域にわたって第1のサイズのドットを吐出し、次に同じ領域にわたって第2のサイズのドットを吐出することによって、より正確に達成することができる。したがって、第1および第2のサイズのドットそれぞれに対応するピストン行程または動作パルスオン時間を較正テーブルから読み取り、およびドット吐出サイクル間で適宜の調整を行うことができる。
【0052】
代替的に、用途によっては、所望の材料体積は、ある基板から別の基板にかけて、またはドット吐出プロセスにおいて検出された変化に基づいて変えることができる。それらの用途では、所望の材料体積の変化が検出されると、コンピュータ18は、較正テーブル83を走査し、吐出されると、変更された所望の材料体積を呈するドットサイズを選択することができる。理解されるように、各ドットサイズの選択に同じパラメータが用いられる必要はない。例えば、実際上、ドットサイズによっては、ピストン行程調整により、より正確または容易に達成されることができるものもあり、動作パルスオン時間の調整により、より容易に達成されることができるものもある。どのパラメータを使用するかの選択は、吐出ガンの性能および特性、吐出される材料、および他の用途に関連した要因によって決定される。さらに理解されるように、ドット吐出プロセスにおけるドットサイズを調整するのに温度も用いることができるが、温度変化に起因するドットサイズ変化を達成するのに必要とされる長い反応時間のため、温度の使用はあまり実用的とはならない。
【0053】
非接触式噴射システム10は、進行中に粘性材料ドットを基板上により正確に塗布する。第1に、非接触式噴射システム10は、温度をそれぞれノズル48の温度を上昇および低下させる別個のデバイス56および57を有する温度コントローラ86を有し、粘性材料がノズル48内にある間、その温度を正確に制御するようになっている。第2に、能動的にノズルを加熱または冷却することができることにより、吐出される体積またはドットサイズを、ノズル48の温度を変えることによって調整することが可能となる。さらに、後述するように、吐出される体積またはドットサイズは、ピストン41の行程、または変換器80のパルス動作のオン時間を調整することにより変えることができる。このことは、較正ドットサイズについて応答時間がより速い、比較的単純であまり費用のかからないシステムであるという利点を有する。さらに、非接触式噴射システム10により、ノズル48と基板36の相対速度を、粘性材料吐出特性と基板上に用いられる材料の指定された総体積の関数として自動的に最適化することが可能となる。さらに、最大速度を自動的かつ周期的に較正し直すことができ、基板上に粘性材料の所望の全量をより正確に吐出するという利点を伴う。さらに、非接触式噴射システム10は、ノズルおよび基板間の相対速度の関数として個々のドットが進行中に吐出される位置を最適化する。したがって、さらなる利点は、粘性材料ドットが基板上に正確に配置されるということである。
【0054】
本発明を、一実施形態の説明により示し、かなり詳細にその実施形態を説明してきたが、かかる詳細部に添付の特許請求の範囲を制限または何らかにより限定する意図はない。さらなる利点および変更は、当業者には容易に明らかであろう。例えば、記載される実施形態では、ドットサイズ、材料体積、およびドット配置較正は、全自動較正サイクルとして説明されている。理解されるように、代替の実施形態では、これらの較正プロセスは、用途およびユーザの選好に応じてユーザアクティビティを可能にするように変更することができる。
【0055】
図6は、ドット配置較正サブルーチンの一実施形態を示す。理解されるように、他の実施形態が他の較正プロセスを提供してもよい。例えば、代替のドット配置較正サブルーチンが図7に示される。この較正プロセスでは、コンピュータはまず、700にて、動きコントローラ62に、ノズル48を加工面74の上に位置決めするように小滴発生器12を移動させるよう命令する。その後、コンピュータは、702にて、動きコントローラ62に、小滴発生器12を第1の方向に一定速度で移動させるよう命令する。同時に、コンピュータは、704にて、小滴発生器コントローラ70に、噴射弁44を動作させ、粘性材料ドットを基準位置に塗布させるよう命令する。次に、コンピュータ18は、706にて、動きコントローラ62に、小滴発生器12を反対方向に一定速度で移動させるよう命令する。コンピュータ18は同時に、708にて、小滴発生器コントローラ70に、基準位置に粘性材料ドットを塗布させるよう命令する。その結果、粘性材料の2つのドットが加工面74に塗布されることになる。2つの噴射プロセスの際に全条件がほぼ同じであれば、ドット間の中間点は基準位置に位置するはずである。
【0056】
次に、コンピュータ18は、710にて、動きコントローラに、2つのドットにわたって、すなわちドットを塗布するのに用いられた経路と同じ経路に沿ってカメラを移動させるよう命令する。その動きの際、コンピュータ18およびビジョン回路64は、カメラ16から画像を監視し、ドットのそれぞれの各エッジ上の直径の反対側の地点について座標値を求めることができる。それらの地点が得られると、コンピュータ18は次に、ドットとドット間の中間点との間の距離を求めることができる。コンピュータ18は次に、712にて、中間点が基準位置の所定許容差内に位置するかどうかを判定する。所定許容差内に位置していない場合、コンピュータ18は、714にて、ずれ値を求めて格納することができる。ずれ値は、ドット間の測定距離の半分にほぼ等しいべきである。ずれ値の精度を確固とするため、ステップ702〜712を繰り返すことができる。しかしながら、ステップ704および708にてコンピュータ18が小滴発生器コントローラに小滴を噴射させるよう命令する位置は、ステップ714にて求められた値だけずらされる。712にて、コンピュータが、距離が許容差内に依然としてないと判定すると、プロセスのステップ702〜714が、許容可能な距離を呈するずれ値が求められるまで繰り返される。あるいは、ドット配置較正サブルーチンに高次の信頼性がある場合、714にてずれ値を求めて格納した後、プロセスは破線716で示すように単に図3の動作サイクルに戻ることができる。
【0057】
代替の実施形態では、小滴発生器12の速度とドット間の距離が分かると、コンピュータ18は、時刻先行オフセット(time advance offset)を求めることができる。すなわち、粘性材料小滴34を噴射する時間の増分は、小滴発生器12が基準位置に達するのに先立って先行するべきである。
【0058】
図4は、ドットサイズ較正サブルーチンの一実施形態を示す。理解されるように、他の実施形態が他の較正プロセスを提供することもでき、例えば、図8に代替のドット配置較正サブルーチンが示されている。図4に示された較正プロセスの場合のように、コンピュータ18は、ノズル48内の粘性材料の温度を変えることで、粘性材料の粘度および流れ特性を変えることによって、ドットサイズまたは体積を変えるドットサイズ較正を行う。しかしながら、図8のプロセスは、測定デバイスとしてカメラ16の代わりに重量計52を用いる。この較正プロセスの第1のステップでは、コンピュータ18は、800にて、動きコントローラ62に、ノズル48が重量計52の台76の真上にくるように小滴発生器12を較正作業部52に移動させるよう命令する。次に、802にて、コンピュータ18は、小滴発生器コントローラ70に台76上にドットを吐出させるよう命令する。理解されるように、多くの場合、吐出されるドットは、重量計52の分解能範囲内では検出可能ではない。したがって、重量計52により、吐出される材料の重量の統計的に信頼性のある測定を行うために、かなりの数のドットが吐出される必要がある場合がある。しかしながら、重量計が十分に高い分解能を有する場合、粘性材料の塗布される単一のドットのみを用いてドットサイズ較正をすることができる。
【0059】
吐出プロセスの終了時に、コンピュータ18は、804にて、重量計52から、吐出されたドットの重量を表す重量フィードバック信号をサンプリングする。コンピュータ18は次に、806にて、コンピュータメモリ54に格納された指定重量と吐出された重量を比較し、吐出された重量が指定重量よりも少ないかどうかを判定する。少ない場合、コンピュータ18は、808にて、ヒータ/クーラコントローラ60に、温度設定点を一定量の増分で上げさせるコマンド信号を供給する。次に、ヒータ/クーラコントローラ60は、ヒータ56をオンにし、熱電対58からの温度フィードバック信号を監視することによって、ノズル48およびその内部の粘性材料の温度を新たな温度設定点に等しい温度に急速に上げる。温度の上昇が達成されると、コンピュータ18は、動きコントローラ62および小滴発生器70に、先に述べたプロセスのステップ802〜806を再度行わせるコマンド信号を供給する。温度の上昇により粘性材料の粘度を下げることで、より大きな体積および重量ならびにより大きなドット直径を有する各ドットが得られ、このより大きな重量は、806にて、指定ドット径と再び比較される。吐出された重量が依然として小さすぎる場合、コントローラ18は再度、808にて、温度設定点の値を再び上げさせるコマンド信号を供給する。プロセスのステップ802〜808は、コンピュータ18が、現時点で吐出された重量が指定重量に等しいか、または指定重量の許容可能誤差内にあると判定するまで繰り返される。
【0060】
コンピュータ18は、806にて、吐出された重量が小さすぎないと判定すると、810にて、吐出された重量が大きすぎるかどうか判定する。大きすぎる場合、コンピュータ18は、812にて、一定量の増分で温度設定点を下げさせるコマンド信号をヒータ/クーラコントローラ60に供給する。温度設定点を下げる場合、ヒータ/クーラコントローラ60は、クーラ56をオンにするように動作可能であり、熱電対58からの温度フィードバック信号を監視することにより、ノズル48およびその内部の粘性材料の温度を新たに下がった温度設定点の値に等しい温度に急速に下げる。粘性材料の温度を下げることによって、その粘度値は上がり、したがって、後続の吐出動作の際、各ドットは、体積および重量がより少なく、ならびに直径がより小さい。ここでも同様に、プロセスのステップ802〜812が、吐出された重量が指定重量に等しい値または指定重量の許容差内の値に下がるまで繰り返される。
【0061】
図8に示されたドットサイズ較正プロセスでは、コンピュータ18は、指定重量が達成されるまで吐出される重量を吐出かつ測定することでプロセスを繰り返す。代替の実施形態では、特定の粘性材料についての温度の変化と吐出される重量の変化の関係は、実験により、または他の方法で決定されることができる。この関係は、算術アルゴリズムまたは吐出される重量の変化を温度の変化と関連させるテーブルのいずれかとしてコンピュータ18に格納されることができる。多数の種々の粘性材料についてのアルゴリズムまたはテーブルを作成し、かつ格納することができる。したがって、上述の繰返しプロセスの代わりに、吐出される重量が大きすぎるか、または小さすぎるかを量で判定した後、808および812にて、コンピュータ18は、格納されたアルゴリズムまたはテーブルを用いて、吐出される重量の所望の変化を与えるのに必要とされる温度変化を判定することができる。ヒータ/クーラコントローラ60に、温度設定点をその量だけ変えるように命令した後、プロセスは、破線814で示すように終了する。上述のドットサイズ較正プロセスも、吐出されるドット重量に基づいて行うことができる。吐出されるドット数が分かると、コンピュータ18は、804にて、吐出される各ドットの平均重量を求めることができる。
【0062】
ドット配置較正サブルーチンのさらなる代替の実施形態が図9に示される。図8に示した較正プロセスの場合のように、コンピュータ18は、重量計52からのフィードバック信号に基づいて、ドットサイズまたは体積を変更するドットサイズ較正を行う。しかしながら、図9のプロセスでは、ドットサイズは、ディスペンサ40内の制御弁44のピストン41の行程を調整することによって調整される。この較正プロセスの第1のステップでは、コンピュータ18は、900にて、動きコントローラ62に、ノズル48が重量計52の台76の真上にくるように小滴発生器12を較正作業部52に移動させるように命令する。次に、902にて、コンピュータ18は、小滴発生器コントローラ70に、台76上にドットを吐出させるように命令する。理解されるように、多くの場合、吐出されるドットは、重量計52の分解能範囲内で検出可能ではない。したがって、重量計52により、吐出される材料の重量の統計的に信頼性のある測定を行うように、かなりの数のドットが吐出される必要がある場合がある。しかしながら、重量計が十分に高い分解能を有する場合、粘性材料の塗布される単一のドットを用いてドットサイズ較正をすることができる。
【0063】
吐出プロセスの終了時に、コンピュータ18は、904にて、吐出されたドットの重量を表す、重量計52からのフィードバック信号をサンプリングする。コンピュータ18は次に、906にて、吐出された重量を、コンピュータメモリ54に格納された指定重量と比較し、吐出された重量が指定重量よりも少ないかどうかを判定する。少ない場合、コンピュータ18は、908にて、小滴発生器コントローラ70に、図2に示すように垂直方向上方にマイクロメータねじ53を移動させる方向にモータ61を動作させるようにピストン行程を増加させるコマンドを与える。コンピュータ18は次に、動きコントローラ62および小滴発生器70に、先に述べたプロセスのステップ902〜906を再び行なわせるコマンド信号を供給する。ピストン行程が増加する結果、より大きな体積および重量、ならびにより大きなドット径を有する各ドットが吐出される。吐出されたドットすべてのより大きな累積重量は、906にて、指定重量と再び比較される。直径が依然として小さすぎる場合、コントローラ18は再び、908にて、ピストン行程を増加させるコマンド信号を供給し、その結果、モータ61によりマイクロメータねじ53がさらに上方に移動する。プロセスのステップ902〜908は、現時点の吐出された重量が指定重量に等しいか、または指定重量の許容可能誤差内にあるかどうかをコンピュータ18が判定するまで繰り返される。
【0064】
コンピュータ18は、906にて、吐出された重量が小さすぎないと判定すると、910にて、吐出された重量が大きすぎるかどうかを判定する。大きすぎる場合、コンピュータ18は、912にて、小滴発生器コントローラ70にピストン行程を減少させるコマンド信号を供給し、その結果、図2に示すように、垂直方向下方にマイクロメータねじ53をモータ61が移動させる。ピストン行程が比較的小さい場合、後続する吐出動作の際、吐出される各ドットは、より少ない体積および重量、ならびにより小さな直径を有する。ここでも同様に、プロセスのステップ902〜912が、吐出される重量が指定重量に等しい値または指定重量の許容可能誤差内の値に下がるまで、繰り返される。
【0065】
図9のドットサイズ較正プロセスでは、コンピュータ18は、指定重量が達成されるまで吐出される重量を吐出かつ測定することでプロセスを繰り返す。代替の実施形態では、ピストン行程の変化と特定の粘性材料についての吐出される重量の変化との関係は、実験により、または他の方法で決定されることができる。この関係は、吐出される重量の変化をピストン行程の変化と関連させる算術アルゴリズムまたはテーブルのいずれかとしてコンピュータ18に格納されることができる。複数の種々の粘性材料についてのアルゴリズムまたはテーブルを作成し、かつ格納することができる。したがって、上述の繰返しプロセスの代わりに、吐出される重量が大きすぎるか、または小さすぎるかを量で判定した後、908および912にて、コンピュータ18は、格納されたアルゴリズムまたはテーブルを用いて、吐出される重量の所望の変化を与えるのに必要とされるピストン行程の変化を判定することができる。小滴発生器コントローラ70に、ピストン行程をその量だけ変えるように命令した後、プロセスは、破線914で示すように終了する。上述のドットサイズ較正プロセスはまた、吐出されるドット重量に基づいて行うことができる。吐出されるドットの数が分かると、コンピュータ18は、904にて、吐出される各ドットの平均重量を求めることができる。
【0066】
理解されるように、別の代替の実施形態では、図9に記載したプロセスと同様のプロセスにおいて、粘性材料の吐出される重量はまた、噴射弁44を動作させる変換器80に適用されるパルスのオン時間を調整することによって変えることもできる。例えば、ステップ908にて、吐出された重量が小さすぎるとの判定に応答して、コンピュータ18は、小滴発生器コントローラ70に、変換器80を動作させる信号のオン時間を増加させるように命令することができる。オン時間が増加すると、より多くの材料が吐出され、それにより、吐出される重量およびドットサイズが増大する。同様に、ステップ912にて、吐出された重量が多すぎるとの判定に応答して、コンピュータ18は、小滴発生器コントローラ70に、変換器80を動作させる信号のオン時間を減少させるように命令することができる。オン時間が減少すると、より少ない材料が吐出され、それによって、吐出される重量およびドットサイズが減少する。
【0067】
本発明を、いくつかの実施形態の説明により示すとともに、それらの実施形態をかなり詳細に説明してきたが、かかる詳細部に添付の特許請求項の範囲を制限または何らかにより限定する意図はない。さらなる利点および変更は、当業者には容易に明らかであろう。例えば、較正ルーチンは、静止面74上に粘性材料のドットを噴射するものとして説明されているが、理解されるように、代替の実施形態では、較正サイクルは、基板36上に粘性材料ドットを噴射することによって行われることができる。したがって、本発明は、その広範の態様において、示し記載された特定の詳細に限定されない。よって、添付の特許請求項の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に説明された詳細から逸脱がなされてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の原理による、コンピュータ制御された非接触式粘性材料噴射システムの概略図である。
【図2】図1のコンピュータ制御された非接触式粘性材料噴射システムの概略ブロック図である。
【図3】図1の粘性材料噴射システムの吐出サイクル動作を概略的に示したフローチャートである。
【図4】図1の粘性材料噴射システムを用いたドットサイズ較正プロセスを概略的に示したフローチャートである。
【図5】図1の粘性材料噴射システムを用いた材料体積較正プロセスを概略的に示したフローチャートである。
【図6】図1の粘性材料噴射システムを用いたドット配置較正プロセスを概略的に示したフローチャートである。
【図7】図1の粘性材料噴射システムを用いたドット配置較正プロセスの代替の実施形態を概略的に示したフローチャートである。
【図8】図1の粘性材料噴射システムを用いたドットサイズ較正プロセスを概略的に示したフローチャートである。
【図9】図1の粘性材料噴射システムを用いたドットサイズ較正プロセスのさらなる代替の実施形態を概略的に示したフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面上に粘性材料のドットを塗布する非接触式粘性材料噴射システムであって、
粘性材料源に接続されるようになっているノズルを有する噴射ディスペンサであって、前記表面に対し相対運動するように取り付けられる噴射ディスペンサと、
該噴射ディスペンサと作用するように接続される制御部であって、前記表面に塗布すべき粘性材料のドットの所望のサイズに関連した物理的特性を格納するメモリを有し、前記噴射ディスペンサに、前記表面上に粘性材料のドットを塗布するよう命令するように動作可能な制御部と、
該制御部に接続され、該制御部に、前記表面に塗布されたドットの検出されたサイズに関連した物理的特性を表すフィードバック信号を供給するデバイスと、
前記ノズルの温度を上げる第1のデバイス、および前記ノズルの温度を下げる第2のデバイスを含む温度コントローラであって、該制御部は、前記検出されたサイズに関連した物理的特性と前記所望のサイズに関連した物理的特性との相違に応答して、前記温度コントローラに、前記ノズルの温度を変えさせるように動作可能である温度コントローラと
を備える非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項2】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されるドットの直径によって決まる請求項1に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項3】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されるドットの体積によって決まる請求項1に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項4】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されるドットの重量によって決まる請求項1に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項5】
前記デバイスはカメラである請求項1に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項6】
前記デバイスは重量計である請求項1に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項7】
前記温度コントローラは、
前記制御部に接続されるヒータであって、前記制御部は、前記検出されたサイズに関連した物理的特性が前記所望のサイズに関連した物理的特性を下回っていることに応答して、該ヒータに前記ノズルを加熱させるように動作可能であるヒータと、
前記制御部に接続されるクーラであって、前記制御部は、前記検出されたサイズに関連した物理的特性が前記所望のサイズに関連した物理的特性を上回っていることに応答して、該クーラに前記ノズルを冷却させるように動作可能であるクーラと
を備える、請求項1に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項8】
ノズルを有する噴射ディスペンサを用いて表面上に粘性材料を吐出する方法であって、
該噴射ディスペンサを、前記表面上に粘性材料のドットを塗布するように動作させること、
前記表面に塗布されたドットのサイズに関連した物理的特性を求めること、および
前記表面に塗布されたドットのサイズに関連した物理的特性が所望値から外れていることに応答して、前記ノズルの温度を上げる第1のデバイスまたは前記ノズルの温度を下げる第2のデバイスの一方を動作させること
を含む方法。
【請求項9】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されるドットの重量によって決まる請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されるドットの体積によって決まる請求項8に記載の方法。
【請求項11】
前記表面に塗布されたドットの前記サイズに関連した物理的特性が前記所望値を下回ることに応答して、第1のデバイスにより前記噴射ディスペンサの前記ノズルの温度を上げること、および
前記表面に塗布されたドットの前記サイズに関連した物理的特性が前記所望値を上回ることに応答して、第2のデバイスにより前記噴射ディスペンサの前記ノズルの温度を下げること
をさらに含む請求項8に記載の方法。
【請求項12】
表面上に粘性材料を吐出する方法であって、
該表面に塗布すべき粘性材料のドットの所望のサイズに関連した物理的特性を準備すること、
ディスペンサと前記表面との間に相対運動を生じさせること、
該ディスペンサを、前記表面上に粘性材料のドットを塗布するように動作させること、
前記表面上のドットの検出されたサイズに関連した物理的特性を表すフィードバック信号を生成すること、および
前記検出されたサイズに関連した物理的特性が前記所望のサイズに関連した物理的特性と異なっていることに応答して、前記ノズルの温度を上げる第1のデバイスまたは前記ノズルの温度を下げる第2のデバイスの一方を動作させること
を含む方法。
【請求項13】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面上のドットの各直径によって決まる請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面上のドットの体積によって決まる請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面上のドットの重量によって決まる請求項12に記載の方法。
【請求項16】
表面上に粘性材料のドットを塗布する非接触式粘性材料噴射システムであって、
粘性材料源に接続されるようになっているノズルを有する噴射ディスペンサであって、前記表面に対し相対運動するように取り付けられる噴射ディスペンサと、
該噴射ディスペンサに作用するように接続され、前記噴射ディスペンサに、前記表面に粘性材料のドットを塗布することを命令するように動作可能な制御部と、
該制御部に接続され、該制御部に、前記表面に塗布されたドットの検出された重量を表すフィードバック信号を与えるデバイスと、
前記ノズルの温度を上げるか、または下げるように動作可能な温度コントローラであって、前記制御部は、前記表面に塗布されたドットの前記検出された重量が所望値と異なっていることに応答して、前記温度コントローラに、前記ノズルの温度を変えさせるように動作可能である温度コントローラと
を備える非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項17】
ノズルを有するディスペンサを用いて表面上に粘性材料のドットを吐出する方法であって、
該ディスペンサを、前記表面上に粘性材料のドットを塗布するように動作させること、
前記表面に塗布されたドットの重量を求めること、および
前記表面に塗布されたドットの重量が所望値から外れていることに応答して、前記ノズルの温度を変えること
を含む方法。
【請求項18】
表面上に粘性材料のドットを塗布する非接触式粘性材料噴射システムであって、
ノズルと、弁座に対して往復運動可能なピストンとを有し、粘性材料源に接続されるとともに前記表面との間に相対運動を生じるように取り付けられるようになっている噴射ディスペンサと、
前記噴射ディスペンサに作用するように接続され、前記表面に塗布すべき粘性材料のドットの所望サイズを表す所望ドットサイズ値を格納するメモリを有する制御部であって、該制御部は、前記ピストンが弁座から離れる行程を移動することを命令するように動作可能である制御部と、
前記ピストンは、粘性材料のドットとして前記表面に塗布される粘性材料の小滴を前記ノズルから噴射するために前記弁座へ向う行程を移動可能であり、
該制御部に接続され、該制御部に、前記表面に塗布されたドットのサイズに関連した物理的特性を表すフィードバック信号を与えるデバイスとを備え、
前記制御部は、前記表面に塗布されたドットのサイズに関連した物理的特性が前記所望のドットサイズ値と異なっていることを表す前記フィードバック信号に応答して、前記ピストンの行程を変えるように動作可能である非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項19】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されるドットの直径によって決まる請求項18に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項20】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されるドットの体積によって決まる請求項18に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項21】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されるドットの重量によって決まる請求項18に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項22】
前記デバイスはカメラである請求項18に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項23】
前記デバイスは重量計である請求項18に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項24】
弁座に対して往復運動可能なピストンを有する噴射ディスペンサを用いて表面上に粘性材料を吐出する方法であって、
前記弁座から離れる行程で前記ピストンを引くこと、
粘性材料のドットとして前記表面に塗布される粘性材料の小滴を前記ノズルから噴射するために、前記弁座へ向う行程で前記ピストンを移動させること、
前記表面に塗布されたドットの物理的特性を求めること、
前記物理的特性が所望値を下回っていること、または上回っていることそれぞれに応答して、前記ピストンの行程を増加または減少させること、および
前記表面に複数のドットを塗布し、前記所望値に近い複数のドットの物理的特性を維持するために、前記引くこと、前記移動させること、前記求めること、および前記ピストンの行程を増加または減少させることを繰り返すこと
を含む方法。
【請求項25】
弁座に対して往復運動可能なピストンを有する噴射ディスペンサを用いて表面上に粘性材料を吐出する方法であって、
前記表面に塗布すべき粘性材料のドットの所望のサイズに関連した物理的特性を表す所望のサイズに関連した物理的特性値を準備すること、
前記噴射ディスペンサと前記表面との間に相対運動を生じさせること、
前記弁座から離れる行程で前記ピストンを引き、次に、前記弁座へ向う行程で前記ピストンを移動させて、前記ノズルから粘性材料の小滴を噴射することを繰り返すことにより、前記表面に粘性材料の複数のドットを塗布すること、
前記制御部に対し、前記表面に塗布されたドットのサイズに関連した物理的特性を表すフィードバック信号を生成すること、および
平均のサイズに関連した物理的特性が前記所望のサイズに関連した物理的特性値とは異なっていることを表す前記フィードバック信号に応答して、前記ピストンの行程を変えること
を含む方法。
【請求項26】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されたドットの直径によって決まる請求項25に記載の方法。
【請求項27】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されたドットの重量によって決まる請求項25に記載の方法。
【請求項28】
前記サイズに関連した物理的特性は、前記表面に塗布されたドットの体積によって決まる請求項25に記載の方法。
【請求項29】
表面上に粘性材料のドットを塗布する非接触式粘性材料噴射システムであって、
ノズルと、弁座に対して往復運動可能なピストンとを有し、粘性材料源に接続されるとともに前記表面との間に相対運動を生じるように取り付けられるようになっている噴射ディスペンサと、
前記噴射ディスペンサに作用するように接続され、前記噴射ディスペンサに各ドットサイズの粘性材料を前記表面上に吐出させる個々の動作パラメータとドットサイズとを関係付ける値を有するテーブルを格納するメモリを有する制御部と
を備え、
該制御部は、前記ピストンに弁座から離れる行程を移動するよう命令するように動作可能であり、前記ピストンは、粘性材料のドットとして前記表面に塗布される粘性材料小滴を前記ノズルから噴射するために、前記弁座へ向う行程を移動可能であり、前記制御部はさらに、第1のドットサイズの複数の第1のドットを前記噴射ディスペンサにより前記表面上に吐出させる第1の動作パラメータを前記テーブルから選択し、その後、第2のドットサイズの複数の第2のドットを前記噴射ディスペンサにより前記表面上に吐出させる第2の動作パラメータを前記テーブルから選択するように動作可能である非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項30】
前記動作パラメータの各々は、温度、前記ピストンの行程、または動作パルスオン時間のうちの1つである請求項29に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項31】
弁座に対して往復運動可能なピストンを有する噴射ディスペンサを用いて表面上に粘性材料を吐出する方法であって、
前記表面上に個々のドットサイズの粘性材料を吐出させる各々の動作パラメータとドットサイズとを関連させる値を有するテーブルを準備すること、
前記テーブルから、第1のドットサイズに対応する第1の動作パラメータを利用すること、
前記弁座から離れる行程で前記ピストンを引き、次に、前記ノズルから粘性材料の小滴を噴射するために前記弁座へ向う行程で前記ピストンを移動させることを繰り返すことによって、前記表面に第1のドットサイズの第1の数の粘性材料ドットを塗布すること、
前記テーブルから、第2のドットサイズに対応する第2の動作パラメータを利用すること、および
前記弁座から離れる行程で前記ピストンを引き、次に、前記ノズルから粘性材料の小滴を噴射するために前記弁座へ向う行程で前記ピストンを移動させることを繰り返すことによって、前記表面に第2のドットサイズの第2の数の粘性材料ドットを塗布すること
を含む方法。
【請求項32】
前記各々の動作パラメータは、温度、前記ピストンの行程、または動作パルスオン時間のうちの1つである請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記表面は基板であり、該方法はさらに、前記基板の一部分に前記第1の数の粘性材料ドットを塗布すること、および前記基板の前記一部分に前記第2の数の粘性材料ドットを塗布することを含む請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記表面は基板であり、該方法はさらに、前記基板の一部分に前記第1の数の粘性材料ドットを塗布すること、および前記基板の異なる第2の部分に前記第2の数の粘性材料ドットを塗布することを含む請求項31に記載の方法。
【請求項35】
表面上に粘性材料のドットを塗布する非接触式粘性材料噴射システムであって、
ノズルを有し、粘性材料源に接続されるようになっており、前記表面との間に相対運動を生じるように取り付けられている噴射ディスペンサと、
該噴射ディスペンサに作用するように接続され、吐出すべき粘性材料の総体積を表す総体積値および前記総体積の粘性材料を吐出すべき長さを表す長さ値を格納するメモリを有する制御部であって、前記噴射ディスペンサに、前記表面に粘性材料の複数のドットを塗布するよう命令することによって、較正サイクルを行うように動作可能である制御部と、
該制御部に接続され、前記表面に塗布されたドットに含まれる粘性材料の量を表すフィードバック信号を該制御部に与えるデバイスと
を備え、
前記制御部は、前記フィードバック信号、前記体積値、および前記長さ値に応答して、前記噴射ディスペンサと前記表面との間の相対運動について最大速度値を求め、その結果、前記総体積の材料が前記長さにわたって吐出されることになる非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項36】
前記デバイスは重量計である請求項35に記載の非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項37】
制御部と作用するように接続されているディスペンサを用いて表面上に粘性材料を吐出する方法であって、
吐出すべき粘性材料の総体積を表す総体積値および前記総体積の粘性材料が吐出される長さを表す長さ値を準備すること、
前記ディスペンサを、前記表面に複数の粘性材料ドットを塗布するよう動作させること、
前記制御部に対し、前記表面に塗布された前記複数の粘性材料ドットに含有される粘性材料の量を表すフィードバック信号を生成すること、および
前記総体積の粘性材料が前記長さにわたって吐出されるように、前記ディスペンサと前記表面との間の相対運動の最大速度を求めること
を含む方法。
【請求項38】
前記最大速度を求めることは、
前記複数の粘性材料ドットのそれぞれに吐出された粘性材料の体積を求めること、
前記総体積値が表す粘性材料の前記総体積にほぼ等しくなるのに必要とされるドットの全数を求めること、
前記長さ値が表す前記長さにわたって、粘性材料ドットをほぼ均一に分配するのに必要とされるドットの全数の各ドット間の距離を求めること、および
粘性材料ドットの全数が前記長さにわたってほぼ均一に吐出されるように、前記ディスペンサと前記表面との間の最大相対速度を求めること
をさらに含む請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記最大速度を求めることは、
前記複数の粘性材料ドットのそれぞれに吐出された粘性材料の体積を求めること、
前記総体積値が表す粘性材料の前記総体積をほぼ均一に吐出するのに必要とされるドットの全数を求めること、
前記長さ値が表す前記長さにわたって、粘性材料ドットをほぼ均一に分配するのに必要とされるドットの全数の各ドット間の距離を求めること、および
前記最大相対速度で前記長さにわたって前記総体積の粘性材料を吐出するために、粘性材料ドットが前記ディスペンサから吐出されるレートを表すドットレート値を求めること
をさらに含む請求項37に記載の方法。
【請求項40】
表面上に粘性材料のドットを塗布する非接触式粘性材料噴射システムであって、
ノズルを有し、粘性材料源に接続されるようになっており、前記表面との間に相対運動を生じるように取り付けられている噴射ディスペンサと、
前記噴射ディスペンサと作用するように接続され、ずれ値を格納するメモリを有し、前記噴射ディスペンサを、第1の位置にて前記表面上に粘性材料のドットを塗布するよう動作させる制御部と、
該制御部に接続され、該制御部に、前記表面上の前記ドットの物理的特性の位置を表すフィードバック信号を供給するカメラと
を備え、
前記制御部は、前記表面上の前記ドットの位置を求めて、次に、第1の位置と前記表面上の前記ドットの位置との差を表すずれ値を求めるように動作可能である非接触式粘性材料噴射システム。
【請求項41】
制御部と作用するように接続される噴射ディスペンサを用いて表面上に粘性材料を吐出する方法であって、
前記噴射ディスペンサが前記表面上に粘性材料のドットを塗布するように動作可能である前記噴射ディスペンサの位置を表す第1の座標値を準備すること、
前記表面に対して相対速度で前記噴射ディスペンサを移動させること、
前記ディスペンサを、前記表面上に粘性材料ドットを塗布するよう動作させること、
カメラにより前記粘性材料ドットを検出すること、
前記表面上の前記粘性材料ドットの物理的特性の位置を表すフィードバック信号を生成すること、
前記表面上の前記粘性材料ドットの位置を表す第2の座標値を求めること、および
前記第1の座標値と前記第2の座標値との差を表すずれ値を求めること
を含み、
前記ずれ値は、前記表面上に粘性材料ドットを後続して塗布する際に前記第1の座標値を修正するのに使用される方法。
【請求項42】
制御部と作用するように接続される噴射ディスペンサを用いて表面上に粘性材料を吐出する方法であって、
前記表面に対して相対速度で前記噴射ディスペンサを移動させること、
前記噴射ディスペンサを、前記表面上に粘性材料ドットを吐出するよう動作させること、
前記噴射ディスペンサを動作させた時点で、前記噴射ディスペンサの位置を表す第1の座標値を格納すること、
前記表面上の前記粘性材料ドットの位置を表す第2の座標値を格納すること、および
前記第1の座標値と前記第2の座標値との差を表すずれ値を求めること
を含み、
前記ずれ値は、前記噴射ディスペンサの後続の動作の際、前記第1の座標値を修正するのに使用される方法。
【請求項43】
制御部と作用するように接続される噴射ディスペンサを用いて表面上に粘性材料を吐出する方法であって、
(a) 前記表面に対して第1の方向に第1の速度で前記噴射ディスペンサを移動させること、
(b) 前記表面上に第1の粘性材料ドットを塗布するために、前記表面に対して第1の位置にて前記噴射ディスペンサを動作させること、
(c) 前記表面に対して第2の方向に第2の速度で前記噴射ディスペンサを移動させること、
(d) 前記表面に第2の粘性材料ドットを塗布するために、前記表面に対して第2の位置にて前記噴射ディスペンサを動作させること、
(e) 前記第1の粘性材料ドットと前記第2の粘性材料ドットとの間の距離を求めること、および
(f) 前記第1の相対位置についてずれ値を求めること
を含む方法。
【請求項44】
前記第2の方向は前記第1の方向と反対である請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の相対速度は前記第2の相対速度に等しい請求項44に記載の方法。
【請求項46】
(a) 前記表面に対して第1の方向に第1の速度で前記噴射ディスペンサを移動させること、
(b) 前記表面に別の粘性材料ドットを塗布するために、前記ずれ値によって修正された前記第1の位置にて前記噴射ディスペンサを動作させること、
(c) 前記表面に対して第2の方向に第2の速度で前記噴射ディスペンサを移動させること、
(d) 前記表面上にさらなる粘性材料ドットを塗布するために、前記第2の位置にて前記噴射ディスペンサを動作させること、
(e) 前記他の粘性材料ドットと前記さらなる粘性材料ドットとの間の距離を求めること、
(f) 前記他の粘性材料ドットと前記さらなる粘性材料ドットとの間の距離が前記ステップ(a)〜(d)を後続して繰り返す際に縮まるように、前記第1の相対位置についてずれ値を求めること、及び
前記他の粘性材料ドットと前記さらなる粘性材料ドットとの間の距離が所望値に等しくなるまで前記ステップ(a)〜(f)を繰り返すこと
をさらに含む請求項43に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−6324(P2009−6324A)
【公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−209158(P2008−209158)
【出願日】平成20年8月15日(2008.8.15)
【分割の表示】特願2004−151337(P2004−151337)の分割
【原出願日】平成16年5月21日(2004.5.21)
【出願人】(391019120)ノードソン コーポレーション (150)
【氏名又は名称原語表記】NORDSON CORPORATION
【Fターム(参考)】