説明

非接触式ICカードホルダー

【課題】電波吸収体層(例えばフェライト層)を用いないカードホルダーであって、2〜4枚の非接触式ICカードを収納したカードホルダーにおいて、カードリーダ面にカードホルダーの全面の表裏どちら側をかざしても、他のICカードとの混信が発生しないカードホルダーであって、携帯時に複数のICカードを導電体カード保持シートに積層し、スキミング防止が完全であり、製造費が安価な構造のカードホルダーを提供する。
【解決手段】2〜4枚の長方形状のICカード保持シート及び1枚の導電体カード保持シートとからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの連結部を介して導電体カード保持シートの辺に連結されてなり、嵌合形式の固定手段によってICカード保持シートと導電体カード保持シートからなる積層構造を脱着自在に固定することによって、ICカード保持シートと導電体カード保持シートとの一体的携帯時の積層構造を形成し、目的のICカードのみを積層領域から取り出せる構造にする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の非接触式ICカードをまとめてカードホルダーに収納した場合、カードホルダーから非接触式ICカードを取り出さないでカードホルダーに入れたまま、カードリーダ面にかざして使用する時に生じる、収納されている複数のICカードの読み取りエラーを防止することができる非接触式ICカードホルダーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カードリーダ面にかざすだけで、非接触式でカードリーダ面に設けられたアンテナ(以下リーダアンテナという)から発信された磁力線の信号と交信することができる非接触式ICカードが普及してきている。
現在、非接触式ICカードは種類等、異なるものが複数共存している。そのため、2枚以上の非接触式ICカードを、例えば定期入れなどのカードケースに重ねて入れて持ち歩く機会が多くなっている。
この場合、定期入れ又はカードホルダーに2枚以上の非接触式ICカードを収納したままカードリーダ面にかざすと、非接触式であるために、2枚以上の非接触式ICカードが同時にカードリーダと交信することとなり、読み取りエラーが生じる問題がある。
このような問題を解決するために、従来技術としては、該導電体シートの両側に、フェライト等の電波吸収体(磁性体)層を設け、その電波吸収体層の両側の面に、2枚の非接触式ICカードを3枚積層してカード入れに収納し、使用時には使用すべきICカードの表面になる側を選択して、カードリーダ面にかざして使用するものが知られている(特許文献1及び特許文献2)。
これらの従来技術のカードホルダーは、収納されている2枚の非接触式ICカードの間の導電体カード(金属シート又は金属粉混合樹脂シートなどをカード状に成形したものをいう)は、例えば、特許文献2に見られるように、非接触式ICカードの寸法よりも導電体カードの寸法を大きくして、カードリーダ面から見て、導電体カードの反対側にある非接触式ICカードと、リーダアンテナからの磁力線を幾何学的に遮断して反対側の非接触式ICカードが作動しないようにし、カードリーダ面から見て、導電体カードの手前側にある非接触式ICカードが、裏面側にある導電体カードによってリーダ面のアンテナからの発信された磁力線が妨害されないようにすると共に、導電体カードの手前側にある非接触式ICカードに集中させ、導電体カードの手前側に磁力吸収体層を設ける技術的思想である。
【0003】
また、フェライト等の電波吸収体(磁性体)層を、導電体シートの両側に設けないカードホルダー(特許文献3)が提案されている。
図19(a)のように、特許文献3のカードホルダーは、導電体をシート状にした導電体カードを保持した導電体カード保持シートCの両面に2枚のICカード保持シートA及びICカード保持シートBを重ねて3枚積層シートの側縁の綴じ部Xで束ねた冊子形状を形成して、ICカード保持シートAのみを図19(b)のように水平に開くと、左側のICカード保持シートA内の非接触式ICカードのみがカードリーダと交信可能となり、右側の非接触式ICカード保持シートBは、導電体カード保持シートCが密着しているので、カードリーダとの交信は遮断される。また、図19(b)から図19(c)のように導電体カード保持シートCを垂直の状態を経由して反対側のICカード保持シートAの上に導電体カード保持シートCを密着積層した状態にして、ICカード保持シートBのみを交信させることができる。
図19のカードホルダーは、図19(b)の場合、ICカード保持シートBの上からの磁力線は導電体カードCによって、完全に遮断される。しかし、ICカード保持シートBの下からの磁力線は、上に重ねられた導電体カード保持シートCがICカード保持シートBに密着していないと完全に遮断されない。
このICカードホルダーは、図19(b)のように開いた使用状態において、導電体カード保持シートCとこれに密着したICカード保持シートBの密着状態を固定する手段がなく、交信しない非接触式ICカード保持シートと導電体カード保持シートとの密着が固定されていないので、導電体カード保持シートが非接触式ICカード保持シートBの面から浮き上がり、非接触式ICカード保持シートBとカードリーダ面との混信が発生する欠点がある。
さらに、ICカードホルダーの使用に際して、図19(a)の3枚重ねのカードホルダーを開くときに導電体カード保持シートCとICカード保持シートAの間を開くつもりで、導電体カード保持シートCとICカード保持シートBとの間を間違えて開きやすい欠点がある。
そして、ポケット又は手提げ鞄等に入れて携帯するときに、冊子が開きやすく、ICカードが導電体カードから離れるので、スキミングされる恐れが生じる。
また、冊子型の3枚重ねのカードホルダーは、綴じ部Xの3枚を同時に接合する構造の製造が困難となる問題点が生じる。
【特許文献1】特許第3630006号公報
【特許文献2】特許第3872496号公報
【特許文献3】実用新案登録第311362号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、電波吸収体層(例えばフェライト層)を用いないカードホルダーであって、2〜4枚の非接触式ICカード(以下単にICカードという)を収納したカードホルダーにおいて、カードホルダーからカードリーダ面と交信させるベきICカードをICカード保持シートから取り出すことなく、カードリーダ面にカードホルダーの全面の表裏どちら側をかざしても、他のICカードを読み取るエラー、すなわち他のICカードとの混信が発生しないカードホルダーを提供すると共に、携帯時に複数のICカードを導電体カード保持シートにピッタリと積層し、スキミング防止が完全であり、製造費が安価な構造のカードホルダーを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、ICカードのアンテナとリーダアンテナとの交信を遮断するのは、導電体シートがICカードのリーダアンテナから磁力線が照射される側の面に密着している場合のみではない。すなわち、磁力線が照射される側の裏面側に導電体シートがピッタリと密着している場合には、ICカードのアンテナとリーダアンテナとの交信を確実に遮断する知見を得て、この知見に基づき、複数のICカードと1枚の導電体シートの全体をまとめて積層した状態で持ち歩くことができ、カードリーダ面にICカードの1枚を使用するときは、使用すべきICカードを収納したICカード保持シートのみが導電体シートの積層状態になく、他のICカードは全て導電体シート面と密着固定された状態でカードホルダー全体をカードリーダ面にかざすことができるカードホルダーの構造を案出して本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)2枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、2枚の長方形状のICカード保持シートの一方が導電体カード保持シートの表面側に積層され、他方は導電体カード保持シートの裏面側に積層されるものであって、2枚のICカード保持シートの内面には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段が設けてなり、該嵌合形式の固定手段がICカード保持シートと導電体カード保持シートの積層時に当接する導電体カード保持シートの表面及び裏面の位置に前記嵌合形式の固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートを中間にして、導電体カード保持シートの表面側に1枚のICカード保持シートを積層固定し、導電体カード保持シートの裏面側に他の1枚のICカード保持シートを積層固定し、合計3枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー、
(2)2枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、2枚の長方形状のICカード保持シートの一方が導電体カード保持シートの片面に積層され、他方は積層された前記ICカード保持シートの上に積層されるものであって、2枚のICカード保持シートの少なくとも一方の内面の先端縁には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段が設けてなり、該嵌合形式の固定手段が導電体カード保持シートにICカード保持シートを重ねた場合に該固定手段に嵌合する固定手段が導電体カード保持シート面に設けられてなり、さらに、該嵌合形式の固定手段が他方のICカード保持シートとの積層時に当接する他方のICカード保持シートの外面の位置に前記嵌合形式の固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートの内面側に、2枚のICカード保持シートを2辺の連結部で折り重ねて積層固定し、合計3枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー、
(3)2枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、2枚の長方形状のICカード保持シートの一方が導電体カード保持シートの片面に積層され、他方は積層された前記ICカード保持シートの上に積層されるものであって、2枚のICカード保持シートの少なくとも一方の内面の先端縁には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段が設けてなり、該嵌合形式の固定手段が他方のICカード保持シートの上に積層したときに当接する他方のICカード保持シートの外面の位置に前記嵌合形式の固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートの内面側に、2枚のICカード保持シートを左右から折り重ねて積層固定し、合計3枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー、
(4)2枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、2枚のICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの隣接する2辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、2枚の長方形状のICカード保持シートが導電体カード保持シートの片面に積層され、2枚のICカード保持シートの1枚は、既に積層されている他方のICカード保持シートの上を長方形の縦横を交叉して跨ぐように積層されるものであって、跨ぐように積層されるICカード保持シートの内面側の先端縁には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段を有し、該嵌合形式の固定手段が積層時に対向して当接する導電体カード保持シートの位置にICカード保持シートの前記固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートの内面側に、2枚のICカード保持シートを縦横方向から折り重ねて積層固定し、合計3枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー、
(5)3〜4枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、3〜4枚のICカード保持シートの中の2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの一方の面側に重合積層され、残余の1〜2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの他方の面に重合積層されるものであって、導電体カード保持シートの表面又は裏面に、ICカード保持シート面を重合積層した場合に、導電体カード保持シートの面とICカード保持シート面とを脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段を有し、導電体カード保持シートの片面に2枚のICカード保持シートを重合積層するときは、さらに、既に積層されたICカード保持シートの外面とその上に積層するICカード保持シートの内面とを脱着自在に固定する固定手段を有し、導電体カード保持シートを中間にして、導電体カード保持シートの表面側に1〜2枚のICカード保持シートを積層し、導電体カード保持シートの裏面側に1〜2枚のICカード保持シートを積層し、合計4〜5枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー、
(6)3〜4枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、3〜4枚のICカード保持シートの中の2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの一方の面側に重合積層され、残余の1〜2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの他方の面に重合積層されるものであって、導電体カード保持シートの面に2枚のICカード保持シートが積層重合される場合は、該2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの隣接する2辺に連結されていて、ICカード保持シートから導電体カード保持シートを介して他方のICカード保持シートにL字型に連結されてなり、該2枚のICカード保持シートの先端縁には、導電体カード保持シートの面と固定する嵌合形式の脱着自在の固定手段を有し、2枚のICカード保持シートの1枚は、既に積層されている他方のICカード保持シートの上を長方形の縦横を交叉して跨ぐように積層されるものであって、跨ぐように積層されるICカード保持シートの内面の先端縁には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段を有し、該嵌合形式の固定手段が積層時に対向して当接する導電体カード保持シートの位置にICカード保持シートの前記固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートを中間にして、導電体カード保持シートの表面側に1〜2枚のICカード保持シートを固定し、導電体カード保持シートの裏面側に1〜2枚のICカード保持シートを固定し、合計4〜5枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー、
(7)保持シート面の嵌合形式の嵌合固定手段が、1組の面ファスナーである(1)〜(6)項のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー、
(8)面ファスナーがテープ状面ファスナーである(7)項記載の非接触式ICカードホルダー、
(9)保持シート面の嵌合形式の固定手段が1組の凹凸条嵌合型ジッパーである(1)〜(6)項のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー、
(10)導電体カード保持シートの導電体カードが中央部に孔がある金属板である(1)〜(9)項のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー、
(11)嵌合形式の固定手段が保持シート面の周縁に設けた(1)〜(10)項のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー、
(12)ICカード保持シート及び導電体カード保持シートの材質がポリプロピレン樹脂シートである(1)〜(11)項のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー、
(13)ICカード保持シート及び導電体カード保持シートの材質が皮又は合成皮革シートである(1)〜(12)項のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー、
(14)2〜4枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の中央部に貫通孔を有する導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されていて、2〜4枚のICカード保持シートの中の1〜2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの一方の面側に重合積層され、さらに、1〜2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの他方の面に振り分けて重合積層されるものであって、該積層中の導電体カード保持シートの表裏に直接積層される2枚のICカード保持シートの内面の中央部には、ICカード保持シート同士が互いに嵌合する脱着自在の固定手段を有し、該固定手段によって2枚のICカード保持シートを導電体カード保持シートの貫通孔の位置で嵌合固定されて、導電体カード保持シートを中間にして合計3枚の積層状態を積層中に保有し、ICカード保持シートを3〜4枚有する場合において、導電体カード保持シートの片面に2枚のICカード保持シートが上下に積層されるとき、上層側のICカード保持シートの内面及び下層側のICカード保持シートの外面に互いに嵌合する脱着自在の固定手段を有し、合計3〜5枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー、及び
(15)固定手段が面ファスナーである(14)項記載の非接触式ICカードホルダー、
を提供するものである。
さらに、本発明の好ましい態様として、
(16)ICカード保持シートが長方形状シートの3辺を閉鎖してなる袋体であり、該袋体は、長方形状の1辺に開口部を有するものである(1)〜(15)項記載の非接触式ICカードホルダー、
(17)ICカード保持シート及び導電体カード保持シートが、布である(1)〜(16)項記載の非接触式ICカードホルダー、
(18)導電体カード保持シートの導電体が厚さ0.05〜3mmの金属板である(1)〜(7)項記載の非接触式ICカードホルダー、及び
(19)導電体カードが金属アルミである(1)〜(18)項記載の非接触式ICカードホルダー、
を挙げることができる。
【発明の効果】
【0006】
本発明のICカードホルダーは、各ICカード保持シートが導電体カード保持シートに完全に折り重なる連結形式でありながら、全ICカード保持シートが異なる連結部によって連結しているので、携帯時には、導電体カード保持シートの磁力遮断領域に、全ICカード保持シートが積層された状態で、嵌合固定手段で固定され、スキミング防止効果を果すと共に、ICカードの使用時には、目的のICカード保持シートの連結部の折り曲げを伸ばすことによって、目的のICカード保持シートのみを導電体カード保持シートの磁力遮断領域から外して、カードリーダ面との交信を可能にすることができる。
また、本発明によるICカードホルダーは、2枚以上のICカードを、導電体カード保持シートの両面又は片面に異なる連結部の折り曲げ方によって積層して携帯しているので、使用しないICカード保持シートを積層領域から分離させることなく、導電体カード保持シートに密着固定したまま、使用すべきICカード保持シートの連結部のみを伸ばして積層領域から分離して使用するときのICカード保持シートの選択が容易で、ICカード保持シートの取り出しを間違えない利点がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明のICカードホルダーは、2〜4枚のICカード保持シートが1枚の導電体カード保持シートに屈曲自在の連結部によって連結した構造に、嵌合形式の脱着自在の固定手段によって積層を固定する機能を持たせることによって、複数のICカード保持シートと導電体カード保持シートの積層状態を形成して、該積層状態の確実な密着固定によって、携帯可能とするとともに、ICカードのスキミングを防止し、かつ、嵌合形式の脱着自在の固定手段を外して、使用すべきICカードのみを導電体カード保持シートの積層領域から取り出して、他のICカードの混信を抑えて、使用すべきICカードのみを選択的に交信可能とする点に特徴がある。
本発明の構成の特徴である嵌合形式の脱着自在の固定手段は、ICカード保持シートの内面と導電体カード保持シートの面(場合によっては他のICカード保持シートの外面)の間を密着固定するものである。
本発明のICカードホルダーにおいて、ICカード保持シートが2枚の場合は、二つの連結部は必ず、導電体カード保持シートの異なる側縁に繋がっている。二つの側縁は導電体カード保持シートの対向する側縁又は隣接する側縁にすることができる。ICカード保持シートが3〜4枚の場合は、2枚が導電体カード保持シートの片面に重ねられ、残余のICカード保持シートは、その裏面側に重ねられる。
このとき、導電体カード保持シートの側縁に、2枚のICカード保持シートが繋がらないようにする方が望ましい。なぜなら、ICカードホルダーの製造工程において、導電体カード保持シート及び複数のICカード保持シートが連続的に繋がったシートを用いて製造できるので、工程が簡単で、製造経費が安くできる利点がある。1辺に二つのICカード保持シートを連結部で繋ぐと、冊子型の綴じ部の連結部となり、複数のシートの接合になり、製造工程が複雑になる。製造工程の簡便性を維持するためには、本発明の方式のICカードホルダーに収納できるICカードの枚数は、4枚が限度となる。
本発明のICカードホルダーのように、ICカード保持シートが導電体カード保持シートの各辺に分散している場合は、1辺で閉じる冊子型よりもICカード保持シートがばらけやすい。そのため、ICカードホルダーの積層を固定する脱着自在の固定手段の重要性は、冊子型の場合よりさらに大きくなる。
【0008】
本発明に用いる脱着自在の固定手段は、互いに脱着自在に嵌合する二つの構造が、固定すべき二つの面に別々に分けて設置されている固定手段であり、この固定手段によって固定された二つのシート面を指の力で簡単に引き剥がせて、指の押圧で簡単に接合密着することができるものであって、剥離力が負荷されない限り、上からの押圧及び横からのズレ力に対しては密着固定が維持できる固定手段であれば特に制限なく公知の固定手段を全て用いることができる。例えば、先端に鍵型若しくは釣鐘型の係止を有する無数の植毛を備えたシートとループ型の無数の植毛を有するシートとの組み合わせによる嵌合固定の面ファスナーによる固定手段及び凸条リブを有するプラスチックシートとこの凸条リブに嵌合する凹条溝を有するプラスチックシートを組み合わせた1組のプラスチックシートからなる凹凸条嵌合型ジッパー(ジップと呼ばれることもある)等が特に好適である。
本発明に用いる脱着自在の固定手段は、保持シートの面の全面及び一部に取り付けることができる。一部に取り付ける場合は、保持シートの側縁、中央部のどこにでも取り付けることができる。特に、ICカード保持シートを重ねたときのICカード保持シートの内面の先端縁又は内面の両側縁に取り付ける方法、又は中央部の広い面積、例えば長方形保持シートの50%以上の寸法の長方形状に取り付ける方法が、積層全面の密着性を確実にする点で望ましい。このとき、ICカード保持シートの固定手段が当接する位置に、嵌合対応する固定手段を設ける必要がある。
特に、ICカード保持シートの先端縁又は両側縁に設ける場合の脱着自在の固定手段は、細長いテープ状の固定手段、例えばテープ状面ファスナー又は凹凸条嵌合型ジッパーが、携帯時のICカードホルダーの厚さが大きくならない点で望ましい。
本発明のICカードホルダーは、2〜4枚のICカード保持シートが1枚の導電体カード保持シートに屈曲自在の連結部によって連結した構造に、嵌合形式の脱着自在の固定手段によって積層を固定する機能を持たせることによって、複数のICカード保持シートと導電体カード保持シートの積層状態を形成して携帯可能とするものであるが、該積層状態に含まれる導電体カード保持シートを中央にして、2枚のICカード保持シートを両面にサンドイッチ状に積層した構造において、導電体カード保持シートの中央部に貫通孔を設け、この貫通孔の位置で、両面に積層した2枚のICカード保持シートの中央部を嵌合形式の脱着自在の固定手段によって、固定する態様が導電体カード保持シート面の嵌合手段を省略でき、嵌合手段の厚さが導電体カード保持シートの貫通孔の厚さに隠れて、本発明のICカードホルダーの積層が嵌合手段によって、厚くならない利点がある。
本発明の各ICカード保持シートと導電体カード保持シートとは、屈曲自在の連結部で繋がっている。この連結部は、長方形状の導電体カード保持シートの4辺に設けられる。
【0009】
次に、本発明を実施態様の図面によって説明する。本発明は該図面によって制限されるものではない。
図1〜4で示すカードホルダーは、本発明の簡単な構造で製造コストが安価な実施態様(本発明の前記(1)項の態様)であり、2枚の長方形状のICカード保持シートA、B及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シートC1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部D、Eを介して連結されてなり、長方形状のICカード保持シートAが導電体カード保持シートCの表面側に積層され、他方のICカード保持シートBは導電体カード保持シートCの裏面側に積層されるものであって、2枚のICカード保持シートの面には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段としての面ファスナーH及びIが設けてなり、該嵌合形式の固定手段がICカード保持シートと導電体カード保持シートの積層時に当接する導電体カード保持シートの表面及び裏面の位置に前記嵌合形式の固定手段に嵌合する固定手段としての面ファスナーF及びGを有し、導電体カード保持シートを中間にして、導電体カード保持シートCの表面側に1枚のICカード保持シートAを積層固定し、導電体カード保持シートCの裏面側に他の1枚のICカード保持シートBを積層固定し、合計3枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダーである。
【0010】
図1は、本発明の2枚のICカードをそれぞれ保有した2枚のICカード保持シートと導電体カード保持シートからなるカードホルダーを、連結部を開いて展開した状態の展開平面図である。図2は、図1の側面の断面図であり、図3は、図1のカードホルダーの左側のICカード保持シートを導電体カード保持シートの上に重ね、右側のICカード保持シートを導電体カード保持シートの下に重ね、三重構造にしてカードホルダーを携帯するときの積層状態を示す側面図であり、図4は、図3の状態の左側ICカード保持シートを積層から剥がして、横に広げたカードホルダーの左側ICカード保持シートをリーダ面にかざすときの状態を示す側面図である。
図1の態様は、カードホルダーの材質は反復屈曲特性が他の樹脂と比較して飛びぬけて良好なポリプロピレン樹脂である。そのため、保持シートの厚さを0.1mm以上にしても、数十万回以上の反復屈曲を受けても連結部が破損することはない。
構造的には、図1〜2で示すように、導電体カード保持シートCを中央にして、導電体カード保持シートCの左縁の屈曲可能な連結部Dを介して、左側にICカード保持シートAが連結されて、導電体カード保持シートCの右縁の屈曲可能な連結部Eを介して、右側にICカード保持シートBが連結されて3枚のシートが屏風状に直列に繋がっている。この3枚シートの屏風状の連結状況は、積層3枚シートの一縁を綴じて冊子状にする従来技術の図19の形状とは、展開状態が異なり、ICカードホルダーの構造が基本的に相違する。また、図1の態様の変形として、2枚のICカード保持シートを導電体カード保持シートの隣接する側縁に設けて、3枚の保持シートをL字型に連結することもできる。この態様では屏風型の方が、製造、使用の両面において便利であるが、ICカードホルダーの意匠上の好みから、L字型にすることができる。
図1〜4のICカードホルダーは、3枚の保持シートが一体的に連続するポリプロピレン樹脂フィルムによって製造されている。
【0011】
本発明のICカードホルダーの材質はポリプロピレン樹脂に限定されるものではなく、定期入れなどの公知のカードホルダーに用いられていて、屈曲可能なシート若しくはフィルムであり、磁力線を遮断する物質を含有しないものであれば、特に材質を制限することなく使用することができ、例えば、合成樹脂フィルム、合成樹脂シート、布、不織布、ゴムシート、皮、合成皮革等を好適に使用することができる。合成樹脂フィルムを使用する場合は、屈曲反復強度が非常に優れている点で、ポリプロピレン樹脂フィルム又はシートが特に好ましい材質である。そして、屈曲部のみにポリプロピレン樹脂シートなどの屈曲自在の材料を用いて、保持シート部には、剛性シート、例えばセルロイド、アクリルシート又はガラス等を使用して、シート材料を複合させることができる。
また、ICカードホルダーの材質は、図の3枚の保持シート全体が一体的に連続した材質で製造することが製造工程が簡単で好ましい。
【0012】
これら材質のシートの厚さは、反復屈曲に耐える限り、特に制限なく、いかなる厚さのものも使用することができる。ポリプロピレン樹脂フィルムの場合は、厚さ0.5mm程度の厚さのシートにしても、反復屈曲に十分に耐える樹脂であるので、ポリプロピレンシートは、本発明の材質として特に好ましい。
保持シートにICカードを保持する手段は、ICカードが脱落しないように保持できて、ICカードの着脱自在の保持手段であれば特に制限なく採用することができ、特に、定期入れ等に採用されている二重の長方形シートの3辺を封鎖して形成した袋体部の開放した1辺からICカードを挿入して保持する方法が着脱自在の保持方法として好ましい。
保持シートに導電体カードを保持する手段は着脱自在にする必要はないので、どのような保持手段も採用することができる。例えば、二重の長方形シートの4辺を封鎖する方法、接着剤で導電体カードを保持シートに接着する方法等を採用することができる。
【0013】
さて、本発明の図1〜4の態様のICカードホルダーは、屏風状に連結したICカード保持シートA−導電体カード保持シートC−ICカード保持シートBからなっているが、3枚の各保持シートは、連続した2枚のポリプロピレン樹脂フィルムの積層フィルムによって形成されている。
ICカード保持シートAは、上下2枚のポリプロピレン樹脂フィルムの間に、ICカード1を挟み、ICカード1の長方形状の4辺の外縁に沿って二重積層フィルムの3周縁を熱溶着した周縁の溶着線Kによって形成されている。図2のICカード保持シートAの上面フィルムの右縁の内側に切目を付けて形成したICカード1の挿入口Lがある。
この態様の周縁の溶着線Kは、溶着幅を2〜3mm程度に広げて、周縁に剛性を付与することもできる。
ICカード保持シートAは、上下2辺及び側縁の溶着線Kによって3方が囲まれた長方形状の二重フィルム構造の隙間に、開放されている挿入口LからICカード1を滑りこませるように挿入して形成される。挿入口Lが連結部Dの方向に開口しているために、携帯時に、ICカードが袋体から脱落することはあり得ない。図2に示すように、ICカード保持シートAの上面の側縁には、面ファスナーHが融着固定されている。面ファスナーの固定方法は、特に制限はないが、面ファスナーの脱着が頻繁に反復されることから、粘着剤による粘着固定よりも、面ファスナーの裏面をICカード保持シートAの表面に融着固定若しくは接着剤で面ファスナーが脱落しないように硬く固定することが望ましい。
ICカード保持シートAは、右端の連結部Dを介して、導電体カード保持シートCに繋がっている。連結部Dは、2枚のポリプロピレン樹脂シートが熱圧着して形成されていて、熱圧着の際に、連結部Dの形状に上方向に曲がりやすいように凹状の曲げ癖がつけられている。この連結部Dを上方に折り曲げて、ICカード保持シートAを180度回転させて、ICカード保持シートAを導電体カード保持シートCの上面に重ねて、ICカード保持シートAの面と導電体カード保持シートCの表面を密着させると、両方の保持シートの端縁に設けた面ファスナーHとFの面が当接して、面ファスナーの面同士が嵌合して保持シートの面が密着固定される。ICカード保持シートAの面ファスナーHと導電体カード保持シートCの下面の面ファスナーFは、面ファスナーHが雄型であれば、面ファスナーFは雌型である。
【0014】
本発明に用いる導電体カード保持シートに用いる導電体カードは、導電体のカードであれば特に制限なく使用でき、例えば金属、銅、アルミ、鉄等の板を好適に使用することができる。カードの厚さは、大きいほど、ICカードの裏面側に導電体カードが積層した場合の混信遮断効果が大きいが、厚すぎるとICカードホルダーの重量が重くなる。本願発明の導電体カードの厚さは、0.05〜3mm、好ましくは、0.1〜0.5mmを採用することができる。
導電体カードの外郭形状は、ICカードの寸法とほぼ同一又はICカードの寸法よりも縦横が5〜10mm大きいものも使用することができる。そして、ICカードのアンテナが存在しない中央部分に孔をあけたものも使用することができる。中央孔あき構造の導電体カードを用いると、同一重量の導電体カードの厚さを厚くできて、混信遮断効果を増加させることができる利点がある。
図1〜4のICカードホルダーのICカード保持シートBを、導電体カード保持シートCの上縁に連結して、3枚の保持シートをL型に連結することもできる。L字型連結のICカードホルダーは、図1〜4の屏風型ICカードホルダーと、3枚の保持シートの積層の構成及び使用手順は同一である。
【0015】
本発明の図1の実施態様の保持シートの別の連結態様、すなわち、導電体カード保持シートの片面上に2枚のICカード保持シートを2枚とも重ねて積層する図5〜6の態様(本発明の前記(2)項及び(3)項の態様)がある。
図5〜6の態様(本発明の前記(2)項の態様)は、構造としては、図1〜2の面ファスナーG及び面ファスナーIが、それぞれの保持シートの反対面に移動し、新たに、ICカード保持シートA及びICカード保持シートB下面の連結部に対向する側縁にそれぞれ面ファスナーJを設けた点のみが僅かに相違する。しかし、保持シートを積層する場合の方法は、導電体カード保持シートの左右の連結部Dは、両者とも図6の状態から上方に折り曲げられるために、図1〜2の態様とは積層構造が異なる。つまり、図1の屏風型ICカードホルダーに対して、図5〜6の態様は、観音開き型といえる。従来技術の図19の冊子型とは基本的に構造が相違する。
このICカードホルダーの重ね方としては、ICカード保持シートA又はBのいずれかを導電体カード保持シートCに重ねて、例えば、ICカード保持シートAを重ねた場合には、面ファスナーHを面ファスナーFに嵌合固定させて、まず、ICカード保持シートAを積層する。次いで、ICカード保持シートBをICカード保持シートAの上に重ねて、面ファスナーIをICカード保持シートAの外側にある面ファスナーJと嵌合固定することによって、3枚積層状態の固定を達成することができる。この3枚保持シートの積層状態では、面ファスナーG及びICカード保持シートBの下面の面ファスナーJは、携帯時の3枚積層の密着固定には何ら貢献していない。
しかし、面ファスナーGは、ICカード保持シートAを使用する場合に、図6の状態からICカード保持シートBを導電体カード保持シートCに重ねるときに、面ファスナーIと面ファスナーGを嵌合固定させて、ICカード保持シートBを導電体カード保持シートCに密着固定させることに貢献する。
【0016】
また、面ファスナーG及びICカード保持シートBの下面の面ファスナーJは、積層順序をICカード保持シートBを先に導電体カード保持シートに重ねてから、ICカード保持シートAを重ねる場合は積層及び使用時の保持シートの密着固定に貢献する。すなわち、図5〜6のICカードホルダーは、2枚のICカード保持シートのどちらを先に積み重ねても同一の積み重ね状態を形成することができて、しかも、確実に、目的のICカードのみを使用することができる。
この場合、例えばICカード保持シートBの面ファスナーJを削除しても、2枚のICカード保持シートの重ねる順序を間違えなければ、同一の効果を得ることができる。従って、図5〜6の構造の二つの面ファスナーJのいずれか一方を削除することもできる。
さらに、図5〜6の導電体カード保持シートの面ファスナーF及びGをも削除しても、携帯時の密着固定は確保することができる(本発明の前記(3)項の態様)。面ファスナーF及びGを削除した場合は、一方のICカード保持シートを使用する場合に他方のICカード保持シートを導電体カード保持シートの上にしっかりと指で押えておく必要があるが、この点を使用時に注意すれば、2枚専用のICカードホルダーとしては十分に使用することができる。
【0017】
次に、図7〜8の態様は、導電体カード保持シートの片面に2枚のICカード保持シートを重ねる態様であって、ICカード保持シートA、導電体カード保持シートC及びICカード保持シートBがL字型に連結されている態様(本発明の前記(4)項の態様)である。図7は展開平面図であり、図8は図7を3枚積層した状態の側面図である。図7〜8の態様は、ICカード保持シートの2枚が導電体カード保持シートの片面に重ねられる点で観音開き型と同一であるが、L字型に連結されている点で相違している。また、ICカード保持シートA重ねる方向の長さを、その下にくるICカード保持シートBの長さより長くして、導電体カード保持シートCの面ファスナーFとICカード保持シートA面ファスナーHとが直接密着するようにすることができる。これも従来技術の図19と基本的に相違する構造である。
この態様は、2枚の長方形状のICカード保持シートA、B及び導電体カード保持シートC1枚とからなり、2枚のICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの隣接する2辺との間の屈折自在の連結部D、Dを介して連結されてL字型に繋がっている。まず、ICカード保持シートBが連結部Dを折り曲げて、導電体カード保持シートの片面に積層され、面ファスナーIと面ファスナーGによって積層が固定され、他方のICカード保持シートAは、図8の側面図に示すように、既に積層されているICカード保持シートBの上を交叉して跨ぐように積層され、跨ぐように積層されるICカード保持シートAの内面の先端縁には、面ファスナーHがあり、該面ファスナーHは導電体カード保持シートの連結部Dの反対側の側縁にある面ファスナーFと嵌合固定して、3枚の積層を固定することができる。この固定によって携帯時の固定は完成する。そして、このICカードホルダーを使用するときは、図8の状態からICカード保持シートAのみを剥がして、ICカード保持シートBは、面ファスナーIと面ファスナーGによって、導電体カード保持シートCに密着固定した状態で、カードリーダ面にかざすことができる。また、ICカード保持シートBを使用するときは、一旦ICカード保持シートAを剥がしてから、ICカード保持シートBを剥がして、ICカード保持シートAを導電体カード保持シートCに重ねて、面ファスナーHと面ファスナーFで固定してから、ICカード保持シートBをかざして使用する。ICカード保持シートAを使用するとき、面ファスナーIと面ファスナーGを削除しても、ICカード保持シートBが導電体カード保持シートCから遊離しないように指で押えれば、誤作動しないように使用することができる。
【0018】
また、ICカード保持シートBを使用するときは、面ファスナーHと面ファスナーFによって、ICカード保持シートAと導電体カード保持シートCは密着固定されているので、指で押える必要はない。しかし、携帯時に上側に積層されるICカード保持シートと導電体カード保持シート面を固定する面ファスナーHと面ファスナーFの嵌合固定は、携帯時の積層を安定させるために必須である。すなわち、既に積層されている他方のICカード保持シートBの上を跨ぐように積層されるICカード保持シートAの内面の先端縁には、導電体カード保持シート面を固定する面ファスナーを有している(本発明の前記(4)項の態様)。図7〜8において、L字型の縦横のICカード保持シートAとICカード保持シートBの重ね合わせの順序を逆にして、面ファスナーの設置位置を変更して、同一の作用効果のICカードホルダーにすることができる。また、2枚のICカード保持シートの両方ともに、互いに相手方のICカード保持シートを跨げる長さにして、両方の先端縁に、導電体カード保持シートC面との固定手段を設けると、積層順序を間違える恐れがない上に、どちらのICカード保持シートを使用するときも、他のICカード保持シートの導電体カード保持シートとの密着を、指で押えなくとも確保できるので、最も望ましい本発明の前記(4)項の態様である。
図1〜8で説明した事例の本発明ICカードホルダーの屏風型、観音開き型及びL字型は、いずれもICカード保持シートの収納は2枚を限度としていて、3枚以上のICカードを収納することはできても、使用時にICカードホルダーから選択したICカードを取り出すことなく、カードリーダ面にかざすことができない。2枚重ねのICカードが混信するからである。
【0019】
本発明のICカードホルダーの別の態様には、3〜4枚のICカードを使用できるICカードホルダーとして、図9〜13の態様がある。
本発明の(1)項の態様(屏風型)に、(2)項若しくは、(3)項の態様(観音型)を組み合わせるか、(1)項の態様に(4)項の態様(L字型)の構造を、導電体カード保持シートの表裏に分けて組み合わせることによって、ICカード保持シート3〜4枚を有し、本発明のICカードホルダーの作用効果を有する発明を構成することができる。
すなわち、図9〜10の態様は、図5〜6((2)項の態様)と、図1の態様の変形((1)項の態様)を組み合わせた態様である。図9は展開平面図であり、図10は、図9の導電体カード保持シートの水平状態を維持して、上方の保持シートを導電体カード保持シートの下面に積層した場合の図9の下方の矢印の方向から見た側面図である。この態様は、保持シートとして、皮を用いている。
図9〜10の態様は、図5の展開平面図の導電体カード保持シートの上縁に裏面側に折り曲げる連結部Eを介して、3枚目のICカード保持シートSを繋いだ構造である。
すなわち、図5の片面に2枚のICカードホルダーを積層する態様と、導電体カード保持シートの両面に2枚のICカード保持シートを振り分けて積層する図1の態様を複合したものである。
各態様の構造の関係を、図9の構造を基準に解析すると、図9のICカード保持シートBを除去すれば、ICカード保持シートSを導電体カード保持シートCの裏面側に積層し、ICカード保持シートAを表側に振り分けて積層する図1の態様の変形となり、ICカード保持シートSを除去すれば2枚のICカードを導電体カード保持シートCの表側に重ねて積層する図5の態様となる。かくて、図9の態様の積層機能及びICカード保持シートの選択機能は、図1及び図5の説明を寄せ集めれば、説明できる。
携帯時の保持シートの重ね合わせの機能は、図1及び図5の態様と同様であり、使用時に他のICカードの混信を抑えて、目的のICカード保持シートのみをカードリーダ面と交信させることができる。
【0020】
図11〜12の態様は、図7〜8の態様((4)項の態様)に図1の態様((1)項の態様)を組み合わせた態様である。図11は、展開平面図であり、図12は、図11をそのまま積層したときの矢印方向から見た側面図である。図11の態様は保持シートとして布を用いている。
図11の構造は、図7の展開平面図の導電体カード保持シートCの右側側縁に、裏側に折り曲げられる連結部Eを介して、第3のICカード保持シートSを取り付けた構造である。図11の導電体カード保持シートの二つの連結部Dは、導電体カード保持シートCの表側に曲げられるが、ICカード保持シートSと導電体カード保持シートCと繋ぐ連結部Eは、導電体カード保持シートCの裏面側に折り曲げられて、ICカード保持シートSは、導電体カード保持シートCの裏面側に積層される。図11の構造のICカード保持シートSを除去すれば、図1の態様の変形になる。図11の態様の積層機能及びICカード保持シートの選択機能は、図1及び図7の説明を寄せ集めれば、説明できる。
図1のICカード保持シートBと同様に、ICカード保持シートSの裏面側先端に設けた面ファスナーiと導電体カード保持シートCの裏面側の側縁に設けた面ファスナーgとを嵌合させて、ICカード保持シートSを導電体カード保持シートCの裏面側に積層固定することができる。
その結果、3枚のICカード保持シートと導電体カード保持シートの合計4枚の積層状態で携帯できるICカードホルダーとなる。
図11〜12の導電体カード保持シートCの表側の積層構造は、図7〜8と完全に同一であり、裏面側の積層構造は、図1の態様の導電体カード保持シートCの裏面側の積層構造と同一である。
【0021】
そして、この図11〜12の構造は、図12の4枚積層状態から、目的のICカード保持シートのみを分離して、他の保持シートは、導電体カード保持シートと共に積層状態を維持させて、リーダ面にかざすことができる。
さらに、図13のICカードホルダーの態様は、図11〜12の態様に、ICカード保持シートRを、ICカード保持シートSと同様に取り付けて、ICカード保持シートSと共に、導電体カード保持シートCの裏面側にICカード保持シートRを折り曲げ積層可能にしたものである。図14は図13のa−aの線の断面図であり、図15は図13のb−bの線の断面図である。
図13のICカードホルダーは、図7〜8の態様を、導電体カード保持シートCの表側と裏側の両方に設けた態様のICカードホルダーである。図13のICカードホルダーは、4枚のICカード保持シートと導電体カード保持シートの5枚の積層構造にして携帯することができ、使用すべき1枚のICカード保持シートのみを積層から分離して使用することができる。
【0022】
図16の態様は、貫通孔のある導電体カード保持シートを用いて、これに、2枚のICカード保持シートを導電体カード保持シートの表裏に振り分けて積層を有する態様の最も簡単な事例である。
導電体カード保持シートCは、長方形の導電体カードの中央部に長方形の貫通孔を有する導電体カード5を、同じく中央に長方形の貫通孔のある樹脂フィルム製保持シートによって、貫通孔を有する金属板の外周及び内周を封鎖したものである。この導電体カード保持シートCの左側には、ICカード保持シートAが連結部Eを介して連結している。ICカード保持シートAの裏面側の中央部には、矩形の面ファスナーHが取り付けられている。導電体カード保持シートCの右側には連結部Dを介してICカード保持シートBが繋がっている。ICカード保持シートBは、ICカード2が保持されて、その中央部には矩形の面ファスナーIが接着されている。図16の展開平面図のICカード保持シートAの連結部Eを下方に曲げて導電体カード保持シートCの裏面に積層すると、ICカード保持シートAの裏面の中央部に取り付けられていた面ファスナーHが導電体カード保持シートCの中央部の貫通孔の内部に図17のように露出する。この図17の状態から、ICカード保持シートBを上方に曲げて、導電体カード保持シートCに積層して、導電体カード保持シートCの貫通孔の位置で、導電体カード保持シートCの中央に露出しているICカード保持シートAの面ファスナーHとICカード保持シートBの面ファスナーIとを密着嵌合させると、導電体カード保持シートCを中間にして「ICカード保持シートA−導電体カード保持シートC−ICカード保持シートB」の3層の積層構造を形成することができ、図18のように、ICカード保持シートBの表面のみが保持シートの透明樹脂シートの面越しに見える状態となる。図18を裏返せば、ICカード保持シートAのICカード1の表面のみが透明樹脂シート越しに見える状態となる。表側又は裏側のいずれかのICカードを選択して、これを積層から剥がして、カードリーダ面にかざせば、目的のICカードのみを使用することができる。
この3層積層構造は、面ファスナーHと面ファスナーIによって積層の中央部が固定されている。面ファスナーHと面ファスナーIの積層の厚みは、導電体カード保持シートの中央貫通孔の厚みに嵌まり込むので、面ファスナーの厚さによって本発明のICカードホルダーの積層が保持シートの中央部で膨らむことはない。
【0023】
図16の展開平面図の導電体カード保持シートの他の辺に、ICカード保持シートをさらに1〜2枚連結することができる(前記(14)項の態様)。ここに増加されたICカード保持シートには、他の2枚のICカード保持シートと同様に、内面の中央に面ファスナーを設けることが望ましい。そして、この面ファスナーは、既に積層されているICカード保持シートの外面の中央部に設けた面ファスナーと嵌合形式で固定することができる。ICカード保持シートが2枚の場合の図16の場合は、ICカード保持シートの外面の中央部に面ファスナーを設ける必要がない。ICカード保持シートが3枚以上になると、2枚のICカード保持シートを設ける面のICカード保持シートの外面に面ファスナーを設ける必要が生じる。2枚のICカード保持シートを導電体カード保持シートの片面に積層する場合の面ファスナーの位置は必ずしもICカード保持シートの中央部である必要はなく、両面が当接する位置であれば、側縁に設けることができる。
この3〜4枚のICカード保持シートを用いる態様においては、導電体カード保持シートの片面に2枚のICカード保持シートが重ねられる場合に、両方のICカード保持シートの内面の中央部に面ファスナーを設け、両方のICカード保持シートの外面の中央部に面ファスナーを設けておくと、2枚を重ねる順序に関係なく、同様に、片面に2枚の積層状態を形成することができ、形態に際して、積層順序を注意する必要がないので、便利である。
【0024】
本発明の作用機構は、従来技術に記載されている冊子型のICカードホルダーにおいて、図19(b)の状態で、下方から来たICカードリーダ面からの磁力線も、ICカード保持シートの裏面にある導電体カード保持シートの導電カードによって遮断される。
このとき、導電体カード保持シートのカードがICカード保持シートに密着しているほど作用効果が大きく、導電体カードの厚さが厚いほど大きい。また、導電体カードは、中央部に孔が空いていても磁力線遮断効果は殆ど変化しない。従って、導電体カードの厚さを大きくして、中央部に孔をあけて作用効果を大きくして軽量にすることができる。導電体カード保持シートの導電体カードの厚さとしては、0.05〜3mmのアルミ、鉄、銅、鉛等の金属板を用いることができる。アルミは軽量な点で有利であるが、混信防止及びスキミング防止作用の点では、鉄、鉛が有効である。
【産業上の利用可能性】
【0025】
本発明の非接触式ICカードホルダーは、複数の非接触式ICカードを収納するカードホルダーとして使用することができる。カードホルダーに複数枚の非接触式ICカードを収納したまま、使用したい1枚の非接触式ICカードのみをカードリーダにかざして、正常に使用することができる点で多数のICカードシステムが普及する社会にとって有用である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明のICカードホルダーの実施形態の一例を示す展開平面図である。
【図2】図1の側面の断面図である。
【図3】図2の状態を折り曲げた積層状態を示す側面図である。
【図4】図3の積層の上面のICカード保持シートを水平に伸ばした使用時を示す側面図である。
【図5】本発明の他の実施形態のICカードホルダーを示す展開平面図である。
【図6】図5の側面の断面図である。
【図7】本発明ICカードホルダーの他の実施形態を示す展開平面図である。
【図8】図7の携帯時の積層状態を示す側面図である。
【図9】本発明ICカードホルダーの他の実施形態を示す展開平面図である。
【図10】図9の携帯時の積層状態を示す側面図である。
【図11】本発明ICカードホルダーの他の実施形態を示す展開平面図である。
【図12】図11の携帯時の積層状態を示す側面図である。
【図13】本発明ICカードホルダーの他の実施形態を示す展開平面図である。
【図14】図13のa−aの線の断面図である。
【図15】図13のb−bの線の断面図である。
【図16】本発明ICカードホルダーの他の実施形態を示す展開平面図である。
【図17】図16のICカード保持シートの一方を積層した状態の平面図である。
【図18】図16のICカード保持シートの両方を積層した状態の平面図である。
【図19】従来技術のICカードホルダーの側面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 ICカード
2 ICカード
3 ICカード
4 ICカード
5 導電体カード
A ICカード保持シート
B ICカード保持シート
C 導電体カード保持シート
D 連結部
E 連結部
F、f 面ファスナー
G、g 面ファスナー
H、h 面ファスナー
I、i 面ファスナー
J、j 面ファスナー
K 溶着線
L 挿入口
R ICカード保持シート
S ICカード保持シート
X 綴じ部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
2枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、2枚の長方形状のICカード保持シートの一方が導電体カード保持シートの表面側に積層され、他方は導電体カード保持シートの裏面側に積層されるものであって、2枚のICカード保持シートの内面には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段が設けてなり、該嵌合形式の固定手段がICカード保持シートと導電体カード保持シートの積層時に当接する導電体カード保持シートの表面及び裏面の位置に前記嵌合形式の固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートを中間にして、導電体カード保持シートの表面側に1枚のICカード保持シートを積層固定し、導電体カード保持シートの裏面側に他の1枚のICカード保持シートを積層固定し、合計3枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー。
【請求項2】
2枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、2枚の長方形状のICカード保持シートの一方が導電体カード保持シートの片面に積層され、他方は積層された前記ICカード保持シートの上に積層されるものであって、2枚のICカード保持シートの少なくとも一方の内面の先端縁には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段が設けてなり、該嵌合形式の固定手段が導電体カード保持シートにICカード保持シートを重ねた場合に該固定手段に嵌合する固定手段が導電体カード保持シート面に設けられてなり、さらに、該嵌合形式の固定手段が他方のICカード保持シートとの積層時に当接する他方のICカード保持シートの外面の位置に前記嵌合形式の固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートの内面側に、2枚のICカード保持シートを2辺の連結部で折り重ねて積層固定し、合計3枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー。
【請求項3】
2枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、2枚の長方形状のICカード保持シートの一方が導電体カード保持シートの片面に積層され、他方は積層された前記ICカード保持シートの上に積層されるものであって、2枚のICカード保持シートの少なくとも一方の内面の先端縁には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段が設けてなり、該嵌合形式の固定手段が他方のICカード保持シートの上に積層したときに当接する他方のICカード保持シートの外面の位置に前記嵌合形式の固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートの内面側に、2枚のICカード保持シートを左右から折り重ねて積層固定し、合計3枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー。
【請求項4】
2枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、2枚のICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの隣接する2辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、2枚の長方形状のICカード保持シートが導電体カード保持シートの片面に積層され、2枚のICカード保持シートの1枚は、既に積層されている他方のICカード保持シートの上を長方形の縦横を交叉して跨ぐように積層されるものであって、跨ぐように積層されるICカード保持シートの内面側の先端縁には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段を有し、該嵌合形式の固定手段が積層時に対向して当接する導電体カード保持シートの位置にICカード保持シートの前記固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートの内面側に、2枚のICカード保持シートを縦横方向から折り重ねて積層固定し、合計3枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー。
【請求項5】
3〜4枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、3〜4枚のICカード保持シートの中の2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの一方の面側に重合積層され、残余の1〜2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの他方の面に重合積層されるものであって、導電体カード保持シートの表面又は裏面に、ICカード保持シート面を重合積層した場合に、導電体カード保持シートの面とICカード保持シート面とを脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段を有し、導電体カード保持シートの片面に2枚のICカード保持シートを重合積層するときは、さらに、既に積層されたICカード保持シートの外面とその上に積層するICカード保持シートの内面とを脱着自在に固定する固定手段を有し、導電体カード保持シートを中間にして、導電体カード保持シートの表面側に1〜2枚のICカード保持シートを積層し、導電体カード保持シートの裏面側に1〜2枚のICカード保持シートを積層し、合計4〜5枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー。
【請求項6】
3〜4枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されてなり、3〜4枚のICカード保持シートの中の2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの一方の面側に重合積層され、残余の1〜2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの他方の面に重合積層されるものであって、導電体カード保持シートの面に2枚のICカード保持シートが積層重合される場合は、該2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの隣接する2辺に連結されていて、ICカード保持シートから導電体カード保持シートを介して他方のICカード保持シートにL字型に連結されてなり、該2枚のICカード保持シートの先端縁には、導電体カード保持シートの面と固定する嵌合形式の脱着自在の固定手段を有し、2枚のICカード保持シートの1枚は、既に積層されている他方のICカード保持シートの上を長方形の縦横を交叉して跨ぐように積層されるものであって、跨ぐように積層されるICカード保持シートの内面の先端縁には、導電体カード保持シート面を脱着自在に固定する嵌合形式の固定手段を有し、該嵌合形式の固定手段が積層時に対向して当接する導電体カード保持シートの位置にICカード保持シートの前記固定手段に嵌合する固定手段を有し、導電体カード保持シートを中間にして、導電体カード保持シートの表面側に1〜2枚のICカード保持シートを固定し、導電体カード保持シートの裏面側に1〜2枚のICカード保持シートを固定し、合計4〜5枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー。
【請求項7】
保持シート面の嵌合形式の嵌合固定手段が、1組の面ファスナーである請求項1〜6のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー。
【請求項8】
面ファスナーがテープ状面ファスナーである請求項7記載の非接触式ICカードホルダー。
【請求項9】
保持シート面の嵌合形式の固定手段が1組の凹凸条嵌合型ジッパーである請求項1〜6のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー。
【請求項10】
導電体カード保持シートの導電体カードが中央部に孔がある金属板である請求項1〜9のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー。
【請求項11】
嵌合形式の固定手段が保持シート面の周縁に設けた請求項1〜10のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー。
【請求項12】
ICカード保持シート及び導電体カード保持シートの材質がポリプロピレン樹脂シートである請求項1〜11のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー。
【請求項13】
ICカード保持シート及び導電体カード保持シートの材質が皮又は合成皮革シートである請求項1〜12のいずれか記載の非接触式ICカードホルダー。
【請求項14】
2〜4枚の長方形状のICカード保持シート及び該ICカード保持シートと略同寸同形の中央部に貫通孔を有する導電体カード保持シート1枚とからなり、各ICカード保持シートの長方形状の1辺は、導電体カード保持シートの同一の長さの1辺との間の屈折自在の連結部を介して連結されていて、2〜4枚のICカード保持シートの中の1〜2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの一方の面側に重合積層され、さらに、1〜2枚のICカード保持シートは導電体カード保持シートの他方の面に振り分けて重合積層されるものであって、該積層中の導電体カード保持シートの表裏に直接積層される2枚のICカード保持シートの内面の中央部には、ICカード保持シート同士が互いに嵌合する脱着自在の固定手段を有し、該固定手段によって2枚のICカード保持シートを導電体カード保持シートの貫通孔の位置で嵌合固定されて、導電体カード保持シートを中間にして合計3枚の積層状態を積層中に保有し、ICカード保持シートを3〜4枚有する場合において、導電体カード保持シートの片面に2枚のICカード保持シートが上下に積層されるとき、上層側のICカード保持シートの内面及び下層側のICカード保持シートの外面に互いに嵌合する脱着自在の固定手段を有し、合計3〜5枚の積層状態にして携帯できることを特徴とする非接触式ICカードホルダー。
【請求項15】
固定手段が面ファスナーである請求項14記載の非接触式ICカードホルダー。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2010−20392(P2010−20392A)
【公開日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−177894(P2008−177894)
【出願日】平成20年7月8日(2008.7.8)
【出願人】(500320039)
【出願人】(508053603)
【Fターム(参考)】