説明

非接触IDタグを利用した不正防止システム

【課題】1個の無線タグ3で固有ID情報や識別情報が第3者に漏れた場合でも、万引きなどの不正行為を確実に防止することができる不正防止システムを提供すること。
【解決手段】商品を識別するID情報が予め記憶された無線タグ3に店の独自情報を書き込む無線通信装置1と、無線通信装置に書き込んだ前記独自情報を記憶する商品情報保持装置2と、無線タグ3から独自情報を読み込む盗難防止装置4とを有する。無線タグ3の独自情報と商品情報保持装置2の独自情報に相違があれば通知するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば商品を万引きなどにより不正に持ち出されることを未然に防止することができる不正防止システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、無線通信手段を利用して無線タグ等が付与された商品を管理する店舗が、搬送口などに無線通信装置を設置しておくことで、万引きなどの不正行為を検知し防止するシステムが知られている。このシステムでは、商品購入時に新しいID情報に変更されないため、固有ID情報や識別情報が第3者に漏れた時、万引きなどの不正行為を防止できないという問題点があった。
【0003】
また、商品に複数の無線タグを取り付け、商品購入時と商品を店舗外に持ち出す時で別々の無線タグと通信をすることで不正行為を検知し防止する物品処理システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2004-240767号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1に記載された不正防止システムでは、商品購入時に1回しかチェックを行わないため、固有ID情報や識別情報が第3者に漏れて情報が書き変えられた時、万引きなどの不正行為を防止できないという問題点があった。
【0005】
また、固有ID情報や識別情報が第3者に漏れた時、万引きなどの不正行為を防止できるが複数の無線タグを使うので、1個の時よりも取り付ける手間と経費がかかるという問題点があった。
【0006】
本発明は上記の点に鑑みてなされたもので、1個の無線タグで固有ID情報や識別情報が第3者に漏れた場合でも、万引きなどの不正行為を確実に防止することができる不正防止システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、商品を識別するID情報が予め記憶された無線タグに店の独自情報を書き込む無線通信装置と、前記無線通信装置に書き込んだ前記独自情報を記憶する商品情報保持装置と、無線タグから独自情報を読み込む盗難防止装置とを具備し、前記無線タグの独自情報と前記商品情報保持装置の独自情報に相違があれば通知することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商品を店外に持ち出す際、店舗独自の情報を複数回チェックしかつチェック情報を異なる情報にするようにしたので、無線タグの情報が改ざんされても万引きなどにより不正に持ち出されることを未然に不正を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。図1は不正防止システムを示すシステム構成図である。
【0010】
図1において、1は無線通信装置、2は商品情報保持装置、3は無線タグ、4は盗難防止装置である。
【0011】
無線通信装置1は、商品情報保持装置2及び無線タグ3と通信を行い、無線タグ3に記録されている情報を読み取ったり、商品情報保持装置2から受信した識別情報を書き込んだり、商品情報保持装置2に無線タグ3から読み取った情報を送信する。
【0012】
商品情報保持装置2は、無線通信装置1及び盗難防止装置4と通信を行い、商品情報保持装置2で生成した独自の識別情報を無線通信装置1に送信し、無線通信装置1又は盗難防止装置4が無線タグ3から読み取った情報を受信する。
【0013】
無線タグ3は、無線通信装置1及び盗難防止装置4と通信を行い、無線タグ3に記録されている情報の書換えを行う。
【0014】
盗難防止装置4は、商品情報保持装置2及び無線タグ3と通信を行い、無線タグ3に記録されている情報を読み取り、商品情報保持装置2に無線タグ3から読み取った情報を送信する。
【0015】
次に、図2を参照して無線タグ3の構成を説明する。図2において、5はアンテナ、6は制御回路、7はメモリ、8は整流回路である。
【0016】
図2において、無線タグ3が無線通信装置1から情報を受信する動作は次のように行われる。つまり、制御回路6はアンテナ5が受信した無線通信装置1又は盗難防止装置4からの電波を復調して第1又は第2情報を取り出してメモリ7に書き込む。
【0017】
無線タグ3が無線通信装置1に情報を送信する動作は次のように行われる。つまり、制御回路6はメモリ7に格納されているID又は第1又は第2情報を読み出して変調し、アンテナ5を介して無線通信装置1や盗難防止装置4に送信する。
【0018】
整流回路8は、アンテナ5が受信した無線通信装置1又は盗難防止装置4からの電波を整流して制御回路6やメモリ7に電力供給する。
【0019】
次に、図3を参照してメモリ7のアドレス空間について説明する。図3において、9は固有IDのアドレス空間、10は識別情報のアドレス空間である。固有ID9には、無線タグ3固有のID情報が格納される。ID情報は一度書き込んだら書換えは行わない。識別情報10には、識別情報である第1又は第2情報が格納される。なお、メモリ7のアドレス空間において、識別情報のアドレス空間は1つだけに限定されず複数あってもよい。
【0020】
次に、図4を参照して商品情報保持装置2の構成について説明する。図4において、11は通信手段、12は制御回路、13は識別情報生成手段、14は比較手段、15は登録手段、16は読込手段、17は商品データベース、18は不正通知手段である。
【0021】
識別情報生成手段13は第1識別情報を生成し、登録手段15はその第1識別情報を商品データベース17に登録する。通信手段11は第1情報を無線通信装置1に送信する。
【0022】
商品の精算時に比較手段14は、通信手段11が無線通信装置1から受信した第1情報と、読込手段16が商品データベース17に登録されている第1識別情報とを比較する。この比較で両者の相違の判別を行い、相違がある時は、不正通知手段18は不正を通知する。なお、両者に相違がなければ、識別情報生成手段13は第2識別情報を生成し、登録手段15は商品データベース17に登録されている第1識別情報を第2識別情報に書換え、通信手段11は第2情報を無線通信装置1に送信する。
【0023】
商品を店舗外に持ち出される時に、比較手段14は、通信手段11が無線通信装置1から受信した第2情報と、読込手段16が商品データベース17に登録されている第2識別情報を比較し相違の判別を行う。この判定結果で両者に相違がある時は、不正通知手段18は不正を通知する。
【0024】
尚、識別情報生成手段13において、生成される識別情報は第1又は第2識別情報だけに限定されず、複数の識別情報が生成されてもよい。
【0025】
次に、図5を参照して無線通信装置1について説明する。図5において、19はアンテナ、20は受信回路、21は制御回路、22は通信手段、23は送信回路である。
【0026】
商品情報保持装置2で生成された第1情報を無線タグ3に書き込む時は、通信手段22は商品情報保持装置2からの第1情報を受信する。そして、制御回路21と送信回路23で受信した第1情報を変調し、アンテナ19を介して無線タグ3へ送信する。
【0027】
無線タグ3の第1情報を読み取る時は、アンテナ19を介して無線タグ3からの電波を受信する。そして、受信回路20と制御回路21で受信した電波から第1情報を復調して、通信手段22を介して商品情報保持装置2に送信する。
【0028】
次に、図6を参照して盗難防止装置4について説明する。図6において、24はアンテナ、25は受信回路、26は制御回路、27は通信手段、28は送信回路である。
【0029】
商品が 商品が盗難防止装置4を通過する時は、アンテナ24を介して無線タグ3からの電波を受信する。そして、受信回路25と制御回路26で受信した電波から第1又は第2情報を復調して、通信手段27を介して商品情報保持装置2に送信する。
【0030】
次に、図7を参照して本発明の第1実施形態の概要について説明する。図7において、例えば、スーパーマーケット内で、商品固有ID情報と店舗独自の第1情報が書き込まれた無線タグ34は商品33に取り付けられ、商品棚30に陳列されている。
【0031】
また、商品情報保持装置2は、1時間経過毎に、識別情報生成手段13が新たに第1識別情報を生成し、登録手段15がその新たに生成した第1識別情報を商品データベース17に登録する。また、通信手段11が第1情報を無線通信装置1に送信する。
【0032】
無線通信装置1は、店舗内にあるすべての商品に取り付けられている無線タグ34の第1情報を前記通信手段11から送信された新たな第1情報に一斉に書換える。
【0033】
尚、第1情報と商品データベース17に登録されている第1識別情報書換えは、一斉でなくても各棚ごとや商品ごとでもよい。
【0034】
商品精算時、レジスタ35は商品33に取り付けられている無線タグ34の第1情報を読み取り、商品情報保持装置2へ第1情報を送信する。商品情報保持装置2の比較手段14は、商品データベース17に登録されている第1識別情報とレジスタ35から受信した第1情報を比較して、両者に相違がなければ精算を開始する。一方、両者に相違があった場合は、無線タグ34の情報が不正な手段によって書換えられているので、不正通知手段18が店舗側に不正を通報する。レジスタ35は、店舗側に不正の通知があると精算を中止する。
【0035】
そして精算後、商品情報保持装置2の識別情報生成手段13は、第2識別情報を生成し、登録手段15は商品データベース17に記憶されている第1識別情報を第2識別情報に書換える。 商品情報保持装置2は、前記第2識別情報をレジスタ35を介してレジスタ35に接続された無線通信装置1に送信し、無線通信装置1は、精算済の商品33に取り付けられている無線タグ34の第1情報を受信した第2情報に書換える。
【0036】
店舗の出口には、盗難防止装置4がゲートの形態で設置される。ゲートの一方には、受信回路25(図示せず)と制御回路26(図示せず)と通信手段27(図示せず)と送信回路28(図示せず)とアンテナ24(図示せず)が設置され、他方のゲートには、受信回路25(図示せず)と送信回路28(図示せず)とアンテナ24(図示せず)が設置され、この受信回路25と送信回路28は、他方の制御回路26に接続される。盗難防止装置4は、商品33が店舗の出口に設置された盗難防止装置4を通過する時、 アンテナ24を介して商品33に取り付けられている無線タグ34と通信を行い、受信回路25と制御回路26によって前記アンテナ24で受信した電波を情報に復調し、通信手段27によって、無線タグ34から読み取った情報を商品情報保持装置2に送信する。
【0037】
商品情報保持装置2は、商品データベース17に登録されている第2識別情報と盗難防止装置4から受信した情報を比較し、相違がなければ不正を通知しない。商品33は、精算済みの商品33として店舗外に持ち出せる。一方、商品情報保持装置2は両者に相違がある時は、未精算の商品か、無線タグ34の情報が不正な手段によって書換えられているので店舗側に不正を通報する。
【0038】
次に、本発明の第1実施形態で、商品管理側が無線タグ3の第1情報を書き込み、商品情報保持装置2の第1識別情報を書き込んだ後、第1情報と第1識別情報の整合を確認する手段の動作について図8のフローチャートを参照して説明する。
【0039】
まず、識別情報生成手段13は第1識別情報を生成する(S1)。登録手段15は商品データベース17に第1識別情報を登録する(S2)。
【0040】
通信手段11は、第1情報を無線通信装置1に送信する。この無線通信装置1において第1情報は変調されアンテナ19を介して無線タグ3に送信される。そして、無線タグ3のアンテナ5で受信され、制御回路6で第1情報が復調されて、無線タグ3のメモリ7に書き込まれる(S3)。
【0041】
無線通信装置1は無線タグ3の第1情報を読み取り、商品情報保持装置2に送信する。
【0042】
読込手段16は、商品データベース17に登録されている第1識別情報を読み取る。
【0043】
比較手段14は、無線タグ3の第1情報と第1識別情報を比較する(S4)。両者に相違がなければ(S5)、商品データベース17に整合済みと記録する(S5)。一方、相違があれば、S1に戻り第1情報と第1識別情報が一致するまで行う。
【0044】
次に、図9のフローチャートを参照して、商品管理側が無線タグ3の第1情報と商品情報保持装置2の第1識別情報を変更する手段の動作について説明する。まず、1時間経過したら(S11)、商品情報保持装置2の識別情報生成手段13は新しい第1識別情報を生成する(S12)。
【0045】
商品情報保持装置2の登録手段15は商品データベース17に登録されている第1識別情報を新しい第1識別情報に書換える(S13)。
【0046】
次に、通信手段11は、新しい第1情報を無線通信装置1に送信する。
【0047】
そして、無線通信装置1で新しい第1情報は変調されアンテナ19を介して無線タグ3に送信され、無線タグ3のアンテナ5で受信、制御回路6で新しい第1情報が復調されて、メモリ7に記録されている第1情報は新しい第1情報に書換えられる(S14)。
【0048】
また、1時間経過したら、前述したS11〜S14が繰り返される。尚、第1識別情報の変更は、一時間に限定されず、任意の時間であってもよい。
【0049】
次に、図10のフローチャートを参照して本発明の第1実施形態で、商品管理側が無線タグ3の第2情報と商品情報保持装置2の第2識別情報を変更する手段の動作について説明する。
【0050】
まず、1時間経過したら(S21)、商品情報保持装置2の識別情報生成手段13は新しい第2識別情報を生成する(S22)。
【0051】
続いて、登録手段15は商品データベース17に登録されている第2識別情報を新しい第2識別情報に書き換える(S23)。
【0052】
また、1時間経過したら、S21〜S23の処理が繰り返される。
【0053】
尚、第2識別情報の変更は、一時間に限定されず、任意の時間であってもよい。
【0054】
次に、図11のフローチャートを参照して本発明の第1実施形態で、顧客が商品を購入する場合の処理手段の動作について説明する。
【0055】
精算時に、無線通信装置1は、商品に付いている無線タグ3のメモリ7の識別情報10から第1情報を読み取り(S31)、無線通信装置1の通信手段22から商品情報保持装置2に送信される。商品情報保持装置2の読込手段16は、商品データベース17に登録されている第1識別情報を読み取り、比較手段14で第1情報と第1識別情報を比較判別する(S32)。両者に相違がなければ(S33)、精算を開始する(S34)。一方、両者の相違があれば(S33)、無線タグ3のメモリ7の識別情報10に不正な手段で書換えられた第1情報があるので店舗側に不正発生を通知する(S35)。
【0056】
前述した精算(S34)後、商品情報保持装置2の識別装置生成手段13は第2識別情報を生成する。つまり、書込手段15は商品データベース17に登録されている第1識別情報を第2識別情報に書換え、通信手段11はレジスタ32に接続された無線通信装置1に第2情報を送信して、無線通信装置1が無線タグ3のメモリ7の識別情報10に記録されている第1情報を第2情報に書換える(S36)。
【0057】
商品が盗難防止装置4を通過される時、盗難防止装置4は無線タグ3と通信を行い、無線タグ3のメモリ7の識別情報10からデータを読み取り(S37)、盗難防止装置4の通信手段27から商品情報保持装置2に送信される。
【0058】
読込手段16は、商品データベース7に登録されている第2識別情報を読み取り、比較手段14で第2識別情報と比較判別する(S38)。両者に相違がなければ(S39)、登録手段15は、商品データベース17に正常処理済のデータを書き込む(S40)。
【0059】
一方、両者に相違があれば(S39)、無線タグ3のメモリ7の識別情報10に第1情報のデータがあるか、不正な手段で書換えられた第2情報があるかなので、不正発生を店舗側に通知し(S35)、登録手段15は商品データベース17に異常処理のデータを書き込む(S41)。
【0060】
このように、本発明の第1実施形態では、第3者に無線タグ34の固有ID情報が漏洩しても、精算時に、商品データベース17に登録されている第1識別情報と無線タグ34の第1情報を比較判別し、商品を店舗外に持ち出す時に、商品データベース17に登録されている第2識別情報と無線タグ34の第2情報を比較判別する2重の比較判別手段により不正防止できる効果がある。
【0061】
尚、前述した第1実施形態では、商品情報保持装置2に比較手段14を設けたが、無線通信装置1及び盗難防止装置4及びその両方にあってもよい。
【0062】
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、システムの構成は第1実施形態と同じだが、無線タグ3のメモリ7のID情報を商品情報保持装置2の商品データベース17に登録し、第1情報に関連付けすることで3重のチェックを行うことを特徴としている。
【0063】
次に、図12〜図14を参照して本発明の第2の実施形態について説明する。図12のフローチャートは識別情報と第1識別情報を商品情報保持装置2に登録する処理を示す。
【0064】
まず、商品情報保持装置2の識別情報生成手段13は第1識別情報を生成する(S51)。そして、無線通信装置1と無線タグ3が通信を行い、無線タグ3のメモリ7からID情報を読み取る(S52)。次に、通信手段22は、ID情報を商品情報保持装置に送信する。そして、登録手段15は、商品データベース17にID識別情報と第1識別情報を関連付けして登録する(S53)。
【0065】
図13を参照して商品データベース17に登録されているデータについて説明する。図13において、ID識別情報は、無線タグ3固有のID情報である。
【0066】
図13の1行目は、ID識別情報が「001」、第1識別情報が「1548」で、商品分類が「09」の「100円」のキャベツを示している。
【0067】
尚、商品データベース17に登録されているデータは、図13に限らない。要はID識別情報と第1識別情報の関連付けさえしてあれば後は任意であってもよい。
【0068】
次に、図14のフローチャートを参照して本発明の第2実施形態である3重のチェックする手段の動作について説明する。
【0069】
精算時に、無線通信装置1が商品に付いている無線タグ3のメモリ7からID情報と第1情報を読み取り(S54a)、通信手段22を商品情報保持装置2に送信する。
【0070】
読込手段16は、商品データベース17に登録されているID識別情報を読み取り、比較手段14でID情報とID識別情報を比較判別する(S54b)。
【0071】
両者に相違がなければ(S54c)、読込手段16は商品データベース17に登録されている第1識別情報を読み取る。
【0072】
一方、両者に相違があれば(S54c)、無線タグ3のメモリ7の固有ID9に不正な手段で書換えられたID情報があるので店舗側に不正発生を通知する(S54d)。
【0073】
次に、比較手段14は第1情報と第1識別情報を比較判別する(S55)。この判別で相違がなければ(S56)、精算を開始する(S57)。一方、両者に相違があれば(S56)、無線タグ3のメモリ7の識別情報10に不正な手段で書換えられた第1情報があるので店舗側に不正発生を通知する(S54)。
【0074】
そして、精算(S57)後、識別装置生成手段13は第2識別情報を生成し、登録手段15は商品データベース17に登録されている第1識別情報を第2識別情報に書換え、通信手段11は無線通信装置1に第2情報を送信して、無線通信装置1が無線タグ3のメモリ7に記録されている第1情報を第2情報に書換える(S58)。
【0075】
商品が盗難防止装置4を通過する時、盗難防止装置4が無線タグ3と通信を行い、無線タグ3のメモリ7から識別情報10のデータを読み取り(S59)、通信手段27を介して商品情報保持装置2に送信される。
【0076】
読込手段16は、商品データベース17に登録されている第2識別情報を読み取り、比較手段14で第2識別情報と比較判別する(S60)。
【0077】
両者に相違がなければ(S61)、登録手段15は、商品データベース17に正常処理済のデータを書き込む(S62)。
【0078】
一方、両者に相違があれば(S60)、無線タグ3のメモリ7の識別情報10に第1情報があるか、不正な手段で書き換えられた第2情報があるかなので、不正発生を店舗側に通知し(S54)、登録手段15は、商品データベース17に異常処理のデータを書き込む(S63)。
【0079】
このように、本発明の第2実施形態である不正防止システムは、商品データベース17に商品固有のID情報と第1識別情報が関連付けされていれば、商品決算時に比較判別する処理時間が早くなる効果がある。
【0080】
尚、第2実施形態では、商品情報保持装置2の比較手段14において、ID情報の比較は精算時に限定されず、盗難防止装置4通過時であってもよい。
【0081】
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、システムの構成は第1実施形態と同じだが、無線タグ3のメモリ7のID情報を商品情報保持装置2の商品データベース17に登録し、第1情報と第2情報の関連付けすることで4重のチェックを行うことを特徴としている。
【0082】
次に、図15のフローチャートを参照して本発明の第3実施形態である4重のチェックを行う手段の動作について説明する。
【0083】
精算時に、無線通信装置1は商品に付いている無線タグ3のメモリ7からID情報と第1情報を読み取り(S71)、通信手段22を介して商品情報保持装置2に送信される。
【0084】
読込手段16は、商品データベース17に登録されているID識別情報を読み取り、比較手段14でID情報とID識別情報を比較判別する(S72)。
【0085】
この判別で相違がなければ(S73)、読込手段16は、商品データベース17に登録されている第1識別情報を読み取る。この判別で両者に相違があれば(S73)、無線タグ3のメモリ7の固有ID9に不正な手段で書換えられたID情報があるので店舗側に不正発生を通知する(S74)。
【0086】
次に、比較手段は第1情報と第1識別情報を比較判別する(S75)。この判別で、両者に相違がなければ(S76)、精算を開始する(S77)。
【0087】
一方、両者に相違があれば(S76)、無線タグ3のメモリ7の識別情報10に不正な手段で書換えられた第1情報があるので店舗側に不正発生を通知する(S74)。
【0088】
精算(S77)後、識別装置生成手段13は第2識別情報を生成して、登録手段15は商品データベース17に登録されている第1識別情報を第2識別情報に書換え、商品情報保持装置2の送信回路11が無線通信装置1に第2情報を送信し、無線通信装置1が無線タグ3のメモリ7に記録されている第1情報を第2情報に書換える(S78)。
【0089】
商品が盗難防止装置4を通過する時、盗難防止装置4が無線タグ3と通信を行い、無線タグ3のメモリ7から固有ID9と識別情報10のデータを読み取り(S79)、通信手段27を介して商品情報保持装置2に送信される。
【0090】
読込手段16は、商品データベース17に登録されているID識別情報を読み取り、比較手段14でID情報とID識別情報を比較判別する(S80)。
【0091】
両者に相違がなければ(S81)、読込手段16は、商品データベース17に登録されている第2識別情報を読み取る。
【0092】
一方、両者に相違があれば(S81)、無線タグ3のメモリ7の固有ID9に不正な手段で書換えられたID情報があるので店舗側に不正発生を通知する(S74)。
【0093】
次に、比較手段14は第2識別情報と比較判別する(S82)。
【0094】
両者に相違がなければ(S83)、登録手段15は、商品データベース17に正常処理済のデータを書き込む(S84)。
【0095】
一方、両者に相違があれば(S83)、無線タグ3のメモリ7の識別情報10に第1情報があるか、不正な手段で書換えられた第2情報があるかなので、不正発生を店舗側に通知し(S74)、登録手段15は、商品データベース17に異常処理のデータを書き込む(S85)。
【0096】
このように、本発明の第3実施形態である不正防止システムは、商品データベース17に商品固有のID情報と第1識別情報と第2識別情報が関連付けされていれば、商品決算時と商品が盗難防止装置4を通過する時に比較判別する処理時間が早くなる効果がある。
【0097】
次に、図16を参照して本発明の第4実施の形態について説明する。この第4実施の形態は、無線タグ3のメモリ7のアドレス空間以外は第1実施形態と同じだが、商品情報保持装置2に識別情報生成手段13が複数の識別情報を生成し、複数のチェックを行うことを特徴としている。
【0098】
図16のフローチャートは、例えば10個の第1識別情報と第2識別情報を生成し、11回のチェックを行う手段の動作を示している。
【0099】
無線タグ3のメモリ7の識別情報10に第1識別情報n(n=0〜10)が書き込まれている。
【0100】
精算時に、無線通信装置1が商品に付いている無線タグ3のメモリ7の識別情報10から第1情報1(S91)を読み取り(S92)、通信手段22を介して商品情報保持装置2に送信される。読込手段16は、商品データベース17に登録されている第1識別情報1を読み取り、比較手段14で第1情報1と第1識別情報1を比較判別する(S93)。
【0101】
この判別で相違がなく(S94)、nが9回以下なら(S95)、無線タグ3のメモリ7の識別情報10から第1情報2(S96)を読み取り、S92〜S96を繰り返す。
【0102】
この判別により両者に相違があれば(S94)、無線タグ3のメモリ7の識別情報10に不正な手段で書換えられた第1情報n(n=0〜9)があるので店舗側に不正発生を通知する(S97)。
【0103】
nが10回以上になったら(S95)、精算開始する(S98)。
【0104】
精算(S98)後、識別装置生成手段13第2識別情報を生成し、登録手段14は商品データベース17に登録されている第1識別情報10を第2識別情報に書換え、商品情報保持装置2の送信回路11が無線通信装置1に第2情報を送信して、無線通信装置1が無線タグ3のメモリ7に記録されている第1情報10を第2情報に書換える(S99)。
【0105】
商品が盗難防止装置4を通過する時、盗難防止装置4が無線タグ3と通信を行い、無線タグ3のメモリ7から識別情報10のデータを読み取り(S100)、盗難防止装置4の通信手段27から商品情報保持装置2に送信される。
【0106】
読込手段16は、商品データベース17に登録されている第2識別情報を読み取り、比較手段14で第2識別情報と比較判別する(S101)。
【0107】
この判別の結果、両者に相違がなければ(S102)、登録手段15は、商品データベース17に正常処理済のデータを書き込む(S103)。
【0108】
一方、両者に相違があれば(S102)、無線タグ3のメモリ7の識別情報10に第1情報があるか、不正な手段で書換えられた第2情報があるかなので、不正発生を店舗側に通知し(S97)、登録手段15は、商品データベース17に異常処理のデータを書き込む(S104)。
【0109】
このように、本発明の第4実施形態である不正防止システムは、無線タグ3の情報と商品情報保持装置2の識別情報の比較判別回数が増えるので、商品情報保持装置2で生成される識別情報が何個か漏洩しても不正されにくくなる効果がある。
【0110】
尚、商品情報保持装置2において、生成される複数の識別情報は第1識別情報だけに限定されず、複数の第2識別情報が生成されてもよい。
【0111】
本発明の第5実施形態を説明する。第5実施形態は、商品を店舗外に持ち出すまでは第1実施形態と同じだが、比較判別の結果、相違がない時は、無線タグ3に記録されている第2識別情報を消去することを特徴としている。
【0112】
図17は本発明の第5実施形態に係り、正常処理済の無線タグ3の情報を消去する手段を備えた盗難防止装置4aを示している。
【0113】
図17において、図6と同一部分には同一番号を付し、その詳細な説明については省略する。図17において、通信手段40は、商品情報保持装置2からの消去情報を受信する。消去手段51は無線タグ3のメモリ7の第2識別情報を消去する。消去後、盗難防止装置4aと無線タグ3が通信を行い、第2識別情報が消去済みかを確認し、通信手段40は商品情報保持装置2に消去済みの情報を送信する。
【0114】
このように、本発明の第5実施形態である不正防止システムは、精算済みの商品を店舗外に持ち出す時に、無線タグ3の識別情報を消去するので、店舗独自の識別情報が漏洩することを防止でき、同じシステムを採用している他の店舗で、無線タグ3の情報が盗まれても、不正を防止できる効果を奏する。
【0115】
なお、本発明は上記した実施の形態に係らず種々変形可能である。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1】第1実施形態を示すブロック図。
【図2】無線タグの構成を示すブロック図。
【図3】無線タグのメモリ領域の概念図。
【図4】商品情報保持装置の構成を示すブロック図。
【図5】無線通信装置の構成を示すブロック図。
【図6】盗難防止装置の構成を示すブロック図。
【図7】第1実施形態の概要について説明したブロック図。
【図8】図無線タグの第1情報と商品情報保持装置の第1識別情報の整合を確認する場合の処理の流れを示すフローチャート。
【図9】第1識別情報を1時間で更新する場合の処理の流れを示すフローチャート。
【図10】第2識別情報を1時間で更新する場合の処理の流れを示すフローチャート。
【図11】第1実施形態で商品購入時の処理の流れを示すフローチャート。
【図12】第2実施形態でID情報の登録する処理の流れを示すフローチャート。
【図13】第2実施形態で商品データベースに登録されているデータ内容を示す図。
【図14】第2実施形態で商品購入時の処理の流れを示すフローチャート。
【図15】第3実施形態で商品購入時の処理の流れを示すフローチャート。
【図16】第4実施形態で商品購入時の処理の流れを示すフローチャート。
【図17】第5実施形態で盗難防止装置の構成を示すブロック図。
【符号の説明】
【0117】
1…無線通信装置、2…商品情報保持装置、3…無線タグ、4,4a…盗難防止装置、5,19,24,37…アンテナ、 6,12,21,26,39…制御回路、7…メモリ、8…整流回路、
9…固有ID、10…識別情報、11,22,27,40…通信手段、13…識別情報生成手段、
14…比較手段、15…登録手段、16…読込手段、17…商品データベース、
18…不正通知手段、20,25,38…受信回路、23,28,41…送信回路、
29,41…リーダ/ライタ、30…商品棚、33…商品、35…レジスタ、36…ゲート、
42…消去手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
商品を識別するID情報が予め記憶された無線タグに店の独自情報を書き込む無線通信装置と、
前記無線通信装置に書き込んだ前記独自情報を記憶する商品情報保持装置と、
無線タグから独自情報を読み込む盗難防止装置とを具備し、
前記無線タグの独自情報と前記商品情報保持装置の独自情報に相違があれば通知することを特徴とする不正防止システム。
【請求項2】
前記商品情報保持装置と前記盗難防止装置のうち少なくともいずれか一方に書き込みした前記独自情報を比較する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の不正防止システム。
【請求項3】
前記商品情報保持装置と前記盗難防止装置のうち少なくともいずれか一方に書き込みした前記独自情報及び前記ID情報を比較する手段を設けたことを特徴とする請求項1記載の不正防止システム。
【請求項4】
前記商品情報保持装置と前記無線通信装置のうち少なくともいずれか一方に複数の前記独自情報を比較する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の不正防止システム。
【請求項5】
前記無線通信装置は前記無線タグに記録されている前記独自情報を一定時間毎に変更する手段を備え、前記商品情報保持装置は該商品情報保持装置に記録されている前記独自情報を一定時間毎に変更する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の不正防止システム。
【請求項6】
前記無線通信装置は前記無線タグに記録されている前記独自情報を削除する手段を備え、前記商品情報保持装置は前記商品情報識別装置に記録されている前記独自情報を削除する手段を備えることを特徴とする請求項1記載の不正防止システム。
【請求項7】
前記商品情報保持装置は、前記ID情報から前記独自情報を生成する識別情報生成手段を備えることを特徴とする請求項1記載の不正防止システム。
【請求項8】
商品を識別するID情報が予め記憶された無線タグに店の独自情報を書き込む無線通信装置と、
前記無線通信装置に書き込んだ前記独自情報を記憶する商品情報保持装置と、
無線タグから独自情報を読み込む盗難防止装置とを具備し、
前記無線通信装置は前記無線タグの前記独自情報としての第1情報を読み取り、前記商品情報保持装置に登録されている第1識別情報とこの第1情報を比較し相違がなければ、
前記商品情報保持装置に第2識別情報を書き込むと共に前記無線タグに前記独自情報として第2情報を書き込み、
前記無線タグが前記盗難防止装置を通過した時、前記盗難防止装置が前記無線タグから前記第2情報を読み取り、前記商品情報保持装置に登録されている前記第2識別情報と比較し相違があれば通知することを特徴とする不正防止システム。
【請求項9】
前記商品情報保持装置と前記無線通信装置のうち少なくともいずれか一方に前記第1情報と前記第1識別情報を比較する手段を備えることを特徴とする請求項8記載の不正防止システム。
【請求項10】
前記商品情報保持装置と前記盗難防止装置のうち少なくともいずれか一方に前記第2情報と前記第2識別情報を比較する手段を備えることを特徴とする請求項8記載の不正防止システム。
【請求項11】
前記商品情報保持装置と前記無線通信装置のうち少なくともいずれか一方に前記第1情報と前記第1識別情報及び前記ID情報と前記ID識別情報を比較する手段を設けたことを特徴とする請求項8の不正防止システム。
【請求項12】
前記商品情報保持装置と前記盗難防止装置のうち少なくともいずれか一方に前記第2情報と前記第2識別情報及び前記ID情報と前記ID識別情報を比較する手段を設けたことを特徴とする請求項8記載の不正防止システム。
【請求項13】
前記商品情報保持装置と前記無線通信装置のうち少なくともいずれか一方に複数の情報と識別情報を比較する手段を備えることを特徴とする請求項8記載の不正防止システム。
【請求項14】
前記無線通信装置は前記無線タグに記録されている前記第1又は第2情報を変更する手段を備え、前記商品情報保持装置は該商品情報保持装置に記録されている前記第1又は第2識別情報を一定時間毎に変更する手段を備えることを特徴とする請求項8記載の不正防止システム。
【請求項15】
前記無線通信装置は前記無線タグに記録されている前記第1又は第2情報を削除する手段を備え、前記商品情報保持装置は該商品情報識別装置に記録されている前記第1又は第2識識別情報を削除する手段を備えることを特徴とする請求項8記載の不正防止システム。
【請求項16】
前記商品情報保持装置は前記ID情報から独自の前記識別情報を生成する識別情報生成手段を備えることを特徴とする請求項8の不正防止システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2007−157054(P2007−157054A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−354852(P2005−354852)
【出願日】平成17年12月8日(2005.12.8)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】