説明

非水性溶媒による水性溶媒の置換法

非水性溶媒中にスルホン化ポリチオフェンを分散する方法を開示するものであり、ポリチオフェンの沈殿を起こさずに水を有機溶媒に交換する工程が含まれる。一旦、非水性溶媒中に分散されると、スルホン化ポリチオフェンはマトリックスポリマーと混合することができる。この材料はOLEDおよびOPV等の有機電子デバイスに使用可能である。溶媒プロセスは粘度の性質を改善できる。スルホン化された位置規則性ポリチオフェンを使用することができる。利点は、有機電子デバイスの構築における溶媒適合性の向上、およびマトリックス材料と共に配合される能力の向上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2009年5月1日に提出された米国仮特許出願第61/174,828号に対して優先権を主張し、その全内容が参照により本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
背景
有機発光ダイオード(「OLED」)または有機光起電装置(「OPV」)等の有機電子デバイスの正孔注入層(HIL)、正孔収集層(「HCL」)、または正孔輸送層(HTL)は、望ましくは透明度が高く、適切な導電率、例えば、OLED操作中のピクセルのクロストークを防ぐ導電性を有する。これらの種類の層は、共役ポリマーまたは導電性ポリマーを含むことができる。導電性ポリマーを含むHCL、HIL、またはHTLの製作においては、マトリックスポリマーが使用可能である。水に導電性ポリマーを分散した場合、マトリックスポリマーの選択は、極性の高いポリマー、即ち‐OH、‐SO3H等の極性官能基を含むポリマー、に限定され得る。マトリックスポリマー中の極性官能基は、例えば、OLEDの光出力並びに電圧安定性などに関して望ましくない効果を有する可能性があるため、有機溶媒中に分散させた導電性ポリマーよりHIL、HCL、およびHTLを製作し、極性官能基の欠けたマトリックスポリマーの使用を促進し、その結果OLEDの寿命並びにその他のパラメータ、およびOPVを含む有機電子デバイスを潜在的に改善することが有益であり得る。
【発明の概要】
【0003】
概要
本明細書においては、組成物およびデバイスを作製する方法、組成物およびデバイス、並びに組成物およびデバイスを使用する方法が提供される。一つの態様は、例えば、非水性溶媒中にスルホン化ポリチオフェンを分散する方法を提供する。
【0004】
具体的に、一つの態様は、i)水分散液中に少なくとも一つのスルホン化ポリチオフェンを提供する工程;ii)分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化ポリチオフェンが混合物中に分散されたままとなる工程;およびiii)混合物から水を除去する工程を含む方法を提供する。また、この方法を含む方法により組成物を調製することができる。
【0005】
もう一つの態様は、i)水分散液中に少なくとも一つのスルホン化された位置規則性ポリチオフェンを提供する工程;ii)分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、ポリチオフェンが混合物中に分散されたままとなる工程;およびiii)混合物から水を除去する工程、を含む方法を提供する。また、この方法を含む方法により組成物を調製することができる。
【0006】
もう一つの態様は、i)水分散液中に少なくとも一つのスルホン化ポリチオフェンを提供する工程;ii)分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化ポリチオフェンが混合物中に分散されたままとなる工程;およびiii)混合物を真空に曝露する工程であって、真空への曝露にともない混合物の相対的含水量が増加する工程、を含む方法を提供する。また、この方法を含む方法により組成物を調製することができる。
【0007】
もう一つの態様は、i)水分散液中に少なくとも一つのスルホン化ポリチオフェンを提供する工程;ii)分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化ポリチオフェンが混合物中に分散されたままとなる工程;iii)混合物から水を除去することにより、少なくとも一つのスルホン化ポリチオフェンの非水性分散液を提供する工程;およびiv)混合物をマトリックスポリマーと合わせることにより組成物を形成する工程を含む方法により調製された組成物を提供する。
【0008】
もう一つの態様は、i)水分散液中に少なくとも一つのスルホン化された位置規則性ポリチオフェンを提供する工程;ii)分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化ポリチオフェンが混合物中に分散されたままとなる工程;iii)混合物から水を除去することにより、少なくとも一つのスルホン化ポリチオフェンの非水性分散液を提供する工程;およびiv)混合物をマトリックスポリマーと合わせることにより組成物を形成する工程を含む方法により調製された組成物を提供する。
【0009】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つの利点は、有機電子デバイスの構築における改善された溶媒適合性である。
【0010】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つの利点は、有機電子デバイスの構築における改善された粘度調整である。例えば、粘度を増加させることができる。
【0011】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つの更なる利点は、デバイスの寿命、および光出力および/または電圧安定度など、デバイスのその他のパラメータの改善である。
【0012】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つの更なる利点は、有機可溶性のマトリックスポリマーの使用の改善である。
【0013】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つの更なる利点は、デバイスの性能を改善することが可能な、プロトン性官能基を欠くマトリックスポリマーの利用の改善である。
【0014】
少なくとも一つの態様の少なくとも一つの更なる利点は、溶媒が切り替えられてもドーピングが維持されることである。
【0015】
少なくとも一つの態様のもう一つの利点には、例えば、分散液の安定性の改善が挙げられる。
【0016】
少なくとも一つの態様のもう一つの利点には、例えば、マトリックスポリマーが存在する場合の、より良い分散が含まれるが、これはスルホン化ポリマーおよびマトリックスポリマーの両方に対してより良い溶媒質であるためである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
序論
様々な態様が記載されており、ある態様においては、スルホン化ポリチオフェンを非水性溶媒に分散する方法に関する。当業者は、これらの態様の実施において下記の記述を採用することができる。
【0018】
本明細書において引用される参考文献は全て、参照により本明細書に組み入れられる。
【0019】
スルホン化ポリチオフェン
共役ポリマーは既知であり、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリン等が含まれる。ポリチオフェンには誘導体化されたポリチオフェンが含まれる。ポリチオフェンは、位置規則性または非位置規則性であってよい。ポリチオフェンは、ホモポリマーまたはブロックコポリマーおよび非ポリチオフェン部分を含むブロックコポリマーを含むコポリマーであってよい。ポリチオフェン上の置換基は、溶解性を提供することができ、例えば酸素などのヘテロ原子を含むことができる。
【0020】
特に、本出願における水性懸濁液中のスルホン化ポリチオフェンは、例えば、その全内容が参照により本明細書に組み入れられるSeshadriらに付与されたPCT公報WO 2008/073149(譲受人:Plextronics)に記載のとおり調製されてもよい。一つの態様は、(i)少なくとも一つの有機置換基、および(ii)ポリチオフェン骨格に直接結合するスルホン酸硫黄を含む少なくとも一つのスルホン酸置換基を含む、水溶性または水に分散可能な位置規則性ポリチオフェンを含む組成物を提供する。
【0021】
ポリチオフェン上の様々な有機置換基が利用できる。例えば、ポリチオフェンは、ポリエーテルまたはアルキレンオキシである置換基を有することができる。置換基は、酸素を介してポリチオフェン鎖に結合することができ、例えば、1、2、3、4、または5個の酸素原子を含むことができる。本出願の一つの態様において、スルホン化ポリチオフェンは、スルホン化ポリ(3‐(アルコキシ)チオフェン)を含む。もう一つの態様において、スルホン化ポリチオフェンは、位置規則性スルホン化ポリ(3‐(アルコキシ)チオフェン)を含む。もう一つの態様において、スルホン化ポリチオフェンは、位置規則性スルホン化ポリ(3‐(メトキシエトキシエトキシ)チオフェン)を含む。
【0022】
本出願の方法は、様々な固体比率のスルホン化ポリチオフェンの水分散液と共に使用されてもよい。本出願の態様において、水分散液は、約0.1重量%〜約20重量%のスルホン化ポリチオフェンもしくは約0.1重量%〜約8重量%のスルホン化ポリチオフェン、または適切には約0.25重量%〜約4重量%のスルホン化ポリチオフェン、または望ましくは約0.5重量%〜約1重量%のスルホン化ポリチオフェンを含むことができる。
【0023】
一つの態様において、組成物は、PEDOT(ポリエチレンジオキシチオフェン)およびPEDOT:PSS(PSSはポリスチレンスルホン酸)を実質的にまたは完全に含まない。例えば、米国特許第6,632,472号におけるこれらの用語の使用を参照されたい。例えば、PEDOTまたはPEDOT:PSSの量は1重量%未満、0.1重量%未満、または0.01重量%未満であってよい。
【0024】
一つの態様において、スルホン化ポリチオフェンはドーピングされており、もう一つの態様においてはドーピングされていない。一つの態様において、これはPSS(ポリスチレンスルホン酸)等のポリマー性ドーパントを実質的にまたは完全に含まない。
【0025】
一つの態様において、水分散液中には一つのポリマーのみが使用される。複数のポリマーを含むポリマー複合体は使用されない。
【0026】
非水性溶媒
溶媒およびポリマー用の溶媒は一般的に知られている。例えば、MarchのAdvanced Organic Chemistry, Reactions, Mechanisms, and Structure、第6版を参照されたい;また、Billmeyer, Textbook of Polymer Science、第3版、1984;Handbook of Organic Conductive Molecules and Polymers、H. S. Nalwa編、1997も参照されたい。
【0027】
本出願における非水性溶媒は、スルホン化ポリチオフェンおよびスルホン化ポリチオフェンと混合するマトリックスポリマーと共に使用するのに適した非水性溶媒を含み得る。ある態様において、溶媒は水と共沸混合物を形成することができる。非水性溶媒は、当技術分野において公知の用語である。例えば、米国特許第7,223,357号を参照されたい。
【0028】
適した非水性溶媒は、例えば、メチル‐2‐ピロリドン(「NMP」)、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、ジメチルアセトアミド(DMAc)、ピリジンおよびその誘導体、N‐置換されたメチル、エチル、ホルミル、およびアセチルで誘導体化されたものを含むピロール、ピロリジン、ピペリジン、モルホリン等の極性、非プロトン性溶媒を含むことができる。
【0029】
非水性溶媒のその他の例としては、テトラヒドロフラン(「THF」)、1‐メトキシ‐2‐プロパノールアセテート(「PMA」)、クロロホルム、グリコール、グリコールエーテル、またはその混合物が挙げられる。他の例としては、エトキシトリグリコールまたはメトキシトリグリコールが挙げられる。
【0030】
また、1級、2級、および3級アミン、を含むアミン化合物、並びに、二つ以上のアミノ基を有するアミン化合物を用いることもできる。これらは、例えば、酸を中和することができる。酸の中和に使用できるアミンの例としては、水酸化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム[CH3(CH2)15(CH3)3N+OH-]、水酸化テトラ-n-ブチルアンモニウム[(n-C4H9)4NOH]、水酸化テトラエチルアンモニウム[(C2H5)4NOH]、水酸化テトラメチルアンモニウム[(CH3)4NOH]、水酸化テトラキス(デシル)アンモニウム[(n-C10H21)4NOH]、ジメチルエタノールアミン[(CH3)2NCH2CH2OH]、トリエタノールアミン[N(CH2CH2OH)3]、N‐tert‐ブチルジエタノールアミン[t-C4H9N(CH2CH2OH)2]が挙げられる。
【0031】
他の例としては、アルキルアミン、例えばエチルアミン[C2H5NH2]、n-ブチルアミン[C4H9NH2]、t-ブチルアミン[C4H9NH2]、n-ヘキシルアミン[C6H13NH2]、n-デシルアミン[C10H21NH2]、ジエチルアミン[(C2H5)2NH]、ジ(n-プロピルアミン)[n-C3H9)2NH]、ジ(イソプロピルアミン)[(i-C3H9)2NH]、トリメチルアミン[(CH3)3N]、トリエチルアミン[(C2H5)3N]、トリ(n-ブチルアミン)、テトラメチルエチレンジアミン[(CH3)2NCH2CH2N(CH3)2]、ジメチルエチレンジアミン[CH3NHCH2CH2NHCH3]、エチレンジアミン[H2NCH2CH2NH2]、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン[H2N(CH2)6NH(CH2)6NH2]、N,N',N"-トリメチルビス(ヘキサメチレン)トリアミン[CH3HN(CH2)6NH(CH2)6NHCH3]が挙げられる。
【0032】
更に、メタノール、エタノール、プロパノール(n-およびi-)、ブタノール(n-、i-、t-)、ペンタノール等の1級、2級、および3級アルコールを使用できる。
【0033】
更に、他の例としては、類似する一連のエチレングリコールおよびプロピレングリコール、グリセロールおよびそのエーテル化合物であるエチレン/プロピレングリコールモノエーテル(セロソルブ、エチレングリコールモノエーテル、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ(カルビトール、これらはエチレングリコールモノエーテルであり、例えば、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ)(更なる例については、http://www.dow.com/oxysolvents/prod/index.htmを参照のこと))が挙げられる。セロソルブおよびカルビトールは、NMP、DMF、DMAc、DMSO、ピリジン、エチレン/プロピレングリコールおよびその上級ホモログ、グリセロール等の他の極性溶媒と一緒に効果的に働くことができる。
【0034】
他の例としては、前記エーテルのギ酸塩および酢酸塩が挙げられる。
【0035】
他の例としては、グリコールエーテル(例えば、セロソルブ、ブチルセロソルブ、カルビトール、ブチルカルビトール等)およびグリコール(エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール等)が挙げられる。
【0036】
水も様々な量で存在することができ、例えば副溶媒として、0.1重量%〜49重量%、または0.5重量%〜40重量%、1重量%〜33重量%、または1重量%〜5重量%で使用することができる。
【0037】
溶媒の沸点は、水を除去し、有機物質の分解を避けるために機能的に有用となるように変化させることができる。例えば、760 mmHgにおける沸点は、例えば、150℃〜240℃、または180℃〜220℃であってよい。
【0038】
溶媒の組み合わせおよび混合物も使用できる。例えば、前記溶媒の組み合わせは、例えばフイルム成形性、インクジェット用途においては噴出性、スクリーン印刷等の印刷技術用のチキソトロピックな溶媒として、グラビアまたはスロットダイ塗布、基板の濡れやすさ等の一つ以上の性質を改善するために様々な比率で使用できる。
【0039】
更に、溶媒は、主溶媒として、または加工助剤、抵抗力変更因子、粘度変更因子、表面張力変更因子、乾燥促進因子として、およびバンドギャップの調製用に少量で使用できる。
【0040】
水の除去/溶媒交換
非水性溶媒中にスルホン化ポリチオフェンを分散させる方法が本明細書に記載されている。また、溶媒交換は実施することが可能であり、「溶媒交換」という用語は当技術分野において公知である。例えば、米国特許第6,852,250号を参照されたい。
【0041】
本出願の一つの態様は、i) 水分散液中に少なくとも一つのスルホン化ポリチオフェンを提供する工程;ii) 分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化ポリチオフェンが混合物中に分散されたままとなる工程;およびiii)混合物から水を除去する工程を含む方法を提供する。
【0042】
ある態様において、工程i)のスルホン化ポリチオフェンは、例えば、スルホン化ポリ(3-(アルコキシ)チオフェン)、スルホン化ポリ(3‐(メトキシエトキシエトキシ)チオフェン)、位置規則性スルホン化ポリ(3-(アルコキシ)チオフェン)、または位置規則性スルホン化ポリ(3‐(メトキシエトキシエトキシ)チオフェン)を含むことができる。
【0043】
ある態様において、工程i)の水分散液は、例えば、約0.1重量%〜約20重量%のスルホン化ポリチオフェン、約0.1重量%〜約8重量%のスルホン化ポリチオフェン、約0.25重量%〜約4重量%のスルホン化ポリチオフェン、または約0.5重量%〜約1重量%のスルホン化ポリチオフェンを含むことができる。
【0044】
ある態様において、工程ii)の非水性溶媒は、有機または無機溶媒を含むことができる非プロトン性溶媒を含むことが可能である。ある態様において、非水性溶媒は、NMP、DMSO、DMF、THF、PMA、クロロホルム、またはその混合物等の溶媒を含むことができる。工程ii)の非水性溶媒は、例えば、水分散液の約30重量%〜約140重量%、水分散液の約60重量%〜約130重量%、または水分散液の約80重量%〜約120重量%の量で水分散液に添加することができる。範囲は、例えば、約30重量%〜約40重量%であってよい。
【0045】
水を除去する工程iii)は、当業者に公知の方法により達成され得る。例えば、水は、混合物より蒸発によって除去することができる。蒸発による水の除去は大気圧より低圧で実施してもよい。例えば、蒸発は、最大約500 mmHg、最大約100 mmHg、最大約50 mmHg、最大約25 mmHg、最大約10 mmHg、最大約5 mmHgの圧力、または5 mmHg未満の圧力で起こることが可能である。圧力は、例えば、5〜10mmHg(torr)であってよい。蒸発による水の除去は、混合物の加熱により、一般的には外界温度よりも高い温度で起こり得る。例えば、混合物は、少なくとも約30℃、少なくとも約40℃、少なくとも約50℃、少なくとも約60℃、少なくとも約70℃、少なくとも約80℃、少なくとも約90°、または少なくとも約100℃、まで加熱してもよい。ある態様においては、混合物を少なくとも約30℃、少なくとも約40℃、少なくとも約50℃、少なくとも約60℃、少なくとも約70℃、少なくとも約80℃、または少なくとも約90℃に加熱して蒸発を開始し、ある期間後、例えば、少なくとも約30分、少なくとも約1時間、または少なくとも約2時間後、混合物の温度を少なくとも約5℃、少なくとも約10℃、または少なくとも約15℃上昇させることが望ましいと考えられる。蒸発による水の除去は、工程iii)における減圧および混合物の加熱の両方により起こることが可能である。本出願の態様において適した圧力と温度の組み合わせは、前記のとおりである。
【0046】
一つの態様において、水の除去のための温度は、80℃以下、70°以下、または60℃以下に維持される。
【0047】
前記のとおり方法を実施した後、工程i)の水分散液中のスルホン化ポリチオフェンに含まれる水は、一般的には、例えば、約10%〜60%、または例えば少なくとも60重量%、少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、または99重量%以上減少させることができる。
【0048】
本明細書のある態様においては、本出願の方法において更なる工程iv)、を実施することが望ましいと考えられ、工程iv)は前記方法の工程ii)およびiii)を少なくとも一回繰り返すことを含む。工程iv)で添加される非水性溶媒は、混合物の約0.1重量%〜約100重量%、混合物の約1重量%〜約70重量%、混合物の約5重量%〜約50重量%、混合物の約10重量%〜約40重量%、または混合物の約15重量%〜約35重量%の量で混合物に添加することができる。
【0049】
前記のとおり、工程iv)を含む本出願の方法を実施した後、工程i)の水分散液中のスルホン化ポリチオフェンに含まれる水は、一般的に少なくとも70重量%、少なくとも80重量%、少なくとも90重量%、少なくとも95重量%、少なくとも98重量%、少なくとも99重量%、または99重量%以上減少させることができる。
【0050】
他の態様
別の態様において、溶媒交換は、固体ポリマーを非水性溶媒(例えば、N‐メチルピロリドン)中に再度分散または溶解することにより実施できる。
【0051】
更に、製剤は、置換されてもよいアミン(1°、2°、3°)、置換されてもよい水酸化アンモニウム、水、置換されてもよいアルコール、グリコール、またはグリセロール、置換されてもよいケトン等の他のプロトン性溶媒を含むことも可能である。
【0052】
別の態様において、固体のスルホン化ポリチオフェンは、ポリマーを凍結乾燥するか、または適切な非溶媒中に沈殿させることにより得ることができる。例えば、スルホン化されたポリチオフェンは、アセチル硫酸塩、ピリジン‐三酸化硫黄錯体、非水性溶媒中の濃硫酸等のスルホン化剤を使用した後にアルコール中に沈殿することにより調製できる。
【0053】
加えて、前記溶媒中における溶解性または再分散性も、ポリチオフェンの分子量および/または多分散指数、および/またはポリマー中のスルホン酸比率を目的の値に合わせることにより制御できる。更に、溶媒とスルホン化ポリマーの相互作用を増加させるために、ポリマーの位置規則性も低下させることができる。前記のポリマーの特徴(即ち、分子量、多分散、スルホン化比率)の制御は、透明度、導電性、可動性等のフイルム特性の制御を補助することができる。
【0054】
マトリックス材料およびポリマー
ポリマー、オリゴマー、および低分子化合物を含むマトリックス材料は、平坦化剤を含め、当技術分野において公知である。マトリックス材料およびポリマーは、本明細書に記載の溶媒系に可溶性であってよい。また、これらは有機ポリマーであってもよい。これらは、有機側鎖を有する炭素骨格を含むことができる。例としては、極性非プロトン性ポリマーが挙げられる。他の例としては、ポリエーテルケトン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリアミド、ポリエステル、ポリスルホン、ポリアリールアミド、ポリスチレニック、ポリアクリレート等およびその誘導体が挙げられる。アリールアミン化合物を含む、正孔輸送ポリマーおよび低分子量化合物は、使用可能である。
【0055】
ある態様において、本出願のマトリックス材料またはポリマーは、‐OHまたは‐SO3H等の極性官能基を含まないと考えられる。望ましくは、マトリックス材料またはポリマーは、例えば、N,N,N',N'‐テトラフェニル‐4,4'‐ジアミノビフェニル(「TPD」)、ポリエーテルスルホン(「PES」)、N,N'‐ビス‐(1‐ナフチル)‐N,N'‐ジフェニル‐1,1'‐ビフェニル‐4,4'‐ジアミン(「NPB」)、ポリ(2‐ビニルナフタレン)(「P2VN」)、ポリ(N‐ビニルカルバゾール)(「PVK」)またはその混合物を含み得る。
【0056】
一般的に、前記のマトリックスポリマーは、例えば、NMP、DMSO、DMF、THF、PMA、クロロホルム、またはその混合物等の非水性溶媒中に、約1重量%〜約10重量%、約1.5重量%〜約8重量%、約2重量%〜約6重量%、または約2.5重量%〜約4.5重量%の濃度で分散することができる。
【0057】
マトリックスポリマーの例は、例えば、2006年8月17日に公表されたPCT公報WO 2006/086,480、ならびに2008年10月27日に提出された米国仮特許出願第61/108,844号;2008年10月27日に提出された第61/108,851号;および2008年11月18日に提出された第61/115,877号、ならびに2009年2月27日に提出された米国通常出願第12/395,327号;2009年3月5日に提出された第12/399,006号;および2009年4月10日に提出された第12/422,159号に見られる。また、マトリックスポリマー、オリゴマー、材料、および成分を含むPCT公報WO 2008/073149も参照されたい。
【0058】
HIL/HCL/HTL組成物:インクおよびコーティング/レイヤー
インク組成物を形成し、これらインク組成物より溶媒を除去することにより完全にまたは部分的に乾燥したコーティングおよび層を得ることができる。導電性および非導電性の基板、および金属、ガラス、ポリマー、複合体、セラミック、および他の固体材料を含む基板などの、コートされた基板を提供できる。
【0059】
例えば、前記の方法により非水性溶媒に分散されたスルホン化ポリチオフェンは、例えば、OLEDまたはOPV等の有機電子デバイスの正孔輸送層、正孔収集層、または正孔注入層(「HIL」)等の層を製作するために使用できる組成物を形成するために前記のマトリックスポリマーと合わせてもよい。具体的には、非水性溶媒に分散したスルホン化ポリチオフェンは、マトリックスポリマーまたはマトリックスポリマーの混合物に攪拌しながら添加することができ、更に非水性溶媒または非水性溶媒の混合物に分散することにより、例えばHIL組成物を形成することができる。
【0060】
インク組成物用に、共役ポリマーは、例えば、0.5重量%〜40重量%のインク組成物を含むことができる。
【0061】
例えば、スルホン化ポリチオフェンは、組成物中に約0.4重量%〜99重量%、もしくは0.4重量%〜40重量%、または約1重量%〜約30重量%の固体、5重量%〜約25重量%の固体、または約10重量%〜約20重量%の固体を含むことが可能である。
【0062】
更なる態様において、ポリマーは乾燥した固体に凍結乾燥することができ、最適な溶媒系に再度分散することができる。
【0063】
応用
本明細書に記載のとおりに調製した材料は、例えば、OLEDS、PLEDS、SMOLEDS、OFET、透明電極、活性層を含むエレクトロクロミックウィンドウ、OPVにおける正孔抽出層、OLEDにおける正孔注入層および正孔輸送層を含む様々な電子デバイスにおいて使用可能である。
【0064】
例えば、スピンコーティングおよびインクジェット印刷を含む当技術分野において公知の方法により、インクをパターン化および印刷できる。
【0065】
ポリマーは用途に適した方法で架橋されていてもよい。
【0066】
OLEDは、例えば、Organic Light-Emitting Materials and Devices、LiおよびMeng編、2007に記載されている。
【0067】
OPVは、例えば、Organic Photovoltaics, Mechanisms, Materials, and Devices、SunおよびSarciftci編、2005に記載されている。
【0068】
他の応用としては、例えば、金属‐金属オキシドコンデンサ、ポリマー‐ポリマーコンデンサ、プリント回路用シード層(例えば、金属が導電性ポリマーに印刷された線上に電気化学的に堆積されたもの)が挙げられる。
【実施例】
【0069】
更なる記述は以下の限定されない実施例により提供される。
【0070】
実施例1
100mL容丸底フラスコに0.74重量%スルホン化ポリ(3‐(メトキシエトキシエトキシ)チオフェン‐2,5‐ジイル)(「P3MEET-S」)水溶液を25g入れ、これに無水N‐メチル‐2‐ピロリドン(「NMP」)を25g添加した。約25gの溶媒を回転式エバポレーター内で60℃にて減圧下で蒸発させ、その後更に10gのNMPを丸底フラスコに添加した。減圧下にて60℃で更に蒸発させた結果0.54重量%のP3MEET-Sを含むNMP分散液を34.14g得た。
【0071】
実施例2
2.00重量%のN,N,N',N'-テトラフェニル-4,4'-ジアミノビフェニル(「TPD」)を含むNMP原溶液を10.125g容器に入れ、更に無水NMPを0.708g容器に添加した。TPD溶液を激しく攪拌しながら、0.54重量%のP3MEET-Sを含むNMP分散液を4.157g添加した。沈殿は見られなかった。
【0072】
実施例3
2.00重量%のTPDを含むNMP原溶液を7.788g容器に入れ、更に無水NMPを0.001g容器に添加した。TPD溶液を激しく攪拌しながら、0.54重量%のP3MEET-Sを含むNMP分散液を7.211g添加した。
【0073】
実施例4
500mL容丸底フラスコに0.74重量%P3MEET-S水溶液を119.79g入れ、これにNMPを100.39g添加した。溶媒を減圧下で60℃にて1時間蒸発させた後、減圧下で70℃にて15分間更に蒸発させた。その結果、0.65重量%のP3MEET-Sを含むNMP分散液が得られた。
【0074】
実施例5〜9
実施例5〜9の各々に使用される配合は下記の表1に示されている。実施例5〜9の各々の手順は、下記のとおりである:ある量の3.5重量%のポリエーテルスルホン(「PES」)を含むNMP原溶液、および/または、3.5重量%N,N'-ビス-(1-ナフチル)-N,N'-ジフェニル-1,1'-ビフェニル-4,4'-ジアミン(「NPB」)を容器に入れ、これに更に無水NMPを1.582g添加した。PES/NPB溶液を激しく攪拌しながら、0.65重量%のP3MEET-Sを含むNMP分散液を13.846g添加した。沈殿は見られなかった。
【0075】
【表1】

【0076】
実施例10
500mL容丸底フラスコに0.74重量%P3MEET-S水溶液を109.73g入れ、これにジメチルスルホキシド(「DMSO」)を119.79g添加した。溶媒を減圧下で60℃にて約1時間蒸発させた後、減圧下で約70〜75℃にて1.5時間更に蒸発させた。粘性液体は、別の容器に移した。丸底フラスコを13.63gのDMSOですすぎ、すすぎに使用したDMSOも粘性溶液を含む容器に移した。得られた溶液は、0.62重量%のP3MEET-Sを含むDMSO分散液であった。このものは、目詰まりや沈殿を起こすこと無く、2.7ミクロンのガラスフィルターで濾過された。
【0077】
実施例11
250mL容丸底フラスコに0.74重量%P3MEET-S水溶液を36g入れ、これにジメチルホルムアミド(「DMF」)を36g添加した。溶媒を減圧下(約10mmHg)で55℃にて37gの溶媒が除去されるまで蒸発させた。丸底フラスコに10gのDMFを添加した後、更に減圧下(約10mmHg)で55℃にて10gの溶媒が除去されるまで蒸発させた。また更に10gのDMFを丸底フラスコに添加した後、更に減圧下(約10mmHg)で55℃にて1gの溶媒が除去されるまで蒸発させた。得られた分散液を60mL容シリンジ内のガラスファイバーメッシュで濾過することにより0.6重量%のP3MEET-Sを含むDMF分散液が得られた。
【0078】
実施例12
1L容丸底フラスコに0.74重量%P3MEET-S水溶液を189g入れ、これにジメチルホルムアミド(DMF)を189g添加した。溶媒を減圧下(約10mmHg)で55℃にて218gの溶媒が除去されるまで蒸発させた。丸底フラスコに50gのDMFを、20gおよび30gの二つのロットに分けて添加した後、更に減圧下(約10mmHg)で55℃にて10gの溶媒が除去されるまで蒸発させた。得られた200gの分散液を30gのDMFで希釈することにより、0.6重量%のP3MEET-Sを含むDMF分散液を得た。分散液を室温で15分間攪拌した。
【0079】
実施例13〜18
実施例13〜18の各々に使用される配合は下記の表2に示されている。実施例13〜18の各々の手順は、下記のとおりである: 3.5重量%のマトリックスポリマー、即ちポリエーテルスルホン(「PES」)、ポリ(2‐ビニルナフタレン)(「P2VN」)、またはポリ(N‐ビニルカルバゾール)(「PVK」)を含むDMF溶液を7.286g容器に入れた。実施例18以外においては、追加の量のDMFおよび/またはNMPを容器に添加した。マトリックスポリマー溶液を激しく攪拌しながら、0.60重量%のP3MEET-Sを含むDMF分散液を7.500g添加した。沈殿は見られなかった。
【0080】
【表2】

【0081】
実施例19
インクの粘度を増加させる目的で、P3MEET-S溶液(「溶液A」)を148g、エトキシトリグリコール148gと混合した。混合物を、回転式エバポレーター(Buchi Rotavapor R200)に装着されたフラスコ内に添加した。溶媒の除去は、70℃で約1時間行った。P3MEET-Sを含む残留した溶液を回収(147g)することにより0.882重量%の固体を含む溶液が得られた。実質的に類似した手法をメトキシトリグリコール(1.333重量%固体)に使用した。「溶液A」は、P3MEETを0.665重量%、並びに水を99.335%含むものであった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
i)少なくとも一つの水分散液中に少なくとも一つのスルホン化ポリチオフェンを提供する工程;
ii)分散液に少なくとも一つの非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化ポリチオフェンが混合物中に分散されたままである工程;および
iii)混合物から水を除去する工程
を含む方法。
【請求項2】
スルホン化ポリチオフェンが、スルホン化された位置規則性ポリチオフェンを含む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
スルホン化ポリチオフェンが、アルキレンオキシ置換基、ポリエーテル置換基、またはその組み合わせを含むスルホン化された位置規則性ポリチオフェンを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記水分散液が、約0.1 重量%から約8 重量%のスルホン化ポリチオフェンを含む、請求項1記載の方法。
【請求項5】
非水性溶媒が、メチル‐2‐ピロリドン(「NMP」)、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、テトラヒドロフラン(「THF」)、1‐メトキシ‐2‐プロパノールアセテート(「PMA」)、クロロホルム、グリコール、グリコールエーテル、またはその混合物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
非水性溶媒が、メチル‐2‐ピロリドン(「NMP」)、ジメチルスルホキシド(「DMSO」)、またはジメチルホルムアミド(「DMF」)を含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
水分散液に添加される非水性溶媒の量が、水分散液の約80重量%から約120重量%である、請求項1記載の方法。
【請求項8】
工程iii)が減圧下で水を除去する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
工程iii)が約100mmHg以下の圧力下で水を除去する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
工程iii)が混合物を加熱する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項11】
工程iii)が混合物を少なくとも約40℃まで加熱する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
工程iii)が混合物を減圧下で加熱する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
工程iii)が混合物を、約100 mmHg以下の圧力下で、少なくとも約40℃まで加熱する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項14】
工程iii)が混合物を第一の温度に加熱し、次に混合物を第一の温度よりも少なくとも約5℃高い第二の温度に加熱する工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項15】
工程i)の水分散液中の水が重量で少なくとも80%減少される、請求項1記載の方法。
【請求項16】
工程iv)を更に含み、工程iv)が工程ii)およびiii)を少なくとも一回繰り返す工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項17】
工程iv)を更に含み、工程iv)が工程ii)およびiii)を少なくとも一回繰り返す工程を含み、かつ工程i)からの水分散液中の水が重量で少なくとも90%減少される、請求項1記載の方法。
【請求項18】
工程iv)を更に含み、工程iv)が工程ii)およびiii)を少なくとも一回繰り返す工程を含み、かつ工程ii)が繰り返される際に混合物に添加される非水性溶媒の量が混合物の約5重量%〜約50重量%である、請求項1記載の方法。
【請求項19】
工程iv)を更に含み、工程iv)が工程iii)からの混合物をマトリックスポリマーと合わせる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項20】
工程iv)およびv)を更に含み、工程iv)が工程ii)およびiii)を少なくとも一回繰り返す工程を含み、かつ工程v)が工程iv)からの混合物をマトリックスポリマーと合わせる工程を含む、請求項1記載の方法。
【請求項21】
i)水分散液中に少なくとも一つのスルホン化された位置規則性ポリチオフェンを提供する工程;
ii)分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化された位置規則性ポリチオフェンが混合物中に分散されたままである工程;
iii)混合物から水を除去する工程
を含む方法。
【請求項22】
スルホン化された位置規則性ポリチオフェンがアルキレンオキシまたはポリエーテル置換基を含むスルホン化ポリチオフェンである、請求項21記載の方法。
【請求項23】
水分散液が約0.1重量%〜約8重量%のスルホン化された位置規則性ポリチオフェンを含む、請求項21記載の方法。
【請求項24】
非水性溶媒がメチル‐2‐ピロリドン(「NMP」)、ジメチルスルホキド(「DMSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、テトラヒドロフラン(「THF」)、1‐メトキシ‐2‐プロパノールアセテート(「PMA」)、クロロホルム、グリコール、グリコールエーテル、またはその混合物を含む、請求項21記載の方法。
【請求項25】
水分散液に添加された非水性溶媒の量が水分散液の約80 重量%から約120重量%である、請求項21記載の方法。
【請求項26】
工程iii)が減圧下で水を除去する工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項27】
工程iii)が混合物を加熱する工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項28】
工程i)の水分散液中の水が重量で少なくとも80%減少される、請求項21記載の方法。
【請求項29】
工程iv)を更に含み、工程iv)が工程ii)およびiii)を少なくとも一回繰り返す工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項30】
工程iv)を更に含み、工程iv)が工程iii)からの混合物をマトリックスポリマーと合わせる工程を含む、請求項21記載の方法。
【請求項31】
i)水分散液中に少なくとも一つのスルホン化ポリチオフェンを提供する工程;
ii)分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化ポリチオフェンが混合物中に分散されたままである工程;および
iii)混合物を真空に曝露する工程であって、真空への曝露にともない混合物の相対的含水量が増加する工程
を含む方法。
【請求項32】
スルホン化ポリチオフェンがドーピングポリマーと会合していない、請求項31記載の方法。
【請求項33】
水分散液がPEDOTまたはPEDOT:PSSを含まない、請求項31記載の方法。
【請求項34】
ポリチオフェンの分散液の粘度を増加させる、請求項31記載の方法。
【請求項35】
マトリックス材料がスルホン化ポリチオフェンに混合されている、請求項31記載の方法。
【請求項36】
マトリックスポリマーが、スルホン化ポリチオフェンに混合され、それは非水性溶媒に可溶性である、請求項31記載の方法。
【請求項37】
共沸による水の除去により水含量の増加がもたらされる、請求項31記載の方法。
【請求項38】
非水性溶媒が極性、非プロトン性溶媒である、請求項31記載の方法。
【請求項39】
正孔注入層、正孔収集層、または正孔輸送層のためのインクを配合するために使用される、請求項31記載の方法。
【請求項40】
スルホン化ポリチオフェンが正孔輸送材料と混合される、請求項31記載の方法。
【請求項41】
i)水分散液中に少なくとも一つのスルホン化ポリチオフェンを提供する工程;
ii)分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化ポリチオフェンが混合物中に分散されたままである工程;
iii)混合物から水を除去することにより、スルホン化ポリチオフェンの非水性分散液を提供する工程;および
iv)非水性分散液をマトリックスポリマーと合わせることにより組成物を形成する工程
を含む方法により調製された、組成物。
【請求項42】
スルホン化ポリチオフェンがスルホン化ポリ(3‐(アルコキシ)チオフェン)を含む、請求項41記載の方法。
【請求項43】
スルホン化ポリチオフェンがスルホン化ポリ(3‐(メトキシエトキシエトキシ)チオフェン)を含む、請求項41記載の方法。
【請求項44】
水分散液が約0.1重量%〜約8重量%のスルホン化ポリチオフェンを含む、請求項41記載の方法。
【請求項45】
非水性溶媒がメチル‐2‐ピロリドン(「NMP」)、ジメチルスルホキド(「DMSO」)、ジメチルホルムアミド(「DMF」)、テトラヒドロフラン(「THF」)、1‐メトキシ‐2‐プロパノールアセテート(「PMA」)、クロロホルム、またはその混合物を含む、請求項41記載の方法。
【請求項46】
非水性溶媒がメチル‐2‐ピロリドン(「NMP」)、ジメチルスルホキド(「DMSO」)、またはジメチルホルムアミド(「DMF」)を含む、請求項41記載の方法。
【請求項47】
水分散液に添加された非水性溶媒の量が水分散液の約80 重量%から約120重量%である、請求項41記載の方法。
【請求項48】
i)水分散液中に少なくとも一つのスルホン化された位置規則性ポリチオフェンを提供する工程;
ii)分散液に非水性溶媒を添加することにより混合物を提供する工程であって、スルホン化された位置規則性ポリチオフェンが混合物中に分散されたままである工程;
iii)混合物から水を除去することにより、スルホン化された位置規則性ポリチオフェンの非水性分散液を提供する工程;および
iv)非水性分散液をマトリックスポリマーと合わせることにより組成物を形成する工程
を含む方法により調製された、組成物。
【請求項49】
請求項1、21、または31記載の方法により調製された組成物。

【公表番号】特表2012−525487(P2012−525487A)
【公表日】平成24年10月22日(2012.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−508776(P2012−508776)
【出願日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際出願番号】PCT/US2010/033180
【国際公開番号】WO2010/127253
【国際公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【出願人】(507094393)プレックストロニクス インコーポレーティッド (24)
【Fターム(参考)】