説明

非水電解質電池及び電池パック

【課題】非水電解質電池の出力特性を向上させ、また、この非水電解質電池を含む電池パックを提供する。
【解決手段】非水電解質電池が、非水電解液と、正極3と、負極4と、セパレータ5とを含み、非水電解液は、式1で表される非対称スルホン系化合物と、式2で表される対称スルホン系化合物とを含有する。正極は、Li1-xMn1.5-yNi0.5-zy+z4(0≦x≦1、0≦y+z≦0.15、MはMg、Al、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Sn、Zr及びTaから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される複合酸化物を含有する。負極は、Tiを含有するリチウム吸蔵放出可能な酸化物を含有する。セパレータは、不織布からなる。式1…R−SO−R(但し、R≠R、R,Rは炭素数が1〜10のアルキル基。)、式2…R−SO−R(但し、Rは炭素数が1〜6のアルキル基。)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、非水電解質電池及び電池パックに関する。
【背景技術】
【0002】
二次電池の中でも、非水電解質二次電池はリチウムイオンの正負極間の移動により充放電を行う二次電池であり、電解液に有機溶媒を用いることから水溶液を用いるニッカド二次電池やニッケル水素二次電池よりも大きな電圧を得ることができる特徴がある。現在、実用化されている非水電解質二次電池では、正極活物質としてリチウム含有コバルト複合酸化物やリチウム含有ニッケル複合酸化物が用いられ、負極活物質としてカーボン系材料やチタン酸リチウムなどが用いられている。また、電解液には、LiPF6やLiBF4等のリチウム塩が環状カーボネートや鎖状カーボネートなどの有機溶媒に溶解されたものが用いられている。正極活物質は、リチウム金属電位に対して平均作動電位が3.4〜3.8V程度、充電時の最大電位が4.1〜4.3Vである。他方、負極活物質であるカーボン系材料はリチウム金属電位に対して0.05〜0.5V程度、チタン酸リチウムは1.55Vである。これらの正負極活物質を組み合わせることにより、電池電圧としては2.2〜3.8V、最大充電電圧としては2.7〜4.3Vとなる。
【0003】
更なる容量向上の一方策として、充電時の最大電位が4.4V〜5.0VであるLiMn1.5Ni0.54を正極活物質として用いることが提案されている。しかしながら、この正極活物質をカーボネート系溶媒を含む電解液と共に用いると、溶媒が充電時に正極で酸化反応を起こして電池性能が劣化したり、ガス発生が起こるという問題があった。一方、スルトンやスルホン系の化合物を溶媒としても用いることが提案されている。しかしながら、スルトンやスルホン系の化合物は、カーボネート系溶媒に比べ、高粘性、リチウム塩溶解度が低い、負極に対する反応性が高いという諸問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特表2000−515672号公報
【特許文献2】特許第4245532号公報
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】A.Abouimrane, I.Belharouak, K.Amine Electrochemistry Communications 11(2009)1073-1076
【非特許文献2】Kang Xu, and C.Austen Angell, J.Electrochemical Soc.149(2002)A920-A926
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態は、非水電解質電池の出力特性を向上させ、また、この非水電解質電池を含む電池パックを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
実施形態によれば、非水電解液と、正極と、負極と、セパレータとを含む非水電解質電池が提供される。非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解されたリチウム塩とを含む。非水溶媒は、式1で表される非対称スルホン系化合物と、式2で表される対称スルホン系化合物とを含有する。正極は、Li1-xMn1.5-yNi0.5-zy+z4(0≦x≦1、0≦y+z≦0.15、MはMg、Al、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Sn、Zr及びTaから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される複合酸化物を含有する正極活物質を含む。負極は、Tiを含有するリチウム吸蔵放出可能な酸化物を含有する負極活物質を含む。セパレータは、正極と負極との間に配置され、不織布からなる。
【化1】

【0008】
但し、R1≠R2、R1、R2は炭素数が1以上10以下のアルキル基である。
【化2】

【0009】
但し、R3は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。
【0010】
また、実施形態によれば、実施形態の非水電解質電池を含む電池パックが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】第1の実施形態に係る非水電解質電池の断面を示す模式図である。
【図2】図1のA部を示す拡大断面図である。
【図3】第2の実施形態に係る電池パックの分解斜視図である。
【図4】図3の電池パックの電気回路を示すブロック図である。
【図5】実施例の非水電解質電池の断面の模式図である。
【図6】実施例及び比較例の非水電解質電池の放電レート特性のグラフである。
【図7】実施例及び比較例の非水電解質電池の放電レート特性のグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0013】
(第1の実施形態)
第1の実施形態によれば、外装部材、正極、負極、セパレータ及び非水電解液を含む非水電解質電池が提供される。正極、負極、セパレータ及び非水電解液は、外装部材内に収容される。
【0014】
非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解されたリチウム塩とを含む。非水溶媒は、式1で表される非対称スルホン系化合物と、式2で表される対称スルホン系化合物とを含有する。
【化3】

【0015】
但し、R1≠R2、R1、R2は炭素数が1以上10以下のアルキル基。
【化4】

【0016】
但し、R3は炭素数が1以上6以下のアルキル基。
【0017】
正極は、Li1-xMn1.5-yNi0.5-zy+z4(0≦x≦1、0≦y+z≦0.15、MはMg、Al、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Sn、Zr及びTaから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される複合酸化物を含有する正極活物質を含む。負極は、Tiを含有するリチウム吸蔵放出可能な酸化物を含有する負極活物質を含む。セパレータは、正極と負極との間に配置される。
【0018】
正負極活物質に用いられる酸化物は、複数種の炭酸塩や水酸化物を原料として焼成過程を経て調製される。そのため、原理上必要とされる量の原料を用意しても、複数の原料の混合方法が悪かったり、焼成時間の不足等により、原料の残存が避けられない。また、多くのケースでは、収率を高めるために、特定の原料を化学量論的な規定量よりも多く用いるため、原料の残存が生じる。また、電極製造や組立ては大気中で行われるため、水分やCO2の吸着が発生する。これらの残存原料や吸着物のうち、水酸化物、炭酸塩、水などは電気化学ウィンドウが小さいため、正負極に電圧が印加されると分解して、水素、二酸化炭素等のガスが発生する。上記複合酸化物を含む5V系正極は、4V系正極と比較して充電時の最大電圧が高いため、残存原料や吸着物の酸化が起きやすい。また、負極に用いられる上記酸化物は、高温で焼成されるカーボン系材料ではなく、正極と同様に金属酸化物であるため、原料残存が起きやすく、還元によるガス発生が起きやすい。
【0019】
このようにガス発生の起き易い正負極を備えた非水電解質電池において、上記のような電解液及びセパレータを用いることにより、ガス発生による膨れを抑制することができ、良好な出力特性、特に良好なレート特性、サイクル特性及び大きな充電容量を得ることが可能となる。式1および式2で表される化合物は、酸化され難いため、これら化合物を混合して用いることにより、室温および60℃程度の高温において、良好な出力特性を有する非水電解質電池を構成することができる。詳細な特性向上機構は明らかではないが、室温付近あるいはそれ以上に融点を有する式2で表わされる対称スルホン系化合物を混合することにより、非水溶媒単位体積中の極性基であるスルホン基の量が大きくなり、リチウム塩の非水溶媒への溶解度が増大するためであると推定される。また、対称スルホン系化合物は、非対称スルホン系化合物と比較して合成プロセスが簡略化できるため、有利である。また、合成プロセスの簡略化は対称スルホン系化合物の純度を高める点でも効果がある。
【0020】
以下、正極、負極、セパレータ、非水電解液及び外装部材について説明する。
【0021】
(正極)
正極は、正極活物質を含有し、他に電子導電性を有する物質(以下、導電材と称す)や、結着剤を含むことができる。また、正極は、集電体を含むことができる。集電体は、正極活物質を含む正極材料層と接している。正極材料層は、例えば、正極活物質と導電材と結着剤とを混練した後、圧延によりシート化することにより得られる。あるいは、正極活物質と導電材と結着剤とをトルエン、N−メチルピロリドン(NMP)等の溶媒に溶解または懸濁させることによりスラリーを調製した後、スラリーを集電体上に塗布、乾燥してシート化することで集電体に正極材料層を形成することも可能である。
【0022】
正極活物質は、Li1-xMn1.5-yNi0.5-zy+z4(0≦x≦1、0≦y+z≦0.15、MはMg、Al、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Sn、Zr及びTaから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される複合酸化物を含有する。Liのモル比(1−x)は、充放電反応に伴うリチウムの吸蔵放出によって0≦x≦1の範囲で変動し得る。置換量(y+z)は、0にすることも可能であるが、表面活性抑制の点からは0.01以上が望ましい。また、高容量化の観点から、置換量(y+z)は0.15以下とすることが望ましい。特に好ましい範囲は、0.03以上0.1以下である。また、Mn及びNiのうち少なくとも一方の一部を元素Mで置換することで、正極活物質表面活性を低下させて電池抵抗の増大をより抑制することができる。特に、Mg及びZrのうちの少なくとも一方を元素Mとして用いると、置換効果が大きくより望ましい。サイクル特性およびコストの観点から、複合酸化物はLiMn1.5Ni0.54が望ましい。使用する正極活物質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。
【0023】
導電材の例には、炭素材料等を挙げることができる。
【0024】
結着剤には、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エチレン−プロピレン−ジエン共重合体、スチレン−ブタジエンゴム等を用いることができる。
【0025】
集電体には、電子導電性を有する金属等の基材を用いることができる。集電体の具体例に、アルミニウム、ステンレス、チタンなどの金属箔、薄板もしくはメッシュ、金網等が含まれる。
【0026】
正極材料層が正極活物質、導電材および結着剤を含む場合、正極活物質、導電材および結着剤の配合割合は、正極材料層を100重量%とした際に正極活物質73〜95重量%、導電材3〜20重量%、結着剤2〜7重量%にすることが好ましい。
【0027】
正極は、充電時の最大電位がリチウム金属電位を基準として4.4V以上、4.9V以下の範囲となるように使用されることが望ましい。充電時の最大電位をこのような範囲にすることにより大きな容量を得ることができる。特に、充電時の最大電位がリチウム金属電位を基準として4.6V以上4.8V以下となるように正極を使用することで、大きな容量と副反応抑制を両立することができるのでより望ましい。さらに、正極を放電時の最低電位がリチウム金属電位を基準として4.0V以上4.3V以下となるように使用することで正極活物質の劣化を最小とすることができ、より高いサイクル特性を得ることができるので望ましい。
【0028】
(負極)
負極は、負極活物質を含有し、その他に導電材、結着剤を含むことができる。また、負極は、集電体を含むことができる。集電体は、負極活物質を含む負極材料層と接している。負極材料層は、ペレット状、薄板状もしくはシート状にすることができる。負極材料層は、例えば、負極活物質と導電材と結着剤とを混練した後、圧延することによりペレット化もしくはシート化することで得られる。あるいは、負極活物質と導電材と結着剤とを混練した後、これらを水、N−メチルピロリドン(NMP)等の溶媒に溶解または懸濁させることによりスラリーを調製した後、スラリーを集電体上に塗布し、乾燥してシート化することで集電体に負極材料層を形成することができる。
【0029】
Tiを含有するリチウム吸蔵放出可能な酸化物の例には、スピネル型チタン酸リチウム、単斜晶系二酸化チタンなどを挙げることができる。使用する負極活物質の種類は、1種類または2種類以上にすることができる。スピネル型チタン酸リチウムは充放電カーブの平坦性が高いため、上記複合酸化物を含む正極と組み合わせると、正負極の電位制御を容易にすることができる。また、スピネル型チタン酸リチウムは、サイクル経過による変動を最小に抑えて高いサイクル特性を実現できる。
【0030】
導電材には、炭素材料、金属等の電子導電性を有する物質を用いることができる。粉末、繊維状粉末等の形状が望ましい。
【0031】
結着剤としては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、スチレン−ブタジエンゴム、カルボキシメチルセルロース(CMC)等を用いることができる。
【0032】
集電体としては、銅、ステンレス、ニッケル等などの金属箔、薄板もしくはメッシュ、金網等を用いることができる。
【0033】
負極材料層が負極活物質、導電材および結着剤を含む場合、負極活物質、導電材および結着剤の配合割合は、負極材料層を100重量%とした際に負極活物質73〜96重量%、導電材2〜20重量%、結着剤2〜7重量%の範囲にすることが好ましい。
【0034】
また、負極は、充電時の最低電位がリチウム金属電位を基準として1.0V以上となるように使用されることが望ましい。これにより、負極とスルホン系化合物との副反応を抑制することができる。充電時の最低電位をリチウム金属電位を基準として1.0V以上1.5V以下とすることで、セル内における電解液の関与する副反応を最小限に抑えて高い充放電効率やサイクル特性を実現できる。特に、負極を充電時の最低電位がリチウム金属電位を基準として1.35V以上1.45V以下となるように使用することで、負極活物質のサイクル中の劣化をより小さくすることができるとともに、インピーダンス増大を抑制できるのでより望ましい。また、負極を放電時の最大電位がリチウム金属電位を基準として1.6V以上2.0V以下となるように使用することで、負極活物質のサイクル中の劣化をより小さくすることができるのでより望ましい。こうした電位で動作が可能な負極活物質としては、スピネル型チタン酸リチウム、単斜晶系二酸化チタンなどを挙げることができる。
【0035】
(セパレータ)
不織布セパレータには、非水電解液が含浸される。不織布の例には、セルロース不織布、ポリエチレンテレフタレート不織布、ポリオレフィン不織布を挙げることができる。正極接触面での耐酸化性を有することから、セルロース及びポリオレフィンのうち少なくとも一方から形成された不織布が望ましい。ただし、通常ガラスフィルターに分類されるガラス繊維からなる膜は、ガラス繊維径が大きく、膜厚を非常に大きくしないと短絡原因となるため、実験室でのテストには使用できるが、実際の電池では電池容量を著しく損なうため、使用できない。加えて、ガラスが電極表面に存在するとフッ素含有アニオンの分解を促進し、特性低下を引き起こす問題もある。
【0036】
例えばポリオレフィン多孔質膜等の多孔質膜は、延伸によって亀裂を作ることによって孔を開ける。よって、大部分の孔が、多孔質膜の面に垂直方向に生成する。多孔質膜の面(セパレータの面)に対して垂直方向は正負極が向き合い、イオンが行き来する方向である。しかしながら、電極表面で発生したガスは、この垂直方向に平行な孔に滞留しやすいため、電極群外へのガスの拡散が滞る。一方、不織布は細かい繊維を積層して一体化させたものなので、全方向へ空隙が広がっており、ガスが電極と平行方向に抜けるパス、つまりセパレータの面と平行方向に抜けるパスが存在する。このため、非水電解液によりガス発生が抑制されると共に、発生したガスが速やかに電極群外に拡散するため、良好なレート特性、サイクル特性及び大きな充電容量を得ることが可能となる。
【0037】
セパレータの厚さは、8μm以上、40μm以下にすることができる。
【0038】
(非水電解液)
非水電解液は、非水溶媒と、非水溶媒に溶解されたリチウム塩とを含む。非水溶媒は、式1で表される非対称スルホン系化合物と、式2で表される対称スルホン系化合物とを含有する。
【化5】

【0039】
但し、R1≠R2、R1、R2は炭素数が1以上10以下のアルキル基である。
【化6】

【0040】
但し、R3は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。
【0041】
式1のR1およびR2となる炭素数が1以上10以下のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基などが挙げられる。非対称スルホン系化合物においては、R1がメチル基、R2がイソプロピル基としたイソプロピルメチルスルホン(略称IPMS)や、R1がエチル基、R2がイソプロピル基としたエチルイソプロピルスルホン(略称EIPS)などが、融点が低いことに加えて、分子量が低いために望ましい。その他、ノルマルブチルノルマルプロピルスルホン、エチルノルマルプロピルなどが低融点であるため、望ましい。
【0042】
式2のR3となる炭素数が1以上6以下のアルキル基は、例えば、メチル基、エチル基、ブチル基、イソプロピル基などが挙げられる。極性であるスルホン基の割合を大きくできることから、非対称スルホン系化合物より分子量が小さいことが望ましい。
【0043】
対称スルホン系化合物の融点は、広い温度範囲で混合溶媒が液体状態を維持し、析出物を防止できるため、100℃以下が望ましい。加えて、100℃以下であれば水浴による加熱で液体状態とすることができ、純度向上プロセスや混合溶媒作製のための混合プロセスが容易となる。良好なレート特性、サイクル特性及び大きな充電容量を得られる効果は、室温よりも45℃あるいは60℃程度の高温領域でより顕著となる。より好ましい融点の範囲は、25℃以上100℃以下である。対称スルホン系化合物の融点は、R3がメチル基で約108℃、エチル基で約73℃、ノルマルプロピル基で約29.5℃、ノルマルブチル基で約44℃である。
【0044】
対称スルホン系化合物の分子量を非対称スルホン系化合物の分子量より小さくすると、より安価で、分子内でのスルホン基含有率が大きな対称スルホン系化合物を用いることができるので望ましい。このように、極性を有するスルホン基が非極性のアルキル基に対して占める割合を大きくすることにより、非水溶媒の耐酸化性をより高くすることができ、室温および60℃程度の高温における出力特性をさらに高くすることができる。また、対称スルホン系化合物は、その対称性ゆえに非対称スルホン系化合物よりも安価であるため、上記のように分子量を調整することにより出力特性の向上を低コストで図ることが可能となる。
【0045】
対称スルホン系化合物は、リチウム塩の解離に十分に寄与できるように溶媒に溶解させるリチウム塩のモル数以上が混合されていることが望ましい。一方、非対称スルホン系化合物よりも低分子量の対称スルホン系化合物は室温(25℃)で固体であるため、混合後の溶媒に析出や沈殿がないことが望ましい。以上のことから、対称スルホン系化合物が非対称スルホン系化合物に対して室温の飽和溶解量以下であることが望ましい。但し、対称スルホン系化合物が非対称スルホン系化合物に対して室温の飽和溶解量を超えていても、リチウム塩溶解後に沈殿がなければ、使用が可能である。なお、この場合は、電池内の反応によりリチウム塩が減少した場合に、対称スルホン系化合物の析出が起こる可能性がある。加えて、電池が室温以上で主に使用される場合は、想定使用温度において飽和溶解量以下であれば使用することが可能である。
【0046】
対称スルホン系化合物や非対称スルホン系化合物はそれぞれ一種に限定されるわけではなく、それぞれについて2種以上を用いることができる。
【0047】
前記以外に、各種溶媒を混合して粘度低下、リチウム塩溶解性の向上、低融点化を得ることも可能である。ただし、スルホン系化合物以外の溶媒が酸化分解されることの影響を最小限にとどめるため、混合量は全溶媒中の10重量%以下が望ましい。前記各種溶媒としては、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボネート(PC)、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、γ−ブチロラクトン(BL)、アセトニトリル(AN)、酢酸エチル(EA)、トルエン、キシレンまたは酢酸メチル(MA)などを用いることができる。使用する溶媒の種類は1種または2種以上にすることができる。スルホン系化合物に対するリチウム塩溶解度の低さを補うため、誘電率が高くリチウム塩溶解度の高いECやPCなどの環状カーボネートが望ましい。また、ガス発生抑制の点からは、DMC、DEC、MEC等の鎖状カーボネートよりも、ECやPCなどの環状カーボネートが望ましい。
【0048】
リチウム塩としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、四フッ化砒素リチウム(LiBF4)、トリフルオロメチルスルホン酸リチウム、ビストリフルオロメチルスルホニルイミドリチウム(LiTFSI)、ビスペンタフルオロエチルスルホニルイミドリチウムなどを用いることができる。より良好なサイクル特性を得ることができることから、LiPF6やLiBF4が望ましく、これらの混合塩であってもよい。
【0049】
(外装部材)
外装部材の例には、金属や樹脂製の缶、ラミネートフィルム製容器、プラスチック、セラミック等からなる角型容器等が含まれる。金属缶としては、アルミニウム、鉄、ステンレス等の角型の容器を用いることができる。ラミネートフィルム製外装部材は、例えば、アルミニウムや銅またはステンレスなどの金属層に樹脂層を合わせたラミネートフィルム材を熱融着により袋状にすることにより得られる。特に、ラミネートフィルム製外装部材は、セル内部でのガス発生を電池外観の変化として検出可能であるため、望ましい。
【0050】
第1の実施形態に係る非水電解質二次電池の具体例を図1及び図2に示す。図1は、扁平型非水電解質二次電池を電池厚さ方向に沿って切断した際に得られる断面を模式的に示した図であり、図2は図1のA部を示す拡大断面図である。非水電解質二次電池は、ラミネートフィルム製外装部材1と、外装部材1内に収容された電極群2と、非水電解液(図示しない)とを備える。ラミネートフィルム製外装部材1は、金属層に樹脂層を合わせたラミネートフィルムを熱融着により袋状に成形したものである。電極群2は、正極3と負極4との間にセパレータ5を介在したものが順に積み重ねられた(スタックされた)ものである。正極3は、正極集電体3aと、正極集電体3aの両側もしくは片側に保持された正極材料層3bとを含む。負極4は、負極集電体4aと、負極集電体4aの両側もしくは片側に保持された負極材料層4bとを含む。帯状の正極端子6は、正極3の正極集電体3aと電気的に接続されており、その先端が外装部材1の熱融着部を通して外部に延出されている。一方、帯状の負極端子7は、負極4の負極集電体4aと電気的に接続されており、その先端が外装部材1の熱融着部を通して外部に延出されている。
【0051】
正極端子は、正極と電気的に接続され、電池外部と正極を電気的に橋渡しする機能を有する。正極端子の形状は、図1に示すような帯状に限定されるものではなく、例えば、リボン状、棒状にすることができる。また、正極端子には、正極集電体の一部を使用しても良いし、正極集電体と別部品であっても良い。正極端子は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、チタン等から形成することができる。
【0052】
負極端子は、負極と電気的に接続され、電池外部と負極を電気的に橋渡しする機能を有する。負極端子の形状は、図1に示すような帯状に限定されるものではなく、例えば、リボン状、棒状にすることができる。また、負極端子には、負極集電体の一部を使用しても良いし、負極集電体と別部品であっても良い。負極端子は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、ステンレスなどから形成することができる。軽量かつ溶接接続性に優れたアルミニウム、アルミニウム合金が望ましい。
【0053】
図1及び図2には、捲回電極群と、ラミネート製外装部材とを備えた非水電解質電池を示したが、非水電解質電池の電極群の形式や外装部材の種類は図面に示されるものに限定されず、非水電解質電池に使用可能なものであれば用いることが可能である。例えば、捲回式電極群を使用したり、外装部材に金属缶を使用することができる。
【0054】
第1の実施形態によれば、式1で表される非対称スルホン系化合物と、式2で表される対称スルホン系化合物とを含有する非水溶媒を含む非水電解液と、不織布セパレータとを用いるため、Li1-xMn1.5-yNi0.5-zy+z4(0≦x≦1、0≦y+z≦0.15、MはMg、Al、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Sn、ZrあるいはTaから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される複合酸化物を含む正極と、リチウムを吸蔵放出可能なTiを含有する酸化物を含む負極とを備えた非水電解質電池のレート特性をはじめとする出力特性を向上することができる。当該正極は、充電時の最大電位を4.4〜4.9Vの高電位にすることができるため、負極と組み合わせることにより、3V系の非水電解質電池を実現することが可能である。よって、第1の実施形態によれば、3V系の非水電解質電池の出力特性を向上させることができる。
【0055】
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る電池パックは、第1の実施形態の非水電解質二次電池(単電池)を1個または複数有する。複数の単電池を備える場合、各単電池は電気的に直列もしくは並列に接続されている。
【0056】
このような電池パックを図3および図4を参照して詳細に説明する。
【0057】
単電池には、例えば、扁平型非水電解質二次電池を使用することができる。扁平型非水電解質二次電池から構成される複数の単電池21は、外部に延出した正極端子16および負極端子17が同じ向きに揃えられるように積層され、粘着テープ22で締結することにより組電池23を構成している。これらの単電池21は、図4に示すように互いに電気的に直列に接続されている。
【0058】
プリント配線基板24は、負極端子17および正極端子16が延出する単電池21側面と対向して配置されている。プリント配線基板24には、図4に示すようにサーミスタ25、保護回路26および外部機器への通電用端子27が搭載されている。なお、組電池23と対向する保護回路基板24の面には組電池23の配線と不要な接続を回避するために絶縁板(図示せず)が取り付けられている。
【0059】
正極側リード28は、組電池23の最下層に位置する正極端子16に接続され、その先端はプリント配線基板24の正極側コネクタ29に挿入されて電気的に接続されている。負極側リード30は、組電池23の最上層に位置する負極端子17に接続され、その先端はプリント配線基板24の負極側コネクタ31に挿入されて電気的に接続されている。これらのコネクタ29,31は、プリント配線基板24に形成された配線32,33を通して保護回路26に接続されている。
【0060】
サーミスタ25は、単電池21の温度を検出し、その検出信号は保護回路26に送信される。保護回路26は、所定の条件で保護回路26と外部機器への通電用端子27との間のプラス側配線34aおよびマイナス側配線34bを遮断できる。所定の条件とは、例えばサーミスタ25の検出温度が所定温度以上になったときである。また、所定の条件とは単電池21の過充電、過放電、過電流等を検出したときである。この過充電等の検出は、個々の単電池21もしくは単電池21全体について行われる。個々の単電池21を検出する場合、電池電圧を検出してもよいし、正極電位もしくは負極電位を検出してもよい。後者の場合、個々の単電池21中に参照極として用いるリチウム金属電極などが挿入される。図3および図4の場合、単電池21それぞれに電圧検出のための配線35を接続し、これら配線35を通して検出信号が保護回路26に送信される。
【0061】
正極端子16および負極端子17が突出する側面を除く組電池23の三側面には、ゴムもしくは樹脂からなる保護シート36がそれぞれ配置されている。
【0062】
組電池23は、各保護シート36およびプリント配線基板24と共に収納容器37内に収納される。すなわち、収納容器37の長辺方向の両方の内側面と短辺方向の内側面それぞれに保護シート36が配置され、短辺方向の反対側の内側面にプリント配線基板24が配置される。組電池23は、保護シート36およびプリント配線基板24で囲まれた空間内に位置する。蓋38は、収納容器37の上面に取り付けられている。
【0063】
なお、組電池23の固定には粘着テープ22に代えて、熱収縮テープを用いてもよい。この場合、組電池の両側面に保護シートを配置し、熱収縮チューブを周回させた後、熱収縮チューブを熱収縮させて組電池を結束させる。
【0064】
図3、図4では単電池21を直列接続した形態を示したが、電池容量を増大させるためには並列に接続してもよい。組み上がった電池パックを直列、並列に接続することもできる。
【0065】
また、電池パックの態様は用途により適宜変更される。電池パックの用途としては、大電流特性でのサイクル性能が望まれるものが好ましい。具体的には、デジタルカメラの電源用や、二輪乃至四輪のハイブリッド電気自動車、二輪乃至四輪の電気自動車、アシスト自転車等の車載用が挙げられる。車載用が好適である。
【0066】
第2の実施形態によれば、第1の実施形態に係る非水電解質電池を備えるため、レート特性をはじめとする出力特性の向上された3V系の非水電解質電池を用いた電池パックを実現することができる。
【実施例】
【0067】
以下、本発明の実施例を、図表を用いて詳細に説明する。まず、実施例で用いた非水電解質電池を図5を参照して説明する。
【0068】
図5に示すように、実施例の非水電解質電池は、外装部材としてガラス製容器41と、ガラス製容器41の開口部に配置されるガラス製蓋42とを用いるものである。電極群は、正極43と、負極44と、正極43及び負極44の間に配置されたセパレータ45とが積層された積層体である。チタン製の正極集電板46は、正極43に積層されている。正極集電板46には、チタンワイヤー47が接続されている。ニッケル製の負極集電板48は、負極44に積層されている。負極集電板48には、ニッケルワイヤー49が接続されている。電極群の両方の最外層に樹脂製押さえ板50が配置され、電極群は樹脂製押さえ板50の間に挟まれている。チタンワイヤー47及びニッケルワイヤー49の先端は、ガラス製蓋42を通して外部に延出されている。非水電解液51は、ガラス製容器41内に収容され、電極群は非水電解液51中に浸漬されている。
【0069】
(実施例1)
正極活物質としてLiMn1.5Ni0.54粉末90重量%、アセチレンブラック2重量%、グラファイト5重量%、バインダーとしてポリフッ化ビニリデン5重量%をN−メチルピロリドンを溶媒としてスラリー化した。得られたスラリーを厚さ15μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥した後、圧延した。その後、片面を剥ぎ取ってアルミニウム箔を露出させ、20mm角の正方形に切り出して、正極シート43を作成した。
【0070】
負極活物質としてLi4Ti512粉末90重量%、導電材として人造黒鉛5重量%、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)5重量%を、N−メチルピロリドン(NMP)溶液に加えて混合し、得られたスラリーを厚さが25μmのアルミニウム箔の両面に塗布し、乾燥後、圧延した。その後、片面を剥ぎ取ってアルミニウム箔を露出させ、20mm角の正方形に切り出して、20mm角の負極シート44を作成した。
【0071】
セパレータ45には、厚さ20μm、25mm角のセルロース製不織布を用いた。
【0072】
チタンワイヤー47を接続した正極集電板46、正極43、セパレータ45、負極44、ニッケルワイヤー49を接続した負極集電板48を、この順序で積層し、得られた積層物の上下面を押さえ板50で押さえて、電極群を作製した。電極群を、アルゴングローブボックス中で、ガラス製容器41に収めた。
【0073】
融点が−6℃である非対称スルホン系化合物であるエチルイソプロピルスルホン(略称EIPS)と、融点が室温以上の29.5℃である対称スルホン系化合物であるジプロピルスルホン(略称DPS)とを重量比で1:1で混合した。この混合溶液は室温で液体であった。また、対称スルホン系化合物が非対称スルホン系化合物に対して室温の飽和溶解量以下であった。混合溶液に1MのLiBF4を溶解することにより非水電解液51を調製した。リチウム塩(LiBF4)、EIPS、DPSのモル比は1:3.8:3.3であった。非水電解液51をガラス容器41に注液後、ガラス容器41をガラス蓋42で密封することにより、図5に示す非水電解質電池を得た。
【0074】
(実施例2)
非対称スルホン系化合物であるエチルイソプロピルスルホン(略称EIPS)と、融点が室温以上の44℃である対称スルホン系化合物であるジブチルスルホン(略称DBS)とを重量比でEIPS:DBS=1:1で混合した。この混合溶液は室温で液体であった。また、対称スルホン系化合物が非対称スルホン系化合物に対して室温の飽和溶解量以下であった。得られた混合溶液を用いた以外は、実施例1と同様にして非水電解液を調製した。リチウム塩(LiBF4)、EIPS、DBSのモル比は1:3.8:2.7であった。得られた非水電解液を用いること以外は、実施例1と同様にして非水電解質電池を作成した。
【0075】
(比較例1)
セパレータとして、厚さ12μmのポリプロピレン多孔質膜を用いた以外は、実施例1と同様に非水電解質電池を作成した。
【0076】
得られた実施例および比較例の非水電解質電池を、25℃環境下、0.32mAで3.25Vの定電流定電圧で15時間まで充電し、0.32mAで2.7Vまで放電した。その後、0.64mAで3.25Vの定電流定電圧で充電電流が0.08mAとなった時点で、充電終止とした。放電は0.32mAで2.7Vまで行った。以後、同様の充電後に、0.64mA、1.6mA、3.2mAで放電を実施した。
【0077】
その後、同様の充電を25℃で行った後、0℃環境で同様の放電電流を変えた試験を実施した。
【0078】
以上の室温(25℃)評価結果を示す図6より、実施例1では、比較例1と比較して、より高いレート特性が得られることがわかる。より粘度の高いDBSを用いた場合(実施例2)でも、DPSを用いた比較例1と同等以上の特性が得られていることが分かる。比較例1と同じセパレータを用いてDBSを用いた場合には、比較例1よりもさらに劣った特性になることが予想され、不織布セパレータとスルホン化合物の混合溶媒の組み合わせにより、対称スルホンにDBSを用いた場合にもDPSの場合と同様に高い特性が得られたものと言える。
【0079】
また、図7に示すように、低温(0℃)においては、差が顕著になり、実施例1が比較例1よりも大幅に高い特性を示し、さらにDBSを用いた実施例2がDPSを用いた比較例1とほぼ同等の結果が得られることが分かった。また、イソプロピルメチルスルホン(略称IPMS)は、EIPSと極めて近い構造を有し、かつほぼ同レベルのイオン導電率が得られる。このため、EIPSの代わりにイソプロピルメチルスルホン(略称IPMS)を用い、DPSやDBS等の対称スルホン系化合物をIPMSに溶解した場合でも、EIPSを用いた実施例とほぼ同様の結果が得られる。特に、イオン導電率の温度依存性から室温以上ではEIPSを上回る効果が得られると考えられる。
【0080】
以上述べた少なくとも一つの実施形態の非水電解質電池によれば、式1で表される非対称スルホン系化合物と式2で表される対称スルホン系化合物とを含有する非水溶媒を含む非水電解液と、不織布セパレータとを用いるため、レート特性を向上することができる。
【0081】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0082】
1…外装部材、2…電極群、3,43…正極、3a,46…正極集電体、3b…正極材料層、4,44…負極、4a,48…負極集電体、4b…負極材料層、5,45…セパレータ、6,16…正極端子、7,17…負極端子、21…単電池、23…組電池、24…プリント配線基板、25…サーミスタ、26…保護回路、37…収納容器、38…蓋、41…ガラス製容器、42…ガラス製蓋、50…樹脂製押さえ板、51…非水電解液。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式1で表される非対称スルホン系化合物と式2で表される対称スルホン系化合物とを含有する非水溶媒と、前記非水溶媒に溶解されたリチウム塩とを含む非水電解液と、
Li1-xMn1.5-yNi0.5-zy+z4(0≦x≦1、0≦y+z≦0.15、MはMg、Al、Ti、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Nb、Sn、Zr及びTaから選ばれる少なくとも1種の元素)で表される複合酸化物を含有する正極活物質を含む正極と、
Tiを含有するリチウム吸蔵放出可能な酸化物を含有する負極活物質を含む負極と、
前記正極と前記負極との間に配置され、不織布からなるセパレータと
を含むことを特徴とする非水電解質電池。
【化1】

但し、R1≠R2、R1、R2は炭素数が1以上10以下のアルキル基である。
【化2】

但し、R3は炭素数が1以上6以下のアルキル基である。
【請求項2】
前記対称スルホン系化合物の融点が100℃以下であることを特徴とする請求項1に記載の非水電解質電池。
【請求項3】
前記不織布が、セルロース及びポリオレフィンのうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1または2に記載の非水電解質電池。
【請求項4】
前記非水電解液中に前記対称スルホン系化合物が前記リチウム塩のモル数以上混合されていることを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載の非水電解質電池。
【請求項5】
前記対称スルホン系化合物が室温で固体であり、かつ前記対称スルホン系化合物が前記非対称スルホン系化合物に対して室温の飽和溶解量以下混合されていることを特徴とする請求項1〜4いずれか1項に記載の非水電解質電池。
【請求項6】
前記リチウム塩が、LiPF6及びLiBF4のうち少なくとも一方を含むことを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載の非水電解質電池。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−69638(P2013−69638A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−209232(P2011−209232)
【出願日】平成23年9月26日(2011.9.26)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】