説明

音声付き画像提供システム

【課題】再生時間の長い音声が画像と関連付けられている音声付き画像であっても、それを印刷物を介して提供することが可能となる音声付き画像提供システムを提供する。
【解決手段】パーソナルコンピュータ1は、デジタルカメラ2から音声付き静止画像の画像ファイルをロードする。ロードした画像ファイルに含まれる音声データをサーバ5にアップロードし、その音声データへのアクセスパス(URL)をサーバ5から受信(又は作成)し、それを二次元コードに変換する。変換した二次元コードを静止画像のデータの一部に上書きした後、プリンタ3に出力し、記録画像101の一部に二次元コード102が付加された二次元コード付きの写真100を印刷させる。写真100を受け取った者は、携帯電話などで二次元コード102を読み取れば、記録画像101に対応する音声データをダウンロードして、その音声を聞くことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声付き画像を印刷物を介して提供するための音声付き画像提供システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラにおいては、カメラ本体にマイクやスピーカーが内蔵されるとともに、静止画像や動画像の撮影時に音声を録音し、撮影後に静止画像や動画像と共に音声を再生する音声付き静止画撮影や音声付き動画撮影が可能なものが一般的である。しかし、例えば音声付き静止画撮影により記録した静止画像を写真としてプリントアウトして他者に渡す場合には、画像データに付随して記録されている音声データによる音声が切り離されてしまう。
【0003】
これを解決可能とする技術として、例えば下記特許文献1には、撮影画像をプリントアウトするとき、その画像データに付随する音声データをバーコードに変換し、それをバーコード画像として撮影画像と共にプリントアウトする方法が記載されている。すなわちバーコード画像が印刷された印刷物を受け取った側では、所定の装置を用いてバーコード画像を音声データに変換すれば、撮影画像に付随する音声を再生することができ、その結果、音声付きの静止画像を音声を欠落させることなく配布、或いは流通させることができるのである。
【特許文献1】特開2004−96307号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように撮影画像に付随する音声をバーコード画像として撮影画像と共にプリントアウトする場合、配布等に適した印刷物の大きさは自ずと限られるが、バーコード画像の印刷面積は音声の再生時間の長さと比例して大きくなってしまう。そのため撮影画像と共に配布可能な音声は、その再生時間が比較的短い音声に限定されてしまうという問題があった。
【0005】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、再生時間の長い音声が画像と関連付けられている音声付き画像であっても、それを印刷物を介して提供することが可能となる音声付き画像提供システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するため請求項1の発明にあっては、ネットワークに接続可能なシステムであって、画像データと対応付けられている音声データを、ネットワーク上の音声データ蓄積サーバーに送信し保存させる送信手段と、この送信手段により送信された音声データをネットワーク上で特定する識別情報を表わす印刷用の受信用コードを取得するコード取得手段と、このコード取得手段により取得された受信用コードと前記画像データとを対応付けた受信用コード付き画像データを生成する生成手段とを備えたものとした。
【0007】
かかる構成においては、互いに対応付けられている画像データと音声データとのうち、音声データをネットワーク上の音声データ蓄積サーバーに保存することができる。他方、画像データと受信用コードと対応付けた受信用コード付き画像データは、任意の印刷手段によって画像として印刷させることができる。つまり、音声データが対応付けられている画像データに基づく画像と、前記音声データをネットワーク上で特定する識別情報を表わす印刷用の受信用コードとを二次元情報として印刷させることができる。
【0008】
そして、本発明の音声付き画像提供システムを用いて任意の印刷手段により印刷された印刷物を提供された者は、画像と共に印刷されている受信用コードから識別情報を、所定の読み取り手段を備えた任意の装置によって取得すれば、その識別情報を用いて、画像に対応する音声データを音声データ蓄積サーバーからダウンロードし、その音声を再生して聞くことができる。つまり本発明の音声付き画像提供システムは、それを用いることにより印刷物を介して音声付き画像を提供することが可能である。しかも受信用コードの印刷に必要な面積は小さく、かつ音声の再生時間に関係なく一定であるため、画像と関連付けられている音声の再生時間が長くとも、それに対応することができる。
【0009】
また、請求項2の発明にあっては、前記生成手段により生成された受信用コード付き画像データを印刷手段に出力する出力手段を備えたものとした。
【0010】
また、請求項3の発明にあっては、前記送信手段が送信した音声データをネットワーク上で特定する前記識別情報を作成する作成手段を備え、前記コード取得手段は、前記作成手段により作成された識別情報を表わす受信用コードを取得するものとした。
【0011】
また、請求項4の発明にあっては、前記コード取得手段により取得される受信用コードは前記識別情報を表わす二次元コードであるものとした。
【0012】
また、請求項5の発明にあっては、前記送信手段が送信した音声データをネットワーク上で特定する前記識別情報を前記音声データ蓄積サーバーから受信する受信手段を備え、前記コード取得手段は、前記受信手段により受信された識別情報を表わす受信用コードを取得するものとした。
【0013】
また、請求項6の発明にあっては、音声付き画像の撮影動作に伴い被写体の画像データと音声データとを生成するカメラ手段を備え、前記送信手段は、前記カメラ手段よって生成された音声データを前記音声データ蓄積サーバーに送信し保存させ、前記生成手段は、前記コード取得手段によって取得された受信用コードと前記カメラ手段よって記録された画像データとを対応付けた受信用コード付き画像データを生成するものとした。
【0014】
かかる構成においては、自ら撮影し記録した音声付き画像であって音声の再生時間が長い音声付き画像を、印刷物を介して提供することが可能となる。
【0015】
また、請求項7の発明にあっては、画像データを取得する画像データ取得手段と、この画像データ取得手段により取得された画像データに対応付けられている音声データの有無を判別する判別手段と、この判別手段により、対応付けられている音声データが有ると判別されたとき、当該判別のあった前記画像データに対応付けられている音声データを前記送信手段により前記音声データ蓄積サーバーに送信させる制御手段とを備えたものとした。
【0016】
かかる構成においては、多数の音声付き画像を印刷物を介して提供する場合に、音声データ蓄積サーバーへの音声データの送信作業を自動的に行うことができる。
【0017】
また、請求項8の発明にあっては、前記生成手段により生成された受信用コード付き画像データを印刷する印刷手段を備えたものとした。
【0018】
かかる構成においては、他の装置を用いることなく、音声付き画像における画像と、音声の再生に不可欠な受信用コードとを印刷した印刷物を得ることができる。
【0019】
また、請求項9の発明にあっては、前記印刷手段により印刷された印刷物から前記受信用コードを読み取る読み取り手段と、この読み取り手段により読み取られた受信用コードにより表わされる識別情報に基づき、前記音声データ蓄積サーバーから、前記印刷物に印刷されている撮影画像に対応付けられている音声データを受信する音声受信手段と、この音声受信手段により受信された音声データに基づく音声を出力する音声出力手段とを含むものとした。
【0020】
かかる構成においては、音声付き画像を自ら印刷物を介して提供する使用者と、音声付き画像を他者から印刷物を介して提供される使用者との双方で使用することができる。
【0021】
また、請求項10の発明にあっては、ネットワークに接続可能なシステムが有するコンピュータに、画像データと対応付けられている音声データを、送信手段によって前記ネットワーク上の音声データ蓄積サーバーに送信し、当該音声データ蓄積サーバーに保存させる処理と、前記送信手段に送信させた音声データをネットワーク上で特定する識別情報を表わす印刷用の受信用コードを取得する処理と、取得した受信用コードと前記画像データとを対応付けた受信用コード付き画像データを生成する処理とを実行させるプログラムとした。
【発明の効果】
【0022】
以上のように請求項1〜請求項9の音声付き画像提供システムにおいては、それを用いることにより、印刷物を介して音声付き画像を提供することが可能であり、しかも受信用コードの印刷に必要な面積は小さく、かつ音声の再生時間に関係なく一定であるため、画像と関連付けられている音声の再生時間が長くとも、それに対応することができる。よって、再生時間の長い音声が画像と関連付けられている音声付き画像であっても、それを印刷物を介して提供することが可能となる。
【0023】
特に、請求項6の音声付き画像提供システムにおいては、自ら撮影し記録した音声付き画像であって音声の再生時間が長い音声付き画像を、印刷物を介して提供することが可能となる。
【0024】
また、請求項7の音声付き画像提供システムにおいては、多数の音声付き画像を印刷物を介して提供する場合に、音声データ蓄積サーバーへの音声データの送信作業を自動的に行うことができる。
【0025】
また、請求項8の音声付き画像提供システムにおいては、他の装置を用いることなく、音声付き画像における画像と、音声の再生に不可欠な受信用コードとを印刷した印刷物を得ることができる。
【0026】
また、請求項9の音声付き画像提供システムにおいては、音声付き画像を自ら印刷物を介して提供する使用者と、音声付き画像を他者から印刷物を介して提供される使用者との双方で使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本発明の音声付き画像提供システムを含むネットワーク構成を示す図である。
【0028】
図において、パーソナルコンピュータ(音声付き画像提供システム)1にはデジタルカメラ2とプリンタ3とがケーブル接続されており、パーソナルコンピュータ1は、デジタルカメラ(カメラ装置)2との間におけるデータ通信が可能であるとともに、プリンタ3に画像等を印刷させることが可能となっている。また、パーソナルコンピュータ1はインターネット(WWW)4を介して音声データ蓄積サーバー5に接続するための機能を備えている。なお、インターネット4への接続は、アナログ回線、デジタル回線、広域LAN、ADSL回線、光回線等の通信回線網を介して行われる。また、音声データ蓄積サーバー5には、無線基地局6を介してインターネット4へ接続可能な携帯電話端末7、さらに図示しないが、無線又は有線によってインターネット4に接続可能な通信機能を備えた任意の装置が接続可能となっている。
【0029】
図2は、前記パーソナルコンピュータ(以下、パソコンという。)1の概略構成を示すブロック図である。パソコン1はCPU21と、CPU21に接続されたROM22、RAM23、補助記憶装置24、入力装置25、表示装置26、USB(Universal Serial Bus)インターフェース(USB・I/F)27、モデム28(送信手段、受信手段)を有している。
【0030】
入力装置25はキーボードやマウス等であり、表示装置26はCRTやLCD等である。USBインターフェース27はCPU21と外部周辺機器との間のデータ通信を可能とする。USBインターフェース27には複数の接続ポートが設けられており、前記デジタルカメラ2と前記プリンタ3とが異なるポートに接続されることにより、USBインターフェース27は本発明の取得手段、出力手段として機能する。ROM22はBIOS等が記憶されたメモリであり、RAM23はCPU21の外部メモリである。
【0031】
補助記憶装置24はハードディスクドライブ等の大容量の記憶装置であり、補助記憶装置24には、オペレーティングシステム(OS)、及びモデム28を介してインターネット4に接続するための通信ドライバや、その他の周辺機器を使用するため各種ドライバが格納されるとともに、メールソフト、ウェブ・ブラウザ等の各種のアプリケーションプログラムがインストールされている。特に本実施の形態では、デジタルカメラ2に保存されている画像を配布するための画像配布プログラムが格納されており、CPU21はその画像配布プログラムに従い後述する動作を行うことによって、本発明の生成手段、判別手段、制御手段として機能する。また、画像配布プログラムには、後述する動作において音声データ蓄積サーバー5へ接続するためのURL(Uniform Resource Locator)が設定されている。
【0032】
図3は、前記音声データ蓄積サーバー5の概略構成を示すブロック図である。音声データ蓄積サーバー5は、装置全体を制御する制御部31、インターネット4を介して他の装置との間で各種のデータを送受信する通信部32(受信手段、送信手段)、ハードディスクや光磁気ディスク等の記憶手段によって構成されたプログラムファイル33、音声データベース34(記憶手段)を有している。制御部31は、CPUや作業用のメモリ等から構成され、プログラムファイル33に従い上記各部を制御するとともにデータの転送、演算、一時記憶等の各種処理を行うことによって、本発明の作成手段、送信制御手段として機能する。
【0033】
図4は、前記携帯電話端末7の概略構成を示すブロック図である。携帯電話端末7は、所謂カメラ付携帯電話機であって、無線通信部41、音声処理部43、制御部44、キー入力部45、表示装置46、ROM47、RAM48、ユーザメモリ49、撮像部50、画像メモリ51を有している。
【0034】
無線通信部41は、無線基地局6との間で所定の無線通信プロトコルに基づく通信制御シーケンスを実行し、アンテナ42を介して制御信号及び音声信号を含む送信信号及び受信信号を送受信する。また、後述する音声データのダウンロード時には本発明の音声受信手段として機能する。音声処理部43はマイク、スピーカ(音声出力手段)、音声変換回路等を含み音声信号の入出力を処理する。
【0035】
制御部44はCPU及びその周辺回路から構成され、ROM47に格納されているプログラムに従いRAM48をワークメモリとして上記各部を制御する。キー入力部45は、電源キーや文字入力キー、シャッターキー等の各種の操作キーを含み、キー操作に応じたキー入力信号を制御部44に出力する。表示装置46は液晶表示パネル及びその駆動回路からなり、文字情報や画像情報を表示する。ユーザメモリ49は不揮発性メモリであり、ユーザメモリ49には、電話帳データ、アドレス帳データ、メールデータ(送信メール及び受信メール)等の各種データが記憶されている。
【0036】
撮像部50は、撮影レンズ、CCDやMOS型の撮像素子、及び撮像素子から出力される撮像信号のデジタル信号への変換等を行う信号処理回路等から構成され、ユーザの操作に応じて被写体を撮像する。撮像部50から出力される撮像信号すなわち画像データは、上記シャッターキーが押された撮影時には制御部44へ送られ、各種のデジタル処理、圧縮処理等を行われた後、画像メモリ51(画像記録手段)に記録される。また、画像メモリ51に記録された画像データは必要に応じて読み出され制御部44によって伸張された後、表示装置46において表示される。また、携帯電話端末7は、後述する所定の二次元コードを認識する機能を備えており、前記ROM47には、上記二次元コードを読み取るための処理を制御部44に行わせるための所定のアプリケーションプログラムが記憶されている。
【0037】
一方、前記デジタルカメラ2及び前記プリンタ3は、外部装置との間のデータ通信を可能とするUSBインターフェースを共に備えた構成であり、各々がUSBケーブルを介してパソコン1に接続されている。プリンタ3は、インクジェット方式やレーザー方式、熱転写昇華型等の任意のタイプのカラープリンタ又はモノクロプリンタである。
【0038】
前記デジタルカメラ2は、前記CCD等により撮像した被写体の画像信号をデジタル信号に変換し、その画像データを所定のフォーマットに圧縮した後、本体に着脱自在に内蔵されているメモリカード2aに画像ファイルとして記録する一般的な構成を備えるとともに、通常の静止画像の撮影機能と、音声付きの静止画像の撮影機能を有したものである。なお、音声データの記録方法は、例えば画像データ(画像ファイル)内に音声データを埋め込む方式や、画像ファイルとは別に音声ファイルを作成して両ファイルを関連付けて記憶する方式である。
【0039】
次に、以上の構成に係る本実施形態の動作について説明する。ここではデジタルカメラ2の前記メモリカード2aに記録されている全ての静止画像を第三者に配布する場合を想定して説明する。なお、音声付き静止画像は、音声データが埋め込まれた状態の画像ファイルとして記録されているものとする。
【0040】
図5は、上記場合におけるパソコン1及び音声データ蓄積サーバー5の動作内容を示したフローチャートである。パソコン1は、図1に示したようにデジタルカメラ2が接続され、かつデジタルカメラ2に電源が投入されている状態で、ユーザにより前述した画像配布プログラムが起動されることにより動作を開始する。なお、以下の説明ではパソコン1がインターネットに接続済みであるものとする。
【0041】
パソコン1は画像配布プログラムが起動されると、デジタルカメラ2のメモリカード2aに記録されている画像ファイルを個別にロードして、補助記憶装置24の所定領域に記憶した後(ステップSA1)、当該画像ファイルのヘッダー情報に基づいて音声データの有無、つまり音声データが埋め込まれているか否かを確認する(ステップSA2)。ここで音声データが埋め込まれていなければ(ステップSA2でNO)、ロードした画像ファイルの画像データを前記プリンタ3へ出力する(ステップSA8)。また、ロードして保存した画像ファイルに音声データが埋め込まれていた場合には(ステップSA2でYES)、埋め込まれている音声データを前記音声データ蓄積サーバー5へアップロードする(ステップSA3)。
【0042】
一方、前記音声データ蓄積サーバー5は、稼働中において音声データの受信(アップロード)の有無を確認しており、音声データを受信すると(ステップSB1でYES)、その受信データを前記音声データベース34に保存する(ステップSB2)。そして、その保存場所、及び保存した音声データの保存時のデータ名(アップロードされた時点のデータ名)を示すアクセスパス、すなわちURL(HTTP://WWW.XXXXX.CO.JP/ONESILIST/YYYYY/ZZZZZZ/・・・等)を音声データの送信元に送信する(ステップSB3)。
【0043】
そして、パソコン1は、音声データ蓄積サーバー5から上記アクセスパスを受信すると(ステップSA4でYES)、受信したアクセスパスを二次元コードのデータに変換する(ステップSA5)。引き続き、変換した二次元コードを、アップロードした音声データが埋め込まれている(ステップSA1でロードし保存した)画像ファイルの画像データの所定箇所に上書きした新たな画像データを作成し、作成した画像データを新たな画像ファイルとして補助記憶装置24に記憶した後(ステップSA6)、作成した新たな画像データを前記プリンタ3へ出力する(ステップSA7)。これにより、図6(a)に示したように、記録画像101の一部に二次元コード102が印刷された状態の印刷物100が作成される。同図は、上記二次元コード102がQRコード(登録商標)と称される幾何学的なドットパターンの集合情報からなる二次元コードであり、二次元コード102が記録画像101の右下の隅に上書きされている場合の例である。
【0044】
以後、パソコン1は、全ての静止画像の印刷が完了するまでは(ステップSA9でNO)、ステップSA1へ戻り前述した処理を繰り返す。そして、全ての静止画像の画像ファイル(静止画ファイル)に対する処理が完了した時点で(ステップSA9でYES)、画像配布プログラムに従った処理を終了する。
【0045】
以上の動作によって、メモリカード2aに記録されている画像ファイルのうちで音声付きの静止画撮影によって記録された全ての音声付き静止画像に付随する音声データが自動的に音声データ蓄積サーバー5に送信されて保存される一方、それらの静止画像(記録画像101)が自動的に二次元コード102の付加された写真として印刷される。また、通常の静止画像は、そのまま写真として印刷される。
【0046】
そして、上記のように印刷された印刷物100(二次元コード102の付加された写真)を受け取った者は、前記携帯電話端末7等を用いて二次元コード102を読み取ることにより、前記音声データ蓄積サーバー5から記録画像101に付随する音声データを取得して、それを再生することができる。つまり印刷物100に印刷されている記録画像101を見ながら、それが撮影された際に録音された音声を聞くことができる。
【0047】
図7は、その際における携帯電話端末7の動作内容を示すフローチャートである。携帯電話端末7は、ユーザにより所定のモードが設定されることに伴い、制御部44がROM47に格納されているプログラムに従い、前記撮像部50による撮像、及び撮像した画像内における二次元コードの領域の確認を行う(ステップSC1)。そして、二次元コードの領域確認を完了したら(ステップSC2でYES)、確認した二次元コードをデコードして先に説明したアクセスパスに変換する(ステップSC3)。変換完了後には、ユーザによるダウンロード指示に応じて(ステップSC4でYES)、前記無線通信部41によって前記アクセスパスに示されている音声データ蓄積サーバー5へアクセスし、前記アクセスパスに応じた音声データをダウンロードする(ステップSC5,SC6)。しかる後、ユーザによる再生指示に応じ(ステップSC7)、ダウンロードした音声を音声処理部43によって再生する(ステップSC8)。
【0048】
なお、ここでは、携帯電話端末7が二次元コード102を読み取る際、撮像した画像に対していったん二次元コード102の領域部分を確認して、その領域部分を対象として二次元コードのデコードを行う場合を説明したが、携帯電話端末7の種類や、用意されているアプリケーションプログラムによっては、表示装置46の表示画面内に二次元コード102の位置を示す撮影枠を表示し、当該撮影枠内に二次元コード102が収まるようにユーザーに印刷物100を撮像させ、撮影枠内の画像データを対象として二次元コードのデコードを行う場合もある。
【0049】
以上のことから明らかなように、前述したように画像配布プログラムがインストールされているパソコン1においては、それを用いることにより、デジタルカメラ2によって撮像し記録した音声付き静止画像を前述したような印刷物100を介して第三者に提供することが可能となる。しかも、印刷物100における二次元コード102の印刷に必要な面積は小さく、かつ提供する音声の再生時間に関係なく一定であるため、静止画像と共に提供する音声の再生時間が長い場合であっても、それに対応することができる。
【0050】
また、本実施の形態においては、デジタルカメラ2(メモリカード2a)に記録されている静止画像のうち、音声付き静止画像の画像ファイルのみを自動的にロードするとともに、音声データの音声データ蓄積サーバー5ヘのアップロード、及び二次元コードと画像データとに基づく印刷物100の印刷を連続的に行うものとしたことから、デジタルカメラ2に記録されている全ての音声付き静止画像を印刷物100を介して第三者に提供する場合には、印刷物100の準備作業を楽に行うことができる。
【0051】
さらに、従来のように音声をバーコード画像として撮影画像と共にプリントアウトさせる場合には、パソコン1に音声データをバーコードデータに変換する機能を持たせる必要があり、かつ携帯電話端末7は、バーコードデータを音声に変換する機能を持たせる必要があるが、本実施の形態によればパソコン1や携帯電話端末7に上記機能を設けなくとも、音声付き静止画像を前述したような印刷物100を介して第三者に提供することができる。そのため、本実施の形態のようにパソコン1によって本発明の音声付き画像提供システムを実現する場合には、それに必要となる画像配布プログラムを簡単なプログラムとすることができる。同時に、印刷された画像に対応する音声を再生する携帯電話端末7等おいても、前述した手順で音声を再生する処理を行わせるための処理プログラム(アプリケーションプログラム)を簡単なプログラムとすることができるとともに、音声を再生する際のデータ処理に要する装置の負担を軽減させることができる。
【0052】
なお、本実施の形態においては、図5に示した処理に際して、パソコン1がデジタルカメラ2から取得した画像データの所定箇所に二次元コードを上書きして新たな画像データを作成し、それをプリンタ3へ出力するものについて説明したが、画像データに二次元コードを上書きすることなく、例えば図6(b)に示した他の印刷物200のように、記録画像(写真)101と二次元コード102とを独立した状態で印刷させるよう、二次元コードを画像データと個別にプリンタ3へ出力させてもよい。
【0053】
また、記録画像につき1枚の印刷物100を作成するようにしたが、複数の記録画像を1枚の印刷物100に並べて印刷するようにしてもよい。その場合においても、前述したように記録画像101と二次元コード102とを独立させて印刷してもよい。ただし、その場合には記録画像101と二次元コード102との対応関係が分かるように、複数の記録画像101と複数の二次元コード102とを対応付けて配置させたり、記録画像101と二次元コード102とにそれぞれ同一の番号等を付すことにより対応関係を示したりする必要がある。
【0054】
また、デジタルカメラ2から全ての静止画像の画像ファイルをロードする間に、音声付き静止画像の画像ファイルに含まれる音声データのアップロード処理と、印刷物100の印刷処理とを連続して自動的に行う場合を説明したが、処理対象となる音声付き静止画像をユーザに選択させるようにしてもよい。例えば、ロードした画像ファイルに音声データが埋め込まれていた場合には、その時点で、音声データのアップロードから印刷物100の印刷までの処理(ステップSA3〜SA7)を行うか、通常の印刷を行うかをユーザに選択させてもよい。また、デジタルカメラ2からロードした静止画像の画像ファイルが補助記憶装置24に記憶されている状態で、それらの静止画像(1又は複数)を印刷する際に、前述した音声データのアップロード処理から印刷物100の印刷までの処理(ステップSA3〜SA7)を行わせるようにしてもよい。
【0055】
また、音声データ蓄積サーバー5にアップロードした音声データの保存場所、及び保存した音声データの保存時のデータ名からなるアクセスパス(URL)を、図6に示したような二次元コード102(QRコード)として印刷させる場合について説明したが、上記アクセスパス(URL)の文字データや、バーコード等の他のコードデータを本発明における受信用コードとして記録画像と共に印刷させてもよい。ただし、その場合には、音声データ蓄積サーバー5から音声データをダウンロードして再生するには、撮影した画像から文字データであるアクセスパスを読み取るための文字認識機能や、バーコード等をアクセスパスに変換する機能を備えた携帯電話端末7等を使用する必要がある。
【0056】
また、本実施の形態では、前述した二次元コード102を上書きした新たな画像データを作成し、それを記憶するとともにプリンタ3に出力して印刷させるものとしたが、以下のようにしてもよい。例えば二次元コード102(又はアクセスパス)を画像データの付加情報として埋め込んだ画像ファイルを新たに作成して記憶し、印刷時に、二次元コード102(又はアクセスパス)を上書きした新たな画像データを作成し、それをプリンタ3に出力して印刷させたり、二次元コード102(又はアクセスパス)と画像データとを図6(b)に示したように独立した状態で印刷させたりしてもよい。さらに二次元コード102(又はアクセスパス)を単に画像ファイルと対応付けて個部のデータとして記憶しておき、印刷時に、二次元コード102(又はアクセスパス)を上書きした新たな画像データを作成し、それをプリンタ3に出力して印刷させたり、二次元コード102(又はアクセスパス)と画像データとを図6(b)に示したように独立した状態で印刷させたりしてもよい。
【0057】
また、本実施の形態では、パソコン1が音声データを音声データ蓄積サーバー5にアップロードした際に、その音声データのアクセスパス(URL)を音声データ蓄積サーバー5から受信する場合について説明したが、音声データ蓄積サーバー5における保存場所が予め決められている場合、例えば保存場所がユーザ毎に確保されている場合にはパソコン1にアクセスパス(URL)を作成させてもよい。つまり保存場所名にアップロードした個々の音声データのデータ名を付け加えることにより、その音声データをネットワーク上で特定する識別情報である上記アクセスパスを作成させてもよい。
【0058】
また、音声データの音声データ蓄積サーバー5へのアップロード処理と前述した印刷物100の印刷処理とを、一連の処理ではなく独立した処理とすることもできる。例えば音声データのアップロード処理を行った時点では、受信したアクセスパス(URL)を単に画像ファイルと対応付けて記憶しておき、その後、ユーザの指示に応じ任意の時点で、上記アクセスパスが対応付けられている画像ファイルを対象として、二次元コード102(又はアクセスパス)を上書きした新たな画像データの作成、及びそれ画像データに基づく印刷物100等の作成作業を行うようにしてもよい。さらにパソコン1にアクセスパス(URL)を作成させる場合には、印刷物100の印刷処理を先に行った後、必要に応じて音声データの音声データ蓄積サーバー5へのアップロード処理を行うようにしてもよい。
【0059】
また、本実施の形態では、パソコン1に画像配布プログラムをインストールすることによって、本発明の音声付き画像提供システムを実現する場合、つまり本発明のカメラ手段や印刷手段、読み取り手段、音声出力手段、音声受信手段を備えていない構成の音声付き画像提供システムについて説明したが、音声データを音声データ蓄積サーバー5へアップロードすることが可能な構成を有するものであれば、カメラ手段及び/又は印刷手段、さらに/又は読み取り手段、音声出力手段、音声受信手段を備えた装置においても本発明を実現させることができる。例えばプリンタ機能やデータ通信機能を有するデジタルカメラや、外部装置との間におけるデータ通信機能を備えたデジタル複写機等に前述した印刷物100を印刷する機能を付加したり、前述した携帯電話端末7(カメラ付携帯電話機)に図5に示したパソコン1の処理を行うための機能を付加したりすることによっても本発明の音声付き画像提供システムを実現することができる。
【0060】
また、本実施の形態では、印刷物100を介して第三者に提供する音声付き静止画像が、デジタルカメラ2によって撮影時に記録された画像である場合について説明したが、第三者に提供する音声付き画像は、例えば撮影時に静止画像と共に記録された音声が撮影後において他の音声に変更されたものや、既に記録されていた静止画像に、撮影後において音声が付加されたものであってもよい。また、静止画撮影によって記録された画像に限らず、動画撮影によって記録された動画像から抽出された、いずれかの動画フレームの画像であっても構わない。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の音声付き画像提供システムを含む、音声付き画像の配布を可能としたネットワークの構成図である。
【図2】パーソナルコンピュータの概略構成を示すブロック図である。
【図3】音声データ蓄積サーバーの概略構成を示すブロック図である。
【図4】印刷物を介して音声の再生する際に使用される携帯電話端末の概略構成を示すブロック図である。
【図5】本発明に係るパーソナルコンピュータ及び音声データ蓄積サーバーの動作内容を示したフローチャートである。
【図6】音声付き静止画像の配布に使用する印刷物を示す図である。
【図7】印刷物を介して音声の再生するときの携帯電話端末の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0062】
1 パーソナルコンピュータ
2 デジタルカメラ
3 プリンタ
4 インターネット
5 音声データ蓄積サーバー
6 無線基地局
7 携帯電話端末
21 CPU
24 補助記憶装置
27 通信I/F
28 モデム
31 制御部
32 通信部
33 プログラムファイル
34 音声データベース
41 無線通信部
43 音声処理部
50 撮像部
100 印刷物
101 記録画像
102 二次元コード
200 印刷物

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続可能なシステムであって、
画像データと対応付けられている音声データを、ネットワーク上の音声データ蓄積サーバーに送信し保存させる送信手段と、
この送信手段により送信された音声データをネットワーク上で特定する識別情報を表わす印刷用の受信用コードを取得するコード取得手段と、
このコード取得手段により取得された受信用コードと前記画像データとを対応付けた受信用コード付き画像データを生成する生成手段と
を備えたことを特徴とする音声付き画像提供システム。
【請求項2】
前記生成手段により生成された受信用コード付き画像データを印刷手段に出力する出力手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の音声付き画像提供システム。
【請求項3】
前記送信手段が送信した音声データをネットワーク上で特定する前記識別情報を作成する作成手段を備え、
前記コード取得手段は、前記作成手段により作成された識別情報を表わす受信用コードを取得する
ことを特徴とする請求項1又は2記載の音声付き画像提供システム。
【請求項4】
前記コード取得手段により取得される受信用コードは前記識別情報を表わす二次元コードであることを特徴とする請求項1,2又は3記載の音声付き画像提供システム。
【請求項5】
前記送信手段が送信した音声データをネットワーク上で特定する前記識別情報を前記音声データ蓄積サーバーから受信する受信手段を備え、
前記コード取得手段は、前記受信手段により受信された識別情報を表わす受信用コードを取得する
ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載の音声付き画像提供システム。
【請求項6】
音声付き画像の撮影動作に伴い被写体の画像データと音声データとを生成するカメラ手段を備え、
前記送信手段は、前記カメラ手段よって生成された音声データを前記音声データ蓄積サーバーに送信し保存させ、
前記生成手段は、前記コード取得手段によって取得された受信用コードと前記カメラ手段よって記録された画像データとを対応付けた受信用コード付き画像データを生成する
ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の音声付き画像提供システム。
【請求項7】
画像データを取得する画像データ取得手段と、
この画像データ取得手段により取得された画像データに対応付けられている音声データの有無を判別する判別手段と、
この判別手段により、対応付けられている音声データが有ると判別されたとき、当該判別のあった前記画像データに対応付けられている音声データを前記送信手段により前記音声データ蓄積サーバーに送信させる制御手段と
を備えたことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載の音声付き画像提供システム。
【請求項8】
前記生成手段により生成された受信用コード付き画像データを印刷する印刷手段を備えたことを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載の音声付き画像提供システム。
【請求項9】
前記印刷手段により印刷された印刷物から前記受信用コードを読み取る読み取り手段と、
この読み取り手段により読み取られた受信用コードにより表わされる識別情報に基づき、前記音声データ蓄積サーバーから、前記印刷物に印刷されている撮影画像に対応付けられている音声データを受信する音声受信手段と、
この音声受信手段により受信された音声データに基づく音声を出力する音声出力手段と
を含むことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか記載の音声付き画像提供システム。
【請求項10】
ネットワークに接続可能なシステムが有するコンピュータに、
画像データと対応付けられている音声データを、送信手段によって前記ネットワーク上の音声データ蓄積サーバーに送信し、当該音声データ蓄積サーバーに保存させる処理と、
前記送信手段に送信させた音声データをネットワーク上で特定する識別情報を表わす印刷用の受信用コードを取得する処理と、
取得した受信用コードと前記画像データとを対応付けた受信用コード付き画像データを生成する処理と
を実行させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−293580(P2006−293580A)
【公開日】平成18年10月26日(2006.10.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−111537(P2005−111537)
【出願日】平成17年4月8日(2005.4.8)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】