説明

音声伝送装置および音声伝送中継装置

【課題】無線LANや携帯電話用データ回線、有線回線など複数回線が選択できるVoIP端末が有線LANに接続され、相手端末はある回線で有線LANに接続している場合、VoIP端末は相手端末の通信回線が不明で、適切なパケットサイズや揺らぎ吸収バッファサイズが選択できない。
【解決手段】音声伝送装置の送信側のパケット組立手段は回線識別情報管理手段からの使用回線に応じた回線識別情報をヘッダに含めて、入力された音声信号の符号化音声データをパケットに組み立てて送出し、受信側は受信パケットをIPパケット分解手段で分解、抽出した回線識別情報で決定した揺らぎ吸収バッファサイズの揺らぎ吸収処理手段で符号化された受信音声データの揺らぎを吸収・平滑した上で、符号化受信音声データ復号し、使用回線に応じた揺らぎ吸収バッファサイズ設定により、高品質音声通話を実現する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、音声データをIP(Internet Protocol)パケット化し、インターネットなどの環境で通信する所謂VoIP(Voice over Internet Protocol)の音声伝送装置および音声伝送装置間の音声伝送を中継する音声伝送中継装置に関する。
【背景技術】
【0002】
音声データをIPパケット化し、インターネットなどの環境で通信する所謂VoIP技術がある。使用するアクセス回線に応じて、それ専用のVoIP機器が存在し、それぞれで適切なパケットサイズや揺らぎ吸収バッファサイズが設定されて利用されている。
また、携帯電話端末によりホテルや空港など公共施設に設置された無線LAN(Local Area Network)スポットなどを利用してIP電話を実現するものが特開2006−33477号公報に開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2006−33477号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
無線LANや携帯電話用データ回線、PHS(Personal Handyphone System)データ回線、有線回線など複数のアクセス回線を選択できるVoIP端末との通信において、例えば、有線LANに接続しているVoIP端末があり、相手端末はあるアクセス回線を通じて上記有線LANに接続している場合、上記VoIP端末は相手端末がどのアクセス回線を通じて自端末と通信しているかがわからず、適切なパケットサイズや揺らぎ吸収バッファサイズが選択できないと言う問題があった。
【0005】
本発明は上記のような問題点を解決するためになされたもので、使用しているアクセス回線種別に応じた適切な設定ができ、高品質な音声通話の実現を図る事を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の音声伝送装置は、
複数の異なる伝送方式を用いる回線を介して音声データの通信をする音声伝送装置であって、
入力された音声信号にデジタル化符号化処理を行い符号化音声データを出力する音声符号化処理手段、
複数の回線から使用する回線を選択する回線選択制御手段、
回線選択制御手段からの情報に基づき、回線識別情報を出力する回線識別情報管理手段、
回線識別情報管理手段からの回線識別情報をパケット内に埋め込み、音声符号化処理手段からの符号化音声データをパケットに組み立てて送出するパケット組立手段、
回線選択制御手段からの情報に基づき、複数の回線とそれぞれインタフェースをとる回線インタフェース手段を選択し、パケット組立手段から送出されるパケットを選択された回線に送出するセレクタ手段を備える。
【0007】
また、本発明の音声伝送装置は、
受信した回線識別情報とペイロードデータを含むパケットを分解し、回線識別情報を抽出すると共に、パケットのペイロードデータ部を出力するIPパケット分解手段と、
パケット分解手段より受け取った回線識別情報を基に揺らぎ吸収バッファサイズの指示を出力する回線識別情報管理制御手段と、
回線識別情報管理制御手段からの指示に基づいた揺らぎ吸収バッファサイズにて、パケット分解手段からのペイロードデータの揺らぎを吸収し平滑化した上で、音声復号処理手段に出力する揺らぎ吸収処理手段と、
揺らぎ吸収手段から受け取ったペイロードデータに含まれる符号化音声データの復号処理を行う音声復号処理手段を備える。
【0008】
また、本発明の音声伝送中継装置は、
アクセス回線とIPネットワークの間に設けられ、音声伝送装置間の通信を中継する音声伝送中継装置であって、
音声伝送装置間の呼接続処理を行う呼制御情報を中継すると共に、中継した呼制御情報から使用する回線識別情報を抽出する呼制御中継手段、
呼制御中継手段より受け取った回線識別情報を基に揺らぎ吸収バッファサイズ情報およびパケットサイズ情報を出力する回線識別情報管理制御手段、
受信したパケットを分解し、パケットのペイロード部を出力するパケット分解手段、
回線識別情報管理制御手段からの情報に基づいた揺らぎ吸収バッファサイズにて、パケット分解手段からのペイロードデータの揺らぎを吸収し平滑化した上で出力する揺らぎ吸収処理手段
回線識別情報をパケット内に埋め込み、回線識別情報管理制御手段からの情報に基づいたパケットサイズにて揺らぎ吸収処理手段からの符号化音声データをパケットに組み立てて送出するパケット組立手段を備える。
【発明の効果】
【0009】
本発明の音声伝送装置によれば、送信側は、回線識別情報管理手段が使用するアクセス回線に応じた回線識別情報をパケット組立手段に出力し、パケット組立手段は回線識別情報をヘッダに含めて、入力された音声信号がデジタル化符号化処理された符号化音声データをパケットに組み立てて送出し、
受信側は受信したパケットをIPパケット分解手段で分解して回線識別情報を抽出し、この回線識別情報により決定された揺らぎ吸収バッファサイズの揺らぎ吸収処理手段で符号化された受信音声データの揺らぎを吸収し、平滑した上で、符号化受信音声データ復号しているので、使用回線に応じた揺らぎ吸収バッファサイズが決定でき、使用回線に応じて適切な揺らぎ吸収バッファサイズを設定でき、高品質な音声通話を実現できる。
【0010】
本発明の音声伝送中継装置によれば、使用する回線に応じた回線識別情報がヘッダに含まれてパケットに組み立てられ、送出された呼接続処理情報が通知され、通知された回線識別情報により揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出するパケットサイズを決定する事で、使用回線に応じた適切な揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出パケットサイズを設定でき、高品質な音声通話を実現できる。また、中継装置で回線およびIPネットワークに応じた揺らぎ吸収処理およびパケット組立処理を行う事で、IPネットワークに接続されている端末では特に相手端末が使用している回線の種別を意識する事が無くなり、容易に高品質な音声通話が実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
実施の形態1.
図1は本発明の音声伝送装置の適用されるネットワーク機器構成の一実施の形態を示す図である。図1において、1A及び1Bは本発明の音声伝送装置、2Aおよび2Bは電話装置、3は有線LANによるIPネットワークである。音声伝送装置1Aは、アクセス回線AまたはBまたはCを介してIPネットワーク3に接続すると共に、IPネットワーク3に接続されている音声伝送装置1Bと音声IP通信を行う。
【0012】
図2は、図1における音声伝送装置1Aの送信側装置の一実施の形態を示す図である。
図2において、11は電話装置2A側から入力された音声信号に対して符号化処理を行って符号化音声データを出力する音声符号化処理部、12は使用するアクセス回線の選択を行う回線選択制御部、13は回線選択制御部12からの回線選択情報に基づき回線識別情報である回線選択情報としてポート番号を選択し出力する回線識別情報管理部としてのポート番号管理部、14はポート番号管理部13からのポート番号をヘッダに含め、音声符号化処理部11からの音声符号化データをIP/UDP(User Datagram Protocol)/RTP(Real-time Transport Protocol)パケットに組み立てるパケット組立部、15は回線選択制御部12からの回線選択情報に基づき出力する回線インタフェースを選択するセレクタ部、16はアクセス回線Aとのインタフェースを行う回線Aインタフェース部、17はアクセス回線Bとのインタフェースを行う回線Bインタフェース部、18はアクセス回線Cとのインタフェースを行う回線Cインタフェース部である。
【0013】
図3は、図1における音声伝送装置1Bの受信側装置の一実施の形態を示す図である。図3において、21はネットワークから受信したIP/UDP/RTPパケットを分解するパケット分解部、22はパケット分解部21から通知される受信パケットの回線識別情報としてのポート番号を基に相手端末(送信側の音声伝送装置1A)が使用しているアクセス回線種別を判断し、揺らぎ吸収バッファ部23にそのアクセス回線種別に応じた揺らぎ吸収バッファサイズ情報を通知する回線識別情報管理制御部としてのポート番号管理制御部、23はポートポート番号管理制御部22からの揺らぎ吸収バッファサイズ情報を基にパケット分解部21からの符号化音声データの揺らぎ吸収を行う揺らぎ吸収バッファ部、24は揺らぎ吸収バッファ部23からの符号化音声データを復号する音声復号処理部、25はIPネットワーク3とインタフェースするネットワークインタフェース部である。
【0014】
次に動作について説明する。図2において、送信側音声伝送装置1Aの回線選択制御部12は、回線の輻輳状況や電波状況、そのほかの理由によりIPネットワーク3へのアクセス回線としてアクセス回線Aを選択したとする。回線選択制御部12は選択したアクセス回線がアクセス回線Aである事を示す回線選択情報をポート番号管理部13およびセレクタ15に伝える。使用するアクセス回線がアクセス回線Aであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Aを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14にそのポート番号情報を通知する。
【0015】
音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダ内に含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットを回線Aインタフェース部16に出力する。回線Aインタフェース部16はセレクタ15から入力されたIP/UDP/RTPパケットを、アクセス回線Aを使用してIPネットワーク3に向かって出力する。
【0016】
アクセス回線Bを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Bを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Bであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Bを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14にそのポート番号情報を通知する。
【0017】
音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理がなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダ内に含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットを回線Bインタフェース部17に出力する。回線Bインタフェース部17はセレクタ15から入力されたIP/UDP/RTPパケットを、アクセス回線Bを使用してIPネットワーク3に向かって出力する。
【0018】
同様に、アクセス回線Cを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Cを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Cであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Cを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14にそのポート番号情報を通知する。
【0019】
音声符号化処理部11に電話装置2Aから入力された音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダ内に含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットを回線Cインタフェース部18に出力する。回線Cインタフェース部18はセレクタ15から入力されたIP/UDP/RTPパケットを、アクセス回線Cを使用してIPネットワーク3に向かって出力する。
【0020】
図3において、受信側音声伝送装置1Bは、ネットワークインタフェース部25を介してIPネットワーク3から受信したIP/UDP/RTPパケットをパケット分解部21にて分解し、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23に、ポート番号情報はポート番号管理制御部22に出力する。ポート番号管理制御部22は、パケット分解部21より入力したポート番号情報により相手端末(送信側の音声伝送装置1A)が使用しているアクセス回線の種別を認識し、それに応じた揺らぎ吸収バッファサイズ情報を揺らぎ吸収バッファ部23に出力する。揺らぎ吸収バッファ部23では、ポート番号管理制御部22から通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21から入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収し、揺らぎの無い音声符号化データを音声復号処理部24に出力する。音声復号処理部24では入力された音声符号化データの復号処理を行い、音声信号を出力する。
【0021】
以上のように、本実施の形態によれば、使用するアクセス回線に応じたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて送出し、受信したIP/UDP/RTPパケットのポート番号により揺らぎ吸収バッファサイズを決定する事で、アクセス回線に応じた適切な揺らぎ吸収バッファサイズを設定でき、高品質な音声通話を実現できる。
【0022】
また、アクセス回線種別を表すのにポート番号を用いるのではなく、IPアドレスを用いる事でも、同様の効果が得られる。
【0023】
また、音声符号化処理部11および音声復号処理部24は、本発明の音声伝送装置の外に置くことでも良い。
また、IP/UDP/RTPパケットでは無く、他のパケット方式を使う事でも良い。
【0024】
実施の形態2.
図4は本発明の音声伝送装置の実施の形態2を示し、図1における音声伝送装置1Bの送受信装置の一実施の形態を示す図である。図4において、上記実施の形態1と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。22aはパケット分解部21から通知される受信パケットのポート番号を基に相手端末が使用しているアクセス回線種別を判断し、揺らぎ吸収バッファ部23にそのアクセス回線種別に応じた揺らぎ吸収バッファサイズ情報を通知すると共に、パケット組立部32にそのアクセス回線種別に応じたパケットサイズ情報を通知するポート番号管理制御部、31は電話装置2B側から入力された音声信号に対して符号化処理を行って符号化音声データを出力する音声符号化処理部、32は音声符号化処理部31からの音声符号化データをポート番号管理制御部22aからのパケットサイズ情報に応じてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて出力するパケット組立部である。
【0025】
次に動作について説明する。実施の形態1と同様に、図2において、送信側音声伝送装置1Aの回線選択制御部12が、回線の輻輳状況や電波状況、そのほかの理由により、IPネットワーク3へのアクセス回線としてアクセス回線Aを選択したとする。回線選択制御部12は選択したアクセス回線がアクセス回線Aである事を示す回線選択情報をポート番号管理部13およびセレクタ15に伝える。使用するアクセス回線がアクセス回線Aであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Aを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14にそのポート番号情報を通知する。
【0026】
音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダ内に含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて、セレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットを回線Aインタフェース部16に出力する。回線Aインタフェース部16はセレクタ15から入力されたIP/UDP/RTPパケットを、アクセス回線Aを使用してIPネットワーク3に向かって出力する。
【0027】
アクセス回線Bを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Bを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Bであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Bを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14にそのポート番号情報を通知する。音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダ内に含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて、セレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットを回線Bインタフェース部17に出力する。回線Bインタフェース部17はセレクタ15から入力されたIP/UDP/RTPパケットを、アクセス回線Bを使用してIPネットワーク3に向かって出力する。
【0028】
同様に、アクセス回線Cを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Cを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Cであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Cを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14にそのポート番号情報を通知する。音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダ内に含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて、セレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットを回線Cインタフェース部18に出力する。回線Cインタフェース部18はセレクタ15から入力されたIP/UDP/RTPパケットを、アクセス回線Cを使用してIPネットワーク3に向かって出力する。
【0029】
受信側音声伝送装置1Bでは、図4において、ネットワークインタフェース部25を介してIPネットワーク3から受信したIP/UDP/RTPパケットはパケット分解部21にて分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23に、ポート番号情報はポート番号管理制御部22aに出力される。ポート番号管理制御部22aは、パケット分解部21より入力したポート番号情報により相手端末が使用しているアクセス回線の種別を認識し、それに応じた揺らぎ吸収バッファサイズ情報を揺らぎ吸収バッファ部23に出力すると共に、そのアクセス回線種別に応じたパケットサイズ情報をパケット組立部32に出力する。
揺らぎ吸収バッファ部23では、ポート番号管理制御部22aから通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21から入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収し、揺らぎの無い音声符号化データを音声復号処理部24に出力する。音声復号処理部24では入力された音声符号化データの復号処理を行い、音声信号を出力する。
【0030】
音声伝送装置1Bから音声符号化処理部31に入力された音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部32に出力される。パケット組立部32では入力された符号化音声データを、ポート番号管理制御部22aから通知されたパケットサイズ情報に基づいてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて、ネットワークインタフェース部25を介して相手端末に向かって出力する。
【0031】
以上のように、本実施の形態によれば、使用するアクセス回線に応じたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットを組み立てて送出し、受信したIP/UDP/RTPパケットのポート番号により揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出するパケットサイズを決定する事で、アクセス回線に応じた適切な揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出パケットサイズを設定でき、高品質な音声通話を実現できる。
【0032】
また、アクセス回線種別を表すのにポート番号を用いるのではなく、IPアドレスを用いる事でも、同様の効果が得られる。
また、音声符号化処理部11および音声復号処理部24および音声符号化処理部31は、本発明の音声伝送装置の外に置くことでも良い。
また、IP/UDP/RTPパケットでは無く、他のパケット方式を使う事でも良い。
【0033】
実施の形態3.
図5は本発明の音声伝送装置の適用されるネットワーク機器構成の実施の形態3を示す図である。図5において、上記実施の形態1と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。図5において、7は呼制御を司る呼制御サーバである。音声伝送装置1Aは、アクセス回線Aまたはアクセス回線Bまたはアクセス回線Cを介してIPネットワーク3に接続すると共に、IPネットワーク3に接続されている呼制御サーバ7を介して音声伝送装置1Bと呼接続のための呼接続処理を行い、その後、音声IP通信を行う。
【0034】
図6は本発明の音声伝送装置の実施の形態3を示す図であり、図5における音声伝送装置1Aの送信側装置の一実施の形態を示す図である。図6において、上記実施の形態1と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。19はポート番号管理部13から入力された使用するポート番号情報を基に呼接続処理を行う呼制御部である。
【0035】
図7は本発明の音声伝送装置の実施の形態3を示す図であり、図5における音声伝送装置1Bの送受信装置の一実施の形態を示す図である。図7において、上記実施の形態2と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。33は相手端末との呼接続処理を行う呼制御部であり、その呼制御の中で得られた音声IP通信に用いるポート番号をポート番号管理制御部22aに通知する。
【0036】
次に動作について説明する。図6において、音声伝送装置1Aの回線選択制御部12は、回線の輻輳状況や電波状況、そのほかの理由によりIPネットワーク3へのアクセス回線としてアクセス回線Aを選択したとする。回線選択制御部12は選択したアクセス回線がアクセス回線Aである事を示す回線選択情報をポート番号管理部13およびセレクタ15に伝える。使用するアクセス回線がアクセス回線Aであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Aを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14および呼制御部19にそのポート番号情報を通知する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づき呼制御部19からの呼制御用パケットを回線Aインタフェース部16に出力する。呼制御部19は回線Aインタフェース部16を介した相手端末(音声伝送装置1B)との呼接続のための情報の授受の中で、ポート番号管理部13から通知されたポート番号を相手端末(音声伝送装置1B)に通知する。
【0037】
音声符号化処理部11に入力された音声伝送装置1Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットも回線Aインタフェース部16に出力する。回線Aインタフェース部16はセレクタ15から入力されたパケットを、アクセス回線Aを使用してIPネットワーク3に向かって出力する。
【0038】
アクセス回線Bを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Bを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Bであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Bを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14および呼制御部19にそのポート番号情報を通知する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットおよび呼制御部19からの呼制御用パケットを回線Bインタフェース部17に出力する。呼制御部19は回線Bインタフェース部17を介した相手端末(音声伝送装置1B)との呼接続のための情報の授受の中で、ポート番号管理部13から通知されたポート番号を相手端末(音声伝送装置1B)に通知する。
【0039】
音声符号化処理部11に入力された音声伝送装置1Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットも回線Bインタフェース部17に出力する。回線Bインタフェース部17はセレクタ15から入力されたパケットを、アクセス回線Bを使用してIPネットワーク3に向かって出力する。
【0040】
同様に、アクセス回線Cを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Cを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Cであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Cを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14および呼制御部19にそのポート番号情報を通知する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットおよび呼制御部19からの呼制御用パケットを回線Cインタフェース部18に出力する。呼制御部19は回線Cインタフェース部18を介した相手端末との呼接続のための情報の授受の中で、ポート番号管理部13から通知されたポート番号を相手端末に通知する。
【0041】
音声符号化処理部11に入力された音声伝送装置1Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットも回線Cインタフェース部18に出力する。回線Cインタフェース部18はセレクタ15から入力されたパケットを、アクセス回線Cを使用してIPネットワーク3に向かって出力する。
【0042】
受信側音声伝送装置1Bでは、図7において、ネットワークインタフェース部25を介してIPネットワーク3から受信した呼制御用パケットは呼制御部33にて処理され、音声IP通信に使用するポート番号情報をポート番号管理制御部22aに出力される。ネットワークインタフェース部25を介してIPネットワーク3から受信したIP/UDP/RTPパケットはパケット分解部21にて分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23に出力される。ポート番号管理制御部22aは、呼制御部33より入力したポート番号情報により相手端末(音声伝送装置1A)が使用しているアクセス回線の種別を認識し、それに応じた揺らぎ吸収バッファサイズ情報を揺らぎ吸収バッファ部23に出力すると共に、そのアクセス回線種別に応じたパケットサイズ情報をパケット組立部32に出力する。
揺らぎ吸収バッファ部23では、ポート管理制御部22aから通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21から入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収し、揺らぎの無い音声符号化データを音声復号処理部24に出力する。音声復号処理部24では入力された音声符号化データの復号処理を行い、音声信号を出力する。
【0043】
音声符号化処理部31に入力された音声伝送装置1Bからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部32に出力される。パケット組立部32では入力された符号化音声データを、ポート番号管理制御部22aから通知されたパケットサイズ情報に基づいてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて、ネットワークインタフェース部25を介して相手端末(音声伝送装置1A)に向かって出力する。
【0044】
以上のように、本実施の形態によれば、使用するアクセス回線に応じたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて送出する事を呼接続処理にて相手端末に通知し、通知を受けた相手側の端末では通知されたポート番号により揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出するパケットサイズを決定する事で、アクセス回線に応じた適切な揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出パケットサイズを設定でき、高品質な音声通話を実現できる。
【0045】
また、アクセス回線種別を表すのにポート番号を用いるのではなく、IPアドレスを用いる事でも、同様の効果が得られる。
また、音声符号化処理部11および音声復号処理部24および音声符号化処理部31は、本発明の音声伝送装置の外に置くことでも良い。
また、IP/UDP/RTPパケットでは無く、他のパケット方式を使う事でも良い。
【0046】
実施の形態4.
図8は本発明の音声伝送装置の適用されるネットワーク機器構成の実施の形態4を示す図である。図8において、上記実施の形態3と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。図8において、8aはアクセス回線AとIPネットワーク3との中継を行う音声伝送中継装置、同様に、8bはアクセス回線BとIPネットワーク3との中継を行う音声伝送中継装置、8cはアクセス回線CとIPネットワーク3との中継を行う音声伝送中継装置である。音声伝送装置1Aは、アクセス回線Aまたはアクセス回線Bまたはアクセス回線Cを介して、且つ、音声伝送中継装置8aまたは音声伝送中継装置8bまたは音声伝送中継装置8cを介してIPネットワーク3に接続すると共に、IPネットワーク3に接続されている呼制御サーバ7を介して音声伝送装置1Bと呼接続のための呼接続処理を行い、その後、音声IP通信を行う。
【0047】
本実施の形態における送信側の音声伝送装置1Aの構成は図6に示す上記実施の形態3における送信側の音声伝送装置1Aと同じであり、構成の説明は省略する。
【0048】
図9は本発明の音声伝送装置の実施の形態4を示す図であり、図8における音声伝送中継装置8aまたは音声伝送中継装置8bまたは音声伝送中継装置8cの一実施の形態を示す図である。図9において、上記各実施の形態と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。34は呼接続処理を行う呼制御パケットの中継を行う呼制御中継部であり、その呼制御の中で得られた音声IP通信に用いるポート番号をポート番号管理制御部22aに通知する。41はアクセス回線とインタフェースするアクセス回線インタフェース部であり、42はIPネットワーク3とインタフェースするネットワークインタフェース部である。
【0049】
パケット分解部21a、21bはIP/UDP/RTPパケットを分解する。揺らぎ吸収バッファ部23a、23bは、ポート番号管理制御部22aから通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21a、21bから入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収し、揺らぎの無い音声符号化データを出力する。パケット組立部32a、32bでは入力された符号化音声データを、ポート番号管理制御部22aから通知されたパケットサイズ情報に基づいてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて、アクセス回線インタフェース部41、ネットワークインタフェース部42から出力する。
【0050】
図10は本発明の音声伝送装置の実施の形態4を示す図であり、図8における音声伝送装置1Bの送受信装置の一実施の形態を示す図である。図10において、上記実施の形態3と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。35は相手端末との呼接続処理を行う呼制御部である。
【0051】
次に動作について説明する。図6において、音声伝送装置1Aの回線選択制御部12は、回線の輻輳状況や電波状況、そのほかの理由により、IPネットワーク3へのアクセス回線としてアクセス回線Aを選択したとする。回線選択制御部12は選択したアクセス回線がアクセス回線Aである事を示す回線選択情報をポート番号管理部13およびセレクタ15に伝える。使用するアクセス回線がアクセス回線Aであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Aを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14および呼制御部19にそのポート番号情報を通知する。
【0052】
セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づき呼制御部19からの呼制御用パケットを回線Aインタフェース部16に出力する。呼制御部19は回線Aインタフェース部16を介した相手端末との呼接続のための情報の授受の中で、ポート番号管理部13から通知されたポート番号を相手端末に通知する。
【0053】
音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットも回線Aインタフェース部16に出力する。回線Aインタフェース部16はセレクタ15から入力されたパケットを、アクセス回線Aを使用して音声伝送中継装置8aに向かって出力する。
【0054】
アクセス回線Bを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Bを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Bであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Bを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14および呼制御部19にそのポート番号情報を通知する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットおよび呼制御部19からの呼制御用パケットを回線Bインタフェース部17に出力する。呼制御部19は回線Bインタフェース部17を介した相手端末との呼接続のための情報の授受の中で、ポート番号管理部13から通知されたポート番号を相手端末に通知する。
【0055】
音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットも回線Bインタフェース部17に出力する。回線Bインタフェース部17はセレクタ15から入力されたパケットを、アクセス回線Bを使用して音声伝送中継装置8bに向かって出力する。
【0056】
同様に、アクセス回線Cを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Cを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Cであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Cを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14および呼制御部19にそのポート番号情報を通知する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットおよび呼制御部19からの呼制御用パケットを回線Cインタフェース部18に出力する。呼制御部19は回線Cインタフェース部18を介した相手端末との呼接続のための情報の授受の中で、ポート番号管理部13から通知されたポート番号を相手端末に通知する。
【0057】
音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットも回線Cインタフェース部18に出力する。回線Cインタフェース部18はセレクタ15から入力されたパケットを、アクセス回線Cを使用して音声伝送中継装置8cに向かって出力する。
【0058】
音声伝送中継装置8aは、図9において、アクセス回線から受信したパケットはアクセス回線インタフェース部41を介してパケット分解部21aおよび呼制御中継部34に入力される。呼制御用パケットは呼制御中継部34にて中継処理されてネットワークインタフェース部42に出力されると共に、音声IP通信に使用するポート番号情報が抽出され、そのポート番号情報がポート番号管理制御部22aに出力される。符号化音声データを運ぶIP/UDP/RTPパケットはパケット分解部21aにて分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23aに出力される。
【0059】
ポート番号管理制御部22aは、呼制御中継部34より入力したポート番号情報によりアクセス回線を介して接続している相手端末が使用しているアクセス回線の種別を認識し、それに応じた揺らぎ吸収バッファサイズ情報を揺らぎ吸収バッファ部23aに出力すると共に、そのアクセス回線種別に応じたパケットサイズ情報をパケット組立部32bに出力する。また、IPネットワーク3に適した揺らぎ吸収バッファサイズ情報を揺らぎ吸収バッファ部23bに出力すると共に、IPネットワーク3に適したパケットサイズ情報をパケット組立部32aに出力する。揺らぎ吸収バッファ部23aでは、ポート番号管理制御部22aから通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21aから入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収し、揺らぎの無い音声符号化データをパケット組立部32aに出力する。
【0060】
パケット組立部32aでは入力された音声符号化データをポート番号管理制御部22aから通知されたパケットサイズ情報に基づいてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててネットワークインタフェース部42に出力する。ネットワークインタフェース部42では呼制御中継部34から受け取った呼制御用パケットおよびパケット組立部32aから受け取った音声のIP/UDP/RTPパケットをIPネットワーク3を介して相手端末に向かって出力する。
【0061】
IPネットワーク3から受信したパケットはネットワークインタフェース部42を介してパケット分解部21bおよび呼制御中継部34に入力される。呼制御用パケットは呼制御中継部34にて中継処理されてアクセス回線インタフェース部41に出力される。符号化音声データを運ぶIP/UDP/RTPパケットはパケット分解部21bにて分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23bに出力される。揺らぎ吸収バッファ部23bでは、ポート番号管理制御部22aから通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21bから入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収し、揺らぎの無い音声符号化データをパケット組立部32bに出力する。パケット組立部32bでは入力された音声符号化データをポート番号管理制御部22aから通知されたパケットサイズ情報に基づいてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててアクセス回線インタフェース部41に出力する。アクセス回線インタフェース部41では呼制御中継部34から受け取った呼制御用パケットおよびパケット組立部32bから受け取った音声のIP/UDP/RTPパケットを使用アクセス回線を介して相手端末に向かって出力する。
【0062】
受信側の音声伝送装置1Bの送受信装置は、図10において、ネットワークインタフェース部25を介してIPネットワーク3から受信したIP/UDP/RTPパケットはパケット分解部21にて分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23に出力される。揺らぎ吸収バッファ部23では、IPネットワーク3に適した揺らぎ吸収バッファサイズ情報をあらかじめ持っており、その情報に基づき、パケット分解部21から入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収し、揺らぎの無い音声符号化データを音声復号処理部24に出力する。音声復号処理部24では入力された音声符号化データの復号処理を行い、音声信号を出力する。
【0063】
音声符号化処理部31に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部32に出力される。パケット組立部32ではIPネットワーク3に適したパケットサイズ情報をあらかじめ持っており、その情報に基づき、入力された符号化音声データをIP/UDP/RTPパケットに組み立てて、ネットワークインタフェース部25を介して相手端末に向かって出力する。ネットワークインタフェース部25を介してIPネットワーク3から受信した呼制御用パケットは呼制御部35にて呼制御処理され、必要に応じて呼制御用パケットはネットワークインタフェース部25を介して相手端末に向かって出力される。
【0064】
以上のように、使用するアクセス回線に応じたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立てて送出する事を呼接続処理にて中継装置に通知し、通知を受けた中継装置では通知されたポート番号により揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出するパケットサイズを決定する事で、アクセス回線に応じた適切な揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出パケットサイズを設定でき、高品質な音声通話を実現できる。また、中継装置でアクセス回線およびIPネットワークに応じた揺らぎ吸収処理およびパケット組立処理を行う事で、IPネットワークに接続されている端末では特に相手端末が使用しているアクセス回線の種別を意識する事が無くなり、容易に高品質な音声通話が実現できる。
【0065】
また、図11に示すように、ポート番号管理制御部22bにおいて、使用しているアクセス回線を表す情報を呼制御中継部34から得るのではなく、アクセス回線インタフェース部41aから得るようにする。アクセス回線Aに接続している中継装置では、アクセス回線インタフェース部41aは自装置がアクセス回線Aに接続している事を認識しており、同様に、アクセス回線Bあるいはアクセス回線Cに接続している中継装置では、それぞれのアクセス回線インタフェース部41aは自装置がアクセス回線Bあるいはアクセス回線Cに接続している事を認識している。このため、アクセス回線インタフェース部41aはポート番号管理制御部22bに自装置が接続しているアクセス回線の種別を通知する事が出来る。自装置が接続しているアクセス回線の種別の通知を受けたポート番号管理制御部22bでは、そのアクセス回線種別に応じた適切な揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出パケットサイズを設定できる。このようにする事でも同様の効果が得られる。
【0066】
また、アクセス回線Aまたはアクセス回線Bまたはアクセス回線C上とIPネットワーク3(ここでは、アクセス回線A、アクセス回線B、アクセス回線C、IPネットワークを伝送路と称す)上にて使用する音声符号化方式が異なる場合もある。その場合には、図12に示すように、音声符号化方式の変換を行う符号変換部43aおよび43bを新たに設ける事で、アクセス回線側から受信した符号化音声データをIPネットワーク3側で使用している符号化音声データに変換して送出する事ができ、また、IPネットワーク3側から受信した符号化音声データをアクセス回線側で使用している符号化音声データに変換して送出する事ができる。このように入力側伝送路から入力した符号化音声データの音声符号化方式を出力側伝送路が使用する音声符号化方式に変換する事で、アクセス回線側とIPネットワーク3側で使用している音声符号化方式が異なる場合でも、同様の効果が得られる。
【0067】
また、アクセス回線種別を表すのにポート番号を用いるのではなく、IPアドレスを用いる事でも、同様の効果が得られる。
また、音声符号化処理部11および音声復号処理部24および音声符号化処理部31は、本発明の音声伝送装置の外に置くことでも良い。
また、IP/UDP/RTPパケットでは無く、他のパケット方式を使う事でも良い。
【0068】
実施の形態5.
図13は本発明の音声伝送装置の適用されるネットワーク機器構成の実施の形態5を示す図である。図13において、上記実施の形態4と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。
図13において、8dはIPネットワーク3とアクセス回線Dとの中継を行う音声伝送中継装置、同様に、8eはIPネットワーク3とアクセス回線Eとの中継を行う音声伝送中継装置、8fはIPネットワーク3とアクセス回線Fとの中継を行う音声伝送中継装置である。音声伝送装置1Aは、アクセス回線Aまたはアクセス回線Bまたはアクセス回線Cを介し、且つ、音声伝送中継装置8aまたは音声伝送中継装置8bまたは音声伝送中継装置8cを介してIPネットワーク3に接続される。
音声伝送装置1Bは、アクセス回線Dまたはアクセス回線Eまたはアクセス回線Fを介し、且つ、音声伝送中継装置8dまたは音声伝送中継装置8eまたは音声伝送中継装置8fを介してIPネットワーク3に接続される。更に、音声伝送装置1AはIPネットワーク3に接続されている呼制御サーバ7を介して音声伝送装置1Bと呼接続のための呼接続処理を行い、その後、音声IP通信を行う。
【0069】
本実施の形態における図13の送信側音声伝送装置1Aの構成は、上記図6に示す上記実施の形態3における送信側の音声伝送装置1Aと同じであり、構成の説明は省略する。
【0070】
図13における音声伝送中継装置8aまたは音声伝送中継装置8bまたは音声伝送中継装置8cまたは音声伝送中継装置8dまたは音声伝送中継装置8eまたは音声伝送中継装置8fの構成は図9に示す実施の形態4における音声伝送中継装置8a〜8cと同様であり、その説明を省略する。
【0071】
図14は、図13における音声伝送装置1Bの送受信装置の実施の形態5を示す図である。図14において、図7に示す上記実施の形態3と同一もしくは相当部分は同一符号で示し、説明を省略する。44はアクセス回線Dとのインタフェースを行う回線Dインタフェース部、45はアクセス回線Eとのインタフェースを行う回線Eインタフェース部、46はアクセス回線Fとのインタフェースを行う回線Fインタフェース部、47はポート番号管理制御部22cからの回線選択情報に基づき入出力する回線インタフェースを選択するセレクタ部、48は相手端末との呼接続処理を行う呼制御部である。
【0072】
次に動作について説明する。図6において、音声伝送装置1Aの回線選択制御部12は、回線の輻輳状況や電波状況、そのほかの理由により、IPネットワーク3へのアクセス回線としてアクセス回線Aを選択したとする。回線選択制御部12は選択したアクセス回線がアクセス回線Aである事を示す回線選択情報をポート番号管理部13およびセレクタ15に伝える。使用するアクセス回線がアクセス回線Aであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Aを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14および呼制御部19にそのポート番号情報を通知する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づき呼制御部19からの呼制御用パケットを回線Aインタフェース部16に出力する。呼制御部19は回線Aインタフェース部16を介して相手端末(音声伝送装置1B)との呼接続のための情報の授受の中でポート番号管理部13から通知されたポート番号を相手端末(音声伝送装置1B)に通知する。
【0073】
音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットも回線Aインタフェース部16に出力する。回線Aインタフェース部16はセレクタ15から入力されたパケットを、アクセス回線Aを使用して音声伝送中継装置8aに向かって出力する。
【0074】
アクセス回線Bを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Bを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Bであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Bを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14および呼制御部19にそのポート番号情報を通知する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットおよび呼制御部19からの呼制御用パケットを回線Bインタフェース部17に出力する。呼制御部19は回線Bインタフェース部17を介して相手端末(音声伝送装置1B)との呼接続のための情報の授受の中でポート番号管理部13から通知されたポート番号を相手端末(音声伝送装置1B)に通知する。
【0075】
音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットも回線Bインタフェース部17に出力する。回線Bインタフェース部17はセレクタ15から入力されたパケットを、アクセス回線Bを使用して音声伝送中継装置8bに向かって出力する。
【0076】
同様に、アクセス回線Cを使用する場合には、回線選択制御部12からアクセス回線Cを選択した事を示す回線選択情報がポート番号管理部13およびセレクタ15に伝えられる。使用するアクセス回線がアクセス回線Cであることを回線選択制御部12から回線選択情報にて知らされたポート番号管理部13ではアクセス回線Cを使用している事を示すポート番号を選択し、パケット組立部14および呼制御部19にそのポート番号情報を通知する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットおよび呼制御部19からの呼制御用パケットを回線Cインタフェース部18に出力する。呼制御部19は回線Cインタフェース部18を介して相手端末(音声伝送装置1B)との呼接続のための情報の授受の中でポート番号管理部13から通知されたポート番号を相手端末(音声伝送装置1B)に通知する。
【0077】
音声符号化処理部11に入力された電話装置2Aからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部14に出力される。パケット組立部14では入力された符号化音声データを、ポート番号管理部13から通知されたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててセレクタ15に出力する。セレクタ15は、回線選択制御部12からの回線選択情報に基づきパケット組立部14からのIP/UDP/RTPパケットも回線Cインタフェース部18に出力する。回線Cインタフェース部18はセレクタ15から入力されたパケットを、アクセス回線Cを使用して音声伝送中継装置8cに向かって出力する。
【0078】
音声伝送中継装置8aとしての図9における動作を説明する。アクセス回線Aから受信した呼制御用パケットはアクセス回線インタフェース部41を介して呼制御中継部34に入力される。また、IPネットワーク3から受信した呼制御用パケットはネットワークインタフェース部42を介して呼制御中継部34に入力される。これらアクセス回線AおよびIPネットワーク3からの呼制御用パケットを入力した呼制御中継部34では、アクセス回線A側の音声IP通信に使用するポート番号情報およびIPネットワーク3側の音声IP通信に使用するポート番号情報をPポート番号管理制御部22aに出力する。
【0079】
ポート番号管理制御部22aでは、入力したポート番号情報により、音声伝送装置1Aが使用しているアクセス回線の種別および音声伝送装置1Bが使用しているアクセス回線の種別を知る事ができる。そこで、ポート番号管理制御部22aは、アクセス回線Aから受信しIPネットワーク3およびアクセス回線Dまたはアクセス回線Eまたはアクセス回線Fを介して音声伝送装置1Bに向かうIP/UDP/RTPパケットに対しては、使用するアクセス回線種別に応じて最適な揺らぎ吸収バッファサイズ情報およびパケットサイズ情報をそれぞれ揺らぎ吸収バッファ部23aおよびパケット組立部32aに出力する。
【0080】
また、ポート番号管理制御部22aは、アクセス回線Dまたはアクセス回線Eまたはアクセス回線Fを通過しIPネットワーク3から受信しアクセス回線A介して音声伝送装置1Aに向かうIP/UDP/RTPパケットに対しては、使用するアクセス回線種別に応じて最適な揺らぎ吸収バッファサイズ情報およびパケットサイズ情報をそれぞれ揺らぎ吸収バッファ部23bおよびパケット組立部32bに出力する。アクセス回線Aから受信した符号化音声データを運ぶIP/UDP/RTPパケットはアクセス回線インタフェース部41を介してパケット分解部21aに入力される。パケット分解部21aに入力されたIP/UDP/RTPパケットは分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23aに出力される。
【0081】
揺らぎ吸収バッファ部23aでは、ポート番号管理制御部22aから通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21aから入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収しパケット組立部32aに出力する。パケット組立部32aでは入力された音声符号化データをポート番号管理制御部22aから通知されたパケットサイズ情報に基づいてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててネットワークインタフェース部42に出力する。ネットワークインタフェース部42では呼制御中継部34から受け取った呼制御用パケットおよびパケット組立部32aから受け取った音声のIP/UDP/RTPパケットを相手端末(音声伝送装置1B)に向かって出力する。
【0082】
IPネットワーク3から受信した符号化音声データを運ぶIP/UDP/RTPパケットはネットワークインタフェース部42を介してパケット分解部21bに入力される。IP/UDP/RTPパケットはパケット分解部21bにて分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23bに出力される。揺らぎ吸収バッファ部23bでは、ポート番号管理制御部22aから通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21bから入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収しパケット組立部32bに出力する。
【0083】
パケット組立部32bでは入力された音声符号化データをポート番号管理制御部22aから通知されたパケットサイズ情報に基づいてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててアクセス回線インタフェース部41に出力する。アクセス回線インタフェース部41では呼制御中継部34から受け取った呼制御用パケットおよびパケット組立部32bから受け取った音声のIP/UDP/RTPパケットを音声伝送装置1Aに向かって出力する。
【0084】
音声伝送中継装置8dとしての図9における動作を説明する。アクセス回線Dから受信した呼制御用パケットはアクセス回線インタフェース部41を介して呼制御中継部34に入力される。また、IPネットワーク3から受信した呼制御用パケットはネットワークインタフェース部42を介して呼制御中継部34に入力される。これらアクセス回線DおよびIPネットワーク3の呼制御用パケットを入力した呼制御中継部34では、アクセス回線D側の音声IP通信に使用するポート番号情報およびIPネットワーク3側の音声IP通信に使用するポート番号情報をポート番号管理制御部22aに出力する。
【0085】
ポート番号管理制御部22aでは、入力したポート番号情報により、音声伝送装置1Aが使用しているアクセス回線の種別および音声伝送装置1Bが使用しているアクセス回線の種別を知る事ができる。そこで、ポート番号管理制御部22aは、アクセス回線Dから受信しIPネットワーク3およびアクセス回線Aまたはアクセス回線Bまたはアクセス回線Cを介して音声伝送装置1Aに向かうIP/UDP/RTPパケットに対しては、使用するアクセス回線種別に応じて最適な揺らぎ吸収バッファサイズ情報およびパケットサイズ情報をそれぞれ揺らぎ吸収バッファ部23aおよびパケット組立部32aに出力する。
【0086】
また、ポート番号管理制御部22aは、アクセス回線Aまたはアクセス回線Bまたはアクセス回線Cを通過しIPネットワーク3から受信しアクセス回線D介して音声伝送装置1Bに向かうIP/UDP/RTPパケットに対しては、使用するアクセス回線種別に応じて最適な揺らぎ吸収バッファサイズ情報およびパケットサイズ情報をそれぞれ揺らぎ吸収バッファ部23bおよびパケット組立部32bに出力する。IPネットワーク3から受信した符号化音声データを運ぶIP/UDP/RTPパケットはネットワークインタフェース部42を介してパケット分解部21bに入力される。IP/UDP/RTPパケットはパケット分解部21bにて分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23bに出力される。
【0087】
揺らぎ吸収バッファ部23bでは、ポート番号管理制御部22aから通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21bから入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収しパケット組立部32bに出力する。パケット組立部32bでは入力された音声符号化データをポート番号管理制御部22aから通知されたパケットサイズ情報に基づいてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててアクセス回線インタフェース部41に出力する。アクセス回線インタフェース部41では呼制御中継部34から受け取った呼制御用パケットおよびパケット組立部32bから受け取った音声のIP/UDP/RTPパケットを音声伝送装置1Bに向かって出力する。
【0088】
アクセス回線Dから受信した符号化音声データを運ぶIP/UDP/RTPパケットはアクセス回線インタフェース部41を介してパケット分解部21aに入力される。パケット分解部21aに入力されたIP/UDP/RTPパケットは分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23aに出力される。揺らぎ吸収バッファ部23aでは、ポート番号管理制御部22aから通知された揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21aから入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収しパケット組立部32aに出力する。パケット組立部32aでは入力された音声符号化データをポート番号管理制御部22aから通知されたパケットサイズ情報に基づいてIP/UDP/RTPパケットに組み立ててネットワークインタフェース部42に出力する。ネットワークインタフェース部42では呼制御中継部34から受け取った呼制御用パケットおよびパケット組立部32aから受け取った音声のIP/UDP/RTPパケットを相手端末(音声伝送装置1A)に向かって出力する。
【0089】
次に、音声伝送装置1Bの送受信装置の動作について説明する。
図14において、アクセス回線Dまたはアクセス回線Eまたはアクセス回線Fから受信した呼制御用パケットは呼制御部48に入力される。呼制御処理部48では呼制御処理を行うと共に、音声IP通信に使用するポート番号情報およびどの回線インタフェースにて音声IP通信が行われるかの情報をポート番号管理制御部22cに通知する。
【0090】
これらの情報を入手したポート番号管理制御部22cは、音声伝送装置1Aからの符号化音声データを運ぶIP/UDP/RTPパケットがどのアクセス回線を通じて音声伝送装置1Bに届くのか、例えば、アクセス回線Aおよびアクセス回線Dを通じて音声伝送装置1Bに届くかを知ると共に、音声伝送装置1Bからの符号化音声データを運ぶIP/UDP/RTPパケットがどのアクセス回線を通じて音声伝送装置1Aに届くのか、例えば、アクセス回線Dおよびアクセス回線Aを通じて音声伝送装置1Aに届くかを知る。これによって、ポート番号管理制御部22cは音声伝送装置1Bでの最適な揺らぎ吸収バッファサイズおよび音声伝送装置1Bから出力する最適なIP/UDP/RTPパケットサイズを導き出す事ができ、これらの情報は揺らぎ吸収バッファ部23およびパケット組立部32に通知される。
【0091】
また、ポート番号管理制御部22cでは使用する回線インタフェースに応じてセレクタ47にどの回線インタフェース部を選択するかの指示を出す。回線Dインタフェース部44または回線Eインタフェース部45または回線Fインタフェース部46およびセレクタ47を介してアクセス回線側から受信したIP/UDP/RTPパケットはパケット分解部21にて分解され、符号化音声データは揺らぎ吸収バッファ部23に出力される。揺らぎ吸収バッファ部23では、ポート番号管理制御部22cからの揺らぎ吸収バッファサイズ情報に基づき、パケット分解部21から入力した音声符号化データの到着遅延揺らぎを吸収し、揺らぎの無い音声符号化データを音声復号処理部24に出力する。音声復号処理部24では入力された音声符号化データの復号処理を行い、音声信号を出力する。
【0092】
音声符号化処理部31に入力された電話装置2Bからの音声信号は音声符号化処理をなされ、符号化音声データとしてパケット組立部32に出力される。パケット組立部32ではポート番号管理制御部22cからのパケットサイズ情報に基づき、入力された符号化音声データをIP/UDP/RTPパケットに組み立てて、セレクタ47および回線Dインタフェース部44または回線Eインタフェース部45または回線Fインタフェース部46を介して相手端末(音声伝送装置1A)に向かって出力する。相手端末(音声伝送装置1A)に送出する呼制御用パケットは呼制御部48よりセレクタ47および回線Dインタフェース部44または回線Eインタフェース部45または回線Fインタフェース部46を介して使用しているアクセス回線に出力される。
【0093】
以上のように、本実施の形態によれば、使用するアクセス回線に応じたポート番号をヘッダに含めてIP/UDP/RTPパケットを組み立てて送出する事を呼接続処理にて中継装置に通知し、通知を受けた中継装置では通知されたポート番号により揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出するパケットサイズを決定する事で、使用するアクセス回線に応じた適切な揺らぎ吸収バッファサイズおよび送出パケットサイズを設定でき、高品質な音声通話を実現できる。
【0094】
また、アクセス回線Aまたはアクセス回線Bまたはアクセス回線C上とIPネットワーク3上およびアクセス回線Dまたはアクセス回線Eまたはアクセス回線F上にて使用する音声符号化方式が異なる場合もある。その場合には、図12に示すように、音声符号化方式の変換を行う符号変換部43aおよび43bを新たに設ける事で、受信側の伝送路、即ちアクセス回線側から受信した符号化音声データを送信側の伝送路、即ちIPネットワーク側で使用している符号化音声データに変換して送出する事ができ、また、逆に受信側の伝送路、即ちIPネットワーク回線側から受信した符号化音声データを送信側の伝送路、即ちアクセス回線側で使用している符号化音声データに変換して送出する事ができる。このようにする事で、アクセス回線側とIPネットワーク側で使用している音声符号化方式が異なる場合でも、同様の効果が得られる。
【0095】
また、アクセス回線種別を表すのにポート番号を用いるのではなく、IPアドレスを用いる事でも、同様の効果が得られる。
また、音声符号化処理部11および音声復号処理部24および音声符号化処理部31は、本発明の音声伝送装置の外に置くことでも良い。
また、IP/UDP/RTPパケットでは無く、他のパケット方式を使う事でも良い。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明の音声伝送装置または音声伝送中継装置はインターネットに接続された異なる伝送方式を使用する音声データの通信、例えば遠隔監視システムなどに利用される。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態1による音声伝送装置が適用されるネットワーク機器の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態1による音声伝送装置の送信側装置の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態1による音声伝送装置の受信側装置の構成図である。
【図4】本発明の実施の形態2による音声伝送装置の受信側の送受信装置の構成図である。
【図5】本発明の実施の形態3による音声伝送装置が適用されるネットワーク機器の構成図である。
【図6】本発明の実施の形態3による音声伝送装置の送信側装置の構成図である。
【図7】本発明の実施の形態3による音声伝送装置の受信側の送受信装置の構成図である。
【図8】本発明の実施の形態4による音声伝送装置が適用されるネットワーク機器の構成図である。
【図9】本発明の実施の形態4による音声伝送中継装置の一実施の形態を示す構成図である。
【図10】本発明の実施の形態4による音声伝送装置の受信側の送受信装置の構成図である。
【図11】本発明の実施の形態4による音声伝送中継装置の他の実施の形態を示す構成図である。
【図12】本発明の実施の形態4による音声伝送中継装置の更に他の実施の形態を示す構成図である。
【図13】本発明の実施の形態5による音声伝送装置が適用されるネットワーク機器の構成図である。
【図14】本発明の実施の形態5による音声伝送装置の受信側の送受信装置の構成図である。
【符号の説明】
【0098】
1A、1B;音声伝送装置、2A、2B;電話装置、3;IPネットワーク、7;呼制御サーバ、8a、8b、8c、8d、8え、8f;音声伝送中継装置、11、31;音声符号化処理部、12;回線選択制御部、13;ポート番号管理部、14、32、32a、32b;パケット組立部、15;セレクタ部、16;回線Aインタフェース部、17;回線Bインタフェース部、18;回線Cインタフェース部、19、33、35;呼制御部、21、21a、21b;パケット分解部、22、22a、22b;ポート番号管理制御部、23、23a、23b;揺らぎ吸収バッファ部、24;音声復号処理部、25;ネットワークインタフェース部、34,34a;呼制御中継部、41;アクセス回線インタフェース部、42;ネットワークインタフェース部、43a、43b;符号変換部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の異なる伝送方式を用いる回線を介して音声データの通信をする音声伝送装置であって、
入力された音声信号にデジタル化符号化処理を行い符号化音声データを出力する音声符号化処理手段、
複数の回線から使用する回線を選択する回線選択制御手段、
回線選択制御手段からの情報に基づき、回線識別情報を出力する回線識別情報管理手段、
回線識別情報管理手段からの回線識別情報をパケット内に埋め込み、音声符号化処理手段からの符号化音声データをパケットに組み立てて送出するパケット組立手段、
回線選択制御手段からの情報に基づき、複数の回線とそれぞれインタフェースをとる回線インタフェース手段を選択し、パケット組立手段から送出されるパケットを選択された回線に送出するセレクタ手段を備えたことを特徴とする音声伝送装置。
【請求項2】
送信側音声伝送装置から受信した回線識別情報とペイロードデータ部を含むパケットを分解し、回線識別情報を抽出すると共に、パケットのペイロードデータ部を出力するIPパケット分解手段、
パケット分解手段より受け取った回線識別情報を基に揺らぎ吸収バッファサイズの指示を出力する回線識別情報管理制御手段、
回線識別情報管理制御手段からの指示に基づいた揺らぎ吸収バッファサイズで、パケット分解手段からのペイロードデータの揺らぎを吸収し平滑化した上で出力する揺らぎ吸収処理手段、
揺らぎ吸収手段からの出力を受け取りペイロードデータに含まれる符号化音声データの復号処理を行い、受信側電話装置に送信する音声復号処理手段を備えたことを特徴とする音声伝送装置。
【請求項3】
回線識別情報として、ポート番号を用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の音声伝送装置。
【請求項4】
回線識別情報として、IPアドレスを用いることを特徴とする請求項1または請求項2記載の音声伝送装置。
【請求項5】
回線識別情報管理制御手段は、パケット分解手段より受け取った回線識別情報を基に揺らぎ吸収バッファサイズと送出パケットサイズを決定して出力し、
受信側電話装置から入力された音声信号にデジタル化符号化処理を行い、符号化音声データを出力する音声符号化処理手段、
回線識別情報管理制御手段から出力される送出パケットサイズに基づき音声符号化処理手段からの符号化音声データをパケットに組み立てて送出するパケット組立手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の音声伝送装置。
【請求項6】
呼接続のための呼制御用パケットに回線識別情報を含有し、呼制御用パケットを相手側装置と送受信して呼接続処理を行うと共に回線識別情報を相手側装置に送信する呼制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の音声伝送装置。
【請求項7】
呼接続のための呼制御用パケットに回線識別情報が含有され、呼制御用パケットを相手側装置と送受信して呼接続処理を行うと共に回線識別情報を相手側装置から受信する呼制御手段を備えたことを特徴とする請求項2記載の音声伝送装置。
【請求項8】
アクセス回線とIPネットワークの間に設けられ、音声伝送装置間の通信を中継する音声伝送中継装置であって、
音声伝送装置間の呼接続処理を行う呼制御情報を中継すると共に、中継した呼制御情報から使用する回線識別情報を抽出する呼制御中継手段、
呼制御中継手段より受け取った回線識別情報を基に揺らぎ吸収バッファサイズ情報およびパケットサイズ情報を出力する回線識別情報管理制御手段、
受信したパケットを分解し、パケットのペイロード部を出力するパケット分解手段、
回線識別情報管理制御手段からの情報に基づいた揺らぎ吸収バッファサイズにて、パケット分解手段からのペイロードデータの揺らぎを吸収し平滑化した上で出力する揺らぎ吸収処理手段、
回線識別情報をパケット内に埋め込み、回線識別情報管理制御手段からの情報に基づいたパケットサイズにて揺らぎ吸収処理手段からの符号化音声データをパケットに組み立てて送出するパケット組立手段を備えたことを特徴とする音声伝送中継装置。
【請求項9】
複数の異なる伝送方式による回線に夫々接続され、使用回線の回線識別情報を出力する回線インタフェース手段を備え、
回線識別情報管理制御手段は、回線インタフェース手段より回線識別情報を受け取り、この回線識別情報を基に揺らぎ吸収バッファサイズ情報およびパケットサイズ情報を出力する構成にされたことを特徴とする請求項8記載の音声伝送中継装置。
【請求項10】
入力側伝送路から入力した符号化音声データの音声符号化方式を出力側伝送路が使用する音声符号化方式に変換し、出力側伝送路に送出する符号変換手段を備えたことを特徴とする請求項8記載または請求項9記載の音声伝送中継装置。
【請求項11】
回線識別情報として、ポート番号を用いることを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れか1項に記載の音声伝送装置。
【請求項12】
回線識別情報として、IPアドレスを用いることを特徴とする請求項8乃至請求項10の何れか1項に記載の音声伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−188896(P2009−188896A)
【公開日】平成21年8月20日(2009.8.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−28868(P2008−28868)
【出願日】平成20年2月8日(2008.2.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】