説明

音声出力システム

【課題】警報器の設置を簡易かつ低コストで行なうことができる、音声出力システムを提供すること。
【解決手段】音声出力システムは、火災感知器100a〜100dに信号を送信する告知放送受信機又はインターホンと、告知放送受信機又はインターホンから信号を受信した場合に、当該信号に基づいて出力を行う火災感知器100a〜100dと、告知放送受信機又はインターホンと火災感知器100a〜100dとを相互に接続する通信ケーブルと、通信ケーブルを介して、火災感知器100a〜100dに対する信号の入力又は出力を行うための入出力部101と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、監視領域の異常を検出して警報を発する警報器に関し、特に、この警報器を他の警報器や集中制御盤等の各種機器に接続するための音声出力システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、住宅火災による被害や高齢化に伴い、住宅内に感知器の設置が義務づけられる方向にあり、防災設備を未だ導入していない既設の住宅に対しても、電池やAC電源で動作する住宅用の火災感知器あるいは火災ガス漏れ警報器が設置されつつある。これらの火災感知器や火災ガス漏れ警報器は、煙や熱、ガスを検出した際には、内蔵しているスピーカを介して音声で異常を報知しているが、近年のマンションや戸建て住宅に於いては遮音性が高まっていることから、例えば、深夜台所で警報音が鳴動しても、寝室では気付かないケースもある。
【0003】
このような問題を解消するため、従来から、一つの感知器が動作した場合に、他の感知器も連動して警報を鳴動する連動方式が提案されている。例えば、特開2005−222319には、警報器で異常が検出された際に他の警報器に対して連動信号を送信する、警報器の制御方法が開示されている(例えば特許文献1参照)。
【0004】
このように複数の警報器を相互に連動させる場合や、あるいは、警報器を集中制御盤等の他の機器に接続する場合には、従来、これら各機器を専用の信号線にて接続していた。この信号線は、警報器の専用線として敷設されるもので、例えば、ポリエチレン等にて被覆したリード線が用いられていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2005−222319号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来は、警報器専用の信号線を敷設していたので、警報器を設置する際に、配線作業を要していた。特に、既設住宅に信号線を敷設するためには、当該住戸の壁面に新たに孔を開ける必要が生じる等、信号線の敷設作業を行うための作業が煩雑になると共に、施工コストもかかっていた。従って、警報器を電池式にて電源接続を不要にする等、簡易設置のための工夫を施したとしても、警報器を連動等させるためには結局配線工事を要することになり、設置性が低下していた。
【0007】
このような問題を解決するためには、警報器や集中制御盤に無線の送受信機能を設けることも考えられる。しかしながら、この場合には、警報器の製造コストが高くなったり、電波の遮蔽性の高い住宅環境においては通信機能が低下して異常報知を確実に行うことができない可能性があった。
【0008】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、警報器の設置を簡易かつ低コストで行なうことができる、音声出力システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1に記載の音声出力システムは、警報器に信号を送信する告知放送受信機又はインターホンと、前記告知放送受信機又は前記インターホンから信号を受信した場合に、当該信号に基づいて出力を行う警報器と、前記告知放送受信機又は前記インターホンと前記警報器とを相互に接続する通信ケーブルと、前記通信ケーブルを介して、前記警報器に対する信号の入力又は出力を行うための入出力手段と、を備える。
【0010】
また、請求項2に記載の音声出力システムは、請求項1に記載の音声出力システムにおいて、前記通信ケーブルは、前記警報器以外の所定機器に信号を入力又は出力するためのものであり、前記入出力手段は、前記通信ケーブルを介して入力又は出力される信号のうち、通過する周波数帯域を制限して前記警報器に対して入力又は出力される所定周波数帯域の信号を通過させる帯域限定手段を有する。
【0011】
また、請求項3に記載の音声出力システムは、請求項2に記載の音声出力システムにおいて、前記通信ケーブルは、放送設備から出力されたTV信号をTV受像手段に出力する同軸ケーブルであり、前記帯域限定手段は、前記同軸ケーブルを介して入力又は出力される信号のうち、前記TV信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域の信号であって、所定周波数帯域の信号を通過させる。
【0012】
また、請求項4に記載の音声出力システムは、請求項1〜3のいずれか一項に記載の音声出力システムにおいて、前記告知放送受信機又は前記インターホンにから前記通信ケーブルを介して出力される変調信号であって、前記警報器に入力される変調信号を復調する復調手段を備えた。
【発明の効果】
【0013】
請求項1に記載の音声出力システムによれば、警報器以外の所定機器用の通信ケーブルを介して、警報器に対する信号の入出力を行うことができるので、警報器専用の信号線を敷設する必要がなくなるので、この信号線を敷設する作業やコストを排除でき、既設の住宅に対しても、警報器の設置を簡易かつ低コストで行なうことができる。
【0014】
また、請求項2に記載の音声出力システムによれば、警報器に対して入力又は出力される所定周波数帯域の信号を通過させることにより、警報器以外の所定機器用の通信ケーブルに、警報器用の信号を周波数多重して送受信することが可能になり、所定機器用の通信ケーブルを介して警報器に対する通信を行うことが可能になる。
【0015】
また、請求項3に記載の音声出力システムによれば、TV信号の入出力のために一般住宅に以前から敷設されている同軸ケーブルを介して、警報器に対する信号の入出力を行うことができるので、警報器専用の信号線を敷設する必要がなくなるので、この信号線を敷設する作業やコストを排除でき、警報器の設置を簡易かつ低コストで行なうことができる。
【0016】
また、請求項4に記載の音声出力システムによれば、復調手段を用いて変調信号を復調可能とすることで、警報器以外の所定機器に対して出力された変調信号を警報器で受信することが可能になり、この所定機器の機能を警報器で代替することが可能になる等、この所定機器の設置数を低減でき、あるいは、この所定機器の出力可能範囲を広げることでその利便性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の実施の形態1に係る放送システムの構成を示すブロック図である。
【図2】実施の形態1に係る火災感知器の電気的構成を概念的に示すブロック図である。
【図3】周波数帯域を示す図である。
【図4】火災感知器の連動通信のタイミングチャートである。
【図5】実施の形態2に係る放送システムの要部の構成を示すブロック図である。
【図6】実施の形態3に係る放送システムの要部の構成を示すブロック図である。
【図7】実施の形態3に係る告知放送受信機の電気的構成を示すブロック図である。
【図8】実施の形態3に係る火災感知器の電気的構成を示すブロック図である。
【図9】変形例に係る入出力部の電気的構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に添付図面を参照して、この発明に係る音声出力システムの各実施の形態を詳細に説明する。まず、〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念を説明した後、〔II〕各実施の形態の具体的内容について説明し、〔III〕最後に、各実施の形態に対する変形例について説明する。ただし、各実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0019】
〔I〕各実施の形態に共通の基本的概念
まず、各実施の形態に共通の基本的概念について説明する。本発明は、概略的に、監視領域の異常を検出して警報を発する警報器を、他の警報器や集中制御盤等の各種機器に接続するための接続システムに関する。この警報器の具体的な警報器能は任意であり、警報器としては、例えば、火災感知器、人体センサ、人体ライト、防犯カメラ等を含む。以下の説明では、警報器が火災感知器である場合について説明する。また、警報器が設置される場所は任意であり、警報器を戸建家屋や集合住宅に設置することができるが、以下では、警報器を戸建家屋に設置する場合について説明する。
【0020】
ここで、音声出力システムの特徴の一つは、この警報器以外の所定機器に信号を入力又は出力するための通信ケーブルを介して、警報器に対する信号の入力又は出力を可能としている点にある。例えば、一般住宅の各部屋には、TV信号を送信するための同軸ケーブルや、LAN(Local Area Network)用のLANケーブル(ネットワークケーブル)が敷設されていることが多く、これら同軸ケーブルやLANケーブルに警報器を接続可能とすることで、警報器に専用の信号線を敷設する必要性をなくし、警報器の設置を簡易かつ低コストで行なうことを可能とする。このように同軸ケーブルやLANケーブルを介した接続を可能とするため、各実施の形態では、これら同軸ケーブルやLANケーブルを用いて伝送される信号を警報器に対して入出力するための入出力手段を設けている。そして、各実施の形態では、同軸ケーブルやLANケーブルを介して警報器に接続される機器の種類等に応じて、この入出力手段の具体的な構成を変更している。
【0021】
〔II〕各実施の形態の具体的内容
以下に添付図面を参照して、各実施の形態の具体的内容について順次詳細に説明する。
【0022】
〔実施の形態1〕
最初に、実施の形態1について説明する。この実施の形態1は、複数の警報器を同軸ケーブルを介して相互に接続した形態である。
【0023】
(放送システムの基本構成)
まず、実施の形態1に係る警報器が組み込まれる放送システムの基本構成を説明する。図1は本実施の形態1に係る放送システムの構成を示すブロック図である。この図1に示すように、放送システム1は、センター側に設けたセンター装置10及びヘッドエンド11と、各住戸に設けた後述する各種の機器と、これらセンター側と各住戸とを接続する伝送系統20とを備えて構成されている。
【0024】
センター装置10は任意の内容の告知放送信号を生成するものであり、この告知放送信号はヘッドエンド11にて変調された後、伝送系統20に出力される(以下、TV信号と告知放送信号とを放送信号と総称する)。ヘッドエンド11は、センター側の通信を統括するインターフェースであり、センター装置10から出力された告知放送信号や、UHFアンテナ、VHFアンテナ、あるいは、BS/CSアンテナ等を介して受信されたTV信号を、変調して伝送系統20に出力する。
【0025】
伝送系統20は、ヘッドエンド11から各住戸に至る伝送線路21の経路上に、アンプ22、分配増幅器23、分配器24、及び、保安器25を配置して構成されている。アンプ22は、伝送線路21を流れる信号を増幅する増幅手段である。分配増幅器23は、信号を増幅した上で、各住戸に向けて分配する分配増幅手段である。分配器24は、分配増幅器23にて増幅された信号を各住戸に向けて分配する分配手段である。保安器25は、各住戸に設けられ、伝送線路21に乗って各住戸内に至る直流成分を制御する直流成分制限手段である。
【0026】
各住戸の部屋R1〜R4には、集中制御盤30、告知放送受信機31、インターホン32、混合分配器33、複数の直列ユニット34a〜34d、複数のTV35a〜35d、及び、複数の火災感知器40a〜40dが図示のように設置されている。そして、これら各機器は、同軸ケーブルc1〜c15を介して図示のように相互に接続されている(なお、同軸ケーブルについては、特に区別する必要がある場合を除いて同軸ケーブルcと総称する)。
【0027】
集中制御盤30は、センター側にて変調された放送信号を復調し、その内のTV信号をTV35a〜35dに向けて送信すると共に、告知放送信号を告知放送受信機31に向けて送信する制御手段である。告知放送受信機31は、集中制御盤30から送信された告知放送信号を受信して出力する。インターホン32は、来訪者によって操作されることにより所定のインターホン信号をインターホン32に出力する出力手段である。混合分配器33は、集中制御盤30から送信されたTV信号を各直列ユニット34a〜34dに向けて分配すると共に、火災感知器40a〜40dの相互間において送受信される移報信号及び応答信号の混合及び分配を行なう。直列ユニット34a〜34dは、TV35a〜35dに対する接続端子であると共に、移報信号及び応答信号を火災感知器40a〜40dに入出力するための入出力端子として機能する。TV35a〜35dは、直列ユニット34a〜34dを介して受信されたTV信号を出力するもので、特許請求の範囲における所定機器及びTV受像手段に対応する。火災感知器40a〜40dは、監視領域内における火災の発生を公知の方法にて検出して移報信号を出力するもので、特許請求の範囲における警報器に対応する。なお、これら各部のうち、集中制御盤30、混合分配器33、各直列ユニット34a〜34d、及び、TV35a〜35dは、特記する場合を除いて、従来のTV受像システムや共聴システムあるいは告知放送システムにおいて用いられているものと同様に構成されている。
【0028】
(火災感知器40a〜40dの接続形態)
火災感知器40a〜40dは、集中制御盤30から各TV35a〜35dに至る伝送系統と同様の系統に接続されている。すなわち、火災感知器40a〜40dは、従来のような専用の信号線(リード線)を用いた専用系統ではなく、各TV35a〜35dと同様に、混合分配器33、直列ユニット34a〜34d、及び、同軸ケーブルcを介して、集中制御盤30に接続されている。
【0029】
図2は、火災感知器40a〜40dの電気的構成を概念的に示すブロック図である。この火災感知器40a〜40dは、概略的には、従来と同様に、センサ部41、音声警報部42、スピーカ43、表示部44、及び、制御部45を図示のように接続して構成されている。センサ部41は、監視領域における火災発生を公知の方法で検出する火災検出手段である。音声警報部42は、センサ部41によって火災が検出された場合に、あるいは、他の火災感知器40a〜40dからの移報信号を受けた場合に、居住者に火災検出の旨を報知するための所定の音声メッセージをスピーカ43を介して出力する音声警報手段である。表示部44は、火災感知器40a〜40dにおける電源のON/OFFや火災感知の有無等を視覚的に表示する表示手段である。制御部45は、火災感知器40a〜40dの各部を制御する制御手段であり、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)と、このCPUにて解釈実行されるプログラムとを備える。この火災感知器40a〜40dは、図示しない電源部を備えており、この電源部は、電池又はAC電源から供給される電力を火災感知器40a〜40dの各部に供給する。
【0030】
また火災感知器40a〜40dは、上記従来と同様の構成に加えて、入出力部46を備える。この入出力部46は、同軸ケーブルcを介して火災感知器40a〜40dに対する信号の入力又は出力を行うためのもので、特許請求の範囲における入出力手段に対応する。本実施の形態1における入出力部46は、フィルタ46aを備えて構成されている。このフィルタ46aは、火災感知器40a〜40dに対する信号のうち所定周波数帯域の信号のみの入出力を可能とするためのもので、特許請求の範囲における帯域限定手段に対応する。すなわち、火災感知器40a〜40dに対する信号の入出力は、上述したように同軸ケーブルcを介して行なわれるが、この同軸ケーブルcにはTV35a〜35dに至るTV信号が送出されている。そこで、このTV信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域を用いて、火災感知器40a〜40dの相互間における信号の送受信を行なう。例えば、図3において、UHF信号、VHF信号、あるいは、BS/CS信号とは重複しない32KHz近辺の周波数を同軸ケーブルcに重畳することで、火災感知器40a〜40dの信号を送受信する。この場合、フィルタ46aは、32KHz近辺の周波数の信号のみを通過させ、他の周波数の信号を減衰させるバンドパスフィルタとして構成される。
【0031】
(火災感知器40a〜40dの連動通信)
次に、このように接続された火災感知器40a〜40dの相互間で行われる連動通信について説明する。図4は、火災感知器40a〜40dの連動通信のタイミングチャートである。以下では、火災を検出した火災感知器40a〜40dを「連動元」と称し、連動元の火災感知器40a〜40dからの移報信号を受信して連動動作を行う他の火災感知器40a〜40dを「連動先」と称する。
【0032】
部屋R1〜R4の各火災感知器40a〜40dの制御部45は、センサ部41からの出力を定期的に監視しており、この出力に基づいて火災の有無を判断する。例えば、火災感知器40aの制御部45は、火災が発生したと判断すると、音声警報部42に制御信号を出力することにより、当該火災感知器40aの監視領域で火災が検出された旨の音声メッセージを、スピーカ43を介して出力させる(図4のt1)。例えば「この部屋で火災が検出されました」の如き音声メッセージを出力させる。
【0033】
次いで、火災感知器40aの制御部45は、連動先の火災感知器40b〜40dに対して移報出力を行う。具体的には、制御部45が入出力部46に制御信号を出力すると、この入出力部46は、フィルタ46aの通過周波数帯域の範囲内における所定周波数f1にて移報信号を出力する。この移報信号はフィルタ46aを通過して同軸ケーブルc6に送出される(図4のt2)。この際、制御部45は、連動先の火災感知器40b〜40dからの後述する応答信号を受信する迄、移報信号の出力を所定間隔で継続的に行わせる(図4のt3)。このことにより、複数の火災感知器40a〜40dの相互間における連動を一層確実に行なうことができる。
【0034】
このように出力された移報信号は、同軸ケーブルc6、直列ユニット34a、及び、同軸ケーブルc4を順次経て、混合分配器33に入力される。この混合分配器33は、入力された移報信号を他の信号に混合して同軸ケーブルc7、c10、c13に送出する。この移報信号は、直列ユニット34b〜34dに至り、同軸ケーブルc8、c11、c14を介してTV35b〜35dに至る、あるいは、同軸ケーブルc9、c12、c15を介して連動先の火災感知器40b〜40dに至る。しかしながら、この移報信号は、TV信号とは異なる周波数帯域で送信されているため、TVにおけるTV信号の受像になんら影響を与えない。一方、この移報信号は、連動先の火災感知器40b〜40dにて受信されると、当該連動先の火災感知器40b〜40dの入出力部46のフィルタ46aを通過し、制御部45に入力される(図4のt4、t5)。
【0035】
これら連動先の火災感知器40b〜40dにおいて、制御部45は、他の火災感知器40a〜40dからの移報信号の入力の有無を監視しており、この移報信号の入力を受けると、他のいずれかの火災感知器40a〜40dにおいて火災が検出されたものと判断し、音声警報部42に制御信号を出力することにより、連動元からの移報信号を受信した旨の音声メッセージを、スピーカ43を介して出力させる(図4のt6)。例えば「他の感知器が作動しました」の如き音声メッセージを出力させる。
【0036】
次いで、制御部45は、連動元の火災感知器40aに対して、移報信号を受信した旨を示す応答出力を行う。具体的には、制御部45が入出力部46に制御信号を出力すると、この入出力部46は、フィルタ46aにて所定周波数に限定された応答信号を、フィルタ46aの通過周波数帯域の範囲内における周波数であって、移報信号の周波数f1とは異なる所定周波数f2にて同軸ケーブルc9、c12、c15に送出する(図4のt7)。このように移報信号と異なる周波数f2にて応答信号を送出するのは、移報信号との衝突を回避するためである。また、複数の連動先の火災感知器40b〜40dからの応答信号が相互に衝突することを回避するため、制御部45は、移報信号を受信してからランダムな時間(図4のt8)が経過した後に、応答信号を出力する。
【0037】
この応答信号は、先の移報信号と逆の経路を経て、連動元の火災感知器40aによって受信され、この火災感知器40aのフィルタ46aを通過して、制御部45に入力される(図4のt9)。この制御部45は、先の移報信号の出力後、連動先の火災感知器40b〜40dからの応答信号を監視しており、上述したように、この応答信号を受信する迄、移報信号を継続的に出力する(図t2、t3)。そして、この応答信号を受信すると、移報信号の出力を停止する。また、制御部45は、音声警報部42に制御信号を出力することにより、連動先の火災感知器40b〜40dの応答信号を受信した旨の応答メッセージを、スピーカ43を介して音声出力させる(図4のt10)。例えば「他の部屋での連動警報が完了しました」の如き応答メッセージを出力させる。
【0038】
(本実施の形態1の効果)
このように本実施の形態1によれば、一般住宅の各部屋に従来から敷設されている同軸ケーブルcを用いて火災感知器40a〜40dの連動を行うことができ、火災感知器40a〜40dの連動専用の信号線を敷設する必要がなくなるので、この信号線を敷設する作業やコストを排除でき、火災感知器40a〜40dの設置を簡易かつ低コストで行なうことができる。特に、火災感知器40a〜40dの内部に入出力部46を設けているので、この火災感知器40a〜40dの構成のみを従来と異なる構成にすればよく、他の機器は従来と同様の構成のものをそのまま利用できるので、既設住宅にも火災感知器40a〜40dを容易に設置できる。
【0039】
〔実施の形態2〕
次に、本発明に係る実施の形態2の具体的内容について詳細に説明する。この実施の形態2は、実施の形態1とは異なり、入出力部を直列ユニットに内蔵した形態に関するものである。ただし、特に説明なき構成においては実施の形態1と同様であるものとし、実施の形態1と同様の構成要素には、必要に応じて、実施の形態1で使用したものと同一の符号を付する。
【0040】
図5は、実施の形態2に係る放送システムの要部の構成を示すブロック図である。この実施の形態2において、火災感知器50a〜50dは、従来の火災感知器と同様に構成されており、実施の形態1の火災感知器40a〜40dから入出力部46を省略した構成になっている。一方、直列ユニット60a〜60dは、住戸の各部屋の壁面wに埋め込み固定されるもので、実施の形態1の直列ユニット34a〜34dと同様に(あるいは従来の直列ユニットと同様に)、同軸ケーブルcを接続するための複数の接続端子61〜63と混合分配回路64とを備えて構成されている。そして、接続端子61〜63に同軸ケーブルcを接続することにより、この同軸ケーブルcを介して送受信される信号を混合分配器64を介して中継することができる。
【0041】
また、直列ユニット60a〜60dは、TV信号の接続端子であり、特許請求の範囲における接続端子ユニットに対応する。これら直列ユニット60a〜60dは、上記従来と同様の構成に加えて、入出力部46を備える。この入出力部46は、同軸ケーブルcを介して火災感知器50a〜50dに対する信号の入力又は出力を行うためのもので、特許請求の範囲における入出力手段に対応する。ただし、この入出力部46は、実施の形態1と同様に構成できるので、その説明を省略する。
【0042】
このような構成によれば、連動先の火災感知器50a〜50dから出力された移報信号は、直列ユニット60a〜60dの入出力部46のフィルタ46aを通過し、同軸ケーブルcを介してさらに他の直列ユニット60a〜60dの入出力部46のフィルタ46aを通過して、連動元の火災感知器50a〜50dによって受信される。また、連動元の火災感知器50a〜50dから出力された応答信号は、移報信号とは逆の経路を経て、連動先の火災感知器50a〜50dによって受信される。さらには、フィルタ46aの通過周波数帯域以外の周波数の信号(例えばTV信号)がフィルタ46aにて減衰され、火災感知器に不用意に入力することが防止される。
【0043】
(本実施の形態2の効果)
このように本実施の形態2によれば、実施の形態1と同様の効果に加えて、直列ユニット60a〜60dの内部に入出力部46を設けているので、火災感知器50a〜50dを含む他の機器は従来と同様の構成のものをそのまま利用できるので、既存の火災感知器を容易に設置できる。
【0044】
〔実施の形態3〕
次に、本発明に係る実施の形態3の具体的内容について詳細に説明する。この実施の形態3は、実施の形態1とは異なり、告知放送受信機やインターホンからの信号を火災感知器にて受信可能とした形態に関するものである。ただし、特に説明なき構成においては実施の形態1と同様であるものとし、実施の形態1と同様の構成要素には、必要に応じて、実施の形態1で使用したものと同一の符号を付する。
【0045】
図6は、実施の形態3に係る放送システムの要部の構成を示すブロック図である。この放送システム1において、告知放送受信機70及びインターホン90は、混合分配器91及び同軸ケーブルcを介して、集中制御盤30に接続されている。従って、告知放送受信機70からの出力(告知放送受信機70の内部における図示しない変調部によって変調された被変調信号)や、インターホン90からの出力(インターホン90の内部における図示しない変調部によって変調された被変調信号)は、混合分配器33を介して同軸ケーブルcに重畳され、集中制御盤30にて受信される。
【0046】
図7は、実施の形態3に係る告知放送受信機70の電気的構成を示すブロック図である。告知放送受信機70は、告知放送信号を受信して出力するもので、特許請求の範囲における所定機器に対応する。この告知放送受信機70は、概略的には、従来と同様に、電源部71、ACコンセント72、復調部73、音声切換え部74、音声記録部75、音量調整部76、アンプ77、スピーカ78、操作部79、表示部80、メモリ81、及び、制御部82を備えて構成されている。
【0047】
電源部71は、ACコンセント72を介して供給された商用電力を、当該告知放送受信機70の各部に供給する電源手段である。復調部73は、センター側から送信された告知放送信号を復調する復調手段であり、音声情報を音声切換え部74に出力すると共に制御情報を制御部82に出力する。音声切換え部74は、復調部73から出力された音声情報を音声記録部75に出力し、あるいは、復調部73又は音声記録部75から出力された音声情報を音量調整部76に出力する音声切換え手段である。音量調整部76は、音声切換え部74から出力された音声情報の音量を調整してアンプ77に出力する。この音声情報は、アンプ77にて増幅された後、スピーカ78から出力される。操作部79は、当該告知放送受信機70に対する各種の操作を行うための操作手段であり、例えば、図示しない各種のスイッチを含んで構成されている。表示部80は、所要の情報をユーザに向けて表示するための表示手段であり、例えば、図示しないモニタや表示灯を含んで構成されている。メモリ81は、当該告知放送受信機70の各種制御に必要な情報を記憶する記憶手段である。そして、制御部82は、当該告知放送受信機70の各部を制御する制御手段であり、例えば、図示しないCPU(Central Processing Unit)及びこのCPU上で解釈実行されるプログラムを含んで構成されている。また告知放送受信機70は、上記従来と同様の構成に加えて、変調部83を備える。この変調部83は、音声記録部75に記録された音声情報を変調して同軸ケーブルに送出する変調手段である。
【0048】
図8は、実施の形態3に係る火災感知器の電気的構成を示すブロック図である。この実施の形態3において、火災感知器100a〜100dは、上記従来と同様の構成に加えて、入出力部101、復調部102、増幅部103、及び、切換えスイッチ104を備えて構成されている。入出力部101は、実施の形態1と同様のフィルタ101aに加えて、第2のフィルタ101bを備えて構成されている。この第2のフィルタ101bは、フィルタ101aとは異なる通過周波数帯域を持つバンドパスフィルタであり、告知放送受信機70から出力された音声情報を通過させる。復調部102は、フィルタを通過した音声情報を復調するもので、特許請求の範囲における復調手段に対応する。増幅部103は、復調部102にて復調された音声情報を所定レベルに増幅する増幅手段である。切換えスイッチ104は、スピーカ43に対して、音声警報部42又は増幅部103を選択的に切換え接続する。
【0049】
このような構成において、センター側において変調され出力された告知放送信号は、各住戸の集中制御盤30を介して告知放送受信機70にて受信され、この告知放送受信機70の復調部73にて復調された後、この告知放送信号に含まれる音声情報が音量調整部76及びアンプ77を経て、スピーカ78から出力される。また同時に、音声情報は、この告知放送受信機70の音声記録部75に記録される。その後、ユーザが操作部79を介して所定操作を行なった場合に、あるいは、所定の出力条件が満たされたことが制御部82にて自動的に判断された場合に、制御部82から音声記録部75に制御信号が出力され、この音声記録部75に記録されている音声情報が、変調部83に出力される。この変調部83は、音声情報を変調し、火災感知器100a〜100dの第2のフィルタ101bの通過周波数帯域の範囲内である所定周波数f3にて同軸ケーブルc1に出力する。
【0050】
この音声情報は、分配混合器91及び同軸ケーブルc3を順次介して混合分配器33に入力され、さらに直列ユニット34a〜34d等を介して各部屋R1〜R4の火災感知器100a〜100dに入力される。各火災感知器100a〜100dにおいては、音声情報が第2のフィルタ101bを通過し、復調部102にて復調された後、増幅部103において所定の出力レベルに増幅される。また、制御部45は、フィルタ101bを通過する信号のレベルを監視しており、このレベルが所定値以上である場合には、切換えスイッチ104を図示点線側に切換え、増幅部103をスピーカ43に接続する。従って、増幅部103にて増幅された音声情報がスピーカ43から出力される。このことにより、住戸の各部屋に告知放送受信機70が設置されていない場合においても、告知放送を火災感知器100a〜100dを介して出力することができる。
【0051】
なお、この実施の形態3においても、実施の形態1と同様に、火災感知器100a〜100dの相互間における連動動作が行なわれる。例えば、連動元の火災感知器100aで火災が検出された場合、この移報信号は、実施の形態1と同様に連動先の火災感知器100b〜100dに入力され、そのフィルタ101aを介して制御部45に入力される。ここで、制御部45は、入出力部101を介して制御部45に入力される移報信号や応答信号を監視しており、この移報信号の入力を受けた時、制御部45は、切換えスイッチ104を図示実線側に切換え、音声警報部42をスピーカ43に接続する。従って、実施の形態1と同様に、音声警報部42を介してスピーカ43に警報音声が出力される。また、連動先の火災感知器100b〜100dから応答信号は、実施の形態1と同様に連動元の火災感知器100aに入力され、そのフィルタ101aを介して制御部45に入力される。そして、制御部45は、連動先からの応答信号を受信した旨の音声メッセージをスピーカ43を介して出力する。
【0052】
さらに、このような告知放送の出力と同様に、インターホン90からの出力も、火災感知器100b〜100dを介して出力することができる。すなわち、インターホン90が操作された場合には、インターホン90の出力を当該インターホン90に設けた図示しない変調部にて変調し、火災感知器100a〜100dのフィルタ101bの通過周波数帯域の範囲内である所定周波数f3にて、同軸ケーブルc2及び混合器91を介して出力する。この場合、告知放送受信機70から音声情報を出力した場合と同様に、インターホン90の出力が火災感知器100b〜100dのフィルタ101bを通過して復調部102にて復調され、増幅部103にて増幅されて、スピーカ43から出力される。このことにより、住戸の各部屋R1〜R4にインターホン90の子機が設置されていない場合においても、このインターホン90の出力を火災感知器100a〜100dを介して行うことができる。なお、告知放送受信機70からの音声情報とインターホン90の出力との衝突が懸念される場合には、インターホン90の出力を、火災感知器のフィルタの通過周波数帯域の範囲内の周波数であって、周波数f3とは異なる所定の周波数f4にて出力してもよい。
【0053】
(本実施の形態3の効果)
このように本実施の形態3によれば、実施の形態1と同様の効果に加えて、例えば遮音性に優れている近年の住宅において、他の部屋で放送された告知放送が聞こえない場合であっても、この告知放送を火災感知器100a〜100dを介して各部屋に出力することができるので、火災感知器100a〜100dに比べて高価な告知放送受信機70の設置数を低減でき、あるいは、告知放送の出力可能範囲を広げることでその利便性を高めることができる。また、住戸の各部屋にインターホン90の子機が設置されていない場合においても、このインターホン90の出力を火災感知器を100a〜100d介して行うことができるので、インターホン90の呼び出し端末の設置コストを低減でき、あるいは、インターホン90の出力可能範囲を広げることでその利便性を高めることができる。
【0054】
〔各実施の形態に対する変形例〕
以上、本発明に係る各実施の形態について説明したが、本発明の具体的な構成及び手段は、特許請求の範囲に記載した各発明の技術的思想の範囲内において、任意に改変及び改良することができる。以下、このような変形例について説明する。
【0055】
(解決しようとする課題や発明の効果について)
まず、発明が解決しようとする課題や発明の効果は、前記した内容に限定されるものではなく、本発明によって、前記に記載されていない課題を解決したり、前記に記載されていない効果を奏することもでき、また、記載されている課題の一部のみを解決したり、記載されている効果の一部のみを奏することがある。例えば、通信ケーブルを用いた既存の伝送系統に対して、警報器を設置するための施工作業が必要になる場合であっても、警報器の設置作業を従来に比べて若干でも軽減できている限りにおいて、本発明の課題が達成されている。
【0056】
(放送システムの全体構成について)
放送システムの全体構成については、特記する場合を除いて任意に変更可能である。例えば、1つの部屋に複数の警報器や直列ユニットを設けてもよい。あるいは、放送システムを告知放送システムとして構成する以外に、各住戸に設けたアンテナを介してTV信号を受像する、一般住戸用の受像システムとして構成してもよい。
【0057】
(通信ケーブルについて)
通信ケーブルとしては、同軸ケーブル以外にも、パーソナルコンピュータ等の任意のネットワーク機器に対してネットワーク信号を入力又は出力するための任意の通信ケーブル、例えば、LANケーブルを用いることができる。この場合、入出力部は、NIC(ネットワーク インターフェース カード)と同様に構成することができる。例えば図9に示すように、入出力部110は、インターフェース(IF)111とイーサネットIC112(イーサネットは登録商標)とを備えて構成される。そして、LANケーブルを介して、TCP/IPに従って、搬送波感知多重アクセス/衝突検出(CSMA/CD:Carrier Sense Multipul Access/Collision Detection)方式にて送信されたIPパケットを、イーサネットIC112を介して受信してアドレス解決等を行い、IF111を介して制御部に出力する。
【産業上の利用可能性】
【0058】
この発明は、監視領域の異常を検出する警報器を設置する際の設置構造に適用でき、この警報器の設置作業の負荷を低減すること等に有用である。
【0059】
(付記)
付記1に記載の警報器の接続システムは、監視領域の異常を検出して警報を発する警報器と、前記警報器以外の所定機器に信号を入力又は出力するための通信ケーブルと、前記警報器に接続した前記通信ケーブルを介して、当該警報器に対する信号の入力又は出力を行うための入出力手段と、を備えることを特徴とする。
【0060】
また、付記2に記載の警報器の接続システムは、付記1に記載の警報器の接続システムにおいて、前記通信ケーブルは、TV受像手段に対してTV信号を入力又は出力するための同軸ケーブルであること、を特徴とする。
【0061】
また、付記3に記載の警報器の接続システムは、付記1に記載の警報器の接続システムにおいて、前記通信ケーブルは、ネットワーク機器に対してネットワーク信号を入力又は出力するためのネットワークケーブルであること、を特徴とする。
【0062】
また、付記4に記載の警報器の接続システムは、付記1から3のいずれか一つに記載の警報器の接続システムにおいて、前記入出力手段を、前記警報器と一体に設けたこと、を特徴とする。
【0063】
また、付記5に記載の警報器の接続システムは、付記1から3のいずれか一つに記載の警報器の接続システムにおいて、前記入出力手段を、前記通信ケーブルを介して送信される信号の接続端子を構成する接続端子ユニットと一体に設けたこと、を特徴とする。
【0064】
また、付記6に記載の警報器の接続システムは、付記1から5のいずれか一つに記載の警報器の接続システムにおいて、前記入出力手段は、前記通信ケーブルを介して入力又は出力される信号のうち、通過する周波数帯域を制限して前記警報器に対して入力又は出力される所定周波数帯域の信号を通過させる帯域限定手段を有すること、を特徴とする。
【0065】
また、付記7に記載の警報器の接続システムは、付記1から6のいずれか一つに記載の警報器の接続システムにおいて、前記入出力手段は、前記警報器以外の所定機器に対して前記通信ケーブルを介して入力又は出力される変調信号を復調する復調手段を有すること、を特徴とする。
【0066】
付記に係る警報器の接続システムは、警報器以外の所定機器用の通信ケーブルを介して、警報器に対する信号の入出力を行うことができるので、警報器専用の信号線を敷設する必要がなくなるので、この信号線を敷設する作業やコストを排除でき、既設の住宅に対しても、警報器の設置を簡易かつ低コストで行なうことができる。
【0067】
また、付記に係る警報器の接続システムは、TV信号の入出力のために一般住宅に以前から敷設されている同軸ケーブルを介して、警報器に対する信号の入出力を行うことができるので、警報器専用の信号線を敷設する必要がなくなるので、この信号線を敷設する作業やコストを排除でき、警報器の設置を簡易かつ低コストで行なうことができる。
【0068】
また、付記に係る警報器の接続システムは、ネットワーク信号の入出力のために一般住宅に以前から敷設されているネットワークケーブルを介して、警報器に対する信号の入出力を行うことができるので、警報器専用の信号線を敷設する必要がなくなるので、この信号線を敷設する作業やコストを排除でき、警報器の設置を簡易かつ低コストで行なうことができる。
【0069】
また、付記に係る警報器の接続システムは、入出力手段を警報器と一体に設けたことにより、他の機器には入出力部を新たに設けることなく従来と同様の構成のものをそのまま利用できるので、既設住宅にも警報器を容易に設置できる。
【0070】
また、付記に係る警報器の接続システムは、入出力手段を接続端子ユニットと一体に設けたことにより、警報器には入出力部を新たに設けることなく従来と同様の構成のものをそのまま利用できるので、既存の警報器を容易に設置できる。
【0071】
また、付記に係る警報器の接続システムは、通過する周波数帯域を制限して警報器に対して入力又は出力される所定周波数帯域の信号を通過させることにより、警報器以外の所定機器用の通信ケーブルに、警報器用の信号を周波数多重して送受信することが可能になり、所定機器用の通信ケーブルを介して警報器に対する通信を行うことが可能になる。
【0072】
また、付記に係る警報器の接続システムは、復調手段を用いて変調信号を復調可能とすることで、警報器以外の所定機器に対して出力された変調信号を警報器で受信することが可能になり、この所定機器の機能を警報器で代替することが可能になる等、この所定機器の設置数を低減でき、あるいは、この所定機器の出力可能範囲を広げることでその利便性を高めることができる。
【符号の説明】
【0073】
1 放送システム
10 センター装置
11 ヘッドエンド
20 伝送系統
21 伝送線路
22 アンプ
23 分配増幅器
24 分配器
25 保安器
30 集中制御盤
31、70 告知放送受信機
32、90 インターホン
33、64、 混合分配器
34a〜34d、60a〜60d 直列ユニット
35a〜35d TV
40a〜40d、50a〜50d、100a〜100d 火災感知器
41 センサ部
42 音声警報部
43、78 スピーカ
44、80 表示部
45、82 制御部
46、101、110 入出力部
46a フィルタ
71 電源部
72 ACコンセント
73、102 復調部
74 音声切換え部
75 音声記録部
76 音量調整部
77 アンプ
79 操作部
81 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
警報器に信号を送信する告知放送受信機又はインターホンと、
前記告知放送受信機又は前記インターホンから信号を受信した場合に、当該信号に基づいて出力を行う警報器と、
前記告知放送受信機又は前記インターホンと前記警報器とを相互に接続する通信ケーブルと、
前記通信ケーブルを介して、前記警報器に対する信号の入力又は出力を行うための入出力手段と、を備えた、
音声出力システム。
【請求項2】
前記通信ケーブルは、前記警報器以外の所定機器に信号を入力又は出力するためのものであり、
前記入出力手段は、前記通信ケーブルを介して入力又は出力される信号のうち、通過する周波数帯域を制限して前記警報器に対して入力又は出力される所定周波数帯域の信号を通過させる帯域限定手段を有する、
請求項1に記載の音声出力システム。
【請求項3】
前記通信ケーブルは、放送設備から出力されたTV信号をTV受像手段に出力する同軸ケーブルであり、
前記帯域限定手段は、前記同軸ケーブルを介して入力又は出力される信号のうち、前記TV信号の周波数帯域とは異なる周波数帯域の信号であって、所定周波数帯域の信号を通過させる、
請求項2に記載の音声出力システム。
【請求項4】
前記告知放送受信機又は前記インターホンに対して前記通信ケーブルを介して出力される変調信号であって、前記警報器に入力される変調信号を復調する復調手段を備えた、
請求項1から3のいずれか一項に記載の音声出力システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−170885(P2011−170885A)
【公開日】平成23年9月1日(2011.9.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115115(P2011−115115)
【出願日】平成23年5月23日(2011.5.23)
【分割の表示】特願2005−319407(P2005−319407)の分割
【原出願日】平成17年11月2日(2005.11.2)
【出願人】(000003403)ホーチキ株式会社 (792)
【Fターム(参考)】