説明

音連動装置、音連動システム、音連動方法および音連動処理プログラム

【課題】受信した音に連動して作動可能な作動内容のバリエーションを増やすことができる音連動装置、音連動システム、音連動方法および音連動処理プログラムを提供する。
【解決手段】玩具30は、携帯端末10から出力される着信音を受信する音受信部41と、着信音にOFDM変調された制御信号Sが重畳されているか否かを解析し、着信音に制御信号Sが重畳されている場合には、制御信号Sの信号パターンを抽出する解析抽出部42と、信号パターンと作動パターンとを関連付けた制御情報T1が記憶された作動パターン記憶部43と、制御情報T1の中から、解析抽出部42によって抽出された制御信号Sの信号パターンに対応する作動パターンを抽出する作動パターン抽出部44と、作動パターン抽出部44により抽出された作動パターンに従って作動する作動部45と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部の端末から出力される音に連動して作動する音連動装置、音連動システム、音連動方法および音連動処理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
外部端末から出力される音に連動して作動する技術が一般的に知られている。例えば、特許文献1には、外部から出力された音が特定の端末から出力されたものかどうかを判定し、特定の端末から出力された音と判定した場合には所定の作動をする玩具に関する技術が開示されている。また、特許文献2には、携帯電話の着信音を感知して、当該着信音の振幅量に応じて発光回数を変化させるストラップに関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−279177号公報
【特許文献2】特開2002−64600号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示された玩具および特許文献2に開示されたストラップに関する技術は、出力される音そのものを作動開始のトリガーとしているので、人が同一であると認識する音の範囲において、作動内容のバリエーションを増やすことは難しい。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、受信した音に連動して作動可能な作動内容のバリエーションを増やすことができる音連動装置、音連動システム、音連動方法および音連動処理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するため、本発明の音連動装置は、端末から出力される音に連動して作動する音連動装置であって、端末から出力される音を受信する音受信手段と、音受信手段において受信した音に制御信号が重畳されているか否かを解析し、音に制御信号が重畳されている場合には、制御信号の信号パターンを抽出する解析抽出手段と、制御信号の信号パターンと作動内容を示した作動パターンとを関連付けた制御情報が記憶された記憶手段と、記憶手段に記憶された制御情報の中から、解析抽出手段によって抽出された制御信号の信号パターンに対応する作動パターンを抽出する作動パターン抽出手段と、作動パターン抽出手段により抽出された作動パターンに従って作動する作動手段と、を備えることを特徴としている。
【0007】
また、本発明の音連動方法は、端末から出力される音に連動して作動する音連動装置における音連動方法であって、音受信手段が、端末から出力される音を受信する音受信ステップと、解析抽出手段が、音受信手段において受信した音に制御信号が重畳されているか否かを解析し、音に制御信号が重畳されている場合には、制御信号の信号パターンを抽出する解析抽出ステップと、記憶手段が、制御信号の信号パターンと作動内容を示した作動パターンとを関連付けた制御情報を記憶する記憶ステップと、作動パターン抽出手段が、記憶手段に記憶された制御情報の中から、解析抽出手段によって抽出された制御信号の信号パターンに対応する作動パターンを抽出する作動パターン抽出ステップと、作動手段が、作動パターン抽出手段により抽出された作動パターンに従って作動する作動ステップと、を含んでいることを特徴としている。
【0008】
また、本発明の音連動処理プログラムは、端末から出力される音に連動して作動する音連動装置における音連動処理プログラムであって、音受信手段が、端末から出力される音を受信する音受信ステップと、解析抽出手段が、音受信手段において受信した音に制御信号が重畳されているか否かを解析し、音に制御信号が重畳されている場合には、制御信号の信号パターンを抽出する解析抽出ステップと、記憶手段が、制御信号の信号パターンと作動内容を示した作動パターンとを関連付けた制御情報を記憶する記憶ステップと、作動パターン抽出手段が、記憶手段に記憶された制御情報の中から、解析抽出手段によって抽出された制御信号の信号パターンに対応する作動パターンを抽出する作動パターン抽出ステップと、作動手段が、作動パターン抽出手段により抽出された作動パターンに従って作動する作動ステップと、を含んでいることを特徴とする音連動方法をコンピュータに実行させる。
【0009】
これらの発明によれば、受信した音に制御信号が重畳されているか否かを判定し、重畳されていると判定した場合には、当該制御信号の信号パターンに基づいて作動内容を実行する。人が同一であると認識する音に制御信号が重畳された場合には、受信した音に連動するのではなく、受信した音に重畳された制御信号に連動して作動内容が決定されるため、受信音が同じであっても制御信号が異なることにより作動内容のバリエーションを増やすことが可能となる。
【0010】
また、本発明の音連動装置では、制御信号は、OFDM変調方式により変調されていてもよい。これにより、雑音に対する耐性を高めることができる。
【0011】
また、本発明の音連動装置では、音受信手段が受信した音の音量を検出する音量検出手段を更に備えており、解析抽出手段は、音量検出手段が所定閾値以上の音量の音を検知した際に起動してもよい。これにより、解析抽出手段は、制御信号の信号パターンを抽出・解析が可能な音量レベルの音を受信したときに起動するようになるので、省電力を図ることが可能となる。
【0012】
また、本発明の音連動装置では、記憶手段の制御情報には、音量が更に関連付けられており、作動パターン抽出手段は、記憶手段に記憶された制御情報の中から、制御信号の信号パターンおよび音量が一致する作動パターンを抽出してもよい。これにより、音量レベルに基づいて作動内容を変えることができるようになるので作動バリエーションを更に増やすことができる。
【0013】
また、本発明の音連動装置では、音受信手段は、それぞれ異なる方向に向けて複数配置されており、それぞれの音受信手段が受信したそれぞれの音の音量を検出する複数音量検出手段と、複数音量検出手段が検出したそれぞれの音量に基づいて音の音源方向を特定する方向検出手段と、を更に備えていてもよい。これにより、例えば音量が最も大きな音を受信した音受信手段の配置された方向を音の音源方向であると予測したりすることが可能となる。この結果、例えば音源方向に向きを変えたり、音源方向に移動したりする等、音源方向に基づいて作動内容を変えることができるので作動バリエーションを更に増やすことが可能となる。なお、ここで言う音源方向とは音源の位置する方向をいう。
【0014】
また、本発明の音連動装置では、音受信手段において受信した音に、複数の制御信号が重畳されているか否かを解析する複数抽出手段を更に備えており、解析抽出手段は、音に複数の制御信号が重畳されている場合には、それぞれの制御信号の信号パターンを抽出してもよい。これにより、制御信号が複数重畳されている音から、それぞれの制御信号を判別し、それぞれの信号パターンを抽出することが可能となる。この結果、複数の制御信号の組み合わせ等により対応する動作パターンを増やすことができるので、作動バリエーションを更に増やすことが可能となる。
【0015】
また、本発明の音連動装置では、解析抽出手段は、信号パターンを少なくとも2回抽出し、抽出した信号パターンが一致しているか否かを判定してもよい。これにより、音受信手段自体から発生される機械雑音を受信することに起因する不具合を防止することができる。
【0016】
本発明の音連動システムは、着信を検知する通信手段と、制御信号が重畳された着信音が記憶された着信音記憶手段と、着信音を出力する音出力手段と、通信手段において着信を検知した際に着信音記憶手段に記憶されている着信音を音出力手段に出力させる端末処理手段と、を有する通信端末と、上述に記載の音連動装置と、を備えており、音連動装置は、通信端末から送信される着信音に連動して作動することを特徴としている。
【0017】
この発明によれば、音連動装置が受信した音に制御信号が重畳されているか否かを判定し、重畳されていると判定した場合には、音連動装置が当該制御信号の信号パターンに基づいて作動内容を実行する。人が同一であると認識する音に制御信号が重畳された場合には、受信した音に連動するのではなく、受信した音に重畳された制御信号に連動して作動内容が決定されるため、受信音が同じであっても制御信号が異なることにより作動内容のバリエーションを増やすことが可能となる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、受信した音に連動して作動可能な作動内容のバリエーションを増やすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】第1実施形態に係る音連動システムの機能構成を示すブロック図である。
【図2】図1の携帯端末、玩具のハードウェア構成を示す図である。
【図3】図1に示す玩具の外見の一例、及び作動部分の一例を示す図である。
【図4】図1に示す作動パターン記憶部に記憶されている制御情報の一例を説明する図である。
【図5】図1に示す音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。
【図6】第2実施形態に係る音連動システムの機能構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示す作動パターン記憶部に記憶されている制御情報の一例を説明する図である。
【図8】図6に示す音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。
【図9】第3実施形態に係る音連動システムの機能構成を示すブロック図である。
【図10】図9に示す作動パターン記憶部に記憶されている制御情報の一例を説明する図である。
【図11】図9に示す音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。
【図12】第4実施形態に係る音連動システムの機能構成を示すブロック図である。
【図13】図12に示す作動パターン記憶部に記憶されている制御情報の一例を説明する図である。
【図14】図12に示す音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。
【図15】他の実施形態の音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。
【図16】他の実施形態の音連動システムにおける制御情報の一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
(第1実施形態)
添付図面を参照しながら本発明の第1実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0021】
[通信システムの構成]
図1は、本発明の第1実施形態に係る音連動システムの機能構成を示すブロック図である。音連動システム1は、携帯端末(端末・通信端末)10と玩具(音連動装置)30とによって構成されている。携帯端末10は、図1に示すように、機能的構成要素として、通信部(通信手段)11、着信音記憶部(着信音記憶手段)12、音出力部(音出力手段)13および端末処理部(端末処理手段)14を有している。
【0022】
通信部11は、通信ネットワークを介して着信信号を受信する部分である。通信部11は、着信信号を受信すると着信検知信号を端末処理部14に出力する。
【0023】
着信音記憶部12は、OFDM変調された制御信号Sが重畳された着信音(音)を記憶している部分である。ここでは、制御信号Sを音信号に重畳させる方式である音響OFDM技術を用いて着信音に制御信号Sを重畳させている。音響OFDM技術とは、音楽や音声などのオーディオ信号の高周波数部分をカットし、OFDM変調した制御信号Sを当該カットした周波数部分に合わせて調整することで、音楽や音声と合成する技術である。例えば「1,0,0,0,1」や「1,0,0,1,0」といった制御信号SをOFDM変調して、着信音に重畳することができる。なお、OFDM変調した制御信号Sを複数回繰り返し着信音に重畳させることで、周囲の雑音に対する耐性を上げることが可能である。
【0024】
音出力部13は、OFDM変調方式により変調された制御信号Sが重畳された着信音を出力する部分であり、例えば、スピーカ等が例示される。
【0025】
端末処理部14は、通信部11において着信信号を検知した際、着信音記憶部12に記憶されている着信音を音出力部13に出力させる部分である。端末処理部14は、通信部11から着信検知信号が入力されると、例えば当該着信先の電話番号や着信時間等に基づいて着信音記憶部12に記憶された中から1つの着信音を音出力部13に出力させる。
【0026】
図2(a)は、携帯端末10のハードウェア構成を示す図である。図2(a)に示すように、携帯端末10は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU21、ROMおよびRAMで構成される主記憶部22、ハードディスク、メモリ等で構成される補助記憶部23、通信ネットワークを介して通信を行う通信部24、着信音を出力するスピーカ等の出力部25、およびダイヤルキー、十字キー等で構成される操作部26で構成される。上述した携帯端末10における各機能は、CPU21および主記憶部22に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU21の制御の下で通信部24や出力部25を作動させたり、主記憶部22および補助記憶部23に対してデータの読み書きを実行させたりすることで実現される。
【0027】
図3は、玩具の外見の一例、及び作動部分の一例を示す図である。玩具30は、図3に示すような人形型のストラップであり、耳をふさいだり、耳に当てたりするために手を駆動させたり、特定の方向に向きを変えたりする駆動機構31と、口部分から音を出力するスピーカ32と、両目部分を点灯したり点滅したりするLED33と、胴体部分を振動させるバイブレータ34とを有している。
【0028】
図1に戻り、玩具30は、機能的構成要素として、音受信部(音受信手段)41、解析抽出部(解析抽出手段)42、作動パターン記憶部(記憶手段)43、作動パターン抽出部(作動パターン抽出手段)44、および作動部(作動手段)45を有している。
【0029】
音受信部41は、携帯端末10の音出力部13から出力される着信音を受信する部分である。音受信部41は、着信音を受信しやすい位置である玩具30の表面に配置されている。音受信部41は、受信した着信音を解析抽出部42へ出力する。
【0030】
解析抽出部42は、音受信部41において受信した着信音にOFDM変調された制御信号Sが重畳されているか否かを解析し、着信音に制御信号Sが重畳されていると解析された場合には、制御信号Sの信号パターンを抽出する部分である。解析抽出部42は、例えば「1,0,0,0,1」、「1,0,0,1,0」といった信号パターンを抽出する。
【0031】
作動パターン記憶部43は、制御信号Sの信号パターンと作動内容を示した作動パターンとが関連付けられた制御情報が記憶されている部分である。作動パターン記憶部43は、例えば図4に示すような信号パターンと作動内容とが関連付けられた制御情報T1が記憶されている。この制御情報によれば、例えば信号パターン「1,0,0,0,1」を受信した際には、玩具30のスピーカ32から「電話だよ」という音を出力させ、信号パターン「1,0,0,1,0」を受信した際には、玩具30の両目のLED33を発光させる。
【0032】
作動パターン抽出部44は、作動パターン記憶部43に記憶された制御情報の中から、解析抽出部42によって抽出された制御信号Sの信号パターンに対応する作動パターンを抽出する部分である。例えば、解析抽出部42によって抽出された信号パターンが「1,0,0,0,1」である場合には、作動パターン記憶部43に記憶された制御情報を参照して、信号パターンが「1,0,0,0,1」に対応する作動パターンを参照する。例えば図4に示すような制御情報T1を参照した場合には、スピーカ32に「電話だよ」と出力させる作動パターンが抽出される。
【0033】
作動部45は、作動パターン抽出部44により抽出された作動パターンに従って作動する部分である。具体的には、作動部45は、抽出された作動パターンに従って駆動機構31、スピーカ32、LED33およびバイブレータ34に所定の作動をさせる。
【0034】
図2(b)は、玩具30のハードウェア構成図である。図2(b)に示すように、玩具30は、オペレーティングシステムやアプリケーションプログラムなどを実行するCPU51、ROMおよびRAMで構成される主記憶部52、ハードディスク、メモリ等で構成される補助記憶部53、着信音を受信する音受信部41等の入力部54、駆動機構31、スピーカ32、LED33およびバイブレータ34等の出力部55で構成される。上述した玩具30における各機能は、CPU51および主記憶部52に所定のソフトウェアを読み込ませ、CPU51の制御の下で出力部55を作動させたり、主記憶部52および補助記憶部53に対してデータの読み書きを実行させたりすることで実現される。
【0035】
[音連動システム1における処理]
以下、図5を用いて携帯端末10から出力される音に連動して作動する玩具30における音連動方法について説明する。図5は、音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。
【0036】
音連動システム1では、まず、携帯端末10における通信部11が、通信ネットワークを介して通話・メール等を着信すると、着信検知信号を端末処理部14へ出力する(S1)。次に、端末処理部14は、通信部11から出力される着信検知信号が入力されると、例えば当該着信先の電話番号や着信時間等に基づいて着信音記憶部12に記憶された複数の着信音の中から1つの着信音を抽出し(S2)、音出力部13に当該着信音を出力させるように制御する(S3)。端末処理部14により制御された音出力部13は、当該着信音を出力する。
【0037】
次に、玩具30における音受信部41が、音出力部13から出力されたOFDM変調された制御信号Sが重畳されている着信音を受信する(S5:音受信ステップ)。次に、音受信部41は、受信した着信音を解析抽出部42に出力する(S6)
次に、解析抽出部42は、音受信部41から出力された着信音が入力されると、当該着信音にOFDM変調された制御信号Sが重畳されているか否かを解析し、着信音に制御信号Sが重畳されている場合には、制御信号Sの信号パターンを抽出する(S7:解析抽出ステップ)。ここでは、解析抽出部42が、制御信号Sが重畳されていることを解析し、例えば「1,0,0,0,1」の信号パターンを抽出したとして以後のステップの説明を行う。解析抽出部42は、抽出した信号パターン「1,0,0,0,1」を作動パターン抽出部44に出力する(S8)。
【0038】
次に、作動パターン抽出部44は、解析抽出部42から出力された信号パターン「1,0,0,0,1」が入力されると、作動パターン記憶部43に記憶され(記憶ステップ)、制御信号Sの信号パターンと作動内容を示した作動パターンとを関連付けた、例えば図4に示すような制御情報T1から、信号パターン「1,0,0,0,1」に対応する作動パターンを抽出する(S9:作動パターン抽出ステップ)。ここでは、作動パターン抽出部44は、信号パターン「1,0,0,0,1」に対応する作動内容として、スピーカ32に「電話だよ」という音声を出力させる作動内容を抽出する。作動パターン抽出部44は、当該作動内容を作動部45に出力する(S10)。
【0039】
次に、作動部45は、作動パターン抽出部44から出力された作動内容が入力されると、当該内容に従って、駆動機構31、スピーカ32、LED33、バイブレータ34を制御する(S11:作動ステップ)。ここでは、作動部45は、スピーカ32に「電話だよ」という音声を出力させる作動内容が入力されているので、当該作動内容に従って、スピーカ32に「電話だよ」という音声を出力させる。
【0040】
以上に説明したように、第1実施形態の音連動システム1によれば、解析抽出部42が、受信した着信音にOFDM変調された制御信号Sが重畳されているか否かを判定し、重畳されていると判定した場合には、作動部45が、当該制御信号Sの信号パターンに基づいて、駆動機構31、スピーカ32、LED33、バイブレータ34に当該作動内容を実行させている。これにより、人が同一であると認識する着信音であっても、異なる信号パターンの制御信号Sを重畳させることができるので、受信した着信音に連動して作動可能な作動内容のバリエーションを増やすことができる。
【0041】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について、図6〜図8を用いて説明する。図6は、第2実施形態に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。図7は、作動パターン記憶部に記憶されている制御情報の一例を説明する図である。図8は、音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。
【0042】
第2実施形態の音連動システム61が上述の音連動システム1と異なる点は、図6に示すように、構成要件として音量検出部(音量検出手段)62が更に備えられている点と、解析抽出部42の起動タイミングが異なる点と、作動パターン記憶部43に記憶されている制御情報が異なる点とである。ここでは、上記実施形態に記載の音連動システム1と同一又は同等の構成についてはその説明は省略し、当該音連動システム1と異なる構成について説明する。
【0043】
音量検出部62は、音受信部41が受信した着信音の音量を検出する部分である。音量検出部62は、所定閾値(例えば、40dB)以上の音量の着信音を検知した際に、起動信号と共に着信音を解析抽出部42に出力する。
解析抽出部42は、所定閾値(例えば、40dB)以上の音量の着信音を音量検出部が検出した際に起動し、当該着信音にOFDM変調された制御信号Sが重畳されているか否かを解析し、着信音に制御信号Sが重畳されていると解析された場合には、制御信号Sの信号パターンを抽出する部分である。
【0044】
作動パターン記憶部43は、音量と、制御信号Sの信号パターンと、作動内容を示した作動パターンとが関連付けられた制御情報が記憶されている部分である。作動パターン記憶部43は、例えば図7に示すような信号パターンと作動内容とが関連付けられた制御情報T2が記憶されている。この制御情報T2によれば、信号パターン「1,0,0,0,1」を受信し、音量検出部62が検出した音量が50(dB)未満の時には、玩具(音連動装置)30のスピーカ32から「きこえなーい」という音を出力させると共に、駆動機構31を作動させて片方の耳に手を当てるように動かす。また、信号パターン「1,0,0,0,1」を受信し、音量検出部62が検出した音量が50〜100(dB)の時には、玩具30のスピーカ32から「電話だよ」という音を出力させる。
【0045】
次に、図8を用いて第2実施形態における玩具30の音連動方法について説明する。図8は、音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。なお、携帯端末10における処理は、上記実施形態の音連動システム1と異なるところがないので記載を省略している。
【0046】
具体的には、第2実施形態の音連動システム1では、玩具30における音受信部41が、音出力部13から出力されたOFDM変調された制御信号Sが重畳されている着信音を受信する(S21:音受信ステップ)。次に、音受信部41は、受信した着信音を音量検出部62に出力する(S22)
次に、音量検出部62は、音受信部41から出力された着信音が入力されると、当該着信音の音量を検出する(S23)。次に、音量検出部62は、当該着信音の音量が所定閾値(例えば、40dB)以上であるか否かを判定する(S24)。ここで、音量検出部62が、所定閾値未満の音量であると判定した場合(S24:NO)にはステップS21に戻り、着信音を受信できる状態で待機する。一方、音量検出部62が、所定閾値以上の音量であると判定した場合(S24:YES)には、解析抽出部42に起動信号と着信音を出力する(S25)。
【0047】
次に、解析抽出部42は、音量検出部62から出力された起動信号および着信音が入力されることにより起動する(S26)。そして、解析抽出部42は、当該着信音にOFDM変調された制御信号Sが重畳されているか否かを解析し、着信音に制御信号Sが重畳されている場合には、制御信号Sの信号パターンを抽出する(S27:解析抽出ステップ)。ここでは、解析抽出部42が、制御信号Sが重畳されていることを解析し、例えば「1,0,0,0,1」の信号パターンを抽出し、音量検出部62によって70dBの音量が検出されたとして以後のステップの説明を行う。解析抽出部42は、抽出した信号パターン「1,0,0,0,1」と音量情報「70dB」を作動パターン抽出部44に出力する(S28)。
【0048】
次に、作動パターン抽出部44は、解析抽出部42から出力された信号パターン「1,0,0,0,1」と、音量検出部62によって検出された音量「70dB」が入力されると、作動パターン記憶部43に記憶されている(記憶ステップ)例えば図7に示すような制御情報T2から、音量「70dB」および信号パターン「1,0,0,0,1」に対応する作動パターンを抽出する(S29:作動パターン抽出ステップ)。ここでは、作動パターン抽出部44は、音量情報「70dB」および信号パターン「1,0,0,0,1」に対応する作動内容として、スピーカ32に「電話だよ」という音声を出力させる作動内容を抽出する。作動パターン抽出部44は、当該作動内容を作動部45に出力する(S30)。
【0049】
次に、作動部45は、作動パターン抽出部44から出力された作動内容が入力されると、当該内容に従って、駆動機構31、スピーカ32、LED33、バイブレータ34を制御する(S31:作動ステップ)。ここでは、作動部45は、スピーカ32に「電話だよ」という音声を出力させる作動内容が作動パターン抽出部44から入力されているので、当該作動内容に従って、スピーカ32に「電話だよ」という音声を出力させる。
【0050】
以上に説明したように、第2実施形態の音連動システム61によれば、解析抽出部42は、制御信号Sの信号パターンを抽出・解析が可能な音量レベルの着信音を受信したときに起動するようになる。これにより、上記実施形態の効果を享受できるだけでなく省電力化を図ることも可能となる。また、音量に従って、例えば駆動機構の動きを変えたりする等、作動内容を変えることができるようになるので作動バリエーションを更に増やすことができる。
【0051】
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態について、図9〜図11を用いて説明する。図9は、第3実施形態に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。図10は、作動パターン記憶部に記憶されている制御情報の一例を説明する図である。図11は、音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。
【0052】
第3実施形態の音連動システム71が上述の音連動システム1と異なる点は、図9に示すように、構成要件として複数音量検出部(複数音量検出手段)72と方向検出部(方向検出手段)73とが更に備えられている点と、音受信部41が複数備えられている点と、作動パターン記憶部43に記憶されている制御情報が異なる点である。ここでは、上記実施形態に記載の音連動システム1と同一又は同等の構成についてはその説明は省略し、当該音連動システム1と異なる構成について説明する。
【0053】
音受信部41は、それぞれ異なる方向に向けて複数配置されている。音受信部41は、受信した着信音を解析抽出部42へ出力する。
【0054】
複数音量検出部72は、音受信部41がそれぞれの音受信部41が受信した着信音の音量を検出する部分である。複数音量検出部72は、検出したそれぞれの音量を方向検出部73に出力する。
【0055】
方向検出部73は、複数音量検出部72が検出したそれぞれの音量に基づいて着信音の音源方向を特定する部分である。具体的には、最も大きな音量を受信した音受信部41の配置方向を音源方向と特定する。
【0056】
作動パターン記憶部43は、図4に示すような制御信号Sの信号パターンと、作動内容を示した作動パターンとが関連付けられた制御情報T1に加え、例えば図10に示すような音源方向情報と作動パターンとを関連付けた制御情報T3が記憶されている。これら制御情報T1、T3によれば、例えば信号パターン「1,0,0,0,1」を受信した際には、玩具(音連動装置)30のスピーカ32から「電話だよ」という音を出力させ、信号パターン「1,0,0,1,0」を受信した際には、玩具30の両目のLED33を発光させる。さらに、例えば音源方向情報「右方向」を受信した際には、駆動機構31を作動させ、右方向に向きを変え、右方向に移動させる。
【0057】
次に、図11を用いて第3実施形態における玩具30の音連動方法について説明する。図11は、音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。なお、携帯端末10における処理は、上記実施形態の音連動システム1と異なるところがないので記載を省略している。
【0058】
具体的には、第3実施形態の音連動システム1では、玩具30における音受信部41が、音出力部13から出力されたOFDM変調された制御信号Sが重畳されている着信音を受信する(S41:音受信ステップ)。次に、音受信部41は、受信した着信音を複数音量検出部72に出力する(S42)。
【0059】
次に、複数音量検出部72は、音受信部41から出力された着信音が入力されると、それぞれの音受信部41における当該着信音の音量を検出し(S43)、当該検出した音量を方向検出部73に出力する(S44)。
【0060】
次に、方向検出部73は、複数音量検出部72により入力されたそれぞれの音量に基づいて、最も大きな音量を受信した音受信部41の配置方向(前,後,左,右,・・・)を音源方向と特定する(S45)。方向検出部73は、特定した音源方向情報を解析抽出部42に出力する。同時に、複数音量検出部72は、音受信部41から入力された着信音を解析抽出部42に出力する(S47)。
【0061】
次に、解析抽出部42は、当該着信音にOFDM変調された制御信号Sが重畳されているか否かを解析し、着信音に制御信号Sが重畳されている場合には、制御信号Sの信号パターンを抽出する(S48:解析抽出ステップ)。ここでは、解析抽出部42が、制御信号Sが重畳されていることを解析し、例えば「1,0,0,0,1」の信号パターンを抽出し、方向検出部73によって音源方向が「右方向」に特定されたとして以後のステップの説明を行う。解析抽出部42は、抽出した信号パターン「1,0,0,0,1」と音源方向情報「右方向」を作動パターン抽出部44に出力する(S49)。
【0062】
次に、作動パターン抽出部44は、解析抽出部42から出力された信号パターン「1,0,0,0,1」と、音源方向情報「右方向」が入力されると、作動パターン記憶部43に記憶されている(記憶ステップ)、例えば図4に示すような制御情報T1から、信号パターン「1,0,0,0,1」に対応する作動パターンと、例えば図10に示すような制御情報T3から音源方向情報「右方向」に対応する作動パターンとを抽出する(S50:作動パターン抽出ステップ)。ここでは、信号パターン「1,0,0,0,1」に対応する作動内容として、スピーカ32に「電話だよ」という音声を出力させる作動内容を抽出する。さらに、音源方向情報「右方向」に対応する作動内容として、右方向に向きを変え、右方向に移動する作動内容を抽出する。作動パターン抽出部44は、当該作動内容を作動部45に出力する(S51)。
【0063】
次に、作動部45は、作動パターン抽出部44から出力された作動内容が入力されると、当該内容に従って、駆動機構31、スピーカ32、LED33、バイブレータ34を制御する(S52:作動ステップ)。ここでは、作動部45は、スピーカ32に「電話だよ」という音声を出力させる作動内容が作動パターン抽出部44から入力されているので、当該作動内容に従って、スピーカ32に「電話だよ」という音声を出力させる。また、作動部45は、駆動機構31に、右方向に向きを変え、右方向に移動するという作動内容が作動パターン抽出部44から入力されているので、当該作動内容に従って、駆動機構31を制御する。
【0064】
以上に説明したように、第3実施形態の音連動システム71によれば、上記実施形態の効果を享受できるだけでなく、玩具30が、音源方向に向きを変えたり、音源方向に移動したりする等、音源方向に基づいて作動内容を変えることができるようになり、作動バリエーションを更に増やすことが可能となる。
(第4実施形態)
次に、本発明の第4実施形態について、図12〜図14を用いて説明する。図12は、第4実施形態に係る携帯端末の機能構成を示すブロック図である。図13は、作動パターン記憶部に記憶されている制御情報の一例を説明する図である。図14は、音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。
【0065】
第4実施形態の音連動システム81が上述の音連動システム1と異なる点は、図12に示すように、構成要件として複数検出部(複数抽出手段)82が更に備えられている点と、作動パターン記憶部43に記憶されている制御情報が異なる点である。ここでは、上記実施形態に記載の音連動システム1と同一又は同等の構成についてはその説明は省略し、当該音連動システム1と異なる構成について説明する。
【0066】
複数検出部82は、音受信部41において受信した着信音に、複数の制御信号Sが重畳されているか否かを解析し、着信音に複数の制御信号Sが重畳されている場合には、それぞれの制御信号Sの信号パターンをそれぞれ抽出する部分である。例えば着信音において、制御信号Sが重畳されている周波数帯域がそれぞれ異なる場合には、それぞれ異なる帯域の着信音を透過する透過手段を複数用意することにより、それぞれ異なる帯域に重畳されている制御信号Sを容易に判別することができる。透過手段の具体的な実現方法としては、制御信号Sが重畳されている周波数帯域のみを透過させるバンドパスフィルタを複数用意する等の実装が考えられる。複数検出部82は、判別した制御信号Sの数と共に着信音を解析抽出部42に出力する。
【0067】
作動パターン記憶部43は、例えば図13(a)に示すような複数検出部82が検出した制御信号Sの数と、制御信号Sの処理内容を示した作動パターンとが関連付けられた制御情報T4と、例えば図13(b)に示すような信号パターンと作動パターンとを関連付けた制御情報T5とが記憶されている。制御情報T4によれば、複数検出部82がそれぞれ異なる制御信号Sを受信した際に、これら複数の制御信号Sをどのように処理するかを設定することができる。例えば複数の制御信号Sをそれぞれの信号として同時に処理したり、複数の制御信号Sを結合した制御信号S2として処理したりすることができる。なお、これらの設定は、初期設定やユーザの設定により適宜選択が可能である。
【0068】
例えば制御情報T4により、同時処理が設定されている場合において、信号パターン「1,0,0,0,1」と「1,0,0,1,0」とを受信した際には、玩具(音連動装置)30のスピーカ32から「電話だよ」という音を出力させ、同時にLED33を発光させる。また、例えば制御情報T4により、結合処理が設定されている場合において、信号パターン「1,0,0,0,1」と「1,0,0,1,0」とを受信した際には、信号パターン「1,0,0,0,1」と「1,0,0,1,0」とを結合した信号パターン「1,0,0,0,1,1,0,0,1,0」として、玩具30のスピーカ32から「いっぱい電話が鳴ってるよ」という音を出力させる。
【0069】
次に、図14を用いて第4実施形態における玩具30の音連動方法について説明する。図14は、音連動システムにおける処理の流れを示したシーケンス図である。なお、携帯端末10における処理は、上記実施形態の音連動システム1と異なるところがないので記載を省略している。
【0070】
具体的には、第4実施形態の音連動システム1では、玩具30における音受信部41が、音出力部13から出力されたOFDM変調された制御信号Sが重畳されている着信音を受信する(S61:音受信ステップ)。次に、音受信部41は、受信した着信音を複数検出部82に出力する(S62)。
【0071】
次に、複数検出部82は、音受信部41において受信した着信音に、複数のOFDM変調された制御信号Sが重畳されているか否かを解析し(S63)、複数の制御信号Sが重畳されている場合には、その数を解析抽出部42に出力する(S64)。
【0072】
次に、解析抽出部42は、着信音に複数の制御信号Sが重畳されている場合には、それぞれの制御信号Sの信号パターンを抽出する(S65)。ここでは、解析抽出部42が、例えば「1,0,0,0,1」の信号パターンと、「1,0,0,1,0」の信号パターンとを抽出し、複数検出部82によって制御信号Sの数「2」が検出されたとして以後のステップの説明を行う。解析抽出部42は、抽出した信号パターン「1,0,0,0,1」、「1,0,0,1,0」と制御信号Sの数「2」を作動パターン抽出部44に出力する(S66)。
【0073】
次に、作動パターン抽出部44は、解析抽出部42から出力された信号パターン「1,0,0,0,1」および「1,0,0,1,0」、制御信号Sの数「2」が入力されると、作動パターン記憶部43に記憶されている(記憶ステップ)、例えば図13(b)に示すような制御情報T5から、信号パターン「1,0,0,0,1」に対応する作動パターンを抽出する(S67:作動パターン抽出ステップ)。ここで、例えば図13(a)に示すような制御情報T4において結合処理が設定されている場合には、信号パターン「1,0,0,0,1,1,0,0,1,0」に対応する作動内容として、スピーカ32に「いっぱい電話が鳴ってるよ」という音声を出力させる作動内容を抽出する。作動パターン抽出部44は、当該作動内容を作動部45に出力する(S68)。
【0074】
次に、作動部45は、作動パターン抽出部44から出力された作動内容が入力されると、当該内容に従って、駆動機構31、スピーカ32、LED33、バイブレータ34を制御する(S69:作動ステップ)。ここでは、作動部45は、スピーカ32に「いっぱい電話が鳴ってるよ」という音声を出力させる作動内容が作動パターン抽出部44から入力されているので、当該作動内容に従って、スピーカ32に「いっぱい電話が鳴ってるよ」という音声を出力させる。
【0075】
以上に説明したように、第4実施形態の音連動システム81によれば、上記実施形態の効果を享受できるだけでなく、玩具30が、複数の制御信号Sを同時処理したり、結合処理して制御信号S2にしたりする等により制御信号のパターンを増やすことできるので、作動バリエーションを更に増やすことが可能となる。
【0076】
以上、本発明を上記実施形態に基づいて詳細に説明したがこれに限定されるものではない。本発明は、その要旨を逸脱しない範囲で以下のような様々な変形が可能である。
【0077】
例えば、本発明は、上記第1実施形態に第2実施形態〜第4実施形態を適宜組み合わせて実施することも可能である。
【0078】
また、それぞれの実施形態において、解析抽出部42は、解析抽出した信号パターンが少なくとも2回連続したか否かを判定するようにしてもよい。具体的に、例えば第1実施形態に適用した例で説明すると、図15に示すように、解析抽出部42は、ステップS7において受信した着信音に重畳されている制御信号Sを解析・抽出した後、抽出した信号パターンを保持する(S71)。次に、音受信部41は、次に受信した着信音を解析抽出部42に出力する(S72)。次に、音受信部41から出力された着信音を解析・抽出した(S73)後、抽出した信号パターンとステップS71において保持されている信号パターンと比較する。ここで、当該信号パターン同士が一致する場合(S74:YES)には、当該一致した信号パターンを作動パターン抽出部44に出力する(S8)。一方、当該信号パターン同士が一致しない場合(S74:NO)には、ステップS6に戻り、受信した着信音に重畳されている制御信号Sを解析・抽出する。これにより、音受信部41が装置自体から発生される機械雑音を拾うことに起因する誤動作、誤反応を防止することができる。
【0079】
上記実施形態の音連動システム1,61,71,81では、携帯端末10からOFDM変調された制御信号Sが重畳された着信音を出力する例を挙げて説明したがこれに限定されるものではない。OFDM変調された制御信号が重畳された音を出力する例としては、例えばスピーカ等の音出力機能を具備すれば何でもよく、TV、ラジオ、パーソナルコンピュータ、その他携帯情報端末等が想定される。
【0080】
上記実施形態の音連動システム1,61,71,81では、携帯端末10の着信時を想定した例を挙げて説明したがこれに限定されるものではない。例えば携帯電話会社各社が提供しているメールでアニメーションが再生できるサービスにおいて、ユーザがメール閲覧時のキー入力操作に合わせて、OFDM変調された制御信号を含む音付のアニメーションを再生することが可能である。このアニメーションを音源再生として用いれば、ユーザがメール閲覧時のキー入力操作に合わせて音連動装置が連動するという仕組み・サービスを提供することが可能となる。
【0081】
また、上記実施形態の音連動システム1,61,71,81に、現在の位置情報を取得する位置情報取得手段や現在の時刻情報を取得する時刻情報取得手段を更に備え、制御情報として、制御信号の信号パターンに対して位置情報および時刻情報がさらに関連付けてもよい。これにより、位置情報や時刻情報といった条件も加えた、例えば図16に示すような制御情報T6を利用して、同じ信号パターンを受信した場合であっても時刻情報や位置情報によってスピーカ32、LED33、バイブレータ34等の作動内容を変えることができる。このように、上記実施形態に比べて更に作動パターンを形成することができるので、受信した音に連動して作動可能な作動内容のバリエーションを増やすことができる。
【0082】
また、上記実施形態では、音連動システムとして本発明を適用した例を説明したがこれに限定されるものではなく、本発明の音連動方法を音連動処理プログラムとしてコンピュータに実行させてもよい。
【符号の説明】
【0083】
1,61,71,81…音連動システム、10…携帯端末、11…通信部、12…着信音記憶部、13…音出力部、14…端末処理部、30…玩具、31…駆動機構、32…スピーカ、33…LED、34…バイブレータ、41…音受信部、42…解析抽出部、43…作動パターン記憶部、44…作動パターン抽出部、45…作動部、62…音量検出部、72…複数音量検出部、73…方向検出部、82…複数検出部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末から出力される音に連動して作動する音連動装置であって、
前記端末から出力される前記音を受信する音受信手段と、
前記音受信手段において受信した前記音に制御信号が重畳されているか否かを解析し、前記音に前記制御信号が重畳されている場合には、前記制御信号の信号パターンを抽出する解析抽出手段と、
前記制御信号の信号パターンと作動内容を示した作動パターンとを関連付けた制御情報が記憶された記憶手段と、
前記記憶手段に記憶された前記制御情報の中から、前記解析抽出手段によって抽出された前記制御信号の信号パターンに対応する前記作動パターンを抽出する作動パターン抽出手段と、
前記作動パターン抽出手段により抽出された前記作動パターンに従って作動する作動手段と、
を備えることを特徴とする音連動装置。
【請求項2】
前記制御信号は、OFDM変調方式により変調されていることを特徴とする請求項1に記載の音連動装置。
【請求項3】
前記音受信手段が受信した前記音の音量を検出する音量検出手段を更に備えており、
前記解析抽出手段は、前記音量検出手段が所定閾値以上の音量の前記音を検知した際に起動することを特徴とする請求項1または2に記載の音連動装置。
【請求項4】
前記記憶手段の前記制御情報には、前記音量が更に関連付けられており、
前記作動パターン抽出手段は、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の中から、前記制御信号の信号パターンおよび前記音量が一致する前記作動パターンを抽出することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の音連動装置。
【請求項5】
前記音受信手段は、それぞれ異なる方向に向けて複数配置されており、
それぞれの前記音受信手段が受信したそれぞれの前記音の音量を検出する複数音量検出手段と、
前記複数音量検出手段が検出したそれぞれの前記音量に基づいて前記音の音源方向を特定する方向検出手段と、
を更に備えていることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の音連動装置。
【請求項6】
前記音受信手段において受信した前記音に、複数の前記制御信号が重畳されているか否かを解析する複数抽出手段を更に備えており、
前記解析抽出手段は、前記音に複数の前記制御信号が重畳されている場合には、それぞれの前記制御信号の信号パターンを抽出することを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の音連動装置。
【請求項7】
前記解析抽出手段は、前記信号パターンを少なくとも2回抽出し、抽出した前記信号パターンが一致しているか否かを判定することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載の音連動装置。
【請求項8】
着信を検知する通信手段と、
制御信号が重畳された着信音が記憶された着信音記憶手段と、
前記着信音を出力する音出力手段と、
前記通信手段において前記着信を検知した際に前記着信音記憶手段に記憶されている前記着信音を前記音出力手段に出力させる端末処理手段と、
を有する通信端末と、
請求項1〜7の何れか1項に記載の音連動装置と、
を備えており、
前記音連動装置は、前記通信端末から送信される前記着信音に連動して作動することを特徴とする音連動システム。
【請求項9】
端末から出力される音に連動して作動する音連動装置における音連動方法であって、
音受信手段が、前記端末から出力される前記音を受信する音受信ステップと、
解析抽出手段が、前記音受信手段において受信した前記音に制御信号が重畳されているか否かを解析し、前記音に前記制御信号が重畳されている場合には、前記制御信号の信号パターンを抽出する解析抽出ステップと、
記憶手段が、前記制御信号の信号パターンと作動内容を示した作動パターンとを関連付けた制御情報を記憶する記憶ステップと、
作動パターン抽出手段が、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の中から、前記解析抽出手段によって抽出された前記制御信号の信号パターンに対応する前記作動パターンを抽出する作動パターン抽出ステップと、
作動手段が、前記作動パターン抽出手段により抽出された前記作動パターンに従って作動する作動ステップと、
を含んでいることを特徴とする音連動方法。
【請求項10】
端末から出力される音に連動して作動する音連動装置における音連動処理プログラムであって、
音受信手段が、前記端末から出力される前記音を受信する音受信ステップと、
解析抽出手段が、前記音受信手段において受信した前記音に制御信号が重畳されているか否かを解析し、前記音に前記制御信号が重畳されている場合には、前記制御信号の信号パターンを抽出する解析抽出ステップと、
記憶手段が、前記制御信号の信号パターンと作動内容を示した作動パターンとを関連付けた制御情報を記憶する記憶ステップと、
作動パターン抽出手段が、前記記憶手段に記憶された前記制御情報の中から、前記解析抽出手段によって抽出された前記制御信号の信号パターンに対応する前記作動パターンを抽出する作動パターン抽出ステップと、
作動手段が、前記作動パターン抽出手段により抽出された前記作動パターンに従って作動する作動ステップと、
を含んでいることを特徴とする音連動方法をコンピュータに実行させる音連動処理プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2011−205258(P2011−205258A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−68867(P2010−68867)
【出願日】平成22年3月24日(2010.3.24)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】