説明

顔画像利用システム、撮影装置、及びサーバ

【課題】既存の証明写真用撮影装置を利用した顔画像利用システム等を提供する。
【解決手段】証明写真用撮影装置3は、撮影者情報取得手段15により取得した被撮影者5の撮影者ID、パスワードの照合をセンターサーバ7に要求し、撮影可の場合、撮影手段12により被撮影者5の顔画像を撮影する。証明写真用撮影装置3は、撮影した顔画像を指定データフォーマットに変換、暗号化し、チェックデジットを付加した撮影者ID及びパスワードと共にセンターサーバ7に送る。センターサーバ7は受信したデータ内容判定後、受付番号を発行し、顔画像データを保管する。顔画像データは、2分割以上としてサブセンターサーバ1 8、サブセンターサーバ2 9に保管してもよい。証明写真用撮影装置3は、センターサーバ7が受け取った受付番号をレシート20に印刷する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既存の証明写真用撮影装置を利用した顔画像利用システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、市場には1万台を超える数の無人型自動証明写真用撮影装置が普及している。この無人型自動証明写真用撮影装置は、通常、撮影者が自身の顔画像の撮影を行い、必要な大きさの写真を印刷し、印刷した写真を履歴書やパスポート等に利用するというのが一般的である。
一方、企業内での社員証やスポーツクラブ等の会員証、各種学校施設の学生証等のカードで使用する顔画像を撮影する場合、印刷した写真を貼付して使用する以外に、顔画像取り込み装置を用いて顔画像を撮影し、その場では印刷せず、カード製造工程において取り込んだ顔画像を印刷という方法がある。
(例えば、特許文献1)
【0003】
【特許文献1】特開2002−23256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の方法では、企業内の社員証や各種学校施設の学生証のように発行する時期が限られる場合、一時的に顔画像取り込み装置を設置しても発行時期終了後には撤去する必要があり効率が悪い。また、小さな施設に常に顔画像取り込み装置を設置しておくのも場所的に無駄である。
【0005】
また、既存の無人型自動証明者用撮影装置を利用して顔画像を取り込もうとする場合、撮影者の信頼できる個人情報を取得する手段もなく、撮影者がカード発行のため、顔画像の取り込みを行う必要があるかどうかを照合する手段もない。更に、撮影した顔画像を蓄積する手段もなく、個人情報の漏洩の危険性も考えられる。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、既存の証明写真用撮影装置を利用した顔画像利用システム等を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために第1の発明は、ネットワークを介して、サーバと撮影装置が接続される顔画像利用システムであって、前記撮影装置は、顔画像を撮影して撮影画像データを生成する顔画像撮影手段と、被撮影者の撮影者情報を取得する撮影者情報取得手段と、前記撮影画像データと、前記撮影者情報を前記サーバに送信する送信手段と、を具備することを特徴とする顔画像利用システムである。
【0008】
前記撮影者情報は、撮影者IDデータ、あるいは、撮影者IDデータ及びパスワードである。
前記撮影装置は、取得した前記撮影者情報に基づいて、被撮影者の顔画像撮影を許可する。
顔画像撮影の許可の判定では、前記撮影装置が具備する前記顔画像撮影許可手段は、取得した前記撮影者情報を前記サーバに送信し、前記サーバが前記撮影者情報に基づいて被撮影者の顔画像撮影の可否を判定し、判定結果を前記撮影装置に送信し、前記撮影装置は、前記判定結果に基づいて被撮影者の顔画像撮影を許可する。あるいは、前記撮影装置が具備する前記顔画像撮影許可手段は、前記サーバから送信される登録撮影者情報を保持し、取得した前記撮影者情報と前記登録撮影者情報を比較し、被撮影者の顔画像撮影の可否を判定する。
【0009】
前記撮影装置が具備する前記送信手段は、前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を暗号化し、前記サーバに送信する。
前記サーバは、前記撮影装置から前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を受信すると、受付番号を発行し、前記受付番号及び前記撮影者情報を前記撮影装置に送信する送信手段を具備する。
前記サーバが具備する前記送信手段は、前記受付番号及び前記撮影者情報を暗号化して送信する。
前記撮影装置は、前記サーバから前記受付番号を受信すると、前記受付番号を被撮影者に提供する。
また、前記撮影装置は、前記サーバに前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を送信後、一定時間応答がない場合、エラー発生を被撮影者に伝える手段を更に具備する。
【0010】
前記サーバは、前記撮影画像データを前記サーバの記憶手段に保管する手段を更に具備する。前記サーバは、前記撮影画像データを2つ以上に分割し、複数の前記サーバの記憶手段に保管するようにしてもよい。
前記サーバは、前記撮影者情報及び前記受付番号を用いて、前記撮影画像データを利用する手段を更に具備する。
【0011】
第2の発明は、ネットワークを介して、サーバと接続される撮影装置であって、前記撮影装置は、顔画像を撮影して撮影画像データを生成する顔画像撮影手段と、被撮影者の撮影者情報を取得する撮影者情報取得手段と、前記撮影画像データと、前記撮影者情報を前記サーバに送信する送信手段と、を具備することを特徴とする撮影装置である。
【0012】
第3の発明は、ネットワークを介して、撮影装置と接続されるサーバであって、前記サーバは、前記撮影装置から前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を受信すると、受付番号を発行し、前記受付番号及び前記撮影者情報を前記撮影装置に送信する送信手段を具備することを特徴とするサーバである。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、既存の証明写真用撮影装置を利用した顔画像利用システム等を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、添付図面を参照しながら、本発明に係る顔画像利用システム等の好適な実施形態について詳細に説明する。
【0015】
最初に、図1、2、3、4を参照しながら、本発明の実施の形態に係る顔画像利用システム1の構成について説明する。
図1は、顔画像利用システム1の構成を示すブロック図、図2は、センターサーバ7のハードウエア構成を示す図、図3は、センターサーバ7の記憶装置52の詳細を示す図、図4は、センターサーバ7の記憶装置52内の撮影者登録情報66の詳細を示す図である。
【0016】
本発明に係る顔画像利用システム1は、証明写真用撮影装置3とセンターサーバ7がネットワーク21を介して接続される。
証明写真用撮影装置3は、既存の無人型証明写真用撮影装置に撮影者情報取得手段15とデータ送受信手段18を追加し、データ送受信手段18により、ネットワーク21を介してセンターサーバ7に接続する。被撮影者5が証明写真用撮影装置3で顔画像を撮影すると、顔画像データはネットワーク21を介してセンターサーバ7に送られ、保管される。
ネットワーク21は、インターネット、あるいは組織内に構築されるLAN(Local Area Netowork)等である。
【0017】
また、ネットワーク21には、クレジット会社31、企業33、銀行35、学校37、カード製造会社39等、所属する個人のIDカードを発行する組織が接続している。クレジット会社31、企業33、銀行35、学校37、カード製造会社39等は、被撮影者5が証明写真用撮影装置3で顔画像を撮影したときに発行されたレシート20を確認することにより、センターサーバ7で保管される被撮影者5の顔画像データを特定し、その顔画像を利用してクレジットカード、社員証、キャッシュカード、学生証等のカード40を製造する。カード40には、特定した被撮影者5の顔画像を顔写真41として印刷する。
【0018】
証明写真用撮影装置3は、制御手段11、撮影手段12、表示操作手段13、キー入力手段14、撮影者情報取得手段15、金銭受付手段16、プリント手段17、データ送受信手段18等を備える。被撮影者5は、撮影手段12により証明写真用の顔画像を撮影する。
【0019】
制御手段11は、プログラムの実行を行うCPU(Central Processing Unit)と、プログラム命令あるいはデータ等を格納するためのROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等のメモリから構成される。制御部11は、証明写真用撮影装置3全体を制御する。
【0020】
撮影手段12は、被撮影者5を撮影するデジタルカメラで、証明写真用撮影装置3が設置されている室内に取り付けられている。
【0021】
表示操作手段13は、CRT(Cathode−Ray Tube)あるいはLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置で、証明写真撮影のためのメニュー画面等を表示したり、撮影手段12により撮影した撮影画像を確認のために表示する表示手段として機能する。表示操作手段13は、タッチパネルのように表示手段と操作手段が一体化した表示装置でもよい。
キー入力手段14は、キーボード等の文字入力手段で、被撮影者5がメニューの選択、操作、パスワードの入力等に使用する。表示操作手段13をタッチパネルのような表示装置とする場合、キー入力手段14は必ずしも設置しなくてもよい。
【0022】
撮影者情報取得手段15は、被撮影者5の個人情報を含むICカード、磁気カード、バーコード等を読み取るためのリーダライタで、被撮影者5の信頼できる個人認識番号である撮影者IDを取得する。
【0023】
金銭受付手段16は、被撮影者5による証明写真の注文内容に応じて、課金処理を行い、被撮影者5に入金を要求する。ただし、被撮影者5の社員証、学生証等のカード作成のための顔画像取り込みの処理を行う場合、撮影者情報取得手段15により取得した被撮影者5の撮影者IDが撮影可能条件を満たすと判断すると、被撮影者5に対する課金処理は行わなくてもよい。
【0024】
プリント手段17は、画像データ、あるいはレシート、カード等を印刷する高解像度カラープリンタで、昇華型あるいはインクジェット型など、プリンタの方式は問わない。プリント手段17により印刷されるレシート20は、顔画像取り込みを行った被撮影者5の撮影者IDや、受付番号等を示す。
【0025】
データ送受信手段18は、撮影者情報取得手段15が取得した被撮影者5の撮影者IDや、キー入力手段14から入力されたパスワード、撮影手段12により撮影された被撮影者5の顔画像データ等を、ネットワーク21を介してセンターサーバ7に送る。
データ送受信手段18は、要求されるセキュリティ基準に応じて、撮影者IDやパスワード、顔画像データをAES(Advanced Encryption Standard)−256アルゴリズム等による暗号化を施し、送信する。
【0026】
センターサーバ7は、サブセンターサーバ1 8、サブセンターサーバ2 9を有する。センターサーバ7は、証明写真用撮影装置3が撮影した被撮影者5の顔画像データをネットワーク21を介して受け取り、2分割以上に分割し、サブセンターサーバ1 8及びサブセンターサーバ2 9に保管する。
サブセンターサーバは、2つとは限らない。センターサーバ7は3つ以上のサブセンターサーバを有するようにしてもよい。
【0027】
図2に示すように、センターサーバ7は、バス58により相互接続された制御部51、記憶装置52、メディア入出力部53、入力部54、印刷部55、表示部56、通信部57等を有する。
図2のハードウエア構成は一例であり、用途、目的に応じて様々な構成をとることが可能である。尚、本発明の実施の形態では、メディア出力部53、入力部54、印刷部55、表示部56は必須の構成ではない。
【0028】
制御部51は、プログラムの実行を行うCPUと、プログラム命令あるいはデータ等を格納するためのROM、RAM等のメモリから構成される。制御部51は、センターサーバ7全体の動作を制御する。
【0029】
記憶装置52は、センターサーバ7の制御プログラム等の固定データ、各種データ等を格納するための記憶媒体である。
【0030】
メディア入出力部53は、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)あるいはCD−RW(CD−ReWritable)、フレキシブルディスク、MO(Magneto Optic Disc)等の媒体のドライブで、媒体からのデータの読み出しや、媒体へのデータの書き込みを行う。
【0031】
入力部54は、キーボード、マウス等の入力装置である。
印刷部55はプリンタで、ユーザからの要求により必要な情報等の印刷を行う。
表示部56は、CRTあるいはLCD等の表示装置である。
通信部57は、通信制御装置、通信ポート等であり、ネットワーク21を介した通信等を制御する。
【0032】
図3に示すように、記憶装置52は、OS(Operating System)61、制御プログラム62、撮影者情報登録照合プログラム63、顔画像データ内容判定プログラム64、顔画像データ管理プログラム65、撮影者登録情報66等を有する。
【0033】
OS61、制御プログラム62、撮影者情報登録照合プログラム63、顔画像データ内容判定プログラム64、顔画像データ管理プログラム65等は、制御部51により実行される。
OS61は、センターサーバ7全体を管理するプログラムである。
制御プログラム62は、撮影者情報登録照合プログラム63、顔画像データ内容判定プログラム64、顔画像データ管理プログラム65等のアプリケーションプログラムの制御を行う。
【0034】
撮影者情報登録照合プログラム63は、証明写真用撮影装置3からの問い合わせにより、証明写真用撮影装置3の撮影者情報取得手段15から取得した被撮影者5の撮影者ID、キー入力手段14から入力されたパスワードを撮影者登録情報66と照合し、被撮影者5が撮影者として登録されているかどうかを判定する。
【0035】
顔画像データ内容判定プログラム64は、証明写真用撮影装置3から送られた被撮影者5の顔画像データ、撮影者ID、パスワードの真贋判定を行う。
顔画像データ管理プログラム65は、被撮影者5の顔画像データをサブセンターサーバ1 8、サブセンターサーバ2 9に安全に保管し、クレジット会社31、企業33、銀行35、学校37、カード製造会社39等からの要求に応じて、顔画像データの利用を許可する。
【0036】
撮影者登録情報66は、クレジット会社31、企業33、銀行35、学校37、カード製造会社39等により予め登録されている撮影者に関する情報で、図4に示すように、撮影者ID71、パスワード72、受付番号73、撮影済みフラグ74等を有する。
【0037】
撮影者ID71及びパスワード72は、被撮影者5が顔画像の撮影を行う前に予め登録されており、証明写真用撮影装置3の撮影者情報取得手段15により取得した被撮影者の撮影者IDと、キー入力手段14から入力されたパスワードが撮影者ID71、パスワード72とそれぞれ一致した場合のみ、被撮影者5は証明写真用撮影装置3での顔画像の撮影を許可される。
撮影終了後、センターサーバ7が受付番号を発行し、撮影者登録情報66の受付番号73として保存する。
撮影済みフラグ74は、被撮影者5が顔画像の撮影を行ったかどうかを示すフラグで、初期状態では「オフ」に設定されている。撮影終了後、撮影済みフラグ74は「オン」に設定される。撮影済みフラグ74が「オン」の状態の場合、センターサーバ7は被撮影者5の顔画像の撮影を許可しないようにすることにより、撮影の重複を回避できる。尚、撮影済みフラグ74は必須ではない。
【0038】
次に、図5、6を参照しながら、本発明に係る顔画像利用システム1の処理の流れについて説明する。
図5は、顔画像利用システム1を用いた顔画像撮影の処理の流れを示すフローチャート、図6は、センターサーバ7の記憶装置52の詳細を示す図である。
【0039】
証明写真用撮影装置3は、表示操作手段13に初期メニュー画面として利用サービス選択画面を表示する(ステップS101)。被撮影者5は、表示操作手段13に指で触れることにより、希望する利用サービスを選択する。
選択された利用サービスが証明写真撮影の場合(ステップS102)、証明写真用撮影装置3の制御手段11は、撮影手段12により被撮影者5の顔画像を撮影し、金銭受付手段16により被撮影者5の注文内容に応じた課金をし、通常の証明写真撮影処理を行う(ステップS103)。
【0040】
被撮影者5により選択された利用サービスが顔画像取り込みの場合(ステップS102)、証明写真用撮影装置3の制御手段11は、表示操作手段13上に表示することにより、被撮影者5にICカード、磁気カード、バーコード等を撮影者情報取得手段15にかざすように指示する。被撮影者5が、撮影者IDを含むICカード、磁気カード、バーコード等を撮影者情報取得手段15にかざすと、撮影者IDを読み取り、更にセキュリティを強化する場合、被撮影者5にキー入力手段14、あるいは、表示操作手段13からパスワードを入力するように要求し、入力されたパスワードを取得する(ステップS104)。
【0041】
証明写真用撮影装置3の制御手段11は、取得した撮影者IDとパスワードを、ネットワーク21を介してセンターサーバ7に送り、取得した撮影者ID及びパスワードの照合を要求する(ステップS105)。
【0042】
センターサーバ7の制御部51は、受信した撮影者ID、パスワードを記憶装置52内の撮影者登録情報66の撮影者ID71、パスワード72と照合し、被撮影者5が登録されているかどうかを判定する。そして、照合結果を証明写真用撮影装置3に送る(ステップS106)。
センターサーバ7の記憶装置52で保持している撮影者登録情報66を、予め証明写真用撮影装置3に送信しておき、被撮影者5から取得した撮影者ID、パスワードと撮影者登録情報66の照合処理を証明写真用撮影装置3内で行うようにしてもよい。
また、撮影者登録情報66の撮影者ID71、パスワード72との照合に加えて、撮影済みフラグ74を確認し、「オフ」の場合は照合結果を可とするが、「オン」の場合は照合結果を否とするようにしてもよい。
【0043】
証明写真用撮影装置3の制御手段11は、照合結果が否である場合(ステップS107)、表示操作手段13上に被撮影者5は撮影不可であることを表示し、処理を終了する(ステップS108)。
照合結果が可の場合、撮影手段12により被撮影者5の顔画像を撮影する(ステップS109)。
証明写真用撮影装置3の制御手段11は、撮影した顔画像データを指定データフォーマットに変換し、AES−256アルゴリズム等による暗号化を施し、被撮影者5から取得した撮影者ID、パスワードと共にセンターサーバ7に送る(ステップS110)。
データの真贋判定のため、被撮影者5から取得した撮影者ID、パスワードはチェックデジットを付加する。
【0044】
センターサーバ7は、証明写真用撮影装置3から送られた顔画像データと、撮影者ID、パスワードを受け取り、顔画像データの指定データフォーマットと、チェックデジットを付加した撮影者ID及びパスワードを判定し、問題がない場合は受付番号を発行し、判定結果と共に証明写真用撮影装置3に送る)ステップS111)。
ステップS109の顔画像撮影において、証明写真用撮影装置3とセンターサーバ7がオフライン状態の場合、真贋再判定が必要となるため、顔画像データのデータフォーマットと、チェックデジットを付加した撮影者ID及びパスワードの判定を行ったが、顔画像撮影中にオンライン状態となっている場合、これらのデータ内容判定処理は省略してもよい。
【0045】
センターサーバ7の制御部51は、発行した受付番号を記憶装置52の撮影者登録情報66の受付番号73として登録し、図6に示すように、証明写真用撮影装置3から受信した顔画像データを、記憶装置52に顔画像データ67として保存し(ステップS112)、撮影者登録情報66の撮影済みフラグ74を「オン」に設定する(ステップS113)。ステップS113の処理は、撮影者登録情報66が撮影済みフラグ74を保持しない場合、省略してもよい。
図6に示す記憶装置52の顔画像データ67は、例えば、撮影者登録情報66の撮影者ID71をファイル名とした画像データで、撮影者ID71と関連付けられている。
【0046】
更に、センターサーバ7の制御部51は、顔画像データ67を2分割以上に分割し、分割した顔画像データを撮影者ID71と共に、サブセンターサーバ1 8とサブセンターサーバ2等に送信し、保管するようにしてもよい(ステップS114)。この場合、センターサーバ7の記憶装置52に保存されていた顔画像データ67は消去する(ステップS115)。
【0047】
証明写真用撮影装置3の制御手段11は、センターサーバ7からデータ内容の判定結果を受け取り、否の場合(ステップS116)、表示操作手段13に顔画像受付が不可であったことを表示する(ステップS117)。
また、証明写真用撮影装置3からセンターサーバ7に顔画像データ、撮影者ID、パスワード等を送信した後、一定時間、センターサーバ7からデータ内容判定結果、受付番号等の応答がない場合はエラーとみなし、表示操作手段13上にエラー表示をする。
【0048】
データ内容の判定結果が可の場合(ステップS116)、証明写真用撮影装置3の制御手段11は、プリント手段17により撮影者ID、受信した受付番号を印刷したレシート20を発行する(ステップS118)。
撮影者ID及び受付番号は、レシート形式ではなく、カード形式等の他の形態でもよい。
被撮影者5は、レシート20をクレジット会社31、企業33、銀行35、学校37、カード製造会社39等に提出することにより、クレジット会社31、企業33、銀行35、学校37、カード製造会社39等では、レシート20に印刷された撮影者ID、受付番号を用いて被撮影者5の顔画像データを確実に特定し、顔写真41を印刷したカード40を発行してもらうことが可能となる。
【0049】
このように、本実施の形態によれば、既存の証明写真用撮影装置を利用した顔画像利用システム等を提供することができる。
【0050】
以上、添付図面を参照しながら本発明に係る顔画像利用システムの好適な実施形態について説明したが、前述した実施の形態に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】顔画像利用システム1の構成を示すブロック図
【図2】センターサーバ7のハードウエア構成を示す図
【図3】センターサーバ7の記憶装置52の詳細を示す図
【図4】センターサーバ7の記憶装置52内の撮影者登録情報66の詳細を示す図
【図5】顔画像利用システム1を用いた顔画像撮影の処理の流れを示すフローチャート
【図6】センターサーバ7の記憶装置52の詳細を示す図
【符号の説明】
【0052】
1………顔画像利用システム
3………証明写真用撮影装置
5………被撮影者
7………センターサーバ
8………サブセンターサーバ1
9………サブセンターサーバ2
11………制御手段
12………撮影手段
13………表示操作手段
14………キー入力手段
15………撮影者情報取得手段
16………金銭受付手段
17………プリント手段
18………データ送受信手段
20………レシート
21………ネットワーク
31………クレジット会社
33………企業
35………銀行
37………学校
39………カード製造会社
40………カード
41………顔写真

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークを介して、サーバと撮影装置が接続される顔画像利用システムであって、
前記撮影装置は、
顔画像を撮影して撮影画像データを生成する顔画像撮影手段と、
被撮影者の撮影者情報を取得する撮影者情報取得手段と、
前記撮影画像データと、前記撮影者情報を前記サーバに送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする顔画像利用システム。
【請求項2】
前記撮影者情報は、撮影者IDデータであることを特徴とする請求項1記載の顔画像利用システム。
【請求項3】
前記撮影者情報は、撮影者IDデータ及びパスワードであることを特徴とする請求項1記載の顔画像利用システム。
【請求項4】
前記撮影装置は、取得した前記撮影者情報に基づいて、被撮影者の顔画像撮影を許可する顔画像撮影許可手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の顔画像利用システム。
【請求項5】
前記撮影装置が具備する前記顔画像撮影許可手段は、取得した前記撮影者情報を前記サーバに送信し、前記サーバが前記撮影者情報に基づいて被撮影者の顔画像撮影の可否を判定し、判定結果を前記撮影装置に送信し、前記撮影装置は、前記判定結果に基づいて被撮影者の顔画像撮影を許可することを特徴とする請求項4記載の顔画像利用システム。
【請求項6】
前記撮影装置が具備する前記顔画像撮影許可手段は、前記サーバから送信される登録撮影者情報を保持し、取得した前記撮影者情報と前記登録撮影者情報を比較し、被撮影者の顔画像撮影の可否を判定することを特徴とする請求項4記載の顔画像利用システム。
【請求項7】
前記撮影装置が具備する前記送信手段は、前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を暗号化し、前記サーバに送信することを特徴とする請求項1記載の顔画像利用システム。
【請求項8】
前記サーバは、前記撮影装置から前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を受信すると、受付番号を発行し、前記受付番号及び前記撮影者情報を前記撮影装置に送信する送信手段を具備することを特徴とする請求項1記載の顔画像利用システム。
【請求項9】
前記サーバが具備する前記送信手段は、前記受付番号及び前記撮影者情報を暗号化して送信することを特徴とする請求項8記載の顔画像利用システム。
【請求項10】
前記撮影装置は、前記サーバから前記受付番号を受信すると、前記受付番号を被撮影者に提供する手段を更に具備することを特徴とする請求項8記載の顔画像利用システム。
【請求項11】
前記撮影装置は、前記サーバに前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を送信後、一定時間応答がない場合、エラー発生を被撮影者に伝える手段を更に具備することを特徴とする請求項8記載の顔画像利用システム。
【請求項12】
前記サーバは、前記撮影画像データを前記サーバの記憶手段に保管する手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の顔画像利用システム。
【請求項13】
前記サーバは、前記撮影画像データを2つ以上に分割し、複数の前記サーバの記憶手段に保管する手段を更に具備することを特徴とする請求項12記載の顔画像利用システム。
【請求項14】
前記サーバは、前記撮影者情報及び前記受付番号を用いて、前記撮影画像データを利用する手段を更に具備することを特徴とする請求項1記載の顔画像利用システム。
【請求項15】
ネットワークを介して、サーバと接続される撮影装置であって、
前記撮影装置は、
顔画像を撮影して撮影画像データを生成する顔画像撮影手段と、
被撮影者の撮影者情報を取得する撮影者情報取得手段と、
前記撮影画像データと、前記撮影者情報を前記サーバに送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする撮影装置。
【請求項16】
前記撮影者情報は、撮影者IDデータであることを特徴とする請求項15記載の撮影装置。
【請求項17】
前記撮影者情報は、撮影者IDデータ及びパスワードであることを特徴とする請求項15記載の撮影装置。
【請求項18】
取得した前記撮影者情報に基づいて、被撮影者の顔画像撮影を許可する顔画像撮影許可手段を更に具備することを特徴とする請求項15記載の撮影装置。
【請求項19】
前記撮影装置が具備する前記顔画像撮影許可手段は、取得した前記撮影者情報を前記サーバに送信し、前記サーバが前記撮影者情報に基づいて被撮影者の顔画像撮影の可否を判定し、判定結果を前記撮影装置に送信し、前記撮影装置は、前記判定結果に基づいて被撮影者の顔画像撮影を許可することを特徴とする請求項18記載の撮影装置。
【請求項20】
前記撮影装置が具備する前記顔画像撮影許可手段は、前記サーバから送信される登録撮影者情報を保持し、取得した前記撮影者情報と前記登録撮影者情報を比較し、被撮影者の顔画像撮影の可否を判定することを特徴とする請求項18記載の撮影装置。
【請求項21】
前記撮影装置が具備する前記送信手段は、前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を暗号化し、前記サーバに送信することを特徴とする請求項15記載の撮影装置。
【請求項22】
前記サーバが、前記撮影装置から前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を受信して発行した受付番号を受信すると、前記受付番号を被撮影者に提供する手段を更に具備することを特徴とする請求項15記載の撮影装置。
【請求項23】
前記サーバに前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を送信後、一定時間応答がない場合、エラー発生を被撮影者に伝える手段を更に具備することを特徴とする請求項15記載の撮影装置。
【請求項24】
ネットワークを介して、撮影装置と接続されるサーバであって、
前記サーバは、
前記撮影装置から前記撮影画像データ及び前記撮影者情報を受信すると、受付番号を発行し、前記受付番号及び前記撮影者情報を前記撮影装置に送信する送信手段を具備することを特徴とするサーバ。
【請求項25】
前記サーバが具備する前記送信手段は、前記受付番号及び前記撮影者情報を暗号化して送信することを特徴とする請求項24記載のサーバ。
【請求項26】
前記撮影画像データを前記サーバの記憶手段に保管する手段を更に具備することを特徴とする請求項24記載のサーバ。
【請求項27】
前記撮影画像データを2つ以上に分割し、複数の前記サーバの記憶手段に保管する手段を更に具備することを特徴とする請求項26記載のサーバ。
【請求項28】
前記撮影者情報及び前記受付番号を用いて、前記撮影画像データを利用する手段を更に具備することを特徴とする請求項25記載のサーバ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−116441(P2009−116441A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−286046(P2007−286046)
【出願日】平成19年11月2日(2007.11.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】