説明

類似分析装置、画像表示装置、画像表示プログラム、および画像表示方法

【課題】所定の人物の顔画像と、撮影画像中の顔との類似度合を精度良く分析することができる類似分析装置、画像表示装置、画像表示プログラム、および画像表示方法を提供することを目的とする。
【解決手段】撮影日時が対応付けられた複数の撮影画像を取得する画像取得部と、顔が撮影されてなる、撮影日時が対応付けられた顔画像を登録する画像登録部と、画像取得部で取得された複数の撮影画像それぞれについて顔を検出し、検出した顔と、前記画像登録部で登録された顔画像中の顔との類似度合いを算出する類似度算出部と、撮影画像に対応付けられた撮影日時と、顔画像に対応付けられた撮影日時との差分が大きい程大きく、顔類似度算出部で算出された顔類似度合いを低減させる類似度低減部とを備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の顔同士の類似度を分析する類似分析装置、撮影画像の一覧を表示する画像表示装置、画像表示プログラム、および画像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、デジタルカメラの小型化が急速に進んできたことに加えて、日ごろから常に携帯している携帯電話などといった小型機器に撮影装置を搭載することが広く行われており、撮影装置を手軽に持ち運ぶことができるようになってきている。デジタルカメラや、小型機器に搭載された撮影装置では、デジタルの撮影画像が取得されるため、撮影画像をその場ですぐに液晶ディスプレイなどに表示して確認したり、不要な撮影画像をプリント出力する前に削除することができる。さらに、複数枚の撮影画像をまとめて記録メディア等に記録しておくことによって、保管の際にかさ張らず、撮影画像を高画質なままで保管することができる。
【0003】
撮影画像を効率よく整理する方法として、パーソナルコンピュータを使って撮影画像を整理するためのアルバム用アプリケーションが広く用いられてきている。パーソナルコンピュータは、大容量なハードディスク装置が備えられているため、残容量を気にせずに大量の撮影画像を保存しておくことができるうえ、撮影画像をコピーしたり、撮影画像を電子メールなどに添付するなどといった作業が容易であるという利点がある。
【0004】
また、画像処理の分野では、撮影画像中の撮影シーンを解析するシーン解析技術や、撮影画像中の顔を抽出する顔抽出技術などが広く知られており、アルバム用アプリケーションの分野においても、これらシーン解析技術や顔抽出技術を応用した付加機能の開発が進められている。この点に関し、予め顔画像を登録しておくと、ハードディスク装置などに記憶されている大量の撮影画像の中から、その登録されている顔画像と似ている顔が写っている撮影画像を検索して表示する画像表示方法が考案されてきている(例えば、特許文献1および特許文献2参照)。このような画像表示方法によると、大量の撮影画像が保存されている場合であっても、友人や家族などが写っている撮影画像を容易に見つけだして電子メール等で配布することができ、コミュニケーションの向上を図ることができる。
【特許文献1】特開2006−314010号公報
【特許文献2】特開2004−172849号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、上述した顔抽出技術などでは、撮影画像中の、目や鼻や口などといった特徴的な形状を有する画像部分を検索して顔を抽出するものが一般的である。このため、例えば、娘が写っている撮影画像を検索しようとすると、顔の各部位の形状が似ている若いころの母親の撮影画像まで検索されてしまったり、顔の各部位が丸みを帯びている赤ちゃん同士を区別することが困難であるという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、所定の人物の顔画像と、撮影画像中の顔との類似度合を精度良く分析することができる類似分析装置、画像表示装置、画像表示プログラム、および画像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明の類似分析装置は、撮影日時が対応付けられた複数の撮影画像を取得する画像取得部と、
顔が撮影されてなる、撮影日時が対応付けられた顔画像を登録する画像登録部と、
画像取得部で取得された複数の撮影画像それぞれについて顔を検出し、検出した顔と、画像登録部で登録された顔画像中の顔との類似度合いを算出する類似度算出部と、
撮影画像に対応付けられた撮影日時と、顔画像に対応付けられた撮影日時との差分が大きい程大きく、顔類似度算出部で算出された顔類似度合いを低減させる類似度低減部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明の類似分析装置によると、撮影画像中の顔と、登録された顔画像中の顔との類似度合いが、撮影画像の撮影日時と顔画像の撮影日時との差分が大きい程大きく低減される。例えば、娘の顔画像を登録した場合、類似度算出部では、若いころの母親が写っている撮影画像について高い類似度合いが算出されるが、それらの撮影画像が撮影された撮影日時は大きく離れているため、類似度低減部において、算出された類似度合いが大きく低減される。このように、本発明の類似分析装置によると、画像中の顔の類似度合いに加えて、それらの画像が撮影された撮影日時の差分も考慮されるため、精度良く類似度合いを分析することができる。
【0009】
また、本発明の類似分析装置において、上記画像登録部は、撮影日時に加えて、年齢も対応付けられた顔画像を登録するものであり、
上記類似度低減部は、類似度を低減させるに当たり、差分が大きい程大きい低減度、かつ年齢に応じた低減度で低減させるものであることが好ましい。
【0010】
通常、子供のころは大きく顔が変わるが、大人になると顔の変化が小さくなることが一般的である。例えば、子供の年齢では類似度を大きく低減させ、大人の年齢では類似度の低減を抑えることによって、類似度合いの算出精度を向上させることができる。
【0011】
また、上記目的を達成する本発明の画像表示装置は、撮影日時が対応付けられた複数の撮影画像を取得する画像取得部と、
顔が撮影されてなる、撮影日時が対応付けられた顔画像を登録する画像登録部と、
画像取得部で取得された複数の撮影画像それぞれについて顔を検出し、検出した顔と、前記画像登録部で登録された顔画像中の顔との類似度合いを算出する類似度算出部と、
撮影画像に対応付けられた撮影日時と、顔画像に対応付けられた撮影日時との差分が大きい程大きく、顔類似度算出部で算出された顔類似度合いを低減させる類似度低減部と、
画像取得部で取得された複数の撮影画像を類似度合いが大きい順に並べて表示する画像表示部とを備えたことを特徴とする。
【0012】
本発明の画像表示装置によると、大量の撮影画像が保存されている場合であっても、それらの撮影画像のうち所定の人物の顔と類似度合いが大きい顔が写っている撮影画像を効率よく確認することができる。
【0013】
また、本発明の画像表示装置において、上記画像登録部は、撮影日時に加えて、年齢も対応付けられた顔画像を登録するものであり、
上記類似度低減部は、前記類似度を低減させるに当たり、前記差分が大きい程大きい低減度、かつ前記年齢に応じた低減度で低減させるものであることが好適である。
【0014】
この好適な画像表示装置によると、顔画像中の顔と撮影画像中の顔との類似度合いをさらに精度良く算出することができる。
【0015】
また、本発明の画像表示装置において、上記画像表示部は、類似度合の軸を有する3次元空間を表示し、その3次元空間上における、類似度低減部で低減された撮影画像の類似度合の位置に撮影画像を配置するものであることが好ましい。
【0016】
3次元空間上の撮影画像の配置位置によって、その撮影画像中の顔と顔画像中の顔との類似度合いを容易に確認することができる。
【0017】
また、本発明の画像表示装置は、類似度合の軸を有する2次元空間を表示し、その2次元空間上における、類似度低減部で低減された撮影画像の類似度合の位置に、撮影画像が存在することを示すマークを配置する補助表示部を備えたことが好ましい。
【0018】
大量の撮影画像を類似度合の大きいものから順に配置して表示すると、それらの撮影画像の配置位置が重なり合ってしまって、撮影画像の有無が見えにくくなってしまう恐れがある。画像表示部における表示に加えて、2次元空間上にマークを配置して表示することによって、撮影画像の存在を容易に認識することができる。
【0019】
また、本発明の画像表示装置は、2次元空間上の、前記類似度合の軸とは別の軸に沿った指定枠を表示する、操作に応じて該指定枠を該類似度合の軸に沿って移動させることにより、2次元空間上で該類似度合を指定する指定部と、
上記3次元表示部に、上記指定部によって指定された類似度合の撮影画像を最前面に配置させる表示制御部とを備えたことが好ましい。
【0020】
2次元空間上の指定枠を移動させることによって、3次元空間上の表示を容易に切り替えることができる。
【0021】
また、本発明の画像表示装置において、上記指定部によって指定された類似度合の撮影画像の数を表示する画像数表示部を備えたことが好適である。
【0022】
この好適な画像表示装置によると、指定部によって指定された類似度合いの撮影画像の数を容易に確認することができる。
【0023】
また、本発明の画像表示装置において、上記画像取得部が、複数の撮影画像が記憶された記憶装置から該複数の撮影画像を取得するものであることが好適である。
【0024】
この好適な画像表示装置によると、ハードディスク装置などに撮影画像が大量に記憶されている場合であっても、登録された顔画像中の顔と似た顔が写っている撮影画像を容易に確認することができる。
【0025】
また、上記目的を達成する本発明の画像表示プログラムは、コンピュータ内で実行され、コンピュータ上に、
撮影日時が対応付けられた複数の撮影画像を取得する画像取得部と、
顔が撮影されてなる、撮影日時が対応付けられた顔画像を登録する画像登録部と、
画像取得部で取得された複数の撮影画像それぞれについて顔を検出し、検出した顔と、画像登録部で登録された顔画像中の顔との類似度合いを算出する類似度算出部と、
撮影画像に対応付けられた撮影日時と、顔画像に対応付けられた撮影日時との差分が大きい程大きく、顔類似度算出部で算出された顔類似度合いを低減させる類似度低減部と、
画像取得部で取得された複数の撮影画像を類似度合いが大きい順に並べて表示する画像表示部とを構築することを特徴とする。
【0026】
尚、画像表示プログラムについては、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明にいう画像表示プログラムには、上記の基本形態のみではなく、前述した画像表示装置の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
【0027】
さらに、本発明の画像表示プログラムがコンピュータシステム上に構築する画像取得部などといった要素は、1つの要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよく、複数の要素が1つのプログラム部品によって構築されるものであってもよい。また、これらの要素は、そのような作用を自分自身で実行するものとして構築されてもよく、あるいはコンピュータシステムに組み込まれている他のプログラムやプログラム部品に指示を与えて実行するものとして構築されてもよい。
【0028】
また、上記目的を達成する本発明の画像表示方法は、撮影日時が対応付けられた複数の撮影画像を取得する画像取得過程と、
顔が撮影されてなる、撮影日時が対応付けられた顔画像を登録する画像登録過程と、
画像取得過程で取得された複数の撮影画像それぞれについて顔を検出し、検出した顔と、画像登録過程で登録された顔画像中の顔との類似度合いを算出する類似度算出過程と、
撮影画像に対応付けられた撮影日時と、顔画像に対応付けられた撮影日時との差分が大きい程大きく、顔類似度算出部で算出された顔類似度合いを低減させる類似度低減過程と、
画像取得過程で取得された複数の撮影画像を類似度合いが大きい順に並べて表示する画像表示過程とを有することを特徴とする。
【0029】
本発明の画像表示方法によると、大量の撮影画像が保存されている場合であっても、それらの撮影画像のうち所定の人物の顔と類似度合いが大きい顔が写っている撮影画像を効率よく確認することができる。
【0030】
尚、画像表示方法についても、ここではその基本形態のみを示すのにとどめるが、これは単に重複を避けるためであり、本発明にいう画像表示方法には、上記の基本形態のみではなく、前述した画像表示装置の各形態に対応する各種の形態が含まれる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、所定の人物の顔画像と、撮影画像中の顔との類似度合を精度良く分析することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0033】
図1は、本発明の一実施形態が適用されたパーソナルコンピュータの外観構成図である。
【0034】
パーソナルコンピュータ100は、外観構成上、本体装置101、その本体装置101からの指示に応じて表示画面102a上に画像を表示する画像表示装置102、本体装置101にキー操作に応じた各種の情報を入力するキーボード103、および、表示画面102a上の任意の位置を指定することにより、その位置に表示された、例えばアイコン等に応じた指示を入力するマウス104を備えている。また、図示しないが、この本体装置101は、DVDやCD−ROMが装填されるCD/DVD装填口、およびフレキシブルディスク(以下では、FDと省略する)を装填するためのFD装填口を有している。
【0035】
図2は、パーソナルコンピュータ100の内部構成図である。
【0036】
本体装置101の内部には、図2に示すように、各種プログラムを実行するCPU111、ハードディスク装置113に格納されたプログラムが読み出されCPU111での実行のために展開される主メモリ112、各種プログラムやデータ等が保存されたハードディスク装置113、CD−ROM300やDVDが装填され、その装填されたCD−ROM300やDVDをアクセスするCD/DVDドライブ114、FD310が装填され、装填されたFD310をアクセスするFDドライブ115、およびデジタルカメラなどといった外部装置と接続され、その外部装置との間でデータの送受信を行う通信インタフェース116が備えられており、これらの各種要素と、さらに図2にも示す画像表示装置102、キーボード103、およびマウス104は、バス105を介して相互に接続されている。
【0037】
ここで、CD−ROM300には、本発明の画像表示プログラムの一実施形態が適用された画像表示プログラムが記憶されている。そのCD−ROM300はCD/DVDドライブ114に装填され、そのCD−ROM300に記憶された画像表示プログラムがこのパーソナルコンピュータ100にアップロードされてハードディスク装置113に記憶される。そして、この表示プログラムが起動されて実行されることにより、パーソナルコンピュータ100内に、本発明の画像表示装置の一実施形態が適用された撮影画像表示装置500(図4参照)が構築される。
【0038】
次に、このパーソナルコンピュータ100内で実行される画像表示プログラムについて説明する。
【0039】
図3は、画像表示プログラムが記憶されたCD−ROM300を示す概念図である。
【0040】
画像表示プログラム400は、指示部410、取込部412、登録部413、撮影情報・画像取得部414、位置算出部415、2次元画像生成部416、3次元画像生成部417、分析部418、表示部419、強調表示部420、画像記憶部421、数表示部422、および制御部423で構成されており、分析部418は、さらに、顔抽出部4181と、類似度算出部4182と、差分算出部4183と、類似度決定部4184とを有している。画像表示プログラム400の各部の詳細については、撮影画像表示装置500の各部の作用と一緒に説明する。
【0041】
尚、図3では、画像表示プログラムを記憶する記憶媒体としてCD−ROM300が例示されているが、本発明の表示プログラムを記憶する記憶媒体はCD−ROMに限られるものではなく、それ以外の光ディスク、MO、FD、磁気テープなどの記憶媒体であってもよい。また、本発明の表示プログラムは、記憶媒体を介さずに、通信網を介して直接にコンピュータに供給されるものであってもよい。
【0042】
図4は、画像表示プログラム400を図1に示すパーソナルコンピュータ100にインストールしたときの、パーソナルコンピュータ100内に構築される撮影画像表示装置500の機能ブロック図である。
【0043】
図4に示す撮影画像表示装置500は、指示部511と、取込部512と、登録部513と、撮影情報・画像取得部514と、位置算出部515と、2次元画像生成部516と、3次元画像生成部517と、分析部518と、表示部519と、強調表示部520と、画像記憶部521と、数表示部522と、制御部523と、保存部501とを備えており、分析部518は、さらに、顔抽出部5181と、類似度算出部5182と、差分算出部5183と、類似度決定部5184とを有している。図3に示す画像表示プログラム400を図1に示すパーソナルコンピュータ100にインストールすると、画像表示プログラム400の指示部410は図4の指示部511を構築し、以下同様に、取込部412は取込部512を構築し、登録部413は登録部513を構築し、撮影情報・画像取得部414は撮影情報・画像取得部514を構築し、位置算出部415は位置算出部515を構築し、2次元画像生成部416は2次元画像生成部516を構築し、3次元画像生成部417は3次元画像生成部517を構築し、分析部418は分析部518を構築し、顔抽出部4181は顔抽出部5181を構築し、類似度算出部4182は類似度算出部5182を構築し、差分算出部4183は差分算出部5183を構築し、類似度決定部4184は類似度決定部5184を構築し、表示部419は表示部519を構築し、強調表示部420は強調表示部520を構築し、画像記憶部421は画像記憶部521を構築し、数表示部422は数表示部522を構築し、制御部423は制御部523を構築する。
【0044】
図4の各要素は、コンピュータのハードウェアとそのコンピュータで実行されるOSやアプリケーションプログラムとの組合せで構成されているのに対し、図3に示す画像表示プログラム400の各要素はそれらのうちのアプリケーションプログラムのみにより構成されている点が異なる。
【0045】
以下、図4に示す撮影画像表示装置500の各要素を説明することによって、図3に示す画像表示プログラム400の各要素も併せて説明する。
【0046】
図4に示す撮影画像表示装置500は、被写体が撮影された撮影画像を表わす撮影画像データの一覧を表示するとともに、ユーザによって選択された撮影画像データを記録媒体などに記録するものである。
【0047】
取込部512は、図1に示すパーソナルコンピュータ100に、デジタルカメラが接続されたり、撮影画像が記録された記録メディアが接続されると、撮影日時や撮影条件などを示す撮影情報が付加された撮影画像を取得する。取得された撮影画像データや撮影情報は、登録部513に伝えられる。
【0048】
登録部513は、取込部512から送られてきた撮影画像データが表す撮影画像を縮小してサムネイル画像を生成し、撮影情報やサムネイル画像とともに、撮影画像データを保存部501に保存する。
【0049】
保存部501は、図2に示すハードディスク装置113がその役割を担うものであり、撮影画像を表わす撮影画像データ、撮影画像の撮影条件や撮影日時などを示す撮影情報、撮影画像が縮小されたサムネイル画像がセットで保存されている。保存部501は、本発明にいう記憶装置の一例に相当する。
【0050】
ここで、本実施形態の撮影画像表示装置500には、保存部501に保存されている撮影画像を撮影日時に基づいて並べて表示する「撮影日時モード」と、予め顔画像を登録しておき、保存部501に保存されている撮影画像を、登録された顔画像中の顔と類似度合いが大きい顔が写っているものから順に並べて表示する「人物モード」が搭載されており、「撮影日時モード」を実行するための撮影日時ボタンと、「人物モード」を実行するための人物ボタンが予め用意されている。まずは、「撮影日時モード」による撮影画像の一覧表示について説明する。
【0051】
図5は、撮影日時モードによる撮影画像の一覧表示の処理の流れを示すフローチャート図である。
【0052】
ユーザがマウス104等を使って撮影日時ボタンを選択すると、図4の指示部511から撮影情報・画像取得部514に「撮影日時モード」の実行指示が伝えられる。
【0053】
一覧表示の指示が伝えられると、撮影情報・画像取得部514では、保存部501に保存されているサムネイル画像、および撮影情報が取得される(図5のステップS1、ステップS2)。このサムネイル画像は、撮影画像を縮小したものであり、撮影画像と同等のデータである。取得された撮影情報は、位置算出部515に伝えられ、取得されたサムネイル画像は、3次元画像生成部517に伝えられる。
【0054】
位置算出部515では、1日を4時間毎に区切る軸、4時間をさらに1時間毎に区切る軸、1日を示す軸それぞれを3軸とする3次元空間上の、撮影情報・画像取得部514から伝えられた撮影情報に含まれる撮影日時が対応する3次元上位置と、1日を4時間毎に区切る軸、1日を示す軸それぞれを2軸とする2次元空間上の、3次元上位置に対応する2次元上位置が算出される(図5のステップS3)。
【0055】
図6は、3次元空間の一例を示す概念図であり、図7は、2次元空間の一例を示す概念図である。
【0056】
図6に示すように、本実施形態においては、1日を4時間毎に区切った値をY軸(縦方向)、Y軸に割り当てられた4時間をさらに1時間毎に区切った値をX軸(横方向)、1日をZ軸(奥行き方向)とする3次元空間が適用される。
【0057】
3次元空間のX軸には、1を起点として、2,3,4の値が順に割り付けられており、撮影日時(YYYY年MM月DD日 HH時PP分)の「時間HH」を4で割った値に1を加えた値がX軸上の値として取得される。
【0058】
3次元空間のY軸には、23時〜20時の間の4時間を起点として、19時〜16時、…、7時〜4時、3時〜0時と4時間ごとに順に割り付けられている。撮影日時(YYYY年MM月DD日 HH時PP分)の「時間HH」を4で割った値がY軸上の値として取得される。
【0059】
3次元空間のZ軸には、今日を起点として、昨日、おととい、…と順に割り付けられており、撮影日時(YYYY年MM月DD日 HH時PP分)の日付「YYYY年MM月DD日」に基づいて、Z軸上の値が算出される。
【0060】
また、図7に示すように、本実施形態においては、1日を4時間毎に区切った値をX軸(横方向)、1日をY軸(縦方向)とする2次元空間が適用される。
【0061】
2次元空間のX軸には、図6に示す3次元空間のY軸と同様に、23時〜20時の間の4時間を起点として、19時〜16時、…、7時〜4時、3時〜0時と4時間ごとに順に割り付けられおり、3次元空間におけるY軸上の値がそのまま2次元空間におけるX軸上の値として算出される。
【0062】
2次元空間のY軸には、今日を起点として、昨日、おととい、…と順に割り付けられており、3次元空間におけるZ軸上の値がそのまま2次元空間におけるY軸上の値として算出される。
【0063】
例えば、同じ日の同じ時間帯に複数の撮影画像が撮影されると、3次元空間上の位置としては、各撮影画像の撮影日時のうちの「時間HH」それぞれに対応した複数の位置が算出されるが、2次元空間上の位置としては、それら複数の撮影画像に対して同じ位置が算出される。すなわち、2次元空間上のマークは、同じ日の同じ時間帯に撮影された撮影画像が1つ以上存在することを示している。
【0064】
算出された2次元空間上の位置(2次元上位置)は、2次元画像生成部516に伝えられ、3次元空間上の位置(3次元上位置)は、3次元画像生成部517に伝えられる。
【0065】
2次元画像生成部516では、2次元空間上の、位置算出部515から伝えられた2次元上位置に、撮影画像が存在することを示すマークが配置されて2次元画像が生成される(図5のステップS4)。生成された2次元画像は、表示部519に伝えられる。
【0066】
制御部523では、表示部519に、2次元空間上にY軸に沿ったスクロールバーを表示させる指示が伝えられる。
【0067】
3次元画像生成部517では、撮影情報・画像取得部514から送られてきたサムネイル画像が、3次元空間上の、位置算出部515から伝えられた位置に配置されて3次元画像が生成される(図5のステップS5)。生成された3次元画像は、表示部519に伝えられる。
【0068】
また、数表示部522では、3次元画像上で最前面に表示される撮影画像の枚数が算出され、算出された撮影枚数が表示部519に伝えられる。
【0069】
表示部519は、2次元画像生成部516から伝えられた2次元画像と、3次元画像生成部517から伝えられた3次元画像と、制御部523によって指示されたスクロールバーと、数表示部522から伝えられた撮影枚数を表示画面102a上に表示する(図5のステップS6)。
【0070】
図8は、3次元画像600、2次元画像620、およびスクロールバー623が表示された表示画面102aの一例を示す図である。
【0071】
尚、一覧表示が指示されて、3次元画像600、2次元画像620、およびスクロールバー623が表示された初期状態においては、3次元画像600および2次元画像620には、今日を起点として1週間分の期間を表わす領域のみが表示されている。
【0072】
図8に示す3次元画像600では、同じ日に撮影された撮影画像のサムネイル画像610は同一面上に並べて表示されている。各サムネイル画像610のY軸上の位置は、そのサムネイル画像610が表わす撮影画像が撮影された時間帯(4時間毎)を示しており、各サムネイル画像610のX軸上の位置は、Y軸が示す時間帯の中での1時間毎の時間を示している。例えば、サムネイル画像610のY軸上の位置が「8時〜11時」で、X軸上の位置が「2」である場合、その配置位置は、サムネイル画像610が撮影された時間が、Y軸上の位置が示す時間帯「8、9、10、11時」のうちの2番目に早い時間の「9時」であることを示している。また、3次元画像600に並べて、「撮影日時モード」による撮影画像の一覧表示を行うための撮影日時ボタン631と、「人物モード」による撮影画像の一覧表示を行うための人物ボタン632も表示されている。
【0073】
このように、本実施形態の撮影画像表示装置500によると、同じ日に撮影された撮影画像のサムネイル画像は3次元画像600中で同一面上に並ぶため、例えば、入学式で撮影した撮影画像などをまとめて確認することができる。
【0074】
また、図8に示す2次元画像620では、X軸を4時間毎の値、Y軸を日とする2次元空間上の、3次元画像600上で各サムネイル画像610が配置された位置と対応する位置にマーク621が表示されている。マーク621は、Y軸が示す「日」の、X軸が示す「時間帯」に撮影された撮影画像が存在することを示している。この2次元画像620を確認することによって、所定の日に撮影された撮影画像が存在するか否かを容易に認識することができる。
【0075】
さらに、2次元画像620には、Y軸(日)に沿って延び、2次元画像620上で日を指定するスクロールバー623と、スクロールバー623によって選択されている日の範囲を取り囲む枠622と、枠622に取り囲まれた撮影日時に撮影された撮影画像の枚数を示す数表示部624と、上述した期間を切り替えるための期間変更ボタン625と、および日を切り替える日変更ボタン626も表示されている。
【0076】
枠622に取り囲まれた撮影日時は、3次元画像600上で最前面に表示されている撮影画像の撮影日であり、数表示部624を確認することによって、同じ日に撮影された撮影画像の枚数を容易に認識することができる。
【0077】
また、ポインタ601の右ボタンをクリックすると、サムネイル画像を選択するためのポップアップウィンドウ640が表示される。
【0078】
図9は、ポップアップウィンドウが表示された後の表示画面102aの一例を示す図である。
【0079】
図9に示すポップアップウィンドウ640には、同じ時間帯に撮影された撮影画像を表わすサムネイル画像をまとめて選択するための「奥行きメニュー」、同じ日の同じ時間帯に撮影された撮影画像を表わすサムネイル画像をまとめて選択するための「行メニュー」、同じ日に撮影された撮影画像を表わすサムネイル画像をまとめて選択するための「面メニュー」が用意されている。
【0080】
ユーザがポップアップウィンドウ640を使ってサムネイル画像610を選択すると(図5のステップS7:Yes)、図4の指示部511から強調表示部520に指定内容が伝えられ、強調表示部520によって、選択されたサムネイル画像610と、そのサムネイル画像610に対応するマーク621が強調表示される(図5のステップS8)。図9の例では、ユーザによってポップアップウィンドウ640の「面メニュー」が指定され、同じ日に撮影された撮影画像を表わすサムネイル画像610がまとめて選択されて強調表示(点灯表示)されていおり、2次元画像620上の、それら選択されたサムネイル画像610が表わす番組の配信日時に対応する位置に配置されたマーク621も強調表示(白抜き表示)されている。このように、選択されているサムネイル画像と、それらサムネイル画像に対応するマーク画像を強調表示することによって、現在、選択されているサムネイル画像が表わす撮影画像がいつ撮影されたものなのかを視覚的に容易に確認することができる。
【0081】
サムネイル画像610が選択された状態で、ユーザが図1に示すマウス104を右クリックすると、選択したサムネイル画像610の撮影画像を記録媒体に記憶するためのポップアップウィンドウが表示される。
【0082】
ユーザがポインタ601を使ってポップアップウィンドウ上に表示された指示を選択すると(図5のステップS9:Yes)、指示内容が図4の画像記憶部521に伝えられる。画像記憶部521では、保存部501から、選択されたサムネイル画像610の撮影画像データが取得され、撮影画像データが図2に示すCD/DVDドライブ114を介して、CD−ROM300に替えてパーソナルコンピュータ100に装填されたDVD(図示しない)などに記憶される(図5のステップS10)。
【0083】
以上のように、「撮影日時モード」によると、多くの撮影番組が保存部501に保存されており、3次元画像600上で奥行き方向のサムネイル画像が重なってしまっていても、2次元画像620を確認することによって、どの日に撮影を行ったのかなどを容易に認識することができる。
【0084】
以上で、「撮影日時モード」による処理の流れの説明を終了し、「人物モード」による処理の流れについて説明する。
【0085】
「人物モード」が実行されるのに当たっては、予め、人物の顔が撮影された顔画像が登録される。画像処理装置500には、顔画像を登録するための登録画面が予め用意されている。ユーザがマウスで登録画面を表示するための表示ボタンを選択すると、図4に示す指示部511から撮影情報・画像取得部514に登録画面表示の指示が伝えられる。撮影情報・画像取得部514では、保存部501に記憶されている撮影画像が取得され、取得された撮影画像が顔抽出部5181に伝えられる。顔抽出部5181では、複数の撮影画像それぞれについて顔が抽出される。抽出された顔の画像は、表示部519に伝えられ、表示部519において、表示画面102a上に登録画面が表示される。
【0086】
図10は、登録画面の一例を示す図である。
【0087】
図10のパート(A)に示す登録画面710には、保存部501に保存されている撮影画像から抽出された顔画像720が表示されており、さらに、次の顔画像720のページを表示するための次ボタン712、前の顔画像720のページを表示するための戻るボタン711、設定内容を決定するための決定ボタン713、および設定内容をキャンセルするためのキャンセルボタン714が備えられている。本実施形態においては、1人の人物に対して複数の顔画像720を登録することができる。ユーザが、登録画面710に表示されている顔画像720の中から、所定の人物の顔画像720を選択し、決定ボタン713を押すと、その人物の情報を入力するための情報入力画面730が表示される。
【0088】
図10のパート(B)に示す情報入力画面730には、パート(A)に示す登録画面710で選択された顔画像720が表示されており、さらに、人物名を入力するための人物名入力部731、人物の生年月日を入力するための生年月日入力部732、および設定内容を決定するための登録ボタン733が備えられている。ユーザが、人物名および人物の生年月日を入力すると、生年月日が図4に示す差分算出部5183に伝えられる。差分算出部5183では、入力された生年月日と、顔画像720の元となる撮影画像の撮影日時とに基づいて、顔画像720中の顔を有する人物の、撮影時の年齢(以下では、撮影時年齢と称する)が算出される。算出された年齢は表示部519に伝えられ、情報入力画面730上の、年齢表示部721に表示される。ユーザが登録ボタン733を選択すると、各顔画像720それぞれに、元の撮影画像の撮影日時、人物名、人物の生年月日、および年撮影時年齢を示す人物情報が対応付けられ、顔画像720と人物情報のセットが取込部512および登録部513を介して保存部501に登録される。登録部513は、本発明にいう画像登録部の一例にあたり、人物を登録する処理は、本発明の画像表示方法における画像登録過程の一例に相当する。
【0089】
ユーザが図8に示す人物ボタン632を選択すると、図4の指示部511から撮影情報・画像取得部514と分析部518に「人物モード」の実行指示が伝えられる。
【0090】
図11は、人物モードによる処理の流れを示すフローチャート図である。
【0091】
「人物モード」の実行指示が伝えられると、撮影情報・画像取得部514は、保存部501に登録されている顔画像720と人物情報のセットを取得し、人物情報を表示部519に伝える。表示部519は、表示画面102aに、人物を選択するための人物選択画面を表示する。
【0092】
図12は、人物選択画面の一例を示す図である。
【0093】
人物選択画面740には、保存部501に登録されている人物の名前が表示されており、各人物の名前に並べて、1人の人物を選択するためのラジオボタン741が表示されている。ユーザがマウス140などを使って1人の人物を選択し、決定ボタン742を押すと、選択内容が撮影情報・画像取得部514に伝えられる(図11のステップS11)。
【0094】
人物が選択されると、撮影情報・画像取得部514は、保存部501に保存されている複数の撮影画像および撮影情報と、選択された人物の顔画像720および人物情報を取得し、複数の撮影画像を顔抽出部5181に伝え、選択された人物の顔画像720および人物情報を類似度算出部5182に伝え、撮影情報と人物情報を差分算出部5183および類似度決定部5184に伝える。撮影情報・画像取得部514は、本発明にいう画像取得部の一例にあたり、複数の撮影画像を取得する処理は、本発明の画像表示方法における画像取得過程の一例に相当する。
【0095】
顔抽出部5181では、複数の撮影画像それぞれについて顔が抽出される。画像中の顔を抽出する処理は、従来から広く行われている処理であるため、本明細書では詳細な説明を省略する。抽出された顔画像は、類似度算出部5182に伝えられる。
【0096】
類似度算出部5182では、顔画像720と、複数の撮影画像それぞれについて抽出された顔との仮の類似度が算出される(図11のステップS12)。複数の画像それぞれに含まれる顔の類似度を算出する技術は、人物認証システムなどに広く利用されているため、本明細書では詳細な説明を省略する。顔抽出部5181と類似度算出部5182とを合わせたものは、本発明にいう類似度算出部の一例にあたり、撮影画像中の顔を抽出して、抽出した顔と登録されている顔画像720との類似度を算出する処理は、本発明の画像表示方法における類似度算出過程の一例に相当する。
【0097】
差分算出部5183では、複数の撮影画像それぞれと対応付けられた撮影情報に含まれている撮影日時と、顔画像720と対応付けられた人物情報に含まれている撮影日時と、人物情報に含まれている撮影時年齢とに基づいて、撮影画像中の人物が顔画像720の人物であると想定したときの、その人物の、撮影画像を撮影したときの年齢(以下では、想定年齢と称する)が算出される(図11のステップS13)。算出された想定年齢は、類似度決定部5184に伝えられる。
【0098】
類似度決定部5184では、差分算出部5183で算出された想定年齢と、顔画像720の人物の撮影時年齢とに基づいて、類似度算出部5182で算出された仮の類似度が低減され、顔画像720中の顔と、撮影画像中の顔との類似度が決定される(図11のステップS14)。差分算出部5183と類似度決定部5184とを合わせたものは、本発明にいう類似度低減部の一例にあたり、仮の類似度を低減するステップS13の処理は、本発明にいう類似度低減過程の一例に相当する。本実施形態においては、年齢別に類似度の低減率が予め決められている。
【0099】
表1は、年齢別の類似度の低減率の例を示す表である。
【0100】
【表1】

【0101】
撮影時年齢と想定年齢とを1歳近づけるごとに、仮の類似度から表1に示す低減率だけ類似度を低減させていく。例えば、顔画像720の人物の撮影時年齢が5歳で、分析対象である撮影画像中の人物の想定年齢が1歳である場合、類似度の低減率は、
低減率(1歳→5歳)=1歳から2歳を経るときの低減率20+2歳から3歳を減るときの低減率10+3歳から4歳を経るときの低減率10+4歳から5歳を減るときの低減率10=50%
と算出され、顔画像720の人物(5歳)に対する撮影画像中の人物の想定年齢(1歳)の類似度は、
類似度=仮の類似度×(100−低減率(50))
の式で算出される。本実施形態においては、想定年齢と撮影時年齢との差が大きいほど低減率が大きくなっている。例えば、母親の若いころの顔と、娘の現在の顔とが良く似ている場合、それらの顔の形状に基づいて算出される仮の類似度は大きくなるが、母親の若いころの顔が写っている撮影画像の撮影日時は、娘の現在の顔が写っている顔画像の撮影日時と大きく離れているため、撮影画像の想定年齢が顔画像の撮影時年齢と大きく離れ、低減率が大きくなる。このため、本実施形態の画像表示装置によると、良く似た親子の顔なども精度良く判定することができる。
【0102】
また、本実施形態においては、想定年齢や撮影時年齢が0歳〜2歳の場合は大きく類似度が低減され、20歳を超えると類似度の低減率が抑えられる。2歳以下の子供は、顔の部位全体が丸みを帯びていて、みんな似たような顔をしていることが多く、2歳を超えた当たりから、個人個人で顔つきが変わってくることが多い。また、逆に、20歳を超えると、人の顔つきの変化が緩やかになることが一般的である。このため、0歳から2歳の間は類似度の低減率を大きくし、20歳を超えた年齢における類似度の低減率を抑えることによって、顔画像720中の顔と撮影画像中の顔の類似度を精度良く分析することができる。
【0103】
以上のようにして算出された複数の撮影画像それぞれにおける類似度は、位置算出部515に伝えられる。
【0104】
位置算出部515では、撮影時間帯、撮影日、および類似度それぞれを軸とする3次元空間上の、類似度決定部5184から伝えられた類似度が対応する3次元上位置と、撮影時間帯、および類似度それぞれを軸とする2次元空間上の、3次元上位置に対応する2次元上位置が算出される(図11のステップS3)。
【0105】
図13は、3次元空間の一例を示す概念図である。
【0106】
図13に示すように、本実施形態においては、撮影時間帯をX軸(横方向)、撮影日をY軸(縦方向)、類似度をZ軸(奥行き方向)とする3次元空間が適用される。
【0107】
3次元空間のX軸には、4時〜9時の間の6時間を起点として、10時〜15時、16時〜21時、22時〜3時と6時間ごとに順に割り付けられている。
【0108】
3次元空間のY軸には、撮影日時が新しいものから順に割り付けられている。
【0109】
3次元空間のZ軸には、類似度100〜81を起点として、80〜61、60〜41、…と順に割り付けられている。
【0110】
また、本実施形態においては、撮影時間帯をX軸(横方向)、類似度をZ軸(縦方向)とする2次元空間が適用される。
【0111】
位置算出部515では、類似度決定部5184から伝えられた類似度と、撮影画像の撮影日時とに基づいて、2次元空間上の位置(2次元上位置)および3次元空間上の位置(3次元上位置)を算出する。算出された2次元上位置は、2次元画像生成部516に伝えられ、3次元上位置は、3次元画像生成部517に伝えられる。
【0112】
2次元画像生成部516では、2次元画像が生成され(図11のステップS4)、3次元画像生成部517では、3次元画像が生成され(図11のステップS5)、数表示部522では、3次元画像上で最前面に表示される撮影画像の枚数が算出される。
【0113】
表示部519は、2次元画像生成部516で生成された2次元画像と、3次元画像生成部517で生成された3次元画像と、スクロールバーと、数表示部522で算出された撮影枚数を表示画面102a上に表示する(図11のステップS6)。3次元画像生成部517と表示部519とを合わせたものは、本発明にいう表示部の一例にあたり、2次元画像生成部516と表示部519とを合わせたものは、本発明にいう補助表示部の一例にあたり、数表示部522と表示部519とを合わせたものは、本発明にいう画像数表示部の一例に相当する。
【0114】
図14は、3次元画像800、2次元画像620、およびスクロールバー623が表示された人物表示画面800の一例を示す図である。
【0115】
人物表示画面800には、相互に異なる類似度帯の撮影画像が配置された6枚の3次元画像810,820,830,840,850が表示されており、それら6枚の3次元画像810,820,830,840,850は、類似度帯が最も大きい3次元画像810を最前面にして、類似度帯の大きいものから順にZ軸方向(奥行き方向)に並べて配置されている。最前面の3次元画像810では、ステップS11において選択された顔画像720中の顔と、同程度の類似度(類似度が100〜81)を有する顔を含む撮影画像のサムネイル画像610が同一面上に並べて表示されている。各サムネイル画像610のZ軸上の位置は、そのサムネイル画像610の元となる撮影画像の類似度を示しており、各サムネイル画像610のY軸上の位置は、そのサムネイル画像610の元となる撮影画像の撮影日時を示しており、各サムネイル画像610のX軸上の位置は、そのサムネイル画像610の元となる撮影画像の撮影時間帯を示している。
【0116】
このように、本実施形態の撮影画像表示装置500によると、同程度の類似度を有する顔が含まれた撮影画像のサムネイル画像が3次元画像600中で同一面上に並ぶため、大量な撮影画像が保存されている場合であっても、それらの撮影画像の中から、所望の顔と似ている顔が含まれている撮影画像を容易に見つけ出すことができる。
【0117】
また、2次元画像620では、X軸(撮影時間帯)に沿って延びた複数のマーク621´が配置されており、各マーク621´それぞれが各類似度を示している。また、2次元画像620には、Y軸(類似度)に沿って延び、2次元画像620上で類似度を指定するスクロールバー623と、スクロールバー623によって選択されている類似度のマーク621´を取り囲む枠622と、スクロールバー623によって選択された類似度が算出された撮影画像の枚数を示す数表示部624なども表示されている。
【0118】
ユーザがスクロールバー623をスクロールすると、図4に示す指示部511においてスクロール量に応じて類似度が切り替えられ、切り替えられた類似度が制御部523に伝えられる。制御部523は、2次元画像生成部516および3次元画像生成部517それぞれに類似度を切り替える指示を伝えることにより、2次元画像620上の枠622を切り替えられた類似度の位置まで移動させるとともに、切り替えられた類似度の3次元画像が最前面にくるように配置しなおさせる。指示部511は、本発明にいう指定部の一例にあたり、制御部523は、本発明にいう表示制御部の一例に相当する。
【0119】
図15は、類似度が切り替えられた後の人物表示画面800の一例を示す図である。
【0120】
図15では、枠622が2番目の類似度を示すマーク621´を取り囲んでおり、数表示部624には、2番目の類似度に属している撮影画像の数が示されている。また、2番目の類似度帯の撮影画像のサムネイル画像610が配置された3次元画像820が最前面に表示されている。
【0121】
スクロールバー623を利用することによって、ユーザは容易に3次元画像の表示を切り替えることができる。
【0122】
また、図14に示すように、ユーザがポインタ601の右ボタンをクリックすると、サムネイル画像を選択するためのポップアップウィンドウ640´が表示される。
【0123】
図14に示すポップアップウィンドウ640´には、同じ類似度帯に属する撮影画像を表わすサムネイル画像をまとめて選択するための「面メニュー」、同じ類似度帯に属し、同じ撮影日に撮影された撮影画像を表わすサムネイル画像をまとめて選択するための「行メニュー」が用意されている。
【0124】
ユーザがポップアップウィンドウ640´を使ってサムネイル画像610を選択すると(図11のステップS7:Yes)、図4の指示部511から強調表示部520に指定内容が伝えられ、図5に示す「撮影日時モード」と同様に、強調表示部520によって、選択されたサムネイル画像610と、そのサムネイル画像610に対応するマーク621が強調表示される(図11のステップS8)。
【0125】
さらに、サムネイル画像610が選択された状態で、ユーザが図1に示すマウス104を右クリックすると、選択したサムネイル画像610の撮影画像を記録媒体に記憶するためのポップアップウィンドウが表示される。
【0126】
ユーザがポインタ601を使ってポップアップウィンドウ上に表示された指示を選択すると(図11のステップS9:Yes)、指示内容が図4の画像記憶部521に伝えられ、選択されたサムネイル画像610の撮影画像データがパーソナルコンピュータ100に装填されたDVD(図示しない)などに記憶される(図11のステップS10)。
【0127】
このように、本実施形態によると、所定の人物の顔画像と、撮影画像中の顔との類似度合を精度良く分析し、その分析結果を見やすく表示することができる。
【0128】
以上で、本発明の第1実施形態の説明を終了し、本発明の第2実施形態について説明する。本発明の第2実施形態は、第1実施形態と同様の構成を有しているが、類似度決定部における類似度の低減方法が第1実施形態とは異なる。以下では、第1実施形態との相違点についてのみ説明する。
【0129】
本実施形態の画像表示装置では、図10のパート(B)に示すように、1人の人物に対して、撮影時期が相互に異なる複数の顔画像720が登録されている。
【0130】
図4に示す類似度決定部5184では、類似度算出部5182で算出された仮の類似度を低減させるのに当たり、まず、登録されている複数の顔画像720を使って低減率が算出される。
【0131】
本実施形態においては、登録されている複数の顔画像720のうち、最も新しい顔画像720と、撮影画像とが比較される。例えば、撮影画像中の人物の想定年齢が1歳で、最も新しい顔画像720の撮影時年齢が5歳であった場合、まずは、5歳における顔画像720と1歳における顔画像720の類似度が算出される。続いて、類似度算出部5182で算出された仮の類似度と、算出された顔画像同士の類似度を使って、以下の式によって、撮影画像の類似度が算出される。
【0132】
類似度=仮の類似度×(顔画像720同士の類似度/100)
このように、登録されている人物が、年齢を経るとともにどの程度顔が変わったのかを分析し、その分析結果を低減率として利用することによっても、精度良く類似度を分析することができる。
【0133】
ここで、上記では、撮影画像を登録する際にサムネイル画像を生成する例について説明したが、本発明にいう3次元表示部は、撮影画像の一覧を表示させる際にサムネイル画像を表示するものであってもよい。
【0134】
また、上記では、保存されている撮影画像の中から顔画像を選択する例について説明したが、本発明にいう画像登録部は、外部装置から顔画像を入力するものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0135】
【図1】本発明の一実施形態が適用されたパーソナルコンピュータの外観構成図である。
【図2】パーソナルコンピュータの内部構成図である。
【図3】画像表示プログラムが記憶されたCD−ROMを示す概念図である。
【図4】撮影画像表示装置の機能ブロック図である。
【図5】撮影日時モードによる撮影画像の一覧表示の処理の流れを示すフローチャート図である。
【図6】3次元空間の一例を示す概念図である。
【図7】2次元空間の一例を示す概念図である。
【図8】3次元画像、2次元画像、およびスクロールバーが表示された表示画面の一例を示す図である。
【図9】ポップアップウィンドウが表示された後の表示画面の一例を示す図である。
【図10】登録画面の一例を示す図である。
【図11】人物モードによる処理の流れを示すフローチャート図である。
【図12】人物選択画面の一例を示す図である。
【図13】3次元空間の一例を示す概念図である。
【図14】3次元画像、2次元画像、およびスクロールバーが表示された人物表示画面の一例を示す図である。
【図15】類似度が切り替えられた後の人物表示画面の一例を示す図である。
【符号の説明】
【0136】
100 パーソナルコンピュータ
101 本体装置
102 画像表示装置
102a 表示画面
103 キーボード
104 マウス
105 バス
111 CPU
112 主メモリ
113 ハードディスク装置
114 CD/DVDドライブ
115 FDドライブ
116 通信インタフェース
400 撮影画像表示プログラム
410 指示部
412 取込部
413 登録部
414 撮影情報・画像取得部
415 位置算出部
416 2次元画像生成部
417 3次元画像生成部
418 分析部
4181 顔抽出部
4182 類似度算出部
4183 差分算出部
4184 類似度決定部
419 表示部
420 強調表示部
421 画像記憶部
422 数表示部
423 制御部
500 撮影画像表示装置
511 指示部
512 取込部
513 登録部
514 撮影情報・画像取得部
515 位置算出部
516 2次元画像生成部
517 3次元画像生成部
518 分析部
5181 顔抽出部
5182 類似度算出部
5183 差分算出部
5184 類似度決定部
519 表示部
520 強調表示部
521 画像記憶部
522 数表示部
523 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮影日時が対応付けられた複数の撮影画像を取得する画像取得部と、
顔が撮影されてなる、撮影日時が対応付けられた顔画像を登録する画像登録部と、
前記画像取得部で取得された複数の撮影画像それぞれについて顔を検出し、検出した顔と、前記画像登録部で登録された顔画像中の顔との類似度合いを算出する類似度算出部と、
前記撮影画像に対応付けられた撮影日時と、前記顔画像に対応付けられた撮影日時との差分が大きい程大きく、前記顔類似度算出部で算出された顔類似度合いを低減させる類似度低減部とを備えたことを特徴とする類似分析装置。
【請求項2】
前記画像登録部は、前記撮影日時に加えて、年齢も対応付けられた顔画像を登録するものであり、
前記類似度低減部は、前記類似度を低減させるに当たり、前記差分が大きい程大きい低減度、かつ前記年齢に応じた低減度で低減させるものであることを特徴とする請求項1記載の類似分析装置。
【請求項3】
撮影日時が対応付けられた複数の撮影画像を取得する画像取得部と、
顔が撮影されてなる、撮影日時が対応付けられた顔画像を登録する画像登録部と、
前記画像取得部で取得された複数の撮影画像それぞれについて顔を検出し、検出した顔と、前記画像登録部で登録された顔画像中の顔との類似度合いを算出する類似度算出部と、
前記撮影画像に対応付けられた撮影日時と、前記顔画像に対応付けられた撮影日時との差分が大きい程大きく、前記顔類似度算出部で算出された顔類似度合いを低減させる類似度低減部と、
前記画像取得部で取得された複数の撮影画像を類似度合いが大きい順に並べて表示する画像表示部とを備えたことを特徴とする画像表示装置。
【請求項4】
前記画像登録部は、前記撮影日時に加えて、年齢も対応付けられた顔画像を登録するものであり、
前記類似度低減部は、前記類似度を低減させるに当たり、前記差分が大きい程大きい低減度、かつ前記年齢に応じた低減度で低減させるものであることを特徴とする請求項3記載の画像表示装置。
【請求項5】
前記画像表示部は、前記類似度合の軸を有する3次元空間を表示し、その3次元空間上における、前記類似度低減部で低減された撮影画像の類似度合の位置に該撮影画像を配置するものであることを特徴とする請求項3又は4記載の画像表示装置。
【請求項6】
前記類似度合の軸を有する2次元空間を表示し、その2次元空間上における、前記類似度低減部で低減された撮影画像の類似度合の位置に、該撮影画像が存在することを示すマークを配置する補助表示部を備えたことを特徴とする請求項3から5のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項7】
前記2次元空間上の、前記類似度合の軸とは別の軸に沿った指定枠を表示する、操作に応じて該指定枠を該類似度合の軸に沿って移動させることにより、該2次元空間上で該類似度合を指定する指定部と、
前記3次元表示部に、前記指定部によって指定された類似度合の撮影画像を最前面に配置させる表示制御部とを備えたことを特徴とする請求項6記載の画像表示装置。
【請求項8】
前記指定部によって指定された類似度合の撮影画像の数を表示する画像数表示部を備えたことを特徴とする請求項3から7いずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項9】
前記画像取得部が、前記複数の撮影画像が記憶された記憶装置から該複数の撮影画像を取得するものであることを特徴とする請求項3から8のうちいずれか1項に記載の画像表示装置。
【請求項10】
コンピュータ内で実行され、該コンピュータ上に、
撮影日時が対応付けられた複数の撮影画像を取得する画像取得部と、
顔が撮影されてなる、撮影日時が対応付けられた顔画像を登録する画像登録部と、
前記画像取得部で取得された複数の撮影画像それぞれについて顔を検出し、検出した顔と、前記画像登録部で登録された顔画像中の顔との類似度合いを算出する類似度算出部と、
前記撮影画像に対応付けられた撮影日時と、前記顔画像に対応付けられた撮影日時との差分が大きい程大きく、前記顔類似度算出部で算出された顔類似度合いを低減させる類似度低減部と、
前記画像取得部で取得された複数の撮影画像を類似度合いが大きい順に並べて表示する画像表示部とを構築することを特徴とする画像表示プログラム。
【請求項11】
撮影日時が対応付けられた複数の撮影画像を取得する画像取得過程と、
顔が撮影されてなる、撮影日時が対応付けられた顔画像を登録する画像登録過程と、
前記画像取得過程で取得された複数の撮影画像それぞれについて顔を検出し、検出した顔と、前記画像登録過程で登録された顔画像中の顔との類似度合いを算出する類似度算出過程と、
前記撮影画像に対応付けられた撮影日時と、前記顔画像に対応付けられた撮影日時との差分が大きい程大きく、前記顔類似度算出部で算出された顔類似度合いを低減させる類似度低減過程と、
前記画像取得過程で取得された複数の撮影画像を類似度合いが大きい順に並べて表示する画像表示過程とを有することを特徴とする画像表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2008−269010(P2008−269010A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−107222(P2007−107222)
【出願日】平成19年4月16日(2007.4.16)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】