説明

食品の冷凍保存方法及び冷凍冷蔵庫

【課題】炊立て米飯のような温かい食品を集中的に冷却し、凍結させる際に過冷却状態を経るようにすることで、粗冷ましする手間を省き、冷凍保存、解凍した後の品質を向上させることを目的とする。
【解決手段】米飯などのデンプンを含む食品を冷凍保存する食品の冷凍方法において、該食品温度が高温時には0.5℃/分以上の冷却速度で急速冷却し、食品表面温度が40〜1℃の温度帯になったときに急速冷却を止めて冷却能力を弱めて、その後、食品温度が凍結点温度付近に到達したとき、速やかに冷却するために食品周囲エア温度が−15℃以下とならない範囲で冷却能力を高め、所定時間経過後に再び急速冷却を行った後に通常の冷凍保存を行うようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷凍保存技術を利用した食品の冷凍保存方法及び冷凍冷蔵庫に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、家庭用冷蔵庫において、各家庭で炊いた米飯をホームフリージングする機会が増えている。本来、米飯は炊立てを食するのが最もおいしいとされているが、必要なときに必要な分だけ米を炊くことは非常に時間と手間を要する。
したがって、米飯をホームフリージングして保存することは炊飯器での保温と同様に簡単で便利な保存方法として一般化している。
【0003】
しかし、多めに炊飯しておいた米飯を炊飯器で保温しておいて、複数回に分けて食する場合を考えると、保温しておいた米飯は時間が経つと黄変したり、乾燥して硬くなったり、ニオイがきつくなったりと、炊立て同様においしく食することは不可能であった。
このため、これらの問題点を克服するものとして、従来より米飯を収容する容器と、容器内の米飯を71〜73度に加熱して保温する加熱手段と、容器内の気圧を20〜93Kpaにする減圧手段とを含む炊飯装置がある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、多めに炊飯しておいた米飯を凍結させて保存し、レンジ解凍して食する場合、米飯をホームフリージングする際には、まず室温などにおいて粗熱をとって、その後冷凍室に入れて凍結させることになる。
これは、冷凍室には凍結した食品が既に入っている場合が多いため、温かい食品を直接入れてしまうと凍結食品に悪影響がでてしまう可能性が容易に考えられるからである。しかし、このように室温に冷ましてから米飯を凍結させることは、米飯を保存するために2段階の過程を経なければならないという点で手間であり、また米飯の品質にとっても良くないことである。
そこで、この問題点を解決するために、小容量のスペースに余熱をもった食材を投入して対象食材を急速に冷却する冷蔵庫(例えば、特許文献2参照)や、冷凍室内に温かい食品を投入するための冷却ユニットを設けた冷蔵庫もある(例えば、特許文献3参照)。
【0005】
また、多めに炊飯しておいた米飯を凍結させて保存する場合には、手間がかかる他にもレンジ解凍した米飯は硬くなりやすい、乾燥しやすい、おいしくないという不満も数多くあった。
そこで、米飯を冷凍したときの食味低下を抑制するための提案が数多く考えられている。例えば、米飯の冷却スピードを規定し、最大氷結晶生成帯通過時間を15〜20分に設定して自然解凍または電子レンジ解凍した場合、冷凍前とほぼ同等の品質を得るという加工食品の冷凍方法(例えば、特許文献4参照)があり、また米飯食品の急速冷凍過程において、一時冷却を中止し、被凍結物が解凍に至らない時間内で急速に冷凍庫内温度を上昇させ、短時間放置後、さらに急速冷凍し、米飯食品を冷凍させる冷凍米飯食品の製造方法もあった(例えば、特許文献5参照)。
【特許文献1】特開2005−253318号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開2007−212053号公報(第1頁、図1)
【特許文献3】特開2005−226984号公報(第1頁、図1)
【特許文献4】特表平9−500542号公報(第1頁、図1)
【特許文献5】特開平5−23121号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
保温臭や黄変を防いで米飯をおいしく保温する炊飯器については特許文献1に記載があるが、保存期間については明確に言及されておらず、一般的な炊飯器の特性から考えても1〜2日程度の保存に対応するものであるといえる。したがって、炊立てに近い状態で保存できたとしても、保存可能な期間が非常に短く、炊飯の回数を減らして家事の負担を軽減するというレベルには至らない。
【0007】
また、多めに炊飯しておいた米飯をホームフリージングした場合の利点は長期保存が可能であり、さらに、レンジ解凍直後の米飯は長時間炊飯器で保温していたものに比べると見た目、食感ともに炊立てに近い状態になるという点である。しかし、レンジ解凍後の米飯は少し時間が経過すると硬くなりやすく凍結前の米飯とは程遠い食感となってしまう。
この問題点を解決するために、小容量のスペースに余熱をもった食材を投入して対象食材を急速に冷却する冷蔵庫について特許文献1に記載があるが、温かい状態の米飯を急速に凍結させるだけで解凍後の食感が劇的に良くなるとはいえないものであった。
【0008】
また、冷凍した米飯の食味を良くする方法としては、凍結の際に極低温で冷却できる装置を有する冷蔵庫について特許文献3に記載があるが、その冷蔵庫では極低温で冷却できる装置を使う必要があり、家庭で余った米飯を凍結させるための装置としては大掛かりなものであった。
【0009】
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、炊立て米飯のような温かい食品を集中的に冷却し、凍結させる際に過冷却状態を経るようにすることで、炊立て米飯などの温かい食品を冷却、凍結させたいときに粗冷ましする手間を省くことができ、さらに冷凍保存、解凍した後の品質を向上させることであり、冷却と凍結の方法を改善することでその効果を得ることができる食品の冷凍保存方法及び冷凍冷蔵庫を得るものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明に係る食品の冷凍保存方法は、米飯などのデンプンを含む食品を冷凍保存する食品の冷凍方法において、該食品温度が高温時には0.5℃/分以上の冷却速度で急速冷却し、食品表面温度が40〜1℃の温度帯になったときに急速冷却を止めて冷却能力を弱め、その後、食品温度が凍結点温度付近に到達したとき、速やかに冷却するために食品周囲エア温度が−15℃以下とならない範囲で冷却能力を高め、所定時間経過後に再び急速冷却を行った後に通常の冷凍保存を行うようにしたものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る食品の冷凍保存方法は、米飯などのデンプンを含む食品を冷凍保存する食品の冷凍方法において、該食品温度が高温時には0.5℃/分以上の冷却速度で急速冷却し、食品表面温度が40〜1℃の温度帯になったときに急速冷却を止めて冷却能力を弱め、その後、食品温度が凍結点温度付近に到達したとき、速やかに冷却するために食品周囲エア温度が−15℃以下とならない範囲で冷却能力を高め、所定時間経過後に再び急速冷却を行った後に通常の冷凍保存を行うようにしたので、炊立て米飯のような高温の食品を粗冷ましすることなく急速冷却することができるため、該食品の凍結温度よりも高温で起こる老化などの化学変化や菌の繁殖を抑制し、該食品に含まれる水分の蒸散を抑え、さらに食品を過冷却を経て凍結するようにしたので、凍結で生じる氷結晶によって該食品の内部構造を破壊することがなく高品質保存でき、また、その氷結晶の細かさと氷結晶が生じる位置から米飯などのデンプンを含む食品の場合に、温め直し時の再糊化が促進されるため、従来の凍結後の解凍品と比較して凍結前に近い食感を維持することができるという効果を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の食品の冷凍保存方法であって、特に米飯の冷凍方法と従来の米飯の冷凍方法との違いを示す模式図、図2は同食品の冷凍保存方法により凍結させた米飯のテクスチャーを示すグラフ、図3は過冷却なし(a)と過冷却あり(b)で水が凍結するときの温度変化を示したグラフである。
本発明の実施の形態1として提案する冷凍保存方法は、米飯のようにデンプンを含む食品をより品質の良い状態で凍結するために適する冷凍方法であり、特に米飯に適する冷凍方法である。
また、米飯のようにデンプンを含む食品以外であっても、温かい食品であれば、その冷凍品質を改善する効果を得られるものである。
以下については、米飯を例にその冷凍保存方法と実現手段について説明する。
【0013】
まず、本発明の実施の形態1の食品の冷凍保存方法であって米飯の冷凍方法と従来の米飯の冷凍方法との違いを図1の模式的なグラフを用いて説明する。図1において、縦軸は温度、横軸は時間経過を示し、実線は食品芯温、破線は食品表面温度を示す。
【0014】
図1の(X)は、従来の冷凍方法における冷凍時における米飯の温度変化を表したものである。
従来の冷凍方法においては、温かい米飯を冷凍前に室温に放置することで粗熱をとっていた。したがって、Aの温度領域では、菌の繁殖や米飯の色やニオイ、食感に関わる品質劣化につながる化学反応が進行しやすい状態にあった。
また、Bの温度領域にある時間が長くなることで、米飯が硬くポロポロになってしまう要因である澱粉の老化が進行してしまう状態にあった。
また、Cの温度領域にあるように通常通り凍結温度になると表面から凍り始めて相変化の状態を経て完全に凍結してしまうという過程を経ると、凍結が進行する過程で最初に凍り始めた表面に水分が引き寄せられ、米粒中の水分が抜けやすい傾向となり、さらに、氷結晶が針状に大きく成長してしまうので解凍時に澱粉分子と水分子が接する表面積が小さくなり、再糊化してやわらかく戻りにくい状態にあった。
【0015】
図1の(Y)は本発明の冷凍保存方法における米飯の温度変化を表したものである。
本発明の冷凍保存方法においては、炊立ての温かい米飯をそのまま冷凍温度帯に設定可能な切替室に投入し、急速冷却することが可能であるので、Aの温度領域における菌の繁殖や米飯の色やニオイ、食感に関わる品質劣化につながる化学反応を抑制することができる。
また、Bの温度領域においては未凍結で高温時および相変化時に急速冷却するため、本温度領域にある時間を短縮することができ、澱粉の老化を抑制することが可能である。
また、Cの温度領域にあるように過冷却状態を経て凍結させると、米粒中心まで全体的に微細な氷結晶ができるので解凍時に澱粉分子と水分子が接する表面積が大きく、再糊化してやわらかい状態に戻りやすく炊立てに近い食感が得られる。
【0016】
図1の(Y)について、各冷却工程における詳細な冷却方法を述べる。
Aの温度領域において、炊立て米飯の温度は60〜90℃で高温であるが、米飯中心温度が60℃から10℃に冷却されるまでの時間は、例えば150gにラップで包んだ米飯については100分以内、好ましくは70分以内である。すなわち、冷却速度が0.5℃/分以上、好ましくは0.7℃/分以上である。
【0017】
Bの温度領域について、澱粉の老化が進行しやすい温度領域であり、40℃から凍結完了まで、好ましくは10℃から凍結点−2℃(過冷却状態、過冷却解除を経て相変化状態通過後の凍結点−2℃)に至るまでを指す。
米飯中心温度が10℃から−2℃に至るまでの時間は、例えば150gにラップで包んだ米飯については600分以内、好ましくは300分以内、さらに好ましくは100分以内とすると澱粉老化の抑制傾向がみられる。
Cの領域について、過冷却状態を経て凍結させるとその凍結品質改善効果が見込めるが、その過冷却の深さ(食品の凍結点と過冷却して到達した温度の温度差)は1℃以上、好ましくは3℃以上、さらに好ましくは5℃以上であれば、凍結品質改善に有効な効果が得られる。
【0018】
図2は米飯のテクスチャー測定結果を示したものである。テクスチャーとは食品を咀嚼する際に感じる力学的特性を意味する。図の縦軸は粘り、横軸は硬さを示す。
図中の炊立てと近い位置に凍結後解凍した米飯がプロットされていると、食べたときにも炊立てに近い食感が得られるといえる。
本発明の温かいときに急速に冷却し、過冷却状態を経て(過冷却の深さ1℃以上、好ましくは3℃以上、さらに好ましくは5℃以上)凍結させた米飯は従来の冷凍方法の米飯と比較して炊立てに近い位置にプロットされ、硬さ、粘りともに炊立てに近いという結果となった。
【0019】
ここで、水の過冷却について説明する。
図3は、過冷却なし(a)と過冷却あり(b)で水が凍結するときの温度変化を示したグラフである。グラフの縦軸は温度であり、グラフ上方に向かうほど温度は上がる。横軸は時間であり、矢印方向に時間経過を示す。
過冷却状態とは、その物質が凍り始める温度のことをいう。即ち、過冷却状態とは、凍り始めるべき温度ではあるが全く凍っていない状態のことである。例えば、水の凍結点は0℃である。この凍結点は物質によって様々であり、塩濃度や糖度が高い食品などにおいては0℃よりも低くなる傾向にある。
【0020】
過冷却状態と過冷却状態を経た凍結について水を例にさらに詳しく説明すると、過冷却状態とは、水を冷却したとき、凍結点である0℃を下回っても100パーセント水の状態であることをいう。
過冷却状態に入った水も、やがては凍結し、氷とすることが可能であるが、このときには何らかの刺激が必要である。この刺激とは、温度的なものであっても、物理的なものであってもよい。
このように刺激によって凍結を開始させることができるのであるが、過冷却状態から凍結開始に移行するまでの時間は、数秒単位であり、瞬間的なものである。しかし、この凍結開始時に瞬間的に凍る水の割合は全体の数パーセントであり、これが100パーセント氷になるまでにはさらに冷却時間を要する。
【0021】
ここで、通常凍結と過冷却凍結の違いについて比較しながら述べる。まず、通常凍結と過冷却凍結との一番の違いは、過冷却状態に入るか、入らないかの違いである。通常凍結の場合には凍結点を過ぎると、過冷却状態には入らずに凍結が開始する。
【0022】
そして、もうひとつ通常凍結と過冷却凍結の大きな違いは、凍結開始時の状態である。ここで、凍結開始時にはどのような現象が起こっているのかをペットボトルに入った水を例に説明すると、通常凍結の場合には、凍結が開始するとペットボトル表面付近の水から凍り始め、表面部分に薄氷がはったような状態になり、その後内部に向かって氷が広がり、最終的に全体が凍結する。
【0023】
氷の成長は、水分子がある一定以上の大きさのクラスターを形成した氷核を中心に起こるものであり、氷核形成は凍結開始時に起こるものである。したがって、通常凍結の場合には表面にほとんどの氷核が形成され、そこから水の状態である部分へ向かって氷が成長しているといえる。
一方、過冷却凍結の場合には、凍結が開始するとペットボトル全体に均一に氷核が形成される。そして、内部も表面もペットボトル内のあらゆる部分で氷が成長するため、一定方向に向かって氷が成長するということはない。
凍結完了後の通常凍結と過冷却凍結の違いとしては、その冷却過程の違いから、通常凍結の場合には表面から内部に向かった大きな針状氷結晶ができるのに対し、過冷却凍結の場合には表面と内部に、均一に小さな粒状氷結晶ができる。
【0024】
また、急速冷凍の場合には凍結開始時、凍結完了後にどのような状態であるかというと、表面に冷気を当てて素早く凍結させるという点でいうと通常凍結の場合と同様である。まず表面の温度が急激に下がるため、表面から凍り始める。
しかし、通常凍結と異なる点は、内部まで冷却される速度が速くなるため、通常凍結に比べると内部にも氷核ができやすい状態となり、通常凍結時ほど大きな氷結晶ができることはない。
【0025】
食品冷凍について考えると、凍結完了後の氷結晶の大きさ、形状は解凍時の食品品質に大きな影響を与える。食品は、細胞、タンパク質、糖質などで構成されている場合がほとんどであるため、氷結晶によってその構造が一度破壊されてしまうと、完全に元にもどらない場合が多い。
したがって、凍結時にできる氷結晶の大きさ、形状が食品本来の構造を破壊しないようなものであると品質の良い冷凍ができているといえるのである。
【0026】
米飯については、過冷却状態を経た凍結の場合、米粒中心まで全体的に微細な氷結晶ができるので解凍時にデンプン分子と水分子が接する表面積が大きく、再糊化してやわらかい状態に戻りやすくなることが原理上考えられる。
過冷却状態は解除させることなく、未凍結のまま保つこともできるが、米飯の場合は未凍結状態であるとデンプンの老化が進行してしまう。したがって、米飯の過冷却凍結の場合は、過冷却状態とした後には速やかに過冷却状態を解除させ、完全に凍結させてしまう必要がある。
【0027】
次に、本発明の実施の形態1の冷凍保存方法を実施するための冷凍冷蔵庫における構造および制御について詳細に説明する。
図4は同冷凍方法を実施する冷凍冷蔵庫の側面断面図、図5は同冷凍方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替室を示す側面断面図、図6は同冷凍方法を実施する冷凍冷蔵庫の赤外線センサーの分解斜視図、図7は同冷凍方法を実施する冷凍冷蔵庫の赤外線センサーの指向特性を示すグラフ、図8は同冷凍方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替室を示す側面断面図、図9は同冷凍方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替室のセンサー取付け部周辺を示す斜視図、図10は同冷凍方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替ケースを示す斜視図である。
【0028】
図4に示すように、本発明の実施の形態1の冷凍保存方法を実施するための冷凍冷蔵庫の食品貯蔵室は、最上部に配置され、開閉ドアを備えた冷蔵室100と、冷蔵室100の下方に配置され、冷凍温度帯(−18℃)から冷蔵、野菜、チルド、ソフト冷凍(−7℃)などの温度帯に切替えることのできる引出しドアを備えた切替室200と、切替室200と並列に配置され、皿引出しドアを備える製氷室500と、最下部に配置された引出しドアを備えた野菜室300と、野菜室300と切替室200及び製氷室500との間に配置され、引出しドアを備えた冷凍室400とから主に構成される。
冷蔵室100の扉表面には、各室の設定を調節する操作パネル10が設けられており、冷蔵室100の背面側には、この操作パネル10により操作されて設定された温度に各室に設置された温度検出器の温度を調整するように圧縮機やダンパーの開閉を制御する制御装置16が設けられている。
この冷凍冷蔵庫の切替室200や冷凍室400は、急速冷却および過冷却制御が可能なスペースとするものである。
【0029】
図5に示すように、切替室200の天井の手前側に、米飯などの投入食品温度をセンシングする赤外線センサーであるサーモパイル2が取り付けられている。
また、切替室200の背面側上方に、切替室200内の空気温度を検出するサーミスタが取り付けられている。
このサーモパイル2は、切替室200に収容された切替ケース201のあらゆる位置に収納された食品の温度を検知することができるように、取付け点を支軸に上下に90度以上回動するように設けられている。なお、サーモパイル2は、切替ケース201のあらゆる位置に収納された食品の温度を検知することができるように、取付け点を支軸に左右に180度回動するように設けるようにしてもよい。
サーミスタ3で検出した空気温度は切替室200の温度を設定温度に保つためのダンパー制御に用いており、サーミスタ3の検出温度が設定温度よりも高いと後述のダンパーが開いて冷気を切替室200内に送込み、設定温度よりも低いとダンパーが閉じて切替室200内への冷気流入を妨げる。
【0030】
次に、サーモパイル2について図6〜9に基づいて詳細に説明する。
図6に示すように、食品温度をセンシングするサーモパイル2は、赤外線センサ本体であるサーモパイル基板30と、サーモパイル基板30が一体的に取り付けられ、サーモパイル基板30を保護する可動ケーシング31と、サーモパイル基板30が取り付けられた可動ケーシング31を回転駆動する駆動モータ32と、駆動モータ32が取り付け固定され、可動ケーシング31を覆う窓部を有する固定ケーシング33とで構成されている。
このサーモパイル2は対象物からの赤外線により温度測定を行うが、そのセンシングの際には図7に示すような指向特性を持つ。
従って、サーモパイル2のセンシングの精度を向上させるためには、なるべく測定対象物をセンサーの中心で捉えることが肝要となる。そこで、測定対象物を中心化するためにサーモパイル2を動かすように構成されている。
【0031】
駆動モータ32としては回転時の位置検出が可能なステッピングモータが好適である。但し、冷蔵庫内、特に冷凍温度帯の環境で動作させる際には、冷蔵庫の扉開閉時などの湿度流入による氷結も考慮しなければならない。
そこで、ある程度の回転出力トルクを確保するためには、駆動モータ32の出力軸と可動ケーシング31との間にギア減速機構を設けるようにしてもよい。
また、サーモパイル基板30への着霜による故障を抑制するために、サーモパイル基板30を可動ケーシング31で覆い、さらに可動ケーシング31を固定ケーシング33で覆うというように二重構造にし、信頼性を確保している。
このようなケーシング31、32は一般のプラスチック材で良いが、赤外線を受光する固定ケーシング33の窓部はシリコンやポリエチレンといった赤外線を透過し易い材料で覆われていることが良い。
【0032】
図8は切替室へのサーモパイルの取付け位置を示し、図9はサーモパイルの取付け位置の詳細構造を示している。
このように構成されたサーモパイル2を測定する部屋である切替室200の上方である天井に設置する。
少なくともサーモパイル2のセンシングする切替室20に食品を収納する切替ケース201などがある場合には、その切替ケース201の高さよりも上方に設置しないと食品自体をセンシング出来ないからである。
また、サーモパイル2の駆動モータ32等の機構部に食品や人の手が扉開閉動作や食品投入の際に干渉することも不具合発生の要因となる。
【0033】
そこで、図8及び図9に示すように、センシングする切替室200の天井に収納可能な大きさの凹部に設けたセンサ取付用部材205にサーモパイル2の固定ケーシング33をネジ35により取り付けるようにしている。
さらに、サーモパイル2の取り付け位置については、センシング精度を強化したい領域の近傍に設置する方が好ましい。その理由としては対象食品とセンサーの距離が近くなればなるほど視野領域における食品占有率が高くなるため有利になるだけでなく、他の食品などのブラインドに対象食品が投入される可能性も低減されるからである。
従って、例えば温かい食品は通常は切替ケース201の手前部に置く場合が想定されるこの実施の形態1の場合は図8に示すように、切替ケース201の手前部の天井にサーモパイル2を設置して外乱に対しても強いシステム構成としている。
【0034】
次に、本発明の実施の形態1の冷凍保存方法を実施するための冷凍冷蔵庫の切替室の構造について図8及び図10に基づいて説明する。
この切替室200は切替ケース201が収容されることを前提としている。
図8及び図10に示すように、切替室200の天井の前側には、切替ケース201の前側に積極的に冷気を送るための前側冷気吹出口4が設けられており、切替室200の天井の後側には、切替ケース201の後側に積極的に冷気を送るための後側冷気吹出口5が設けられている。
その前側冷気吹出口4は切替室200の天井に設けた風路6を介して切替室200の背面側に設けた前側ダンパ7に連通している。また、後側冷気吹出口5は切替ケース201の上方に設けた風路8を介して切替室200の背面側に設けた後側ダンパ9に連通している。これら前側ダンパ7と9は冷気を送り出す冷気送風路(図示省略)に接続されている。
【0035】
このように前側冷気吹出口4と後側冷気吹出口5とを設けたのは、食品が置かれた位置に応じて矢印で示すように冷気を集中的に送りこむことができるためで、図10に示すように、投入された食品を速やかに冷却することができる。なお、手前側から後側までのどの地点に食品が投入されたかは、切替室200の天井の前側に設けられたサーモパイル2が可動して検知するようにしている。
【0036】
図5に示すように、サーモパイル2を切替室200の天井の手前側に設置し、切替室200内の空気温度を検出するためのサーミスタ3を切替室200の背面側に設置したのは、切替室200の切替ケース201内の前側に食品が投入された時など、前側の温度が上昇した場合には、サーモパイル2で見分けて、前側に積極的に冷気を送るために前側冷気吹出口4の前側ダンパ7を開き、また、切替ケース201内の後側に食品が投入された時など、後側の温度が上昇した場合には、サーモパイル2で見分けるか、サーミスタ3で見分けるか、又はサーモパイル2とサーミスタ3の双方て見分けるかして後側に積極的に冷気を送るために後側冷気吹出口5の後側ダンパ9を開くようにするためである。
【0037】
このように、食品の投入などによって生じる切替室200内の温度ムラをサーモパイル2やサーミスタ3で見分けて冷気を分配することができるため、切替室200内の無駄な冷やし過ぎを防いだりすることができる。
また、サーモパイル2が設けられていない場合、切替室200内において冷却がまだ不十分な部分があるにも拘わらず、後側冷気吹出口5から吹き出される冷気が後側に投入された食品等によって遮られ、後側に向かうことにより、庫内温度を制御するサーミスタの周囲のみが局所的に設定温度に達したためにダンパーが閉じて、冷気の供給が止められたりするが、この場合にサーモパイル2が設けられていれば、前側に投入された食品等の温度が分かるから、ダンパーが閉じて、冷気の供給が止められたりするのを防ぐことができ、冷却性能や省エネ性を高めることができる。
このような冷気の分配制御を可能にすることで、投入された食品が温かいものであっても、集中的に冷却できるため、周囲の食品の温度を極端に上げることにはならず、衛生的でかつ便利である。温かい食品と凍結食品の距離が近くなり、より凍結食品の温度が上がりやすい環境となった場合でも、周囲の食品への悪影響を最小限に抑えることができる。
【0038】
本発明において提案する冷凍保存方法においては、急速冷却と過冷却冷凍を両立させる必要があるが、これらは相反する冷却方法である。したがって、両立が可能な環境と的確なタイミングで制御を切替える必要がある。
食品を過冷却状態とするためには、ある範囲の冷却能力により冷却することが必要である。これは、食品を冷やす冷却能力が弱すぎても強すぎても過冷却状態にならない、もしくは過冷却状態がすぐに解除されてしまうことを意味する。
【0039】
食品が冷却される際の温度履歴をみたとき、食品の凍結点よりも明らかに高温のときの冷却能力については過冷却状態をつくる上で特に影響はない。
しかし、食品の凍結点よりも数℃(例えば2〜3℃)温度が高いときには冷却能力を弱める、即ち、食品表面への冷気吹付けを抑える必要がある。
凍結点は食品によって様々であるが、米飯であれば0〜−2℃の範囲内である。食品全体を過冷却状態とするためには食品表層側、中心部共に過冷却状態とする必要があるが、低温冷気を吹付ける食品冷却を考えると食品表層側の冷却スピードが速いため先に凍結してしまうか、過冷却状態にはなるが、中心部が過冷却状態となる前に過冷却解除してしまい、この場合、中心部は過冷却状態を経ることなく、もしくは、過冷却到達温度が高い状態で過冷却解除して凍結してしまうことになる。
したがって、食品全体を安定的に過冷却状態とするためには、食品表層側と中心部の温度ムラを小さくすることが必要であり、このための方法としては、食品表面の冷却スピードを抑える、即ち、食品表面への冷気吹付けを抑えることが考えられる。ただし、食品の凍結点よりも数℃(例えば2〜3℃)温度が高いとき、食品表層側と中心部の温度差が3℃以内、好ましくは2℃以内、さらに好ましくは1℃以内であれば、特に冷却を弱める必要はない。
【0040】
次に、本発明の実施形態1の冷凍保存方法について図11のフローチャートに基づいて説明する。
まず、切替室220内の切替ケース201の例えば、手前に食品を投入し(ステップS1)、引出ドアを閉じると、制御装置16による冷凍制御が開始され(ステップS2)、サーモパイル2の検出温度の変化量を算出し(ステップS3)、算出した検出温度が常温より高い高温の場合に(ステップS4)、前側と後側の2つのダンパー7,9を開いて前側冷気吹出口4と後側冷気吹出口5より冷気を吹き出せて急速冷却をスタートする(ステップS5)。
ここでいう常温とは、通常考えられる室温、例えば15〜35℃をいい、高温とは常温よりも高い温度を指し、例えば36〜100℃をいい、その上限は食品として考えられる温度である。
この急速冷却における冷却速度は0.5℃/分以上、好ましくは0.7℃/分以上である。
そして、急速冷却してサーモパイル2の検出温度としての食品表面温度が40〜1℃、好ましくは25〜3℃、さらに好ましくは10〜5℃となったときに、(ステップS6)、急速冷却を停止し、過冷却をスタートさせる(ステップS7)。
この過冷却は、冷却能力を弱める必要があるので、前記所定温度で急速冷却をやめるために、制御装置16はまず切替室220内への冷気供給を制御する前側ダンパー7と後側ダンパーを閉じ(ステップS7a)、前側と後側の冷気吹出口4,5からの冷気の供給をなくし、食品の冷却を弱める。
【0041】
過冷却制御の第一段階である冷気の供給を抑えて温度ムラを均一化する過程を開始する温度は、食品表面温度が40〜1℃、好ましくは25〜3℃、さらに好ましくは10〜5℃であればよく、所定温度よりも高い温度で急速冷却をやめると、過冷却凍結には問題がないが、急速冷却による菌繁殖抑制効果、老化抑制効果、水分蒸散抑制効果が低減されてしまう。また、所定温度よりも低い温度で急冷をやめると、温度ムラを均一化する過程において食品表面が先に凍結してしまうなどして、過冷却状態とならない、もしくは、過冷却状態が浅くなってしまう可能性があり、過冷却を経て凍結したことによる冷凍品質改善効果が無くなる、もしくは小さくなってしまうことになる。
【0042】
過冷却をスタートしたら、制御装置16はサーモパイル2の検出温度が食品の凍結点付近である凍結点よりも数℃(例えば2〜3℃)温度が高い所定温度に達したときに(ステップS7b)、前側または後側、又は前側及び後側の両方のダンパー7,9を開いて冷却能力を強める(ステップS7c)。
即ち、食品周囲温度を下げる必要がある。食品表層側と中心部の温度差が小さい状態で凍結温度に達したとき、冷却能力が小さすぎると過冷却状態には引き込まれず、そのまま凍結してしまうことになる。
【0043】
したがって、食品温度が凍結点付近に達したときには速やかに冷却してやる必要があるが、このときに低温の冷気を強力に吹付けてしまうと、前述のような要因で食品表面から凍結してしまう恐れがあるため、冷気温度には注意が必要である。また、過冷却状態に引き込んだ後の冷気温度についても低すぎると過冷却解除してしまう可能性が高く、ケース内のエア温度としては−15℃以上とするか、もしくは、低温冷気の吹付けを断続的に行うなどして、食品表面が長時間低温冷気に晒され続けることによって凍結してしまうことを防がなければならない。
この過冷却におけるステップS7cで冷却能力を高める時間は、投入される食品の量にもよるが、大体100〜600分で、その所定時間が経過すると(ステップS7d)、再度の急速冷却スタートとなり(ステップS8)、例えば、60〜120分の所定時間が経過したら(ステップS9)、急速冷却をストップし、通常の冷凍の初期設定温度例えば−7℃に戻し、通常の冷凍保存を行う(ステップS10)。
【0044】
このように、ステップS7cのように、十分な過冷却到達温度に食品温度が達した後は過冷却解除させて凍結させるが、この場合、冷却能力を強める、即ち、食品に積極的に低温冷気を吹付ける必要がある。冷却能力を強めると、過冷却が解除されるだけではなく、過冷却解除後、完全に凍結するまでの時間が短縮されるため、氷結晶肥大を抑制し、凍結による食品へのダメージが軽減される。
【0045】
また、ステップ7aの過冷却のように冷却能力を弱める際には前側と後側のダンパー7,9を閉じるか、これらダンパー7,9が閉じている時間を長くして、冷気流入を抑えればよい。
また、このような過冷却における冷却能力を弱める場合で、直接冷気を吹付けてはならない段階においては、該食品投入位置に近い方、すなわち、吹出した冷気が該食品に当たりやすい方の吹出し口のダンパーを閉じ、他方の吹出し口から送込まれる冷気のみで冷却すればよい。また、ステップ5のような急速冷却の場合のような食品に積極的に低温冷気を吹付ける必要があるときには、該食品投入位置に近い方、すなわち、吹出した冷気が該食品に当たりやすい方の吹出し口のダンパーを開くか、または、全てのダンパーを開いて、冷気を送込めばよい。
【0046】
上記実施の形態1の冷凍保存方法では、温かい食品を急速冷却後に過冷却を経て凍結させる方法について述べてきたが、投入された食品が温かい食品でなく常温以下の冷たい食品で未凍結のものであった場合にも、図11に示すように、ステップS5の急速冷却の過程をスキップして、過冷却制御のみを行うことが可能である。
【0047】
実施の形態2.
図12は本発明の実施の形態2の冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替ケースを示す斜視図、図13は同冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の別の切替ケースを示す斜視図である。
上記実施の形態1では、切替室200に収容された切替ケース201全体において本発明で提案する冷凍制御を可能にしたものであるが、この実施の形態2は切替室200に収容された切替ケース201の特定の区画のみで本発明で提案する冷凍制御を行うようにしたものである。
切替室200に収容される切替ケース201のうち、特定の区画のみで本発明の冷凍制御を行うことの利点は、温かい食品が投入される位置が特定されることによって、凍結食品との接触機会を減らすことができる点と狭い区画においてはより精度の高い制御が可能となる点である。
【0048】
図12に示すように、切替ケース201の前側には、米飯などの食品投入スペースとなるトレイ1が設置されている。
トレイ1を図12に示すように切替ケース201の前側位置に設ける理由は、例えば米飯を温かい状態で投入する際には既に凍結食品が収納されていることを考えると前側に置かれる可能性が高く、また、米飯用に新たにスペースをつくりだすことを考えるとケース最上段に載せられた方が使い勝手がよいからである。
このトレイ1はアルミまたはプラスチックであり、アルミトレイの場合は熱伝導が良く、温度分布が均一になりやすいため、米飯の冷却に有効である。
また、トレイ1は蓄冷剤を封入したものでもよく、この場合断熱の効果も得られるため、凍結食品の上に蓄冷トレイをはさんで温かい米飯を入れて冷却しても凍結食品に悪影響が及ばない。
【0049】
また、このトレイ1は両端に軸1aを有しており、これら軸1aが切替ケース201の両側壁内面の前側に回転自在に軸支され、切替ケース201に回動自在に取り付けられている。
そのトレイ1の使用時にはトレイ1の一側後端がリブ41に載せて水平状態になって使用可能となっている。そして、トレイ1は使用しないときは、トレイ1を垂直状態に回動させ、切替ケース201の前面開口部上端に設けたツメ(図示省略)に、トレイ1の他端側に設けた凹部(図示省略)を引っ掛けるようにしてトレイ1を折畳むことにより、他の食品収納時の邪魔にならないようにしている。
【0050】
また、トレイ1を図12に示すように、折り畳める構造ではなく、図13に示すように、切替ケース201に設けられた4つのリブ41に載せて安定させる構造としてもよい。
この場合、リブ41を設ける箇所を複数とすると、トレイ1を設ける位置を切替ケース201の前、中央、後など使用状況に合わせてレイアウトを変更することができる。また、リブ41を設ける場合に、高さ方向でも異なる高さ箇所を複数とすると、既存食品および凍結させたい米飯の量に合わせてトレイ1の高さを自由にレイアウトすることが可能である。
また、図13に示す構造において、トレイ1は使用しないときには切替ケース201の前面のトレイ用のポケット20に立てて収納することができ、他の食品の邪魔になることはない。
【0051】
これまで、本発明において提案する冷凍方法を実施する形態として、切替室を例に説明してきたが、冷凍室においても同様のことがいえる。
【0052】
以上、米飯品質を向上させる冷凍方法について述べてきたが、この方法を用いて他の食品を凍結させてもその品質が向上する例もあり、本発明の冷凍保存方法は米飯のみに適用されるべきものではない。
例えば、ホットケーキやパン類など、デンプンと水を含む食品においては本発明の冷凍方法において、その品質が向上する結果が実験により得られている。
したがって、本発明の冷凍方法を用いること、及び本発明の冷凍方法を実現可能な冷蔵庫を得ることは、食品保存性向上に対して応用範囲が広く、業務用冷蔵庫を含めて幅広い展開が見込める。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】本発明の実施の形態1の食品の冷凍保存方法における米飯の冷凍方法と従来の米飯の冷凍方法との違いを示す模式図。
【図2】同冷凍保存方法により凍結させた米飯のテクスチャーを示すグラフ。
【図3】過冷却なし(a)と過冷却あり(b)で水が凍結するときの温度変化を示したグラフ。
【図4】同冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の側面断面図。
【図5】同冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替室を示す側面断面図。
【図6】同冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の赤外線センサーの分解斜視図。
【図7】同冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の赤外線センサーの指向特性を示すグラフ。
【図8】同冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替室を示す側面断面図。
【図9】同冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替室のセンサー取付け部周辺を示す斜視図。
【図10】同冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替ケースを示す斜視図。
【図11】同冷凍保存方法の過冷却制御の例を示すフローチャート。
【図12】本発明の実施の形態2の冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の切替ケースを示す斜視図。
【図13】同冷凍保存方法を実施する冷凍冷蔵庫の別の切替ケースを示す斜視図。
【符号の説明】
【0054】
1 トレイ、 2 サーモパイル、 3 サーミスタ、 4 前側空気吹出口、5
後側空気吹出口、7 前側ダンパー、9 後側ダンパー、10 操作パネル、 16 制御装置、100 冷蔵室、 200 切替室、201 切替ケース、 300 野菜室、 400 冷凍室、 500 製氷室。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
米飯などのデンプンを含む食品を冷凍保存する食品の冷凍方法において、
該食品温度が高温時には0.5℃/分以上の冷却速度で急速冷却し、食品表面温度が40〜1℃の温度帯になったときに急速冷却を止めて冷却能力を弱め、その後、食品温度が凍結点温度付近に到達したとき、速やかに冷却するために食品周囲エア温度が−15℃以下とならない範囲で冷却能力を高め、所定時間経過後に再び急速冷却を行った後に通常の冷凍保存を行うことをことを特徴とする食品の冷凍保存方法。
【請求項2】
冷凍温度帯に設定可能度で、且つ急速冷却機能を備えた冷凍室と、
該冷凍室内に設置した食品を収納するケースと、
前記ケース内の高温の食品温度を検出する温度センサと、
前記ケース内に冷気を吹き出す少なくとも2つ以上の冷気吹出口と、
これら冷気吹出口への冷気の送りを制御するダンパー手段とを備え、
前記温度センサの検出温度に基づいて前記ダンパー手段を制御して請求項1記載の食品の冷凍保存方法を実施することを特徴とする冷凍冷蔵庫。
【請求項3】
前記温度センサは前記ケース内に投入された食品の食品温度、食品投入位置を認識することができる可動式のサーモパイルであることを特徴とする請求項2記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項4】
前記ケース内に高温の食品を投入できるスペースを形成するトレイを着脱自在に設置したことを特徴とする請求項2又は3記載の冷凍冷蔵庫。
【請求項5】
前記トレイは温かい食品の冷却を促す、または、温かい食品の熱が凍結食品に伝わることを防ぐような部材で構成されていることを特徴とする請求項4記載の冷凍冷蔵庫。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−35484(P2010−35484A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−202044(P2008−202044)
【出願日】平成20年8月5日(2008.8.5)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】