説明

食品用改良剤

【課題】 食品の改良効果が高い食品用改良剤、それにより改良された食品、および食品の改良方法を提供すること。
【解決手段】 カシアガムを含有する食品用改良剤、または当該カシアガムを必須成分としその他の多糖類・繊維質・大豆関連物質・澱粉・糖質・糖アルコール・甘味料・乳製品・たんぱく質・油脂・酵素・ビタミン・乳化剤・食品素材・製造用剤・力価調整剤・pH調整剤・香辛料・酸化防止剤・強化剤・膨張剤・着香剤・着色剤・保存料・調味料から選ばれる1種又は2種以上の成分とを組み合わせた混合物からなる食品用改良剤、それらを用いて品質が改良された食品、および食品の改良方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カシアガムを含有することを特徴とする食品用改良剤、および多糖類・繊維質・大豆関連物質・澱粉・糖質・糖アルコール・甘味料・乳製品・たんぱく質・油脂・酵素・ビタミン・乳化剤・食品素材・製造用剤・力価調整剤・pH調整剤・香辛料・酸化防止剤・強化剤・膨張剤・着香剤・着色剤・保存料・調味料から選ばれる1種又は2種以上の成分をさらに含有していることを特徴とする食品用改良剤に関する。また、本発明は、それらを含むことを特徴とする食品ならびにはその食品の改良方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
現在の我が国では、食の多様化・簡便化や女性の社会進出に伴い、生の食品を自宅で調理するのではなく、スーパーやコンビニエンスストアーで売られている加工食品や半加工食品へのニーズがますます高まっている。消費者は、食事のために生の食品を一から調理せずに済み、半加工品を用いて簡便な調理をするだけとか、完全に調理加工されたものを温めるだけで美味しい食事ができるのである。また、レストランなどの外食産業においても、時間短縮・コスト削減・提供食品の均一化などのために半加工品や加工品を使用することが多くなっており、加工食品への需要は上がっていくばかりである。
【0003】
しかし、加工食品は、料理が半分出来上がった状態、あるいは、完全に出来上がった状態になった後に、しばらく時間が経ってから喫食されることが多く、消費者が購入するまでの間、消費者が喫食する場所へ持ち運ぶ間に経時変化が起きるし、また、消費者が解凍したり再調理したり再加熱したりすることにより更なる変化が食品に起きる。起きる変化とは、食品の「美味しさ」を決定付ける色・味・香り・食感などの変化であり、一から調理した食品の出来たての本来の「美味しさ」が失われていってしまうことが多い。例えば、時間と共に、本来白いものが黄色くなってしまったり、甘いものが酸っぱくなってしまったり、香ばしいものが生臭くなってしまったり、ジューシーなものがパサパサしてしまったりすることである。これを防ぐため、あるいは出来たてのものに近づけるために、加工食品の製造法を工夫したり、容器を検討してみたり、添加物の添加を検討したりする努力がなされている。特に、半加工食品や加工食品における変化では、色・味・香りは多少の変化はあるものの重大とまでは行かず、短時間で大きく変化してしまう最も重要で改良が難しい因子は食感であり、この食感の変化を抑える努力がなされている。
【0004】
また、食品業界にとっては、経時変化を抑えたいばかりでなく、食品や料理を今よりも少しでも「美味しく」したり、今まで出せなかった「美味しさ」を出したり、歩留まりを向上させたり、コストを下げたりすることも重要であり、そうすることにより、消費者は今まで以上に「美味しい」食品を食べたり、より安い価格で食品を購入することができるようになるのである。このような観点からも、経時変化の場合と同様に、製造法・容器の工夫、原料・副原料の工夫や努力が日々行われている。
【0005】
このように、より「美味しく」、より安く、あるいはより簡便で、より良い、食品や料理に改良するための技術のうち、比較的安価で簡単に利用でき、目的によって使い分けが簡単にできる添加物の利用が行われている。従って、このような重要な役割を果たす添加物においては、今までと違う効果のある新たなもの、同じ効果であっても少しでも安いもの、同じものでも異なる効果が得られる新たな使用法の提案などが常に望まれている。
【0006】
このように期待される添加物のうち、食品において工業的に利用されたことがない物質の一つにカシアガムがある。カシアガムは、カシア属の植物であるCassia Tora L.や Cassia Obtusifolia L.などの種子の胚乳から取れるガラクトマンナンの1種であり、マンノースの主鎖にガラクトースが結合した構造を持つ天然多糖類であることが知られている。天然多糖類なので、何らかの効果があるのではないかと期待されるが、食品に工業的に使用されたことはない。このカシアガムを工業的に使用可能にしようとした分離法や精製法などの製造法の技術がいくつか公開されている。
【0007】
特許公報1では、Cassia Tora L.から胚乳部を取り出して種割し、篩いわけによりカシアガムを取り出す製造法が提案されている。また、特許公報2では、カシアガムをアルコールで洗浄し、精製して純度を上げる製造法が開示されている。さらには、特許公報3では、取り出した胚乳部を湿らして粉砕することにより、多糖類部分の破壊がより少なくなったカシアガムの精製法が提案されている。
【0008】
一方、カシアガムの性質についての基本技術もいくつか公開されている。特許公報4および特許公報5では、カシアガムを温水に溶かすと増粘し、カラギーナンなどをさらに加えるとゲルを形成すると記されている。また、特許公報6では、カシアガムと寒天などを混ぜ共処理すると、安定したコロイドやゲルを形成するという発明も公開されている。
【0009】
しかしながら、カシアガムを何かに応用した技術はほとんど知られていない。特に、食品分野では、カシアガムを他の増粘多糖類の補助に利用する応用法が多少検討されたものの(特許公報7〜9)、カシアガムとしての食品用途を検討した技術は、著者らが発明したカシアガムによる麺類の食感改良剤(特許公報10)が開示されている以外、まったく提案されていないのが現状である。
【特許文献1】独国特許公開第10047278号公報
【特許文献2】米国特許第4,840,811号明細書
【特許文献3】国際公開第2004−113390号パンフレット
【特許文献4】特許第1594852号公報
【特許文献5】特開昭61−185541号公報
【特許文献6】特許第1936031号公報
【特許文献7】特開平2−100639号公報
【特許文献8】特開平4−183364号公報
【特許文献9】特開平5−268896号公報
【特許文献10】特開2003−339331号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで本発明では、前述する従来技術の問題点を少しでも解決する一助とするため、また添加物として、今までと違う効果のある新たなもの、同じ効果であっても少しでも安いもの、同じものでも異なる効果が得られる新たな使用法の提案など、現在望まれている要望を満たす一環として、カシアガムおよびカシアガム含有組成物の食品への応用技術の提供およびそれらの発揮された効果により改良された食品、およびその改良方法をも提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、これらの課題を解決すべく鋭意研究した結果、カシアガムおよびそれを含有する組成物が、各種の食品で優れた効果を発揮することを見出し、所期の目的を達成し、本発明を完成するに至った。
【0012】
すなわち本発明は、カシアガムを含有することを特徴とする食品用改良剤を提供する。本発明の食品用改良剤は、多糖類・繊維質・大豆関連物質・澱粉・糖質・糖アルコール・甘味料・乳製品・たんぱく質・油脂・酵素・ビタミン・乳化剤・食品素材・製造用剤・力価調整剤・pH調整剤・香辛料・酸化防止剤・強化剤・膨張剤・着香剤・着色剤・保存料・調味料から選ばれる1種又は2種以上の成分をさらに含有していてもよい。また本発明の食品用改良剤の形態は、粉末状・ペースト状・固形状・液体状・顆粒状・カプセル状またはタブレット状であることが好ましい。
【0013】
本発明の食品用改良剤は、畜肉製品・乳製品・菓子類・パン類・製粉類・穀類加工品・いも及び澱粉加工品・油脂食品・豆類加工品・魚介類加工品・卵類加工品・野菜類加工品・酒類・嗜好飲料・調味料・香辛料および調理加工食品類からなる群より選択される食品用として好ましく用いられる。
【0014】
また本発明は、上記食品用改良剤を含むことを特徴とする食品を提供する。本発明の食品には、上記食品用改良剤が0.01重量%以上含まれていることが好ましく、0.01〜50.0重量%含まれていることがより好ましく、0.05〜10.0重量%含まれていることがさらに好ましい。
【0015】
さらに本発明は、上記の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の食感改良方法、離水防止方法、安定化方法、保形性改良方法、オーバーラン制御方法、粘度制御方法、気泡量制御方法、弾力改良方法を提供する。
【0016】
さらに本発明は、上記の食品用改良剤を飲料に添加することを特徴とする、酒類および飲料の清澄度改良方法も提供する。
【発明の効果】
【0017】
本発明の食品用改良剤は、様々な食品の性質や機能を改良するために、広範囲な食品に対して使用することが可能である。本発明の食品用改良剤は、特に、ゲル化・増粘・安定・糊料・食感改良・物性改良・乳化・凝固・コーティング・軟化・分散・浸透・起泡・剥離・離型剤として有効に用いることができる。また本発明の食品用改良剤は、調理加工前の食品原料混合物の増粘が抑えられるにもかかわらず調理加工後の食品における改良効果が高く、操作性が良いという特徴も有する。
【発明の実施の形態】
【0018】
以下において、本発明による食品用のカシアガムおよびそれを含む食品用改良剤の詳細と、その優れた効果を用いた食品の改良方法の詳細について説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」は、その前後に記載される数値を下限値および上限値として含む意味で使用される。
【0019】
本明細書でいう「カシアガム」とはガラクトマンナン多糖類を主成分とするガム類の1種である。ガラクトマンナンは、直鎖上のβ-D-マンノピラノースのユニット(β-1,4結合)とα-D-ガラクトピラノースのユニット(α-1,6結合)が結合したマンノースとガラクトースからなる多糖類で、すでに工業的に生産されているグァーガム、タラガム、ローカストビーンガムも同じガラクトマンナンである。カシアガムやこれら3つのガム類の構造上の違いは、マンノースとガラクトースの分子ユニットの比率であり、グァーガムが約2:1、タラガムが約3:1、ローカストビーンガムが約4:1であるのに対し、カシアガムは約5〜6:1である。従ってカシアガムの場合、単純計算上は直鎖状に結合している5〜6個のマンノースに1つのガラクトースが結合している計算となる。
【0020】
しかしながら、本発明で用いるカシアガムを構成するガラクトースとマンノースの結合順序は特に制限されない。すなわち、マンノース主鎖のうち右側あるいは左側全部にガラクトースが連続して結合していてその反対側には全く結合していないものを使用しても良いし、上記の単純計算の場合のように規則正しく5〜6個おきのマンノース主鎖に1つずつガラクトースが結合したものを使用しても良いし、結合の仕方がそれらの中間のものを使用しても良い。
【0021】
本発明で用いるカシアガムの平均分子量や分子量分布は特に制限されないが、1%加熱水溶液の20℃における粘度が1〜10,000mPa・sのものを好ましく用いることができ、10〜6,000mPa・sのものをより好ましく用いることができる。本発明で使用するカシアガムの種類、原料および製法は特に制限されない。したがって、本発明で使用するカシアガムは、天然由来のもであってもよいし、合成によって得られたものであってもよい。
【0022】
天然物由来のカシアガムは、カシア属の一年草のアメリカ原産Cassia Obtusifolia L.や亜熱帯または熱帯アジア原産の天然または人工栽培のCassia Tora L.の種子胚乳部を粉砕して得ることができる。精製品を得たい場合は、さらに水やアルコールで抽出し、ろ過・乾燥すれば良い。
【0023】
本発明に用いるカシアガムとして好ましいのは、Cassia Tora L.に存在する天然由来のものが良い。また、本発明に用いるカシアガムは、1種類のカシアガムを含有するものであっても、複数種のカシアガムを含有するものであってもよい。また、本発明で使用するカシアガムは、所期の効果を過度に阻害しない範囲内で、官能基や架橋構造を有していてもよい。
【0024】
本発明におけるカシアガム含有物は、カシアガムを含有するものであれば、その他の成分の種類と含有量は所期の効果を過度に阻害しない限り特に制限されない。例えば、多糖類・繊維質・大豆関連物質・澱粉・糖質・糖アルコール・甘味料・乳製品・たんぱく質・油脂・酵素・ビタミン・乳化剤・食品素材・製造用剤・力価調整剤・pH調整剤・香辛料・酸化防止剤・強化剤・膨張剤・着香剤・着色剤・保存料・調味料の 1種または2種以上を含んでいてもよい。
【0025】
本発明では多糖類として、天然多糖類および合成多糖類やそれらを加工したり化学修飾したりしたものを広く用いることができる。例えば、アルギン酸・アルギン酸ナトリウム・アルギン酸カリウム・アルギン酸カルシウム・アルギン酸アンモニウム・アルギン酸プロピレングリコールエステル・ヒアルロン酸・ヒアルロン酸プロピレングリコールエステル・カラギーナン・キサンタンガム・ローカストビーンガム・タラガム・グァーガム・グァーガム酵素分解物・タマリンドシードガム・ジェランガム・グルコマナン・ファーセレラン・プルラン・ペクチン・カラヤガム・アラビアガム・アラビノガラクタン・アロエベラ抽出物・ウェランガム・オリゴグルコサミン・カードラン・ガティガム・キダチアロエ抽出物・キチン・キトサン・グルコサミン・酵母細胞壁・サイリウムシードガム・デキストラン・トラガントガム・納豆菌ガム・フクロノリ抽出物・エステルガム・カルボキシメチルセルロースカルシウム・カルボキシメチルセルロースナトリウム・メチルセルロース・水溶性大豆多糖類などの海藻、種子、樹脂および微生物由来の物質またはそれを加工したり化学修飾したりした物質の1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる多糖類はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0026】
本発明では繊維質として、難消化性ないし不消化性の炭水化物またはそれを加工したり化学修飾したりした物質を広く用いることができる。例えば、微結晶セルロース・大豆植物繊維・乾燥おから・セルロース・ヘミセルロース・粉末セルロース・微小繊維状セルロース・みかんパルプ・難消化性デキストリンなどの海藻、種子、樹脂および微生物由来の物質またはそれを加工したり化学修飾したりした物質の1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる繊維質はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0027】
本発明では大豆関連物質として、大豆から得られる成分やそれを加工したり精製したり化学修飾したりした物質を広く用いることができる。例えば、おから・乾燥おから・大豆たんぱく質・豆乳・豆乳粉末・大豆油脂・大豆レシチン・大豆グロブリン・大豆ペプチド・大豆イソフラボンなどが挙げられる。これらは1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる大豆関連物質はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0028】
本発明では澱粉として、通常に食品に使用される天然澱粉やそれらを加工した加工澱粉を広く用いることができる。例えばワキシーコーンスターチ、とうもろこし澱粉、小麦澱粉、馬鈴薯澱粉、タピオカ澱粉、サゴ澱粉、ハイアミロースコーンスターチ、緑豆澱粉・デキストリン・漂白澱粉、可溶性澱粉、架橋澱粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉、エステル化架橋澱粉、エーテル化架橋澱粉、α−澱粉、部分α化澱粉が挙げられる。これらは、1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる澱粉はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0029】
本発明では糖質として、通常に食品に使用される天然糖類や澱粉から加工した糖類およびそれらをさらに加工したり化学修飾したりした糖類を広く用いることができる。例えば、ブドウ糖・ショ糖・果糖・液糖・オリゴ糖・砂糖混合ブドウ糖果糖液糖・転化糖・麦芽糖・ブドウ糖果糖液糖・はちみつ・水あめ・メープルシュガー・乳糖などが挙げられる。これらは、1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる糖質はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0030】
本発明では糖アルコール類として、還元基を有する糖の還元基を還元してアルコール基としたものが広く用いることができる。例えば、マルチトール・ソルビトール・還元パラチノース・エリスリトール・ラクチトール・還元キシロオリゴ糖などの植物、動物、微生物由来の物質またはそれらを加工したり化学修飾したりした物質の1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる糖アルコールはこれらの具体例に限定されるものではない。
【0031】
本発明では甘味料として、上述の糖質をそのまま使用できるほか、通常に食品に使用される天然甘味料や合成甘味料も広く用いることができる。例えば、アスパルテーム・グリチルリチン酸二ナトリウム・サッカリン・サッカリンナトリウム・トレハロース・マンニトール・N-アセチルグルコサミン・L-アラビノース・オリゴ−N−アセチルグルコサミン・カンゾウ抽出物・D-キシロース・クルクリン・α−グルコシルトランスフェラーゼ処理ステビア・酵素処理カンゾウ・酵素分解カンゾウ・ステビア・L-ソルボース・タウマチン・L-フコース・ミラクルフルーツ抽出物・ラカンカ抽出物・L-ラムノース・D-リボースなどの植物、動物、微生物由来の物質またはそれらを加工したり化学修飾したりした物質の1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる甘味料はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0032】
本発明では乳製品として、牛乳などの乳関連製品やそれらを部分的に精製したものやそれらを加工したり化学修飾したりしたものを広く用いることができる。例えば、脱脂粉乳・低脂肪粉乳・全粉乳・ホエーたん白・カゼイン・カゼインナトリウム・酸カゼイン・レンネットカゼイン・ラクトアルブミン・チーズ・生クリーム・バター・練乳などが挙げられる。これらは、1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる乳製品はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0033】
本発明ではたん白質として、通常に食品に使用されるたん白質を広く用いることができる。例えば、大豆たん白質・小麦たん白質・魚肉たんぱく質・スピルリナ・グルテン・活性グルテン・グリアジン・グルテニン・卵白・卵黄・ゼラチン・コラーゲン・プラズマ・血液たん白などの植物、動物、微生物由来の物質またはそれらを加工したり化学修飾したりした物質の1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができるたん白質はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0034】
本発明では油脂として、通常に食品に使用される油脂やそれらに水素添加したものおよびそれらを精製したものを広く用いることができる。例えば、粉末油脂・ショートニング・マーガリン・ラード・オリーブ油・カカオ油・硬化油・ごま油・小麦胚芽油・こめ油・さば油・サンフラワー油・大豆油・とうもろこし油・なたね油・パーム油・やし油・落花生油などの植物、動物由来の物質またはそれらを加工したり化学修飾したりした物質の1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる油脂はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0035】
本発明では酵素として、通常に食品に使用される天然の酵素や微生物由来の酵素を広く用いることができる。例えば、アスコルビン酸オキダーゼ・アミノペプチダーゼ・α−アミラーゼ・Β−アミラーゼ・アルギン酸リアーゼ・アントシアナーゼ・イソアミラーゼ・イソマルトデキストラナーゼ・インベルターゼ・ウレアーゼ・エステラーゼ・カタラーゼ・カルボキシペプチダーゼ・キトサナーゼ・グルカナーゼ・グルカナーゼ・グルコアミラーゼ・グルコースイソメラーゼ・グルコースオキシダーゼ・α−グルコシダーゼ・Β−グルコシダーゼ・α−グルコシルトランスフェラーゼ・グルタミナーゼ・酸性ホスファターゼ・セルラーゼ・デキストラナーゼ・トランスグルコシダーゼ・トランスグルタミナーゼ・トリプシン・トレハロースホスホリラーゼ・ナリンジナーゼ・パーオキシダーゼ・パパイン・パンクレアチン・プルラナーゼ・プロテアーゼ・ペクチナーゼ・ペプシン・ペプチダーゼ・ヘミセルラーゼ・ホスホリパーゼ・ポリフェノールオキシダーゼ・ラクトパーオキシダーゼ・リゾチーム・リパーゼ・リポキシゲナーゼ・レンネットなどの天然酵素や微生物由来酵素の1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる酵素はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0036】
本発明ではビタミンとして、通常に食品に使用される合成されたビタミンやその誘導体を広く用いることができる。例えば、L−アスコルビン酸・L−アスコルビン酸ステアリン酸エステル・L−アスコルビン酸ナトリウム・L−アスコルビン酸パルミチン酸エステル・エルゴカルシフェロール・コレカルシフェロール・ジベンゾイルチアミン・ジベンゾイルチアミン塩酸塩・チアミン塩酸塩・チアミン硝酸塩・チアミンセチル硫酸塩・チアミンチオシアン酸塩・チアミンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩・チアミンラウリル硫酸塩・ニコチン酸アミド・パントテン酸カルシウム・パントテン酸ナトリウム・ビスベンチアミン・ビタミンA・粉末ビタミンA・ビタミンA脂肪酸エステル・ピリドキシン塩酸塩・メチルヘスペリジン・葉酸・リボフラビン・リボフラビン酪酸エステル・リボフラビン5‘−リン酸エステルナトリウムなどの合成ビタミンやその誘導体の1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができるビタミンはこれらの具体例に限定されるものではない。
【0037】
本発明では乳化剤として、通常に食品に使用される天然乳化剤および合成乳化剤やそれらを加工したり化学修飾したりしたものを広く用いることができる。例えば、エンジュサポニン・オオムギ穀皮抽出物・キラヤ抽出物・酵素処理ダイズサポニン・酵素処理レシチン・酵素分解レシチン・スフィンゴ脂質・植物性ステロール・ダイズサポニン・胆汁末・チャ種子サポニン・動物性ステロール・トマト糖脂質・ビートサポニン・ユッカフォーム抽出物・植物レシチン・卵黄レシチン・分別レシチン・グリセリン脂肪酸エステル・ショ糖脂肪酸エステル・ステアロイル乳酸カルシウム・ソルビタン脂肪酸エステル・デンプングリコール酸ナトリウム・デンプンリン酸エステルナトリウム・プロピレングリコール脂肪酸エステルなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる乳化剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0038】
本発明では食品素材として、通常に食品に使用される天然物で一般的に食品素材と言われている物質を広く用いることができる。また、本発明でいう食品の中には飲料も含まれる。例えば、調味料類・甘味料類・酸味料類・油脂類・香辛料類・乳製品・酒類などとその他の農水畜林産物から得られたすべての食品関連物質の中から1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる食品素材はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0039】
本発明では製造用剤として、通常に食品の製造に使用され、一般的に製造用剤と言われている物質を広く用いることができる。例えば、脂肪酸類・活性炭・カラメル類・キトサン・焼成カルシウム類・シクロデキストリン・生石灰・タンニン類・不溶性鉱物性物質・木炭類・流動パラフィン・カゼインナトリウム・かんすい・グリセリン・コンドロイチン硫酸ナトリウム・酢酸ナトリウム・シリコーン樹脂・炭酸マグネシウム・二酸化ケイ素・微粒二酸化ケイ素・ピロリン酸四カリウム・ピロリン酸二水素二ナトリウム・ピロリン酸四ナトリウム・プロピレングリコール・ポリリン酸カリウム・ポリリン酸ナトリウム・メタリン酸カリウム・メタリン酸ナトリウム・硫酸アンモニウム・硫酸ナトリウム・硫酸マグネシウム・リン酸三カリウム・リン酸水素二アンモニウム・リン酸二水素アンモニウム・リン酸水素二カリウム・リン酸二水素カリウム・リン酸水素二ナトリウム・リン酸二水素ナトリウム・リン酸三ナトリウムなどとその他の農水畜林産物から得られたものおよび合成により得られたすべての食品関連物質の中から1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる製造用剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0040】
本発明では力価調整剤として、上述の繊維質・大豆関連物質・澱粉・糖質・糖アルコール・甘味料・乳製品・たんぱく質・油脂・食品素材・製造用剤のすべての中から1種または2種以上を用いることができる。また、通常に食品に使用されるナトリウム塩・カリウム塩・カルシウム塩・アンモニウム塩どの金属塩類の物質の中からも1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる力価調整剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0041】
本発明ではpH調整剤として、通常に食品に使用される天然由来または微生物発酵法または化学的合成により得られた有機酸やアルカリを広く用いることができる。例えば、イタコン酸・α−ゲトグルタル酸・フィチン酸・メバロン酸・アジピン酸・クエン酸・グルコン酸・コハク酸・氷酢酸・酒石酸・乳酸・塩酸・酢酸・フマル酸・りんご酸・リン酸・酸性ピロリン酸およびそれらのナトリウム塩・カリウム塩・カルシウム塩・アンモニウム塩および炭酸カルシウム・水酸化カルシウム・リン酸カルシウムリン酸一ナトリウム・リン酸二ナトリウム・リン酸三ナトリウム・ピロリン酸ナトリウム・ポリリン酸ナトリウム・トリポリリン酸ナトリウム・ピロリン酸カリウム・ヘキサメタリン酸ナトリウム・メタリン酸ナトリウム・メタリン酸カリウム・フマル酸一ナトリウム・炭酸水素ナトリウム・炭酸ナトリウム・炭酸水素カリウム・炭酸カリウム・炭酸水素アンモニウム・水酸化ナトリウムなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができるpH調整剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0042】
本発明では香辛料として、通常に食品に使用される主に植物由来の物質またはそれを加工したり精製したりした物質を広く用いることができる。例えば、アーモンド・アジョワン・アニス種子・アンゼリカ・うこん粉・オールスパイス・オリガノ・オレオレンジ・カシア・カプシカムペパー・カミツレ・からし・ガラナ・カルダモン・乾燥かんきつ皮・キャラウェイ・クミン種子・クローブ・ケーパー・けし種子・コーラ・コカ・こしょう・ごま・コリアンダー種子・サフラン・さんしょう・しそ・シャロット・しょうが・ジュニパーベリー・シンナモン・スターアニス・スペアミント・セイジ・セイボリー・セロリーシード・タイム・たで・たまねぎ・タラゴン・チコリ・チャービル・チャイブ・抽出粉末香辛料・チリペパー・ディル・ナツメグ・にら・にんにく・ねぎ・バジル・パセリ・はっか葉・パプリカ・ピスタチオ・フェヌグリーク・フェンネル種子・ホースラディッシュ・マージョラン・みつば・みょうが・メース・ゆず・ライム・レッドペパー・レモン・ローズマリー・ローレル・わさびなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる香辛料はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0043】
本発明では酸化防止剤として、通常に食品に使用される天然由来の物質またはそれらを加工したり化学修飾したりした物質を広く用いることができる。例えば、チャ抽出物・抽出トコフェロール・没食子酸・ルチン・オリザノール・クエルセチン・コメヌカ抽出物・セージ抽出物・フェルラ酸・ローズマリー抽出物・EDTAカルシウム二ナトリウム・EDTA二ナトリウム・エリソルビン酸・エリソルビン酸ナトリウム・ジブチルヒドロキシトルエン・dl−α−トコフェロール・ブチルヒドロキシアニソール・没食子酸プロピルなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる酸化防止剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0044】
本発明では強化剤として、通常に食品に使用される天然由来の物質またはそれらを加工したり化学修飾したりした物質を広く用いることができる。例えば、アミノ酸類・焼成カルシウム類・抽出トコフェロール類・未焼成カルシウム類・有機酸塩類・リン酸塩類・硫酸塩類・カルシウム類などが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる強化剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0045】
本発明では膨張剤として、通常に食品に使用される主に化学的合成で得られた物質を広く用いることができる。例えば、塩化アンモニウム・合成膨張剤・炭酸アンモニウム・炭酸カリウム・炭酸水素アンモニウム・炭酸水素ナトリウム・硫酸アルミニウムアンモニウム・硫酸アルミニウムカリウムなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる膨張剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0046】
本発明では着香剤として、通常に食品に使用される天然由来の物質または化学的合成した物質およびそれらを加工したり化学修飾したりした物質を広く用いることができる。例えば、オレンジ油・からし油・ガーリック油・ジンジャー油・スペアミント油・タイム油・たまねぎ油・はっか油・バニラ豆・ペパーミント油・レモン油および酢酸類・フェニル酸類・プロピオン酸類・へキサン類・酪酸類・エステル類・エーテル類・ケトン類・脂肪酸類などが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる着香剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0047】
本発明では着色剤として、通常に食品に使用される天然由来および化学的合成で得られる物質を広く使用できる。赤、黄、茶、青、黒、紫などの各色の着色料の中から1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる着色剤はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0048】
本発明では保存料として、通常に食品に使用される天然由来の物質または化学的合成した物質およびそれらを加工したり化学修飾したりした物質を広く使用することができる。例えば、しらこたんぱく抽出物・ポリリシン・亜硫酸ナトリウム・安息香酸ナトリウム・パラオキシ安息香酸類・ソルビン酸・ソルビン酸カリウム・プロピオン酸・プロピオン酸カルシウム・プロピオン酸ナトリウムなどが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる保存料はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0049】
本発明では調味料として、通常食品に使用される天然由来の物質または化学的合成した物質およびそれらを加工したり化学修飾したりした物質を広く使用できる。例えば、粉末化野菜類・粉末化果実類・アミノ酸類・核酸類・コハク酸類・酒石酸類などが挙げられる。これらの1種または2種以上を用いることができる。ただし、本発明で用いることができる調味料はこれらの具体例に限定されるものではない。
【0050】
本発明の食品用改良剤は、カシアガムを含有するものであれば、その他の成分の種類と含有量は所期の効果を過度に阻害しない限り特に制限されないが、より効果的な食品用改良剤にするためには、当該食品用改良剤を100重量%とした時にカシアガムが0.01重量%以上配合されていることが好ましく、1重量%以上配合されていることがより好ましく、10〜99重量%配合されていることがさらに好ましい。
【0051】
本発明では、上記食品用改良剤は、様々な食品に広く適用することができる。適用対象となる食品とその加工形態は特に制限されないが、好ましい例として以下の食品および加工形態を例示することができる。また、本発明では、食品用改良剤を使用してゲル化・増粘・安定・糊料・食感改良・物性改良・乳化・凝固・コーティング・軟化・分散・浸透・起泡・剥離・離型の各効果を付与されて改良された以下の食品をも提供する。
【0052】
(1)畜肉製品
本発明では、上記食品用改良剤を畜肉製品に使用すると食感が改良されるとともに歩留まりも向上することを見出した。特に、ジューシー感・プリプリ感といった食感が改良される。また、中華まんじゅうなどのまんじゅう類や餃子・春巻き・シュウマイなどの皮で包んだ飲茶類に使用した場合、具の離水が抑制されて皮がふやけたりべたつくのが抑制されることも見出した。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての畜肉製品に適用できる。本発明でいう畜肉製品とは、一般的に食肉として喫食される肉類、その加工品、およびそれらを使用した食品すべてであり、ハム・骨付きハム・ボンレスハム・ロースハム・ショルダーハム・プレスハム・混合プレスハム・チョップドハム・ベーコン・ロースベーコン・ショルダーベーコン・ソーセージ・セミドライソーセージ・ドライソーセージ・ボロニアソーセージ・フランクフルトソーセージ・ウィンナーソーセージ・スモークソーセージ・レバーソーセージ・サラミ・レバーペースト・ローストビーフ・ハンバーグ・ハンバーグパティ・ミートボール・肉団子・から揚げ・ナゲット・餃子・シュウマイ・肉まん・中華まん・春巻き・カツレツ・メンチカツ・コロッケ・酢豚・麻婆豆腐・コーンビーフ・牛肉缶詰・鯨缶詰・焼き鳥缶詰・チャーシュー・角煮・ロールキャベツなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な畜肉製品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の畜肉製品をも提供する。
【0053】
(2)乳製品
本発明では、上記食品用改良剤を乳製品に使用すると、ホエイオフが抑制されたり、離水防止されたりして安定性が改良されることを見出した。ミルク飲料類や乳酸菌飲料類や粉乳類や練乳類の場合は、乳タンパクが安定化され、分離・ホエイオフ・離水が抑制される。クリーム類の場合は、気泡がコントロールされてソフト感ボディ感などの食感が改良されるのと同時に保形性が付与される。ヨーグルト類の場合は、粘度やゲル強度がコントロールされて希望の食感が得られるのと同時に分離・ホエイオフ・離水が抑制される。アイスクリームやシャーベットなどの冷菓類の場合は、オーバーランがコントロールされ氷結晶がきめ細かくなり口溶けやボディ感やソフト感などの食感が改良されるのと同時に保形性が付与される。チーズ類の場合は強度が上げられ、耐性が付与されオイルオフや離水が防止される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての乳製品に適用できる。本発明でいう乳製品とは、一般的に乳として喫飲食される牛乳類・羊乳類・ヤギ乳類、その加工品、およびそれらを使用した食品すべてであり、加工乳・普通乳・濃厚乳・低脂肪乳・脱脂乳・乳飲料・コーヒー飲料・フルーツミルク・バターミルクドリンク・チョコレートミルク・ミルクコーヒー・クリーム・脂肪置換クリーム・コーヒーホワイトナー・ヨーグルト・フルーツヨーグルト・プレーンヨーグルト・ケフィヤー・ドリンクヨーグルト・フローズンヨーグルト・サワーミルク・ホエードリンク・カスタードクリーム・スフレ・ミルクセーキ・エッグノッグ・乳酸菌飲料・乳製品乳酸菌飲料・アイスクリーム・高脂肪アイスクリーム・普通脂肪アイスクリーム・バニラアイスクリーム・フレーバーアイスクリーム・アイスミルク・ラクトアイス・ソフトクリーム・アイスミックスパウダー・ウォーターアイス・フローズンデザート・全粉乳・脱脂粉乳・調製粉乳・無糖練乳・加糖練乳・加糖脱脂練乳・エバミルク・コンデンスミルク・チーズ・ナチュラルチーズ・エダムチーズ・エメンタールチーズ・カテージチーズ・カマンベールチーズ・クリームチーズ・ゴーダチーズ・チェダーチーズ・パルメザンチーズ・ブルーチーズ・プロセスチーズ・チーズスプレッド・チーズフード・乳入りシャーベット・油脂入りシャーベットなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な乳製品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の乳製品をも提供する。
【0054】
(3)菓子類
本発明では、食品用改良剤を菓子類に使用すると、食感改良や離水防止や安定性向上など様々な効果を発揮することを見出した。和菓子類では以下の品質が改良される。あんや栗ペーストのようなペースト類の場合は、粘度がコントロールされてボディ感や口溶けが改善されると同時に離水も抑制される。カステラ類や今川焼き系の小麦粉焼成菓子の皮類やモチ菓子系の皮類や団子系の皮類やまんじゅう系の皮類に使用すると、生地粘度と気泡性がコントロールされてふっくら感や口溶けやボディ感やソフト感などの食感が改良される。かりんとう類やあられ類や豆菓子類やせんべい類に使用すると、気泡性がコントロールされてサックリ感やふっくら感や口溶けなどの食感が改良される。ようかん類やういろう類やすあま類の場合、ゲル強度がコントロールされて弾力や歯切れや口溶けなどの食感が改良される。また、洋菓子類では、以下の品質が改良される。ケーキ類やドーナツ類やパイ類やクレープ類やスナック類やクッキー類やクラッカー類やホットケーキ類などの小麦粉焼成系生地に使用すると、生地粘度と気泡性がコントロールされてふっくら感や口溶けやソフト感やサクサク感などの食感が改良される。パイ類やケーキ類用のソース類やクリーム類や具などに使用すると、粘度や気泡性がコントロールされてボディー感や口当たりなどの食感が改良されるのと同時に離水を防いで生地がベタベタになるのが抑えられる。ゼリー類やババロア類の場合では、ゲル強度がコントロールされてプルプル感や口溶けなどの食感が改良されると同時に殺菌耐性が付与される。キャンディー類やグミ類やヌガー類に使用された場合では、強度がコントロールされて保形性が強くなると同時に、糖類が“だれる現象”である“泣き”が改良される。チョコレート類の場合は、安定性や保形性が付与されオイルオフや“泣き”が改良される。ガム類の場合は、安定性が付与されベタツキが防止される。また、中華菓子では、以下の品質が改良される。あんや惣菜などのまんじゅう類の具に使用すると、粘度がコントロールされてボディー感や口当たりなどの食感が改良されるのと同時に、具から皮への水分の移行を防いで生地がベタベタになるのが抑えられる。まんじゅう類の生地に使用すると、生地粘度と気泡性がコントロールされて、ふっくら感や口溶けやボディ感やソフト感などの食感が改良される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての菓子類に適用できる。本発明でいう菓子類とは、一般的に菓子として喫食される和風・洋風・アジア風菓子類やそれらに類似した菓子食品すべてであり、甘納豆・アン入り生八つ・今川焼き・たい焼き・ういろう・うぐいすもち・おはぎ・かしわもち・カステラ・かのこ・かるかん・きび団子・ぎゅうひ・雪平・きんつば・草もち・くし団子・あん団子・しょうゆ団子・桜もち・大福もち・落がん・揚げ豆・タルト・タルトレット・ちまき・どら焼き・金つば・ねりきり・まんじゅう・くずまんじゅう・くずざくら・くりまんじゅう・蒸しまんじゅう・もなか・ようかん・練りようかん・水ようかん・蒸しようかん・芋かりんとう・おこし・かりんとう・ひなあられ・ボーロ・松風・豆菓子・八つ橋・小麦粉せんべい・磯辺せんべい・巻きせんべい・南部せんべい・米菓・あられ・揚げせんべい・アップルパイ・カスタードプディング・カップケーキ・パウンドケーキ・マドレーヌ・シュークリーム・エクレア・ショートケーキ・ロールケーキ・デコレーションケーキ・バターケーキ・チーズケーキ・バウムクーヘン・ミルフィーユ・フラン・ゼリー・フルーツゼリー・ワインゼリー・コーヒーゼリー・フルーツコンポート・ブラマンジェ・ドーナツ・イーストドーナツ・ケーキドーナツ・フライドパイ・ババロア・マロングラッセ・ミートパイ・プリン・ミルクプリン・ワッフル・パンケーキ・クレープ・ムース・ピザパイ・ホットケーキ・ウエハース・クラッカー・サブレ・スナック菓子・コーンスナック・ポテトスナック・小麦スナック・ポテトチップ・パフパイ・ビスケット・クッキー・乾パン・プリッツェル・キャラメル・キャンディー・ゼリーキャンディー・ゼリービーンズ・ドロップ・ヌガー・フォンダン・ウイスキーボンボン・グミ・バタースコッチ・マシュマロ・チョコレート・原料用チョコレート・チョコレート菓子・ココアパウダー・調製ココア・ココアケーキ・ファッジ・チョコレートデザート・チューインガム・糖衣ガム・風船ガム・バターピーナッツ・ピーナッツバター・げっぺい・中華風クッキー・中華風まんじゅう・中華風あんまんじゅうなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な菓子類はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の菓子類をも提供する。
【0055】
(4)パン類
本発明では、食品用改良剤をパン類に使用すると、主に食感が改良されることを見出した。例えば、生地粘度や気泡性がコントロールされてふっくら感や口溶けやソフト感やサクサク感などの食感が改良される。さらには、クラスト類やパイ類やパン粉類に使用すると、気泡性や生地粘度がコントロールされてサクサク感や口溶けなどの食感が改良されるのと同時に、強度が付与されて具からの水分移行によるふやけが抑制される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべてのパン類に適用できる。本発明でいうパン類とは、一般的に小麦粉焼成食品として喫食される小麦粉加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、食パン・コッペパン・乾パン・フランスパン・欧風硬焼パン・ライ麦パン・ぶどうパン・レーズンパン・ロールパン・クロワッサン・調理パン・菓子パン・デニッシュペストリー・バゲット・バターロール・ホットドックロール・ハンバーガーバンズ・イングリッシュマフィン・ピロシキ・イーストパイ・ピザクラスト・ラスク・クルトン・パン粉・生パン粉・カラーパン粉・ミックスパン粉・クラッカーパン粉などが挙げられる。ただし、本発明が適用可能なパン類はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述のパン類をも提供する。
【0056】
(5)製粉類・穀類加工品
本発明では、食品用改良剤を製粉類・穀類加工品に使用すると、主に食感や安定性が改良されることを見出した。小麦粉加工品などの麦系加工品や上新粉などの米粉系加工品に使用すると、生地のまとまりがよくなると同時にゲル強度がコントロールされて食感が改良される。天ぷら類やフライ類やフリッター類などのバッター系ミックス粉の場合、生地粘度や気泡性がコントロールされてふっくら感や口溶けやソフト感やサクサク感などの食感が改良されると同時に強度が付与されて具からの水分移行によるふやけが抑制される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての製粉類・穀類加工品に適用できる。本発明でいう製粉類・穀類加工品とは、一般的に穀類として加工・調理される食品およびその調理加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、大麦加工品・生ふ・焼きふ・米加工品・もち・上新粉・白玉粉・餅粉・道明寺粉・米こうじ・米ぬか・コーンフラワー・ポップコーン・コーンフレーク・プレミックス・ホットケーキミックス・パンケーキミックス・ケーキドーナツミックス・蒸しパンミックス・イーストドーナツミックス・菓子パンミックス・スポンジケーキミックス・インスタントブレッドミックス・パイクラストミックス・バッターミックス・天ぷら粉・ブレッティングミックス・ピザ生地ミックス・フリッターミックス・お好み焼きミックス・たこ焼きミックスなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な製粉類・穀類加工品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の製粉類・穀類加工品をも提供する。
【0057】
(6)いも及び澱粉加工品
本発明では、食品用改良剤をいも及び澱粉加工品に使用すると、様々な効果が発揮されることを見出した。例えば、調理加工時に生地のまとまりがよくなると同時に生地粘度や気泡性がコントロールされてふっくら感や口溶けやソフト感やサクサク感などの食感が改良されるなどである。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべてのいも及び澱粉加工品に適用できる。本発明でいういも及び澱粉加工品とは、一般的にいも及び澱粉として加工・調理される食品およびその調理加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、こんにゃく・さつまいも加工品・さといも加工品・じゃがいも加工品・マッシュポテト・フライドポテト・くず粉加工品・米粉加工品・コーンスターチ加工品・α澱粉加工品・デキストリン加工品・澱粉エステル加工品・アミロース加工品などが挙げられる。ただし、本発明が適用可能ないも及び澱粉加工品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述のいも及び澱粉加工品をも提供する。
【0058】
(7)油脂食品
本発明では、食品用改良剤を油脂食品に使用すると、主に安定性が向上することを見出した。例えば、バター類やマーガリン類に使用すると、強度が上げられ耐性が付与されるのと同時にオイルオフや離水が防止される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての油脂食品に適用できる。本発明でいう油脂食品とは、一般的に油脂を原料に乳化された食品およびその加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、バター・加塩バター・無塩バター・甘性バター・酸性バター・非発酵クリームバター・発酵クリームバター・マーガリン・調製マーガリン・低脂肪マーガリン・スプレッド・ショートニング・ラードなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な油脂食品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の油脂食品をも提供する。
【0059】
(8)豆類加工品
本発明では、食品用改良剤を豆類加工品に使用すると、様々な効果が発揮されることを見出した。豆腐類や加工豆腐類の場合、ゲル強度がコントロールされ、弾力やソフト感や口溶けなどの食感が改良されるのと同時に、離水が防止される。あん類や味噌類に使用した場合は、粘度がコントロールされて口溶けなどの食感が改良されると同時に離水も抑制される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての豆類加工品に適用できる。本発明でいう豆類加工品とは、一般的に豆類を粉砕したりすり潰したりした食品およびその加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、茹で小豆水煮・あん・こしあん・さらしあん・きな粉・豆腐・木綿豆腐・絹ごし豆腐・焼き豆腐・生揚げ・油揚げ・がんもどき・味噌などが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な豆類加工品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の豆類加工品をも提供する。
【0060】
(9)魚介類加工品
本発明では、食品用改良剤を魚介類加工品に使用すると、主に食感が改良されることを見出した。練り製品に使用した場合、ゲル強度がコントロールされ、弾力や歯切れや口溶けなどの食感が改良されると同時に、気泡性もコントロールされソフト感などの食感も改良され、さらには離水も防止される。佃煮類や塩辛類に使用すると、粘度がコントロールされて“だれ”や離水が防止される。海苔類の場合、加工時の接着が良くなってパリッとした食感が改良される。イクラなどの人工食品の場合、ゲル強度がコントロールされてプチっとした食感が改良される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての魚介類加工品に適用できる。本発明でいう魚介類加工品とは、一般的に魚介類として喫食される海産食品およびその加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、すり身・かまぼこ・焼きかまぼこ・蒸しかまぼこ・かに風味かまぼこ・竹輪・焼き竹輪・つみれ・なると・はんぺん・さつま揚げ・魚肉ハム・魚肉ソーセージ・佃煮・海苔・焼き海苔・味付け海苔・塩昆布・ところてん・塩辛・珍味・人工イクラ・人造キャビア・加工からすみ・かずのこ風成形卵などが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な魚介類加工品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の魚介類加工品をも提供する。
【0061】
(10)卵類加工品
本発明では、食品用改良剤を卵類加工品に使用すると、主に食感が改良されることを見出した。加熱前の卵類に使用すると、粘度がコントロールされて操作性がよくなる。卵料理に使用すると、粘度や気泡性がコントロールされてふっくら感や口溶けやソフト感やなどの食感が改良される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての卵類加工品に適用できる。本発明でいう卵類加工品とは、一般的に卵を加工した食品および調理加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、全卵・卵白・卵黄・加糖全卵・加糖卵白・ポーチドエッグ・卵豆腐・だし巻き卵・ロングエッグなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な卵類加工品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の卵類加工品をも提供する。
【0062】
(11)野菜類加工品
本発明では、食品用改良剤を野菜類加工品に使用すると、主に離水が防止されることを見出した。漬物類に使用した場合、離水が防止されるのと同時に水分の移行が抑制されて色彩の変化も抑制される。佃煮類に使用した場合、粘度がコントロールされて離水が防止されるのと同時に、“だれ”が抑制される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての野菜類加工品に適用できる。本発明でいう野菜類加工品とは、一般的に野菜を加工した食品またはその調理加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、切干大根・たくあん・奈良漬・守口漬け・べったら漬け・みそ漬け・福神漬け・たかな漬け・野沢菜・らっきょう・わさび・かんぴょう・しいたけ・梅干・白菜漬け・佃煮・はとうがらしの佃煮・ふきの佃煮・さんしょうの佃煮・ごぼうの佃煮・れんこんの佃煮などが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な野菜類加工品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の野菜類加工品をも提供する。
【0063】
(12)果実類加工品
本発明では、食品用改良剤を果実類加工品に使用すると、様々な効果が発揮されることを見出した。ジャム類に使用すると、ゲル強度や粘度がコントロールされて舌触りなどの食感が改良されるのと同時に“だれ”や離水が抑制される。ペースト類やピューレ類に使用すると、粘度がコントロールされることと食品用改良剤に含まれる繊維質によりボディ感や舌触りなどの食感が改良される。缶詰類のシロップに使用すると、粘度がコントロールされて果実類へのシロップの“のり”が改良される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての果実類加工品に適用できる。本発明でいう果実類加工品とは、一般的に果実を加工した食品およびその調理加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、あんず缶詰・あんずジャム・いちごジャム・いちじく缶詰・みかん缶詰・桜桃缶詰・オレンジマーマレード・オレンジジャム・かりん缶詰・グレープフルーツ缶詰・ココナツミルク・なし缶詰・なつみかん缶詰・なつみかんマーマレード・パイナップル缶詰・パイナップル砂糖漬け・びわ缶詰・ぶどう缶詰・ぶどうジャム・もも缶詰・りんご缶詰・りんごジャム・ブルーベリージャム・ラズベリージャム・濃縮果汁・果実ペーストなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な果実類加工品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の果実類加工品をも提供する。
【0064】
(13)酒類
本発明では、食品用改良剤を酒類に使用すると、滓下げ剤としての機能を発揮することを見出した。すなわち、不純物が滓下げられて清澄度が上げられる。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての酒類に適用できる。本発明でいう酒類とは、一般的にアルコール類として飲食される食品およびその加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、清酒・ビール・発泡酒・ぶどう酒・ワイン・しょうちゅう・ウイスキー・ブランデー・ウオッカ・ジン・ラム・梅酒・合成清酒・スイートワイン・ベルモット・キュラソー・白酒・本ミリン・本直しミリン・薬味酒などが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な酒類はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の酒類をも提供する。
【0065】
(14)嗜好飲料
本発明では、食品用改良剤を嗜好飲料に使用すると、様々な効果を発揮することが見出された。茶類やココア類やコーヒー類や果実飲料類や豆乳類などの混濁していて沈降物が出やすい飲料の場合は、適度な粘性を与えられて沈降を防いで安定性が増し、同時にココア類やコーヒー類や果実飲料類や豆乳類などの場合は、粘度がコントロールされ、喉ごしなどの食感が改良される。炭酸飲料類などの透明度の高い飲料の場合、不純物が滓下げられて清澄度が向上する。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての飲料に適用できる。本発明でいう飲料とは、一般的に飲みものとして飲食される食品およびその加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、茶・麦茶・ウーロン茶・昆布茶・紅茶・甘酒・ココア飲料・ピュアココア・ミルクココア・コーヒー・インスタントコーヒー・コーヒー飲料・果実飲料・ミカンジュース・りんごジュース・ぶどうジュース・パインジュース・ももジュース・グレープフルーツジュース・レモンジュース・洋ナシジュース・うめジュース・いちごジュース・パッションフルーツジュース・メロンジュース・ガァバジュース、クランベリージュース・バナナジュース・マンゴジュース・キウィージュース・パパイヤジュース・フルーツミックスジュース・炭酸飲料・炭酸果実飲料・コーラ・サイダー・ジンジャエール・トニック水・スポーツ飲料・粉末清涼飲料・無果汁発泡粉末清涼飲料・果汁入り粉末清涼飲料・粉末スポーツ飲料・粉末即席レモンティー・粉末しるこ・豆乳・調製豆乳・豆乳飲料・フルーツ豆乳・コーヒー豆乳・栄養ドリンク・繊維ドリンクなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な嗜好飲料はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の嗜好飲料をも提供する。
【0066】
(15)調味料
本発明では、食品用改良剤を調味料に使用すると、様々な効果を発揮することを見出した。タレの場合、粘度がコントロールされて舌触りなどの食感が改良されると同時に他の食品に使用された時の“のり”方をコントロールして希望のものに改良される。ドレッシング類や油脂使用のタレ類やソース類に使用の場合、粘度がコントロールされて舌触りなどの食感が改良されると同時に他の食品に使用された時の“のり”方をコントロールして希望のものに改良され、さらに油脂と水相との分離も抑制できる。丼物の素類などに使用の場合、上記食感改良・“のり”・油水分離防止に加え、レトルト・殺菌耐性が付与され、粘性や安定性が失われにくくなる。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての調味料に適用できる。本発明でいう調味料とは、一般的に他の食品に味をつけるために使用される食品およびその加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、コンソメ・しょうゆ・ウスターソース・中濃ソース・濃厚ソース・とんかつソース・お好みソース・焼きそばソース・もんじゃソース・どろソース・たこ焼きソース・ハンバーグソース・デミグラスソース・パスタソース・スパゲッティーソース・ミートソース・チリソース・中華ソース・マーボーソース・ホワイトソース・シチューソース・オイスターソース・ケチャップソース・トマトケチャップ・トマトソース・トマトピューレー・トマトペースト・チリソース・ハヤシルー・サラダドレッシング・半固体状ドレッシング・乳化液状ドレッシング・分離液状ドレッシング・サンドイッチスプレッド・サワーコーン・サラダクリーム・コールスロー・セパレートドレッシング・サワードレッシング・オニオンドレッシング・中華ドレッシング・和風ドレッシング・ゴマドレッシング・マヨドレ・マヨネーズ・マヨネーズスプレッド・バンバンジーソース・カレーソース・カレールー・グラタンソース・ピザソース・めんつゆ・焼肉のタレ・焼き鳥のタレ・焼き豚のタレ・すき焼きのタレ・しゃぶしゃぶのタレ・生姜焼きのタレ・キムチ鍋の素・ゴマ鍋の素・中華丼の素・牛丼の素・豚丼の素などが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な調味料はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の調味料をも提供する。
【0067】
(16)香辛料
本発明では、食品用改良剤を香辛料に使用すると、様々な効果を発揮することを見出した。粉末品に使用の場合は、調理に使用された時に適度な粘性が与えられて粘性の制御力が得られる。練り香辛料に使用された場合は、粘度がコントロールされて希望の粘度の食品にすることができると同時に離水も抑制される。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての香辛料に適用できる。本発明でいう香辛料とは、一般的に他の食品に香味をつけるために使用される食品およびその加工品およびそれらを使用した食品すべてであり、オールスパイス・オニオンパウダー・からし末・練りからし・ガーリック末・ガーリックペースト・カレー粉・粉わさび・練りわさび・ジンジャー末・練ジンジャー・ペッパーソース・チリパウダーなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な香辛料はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の香辛料をも提供する。
【0068】
(17)調理加工食品
本発明では、食品用改良剤を調理加工食品に使用すると、上述の(11)〜(16)の効果が複合して、機械耐性・加工耐性・チルド耐性・冷凍耐性・解凍耐性・熱耐性・殺菌耐性・レトルト耐性・レンジ耐性・調理耐性・保存耐性などが付与され、その結果、食感改良・保形性改良・食感維持・操作性改良・安定性改善など食品としてより好ましい品質になるばかりか経時変化や物理的変化が改良されることを見出した。本発明の食品用改良剤は、本発明の精神を逸脱しない限りはすべての香辛料に適用できる。本発明でいう調理加工品とは、一般的に部分あるいはすべて加工済みの食品であり、エビフライ・カレー・コンソメスープ・コーンクリームスープ・コーンポタージュスープ・コロッケ・クリームコロッケ・ポテトコロッケ・シチュー・卵豆腐・茶碗蒸し・焼き卵・ロールキャベツ・中華炒め・ソース炒め・野菜炒め・きんぴら・グラタン・フィッシュボール・フィッシュバーグ・カレーライス・ハヤシライス・おかゆ・雑炊・牛丼・親子丼・赤飯・チャーハン・釜飯・ピラフ・リゾット・ドリア・焼きそば・八宝菜・酢豚・肉じゃが・フライドチキンなどが挙げられる。ただし、本発明が適用可能な調理加工品はこれに限定されるものではない。また、本発明では、食品用改良剤を使用した上述の調理加工品をも提供する。
【0069】
本発明における食品用改良剤のさらなる利点は、類似した効果を持ついくつかの食品用改良剤と比較して、食品を調理加工する前に添加した時点では比較的低い粘性を示すのにもかかわらず、調理加工して食品になった後における改良剤としての効果がより高い場合が多いことである。
【0070】
すなわち、食品の調理加工前に改良剤を添加して混合する時は、粘性が出すぎてしまうとべたついたり流動性が悪くなったりして作業性が悪くなってしまうことが多々ある。これは、人間が作業する場合では大きな負担になり、場合によっては作業する人数を増やさなければならないといったコストの上昇に繋がってしまう。また、機械を用いる場合でも粘性が発現されると、食品の原料を混合したりこん捏したりするミキサーや攪拌機にかかる負担が大きくなり、電気代などのコストが上がってしまう。さらには、加工調理前の食品をタンクや容器から取り出したりパイプを使って次工程に移送したりする際においても、粘性が高いと、完全に取り出せずにタンクや容器に残りやすくなってしまうし、パイプ移送も動力が余計にかかってしまうばかりか、それらに残ってしまった残留物の洗浄も余計に手間や労力がかかってしまう。つまり、食品の調理加工後における食品用改良剤の効果が同じ程度に発現されるならば、調理加工前はあまり粘性が上がらないものの方が良いと言える。
【0071】
この点において、本発明における食品用改良剤は、他の改良剤と比較して、調理加工前の食品の増粘を抑え、操作性が大変良いものであるばかりか、それにもかかわらず、食品の加工後の効果が他の改良剤より良いことがほとんどであり、たいへん優れた改良剤であると言える。
【0072】
本発明の食品用改良剤を使用した食品の製造法およびそれらの添加方法は特に制限されない。例えば、食品の原料に対し、前記食品用改良剤およびカシアガム組成物を直接粉体として添加したり、水溶液やペーストにしてから添加したりすることが可能である。また、食品用改良剤およびカシアガム組成物を副原料もしくは原料水もしくは原料液など最終的に目的食品に含まれることになる材料に、直接粉体として添加したり、水溶液やペーストにしたりしてから添加しても良い。
【0073】
添加の仕方としては、食品用改良剤およびカシアガム組成物を粉のまま、または水を加えてから混合したり、ふりかけたり、まぶしたり、摺込んだり、漬け込んだり、あるいは注入したりして使用する。また、添加される工程については、原料中でも、副原料添加後でも、原料水添加後でも、原料液添加後でも、原料混合前でも、混合中でも、混合後でも、加熱や冷却などの工程中でもいかなる工程中でも構わないが、好ましくは混合前もしくは混合中においての原料中か副原料中か原料水中か原料液中に添加するのが最も効果を発揮しやすい。
【実施例】
【0074】
以下に、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、手順、割合、操作等は、本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に制限されるものではない。なお、以下の実施例では、カシアガムとしてB型粘度計で測定した1%加熱溶液粘度が10〜6,000mPa・sであるカシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)を使用した。

(A)畜肉製品
【0075】
実施例1 ソーセージ (単品の食感改良剤)
豚挽肉66.99重量部、氷水26.8重量部、豚脂(ベル食品(株)製、純製ラード)2.68重量部に対して、カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)、κ―カラギーナン(中央フーズマテリアル(株)製、KC200S)、ローカストビーンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製、ビストップD−30)、カゼインカリウム((株)ジョー・ウェリー・インターナショナル製、Rowi K20)のうちいずれか一種1重量部、食塩(鳴門塩業(株)製、鳴門並塩)1.68重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース)1重量部、リン酸塩製剤(武田薬品工業(株)製、ポリリンサン「タケダ」2−A)0.2重量部、うま味調味料(味の素(株)製、味の素)0.2重量部、白胡椒(エスビー食品(株)製、ホワイトペッパー)0.14重量部、鶏がらスープ(味の素(株)製、がらスープ)0.14重量部、ナツメッグ(エスビー食品(株)製、ナツメッグ)0.07重量部、アスコルビン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、L(+)−アスコルビン酸ナトリウム)0.03重量部、セージ(エスビー食品(株)製、セージ)0.03重量部、コリアンダー(エスビー食品(株)製、コリアンダー)0.03重量部、亜硝酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、亜硝酸ナトリウム)0.01重量部の混合物を添加し、よく混ぜ合わせた。この肉をソーセージフィラー(ケンウッド(株)製、スーパーミンサーA-950)を用いて天然羊腸に詰めた。適当な長さまで肉が詰まったら、タコ糸で縛り、切り取った後、75℃の湯浴中で40分間ボイルして茹でソーセージを得た。この茹でソーセージを一晩、冷蔵保存(5℃)し、翌日、食べる直前に沸騰水中で3分間ボイルして調理し、官能検査に供した。一方、上記のソーセージ製造法のうちカシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、ジューシー感、弾力、おいしさについて、対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】

【0077】
実施例2 ソーセージ (製剤の食感改良・歩留まり向上剤)
カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)30重量部、微結晶セルロース(旭化成(株)製、アビセルFD−101)20重量部、乾燥おから((株)紀文フードケミファ製、おからパウダー)50重量部からなるカシアガム組成物A、カシアガム30重量部、微結晶セルロース20重量部、タピオカ澱粉(セレスタージャパン(株)製、C☆CreamTex75725)50重量部からなるカシアガム組成物B、カシアガム30重量部、微結晶セルロース20重量部、乾燥卵白(丸善薬品産業(株)製、乾燥卵白)50重量部からなるカシアガム組成物Cを用意した。また、比較例として、エンドウ豆タンパク質と多糖類からなる比較既存製剤1及びκ―カラギーナン73重量部、ローカストビーンガム10重量部、ブドウ糖10重量部、ポリリン酸ナトリウム5重量部、塩化カリウム2重量部からなる比較既存製剤2を用意した。
【0078】
豚挽肉66.99重量部、氷水26.8重量部、豚脂(ベル食品(株)製、純製ラード)2.68重量部に対して、上記食感改良・歩留まり製剤A、B、Cまたは比較既存製剤1、2のうちいずれか一種2重量部、食塩(鳴門塩業(株)製、鳴門並塩)1.68重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース)1重量部、リン酸塩製剤(武田薬品工業(株)製、ポリリンサン「タケダ」2−A)0.2重量部、うま味調味料(味の素(株)製、味の素)0.2重量部、白コショウ(エスビー食品(株)製、ホワイトペッパー)0.14重量部、鶏がらスープ(味の素(株)製、がらスープ)0.14重量部、ナツメッグ(エスビー食品(株)製、ナツメッグ)0.07重量部、アスコルビン酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、L(+)−アスコルビン酸ナトリウム)0.03重量部、セージ(エスビー食品(株)製、セージ)0.03重量部、コリアンダー(エスビー食品(株)製、コリアンダー)0.03重量部、亜硝酸ナトリウム(和光純薬工業(株)製、亜硝酸ナトリウム)0.01重量部の混合物を添加し、よく混合した。ソーセージフィラー(ケンウッド(株)製、スーパーミンサーA-950)を用いて天然羊腸に上記で混合した肉を詰めた。適当な長さまで肉が詰まったら、タコ糸で縛り、切り取った後、75℃の湯浴中で40分間ボイルして茹でソーセージを得た。この茹でソーセージを一晩、冷蔵保存(5℃)し、翌日、食べる直前に沸騰水中で3分間ボイルして調理し、官能検査に供した。一方、上記のソーセージ製造法のうちカシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、ジューシー感、弾力、おいしさについて、対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表2に示す。
【0079】
本明細書の実施例2において、生ソーセージおよび加工後の茹でソーセージの平均重量を測定し、以下の計算式により、加工後のソーセージ重量の原料重量に対する割合を示す、重量歩留まり(部)から、相対歩留まり(部)を算出した。相対歩留まりとは、各試験区の重量歩留まりを対照区の重量歩留まりで除した後、部表示したものである。100を超えて数値が大きいものほど、製剤として、より歩留まりを向上させる効果が強いと言える。
【数1】

【0080】
【表2】

【0081】
実施例3 冷凍肉団子 (単品の食感改良・歩留まり向上剤)
豚挽肉63重量部、みじん切りにした玉ねぎ22重量部、すりおろした生姜0.6重量部、料理酒(イオン(株)製、トップバリュ料理酒) 1.6重量部、胡麻油(イオン(株)製、食用ごま油) 1.6重量部、水3.5重量部をよく混ざるまで混合した。一方、卵白粉((株)KIテック製、乾燥卵白) 3重量部、食塩(鳴門塩業(株)製、鳴門並塩) 1.6重量部、馬鈴薯澱粉(松谷化学工業(株)製、ひまわり) 3重量部、塩化カリウム(赤穂化成(株)製、塩化カリウム) 0.1重量部を粉体のまま混合した。この粉体に、カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)、ローカストビーンガム((株)三晶製、メイプロLBG)、グァーガム((株)紀文フードケミファ製、ダックガム#800)、κ−カラギーナン(中央フーズマテリアル((株)製、KC-200S)のいずれか1種の0.5重量部を加えよく混合した。この粉体を、先の豚挽肉、玉ねぎ、すりおろし生姜、料理酒、胡麻油、水からなる原料に加え、さらによく混ざるまで混合した。これを24gづつに分割し、ボール状になるように成型した後、沸騰水中で10分間ボイルしてボイル肉団子を得た。これをパウチ袋に入れ、パウチごと−35℃の冷凍庫に入れて冷凍し冷凍肉団子を得た。この冷凍肉団子をパウチごと沸騰水中で20分間加温して皿に盛り、市販のソースをかけて官能検査に供した。一方、上記の冷凍肉団子のうちカシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造・調理した。これらについて、ジューシー感、弾力、おいしさについて対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は、訓練された3人のパネルにより行った。それぞれの結果を表3に示す。
【0082】
本明細書の実施例3、4において、生の肉団子および加工調理後の肉団子の平均重量を測定し、以下の計算式により、加工調理後の肉団子重量の原料重量に対する割合を示す、重量歩留まり(部)から、相対歩留まり(部)を算出した。相対歩留まりとは、各試験区の重量歩留まりを対照区の重量歩留まりで除した後、部表示したものである。100を超えて数値が大きいものほど、添加剤として、より歩留まりを向上させる効果が強いと言える。
【数2】

【0083】
【表3】

【0084】
実施例4 レトルト肉団子 (単品の食感改良・歩留まり向上剤)
豚挽肉63重量部、みじん切りにした玉ねぎ22重量部、すりおろした生姜0.6重量部、料理酒(イオン(株)製、トップバリュ料理酒) 1.6重量部、胡麻油(イオン(株)製、食用ごま油) 1.6重量部、水3.5重量部をよく混ざるまで混合した。一方、卵白粉((株)KIテック製、乾燥卵白) 3重量部、食塩((株)鳴門食塩製、鳴門並塩) 1.6重量部、馬鈴薯澱粉(松谷化学工業(株)製、ひまわり) 3重量部、塩化カリウム(赤穂化成(株)製、塩化カリウム) 0.1重量部を粉体のまま混合した。この粉体に、カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)、ローカストビーンガム((株)三晶製、メイプロLBG)、グァーガム((株)紀文フードケミファ製、ダックガム#800)、κカラギーナン((株)中央フーズマテリアル製、KC-200S)のいずれか1種を0.5重量部を加えよく混合した。この粉体を、先の豚挽肉、玉ねぎ、すりおろし生姜、料理酒、胡麻油、水からなる原料に加え、さらによく混ざるまで混合した。これを24gづつに分割し、ボール状になるように成型した後、沸騰水中で2分間ボイルしてボイル肉団子を得た。これをパウチ袋に入れ、パウチごと沸騰水中で20分間殺菌し、常温に戻してレトルト肉団子を得た。このレトルト肉団子は常温に保存した。このレトルト肉団子をパウチごと沸騰水中で5分間加温して皿に盛り、市販のソースをかけて官能検査に供した。一方、上記のレトルト肉団子のうちカシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造・調理した。これらについて、ジューシー感、弾力、おいしさについて対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は、訓練された3人のパネルにより行った。それぞれの結果を表4に示す。
【0085】
【表4】

【0086】
実施例5 餃子の具 (単品の食感改良・離水防止剤)
豚挽肉29.8重量部、刻みキャベツ29.8重量部、刻み玉ねぎ14.9重量部、刻みニラ1.7重量部をよく混ざるまで混合した。一方、しょう油(キッコーマン(株)製、特選しょうゆ)1.7重量部、ニンニクペースト(ヱスビー食品(株)製、本生おろしたて生ニンニク) 0.5重量部、胡麻油(イオン(株)製、食用胡麻油) 1重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース) 0.7重量部、うまみ調味料(味の素(株)製、味の素) 1重量部、食塩((株)鳴門食塩製、鳴門並塩) 0.4重量部、黒コショウ(ヱスビー食品(株)製、ブラックペッパー) 0.1重量部を混ぜ合わせ調味液とし、これを上記の豚挽肉、刻みキャベツ、刻み玉ねぎ、刻みニラに混ぜ合わせ、よく混ざるまで混合した。一方、つなぎとして馬鈴薯澱粉(松谷化学工業(株)製、ひまわり) 1重量部、卵白粉((株)KIテック製、乾燥卵白) 0.5重量部、大豆タンパク粉(不二製油(株)製、ニューフジプロSE) 3重量部、カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム) 1重量部を粉体で予め混合し、水13.9重量部に分散させた後、上記の豚挽肉、刻みキャベツ、刻み玉ねぎ、刻みニラに調味液を混合したものに混ぜ合わせ、よく混ざるまで混合した。これを17.5gづつに分割し、ボール状になるように成型した後、市販の餃子の皮(ダイヤフーズ(株)製、餃子の皮生)で包んで包あんし、生餃子を得た。この生餃子をセイロで7分間蒸し、蒸し餃子を得た。この蒸し餃子を冷却した後、5℃の冷蔵庫で一晩チルド保存してチルド餃子を得た。このチルド餃子12個を8gのサラダオイルの入ったフライパンで中火で1分間焼成後、10gの水を加えてフライパンにフタをし、弱火で2分間蒸し焼きし、その後フタを外して強火で1分間焼成して焼き餃子を得た。この焼き餃子を皿に盛って官能検査に供した。一方、上記の餃子のうち添加剤のカシアガムを加えなかったものを対照として、同様に製造・調理した。これらについて、具のジューシー感について対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は、訓練された4人のパネルにより行った。それぞれの結果を表5に示す。
【0087】
本明細書の実施例5において、生餃子、チルド餃子、焼き餃子の具の平均重量を測定し、以下の計算式により、加工調理後の具の重量の原料重量に対する割合を示す、重量歩留まり(部)から、相対歩留まり(部)を算出した。相対歩留まりとは、試験区の具の重量歩留まりを対照区の具の重量歩留まりで除した後、部表示したものである。100を超えて数値が大きいものほど、添加剤として、より歩留まりを向上させる効果が強いと言える。
【数3】

【0088】
また、本明細書の実施例5において、生餃子、チルド餃子、焼き餃子の皮の平均重量を測定し、以下の計算式により、餃子の具から皮へ移行した水分を求め、増えた重量を離水率(部)として考え、以下の計算式により相対離水率(部)を算出した。相対離水率(部)とは、試験区の離水率を対照区の離水率で除した後、部表示したものである。100を超えず数値が小さいものほど、添加剤として、より離水を防止する効果が強いと言える。
【数4】

【0089】
【表5】

(B)冷菓
【0090】
実施例6 アイスクリーム (単品の食感改良・オーバーラン改良剤)
加糖練乳(森永乳業(株)製、森永加糖練乳) 14重量部、水飴(ソントン食品工業(株)製、ソントン水飴) 7重量部、生クリーム(高梨乳業(株)製、35生クリーム) 10重量部、水48.5重量部をよく混合した。一方、脱脂粉乳(明治乳業(株)製、明治脱粉) 12重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース) 4重量部、グリセリン脂肪酸エステル((株)花王製、エキセルT-95) 0.3重量部を粉体でよく混ぜたものに、カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)、ローカストビーンガム((株)三晶製、メイプロLBG)、タラガム(伊那食品工業(株)製、タラタラガム)、グァーガム((株)紀文フードケミファ製、ダックガム#800)、ι−カラギーナン(マリンサイエンス(株)製、SP-100)のいずれか1種0.3重量部をさらに粉体で混合した。この混合粉体を、先の加糖練乳、水飴、生クリーム、水を混ぜた液体に溶解した。この液体を沸騰水中で加温し、65℃になった時点で火から降ろし、無塩バター(北海道乳業(株)製、無塩バター)4重量部を加えた後、16,000回転のハンドミキサー(日本ジレット(株)製、ミニピアー305)で1分間ホモジナイズして乳化させた。これをさらに沸騰水中で加温し、85℃になった時点で火から降ろし、その後、蒸発した水分を加えてから5℃の冷蔵庫で冷却した。これにバニラオイル((株)共立食品製、バニラオイル) 0.1重量部およびバニラエッセンス((株)共立食品製、バニラエッセンス) 0.1重量部を加えてよく混合し、アイスクリームミックスを得た。このアイスクリームミックスを16,000回転のハンドミキサーで1分間ホモジナイズした後、−35℃の冷凍庫に入れて冷却し、90分後に再び16,000回転のハンドミキサーで1分間ホモジナイズした。このホモジナイズ−冷凍の工程を計3回繰り返し、アイスクリームを得た。得られたアイスクリームは、小分けしてカップに充填した後、−35℃の冷凍庫に保管し、食べる直前に冷凍庫から取り出して官能検査に供した。一方、上記のアイスクリーム製造法のうちカシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、さじ通りの良さ、氷結晶のきめ細かさ、ボディー感、口溶けについて、対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表6に示す。
【0091】
本明細書の実施例6および7において、凍結前のアイスクリームミックスおよび凍結したアイスクリームを解凍したミックス液について、(株)トキメック製のB型粘度計を用いて、20℃、60rpmの条件で粘度測定を行った。同じ食感および同じオーバーランのアイスクリームを得られるならば、タンクの攪拌機のエネルギーを省力できるという理由で、凍結前のアイスクリームミックスの粘度が低いに越したことはないと言えるが、かといって粘度が低すぎてアイスクリームの食感が異なってしまっては意味がない。また、凍結したアイスクリームを解凍したミックス液の粘度は、アイスクリームを口にした時のあっさり感、しつこさなどのボディー感に関連すると考えられ、この粘度があまり低すぎるとあっさりしすぎて物足りない食感になり、あまり高すぎるともったりしすぎてしつこい食感、時にはガムっぽい食感になってしまうと言われている。これらの粘度の適切な範囲は、数百mPa・sから5百mPa・sと言われている。
【0092】
また、本明細書の実施例6および7において、凍結前のアイスクリームミックスの重量(g)と同容量の完成したアイスクリームの重量(g)をそれぞれ測定し、以下の計算式によりオーバーラン(部)も算出した。オーバーランは、アイスクリームへの空気の混入量の度合いを表す数値であるが、高級感のある濃厚なアイスクリームの場合20部から40部、通常の安価なアイスクリームの場合は70部から100部であると言われ、得たいアイスクリームの食感によって変わってくるものである。
【数5】

【0093】
【表6】

【0094】
実施例7 アイスクリーム (製剤の食感改良・オーバーラン改良剤)
カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)50重量部、グァーガム((株)紀文フードケミファ製、ダックガム#800)10重量部、κ−カラギーナン(中央フーズマテリアル(株)製、KC-200S)3重量部、ι−カラギーナン((株)マリンサイエンス製、SP-100)3重量部、食品素材34重量部からなるカシアガム組成物Dを用意した。一方、比較例として、グァーガム50重量部、ローカストビーンガム16重量部、タマリンドガム12重量部、キサンタンガム4重量部、食品素材18重量部からなら比較既存製剤3、タマリンドガム20重量部、ローカストビーンガム13重量部、グァーガム10重量部、ペクチン10重量部、キサンタンガム3重量部、リン酸2水素カリウム10重量部、食品素材34重量部からなる比較既存製剤4、ローカストビーンガム44重量部、タマリンドガム19重量部、グァーガム15重量部、カラギーナン5重量部、食品素材17重量部からなる比較既存製剤5を用意した。
【0095】
加糖練乳(森永乳業(株)製、森永加糖練乳) 14重量部、水飴(ソントン食品工業(株)製、ソントン水飴) 7重量部、生クリーム(高梨乳業(株)製、35生クリーム) 10重量部、水48.5重量部をよく混合した。一方、脱脂粉乳(明治乳業(株)製、明治脱粉) 12重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース) 4重量部、グリセリン脂肪酸エステル((株)花王製、エキセルT-95) 0.3重量部を粉体でよく混ぜたものに、上記カシアガム組成物Dまたは比較既存製剤4、5、6のいずれか1種0.3重量部をさらに粉体で混合した。この混合粉体を、先の加糖練乳、水飴、生クリーム、水を混ぜた液体に溶解した。この液体を沸騰水中で加温し、65℃になった時点で火から降ろし、無塩バター(北海道乳業(株)製、無塩バター)4重量部を加えた後、16,000回転のハンドミキサー(日本ジレット(株)製、ミニピアー305)で1分間ホモジナイズして乳化させた。これをさらに沸騰水中で加温し、85℃になった時点で火から降ろし、その後、蒸発した水分を加えてから5℃の冷蔵庫で冷却した。これにバニラオイル((株)共立食品製、バニラオイル) 0.1重量部およびバニラエッセンス((株)共立食品製、バニラエッセンス) 0.1重量部を加えてよく混合し、アイスクリームミックスを得た。このアイスクリームミックスを16,000回転のハンドミキサーで1分間ホモジナイズした後、−35℃の冷凍庫に入れて冷却し、90分後に再び16,000回転のハンドミキサーで1分間ホモジナイズした。このホモジナイズ−冷凍の工程を計3回繰り返し、アイスクリームを得た。得られたアイスクリームは、小分けしてカップに充填した後−35℃の冷凍庫に保管し、食べる直前に冷凍庫から取り出して官能検査に供した。一方、上記のアイスクリーム製造法のうちカシアガム組成物D以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、さじ通りの良さ、氷結晶のきめ細かさ、ボディー感、口溶けについて、対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表7に示す。
【0096】
【表7】

【0097】
実施例8 ラクトアイス (製剤の食感改良・オーバーラン改良剤)
カシアガム((株)紀文フードケミファ(株)製、カシアガム)44重量部、タマリンドガム(五協産業(株)製、グリロイド3S)19重量部、グァーガム((株)紀文フードケミファ製、ダックガム#800)15重量部、ι−カラギーナン(マリンサイエンス(株)製、SP−100)5重量部、食品素材17重量部からなるカシアガム組成物Eを用意した。一方、比較例として、ローカストビーンガム44重量部、タマリンドガム19重量部、グァーガム15重量部、カラギーナン5重量部、ワキシ澱粉17重量部からなる比較既存製剤6を使用した。
【0098】
加糖練乳(森永乳業(株)製、森永加糖練乳)15重量部、水飴(ソントン食品工業(株)製、ソントン水飴)8.8重量部、菜種オイル(イオン(株)製、トップバリュなたねサラダ油)5重量部、液糖(参松工業(株)製、サンフラクトS−20)2重量部、水60.7重量部をよく混合した。一方、脱脂粉乳(明治乳業(株)製、明治脱脂粉乳)5重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース)3重量部、グリセリン脂肪酸エステル(花王(株)製、エキセルT−95)0.3重量部を粉体でよく混合したものに、カシアガム組成物Eもしくは比較既存製剤6のうちいずれか一種0.3重量部の添加物をさらに粉体で混合した。この混合粉体を、先の加糖練乳、水飴、菜種オイル、液糖、水を混ぜた液体に溶解した。この液体を沸騰水中で80℃、5分間加熱し、その後、蒸発した水分を加えてから5℃の冷蔵庫で冷却した。これに、バニラオイル(共立食品(株)製、バニラオイル)0.1重量部及びバニラエッセンス(共立食品(株)製、バニラフレーバー)0.1重量部を加えてよく混合し、ラクトアイスミックスを得た。このラクトアイスミックスを16,000回転のハンドミキサー(日本ジレット(株)製、ミニピアー305)で1分間ホモジナイズした後、−35℃の冷凍庫に入れて冷却し、90分後に再び16,000回転のハンドミキサーで1分間ホモジナイズした。このホモジナイズ−冷凍の工程を計3回繰り返し、ラクトアイスを得た。得られたラクトアイスは、小分けしてカップに充填した後−35℃の冷凍庫に保管し、食べる直前に冷凍庫から取り出して官能検査に供した。一方、上記のラクトアイス製造法のうちカシアガム組成物E以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、さじ通りの良さ、氷結晶のきめ細かさ、ボディー感、口溶けについて、対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表8に示す。
【0099】
本明細書の実施例8において、凍結前のラクトアイスミックスおよび凍結したラクトアイスを解凍したミックス液について、(株)トキメック製のB型粘度計を用いて、20℃、60rpmの条件で粘度測定を行った。同じ食感および同じオーバーランのラクトアイスを得られるならば、タンクの攪拌機のエネルギーを省力できるという理由で、凍結前のラクトアイスミックスの粘度が低いに越したことはないと言えるが、かといって粘度が低すぎてラクトアイスの食感が異なってしまっては意味がない。また、凍結したラクトアイスを解凍したミックス液の粘度は、ラクトアイスを口にした時のあっさり感、しつこさなどのボディー感に関連すると考えられ、この粘度があまり低すぎるとあっさりしすぎて物足りない食感になり、あまり高すぎるともったりしすぎてしつこい食感、時にはガムっぽい食感になってしまうと言われている。これらの粘度の適切な範囲は、数百mPa・sから5百mPa・sと言われている。
【0100】
また、本明細書の実施例8において、凍結前のラクトアイスミックスの重量(g)と同容量の完成したラクトアイスの重量(g)をそれぞれ測定し、以下の計算式によりオーバーラン(部)も測定した。オーバーランは、ラクトアイスへの空気の混入量の度合いを表す数値であリ、得たいラクトアイスの食感によって変わってくるものである。
【数6】

【0101】
【表8】

【0102】
実施例9 油脂なしシャーベット (単品の食感改良・オーバーラン改良剤)
水飴(イオン(株)製、トップバリュ水あめ)10重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース)8重量部に水7重量部を加え、よく攪拌溶解させた。この液体にカシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)、グァーガム((株)紀文フードケミファ製、ダックガム#800)、タマリンドガム(大日本製薬(株)製、グリロイド2A)、タラガム(伊那食品工業(株)製、タラタラガム)、ローカストビーンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製、ビストップD−30)のいずれか一種を0.2重量部添加し、さらに攪拌、溶解した。この液体を沸騰水中で80℃、5分間加熱し、その後、蒸発した水分を加えてから5℃の冷蔵庫で冷却した。これにオレンジ果汁(イオン(株)製、トップバリュ濃縮還元オレンジジュース)74.5重量部、香料((株)ナリヅカコーポレーション製、オレンジエッセンス)0.5重量部を加え、ハンドミキサー(日本ジレット(株)製、ミニピアー305)で1分間攪拌し、シャーベットミックスを得た。攪拌機付きフリーザー((株)エフ・エム・アイ製、小型フリーザーHTF−3)にこのシャーベットミックスを投入し、20分間攪拌冷却してシャーベットを得た。得られたシャーベットは、小分けしてカップに充填した後−35℃の冷凍庫に保管し、食べる直前に冷凍庫から取り出して官能検査に供した。一方、上記のシャーベット製造法のうちカシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、さじ通りの良さ、氷結晶のきめ細かさ、ボディー感、口溶けについて、対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表9に示す。
【0103】
本明細書の実施例9、10、11において、凍結前のシャーベットミックスおよび凍結したシャーベットを解凍したミックス液について、(株)トキメック製のB型粘度計を用いて、20℃、60rpmの条件で粘度測定を行った。同じ食感および同じオーバーランのシャーベットを得られるならば、タンクの攪拌機のエネルギーを省力できるという理由で、凍結前のシャーベットの粘度が低いに越したことはないと言えるが、かといって粘度が低すぎてシャーベットの食感が異なってしまっては意味がない。また、凍結したシャーベットを解凍したミックス液の粘度は、シャーベットを口にした時のあっさり感、しつこさなどのボディー感に関連すると考えられ、この粘度があまり低すぎるとあっさりしすぎて物足りない食感になり、あまり高すぎるともったりしすぎてしつこい食感、時にはガムっぽい食感になってしまうと言われている。
【0104】
また、本明細書の実施例9,10、11において、凍結前のシャーベットミックスの重量(g)と同容量の完成したシャーベットの重量(g)をそれぞれ測定し、以下の計算式によりオーバーラン(部)も測定した。オーバーランは、シャーベットへの空気の混入量の度合いを表す数値であリ、得たいシャーベットの食感によって変わってくるものである。
【数7】

【0105】
【表9】

【0106】
実施例10 油脂なしシャーベット (製剤の食感改良・オーバーラン改良剤)
カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)50重量部、タマリンドガム(大日本製薬(株)製、グリロイド2A)20重量部、グァーガム((株)紀文フードケミファ製、ダックガム#800)10重量部、タラガム(伊那食品工業(株)製、タラタラガム)10重量部、キサンタンガム(MRCポリサッカライド(株)製、ソアキサン)10重量部からなるカシアガム組成物Fを用意した。一方、比較例として、タマリンドガム20重量部、ローカストビーンガム13重量部、グァーガム10重量部、ペクチン10重量部、リン酸二水素カリウム10重量部、キサンタンガム3重量部、食品素材34重量部から成る比較既存製剤7を使用した。
【0107】
水飴(イオン(株)製、トップバリュ水あめ)10重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース)8重量部に水7重量部を加え、よく攪拌溶解させた。この液体に上記カシアガム組成物Fおよび比較既存製剤7のいずれか一種を0.2重量部添加し、さらに攪拌、溶解した。この液体を沸騰水中で80℃、5分間加熱し、その後、蒸発した水分を加えてから5℃の冷蔵庫で冷却した。これにオレンジ果汁(イオン(株)製、トップバリュ濃縮還元オレンジジュース)74.5重量部、香料((株)ナリヅカコーポレーション製、オレンジエッセンス)0.5重量部を加え、ハンドミキサー(日本ジレット(株)製、ミニピアー305)で1分間攪拌し、シャーベットミックスを得た。攪拌機付きフリーザー((株)エフ・エム・アイ製、小型フリーザーHTF−3)にこのシャーベットミックスを投入し、20分間攪拌冷却してシャーベットを得た。得られたシャーベットは、小分けしてカップに充填した後−35℃の冷凍庫に保管し、食べる直前に冷凍庫から取り出して官能検査に供した。一方、上記のシャーベット製造法のうちカシアガム組成物F以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、さじ通りの良さ、氷結晶のきめ細かさ、ボディー感、口溶けについて、対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表10に示す。
【0108】
【表10】

【0109】
実施例11 油脂入りシャーベット (製剤の食感改良・オーバーラン改良剤)
カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)15重量部、グァーガム((株)紀文フードケミファ製、ダックガム#800)5重量部、食品素材80重量部からなるカシアガム組成物G、カシアガム15重量部、グァーガム5重量部、タピオカ澱粉(セレスタージャパン(株)製、C☆CreamTex75725)40重量部、食品素材40重量部からなるカシアガム組成物H、カシアガム15重量部、グァーガム5重量部、ブドウ糖(加糖化学(株)製、フジクリスターHS)40重量部、食品素材40重量部からなるカシアガム組成物Iを用意した。一方、比較例として、ローカストビーンガム9重量部、グァーガム3重量部、食品素材88重量部からなる比較既存製剤8を使用した。
【0110】
水飴(イオン(株)製、トップバリュ水あめ)9重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース)12重量部に水12.5重量部を加え、よく攪拌溶解させた。この液体に、グリセリン脂肪酸エステル(花王(株)製、エキセルT−95)0.2重量部及びクエン酸ナトリウム(磐田化学工業(株)製、クエン酸三ナトリウム200")0.1重量部および上記カシアガム組成物G、H、Iまたは比較既存製剤8のいずれか一種を1重量部粉体混合したものを添加し、さらに攪拌、溶解した。この液体を沸騰水中で80℃、5分間加熱し、その後、蒸発した水分を加えてから5℃の冷蔵庫で冷却した。これにオレンジ果汁(イオン(株)製、トップバリュ濃縮還元オレンジジュース)65重量部、植物油脂(日清オイリオグループ(株)製、食用調合油)0.7重量部、香料((株)ナリヅカコーポレーション製、オレンジエッセンス)0.5重量部を加え、ハンドミキサー(日本ジレット(株)製、ミニピアー305)で1分間攪拌し、シャーベットミックスを得た。攪拌機付きフリーザー((株)エフ・エム・アイ製、小型フリーザーHTF−3)にこのシャーベットミックスを投入し、20分間攪拌冷却してシャーベットを得た。得られたシャーベットは、小分けしてカップに充填した後−35℃の冷凍庫に保管し、食べる直前に冷凍庫から取り出して官能検査に供した。一方、上記のシャーベット製造法のうちカシアガム組成物D以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、さじ通りの良さ、氷結晶のきめ細かさ、ボディー感、口溶けについて、対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表11に示す。
【0111】
【表11】

【0112】
実施例12 ソフトクリーム (製剤の食感改良・オーバーラン改良剤)
実施例7で使用したカシアガム組成物Dを再び用意した。一方、比較例としてローカストビーンガム((株)三晶製、メイプロLBG)を用意した
【0113】
牛乳(全国農業組合製、牛乳)50重量部、生クリーム(高梨乳業(株)製、35生クリーム) 16重量部、バニラエッセンス((株)共立食品製、バニラエッセンス) 0.1重量部、水10.2重量部を混ぜ、40℃になるまで混ぜながら加温した。一方、脱脂粉乳(明治乳業(株)製、明治脱粉) 4重量部、上白糖(マルハ(株)製、パールエース) 11.9重量部、グリセリン脂肪酸エステル((株)花王製、エキセルT-95) 0.3重量部を粉体でよく混ぜたものに、上記カシアガム組成物Dもしくは比較ローカストビーンガムのいずれか1種0.3重量部をさらに粉体で混合した。この混合体を、先の牛乳、生クリーム、バニラエッセンス、水を混ぜた液体に加え、溶解した。この液体を沸騰水中でさらに加温し、80℃になった時点で無塩バター(北海道乳業(株)製、無塩バター)7.5重量部を加えた。これをさらに沸騰水でかき混ぜながら10分間加温し、その後、冷水で冷まして40℃になった時点で蒸発した水分を加えてから16,000回転のハンドミキサー(日本ジレット(株)製、ミニピアー305)で1分間ホモジナイズして乳化させた。これをさらに冷水で冷まし、15℃になった時点で5℃の冷蔵庫で1時間以上冷却してソフトクリームミックスを得た。ソフトクリームメーカー(タイガー魔法瓶(株)製、ソフトクリームメーカーABP-600WS)にこのソフトクリームミックスを投入し、約5分間攪拌冷却してソフトクリームを得た。得られたソフトクリームは、小分けしてカップに充填してすぐさま官能検査に供した。一方、上記ソフトクリーム製造法のうち、食感改良剤製剤D以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、ソフト感、滑らかさ、ボディー感、口溶けについて、対照区を0とし、良いほうを+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表12に示す。
【0114】
また、本明細書の実施例12において、攪拌冷却前のソフトクリームミックスの重量(g)と同容量の完成したソフトクリームの重量(g)をそれぞれ測定し、以下の計算式によりオーバーラン(部)も測定した。オーバーランは、ソフトクリームへの空気の混入量の度合いを表す数値であリ、得たいソフトクリームの食感によって変わってくるものである。
【数8】

【0115】
【表12】

(C)デザート
【0116】
実施例13 水羊羹 (製剤のゲル化・食感改良剤)
カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)10重量部、κ―カラギーナン(中央フーズマテリアル(株)製、KC−200S)6重量部、ι―カラギーナン(マリンサイエンス(株)製、SP-100)2重量部、クエン酸ナトリウム(磐田化学工業(株)製、クエン酸三ナトリウム200")1重量部、乳酸カルシウム(白石カルシウム(株)製、エルカル)1重量部、食品素材80重量部からなるカシアガム組成物Jを用意した。一方、比較例として、ローカストビーンガム8重量部、カラギーナン7重量部、リン酸2水素カリウム2重量部、食品素材83重量部からなる比較既存製剤9を使用した。
【0117】
上白糖(マルハ(株)製、パールエース) 10重量部に、上記カシアガム組成物Jもしくは比較既存製剤9のいずれか一種1.6重量部を加え、粉体で混合した。この粉体に水50重量部を加え、よく混合した後、沸騰水中で加温した。80℃になった時点で火から降ろし、こし餡((株)ナニワ製、こしあん)40重量部を加えて混合した後、沸騰水中でさらに加温して85℃で5分間かき混ぜながら加温した。これを小分けしてカップに充填し、室温で冷ましてゲル化させて水羊羹を得た。得られた水羊羹を5℃の冷蔵庫に入れて保管し、食べる直前に冷蔵庫から取り出して官能検査に供した。これらについて、弾力、硬さ、口溶け、離水の少なさについて、パネルがイメージする水羊羹の食感を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表13に示す。
【0118】
【表13】

【0119】
実施例14 プリン (製剤のゲル化・食感改良剤)
カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)20重量部、κ―カラギーナン(三晶(株)製、Genugel WR-78)5重量部、ι―カラギーナン(マリンサイエンス(株)製、TS-150)3重量部、キサンタンガム((株)MRCポリサッカライド製、ソアキサン)8重量部、塩化カリウム((株)オルガノ製、シルビン)0.2重量部、食品素材63.8重量部からなるカシアガム組成物K、カシアガム17重量部、κ−カラギーナン6重量部、ι−カラギーナン4重量部、キサンタンガム1.5重量部、塩化カリウム0.2重量部、食品素材71.3重量部からなるカシアガム組成物Lを用意した。一方、比較例として、ローカストビーンガム8重量部、カラギーナン7重量部、リン酸2水素カリウム2重量部、食品素材83重量部からなる比較既存製剤10、カラギーナン33重量部、ローカストビーンガム24重量部、グァーガム14重量部、キサンタンガム4重量部、食品素材25重量部からなる比較既存製剤11を用意した。
【0120】
全卵(イオン(株)製、卵)5重量部をよく攪拌し、これに上白糖(マルハ(株)製、パールエース)8重量部の一部を混ぜて溶解混合し、茶ごしでこして鍋に入れた。これに水道水40重量部、牛乳(南房総みるく農業協同組合製、房州酪農牛乳)35重量部、生クリーム(日本ミルクコミュニティー(株)製、生乳100%使用の生クリーム)6重量部、ココナッツオイル(協同食品(株)製、食用やし油)3重量部をさらに加えて攪拌混合した。一方、上記上白糖の残部、脱脂粉乳(明治乳業(株)製、明治脱粉)2.8重量部、グリセリン脂肪酸エステル((株)花王製、エキセルT-95) 0.2重量部を粉体でよく混ぜたものに、上記カシアガム組成物KまたはLのいずれか1種0.5重量部もしくは比較既存製剤10の1重量部または比較既存製剤11の0.4重量部のいずれか1種をさらに粉体で混合した。この混合粉体を、先の全卵、上白糖、牛乳、生クリーム、ココナッツオイルを混ぜた液体に加え、溶解した。この混合物を沸騰水に入れ、かき混ぜながら85℃で5分間加温した後、バニラエッセンス((株)共立食品製、バニラエッセンス)を数滴加えてさらに攪拌した。これを小分けしてカップに充填し、室温で冷ましてゲル化させてプリンを得た。得られたプリンを5℃の冷蔵庫に入れて保管し、食べる直前に冷蔵庫から取り出して官能検査に供した。これらについて、柔らかさ、弾力、舌触り、濃厚感、口溶けについて、比較既存製剤10の食感を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表**に示す。
【0121】
【表14】

(D)乳製品
【0122】
実施例15 加工チーズ (単品の機能性改良剤)
ナチュラルチーズ((株)タカヤマ製、ミックスチーズ及び(株)ジャパンミルクネット製、細切りチーズ)85重量部、水12.75重量部、ポリリン酸ナトリウム(睦化学(株)製、食添トリポリ)1.7重量部、重曹(三幸(株)製、食品用特選重炭酸ソーダ)0.38重量部、グリセリン脂肪酸エステル(花王(株)製、エキセルT-95)0.17重量部を量り取り、これにカシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)あるいはローカストビーンガム(三栄源エフ・エフ・アイ(株)製、ビストップD−30)のうちいずれか一種0.3重量部をさらに加えて混ぜ合わせた。これを95〜100℃の湯浴中で7分間、加熱し溶解した。溶解したチーズを型に流し込み、室温で固化させて加工チーズを得た。得られた加工チーズは、5℃の冷蔵庫にて保管し、試験に供した。一方、上記の加工チーズ製造法のうち、カシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについてのレオメーター((株)飛島機器製、X−1600)を用いて、破断強度測定を行った。結果を表14に示す。
【0123】
【表15】

(E)ベーカリー製品
【0124】
実施例16 食パン (単品の食感改良剤)
強力粉(日清製粉(株)製、カメリア)100重量部、上白糖(台糖(株)製、スプーン印上白糖)2重量部、食塩(財団法人塩事業センター製、食塩)1重量部、イーストフード(旭フーズ(株)製、HB-2)0.1重量部を粉体混合し、さらにカシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)またはペクチン(ハーキュリーズ(株)製、GENU Pectin Big-J)のうちいずれか一種0.5重量部を加えてよく混合した。この粉体をミキサー(エスケーミキサー(株)製、エスケー10)に投入し、ドライイースト(日清製粉(株)製、スーパーカメリア顆粒)1.5重量部を水65重量部の一部に分散させたものを添加した後、さらに残りの水を加えて低速3分間、中速3分間、高速1分間ミキシングした。さらに、ショートニング(旭電化(株)製、アメリカーナ)を添加して、低速2分間、中速4分間、高速1分間ミキシングして生地玉を得た。生地の捏ねあがり温度は約28℃になるよう、粉温、水温、室温を適宜調節した。得られた生地玉を容器に入れ、濡れタオルで覆ってから恒温機に入れて、30℃で70分間、発酵させた。生地のガス抜きをした後、145gに分割した。ベンチタイムを20分間とった後、成形して型に入れてからホイロに入れ、38℃、湿度85%の条件で60分間、最終発酵させた。これをオーブンに入れ、210℃で40分間焼成し、食パンを得た。得られた食パンを室温まで冷却し、製造翌日に官能検査に供した。一方、上記の食パン製造法のうちカシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、ソフトな食感であるか、トースト時にソフトな食感が得られるかについて、対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表15に示す。
【0125】
【表16】

【0126】
実施例17 スポンジケーキ (単品の食感改良剤)
薄力粉(日清製粉(株)製、バイオレット)100重量部、ベーキングパウダー(奥野製薬(株)製、OP)2重量部、D−ソルビトール(日研化学(株)製、FP-100M)5重量部、グリセリン脂肪酸エステル(花王(株)製、エキセルT-95)3重量部を粉体で混合したものに、カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)またはローカストビーンガム((株)三晶製、メイプロLBG)のうちいずれか一種0.3重量部を加え、均一になる様によく混合した。これに水70重量部、卵黄40重量部を加え、泡だて器で2分間、攪拌した。さらに、ショートニング(旭電化(株)製、アメリカーナ)20重量部、バニラオイル(共立食品(株)製、バニラオイル)及びバニラエッセンス(共立食品(株)製、バニラエッセンス)を各少々添加し、再度泡だて器で2分間、攪拌した。この混合体に、卵白80重量部及び上白糖(大日本明治製糖(株)製、ばら印の白砂糖)100重量部を自動泡だて器(松下電器工業(株)製、泡だて器)でよく攪拌して作ったメレンゲを3回に分けて添加し、泡がきれないよう切るようにして静かに混合してスポンジケーキミックスを得た。出来上がったミックスを型に流し込み、オーブンに入れて170℃で35分間焼成し、スポンジケーキを得た。得られたスポンジケーキを室温で冷まし、製造翌日に官能検査に供した。一方、上記のスポンジケーキ製造法のうちカシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、口溶け、しっとり感、ソフト感について対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表16に示す。
【0127】
【表17】

【0128】
実施例18 冷凍ピザクラスト (単品の食感改良剤)
強力粉(日清製粉(株)製、カメリア)100重量部、砂糖(大日本明治製糖(株)製、ばら印の白砂糖)1.6重量部、食塩(鳴門塩業(株)製、鳴門並塩)1.6重量部を粉体で混合したものに、さらにカシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)0.3重量部を加えてよく混合した。ミキサー(エスケーミキサー(株)製、エスケー10)に、上記の粉体を入れ、これに水50重量部の一部で分散したドライイースト(日清フーズ(株)製、スーパーカメリアドライイースト)1.6重量部および残りの水を加えて、中速5分間ミキシングした。これに、さらに食用油(日清オイリオグループ(株)、日清サラダ油)6.5重量部を添加し、高速7分間ミキシングして生地玉を得た。生地の捏ねあがり温度は約28℃になるよう、粉温、水温、室温を適宜調節した。この生地玉を容器に入れ、濡れタオルで覆ってから恒温機に入れて、30℃で40分間、発酵させた。ガス抜きをした後、90gに分割し、直径15cmの円形に展延し、ピザクラスト生地を得た。得られたピザクラスト生地をホイロに入れ、40℃、湿度80%の条件下で15分間、二次発酵させた。焼成時に膨らまないよう、発酵後の生地を少し手のひらで押さえ、さらにフォークの先で生地全体に跡をつけ、オーブンに入れて200℃で5分間焼成してピザクラストを得た。得られたピザクラストを室温まで冷まし、ピザソース(キッコーマン(株)製、ピザトーストソース)、チーズ((株)東京デーリー、ナチュラルチーズ)を適量トッピングし、ラップで包んで−35℃の冷凍庫に入れて冷凍し、冷凍ピザを得た。得られた冷凍ピザを冷凍庫に保管し、食べる直前に冷凍庫から取り出し、凍ったまま500Wの電子レンジで4.5分間加熱し、官能検査に供した。一方、上記の冷凍ピザクラストの製造法のうち、カシアガムを加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、クリスピー感、ヒールの硬さ、具材の水分移行について対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表17に示す。
【0129】
【表18】

【0130】
実施例19 シュー皮 (単品の食感改良・内相改良剤)
薄力粉((株)日清製粉、バイオレット)100重量部に、カシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)、ペクチン((株)三晶製、ゲニュペクチン ビッグJ)のいすれか1種をカシアガムの場合は0.2重量部、ペクチンの場合は0.5重量部を加えて、粉体混合した。この粉体に水200重量部、無塩バター(北海道乳業(株)製、無塩バター)80重量部、食塩(鳴門塩業(株)製、鳴門並塩)2重量部を1500Wの電子レンジで2.5分間加熱して溶解した液体を加え、ヘラで1分間、良く練り合わせた。この混合体を再び電子レンジに入れ、750Wで1分間、加温した。これに、温水で30℃に温めた全卵を3回に分けて加え、よく混合し、シュー生地ミックスを得た。このシュー生地ミックスを、冷めないうちに、直径1cmの口金のついた搾り出し袋に移し、オーブン用ペーパーを敷いた天板に約4cm搾り出した。これをオーブンに入れ、200℃で20分間焼成し、室温で放冷してシュー皮を得た。得られたシュー皮を横から半分に切れ目を入れ、外観および食感の官能検査に供した。一方、上記シュー皮製造法のうち、カシアガム以下の添加剤を加えなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、以下の項目について、対照区を0とし、良いほうを+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。外観については、均一な凹凸が多数あり幅と高さのバランスが良いか、膨らみが良いかの2点について、食感については、口溶けが良いか、歯切れが良くて食感が軽いか2点について、評価した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表9に示す。
【0131】
【表19】

【0132】
実施例20 冷凍ホットケーキ (単品の食感改良剤)
ホットケーキミックス(富士製粉(株)製、ホットケーキミックス)100重量部にカシアガム((株)ノベオン製、カシアガム)0.3重量部を添加し、均一になるよう良く混合した。溶き卵25重量部と牛乳(くみあい乳業(株)製、農協北海道牛乳)85重量部をよく混ぜたところへ上記の粉体混合物を加え、ハンドミキサー(日本ジレット(株)製、ミニピアー305)を用い16,000回転で1分間攪拌してホットケーキ生地を得た。ホットプレート(150℃)に油(日清オイリオグループ本社(株)製、日清サラダ油)を薄くひき、ホットケーキ生地を丸い形になるよう流し込んだ。表面にボツボツ泡が立ってくるころの2.5分間まで片面を焼成し、裏返してさらに2.5分間焼成してホットケーキを得た。得られたホットケーキは、室温まで冷ましてから、ラップに包んで−35℃冷凍して冷凍ホットケーキを得た。得られた冷凍ホットケーキは、−35℃の冷凍庫に保管し、食べる直前に取り出して、凍ったまま500Wの電子レンジで1分間加熱し、官能検査に供した。一方、上記冷凍ホットケーキ製造法のうち、カシアガムを添加しなかったものを対照として、同様に製造した。これらについて、ソフトな食感、口溶け、カットしたときの潰れ(弾力)、ヒールの状況(固化、ふやけ)について対照区を0とし、良い方を+として−3から+3の7段階で評価し、平均点で示した。官能検査は訓練された4人のパネルにより行った。結果を表19に示す。
【0133】
【表20】

【0134】
上記実施例以外にも、さまざまな食品において検討を行ったが、本発明のカシアガムおよびそれを含有したカシアガム組成物により、多くの食品の品質を改良できた。
【産業上の利用可能性】
【0135】
上記実施例のように、カシアガムを含有する食品用改良剤は、食品に対し、ゲル化・増粘・安定・糊料・食感改良・物性改良・乳化・凝固・コーティング・軟化・分散・浸透・起泡・剥離・離型の各効果を発揮し、特に食感改良および物性改良に大変有効であった。また、他の多糖類と比較し、調理加工前の食品原料混合物の増粘が抑えられ、大変操作性が良いものであった。これにもかかわらず調理加工後の食品における食品改良効果が高く、本発明による食品用改良剤を使用した食品は、商品として非常に価値の高いものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
カシアガムを含有することを特徴とする食品用改良剤。
【請求項2】
多糖類・繊維質・大豆関連物質・澱粉・糖質・糖アルコール・甘味料・乳製品・たんぱく質・油脂・酵素・ビタミン・乳化剤・食品素材・製造用剤・力価調整剤・pH調整剤・香辛料・酸化防止剤・強化剤・膨張剤・着香剤・着色剤・保存料および調味料からなる群より選択される1種又は2種以上の成分をさらに含有していることを特徴とする請求項1に記載の食品用改良剤。
【請求項3】
前記食品用改良剤が、粉末状・ペースト状・固形状・液体状・顆粒状・カプセル状またはタブレット状であることを特徴とする請求項1または2に記載の食品用改良剤。
【請求項4】
畜肉製品・乳製品・菓子類・パン類・製粉類・穀類加工品・いも及び澱粉加工品・油脂食品・豆類加工品・魚介類加工品・卵類加工品・野菜類加工品・酒類・嗜好飲料・調味料・香辛料および調理加工食品類からなる群より選択される食品用であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の食品用改良剤。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を含むことを特徴とする食品。
【請求項6】
前記食品用改良剤を0.01重量%以上含むことを特徴とする請求項5に記載の食品。
【請求項7】
前記食品用改良剤を0.1重量%〜50重量%含むことを特徴とする請求項5に記載の食品。
【請求項8】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の食感改良方法。
【請求項9】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の離水防止方法。
【請求項10】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の安定化方法。
【請求項11】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の保形性改良方法。
【請求項12】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品のオーバーラン制御方法。
【請求項13】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の粘度制御方法。
【請求項14】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の気泡量制御方法。
【請求項15】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の弾力改良方法。
【請求項16】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を酒類および飲料に添加することを特徴とする、酒類および飲料の清澄度改良方法。
【請求項17】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の歩留まり向上方法。
【請求項18】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品のゲル強度制御方法。
【請求項19】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の食品用改良剤を食品に添加することを特徴とする、食品の熱耐性向上方法。

【公開番号】特開2006−223189(P2006−223189A)
【公開日】平成18年8月31日(2006.8.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−40869(P2005−40869)
【出願日】平成17年2月17日(2005.2.17)
【出願人】(000141510)株式会社紀文フードケミファ (9)
【Fターム(参考)】