説明

食品製造装置

【課題】容器本体や食品仮受け手段の内部を容易且つきれいに洗浄することのできる食品製造装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る食品製造装置1は、原料を容器本体3内部に投入するための原料投入手段10と、原料投入手段10から投入された原料を練ることにより粘性を有する食品に変えるための原料練り手段5と、容器本体3の下端に設けられ、原料練り手段5により練られた食品を一時的に受け止めるための食品仮受け手段6と、食品仮受け手段6により一時的に受け止められた食品を外部に取り出すための食品取り出し手段18とを備え、食品仮受け手段6は容器本体3に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品製造装置に関し、特に、原料を練ることにより粘性を有する食品を製造するための食品製造装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、餅粉等の原料から餅等の粘性を有する食品を製造する食品製造装置が知られている。
【0003】
この種の従来の食品成形装置は、原料を容器本体内に投入するための原料投入口と、該原料投入口から投入された原料を蒸気と混合して練るため水平に回転する錬り羽根と、該錬り羽根により錬られた食品を一時的に受け止めるためのホッパー形状の受け皿とを備えて構成されている。そして、前記容器本体内で錬られて製造された食品は、前記受け皿に一時的に受け止められた後、該受け皿の下端に設けられた取り出し口から外部に取り出されるようになっている(公知・公用の従来技術に基づき発明したため、出願人は本発明に関連する先行技術文献を知らない)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した従来の食品製造装置では、製造作業終了後に容器本体や受け皿の内部を洗浄する際、受け皿の下端の小さな取り出し口を開放し、該取り出し口から受け皿の内部に手を入れて作業を行う必要があるため、洗浄作業に非常に手間が掛かるといった問題があった。さらに、この種の食品製造装置では、粘性を有する食品を製造しているため、容器本体や受け皿の内部に食品の一部分が粘着して残ってしまい、容器本体や受け皿の内部をきれいに洗浄することは極めて困難であった。
【0005】
本発明は、上記した課題を解決すべくなされたものであり、製造作業終了後に容器本体や受け皿の内部を容易且つきれいに洗浄することのできる食品製造装置を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記した目的を達成するため、本発明に係る食品製造装置は、原料を容器本体内部に投入するための原料投入手段と、該原料投入手段から投入された原料を練ることにより粘性を有する食品に変えるための原料練り手段と、前記容器本体の下端に設けられ、前記原料練り手段により練られた食品を一時的に受け止めるための食品仮受け手段と、該食品仮受け手段により一時的に受け止められた食品を外部に取り出すための食品取り出し手段とを備え、前記食品仮受け手段は前記容器本体に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする。
【0007】
そして、本発明に係る食品製造装置において、前記原料は餅粉で、前記食品は餅であり、前記容器本体内部に蒸気を供給する蒸気供給手段をさらに備え、前記原料練り手段は、鉛直軸を中心に水平回転する練り羽根を備え、該錬り羽根により前記餅粉と蒸気を混合して練るようになっていてもよい。
【0008】
また、本発明に係る食品製造装置において、前記食品仮受け手段は、昇降装置により昇降可能に設けられていてもよい。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、食品仮受け手段が容器本体に対して着脱可能に設けられているため、食品仮受け手段や容器本体の内部の洗浄作業を容易且つきれいに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態に係る食品製造装置について説明する。ここで、図1は本発明の実施の形態に係る食品製造装置を示す正面図、図2は同食品製造装置を示す側面図である。なお、以下の説明では、餅粉を原料として餅を製造する、所謂蒸練機に本発明を適用した場合について例示して説明する。
【0011】
本実施の形態に係る食品製造装置1は、床上に載置される土台2と、土台2に支持される容器本体3と、容器本体3の上部に設けられる駆動機構4と、容器本体3の内部に設けられる原料錬り機構5と、容器本体3の下端において容器本体3に対して着脱可能に設けられる食品仮受け皿6と、食品仮受け皿6を昇降させる昇降装置7とから概略構成されている。
【0012】
土台2は、4本の鉛直フレーム8と、各鉛直フレーム8の上端に取り付けられる水平板9とにより構成され、水平板9には容器本体3が嵌合可能な円形穴(図示省略)が穿設されている。
【0013】
容器本体3は、有天円筒形状を成し、側面上部に原料投入口10が設けられていると共に、天板11から内部に蒸気供給管12が挿入されており、水平板9の円形穴に嵌合することにより土台2に支持されるようになっている。また、駆動機構4は、容器本体3の天板11に設けられた減速機13と、減速機13の側部に設けられた電動モータ14とから構成されており、電動モータ14は正逆回転可能となっている。
【0014】
原料錬り機構5は、容器本体3の中心において鉛直に設けられ、上端部が減速機13に連結された主軸15と、主軸15の下部において上下三段に設けられた第1〜第3の錬り羽根16a,16b,16cとから構成されており、第1〜第3の錬り羽根16a,16b,16cは、いずれも水平に正逆回転可能に設けられている。そして、第1及び第2の錬り羽根16a,16bは、プロペラ状を成し、同一向きに傾斜して形成されており、容器本体3の下部内部に収容されている。また、第3の錬り羽根16cは、側面視三角形状を成し、第1及び第2の錬り羽根16a,16bと同一向きに傾斜して形成されており、食品仮受け皿6の内部に収容されている。
【0015】
食品仮受け皿6は、ホッパー形状を成し、上部開口端部は容器本体3の下部開口端部と同一平面形状を成し、複数(例えば、5個)のクランプレバー17により、容器本体3の下端に着脱可能に設けられている。また、食品仮受け皿6の下端には、食品取り出し口18が設けられており、この食品取り出し口18は水平に回転するシャッター板19により開閉可能となっている。
【0016】
昇降装置7は、各鉛直フレーム8の内側においてそれぞれ上下一対に設けられたスプロケット20a,20bと、上下のスプロケット20a,20bに掛け渡されたチェーン21と、円環状を成し、外周部がチェーン21に固定されると共に内周部が食品仮受け皿6の周壁に固定される食品仮受け皿支持板22と、上側のスプロケット20aに連結される昇降ハンドル23とから構成されている。
【0017】
次に、本発明の実施の形態に係る食品製造装置1の動作について説明する。
【0018】
先ず、原料投入口10から原料となる餅粉を容器本体3内に投入すると共に、蒸気供給管12から容器本体3内に蒸気を供給する。そして、電動モータ14を正回転させ、減速機13を介して主軸15を正回転させると、第1〜第3の錬り羽根16a,16b,16cは、それぞれ同一方向に水平回転し、各錬り羽根16a,16b,16cの傾斜に従って、蒸気と混合させながら、餅粉を持ち上げるように錬る。
【0019】
次いで、所定時間(例えば、5分間)経過後、今度は、電動モータ14を逆回転させ、減速機13を介して主軸15を逆回転させると、第1〜第3の錬り羽根16a,16b,16cは、それぞれ反対方向に水平回転し、各羽根16a,16b,16cの傾斜に従って、蒸気と混合させながら、餅粉を下方に押し付けるように錬る。
【0020】
そして、さらに、所定時間(例えば、5分間)経過すると、餅が完成し、完成した餅は食品仮受け皿6内に一時的に受け止められた状態となる。そこで、第1〜第3の錬り羽根16a,16b,16cをそのまま回転させた状態で、シャッター板19を水平回転させて食品取り出し口18を開放させると、完成した餅が第3の錬り羽根16cの回転により食品取り出し口18から外部に送り出される。
【0021】
このように餅を製造し、外部に取り出した後、各クランプレバー17を水平回転させて、食品仮受け皿6と容器本体3との連結状態を解除し、昇降ハンドル23を所定方向(例えば、時計回り方向)に回転させる。そうすると、上側の各スプロケット20aが回転し、これにより、チェーン21及び下側のスプロケット20bも回転し、食品仮受け皿支持板22は食品仮受け皿6を伴って降下する。
【0022】
この状態で、食品仮受け皿6の内部を上方から洗浄すると共に、容器本体3の内部を下方から洗浄する。この時、食品仮受け皿6が容器本体3から分離可能となっており、食品仮受け皿6と容器本体3共に、広い開口端部側から作業を行うことができるため、洗浄作業を容易且つきれいに行うことができる。
【0023】
そして、洗浄後、今度は、昇降ハンドル23を反対方向(例えば、反時計回り方向)に回転させ、食品仮受け皿6を元の位置に戻し、各クランプレバー17を反対に水平回転させて、食品仮受け皿6を容器本体3の下端に連結する。この時、食品仮受け皿6は、昇降装置7により元の位置に確実に戻るため、食品仮受け皿6と容器本体3の下端との連結作業は容易且つ確実に行うことができる。
【0024】
なお、上記した実施の形態において、昇降装置7はスプロケット20a,20bとチェーン21の組み合わせにより構成されているが、例えば、可搬式又は固定式の足踏みリフターを使用する等、各種変更が可能である。
【0025】
また、上記実施の形態では、餅を製造する場合について説明したが、これは単なる例示に過ぎず、本発明に係る食品製造装置は、餅菓子以外の菓子類、或いは、おにぎりやアンパン等、菓子以外の食品にも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本発明の実施の形態に係る食品製造装置を示す正面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る食品製造装置を示す側面図である。
【符号の説明】
【0027】
1 食品製造装置
3 容器本体
5 原料錬り機構
6 食品仮受け皿
7 昇降装置
10 原料投入口
12 蒸気供給管
15 主軸
16a 第1の錬り羽根
16b 第2の錬り羽根
16c 第3の錬り羽根
18 食品取り出し口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料を容器本体内部に投入するための原料投入手段と、
該原料投入手段から投入された原料を練ることにより粘性を有する食品に変えるための原料練り手段と、
前記容器本体の下端に設けられ、前記原料練り手段により練られた食品を一時的に受け止めるための食品仮受け手段と、
該食品仮受け手段により一時的に受け止められた食品を外部に取り出すための食品取り出し手段と、
を備え、前記食品仮受け手段は前記容器本体に対して着脱可能に設けられていることを特徴とする食品製造装置。
【請求項2】
前記原料は餅粉で、前記食品は餅であり、前記容器本体内部に蒸気を供給する蒸気供給手段をさらに備え、前記原料練り手段は、鉛直軸を中心に水平回転する練り羽根を備え、該錬り羽根により前記餅粉と蒸気を混合して練るようになっている請求項1に記載の食品製造装置。
【請求項3】
前記食品仮受け手段は、昇降装置により昇降可能に設けられている請求項1又は2に記載の食品製造装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2007−300838(P2007−300838A)
【公開日】平成19年11月22日(2007.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−131165(P2006−131165)
【出願日】平成18年5月10日(2006.5.10)
【出願人】(505290690)
【Fターム(参考)】