説明

食料製品の貯蔵および電子レンジ加熱用の包装システム

【課題】 2つの異なる食料製品が同時に加熱されるように適合される食料製品の貯蔵および電子レンジ加熱用の包装システムを提供すること。
【解決手段】 包装システムは、内側包装紙内に密封される第1食料製品、トレイ内に配置され、第1食料製品をトレイから離間する第2食料製品、および内側包装紙内に密封される第1食料製品、第2食料製品、およびトレイを中に密封する外側包装紙を含む。トレイ上にシールドが配置され、第2食料製品の複数の面と接触する。電子レンジ加熱に先立ち、内側および外側包装紙が除去される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
食料製品の貯蔵および加熱用包装システムおよび包装方法、詳細には、電子レンジオーブンを使用して、2つの異なる食料製品が同時に加熱されるように適合される包装システムおよび包装方法が開示され、また、このような包装システムおよび包装方法を使用する電子レンジ調理可能な食料製品が提供される。
【背景技術】
【0002】
消費者が従来のガスまたは電気加熱オーブンを使用して調理する冷凍または冷蔵ピザおよびサンドイッチなどの食料製品を提供するために、これまで少なからぬ努力が費やされてきた。より詳細には、電子レンジオーブンが普及するにつれ、冷凍または冷蔵ピザおよびサンドイッチなどのドウ含有製品を調理するためのキットおよび構成品を消費者に提供することに関心が移ってきた。
【0003】
電子レンジオーブン内で加熱されるべき食料製品は、加熱前は冷凍状態にあることが多い。一方、食料製品を冷凍状態で提供することにより食料製品の賞味期限を延長することができる。例えば、室温で貯蔵される従来の穀粉のまたはパンベースの食料製品は、約7日以下の賞味期限を有することができる。このような短い賞味期限は、この種の食料製品の流通を制限する点で不利である。冷蔵貯蔵を実現することで賞味期限を延ばすことはできるが、新鮮でない製品になることが多い。一方、冷凍状態で食料製品を提供することは、電子レンジオーブン内で加熱する際、水分調節が不適切になる点で不利である。例えば、2つの異なる食料製品を冷凍状態から同時に電子レンジオーブン内で加熱する際、食料製品は異なる比率で加熱されうる。食料製品の1つが穀粉またはパンベースの食料製品の場合、この食料製品は、他の食料製品より比較的速く冷凍状態から加熱されうる。その結果、過剰に加熱された穀粉またはパンベースの食料製品は、その新鮮な状態と比較すると乾燥し固くなる恐れがある。冷凍食料製品を提供する別の不利な点は、食料製品を加熱するのに必要とされる時間が、場合によっては冷蔵状態からよりも長くなりうることである。
【0004】
【特許文献1】米国特許第5,416,304号明細書
【特許文献2】米国特許出願第11/531,585号明細書
【特許文献3】米国特許出願第11/531,578号明細書
【特許文献4】米国特許出願第11/531,601号明細書
【特許文献5】米国特許第6,764,700号明細書
【特許文献6】米国特許第6,919,097号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
さらに、特許文献1に詳細に記載されているように、電子レンジオーブンは、食料製品を調理する際その独自の課題を呈示する。例えば電子レンジオーブンは、かなりの温度勾配、または不均一な加熱を呈する。さらに、冷凍パンベースの食料製品は、一般的な加熱サイクル中、その容積全体のマイクロ波照射に応答して不均一な温度を呈することがある。その結果、食料品の一部が他の部分より先に溶解または解凍し、これにより電磁波を照射される液体によるマイクロ波エネルギーの優先的吸収により、局部的に加熱が加速することになる。これらのおよび他の条件の結果として、ドウ含有食料製品の調理および包装におけるさらなる改良が探求されている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
密封内側包装紙によって囲繞される第1食料製品、第2食料製品、トレイ、および第1と第2食料製品、およびトレイを囲む密封外側包装紙を備える食料製品の包装システムが開示されている。第1食料製品は第1の水分含有量を有してよく、第2食料製品は第2の水分含有量を有してよく、第1の水分含有量は第2の水分含有量と異なる。食料製品は、加熱時間の短縮および改良を実現するために、延長された冷蔵賞味期限に好適でありうる。一般に本発明の食料製品は、少なくとも約75日の冷蔵賞味期限を有する。食料製品は、水分調整が改良されているので、冷凍状態からの再加熱にも好適でありうる。
【0007】
第1食料製品は、電子レンジ調理の前に密封内側フィルム包装紙の開封および除去を容易にするための開封機能を有する密封内側フィルム包装紙によって囲繞されてよい。密封内側包装紙によって囲繞される第1食料製品は第2食料製品に隣接し、密封内側包装紙が、電子レンジ加熱前の第1食料製品と第2食料製品の間の水分の流動を制限する。第2食料製品を支持するためにトレイが設置される。第2食料製品は、密封内側包装紙によって囲繞される第1食料製品をトレイから離間する。密封外側フィルム包装紙は、第1食料製品、第2食料製品およびトレイを囲繞する。密封外側フィルム包装紙は、電子レンジ調理に先立つ密封外側フィルム包装紙の開封および除去を容易にするための開封機能を有してよい。
【0008】
一態様において、電子レンジオーブン内で加熱する際直接的なマイクロ波照射から第2食料製品を少なくとも部分的に遮蔽するために、トレイは、その上に配置されるシールドを有してよい。シールドはサセプターであってよく、および第2食料製品の一部と直接接触してよい。電子レンジオーブン内で加熱する際、水分を逃がすために第2食料製品に隣接して通気孔を配置してよい。通気孔はトレイ内に形成される開口であってよく、または電子レンジ加熱の際拡張するサセプター内に形成されてよい。
【0009】
別の態様において、トレイは、底部パネル、折り目を介して底部パネルの対向する側部に接続される1組の直立する側部パネル、および直立する側部パネルの組の対向する側部と底部パネルの側部の間に接続され延在する端部パネルを有してよい。シールドは、トレイの底部パネルおよび側部パネルの組のそれぞれの少なくとも一部に配置されてよい。トレイは、密封外側フィルム包装紙の開封に先立ち、第2食料製品から水分を吸収するように選択される物質で形成することができる。
【0010】
別の態様において、密封外側フィルム包装紙は、ベース部分およびカバー部分を有する。密封外側フィルム包装紙のベース部分がトレイを収容できるように、外側フィルム包装紙のベース部分は、直立する側部パネルの組のそれぞれの高さより大きな高さを有する。外側フィルム包装紙のベース部分はまた、周辺フランジを有する。外側フィルム包装紙の蓋部分は概ね平坦であり、可剥性シールによってベース部分の周辺フランジに装着される。密封内側フィルム包装紙は、第1食料製品を囲繞する可剥性シールによって接着される1組対向するパネルを有する。第2食料製品の賞味期限を保持するために選択されるガスは、開封前に密封外側フィルム包装紙内に包含することができる。
【0011】
電子レンジ調理に好適な食料製品を包装する方法が開示されている。方法は、第1食料製品を囲繞する内側フィルム包装紙内に高い水分含有量を有する第1食料製品を密封することを含む。密封内側フィルム包装紙は、電子レンジ調理に先立ち密封内側包装紙の開封を可能にする開封機能を有してよい。方法はまた、内側フィルム包装紙によって囲繞される第1食料製品を水分含有量の低い第2食料製品に隣接して配置することを含む。内側包装紙は、電子レンジ加熱に先立ち、第1食料製品から第2食料製品への水分の流動を制限することができる。方法はまた、第2食料製品に隣接してトレイを配置することを含む。トレイは、第2食料製品の少なくとも1つの面に接触し、その上に配置されるサセプターなどのシールドを有してよい。第2食料製品は、トレイから第1食料製品を離間することができる。方法はまた、内側フィルム包装紙によって囲繞される第1食料製品、第2食料製品、および外側フィルム包装紙内のトレイを密封することを含む。外側フィルム包装紙は、第1食料製品、第2食料製品およびトレイに到達することができるように、電子レンジ調理に先立ち密封外側フィルム包装紙の開封を可能にする開封機能を有してよい。
【0012】
一態様において、方法は、外側フィルム包装紙の密封に先立つ外側フィルム包装紙の内容物のガスまたは真空フラッシングのいずれかのステップ、および内側フィルム包装紙の密封に先立つ内側フィルム包装紙の内容物のガスまたは真空フラッシングのいずれかのステップを含んでよい。
【0013】
別の態様において、方法は、外側フィルム包装紙のベース部分を熱成形するステップを含んでよい。ベース部分は、ほぼ矩形の底壁、および底壁の周辺に装着される直立する側壁を有してよい。底壁と反対側の端部で外方に延在するフランジを直立側壁に装着することができる。方法は、第1食料製品、第2食料製品およびトレイを中に有した状態で、外側フィルム包装紙のほぼ平坦なカバー部分を外側フィルム包装紙を密封するベース部分のフランジに密封することを含んでよい。方法は、内側フィルム包装紙のベース部分を熱成形することを含んでよい。ベース部分は、第1食料製品ならびに外方延在フランジを包含するように大きさを決められたポケットを有してよい。方法はさらに、中に第1食料製品を有する内側フィルム包装紙を密封するために、内側フィルム包装紙の概ね平坦なカバー部分をベース部分のフランジに密封することを含んでよい。内側フィルム包装紙および外側フィルム包装紙の少なくとも1つの開封機能は、ベースとカバー部分の間の可剥性シールを含んでよい。
【0014】
方法は、底部パネル、および底部パネルの縁部にそれぞれ装着される1組の側部パネルを形成するために、板紙素材を折り畳むステップを含んでよい。側部パネルはそれぞれ底部パネルに対してほぼ垂直でありうる。方法はまた、底部パネルにほぼ垂直な配置で、板紙素材の各パネルを底部パネルに対して折り畳むステップを含んでよい。方法はまた、側部パネルの組に対して端部パネルを接続するために、端部パネルの一方および1組の側部パネルの1組のタブを他方の端部パネルおよび1組の側部パネルに装着することを含んでよい。
【0015】
密封内側包装紙によって囲繞される第1食料製品および第2食料製品に到達するために、外側フィルム包装紙を開封するステップを含む食品包装システムを使用する方法が、本明細書に記載され提示されている。使用方法はまた、密封内側包装紙によって囲繞される第1食料製品を第2食料製品との隣接状態から外すことを含んでよい。方法はさらに、第1食料製品に到達するために内側フィルム包装紙を開封し除去することを含んでよい。方法はまた、電子レンジ加熱に先立ち、第1食料製品を第2食料製品に接触して配置することを含んでよい。
【0016】
本発明は、そのすべてが本明細書と同日に出願され、そのすべてが同一の譲受人に所有され、そのすべてが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる特許文献2、3、4に関連する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
包装システム10は、図1に示すように、内側包装紙20内に密封される第1食料製品12、トレイ30内に配置され、第1食料製品12をトレイ30から離間する第2食料製品14、および内側包装紙20内に密封される第1食料製品12、第2食料製品14およびトレイ30を中に密封する外側包装紙50を含む。内側包装紙20は、内側包装紙20の除去に先立つ第1および第2食料製品12および14の間の水分の流動を制限する。トレイ30にサセプター40の形態などのシールドが配置され、第2食料製品14の複数の面と接触する。第1および第2食料製品12および14は、改善された水分含有量を有し、冷蔵状態または冷凍状態のいずれかで貯蔵されるのに好適であり、その結果、改善された視覚的および触覚的特徴を有して食料製品を加熱することができる。
【0018】
第1および第2食料製品12および14を同時に電子レンジ加熱する目的で包装システム10を使用するために、第1および第2食料製品12および14に到達できるように最初に外側包装紙50が開封され除去される。内側包装紙20内に密封される第1食料製品12は、隣接する第2食料製品14から外され、内側包装紙20が開封され除去される。第1食料製品12はもはや内側包装紙20内に密封されず、第2食料製品14に隣接して戻される。トレイ30内に包含される第1食料製品12および第2食料製品14は次いで、内側および外側包装紙20および50が共に除去された後、同時に電子レンジ加熱される準備が整う。
【0019】
トレイ30は、図3および4に示すように底壁32および3つの直立する壁34、36、および38を有する開放式である。より詳細にはトレイ30は、図5a〜5dに示すように、ほぼ矩形の底壁32、および底壁32の対向する縁部に装着されるほぼ矩形の1組の対向する直立側壁34と36を有する。直立端部壁は、側壁34および36のそれぞれと同様に、側壁34および36を有する縁部と異なる底壁32の縁部に装着される。図1〜5に示すように、ほぼ矩形の底壁32はその幅より大きな長さを有してよい。側壁34および36は、底壁32の対向する長手方向側縁部に装着され、端部壁38は、底壁32の横方向の縁部の1つに装着される。底壁32に装着される縁部と反対側の端部壁38の縁部に装飾目的でスカロップまたは他の設計物を形成してよい。スカロップを有し底壁32に装着される縁部と異なる端部壁38の対向する縁部にタブ48が形成される。タブ48は、それぞれ底壁32に対して直立する方向で、端部壁38と、側壁34および36とを固定するために、隣接する側壁34および36に接着式に装着される。端部壁38および側壁34と36とは、底壁32に対してほぼ垂直方向に配向されてよい、または外方にラッパ型に広がってよい。
【0020】
ほぼ矩形の側壁34および36の4つのそれぞれの角は、製造、船積み、貯蔵および出荷などの際、角が外側包装紙50を突き破る可能性を低減するために丸められてよい。端部壁38および底壁32の角も、角が外側包装紙50を突き破る可能性を低減するため丸められてよい。例えば側壁34および36のそれぞれの上方角46は、図3および4に示すように丸められてよい。端部壁38、底壁32と、側壁34および36との角の2つの交差点のそれぞれで、角が不注意に外側包装紙50を突き破る可能性を低減するために、端部壁38と、底壁32と、側壁34および36とのそれぞれのほぼ直角の角を除去するために丸められた切欠き部42が形成される。同様に、底壁32と、側壁34および36との角の2つの交差点のそれぞれで、角が不注意に外側包装紙50を突き破る可能性を低減するために、底壁32と、側壁34および36とのそれぞれのほぼ直角の角を除去するために丸められた切欠き部44が形成される。
【0021】
トレイ30は、単一の一体式板紙素材(図示せず)からその組み立てられた構造へ形成することができる。素材は、切欠き部42および44と、丸められた角46とを中に有してよい。素材は、底壁32、側壁34および36、端部壁38およびタブ48を配向するために、複数の折り畳み線または刻み目に対して折り畳まれてよい。より詳細には、側壁34および36は、それらと底壁32の長手方向縁部の間の折り畳み線に対して折り畳まれてよく、端部壁38は、それと底壁32の長手方向縁部の間の折り畳み線に対して折り畳まれてよく、タブ48は、側壁34および36に隣接してそこに装着される位置に、タブと端部壁38の間の折り畳み線に対して折り畳まれ、接着剤などを使用してそこに装着されてよい。あるいは、端部壁38に接着式に装着するために、側壁34および36にタブを形成することができる。一実施例において、トレイ30は、約0.018インチ(0.045cm)の厚さを有する固体の漂白硫酸塩の板紙を有してよい。
【0022】
サセプター40の形態などのシールドは必然ではないが、好ましくは第2食料製品14をトレイ30内に配置する際、第2食料製品14の外面に接触するように、トレイ30の内面の少なくとも一部に形成される。必然ではないが、好ましくはサセプター40は、電子レンジ加熱の際第2食料製品14の複数面がサセプター40に接触するように、トレイ30の直立側壁34および36と、底壁32との各内面の一部に形成される。サセプター40は、隣接する第2食料製品14の部分がマイクロ波に直接接触するのを遮ると考えられている。このことは有利には、加熱中第2食料製品14に吸収されるマイクロ波エネルギーの量を減少させ、第2食料製品14の乾燥および過剰な加熱を低減する。さらにサセプター40は、導電性加熱によって第2食料製品14の隣接する部分に水分耐性の障壁層を形成することができ、これは有利には、電子レンジ加熱の際第2食料製品14から消失しうる水分を減少させることができる。
【0023】
食品包装システム10で使用するための種々のタイプおよび形態のサセプター40を形成することができる。例えばサセプター40は、素材をトレイ30へと折り畳む前に素材にサセプター40を接着式に装着するなどによって、トレイ30に接着式に装着される金属が上に堆積した層を有するフィルムであってよい。あるいはサセプター40は、素材の上にプリントすることができ、これによりサセプター40を別個に装着する必要がなくなる。さらにサセプター40は、食料製品14の選択部分に熱エネルギーを集中させるのを助けるために異なる厚さを有してよい。サセプター物質または被覆の量を段階に分けることによって、調理中の食料製品14の選択部分の過剰な加熱を回避することができる。事実上いかなるパターンのサセプター40も採用することができる。例えばサセプター40は、一連の離間した対角線の縞として被覆またはプリントすることができる、あるいはドットまたは他の形状の配列を備えることができる。
【0024】
サセプター40は必然ではないが、好ましくは食料製品の隣接部分とより適切に合致するために加熱すると膨張するタイプであり、このことは食料製品の隣接部分の表面が不規則である、またはわずかに曲がっており、全体的に平坦でない場合に有利である。このような不規則な面を収容し食料製品の隣接部分とより適切な接触を促進するために、サセプター40は加熱すると膨張することができる。膨張サセプター物質の1つのタイプは、製品名QuiltWave(商標)でジョージア州、マリエッタ、Graphics Packaging社で製造され販売されている。詳細には、サセプター40は、48ゲージQuiltWave(商標)サセプターであってよい。サセプター40が膨張する際、これは食料製品の隣接部分の若干の非平坦部分と少なくとも部分的に接触することができる。さらに膨張したサセプター40は、そこに隣接する第2食料製品14の表面から水分が漏出することができるように、中に形成される複数のチャネルまたは溝を有することができる。このような漏出は、サセプター40に隣接する第2食料製品14のこれらの面に水分が蓄積する可能性を低減させる点で有利でありうる。ホットドッグバンなど第2食料製品14が穀粉で形成されている場合、膨張サセプター40を使用して改善された水分漏出が実現するために、電子レンジ加熱によるバンの湿気を減少することができる。他の漏出機構を代わりに、または追加で使用することができる。例えば、波形サセプター物質も電子レンジ加熱の際水分を漏出するように機能することができる。
【0025】
第2食料製品14に接触するサセプター40が本明細書に記載されているが、サセプター40の代わりにまたは追加的に、第2食料製品14に接触するまたは接触しないシールドを使用することができる。例えば、トレイ30の1つまたは複数の外方に面する面は、上にシールドを有することができる。
【0026】
第1食料製品12は水分含有量が高く、第2食料製品14は水分含有量が低い。高い水分含有量なる用語および低い水分含有量なる用語は、本明細書では相対的な意味で使用されている。すなわち、高い水分含有量なる用語は、用語低い水分含有量と比較してより高い水分含有量を意味しており、逆も同様である。第1食料製品12はタンパク質で形成されてよく、第2食料製品14は、穀粉で形成されてよい。例えば、第1食料製品12は、食肉ホットドッグ、牛肉ホットドッグ、チーズホットドッグ、および低脂肪ホットドッグを含めたホットドッグなどの食肉ベースの食料製品であってよい。第2食料製品14は、ホットドッグバンなどのパンベースの食料製品でありうる。第1および第2の食料製品の組合せの他の例は、スライスされた調整食品食肉とサンドイッチパン、卵製品と一片の朝食用パンまたはベーグル、および牛乳製品とシリアル製品を含む。
【0027】
内側包装紙20は、ベース22およびカバー28を有する。ベース22は、ベース内に形成され、第1食料製品12のサイズにほぼ対応する区画26を有する。区画26は閉鎖した底端部および開放した頂端部を有する。内側包装紙20のベース22は、図5に示すように区画26の開放端部から外方に延在する周辺フランジ24を有する。第1食料製品12が内側包装紙20のベース22の区画26内に配置されると、カバー28は、第1食料製品12が内側包装紙20によって完全に囲繞されるようにベース22の周辺フランジ24に対して密封される。
【0028】
内側包装紙20は、第1食料製品12に到達するために内側包装紙20の開封を容易にする開封機能を含んでよい。開封機能は、内側包装紙20のベース22の周辺フランジ24とカバー28の間などの内側包装紙20のカバー28とベース22の間に形成される可剥性シールを含んでよい。一実施例において可剥性シールは、約2.5ポンド/インチ(44.6g/cm)の剥離強度、すなわち分離するのに必要な力を有してよい。可剥性シールは、内側包装紙20のベース22およびカバー28の対面する側部の1つの接着層が熱活性する際形成することができる。開封機能は、カバー28に配置される担持フランジ27および内側包装紙20のベース22に配置される反対側の担持フランジ29を含んでよい。担持フランジ27および29は互いに密封されないことが好ましく、可剥性またはそうでない内側包装紙20のカバー28とベース22の間のシールの分離を容易にするために反対方向に引っ張ることができ、これによりベース22の区画26内に配置される第1食料製品12に到達することができる。開封機能は、製造の際、隣接する縁部の仮止めを弱めるためにカバー28および22の隣接する1つまたは複数の縁部間にのこぎり歯状の縁を含んでよく、これによりカバー28のベース22からの分離の準備が容易になる。例えば、のこぎり歯状の縁をそれらの間のシールから離間して、担持フランジ27および29の隣接する縁部に配置し、分離、および、これによる担持フランジ27および29の担持を容易にすることができる。これらの開封を開始するのに優先的な位置を示すために、内側および外側フィルム包装紙20および50に図形をプリントすることができる。例えば1つまたは複数の矢印または他の表示によって、外側包装紙50のフランジ66および68を介して、および/または内側包装紙20のフランジ27および29を介して開封を開始することができることを示すことができる。
【0029】
外側包装紙50はまた、ベース52およびカバー64を有する。ベース52は、ベースの中に形成され、トレイ30の側壁34および36の組のそれぞれの高さとほぼ同一またはこれより大きい深さを有することを含め、組み立てられたトレイ30のサイズとほぼ一致する区画59を有する。区画59は、底部パネル56、および底部パネル56の周辺部に接続される直立する側壁パネル58を有する。外側包装紙50のベース52は、図1、2、および5に示されるように、底部パネル56の反対側で側壁パネル58の端部から外方に延在する周辺フランジ54を有する。内側包装紙20に囲繞される第1食料製品12、および第2食料製品14を包含するトレイ30が外側包装紙50のベース52の区画59内に配置されると、トレイ30およびその内容物が外側包装紙50によって完全に囲繞されるように、カバー64がベース52の周辺フランジ54を密封する。
【0030】
内側包装紙20と同様に、外側包装紙50は、第1食料製品に到達するために外側包装紙50の開封を容易にする開封機能を含んでよい。開封機能は、外側包装紙50のベース52の周辺フランジ54とカバー64の間などの外側包装紙50のカバー64とベース52の間に形成される可剥性シールを含んでよい。一実施例において可剥性シールは、約2.3ポンド/インチ(41.1g/cm)の剥離強度を有してよい。可剥性シールは、外側包装紙50のベース52およびカバー64の対面する側部の1つの接着層が熱活性する際、形成することができる。開封機能は、カバー64に配置される担持フランジ66、および外側包装紙50のベース52に配置される反対側の担持フランジ68を含んでよい。担持フランジ66および68は互いに密封されないことが好ましく、可剥性またはそうでない外側包装紙50のカバー64とベース52の間のシールの分離を容易にするために反対方向に引っ張ることができ、これによりベース52の区画59内のトレイ30およびその内容物に到達することができる。開封機能は、隣接する縁部の仮止めを弱めるためにカバー64およびベース52の1つまたは複数の縁部間にのこぎり歯状の縁を含んでよく、これによりカバー64のベース52からの分離の準備が容易になる。のこぎり歯状の縁をそれらの間のシールから離間して、担持フランジ66および68の隣接する縁部に配置して、分離、およびこれによる担持フランジ66および68の担持を容易にすることができる。開封機能は、フランジ66および68の1つまたは両方に配置される1つまたは複数の隆起した突起62を含んでよい。フランジ66と68の間の局所的分離を実現するように隆起突起62のサイズが決められ、フランジの隣接する縁部間の仮止め効果を弱めるなどによってフランジ66および68の分離を容易にし、これにより外側包装紙50を開封する。突起62は好ましくは、ベース52の周辺フランジ54と外側包装紙50のカバー64の間の密封を妨げないように、密封領域から離間して配置される。
【0031】
一実施例において、ホットドッグバンは、約5.5インチ(13.97cm)の長さ、約1.75インチ(4.44cm)の高さ、および約1.5インチ(3.81cm)の幅を有してよく、ホットドッグは、約5インチ(12.7cm)の長さおよび約1インチ(2.54cm)の直径を有してよい。トレイ30の底壁32は、約5.2インチ(13.2cm)の長さおよび約1.9インチ(4.82cm)の幅を有してよい。側壁34および36の高さは、それぞれ約1.5インチ(3.81cm)であってよい。外側フィルム包装紙50のベース52の区画59は、トレイ30の寸法と比較して同一のまたはわずかに大きな直径を有してよい。ベース52の周辺フランジ54は、約0.25インチ(0.63cm)の密封領域を収容するのに十分な幅を有し、担持フランジ68は、隣接する周辺フランジ54の密封領域を約0.4インチ(1.01cm)超えて延在する。カバー64は、ベース52の区画59を覆い、ベース52の周辺フランジ54を密封し、同様にベース52の担持フランジ68とほぼ同一サイズの担持フランジ66を包含するようにサイズを決められる。内側包装紙20は、約0.25インチ(0.63cm)の幅を有する密封領域、および密封領域を約0.4インチ(1.01cm)超えて延在するフランジ27と29を含み、約6.2インチ(15.74cm)の長さおよび約1.5インチ(3.81cm)の幅を有してよい。食品包装システム10の特定の寸法が本明細書に記載されているが、寸法は、例えば異なるサイズの食料製品12および14を収容するために変更することができる。
【0032】
内側包装紙20に囲繞される第1食料製品12、第2食料製品14、サセプター40を有するトレイ30、および外側包装紙を含む個々の食品包装システム10は、日用雑貨食料品店が店頭で使用するための冷蔵庫内など個々の有用性のために提供することができる。あるいは、複数の個別の食品包装システム10は、カートンにつき2つ、3つ、4つ以上など1つのカートンに一緒に包装することができる。このような複数の食品を一緒に包装するシステム10の包装は、消費者が複数の食品包装システムを購入し、所望の消費時点までそれらを冷蔵庫または冷凍庫で貯蔵することができるので、食料品店を介しての流通に好適でありうる。
【0033】
第1および第2食料製品12および14を電子レンジ加熱するために包装システム10を使用する一実施例において、まず外側フィルム包装紙50のカバー64が外側フィルム包装紙50のベース52から除去される。これは例えば、ベース52の周辺フランジ54とカバー64の間のシールを破るために、カバー64の担持フランジ66およびベース52の担持フランジ68を反対方向に引っ張るなどによって容易になりうる。外側フィルム包装紙50のカバー64が外側フィルム包装紙50のベース52から除去されると、内側フィルム包装紙に囲繞される第1食料製品12および第2食料製品14を包含するトレイ30が外側包装紙50のベース52から取り外され、外側包装紙50のベース52およびカバー64が廃棄することができる。カバー64が外側包装紙から除去された後、内側包装紙20に囲繞される第1食料製品12は、内側包装紙20を第1食料製品12の周囲から除去できるように、第2食料製品14に隣接する状態から取り外すことができる。内側包装紙20の除去は、例えばベース22の周辺フランジ24とカバー28の間のシールを破るために、カバー28の担持フランジ27およびベース22の担持フランジ29を反対方向に引っ張るなどによって容易になりうる。内側包装紙20のカバー28が除去されると、第1食料製品12を内側包装紙20のベース22の区画26から除去し、内側包装紙20のベース22およびカバー28が廃棄することができる。第1食料製品12の内側包装紙20からの除去、およびトレイ30および第2食料製品14の外側包装紙からの除去に続いて、すでにトレイ30に隣接しているか、トレイ30に隣接して配置することができる第2食料製品14に隣接して第1食料製品12を配置することができる。組み合わされたトレイ30、第2食料製品14および第1食料製品12は次いで、内側包装紙20および外側包装紙50が共に除去されると、電子レンジオーブンで加熱することができる。食品包装システム10の使用は、この特定の順序でのこのような特定のステップに限定されない。例えば、加熱するために電子レンジオーブン内に組み合わされたトレイ30、第2食料製品14および隣接する第1食料製品12を配置する直前に外側包装紙50のベース52を除去してよい。
【0034】
一例として、第1食料製品がホットドッグを有し、第2食料製品がホットドッグバンを有する場合、組み合わされたトレイ30、第2食料製品14および第1食料製品12は、第1食料製品12が約160°F(71.11℃)に達するように、約20から45秒間の間電子レンジオーブンの高出力設定を使用して電子レンジオーブン内で加熱することができる。好ましくは、余剰の水分が漏出することができるように、第1および第2食料製品12および14は、加熱後約30秒間電子レンジ内に放置される。
【0035】
電子レンジ加熱中、トレイ30上に配置されるサセプター40は、第1および第2食料製品12および14の水浸しにならないように、すなわち水分が多すぎず、または乾燥しすぎるすなわち、水分が少なすぎないように、第1および第2食料製品の水分を調整するのを助ける。サセプター40によって実現する水分調整は、1つまたは複数の要因によってもたらされると考えられる。水分調整に関連する要因の1つは、サセプター40が膨張タイプの場合、電子レンジ加熱中に膨張し、水分の漏出を可能にするチャネルを形成することができる。別の要因は、トレイ30が、冷蔵または冷凍貯蔵中などの電子レンジ加熱の前に水分の吸収が可能な板紙で形成される場合、サセプター40が、このような水分がサセプター40にすぐ隣接する面を介して第2食料製品に進入するのを規制する、またはサセプター40がこのような面が水分を吸収しないように加熱することによって制限することができる。別の要因は、電子レンジ加熱中、特に板紙トレイ30の低い温度と比較してサセプター40の温度が上がることにより、水分がサセプター40上に凝結しないので、電子レンジ加熱後の冷却中などに第2食料製品14の隣接面が水分を吸収できない点である。
【0036】
一実施例において、第2食料製品14は、有利には冷蔵または冷凍状態での賞味期限が長く、本明細書に開示される包装システム10と共に使用する場合、電子レンジオーブンで加熱する際、水浸しになったり乾燥しすぎたりしない製品となる特性を有することがわかっている特定のドウ配合を有するパンベースの製品を有することができる。本明細書のドウ配合は一般に、特定のレシピで使用される小麦粉の重量(一般には100ポンド(45.36kg)の小麦粉につき)を基にした重量パーセンテージであるパン製造者のパーセンテージで示される。例えば、レシピの100ポンド(45.36kg)の小麦粉に対して、57パーセントの水および1.5パーセントの塩は、100ポンド(45.36kg)の小麦粉に対してそれぞれ57ポンド(25.85kg)の水および1.5ポンド(0.68kg)の塩の添加を意味する。当然のことながら、このようなパン製造者のパーセンテージは、通常100パーセントまで添加されない。通常のパーセンテージは、パン製造者のパーセンテージを100パーセントに規格化して計算することができる。
【0037】
焼成の科学は、種々のパン製品を生成するために時間、温度および相対的湿度を必要とする複雑な工程を包含する。時間、温度および相対的湿度のパラメータは一般に、パン、ロールパン、ピザ生地、ペストリーおよびシリアル製品に関して、その外観(生地の色、サイズなど)だけでなく、発色、触感およびサイズに関しても異なる。焼成より生じる望ましい変化のいくつかは、タンパク質の性質を変える、でん粉をゲル化する、水分の漏出および正確性(基本組織の発達、または粒子)である。多くの要因は、最終的な消費者の目に訴える焼成製品を製造することを包含してよい。製造者はまた、賞味期限などの項目、および消費者が実際にどのように製品を使用するかを考慮しなければならない。その結果、製造ライン製品が規格に適合するかを判断することができるいくつかの定量的測定法を有することが望ましい。このような測定法の1つが水分活性である。
【0038】
水分活性は、焼成後の焼成製品中に残る水分のパーセントの測定法である。クラッカー製品は通常、約0.35から0.50の範囲の水分活性を有する。一般の焼成品、例えばパン、ディナーロール、およびピザ生地は通常、約0.90から0.98の範囲の水分活性を有する。本発明の完全に焼成されたパン製品は好ましくは、約0.90から約0.96の水分活性を有し、約0.93の値が特に好ましい。このような完全に焼成されたパン製品(具体的には本明細書に記載されるように包装されたホットドッグバン)は、加熱してもしなくても、冷たいまま食べても温めて食べても十分な冷蔵貯蔵特性、ならびに十分な触感および風味を有する。
【0039】
パン製品の水分活性は、パン製品がオーブンから出され、約100°F(37.7℃)まで冷却された後測定される。焼成パン製品の水分含有量は、水分活性メータによって、または約100°F(37.7℃)まで冷却された後のパン製品とさらにより完全に乾燥した後(すなわち、乾燥器または他の好適で信頼できる方法を使用して)の重量差によって測定することができる。一般に完全に焼成されたパン製品の水分含有量は、約89から99パーセントであり、好ましくは約91から約93パーセントの範囲である。
【0040】
パンドウの配合には酵母菌が含有されているので、発酵または膨張ステップがドウ調合に含まれる。発酵ステップにより、酵母菌が炭酸ガスを生成し小麦粉中に含有されるグルテンを伸ばし円熟させ、よい風味と触感を生成するのを助ける。しかしながら、本発明のパン製品を製造するのに使用されるような大規模な商業的焼成作用は、焼成するすべてのドウを発酵するのに多大な設備費用を要するため、時間がかかり費用が高くなる。本発明の実施において、ドウの一部を発酵させ、発酵ドウの一部を加えて発酵していないドウと一緒にすることによって、風味が良く触感の優れたパン製品を生成することができることが見出された。発酵したドウを発酵していないドウと完全に混合し、その結果の混合物を分割し、サイズごとに切断し、成形し、焼成する。混合から焼成までの時間、ドウ混合物は膨張し続け、所望の特性に発達する。約2から約7パーセントの発酵ドウ、および約93から約98パーセントの非発酵ドウを包含するドウ混合物は、満足のいく結果を生み出す。ある好ましい実施形態は、約3から約5パーセントの発酵ドウを包含する。他の好ましい実施形態は、10パーセントまでの発酵ドウを包含してよい。
【0041】
本発明のパン製品は、特許文献5および6(これらは共に参照によりその全体が組み込まれている)に提供されるドウ配合を使用して製造することができる。これらのドウ配合は十分なパン製品を提供するが、いくつかのガム(例えばキサンタンおよびグアル、典型的には従来のレベルより高いキサンタンを使用して)および付加的原料(例えばメチルセルロース)をドウ配合に含めることによって、パン製品の改善を実現することが見出されている。したがって、本発明の好ましい実施形態によって製造されるドウの特に好ましいレシピは、以下の表で提供される。この改善されたドウは、冷蔵状態での貯蔵が延長されたとしても、可撓性を維持する(すなわち、バンが開封される際、分断しない)可撓性「ヒンジ」の形成を可能にするため、本明細書に記載の包装を使用するホットドッグバンの製造に特に好ましい。
【0042】
【表1】

【0043】
他の実施形態において、他の原料が上記に記載したものを代替することができる。例えば、ステアロイル乳酸ナトリウムの代わりに、ステアロイル乳酸カルシウムを使用することができる、またはプロピオン酸カルシウムの代わりにまたはこれと組み合わせて他の成形阻害剤を使用することができる。小麦粉は好ましくは、硬質な春または冬の小麦から形成される強力粉のパン用小麦粉である。好適な油は、野菜油、ショートニング、水素油脂、または油などを含む。好ましくは油は、例えば水素のまたは部分的に水素の綿実油、コーン油、大豆油、ひまわり油、キャノーラ油またはそれらの混合物、および同様に水素のまたは部分的に水素の野菜油および混合物などの固体の水素の、または部分的に水素の野菜油である。好ましい野菜油は、コーン油、キャノーラ油、ひまわりの種油、綿実油および大豆油またはそれらの混合物であり、大豆油はOlestra(商標)およびBenefat(商標)などの油を使用することが最も好ましい。製造者によって、油にバター香料添加剤が添加される場合がある。あるいは、風味製造者の勧告に従って、当業者に知られた量のバター香料添加剤または他の香料添加剤をレシピに加えることができる。乾燥酵母菌は、上記の基本レシピで使用される圧搾酵母菌を代替することができる。乾燥酵母菌を使用する場合、パン製造者のパーセンテージまたは重量は、圧搾酵母菌の水分含有量に相当するまで低減され、同様に添加される水分量は、圧搾酵母菌の水分含有量に相当するまで増加されてよい。したがって乾燥酵母菌が圧搾酵母菌の代わりに上記の一般的レシピで使用される場合、乾燥酵母菌の量は、約0.3から約1.7パーセント、好ましくは約0.6から約1パーセントの範囲になる。
【0044】
次に食品包装システム10の一実施例による内側および外側包装紙20および50のフィルムのさらなる詳細に戻ると、包装紙20および50のそれぞれは、カバー28と64、およびベース22と52を形成する形成フィルムを有する。カバー28および64のフィルムは異なっており、具体的には底部形成フィルムより薄い。さらに、底部形成フィルムは、製造工程中、ベースの区画26および59を形成するために、熱成形可能なものから選択することができる。いくつかのフィルムまたはすべてのフィルムは、曇り止めの特性を有することができる。
【0045】
食品包装システムの一実施例において、外側包装紙50のベース52の形成フィルムは、エチレンビニルアルコール(「EVOH」)障壁、ポリエチレン密封材、およびナイロン構造層の共押し出しフィルムであってよい。フィルムは、曇り止め特性、酸素障壁特性を有してよく、約10ミル(0.25mm)のわずかな厚さを有してよい。このようなフィルムの一例は、ウィスコンシン州、オシュコシュ、Curwood(登録商標)が販売するCurlon(登録商標)実験用X235−1281−Bである。外側包装紙50のカバー64のフィルムは、ポリエステル層、接着層およびEVOH EZ Peel(登録商標)エチレンビニルアセテート(「EVA」)層の共押し出しフィルムであってよい。フィルムは、曇り止め特性、酸素障壁特性を有してよく、約2.6ミル(0.065mm)のわずかな厚さを有してよい。このようなフィルムの一例は、これもCurwood(登録商標)が販売するCurlam(登録商標)実験用X235−1280−Lである。内側包装紙20のベース22の形成フィルムは、EVOH障壁、ポリエチレン密封材、およびナイロン構造層の共押し出しフィルムであってよい。フィルムは酸素障壁特性および約5ミル(0.12mm)のわずかな厚さを有してよい。このようなフィルムの一例は、これもCurwood(登録商標)が販売するCurlon(登録商標)Grande9501−Sである。内側包装紙20のカバー28のフィルムは、ポリエステル層、接着層およびEVOH EZ Peel(登録商標)EVA層の共押し出しフィルムであってよい。フィルムは酸素障壁特性および約2.5ミル(0.065mm)のわずかな厚さを有してよい。このようなフィルムの一例は、これもCurwood(登録商標)が販売するCurlam(登録商標)Grade1834−Gである。ベース22およびベース52の形成フィルムと、カバー28およびカバー64のフィルムの間の密封温度は、約130℃であってよい。
【0046】
図6に記載の図1〜5に示される食品包装システム10の好適な製造工程の実施例は、(1)第1食料製品12を内側包装紙20で囲繞すること、(2)トレイ30を組み立てて、内側包装紙20で囲繞された第1食料製品12および第2食料製品14をトレイ30内に配置すること、および(3)トレイ30、内側包装紙20で囲繞された第1食料製品12および第2食料製品14を外側包装紙50で囲繞することの3つの基本段階を含む。
【0047】
上記のように内側包装紙20は、区画26を有するベース22およびカバー28を含む。ベース22を形成するための第1フィルムの一部が加熱され、真空状態を使用するなどして成型された空洞に引き込まれる際、ベース22の区画26が形成される。次に第1食料製品12がベース22の区画26内に配置される。第1食料製品12のベース22の区画26内への配置に続いて、カバー28を形成する第2フィルムが、区画26内に第1食料製品12を有する第1フィルムと位置合わせされ、第1食料製品12が内側包装紙20に囲繞されるように、ベース22のフランジ24に密封する。第1食料製品12を保護するために、ガスフラッシングまたは真空の結果などの改質された空気が密封された内側包装紙20内に存在する。第1食料製品12を包含する密封された内側包装紙20の配列を第1および第2フィルム内に形成することができ、それぞれの内側包装紙20内の個々の第1食料製品12は、ブレードまたは他の切開工具を使用するなどにより配列から個片化することができる。
【0048】
次にトレイ30の組み立て、および内側包装紙20に囲繞される第1食料製品12、トレイ30内の第2食料製品14の配置に戻ると、上にサセプター40を有するトレイ30は、上記により詳細に記載したようにその組み立てられた構造に組み立てることができる。組み立てられると、第2食料製品14、および内側包装紙20に囲繞される第1食料製品12をトレイ30内に配置することができる。
【0049】
第1食料製品12が内側包装紙20内に配置され、トレイ30およびその内容物が組み立てられると、外側包装紙50が形成されトレイ30およびその内容物を中に密封することができる。内側包装紙20と同様に、外側包装紙50はベース52を形成する第1フィルム、およびカバー64を形成する第2フィルムから形成される。より具体的には、第1フィルムが加熱され成型された空洞に引き込まれることによって、ベース52の区画59が形成される。ベース52の区画59が形成された後、トレイ30およびその内容物を中に配置することができる。トレイ30およびその内容物をベース52の区画59に配置した後、トレイ30およびその内容物が外側包装紙50に囲繞されるように、カバー64を形成する第2フィルムが第1フィルムと位置合わせされ、ベース52のフランジ54に密封される。第2食料製品14を保護するために、改質された空気が密封された外側包装紙50内に配置される。第1および第2フィルム内にトレイ30およびその内容物を包含する密封外側包装紙50の配列を形成することができ、それぞれの個々の食品包装システム10は、ブレードまたは他の切開工具を使用するなどにより、配列から個片化することができる。
【0050】
改質空気は、炭酸ガスおよび窒素を使用するガスフラッシングによって形成することができる。例えば密封外側包装紙50に包含されるガスは、約80パーセントの炭酸ガスと、20パーセントの窒素であってよい。炭酸ガスと窒素、または他のガスの相対パーセントは密封外側包装紙50内の炭酸増加レベルを基にしてよい。炭酸の量が高い場合には炭酸ガスの量を減少させることができる。
【0051】
食品包装システム10が電子レンジオーブンで加熱する前に冷蔵される食品包装システム10の特定の利点を示すいくつかのテストが実行された。それぞれのテストにおいて、指定品目は、高出力設定で1100ワット設定の定格出力を有する電子レンジオーブンで35秒間加熱された。電子レンジ加熱に続いて、指定品目は、指定品目の状態の観察を記録する前に約30秒間休止状態に置かれ、約5分後に再び観察が記録された。それぞれのテストは反復された。各テストにおいて、第1食料製品は、約2.0オンス(0.056kg)の重量のホットドッグであり、第2の食料製品は約1.4オンス(0.039kg)の重量のホットドッグバンであり、その配合は本明細書に詳細に記載されている。テストに先立ち、ホットドッグおよびホットドッグバンを有する食品包装システム10は、約40°F(4.44℃)の温度で冷蔵された。以下の専門用語は、ホットドッグバンの部分を特定するのに使用される。
【0052】
縁部:ヒンジでのバンの外面。
【0053】
ヒンジの内側:ヒンジでのバンの内面。
【0054】
底部:包装システム10が組み立てられる際、外側がトレイの側壁に接触し内側がホットドッグに接触するバンの下半分。
【0055】
頂部:包装システム10が組み立てられる際、外側がトレイの側壁に接触し内側がホットドッグに接触するバンの上半分。
【0056】
テスト1.1
本テストにおいて、指定品目は、底壁および側壁の組の大部分にQuiltWave(登録商標)サセプターを有する板紙サセプタートレイ内のホットドッグバンのホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であり、バンがサセプターと接触していた場所がわずかに乾いていることが観察された。バンの頂部および底部にウェットスポットは存在しなかった。5分間の休息後、乾いた部分は維持され、ホットドッグバンは全面が柔軟であった。ホットドッグバンの底部はわずかに硬くなっていた。
【0057】
テスト1.2
本テストにおいて、指定品目は、底壁および側壁の組の大部分にQuiltWave(登録商標)サセプターを有する板紙サセプタートレイ内のホットドッグバンのホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であり、バンがサセプターと接触していた場所がわずかに乾いていることが観察された。バンの頂部および底部にウェットスポットは存在しなかった。わずかな水分がホットドッグバンの内側、およびサセプターに観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、乾いた部分が維持されていることが観察され、ホットドッグバンの頂部および底部はわずかに硬くなっており、ヒンジは柔軟で曲げやすかった。ホットドッグバンの表面に破片は観察されなかった。
【0058】
テスト2.1
本テストにおいて、指定品目は、紙タオル上に配置されたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であり、乾いた部分は観察されなかった。紙タオルに水分は存在しなかった。5分間の休息後、ホットドッグバンの頂部が柔軟であり、バンの底部は硬くなり乾燥し、バンの底部は崩れやすくなり始めていることが観察された。
【0059】
テスト2.2
本テストにおいて、指定品目は、紙タオル上に配置されたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは内側が柔軟であり、底部、縁部およびヒンジは硬くなっていることが観察された。紙タオルに水分が観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンはその底部、縁部およびヒンジが非常に硬くなり、壊れやすく味が良くないことが観察された。ホットドッグバンの底部は、乾燥し、崩れやすく、ヒンジは破損し、バンの上半分の内側が柔軟であった。
【0060】
テスト3.1
本テストにおいて、指定品目は、サセプターのない板紙トレイに配置されたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは内側が柔軟であることが観察された。板紙トレイ上に水分は観察されなかった。5分間の休息後、ホットドッグバンの頂部および底部に硬点が観察され、頂部および底部は、乾燥し崩れやすかった。
【0061】
テスト3.2
本テストにおいて、指定品目は、サセプターのない板紙トレイに配置されたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは内側が柔軟であることが観察された。板紙トレイ上に水分は観察されなかった。縁部はわずかに硬く、ヒンジは強靭であった。5分間の休息後、ホットドッグバンの内側は、柔軟であることが観察され、縁部は硬く、ヒンジは強靭で乾燥し壊れやすくなり、破損し始めていた。ホットドッグバンの表面に破片は存在しなかった。
【0062】
テスト4.1
本テストにおいて、指定品目は、底壁および側壁の組の大部分にQuiltWave(登録商標)サセプターを有する板紙サセプタートレイ内に置かれたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは、バンがサセプターに接触する部分は乾いているが柔軟な内側と、柔軟な頂部および底部と、わずかに硬いヒンジとを有することが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、柔軟な内側、頂部および底部の若干の硬点、強靭なヒンジ、および頂部面の少量の破片を有することが観察された。
【0063】
テスト4.2
本テストにおいて、指定品目は、底壁および側壁の組の大部分にQuiltWave(登録商標)サセプターを有する板紙サセプタートレイ内に置かれたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは、バンがサセプターに接触する部分はわずかに乾いているが柔軟な内側、縁部のきつね色に焼かれた茶色の印、およびわずかに硬いヒンジを有することが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、柔軟な内側と、わずかに硬い縁部およびヒンジとを有することが観察され、ヒンジは依然として曲げやすいが、皮のようであった。
【0064】
テスト5.1
本テストにおいて、指定品目は、トレイの側壁および底壁の大部分とホットドッグバンの間にプラスチックのフィルムライナを備えるサセプターのない板紙トレイに配置されたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは、わずかに硬い縁部およびわずかに強靭なヒンジを有することが観察された。フィルム上に微量の水分が観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、硬くなり乾燥した底部を有することが観察された。ホットドッグバンを開封すると、ヒンジは破損した。
【0065】
テスト5.2
本テストにおいて、指定品目は、トレイの側壁および底壁の大部分とホットドッグバンの間にプラスチックのフィルムライナを備えるサセプターのない板紙トレイに配置されたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは、内側が柔軟で全面が柔軟であることが観察された。縁部およびヒンジはわずかに強靭であり、フィルム上に微量の水分が存在した。5分間の休息後、表面に破片が生じずヒンジに破損もなく、ホットドッグバンはわずかに硬くなり、柔軟な内側、堅固であるが曲げやすい縁部とヒンジを有することが観察された。
【0066】
テスト6.1
本テストにおいて、指定品目は、サセプターのない板紙トレイに配置されたホットドッグバンの中のホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であり、バンまたは板紙トレイに余剰の水分は存在しないことが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、わずかに硬くなった底部、柔軟な頂部と底部、柔軟で曲げやすいヒンジを有し、ホットドッグと接触するバンの内側に硬点はなく、若干のウェットスポットがあることが観察された。
【0067】
テスト6.2
本テストにおいて、指定品目は、サセプターのない板紙トレイに配置されたホットドッグバンの中のホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であり、ヒンジは柔軟で曲げやすく、板紙トレイに水分が存在せず、バン上の内側にわずかな水分があり乾いていないことが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であることが観察され、ヒンジは柔軟で曲げやすく、バンの内側にわずかな水分があり、バンの表面には乾いた状態も破片も存在しなかった。
【0068】
テスト7.1
本テストにおいて、指定品目は、紙タオル上に配置されたホットドッグバンのホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であることが観察された。わずかな水分が紙タオルに存在したが、テスト2.1より少ない水分だった。ホットドッグバンは、バンが紙タオルと接触する縁部がわずかに硬くなった。5分間の休息後、ホットドッグバンは、わずかに硬くなった底部、柔軟で曲げやすいヒンジを有し、バンの内側にわずかな水分を有することが観察された。
【0069】
テスト7.2
本テストにおいて、指定品目は、紙タオル上に配置されたホットドッグバンのホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であることが観察された。紙タオル上に若干の水分、およびバンの内側にわずかな水分が存在した。5分間の休息後、ホットドッグバンは、わずかに硬くなったが乾燥はしないことが観察された。紙タオル上に水分が存在し、バンの底部は硬くなり皮のようであった。
【0070】
テスト8.1
本テストにおいて、指定品目は、側壁および底壁の大部分とホットドッグバンの間にプラスチックのフィルムライナを備えるサセプターのない板紙トレイに配置されたホットドッグバンの中のホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であることが観察された。バンの底部は湿っており、プラスチックフィルム上に若干の水分があった。5分間の休息後、ホットドッグバンの縁部は水浸しであることが観察された。ホットドッグバンに硬点はなかったが、ウェットスポットが内側に観察された。
【0071】
テスト8.2
本テストにおいて、指定品目は、側壁および底壁の大部分とホットドッグバンの間にプラスチックのフィルムライナを備えるサセプターのない板紙トレイに配置されたホットドッグバンの中のホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が非常に柔軟であり、縁部は湿気がありわずかに水浸し状態であり、内側およびプラスチックフィルム上に若干の水分があることが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、水浸しの縁部、内側の水分および柔軟なヒンジを有することが観察された。フィルムライナ上に水分が存在した。
【0072】
テスト9.1
本テストにおいて、指定品目は、側壁および底壁の大部分にサセプターを備える板紙トレイに配置されたホットドッグバンの中のホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であり、バンがサセプターと接触する部分はわずかに乾いており、サセプター上に若干の水分があることが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、バンがサセプターと接触する部分の乾いた状態を維持し、わずかに水分のある縁部を有することが観察され、サセプター上には水分が存在し、頂部にわずかな破片があり、硬点は存在しなかった。
【0073】
テスト9.2
本テストにおいて、指定品目は、側壁および底壁の大部分にサセプターを備える板紙トレイに配置されたホットドッグバンの中のホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは、バンがサセプターと接触する部分がわずかに乾いており、柔軟で曲げやすいヒンジ、および内側に極めて少量の水分を有することが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、内側に少量の水分、柔軟で曲げやすいヒンジを有することが観察された。ホットドッグバンは、破片は生ずることなくその乾いた状態を維持してわずかに硬くなった。サセプター上には水分が存在した。
【0074】
テスト10.1
本テストにおいて、指定品目は、底壁のみにQuiltWaveサセプターを有する板紙トレイに配置されたホットドッグバンの中のホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であり、わずかに水分のある縁部を有し、乾いた部分がないことが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、全面が柔軟であり、わずかに水分のある縁部、内側に水分を有し、バンがサセプターと接触する縁部にわずかな破片および堅固さが存在することが観察された。
【0075】
テスト10.2
本テストにおいて、指定品目は、底壁のみにQuiltWaveサセプターを有する板紙トレイに配置されたホットドッグバンの中のホットドッグであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全面が柔軟であり、内側にわずかに水分を有し、茶色になった縁部および柔軟なヒンジを有し、サセプター上に破片およびわずかな水分は存在しないことが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、全面が柔軟であり、わずかに水分のある縁部、内側に水分を有し、バンがサセプターと接触する縁部にわずかな破片および堅固さが存在することが観察された。
【0076】
テスト11.1
本テストにおいて、指定品目は、側壁および底壁の大部分にサセプターを備える板紙トレイに配置されたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは硬くなり、縁部にきつね色に焼かれた印を有し、強靭なヒンジを備えることが観察された。5分間の休息後、ホットドッグバンは、乾燥した強靭な縁部およびヒンジを有することが観察された。
【0077】
テスト11.2
本テストにおいて、指定品目は、側壁および底壁の大部分にサセプターを備える板紙トレイに配置されたホットドッグバンであった。電子レンジ加熱および30秒間の休息後、ホットドッグバンは全体が柔軟であり、バンがサセプターと接触する部分が乾いていることが観察され、サセプター上には水分が存在しなかった。ホットドッグが包含されるテスト9.1および9.2よりもホットドッグバンは硬くなった。5分間の休息後、ホットドッグバンは、乾燥した強靭な縁部およびヒンジを有することが観察された。
【0078】
上記のテストからいくつかの結論を引き出すことができる。結論の1つは、ホットドッグからの若干の水分が、電子レンジオーブンで加熱する際ホットドッグバンに移行し、有利には加熱中のホットドッグバンの過剰な乾燥を弱めることができる点である。特に、水分の移行はホットドッグバンのヒンジでの過剰な乾燥を弱めることができる。別の結論は、有利にはサセプターがホットドッグバンの側部および底部の加熱部分をマイクロ波エネルギーから遮断し、これにより電子レンジ加熱中、ホットドッグバンから消失する水分の量を減少させることができる点である。さらに別の結論は、電子レンジオーブン内での加熱中、ホットドッグバンの隣接する底部および側部に漏出することは、有利には、トレイの外側での水分の凝結を低減させ、特にホットドッグバンの頂部側部においてホットドッグバンの薄片が剥げ落ちた触感を最小限にし、休息中などのホットドッグバンの底部の水分を最小限にすることができる点である。さらに別の結論は、冷凍状態からの過剰な加熱が魅力に欠けるホットドッグおよびホットドッグバンにつながる場合があることである。味覚に基づくさらに別の結論は、電子レンジオーブン内での加熱中、ホットドッグバンの隣接する底部および側部に漏出することは、稼動状態にない間などのホットドッグバンの底部の水分を最小限にすることができる点である。
【0079】
図面および上記の記載は、構造および操作の方法の詳細に関して食品包装システムの唯一の形態を示すことを意図するものではない。状況に応じて、または、適合して、形態および各部の比率は変えられ、また、等価物に代替される。また、特定の用語が用いられているが、それらは、包括的および記述的な意味を意図するものであり、限定しようとするものではない。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】第1食料製品、内側包装紙、第2食料製品、トレイおよび外側包装紙を含む食料製品の貯蔵および電子レンジ加熱用の包装システムの斜視図である。
【図2】外側包装紙の一部を除去した図1の包装システムの斜視図である。
【図3】外側包装紙の一部を除去し、内側包装紙を除去した図1の包装システムの斜視図である。
【図4】外側包装紙を除去し、内側包装紙を除去した図1の包装システムの斜視図である。
【図5】図1の包装システムの分解斜視図である。
【図5a】その長手方向軸に沿って切り取った図1の包装システムの断面図である。
【図5b】外側包装紙が除去された状態を示す図1の包装システムの断面図である。
【図5c】内側包装紙が除去された状態を示す図1の包装システムの断面図である。
【図5d】内側および外側包装紙が共に除去され、第1食料製品がトレイ内の第2食料製品と隣接して配置される状態を示す、図1の包装システムの断面図である。
【図6】図1の包装システムにおける食料製品を包装する方法の流れ図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1水分含有量を有する第1食料製品と、
電子レンジ調理前に密封内側フィルム包装紙の開封および除去を容易にする開封機能を有し、前記第1食料製品を囲繞する前記密封内側フィルム包装紙と、
前記密封内側包装紙によって囲繞される前記第1食料製品が第2食料製品に隣接し、前記密封内側包装紙が、電子レンジ加熱前の前記第1食料製品と前記第2食料製品の間の水分の流動を制限する、第2水分含有量を有する前記第2食料製品と、
前記第2食料製品を支持するトレイであって、前記第2食料製品が、前記密封内側包装紙によって囲繞される前記第1食料製品を前記トレイから離間し、それらの上に配置されるシールドを有するトレイと、
電子レンジ調理前に、密封外側フィルム包装紙の開封および除去を容易にする開封機能を有し、前記第1食料製品、前記第2食料製品、および前記トレイを囲繞する前記密封外側フィルム包装紙と
を備えることを特徴とする食料製品用の包装システム。
【請求項2】
前記第1食料製品がタンパク質であり前記第2食料製品が穀粉であることを特徴とする請求項1に記載の包装システム。
【請求項3】
前記トレイが、底部パネルと、折り目を介して前記底部パネルの対向する側部にそれぞれ接続される1組の直立側部パネルと、前記1組の直立側部パネルの対向する側部と前記底部パネルの側部の間に接続し延在する端部パネルとを有し、
前記シールドが、前記トレイの前記底部パネルおよび1組の側部パネルそれぞれの少なくとも一部に配置されることを特徴とする請求項2に記載の包装システム。
【請求項4】
前記シールドが、前記第2食料製品と接触するように、前記トレイ上に配置されるサセプターを備えることを特徴とする請求項3に記載の包装システム。
【請求項5】
電子レンジオーブン内での加熱中、水分が漏出するように、前記第2食料製品に隣接して複数の漏出通路が配置されることを特徴とする請求項4に記載の包装システム。
【請求項6】
前記サセプターが、前記漏出通路を形成するために電子レンジ加熱する際膨張することを特徴とする請求項5に記載の包装システム。
【請求項7】
前記密封外側フィルム包装紙がベース部分およびカバー部分を有し、前記ベース部分の高さが前記1組の直立側部パネルのそれぞれの高さより高く、周辺フランジを有し、前記カバー部分が概ね平坦であり、可剥性シールによって前記ベース部分の前記周辺フランジに装着され、
前記密封内側フィルム包装紙が、前記第1食料製品を囲繞し可剥性シールによって接着される1組の対向するパネルを有し、
賞味期限を維持するために選択されるガスが、開封前に前記密封外側フィルム包装紙内に包含されることを特徴とする請求項4に記載の包装システム。
【請求項8】
前記トレイが、前記密封外側フィルム包装紙の開封前に前記第2食料製品から水分を吸収するために選択される物質で形成されることを特徴とする請求項7に記載の包装システム。
【請求項9】
前記第1食料製品がホットドッグであり、前記第2食料製品がホットドッグバンであることを特徴とする請求項8に記載の包装システム。
【請求項10】
前記第2食料製品が、パン製造者パーセントで、100パーセントの小麦粉、約0.5から約5パーセントの圧搾酵母菌、0から約0.5パーセントのステアロイル乳酸ナトリウム、約0.5から約3パーセントの塩、約5から約15パーセントの高フラクトースコーンシロップ、0から約0.5パーセントのプロピオン酸カルシウム、約5から約15パーセントの油、約50から約63パーセントの水、約0.5から約2パーセントのモノグリセリドおよびジグリセリド、0から約3パーセントの大豆粉、0から約6パーセントの乳清、約0.2から約1.5パーセントのレシチン、約0.1から約1パーセントのキサンタン、約0.2から約1.5パーセントのグアル、約0.1から約0.45パーセントのアルファアミラーゼ酵素、約0.2から約1.5パーセントのメチルセルロース、約0.1から約0.5パーセントのジアセチル酒石酸エステルのモノグリセリド、および0から約1パーセントのスパイス、調味料、香料を有するドウから製造される完全に焼成されたパン製品であり、前記完全に焼成されたパン製品が約0.90から約0.98の水分活性を有し、前記完全に焼成されたパン製品が、包装され密封されている際、少なくとも約75日の冷蔵賞味期限を有し、前記パン製品が、消費者が消費する前に電子レンジオーブン内で加熱するのに好適であることを特徴とする請求項1に記載の包装システム。
【請求項11】
前記第1の食料製品がホットドッグであり、前記完全に焼成されたパン製品が、2つのバンの部分を接続するヒンジ区分を有するホットドッグバンであり、前記ホットドッグバンの前記ヒンジ区分が、その賞味期限内また電子レンジ加熱後可撓性を維持することを特徴とする請求項10に記載の包装システム。
【請求項12】
前記ドウがパン製造者パーセントで、100パーセントの小麦粉、約1.1から約2.1パーセントの圧搾酵母菌、約0.325から約0.425パーセントのステアロイル乳酸ナトリウム、約0.75から約1.75パーセントの塩、約8.5から約12.5パーセントの高フラクトースコーンシロップ、約0.4から約0.5パーセントのプロピオン酸カルシウム、約9から約13パーセントの油、約53から約60パーセントの水、約0.5から約1.5パーセントのモノグリセリドおよびジグリセリド、0から約1パーセントの大豆粉、0から約1パーセントの乳清、約0.4から約0.6パーセントのレシチン、約0.25から約0.45パーセントのキサンタン、約0.4から約0.6パーセントのグアル、約0.3から約0.35パーセントのアルファアミラーゼ酵素、約0.3から約0.6パーセントのメチルセルロース、約0.3から約0.6パーセントのジアセチル酒石酸エステルのモノグリセリド、および0から約0.5パーセントのスパイス、調味料、香料を有することを特徴とする請求項10に記載の包装システム。
【請求項13】
前記ドウが、パン製造者パーセントで、100パーセントの小麦粉、約1.1から約2.1パーセントの圧搾酵母菌、約0.325から約0.425パーセントのステアロイル乳酸ナトリウム、約0.75から約1.75パーセントの塩、約8.5から約12.5パーセントの高フラクトースコーンシロップ、約0.4から約0.5パーセントのプロピオン酸カルシウム、約9から約13パーセントの油、約53から約60パーセントの水、約0.5から約1.5パーセントのモノグリセリドおよびジグリセリド、0から約1パーセントの大豆粉、0から約1パーセントの乳清、約0.4から約0.6パーセントのレシチン、約0.25から約0.45パーセントのキサンタン、約0.4から約0.6パーセントのグアル、約0.3から約0.35パーセントのアルファアミラーゼ酵素、約0.3から約0.6パーセントのメチルセルロース、約0.3から約0.6パーセントのジアセチル酒石酸エステルのモノグリセリド、および0から約0.5パーセントのスパイス、調味料、香料を有することを特徴とする請求項11に記載の包装システム。
【請求項14】
前記内側および外側フィルム包装紙の前記可剥性シールがほぼ気密であることを特徴とする請求項7に記載の包装システム。
【請求項15】
前記外側フィルム包装紙の前記カバー部分が、ポリエステル層、接着層およびエチレンビニルアセテート層を有し、
前記外側フィルム包装紙の前記ベース部分が、エチレンビニルアルコール障壁、ポリエチレン密封材、およびナイロン構造層を有し、
前記内側フィルム包装紙の前記パネルの一方が、エチレンビニルアルコール障壁、ポリエチレン密封材、およびナイロン構造層を有し、
前記内側フィルム包装紙の前記パネルの他方が、ポリエステル層、接着層およびエチレンビニルアセテート層を有することを特徴とする請求項9に記載の包装システム。
【請求項16】
前記外側フィルム包装紙の前記カバーおよびベース部分の間の密封強度が、1.5から3.0ポンド/インチ(26.8から53.6g/cm)であり、前記内側フィルム包装紙の前記パネル間の前記密封強度が、1.5から3.0ポンド/インチ(26.8から53.6g/cm)であることを特徴とする請求項15に記載の包装システム。
【請求項17】
前記外側フィルム包装紙の前記カバーおよびベース、および前記内側フィルム包装紙の前記パネルの少なくとも1つが曇り止め特性を有することを特徴とする請求項16に記載の包装システム。
【請求項18】
前記密封内側包装紙に囲繞される前記第1食料製品および前記第2食料製品に到達するために、前記外側フィルム包装紙を開封するステップと、
前記密封内側包装紙に囲繞される前記第1食料製品を前記第2食料製品との隣接状態から外すステップと、
前記第1食料製品に到達するために、前記内側フィルム包装紙を開封し除去するステップと、
前記第1食料製品を前記第2食料製品に接触させて配置するステップと
を含むことを特徴とする請求項1に記載の食品包装システムを使用する方法。
【請求項19】
前記外側フィルム包装紙を除去するステップと、
前記内側および外側フィルム包装紙を加熱せずに、前記第1食料製品、前記第2食料製品および前記トレイを電子レンジオーブン内で加熱するステップと
を含むことを特徴とする請求項18に記載の食品包装システムを使用する方法。
【請求項20】
第1水分含有量を有するタンパク質食料製品と、
電子レンジ調理前に密封内側フィルム包装紙の開封および除去を容易にする開封機能を有し、前記タンパク質食料製品を囲繞する前記密封内側フィルム包装紙と、
前記密封内側フィルム包装紙によって囲繞される前記タンパク質食料製品が穀粉食料製品に隣接し、前記密封内側包装紙が、電子レンジ加熱前の前記タンパク質食料製品と前記穀粉食料製品の間の水分の流動を制限する、第2水分含有量を有する前記穀粉食料製品と、
前記穀粉食料製品を支持するトレイであって、前記穀粉食料製品が、前記密封内側包装紙によって囲繞される前記タンパク質食料製品を前記トレイから離間し、上に配置されるシールドを有するトレイと、
電子レンジ調理前に、密封外側フィルム包装紙の開封および除去を容易にする開封機能を有し、前記タンパク質食料製品、前記穀粉食料製品、および前記トレイを囲繞する前記密封外側フィルム包装紙と
を備える食料製品用の包装システムであって、
前記穀粉食料製品が、パン製造者パーセントで、100パーセントの小麦粉、約0.5から約5パーセントの圧搾酵母菌、0から約0.5パーセントのステアロイル乳酸ナトリウム、約0.5から約3パーセントの塩、約5から約15パーセントの高フラクトースコーンシロップ、0から約0.5パーセントのプロピオン酸カルシウム、約5から約15パーセントの油、約50から約63パーセントの水、約0.5から約2パーセントのモノグリセリドおよびジグリセリド、0から約3パーセントの大豆粉、0から約6パーセントの乳清、約0.2から約1.5パーセントのレシチン、約0.1から約1パーセントのキサンタン、約0.2から約1.5パーセントのグアル、約0.1から約0.45パーセントのアルファアミラーゼ酵素、約0.2から約1.5パーセントのメチルセルロース、約0.1から約0.5パーセントのジアセチル酒石酸エステルのモノグリセリド、および0から約1パーセントのスパイス、調味料、香料を有するドウから製造される完全に焼成されたパン製品であり、前記完全に焼成されたパン製品が約0.90から約0.98の水分活性を有し、前記完全に焼成されたパン製品が、包装され密封されている際、少なくとも約75日の冷蔵賞味期限を有し、前記パン製品が、消費者が消費する前に電子レンジオーブン内で加熱するのに好適であることを特徴とする食料製品用の包装システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図5a】
image rotate

【図5b】
image rotate

【図5c】
image rotate

【図5d】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2008−87857(P2008−87857A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−230120(P2007−230120)
【出願日】平成19年9月5日(2007.9.5)
【出願人】(501360131)クラフト・フーヅ・ホールディングス・インコーポレイテッド (49)
【氏名又は名称原語表記】KRAFT FOODS HOLDINGS, INC.
【住所又は居所原語表記】Three Lakes Drive, Northfield, Illinois 60093 United States of America
【Fターム(参考)】