説明

飲料における使用のための植物ステロール分散液を製造する方法

本発明は、製造補助材なしに実質的に安定な分散液を製造する方法に関し、ここで、該分散液は少なくとも1種の疎水性植物ステロールおよび水性物質を含んでなり、ここで、該植物ステロールは植物ステロールおよび植物スタノールから選択される。該方法は、植物ステロールを水性物質と混合して第一の分散液を生成せしめること、第一の分散液を均質化して粒子の第二の分散液を得ることを含んでなり、ここで、第一の分散液および第二の分散液における疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンである。場合により、該方法は、均質化の前に第一の分散液を加熱すること、均質化の後に第二の分散液を加熱すること、もしくは両方加熱することを含んでなることができる。一つの態様として、水性物質は、かんきつ類ジュース濃縮物、例えばオレンジジュース濃縮物のようなジュース濃縮物を含む飲料濃縮物を含んでなる。本発明の一つの態様として、分散液における粉っぽい風味を実質的に回避するために、植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約30ミクロンであり、そしてこの範囲内の疎水性植物ステロール粒子の大部分は約0.2ミクロン〜約10ミクロンであり、そして釣鐘曲線分布に実質的に従う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒトおよび動物使用のための植物ステロールを含有する、飲料のような水性組成物およびそれらの製造方法に関する。典型的な飲料には、フルーツおよび野菜ジュースが包含される。他の典型的な飲料には、スポーツ飲料、ドリンク(drinks)、もしくは病気のために失われた電解質を回復させるために用いる飲料が包含される。さらなる典型的な飲料には、清涼飲料水およびコーラのようないわゆる「植物フレーバー」飲料ならびに他の天然および人工フレーバー飲料を包含する炭酸飲料が包含される。
【背景技術】
【0002】
研究者等は心臓血管疾患の根底にある原因の一つ、アテローム性動脈硬化症を防ぐ方法を詳細に調べており、そして心筋、腎臓、脳および四肢への血液循環障害を引き起こす、血管におけるアテローム動脈硬化性プラークの形成に寄与することによりコレステロールがこの疾患において役割を果たす証拠を有する。ヒトの総血清コレステロールの1%の減少は、冠状動脈疾患の危険性の2%の減少をもたらし、そして10%の減少は毎年米国における約100,000人の死亡を防ぎ得ることを示すデータがある。早くも1953年に、植物ステロールは、哺乳類におけるアテローム動脈硬化性事象を減少すること、ヒトにおける血清コレステロールの減少、およびアテローム動脈硬化性心疾患にかかっている若年者における血清コレステロールの減少にいくらかの効果があることが科学文献により報告された。(非特許文献1;非特許文献2;非特許文献3)。植物ステロールおよびスタノールは、実際に、ヒトにおいて血清コレステロールのレベルを下げることが他の化学文献により立証されるが;しかしながら、水に難溶性のために、これらの植物ステロールもしくはスタノールを含有するヒトおよび動物消費に適当な製品を製造することは困難であった。
【0003】
通例、植物ステロールもしくはスタノールは、それらの疎水性の性質のためにマーガリンおよび他のいわゆるスプレッドもしくは同様の食品において用いられた。両方ともEli Lillyに譲渡された、特許文献1および特許文献2は、植物ステロールをそれらの溶解性を高めるために粉砕するかもしくは製粉することを記述する。Eli Lillyはかつて、血清コレステロールを約9%下げるトール油からのそして後にはダイズ油からのステロール製剤を商標Cytellinで販売した。非特許文献4。しかしながら、該製品は幅広い消費者の支持を決して受けなかった。
【0004】
果汁含有製品、すなわち、果汁を含有する水性飲料および調製品(ならびにそのような飲料および製品を製造するための濃縮物)は当該技術分野において使用され、そして比較的高度の商業的支持を得ている。これらの製品への疎水性成分の導入は、疎水性成分が水と異なる密度を有し、そして結果として、製品の購入および消費の時点で、疎水性成分が分離しそして表面に浮かぶかもしくは底に沈む可能性があるので、当該技術分野において周知である問題を提示する。例えば、表面に浮かぶ疎水性成分は、水より小さい密度を有する疎水性成分を含有するジュースのような飲料において見出される望ましくない「リンギング(ringing)」を引き起こし、そして容器全体で不均一な製品をもたらす。
【0005】
製品の美的に望ましくない明らかな分離は消費者の支持に影響を与えるので、透明なもしくは半透明の(例えば、ガラスもしくはプラスチック)容器に包装される果汁含有製品はこの分離を回避しなければならない。使用前のその容器における果汁含有製品の攪拌は、疎水性成分の一時的な分散を与えるが、しかしながら、疎水性成分は攪拌後に再び分離することができるので、これは短期的な解決になるだけである。ビタミン、油、抽出物、フレーバーおよびステロールを包含する、疎水性、脂溶性もしくは親油性成分は、果汁含有製品に加える場合に、それらが分離しないように果汁含有製品への懸濁もしくは分散によるいずれかでの導入を保証するために特別な処理を必要とする。
【0006】
これらの問題を克服しようとする先行技術の試みは、典型的に、均質化、包膜化、および/もしくは安定剤、ゴム、乳化剤などの添加を包含するいくつかの方法を利用するが;しかしながら、これらの方法は製品のコストを上げ、そしてある場合にはかんきつ類ジュース、例えばオレンジジュースのようなある種の規格製品において違法である。消費者はまた、表示、質感および粘度の観点からこれらの製品のあるものを望ましくないと考える可能性もある。安定剤およびゴムは、果汁含有製品に粘度、すなわち濃さを加え、それによりその官能所感を損ねることが多い。さらに、ジュースもしくはドリンクに植物ステロールを分散させることは、飲料が粉末状の質感を有する原因になり、それもまた消費者の支持に悪影響を与える。
【0007】
消費者の承認および支持のために、あるジュース飲料は濁った外観を維持すべきであり、そして容器もしくはグラスにおける場合にジュースの表面でリングを生成すべきではなく、安定な分散液において疎水性物質を含有する果汁および/もしくは果汁濃縮物を提供することを必要にする。かんきつ類ジュース、例えばオレンジジュースのようなある果汁製品および他の飲料製品における濁度の消費者の承認および支持は、製品の冷蔵もしくは貯蔵期間中の両方、ならびに消費の時点で、この理由により製品の安定性を必要とする。
【0008】
Tiainen et al.,特許文献3は、水溶液における微晶質植物ステロールおよび甘味剤の均質な懸濁液を生成せしめることにより植物ステロールを含有する製品を製造する方法を記述する。
【0009】
Vulfson et al.,特許文献4は、マーガリン製品、ドリンク、スープ、ソース、ディップ、サラダドレッシング、マヨネーズ、菓子製品、パン、ケーキ、ビスケット、朝食用シリアルおよびヨーグルトタイプ製品のような食品および飲料へのサプリメントとして植物ステロールおよびリコピンのような疎水性化合物を開示する。Vulson et al.は、植物ステロールもしくはリコピンを食品と組み合わせることにおいて、ヒドロキシルおよびカルボキシル基の両方を有する食品は、ステロールもしくはリコピンの表面と相互作用すると理論づける。
【0010】
該参考文献は、開示された特許文献5;特許文献6;特許文献7;および特許文献8のように、界面活性剤の不在下でそして植物ステロールを糖とともに粉砕することなしに水における植物ステロールの微細懸濁液を製造することを続いて記述する。Vulfson
et al.は、それに反して、常法および食品の小容量の濃縮水溶液を用いて徹底的な均質化により約10%〜約30%(重量による)のステロールで水における植物ステロールの懸濁液もしくはスラリーを生成せしめ、それを発明者等は「コーティング物質」と記述する。
【0011】
Haarasilta et al.,特許文献9は、特に粉末形態の、粉砕した植物ステロールおよび果物、野菜もしくはベリータイプの物質のような通常の食品成分を含有する食品産業において用いられるプレミックスならびにプレミックスを製造する方法を記述する。特許文献10および特許文献11に開示される方法および装置に従って、そしてMegatrex Oyにより製造されるAtrexミルのようないわゆる衝撃粉砕原理に基づいて作動する粉砕機で植物ステロールおよびベリー、果物もしくは野菜のような食品を粉砕することによりこの結果はもたらされる。発明者等は、植物ステロールと組み合わせて穀類に該発明の方法を適用する場合に、穀物への機械的エネルギーの作用のために穀物の温度は上昇し、それにより粉砕と併せて穀物の熱処理を提供することを記す。
【0012】
Zawistowski,特許文献12は、植物ステロールおよび植物スタノールを半流動性、流動性もしくは粘性賦形剤に分散させそして懸濁することおよびそのように生成せしめた賦形剤を衝撃力にさらすことにより植物ステロールおよび植物スタノールもしくは両方の混合物の微粒子を製造する方法を記述する。該方法は、植物ステロールおよび/もしくは植物スタノールを適当な半流動性、流動性もしくは粘性賦形剤に分散させることもしくはそうでなければ懸濁すること、続いて賦形剤に衝撃力をかけて微粒子を生成せしめることを含む。Zawistowskiは、空気噴霧ノズル、圧縮空気ノズル、高剪断ミキサーもしくはコロイドミルのいずれか、しかし好ましくはMicrofluidics Incorporation,Newton,Massachusettsから市販されているミクロフルイダイザーで高剪断を引き起こすことによりこれらの衝撃力を生み出す。
【0013】
Zawistowskiは、このようにして製造される植物ステロールおよび/もしくは植物スタノールが油性の送達系においてだけでなく他の媒質においてもより大きい「溶解性」を有し、そしてコーラ、ジュースもしくは栄養補助食品および/またはミルク代用ドリンクのような飲料に導入できることを認めた。
【0014】
Gottemoller,特許文献13はまた、植物ステロールおよび植物スタノールを粉砕するかもしくはそれを造粒して粉末状生成物を生成せしめた後にそれを水性物質(aqueous material)に加えることにより植物ステロールおよび/もしくは植物スタノールを水溶性タンパク質および場合により乳化剤と組み合わせる方法も記述する。
【0015】
Tarr et al.,特許文献14は、0.15重量%〜10重量%(無水)の固形分含有量を有する水およびかんきつ類果肉のスラリーを製造し、続いてスラリーを70℃〜180℃(158°F〜356°F)の温度に2〜240分間加熱し、そしてスラリーを1,000psig〜15,000psigの圧力での均質化およびコロイド粉砕により20,000/秒〜100,000,000/秒の剪断速度で高剪断処理に供することにより、飲料用にかんきつ類果物から増粘剤を製造する方法を記述する。
【0016】
関連技術における問題の少なくとも1種を克服することは利点である。これらの他の利点の少なくとも1種は本発明によって実現され、それは疎水性植物ステロールおよび水性飲料濃縮物のような水性物質から本質的になる実質的に安定な分散液を製造する方法、およびこの方法により製造される製品を提供し、これらの全ては、例えば、粘度を増加すること、異臭もしくは粉末風味を与えること、望ましくない成分を導入すること、もしくは望ましくない外観をもたらすことなしに関連技術の方法および組成物の制約もしくは不都合の一つもしくはそれ以上を実質的に取り除く。
【0017】
本明細書は、本発明により実現され得る追加の特徴および利点を提示し、それは部分的に、当業者が本記述から明らかと考え、そして本発明の実施により習得することができ、そして当業者は、本明細書およびその請求項において特に指摘される方法および組成物により得られる本発明の目的および他の利点を理解する。
【特許文献1】米国特許第3,881,005号明細書
【特許文献2】米国特許第4,195,084号明細書
【特許文献3】米国特許第6,129,944号明細書
【特許文献4】WO 00/41491明細書
【特許文献5】米国特許第3,085,939号明細書
【特許文献6】米国特許第4,195,084号明細書
【特許文献7】米国特許第3,881,005号明細書
【特許文献8】GB 934,686明細書
【特許文献9】WO 98/58554明細書
【特許文献10】フィンランド特許出願FI 963 904明細書
【特許文献11】フィンランド特許出願FI 932 853明細書
【特許文献12】WO 00/45648明細書
【特許文献13】WO 01/37681 A1明細書
【特許文献14】WO 94/27451明細書
【非特許文献1】Pollak,Circulation 7,696−701(1953)
【非特許文献2】Pollak,Circulation 7,702−706(1953)
【非特許文献3】Farquhar et al.,Circulation,14,77−82(1956)
【非特許文献4】Kuccodkar et al.,Atherosclerosis,23:239−248(1976)
【発明の開示】
【0018】
[発明の要約]
具体化されそして広く記述されるように、これらもしくは他の利点の少なくとも1種を達成するためにそして本発明の目的に従って、本発明者等は疎水性植物ステロールおよび水性飲料濃縮物、例えばジュース濃縮物のような水性物質から本質的になる実質的に安定な分散液を製造する方法を見出し、ここで、植物ステロールは植物ステロールおよび植物スタノールから選択される。他に示されない限り、本明細書および請求項において用いる場合、「植物ステロール」という用語には、植物ステロールおよび植物スタノールの両方が包含されるものとする。該方法は、疎水性植物ステロールを水性物質と混合して疎水性植物ステロールの粒子および水性物質の第一の分散液を生成せしめることを含んでなり、ここで、第一の分散液における疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンである。該方法はまた、第一の分散液を均質化して疎水性植物ステロールの粒子および水性物質の第二の分散液を得ることも含んでなり、ここで、第二の分散液における疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンである。
【0019】
本発明の方法および得られる組成物は、特に、かんきつ類ジュース濃縮物、例えばオレンジジュース濃縮物のようなジュース濃縮物の製造において、分離、フレーバーの影響および質感の影響なしに水性物質における植物ステロールの安定な分散液を得るためにゴムおよび/もしくは乳化剤の使用を必要としない。
【0020】
本発明の実質的に安定な分散液は、分散液をもたらす本発明の方法に従って製造される水性物質における疎水性植物ステロールの分散液を含んでなり、ここで、植物ステロールは、約12ヶ月までの期間にわたって、この期間中に分散液を数回の加熱冷却サイクルおよび/もしくは棚保存に供した後に、それから分離しない。かんきつ類ジュース濃縮物に用いる場合に、植物ステロールが沈降する場合、それは沈降する果肉(sinking pulp)とともに沈み、これはかんきつ類ジュースでは自然の出来事である。
【0021】
オレンジジュースのようなかんきつ類飲料は、2つのタイプの果肉を有し、一方は浮遊し、そしてもう一方は沈降する。オレンジジュースにその濁りを与える果肉は沈降する果肉を含んでなり、一方、浮遊する果肉はジュースおよび容器の表面に浮上する。植物ステロールは水より低い密度を有し、そして結果としてかんきつ類飲料濃縮物もしくはジュースのような水性飲料の上面に浮かぶ。適切に分散されない場合、植物ステロールはかんきつ類飲料の上面で白色リングを形成する。本発明の利点の一つは、飲料の上面で白色リングを形成するように植物ステロールが分離しない、植物ステロールおよびかんきつ類飲料
濃縮物もしくはかんきつ類飲料のような水性物質の実質的に安定な分散液を提供することを含んでなる。本発明者等は、果汁濃縮物、かんきつ類ジュース濃縮物、もしくはオレンジジュースのような飲料と組み合わせて植物ステロールを含んでなる本発明の植物ステロールが、飲料の表面に浮上するのではなく、むしろ飲料において分散したままであることができ、そして飲料の底の沈降する果肉の体積の増加をもたらすことを見出した。沈降する果肉の増加した体積は、沈降する果肉における植物ステロールの存在を示唆する。いずれにしても、本発明によれば、本発明に従って調合される果汁、かんきつ類飲料濃縮物もしくはかんきつ類飲料は、表面に浮遊する植物ステロールが完全にないのではないにせよ実質的にない可能性がある。
【0022】
なされた新規な発見は、本発明の方法が均質化の前に第一の分散液のもしくは均質化の後に第二の分散液の加熱を必要としないことである。しかしながら、加熱は、滅菌のためにそして本発明の方法により製造される製品の微生物腐敗を防ぐために望ましい可能性がある。従って、本発明の方法は、場合により、1つもしくはそれ以上の加熱段階をさらに含んでなることができる。一つの任意の態様として、該方法は加熱段階をさらに含んでなることができ、ここで、疎水性植物ステロールの粒子および水性物質の第一の分散液は、約43℃〜約100℃(約110°F〜約212°F)の温度に約1秒〜約20秒の時間にわたって加熱されて加熱した第一の分散液を生成せしめる。別の任意の態様として、任意の加熱段階は均質化後に行われることができる。
【0023】
さらなる態様として、本発明の分散液を生成せしめることは、場合により、均質化の前に場合により加熱した第一の分散液を約22℃(約72°F)〜約71℃(約160°F)の温度に約1秒〜約12秒の時間にわたって冷却することを含む。
【0024】
さらに別の態様として、該方法は異なる圧力および多段階で、そして場合により約22℃(約72°F)〜約71℃(約160°F)の異なる温度で均質化を行うことを含むことができる。
【0025】
本発明のさらなる態様として、水性物質は果汁濃縮物(例えばオレンジジュース濃縮物のようなかんきつ類ジュース濃縮物)のような水性飲料濃縮物を含んでなることができる。
【0026】
本発明の別の態様は、植物ステロールの分離を回避するように組成物を製造する本発明の方法が、約100cps〜約30,000cps、もしくは約5,000cps〜約30,000cps、もしくは約6,000cps〜約18,000cpsの粘度を有する飲料濃縮物、飲料もしくは水性媒質の使用のいずれかを必要とするという発見に関する。飲料濃縮物、飲料もしくは水性媒質がこれらの粘度範囲内に入らない場合、本発明の組成物は、第一の分散液および第二の分散液を生成せしめるために本発明において用いられる方法段階、もしくは任意の他の方法を用いて、しかし粘度をこれらの範囲にするために当該技術分野において使用される製造補助材(manufacturing aids)を用いて製造することができる。
【0027】
本発明はまた、疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズが約0.1ミクロン〜約50ミクロンであるか、もしくはこの範囲内の疎水性植物ステロール粒子の大部分が約0.2ミクロン〜約10ミクロンであるか、もしくはいずれにしてもこれらの粒子サイズ分布のいずれについても、釣鐘曲線分布に実質的に従う場合に、水性物質における疎水性植物ステロールの分散液が、分散液に粉っぽい風味を与えるという先行技術の問題を回避することができるという発見にも関する。「大部分」という用語は、本明細書および請求項において用いる場合、50%より大きいことを意味する。
【0028】
[発明の詳細な記述]
従って、本発明は少なくとも1種の疎水性植物ステロールおよび水性飲料濃縮物のような水性物質を含んでなる実質的に安定な分散液を製造する方法に関し、ここで、少なくとも1種の植物ステロールは植物ステロールおよび植物スタノールから選択され、そしてここで、分散液はいかなる添加乳化剤および増粘剤ならびに食品技術分野において用いられる他のいわゆる「製造補助材」、例えば包膜化物質も含有しない。
【0029】
本発明の別の態様は、植物ステロールの分離を回避するように組成物を製造する本発明の方法が、約100cps〜約30,000cps、もしくは約5,000cps〜約30,000cps、もしくは約6,000cps〜約18,000cps、もしくは約8,000cps〜約15,000cpsの粘度を有する飲料濃縮物、飲料もしくは水性媒質の使用のいずれかを必要とするという発見に関する。明細書および請求項において言及される粘度測定は、20rpmの速度でスピンドル#3を用いて、Brookfield粘度計モデル#LVDV−11+を使用して決定された。再び、飲料濃縮物、飲料もしくは水性媒質がこれらの粘度範囲内に入らない場合、本発明の組成物は、第一の分散液および第二の分散液を生成せしめるために本発明において用いられる方法段階、もしくは食品技術分野において使用される任意の他の方法を用いて、しかし粘度をこれらの範囲にするために食品技術分野において使用される製造補助材を用いて製造することができる。これらの製造補助材は、方法を開始する前に、もしくは方法の間の任意の段階で組成物に加えることができる。
【0030】
疎水性植物ステロールを水性飲料濃縮物のような水性物質と混合して少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および水性物質の第一の分散液および/もしくは第二の分散液を生成せしめることにおいて、第一の分散液および/もしくは第二の分散液における少なくとも1種の疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロン、もしくは約0.1ミクロン〜約50ミクロン、もしくは約0.1ミクロン〜約30ミクロン、もしくは約0.1ミクロン〜約10ミクロンであり、そして一つの態様として、釣鐘曲線分布に実質的に従う。別の態様として、水性物質もしくは濃縮物もしくは飲料における粉っぽい風味を実質的に回避するために、第一の分散液および/もしくは第二の分散液における少なくとも1種の疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約30ミクロンであり、もしくはここで、粒子の大部分は約0.2ミクロン〜約10ミクロン、もしくは約0.2ミクロン〜約2.5ミクロン、もしくは約0.4ミクロン〜約1.5ミクロン、もしくは約0.3ミクロン〜約0.4ミクロンの前述の範囲のいずれか一つのサイズであり、そしてさらなる態様として、釣鐘曲線分布に実質的に従う。前述の粒子サイズおよび粒子サイズ範囲の全てはまた、プラスマイナス約30%、もしくはプラスマイナス約20%、もしくはプラスマイナス約10%異なることもできる。上記のサイズおよびサイズ範囲の全ての疎水性植物ステロール粒子は当該技術分野において周知であり、そしてCargill Coのような商業的供給業者を通して入手することができる。
【0031】
本発明の一つの態様は、
(a)疎水性植物ステロールを水性物質と混合して該疎水性植物ステロールの粒子および該水性物質の第一の分散液を生成せしめること;および
(b)該混合物を均質化して該疎水性植物ステロールの粒子および該水性物質の第二の分散液を得ること、ここで、該第一の分散液における該疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンであるか、もしくは該第二の分散液における該疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンであるか、またはここで、該第一の分散液および該第二の分散液の両方における該疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンである、
を含んでなる少なくとも1種の疎水性植物ステロールおよび水性物質を含んでなる実質的
に安定な分散液を製造する方法を含んでなり、ここで、該植物ステロールは植物ステロールおよび植物スタノールから選択される。
【0032】
一つの態様として、該方法は、均質化の前に加熱した第一の分散液を生成せしめるために均質化段階の前に該第一の分散液を加熱することをさらに含んでなることができる。別の態様として、該方法はまた、場合により、加熱した第二の分散液を生成せしめるために該第二の分散液を加熱することを含んでなることもできる。さらに別の態様として、該方法は、場合により第一の分散液および第二の分散液の両方を加熱することを含んでなることができる。
【0033】
本発明の方法の別の態様は、水性物質もしくは濃縮物もしくは飲料における粉っぽい風味を実質的に回避するために、上記のような疎水性植物ステロールもしくは植物スタノール粒子を含んでなる少なくとも1種の疎水性植物ステロールもしくは植物スタノールおよび水性物質の実質的に安定な分散液である組成物をそれが製造できることである。この粒子サイズ、または水性物質もしくは濃縮物もしくは飲料製品における粉っぽい風味を実質的に回避する粒子サイズおよび粒子サイズ分布を有する組成物は、本発明の方法に従って、またはそれが該粒子サイズ、もしくは完成製品における粉っぽい風味を回避する粒子サイズおよび粒子サイズ分布を有する植物ステロールもしくは植物スタノールを含有する限り、食品技術分野において使用される任意の他の方法により製造することができ、そして本発明の方法に従って製造されない場合には、場合により、食品技術分野において使用される製造補助材を含有することができる。これらの製造補助材は、全て水性物質もしくは濃縮物もしくは飲料製品に基づいて、植物ステロールの約0.001重量%〜約50重量%、または植物ステロールの約0.01重量%〜約30重量%、または植物ステロールもしくは植物スタノールの約0.01重量%〜約25重量%、または植物ステロールもしくは植物スタノールの約0.1重量%〜約20重量%の量で用いることができる。
【0034】
いわゆる「製造補助材」には、包膜化補助、澱粉、および食品技術分野において用いられる増粘剤として使用されるゴム、ならびにペクチン、脱メチル化ペクチンおよび食品技術分野において使用される他のペクチン誘導体が包含される。乳化剤は、改変された食品用澱粉および他の同様の食品タイプ乳化剤を含んでなり、一方、ゴムにはアラビアゴム、海草抽出物、アルギン酸塩、グアルゴムのような植物もしくは種子ゴム、またはゼラチンのような動物由来の製品ならびにキサンタンゴム、ローカストゴム、カラギーナンなどが包含される。アラビアゴムに加えて、用いられる他の水溶性ゴムは、アンジコゴム(angico gum)、セビルゴム(cebil gum)、メスキートゴム(mesquite gum)、シーダーゴム(cedar gum)およびインディアンゴム(Indian gum)を含んでなり、一方、水に溶けにくいゴムには、トラガカント、ステルクリア、ホッグゴム(hog gum)、アムラドゴム(amrad gum)およびサテンウッドゴム(satinwood gum)またはチェリーゴム、ソノラゴムもしくはサッサゴム(sassa gum)のような水において膨張するゴムが包含される。本発明のこの態様に包含される他のゴムは、Hackh’s Chemical Dictionary,3d Ed.,p.392において定義される。
【0035】
科学文献により少なくとも44種の植物ステロールが記述され、そして当業者は、本発明を実施する場合に利用可能であるものから任意の植物ステロールを選択することができる。本発明はまた、当該技術分野において用いられる植物ステロールのいくつかを使用することも含む。この関連でいくつかの植物ステロールには、シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、スピノステロール(spinosterol)、タラキサステロール、ブラシカステロール、デスモステロール、カリノステロール(chalinosterol)、ポリフェラステロール、クリオナステロール(clionasterol)およびエルゴステロールが包含される。本発明はまた、2成分、3成分および4成
分混合物のような、植物ステロールの混合物も用いる。
【0036】
これらおよび他の植物ステロールの供給源は、米ぬか、コーンブラン、トウモロコシ胚芽、小麦胚芽油、トウモロコシ油、ベニバナ油、オートムギ油、オリーブ油、綿実油、ダイズ油、ピーナッツ油、紅茶、緑茶、コロカシア(colocsia)、ケール、ブロッコリー、ゴマ油、シア油、グレープシード油、菜種油、アマニ油、キャノーラ油、トール油および木材パルプから得られる他の油である。
【0037】
植物ステロールはまた、植物スタノールを生成せしめるために水素化することもできる。従って、本発明の植物スタノールは、シトステロールのような様々な植物ステロールの水素化生成物として記述されるが、植物ステロールを水素化することなしに、当該技術分野において使用される様々な植物から天然で入手することもできる。従って、「植物ステロールの水素化生成物」という用語には、植物スタノールに適用する場合、そして本明細書において用いる場合、合成植物スタノールだけでなく、天然源から得られるものも包含される。この関連でいくつかの植物スタノールには、シトスタノール、カンペスタノール、スチグマスタノール、スピノスタノール、タラキサスタノール、ブラシカスタノール、デスモスタノール、カリノスタノール、ポリフェラスタノール、クリオナスタノールおよびエルゴスタノールが包含される。当業者はまた、利用可能であるものから任意の植物スタノールを選択することもできる。本発明はまた、2成分、3成分および4成分混合物のような、植物スタノールの混合物、ならびに2成分、3成分および4成分混合物のような、植物ステロールと植物スタノールとの混合物も用いる。
【0038】
植物ステロールおよび植物スタノールの両方には、αおよびβ異性体のような当該技術分野において用いられる様々な位置異性体および立体異性体ならびに小さい(1個〜約4個の炭素原子)側鎖を含有する植物ステロールおよび植物スタノールが包含される。β−シトステロールおよびβ−シトスタノールは、それぞれ、哺乳類において血清コレステロールを下げるために最も有効な植物ステロールの一つおよび最も有効な植物スタノールの一つを含んでなる。
【0039】
本発明の一つの態様として、粒子の第一の分散液を生成せしめるための水性飲料濃縮物と少なくとも1種の疎水性植物ステロールとの混合は、第一の分散液を生成せしめるために、約−10℃〜約100℃(約14°F〜約212°F)、もしくは約0℃〜約82℃(約32°F〜約180°F)、もしくは約18℃〜約64℃(約64°F〜約148°F)、もしくは約24℃〜約57℃(約75°F〜約135°F)の温度で約0.1分〜約120分、もしくは約5分〜約60分、もしくは約15分〜約30分の時間にわたって行うことができる。
【0040】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および飲料濃縮物のような水性物質の第一の分散液を製造するために用いる装置は、高剪断ミキサー(Arde−Barincoモデル#CJ−4)もしくは任意の大容量(例えば、約50〜約300gal.)高剪断ミキサーを含んでなる。第一の分散液を製造するための市販の装置は、APV、An Invensys Companyにより製造される、商標名APV Liquiverterモデル200 CLVで製造される「Liquiverter」(商標)を含んでなる。
【0041】
別の態様として、供給される少なくとも1種の植物ステロールは、約0.5〜約10ミクロンのサイズに微粉化することができる。図1は、本発明の一つの態様による微粉化植物ステロールの典型的な粒子サイズ分布を示す。図1において、「DF Population Diff.Distribution」は、集団微分分布(Population Differential Distribution)をかけた希釈係数をさし
、すなわち、各チャンネルにおけるカウント数は、サンプルを希釈した係数がかけられており、純サンプルにおけるカウント数をもたらす。図2は、本発明の一つの態様による微粉化植物ステロールの典型的な体積分布を示す。図2において、「Volume−Wt−Diff.Distribution」は、体積加重微分分布、すなわち、粒子の全てを選択し、そしてそれらの体積を調べ、そしてサンプルの総体積への各サイズチャンネルの寄与を決定することをさす。米国特許第6,129,944号は、図1および2の植物ステロール組成物を製造するために使用される方法および装置を記述するが;しかしながら、食品産業はまた、これらの組成物を生成せしめるために噴霧乾燥技術も用いる。
【0042】
図1において、報告される「カウント」の各々の数値(縦座標における値)およびミクロン単位の報告される粒子直径の各々の数値(横座標における値)は、どこでもプラスマイナス約30%もしくはプラスマイナス約20%もしくはプラスマイナス約10%異なることができ、一方、図2において、報告される相対的パーセンテージの各々の数値(縦座標における値)およびミクロン単位の報告される粒子直径の各々の数値(横座標における値)は、どこでもプラスマイナス約30%もしくはプラスマイナス約20%もしくはプラスマイナス約10%異なることができる。図1および図2のデータは特定の植物ステロール製品をさすが、これらのデータはまた、本明細書に記述されているものおよび当該技術分野において使用されるもののような、本発明に従って用いられる植物ステロールのいずれかの粒子サイズおよび粒子サイズ分布も定義することができる。
【0043】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールおよび水性物質の第一の分散液を生成せしめることにおいて、水性媒質とともに疎水性植物ステロールにかけられる剪断応力および/もしくは剪断速度は、少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および水性物質のいくらか安定な分散液を生成せしめるために十分であると考えられるが;しかしながら、第一の分散液は、ジュース、飲料、ジュースドリンクなどのような消費者製品におけるその使用を可能にする十分な長期安定性を有さない。
【0044】
第一の分散液および第二の分散液の両方の少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子サイズは、当業者に周知である釣鐘曲線粒子サイズ分布に実質的に従うことができる。
【0045】
水性物質は、水、水における固形物の分散液または水における液体もしくは液体における水のエマルジョンとしてのいずれかで、その中に溶解されるかもしくは分散される追加の化合物および組成物を有する水を含んでなることができる。これは、本発明の水性物質を、それを少なくとも1種の疎水性植物ステロールと混合する前に定義する。溶解されるかもしくは分散される化合物もしくは組成物を有する水性物質を用いる場合、水性飲料濃縮物のような水性物質の固形分含有量は、水性物質のリットル当たり約200グラム〜水性物質のリットル当たり約1000グラム、もしくはリットル当たり約400グラム〜リットルあたり約900グラム、もしくはリットル当たり約600グラム〜リットル当たり約800グラムである。「固形分含有量」にはまた、この用語が本発明の「水性物質」に適用される場合、本明細書に定義するような「水性物質」のエマルジョンタイプを生成せしめることにおいて使用する水に加えられる任意の液体も包含される。
【0046】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールは、水性物質、濃縮物もしくは飲料製品のリットル当たり約1グラム〜約100グラム、もしくはリットル当たり約10グラム〜約60グラム、もしくはリットル当たり約20グラム〜約30グラムの量で第一の分散液および/もしくは第二の分散液に存在することができる。一つの態様として、少なくとも1種の疎水性植物ステロールは、水性物質、濃縮物もしくは飲料製品のリットル当たり約15グラム〜約30グラムの量で第一の分散液および/もしくは第二の分散液に存在する。
【0047】
一つの態様として、該方法は、均質化の前に加熱した第一の分散液を生成せしめるため
に均質化段階の前に該第一の分散液を加熱することをさらに含んでなることができる。別の態様として、該方法はまた、場合により、加熱した第二の分散液を生成せしめるために該第二の分散液を加熱することを含んでなることもできる。さらに別の態様として、該方法は、場合により第一の分散液および第二の分散液の両方を加熱することを含んでなることができる。
【0048】
一つの態様として、第一の分散液は、場合により約18℃(約64°F)〜約64℃(約148°F)の温度に約0.1分〜約120分の時間にわたって加熱される。本発明の別の態様として、第一の分散液は、場合により約110°F〜約212°Fの温度に約1秒〜約20秒の時間にわたって加熱される。
【0049】
別の態様として、第一の分散液は、場合により約49℃(約120°F)〜約88℃(約190°F)の温度に約1秒〜約20秒の時間にわたって加熱される。
【0050】
本発明の別の態様として、場合により加熱した第一の分散液は、少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および水性物質の第二の分散液を生成せしめるために均質化する前に約0℃〜約100℃(約32°F〜約212°F)、もしくは約13℃〜約87℃(約55°F〜約189°F)、もしくは約26℃〜約75℃(約78°F〜約167°F)の温度に約1秒〜約30秒、もしくは約2秒〜約10秒、もしくは約5秒〜約7秒の時間にわたって冷却される。
【0051】
さらなる態様として、場合により加熱した第一の分散液は、均質化の前に約22℃(約72°F)〜約71℃(約160°F)の温度に約1秒〜約12秒の期間にわたって冷却される。
【0052】
本発明の別の態様として、第二の分散液は、場合により、加熱した第二の分散液を生成せしめるために約0℃(約32°F)〜約100℃(約212°F)の温度に約1秒〜約20秒の時間にわたって加熱される。
【0053】
さらに別の態様として、第二の分散液は、場合により、加熱した第二の分散液を生成せしめるために約49℃(約120°F)〜約88℃(約190°F)の温度に約1秒〜約20秒の時間にわたって加熱される。
【0054】
さらなる態様として、場合により加熱した第二の分散液は、約−8℃〜約32℃(約17°F〜約90°F)、もしくは約2℃〜約4℃(約35°F〜約40°F)の温度に約1秒〜約12秒、もしくは約3秒〜約7秒の時間にわたって冷却される。
【0055】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および水性飲料濃縮物の第二の分散液を得るための第一の分散液の均質化は、ホモジナイザー(APVモデル#APV 1000のような)において行われ、それは高圧で小さなオレフィスを通して分散液を押し進めることにより機能することができる。均質化は約100psi〜約14,500psi、もしくは500psi〜約10,000psi、もしくは1,000psi〜約5,000psiの圧力で実施することができる。一つの態様として、均質化は約2,000psi〜約5,000psiの圧力で実施される。
【0056】
本発明はまた、1段階、2段階、3段階、4段階もしくはそれ以上のような単一段階もしくは多段階で異なる圧力で均質化を行うことにも関する。
【0057】
高圧および低圧での均質化はまた、例えば、以下のパラメーターおよびその組み合わせのいずれかに従って進行させることもできる:
高圧 低圧
約2000psi 約300psi
約3000psi 約400psi
約3000psi 約500psi
約5000psi 約1000psi
約3400psi 約600psi
【0058】
順序は、一般に、最初に低圧より高圧で均質化を行うことであるが、本発明の方法にはまた、異なる順序の圧力で、そして一つの態様として、1つより多くのホモジナイザーで均質化を行うことも包含される。
【0059】
様々な飲料濃縮物を本発明の方法に従って水性物質として用いることができるが、しかしながら、一つの態様として、該方法は、少なくとも1種の疎水性植物ステロールおよびオレンジジュース濃縮物のような水性かんきつ類ジュース濃縮物を含んでなる実質的に安定な分散液を製造することを含む。
【0060】
本発明の水性物質は、そのより広い態様として、水、ならびに栄養物、香料、甘味料、二酸化炭素および他の気体、ならびにその組み合わせと組み合わせた水を含んでなる。別の態様として、水性物質は、オレンジ、レモン、ライム、タンジェリン、マンダリンおよびグレープフルーツジュースを包含するかんきつ類ジュースのような果汁の濃縮物もしくはフルーツフレーバー、ならびにアセロラ、ブドウ、西洋ナシ、パッションフルーツ、パイナップル、バナナ、リンゴ、クランベリー、サクランボ、ラズベリー、モモ、プラム、ブドウ、干しブドウ、クランベリー、ブラックベリー、ブルーベリー、イチゴ、ミラベルプラム、スイカ、ハニーデューメロン、カンタロープメロン、マンゴー、パパイヤのような他のジュースおよびフルーツフレーバー濃縮物、コーラ、茶、コーヒー、チョコレート、バニラ、アーモンド由来のフレーバーのような植物フレーバー、トマト、キャベツ、セロリ、キュウリ、ホウレンソウ、ニンジン、レタス、クレソン、タンポポ、ダイオウ、ビート、ココナ(cocona)、グアバ、ハングオ(han guo)のような野菜ジュースおよびフレーバー、ならびに2成分、3成分および4成分混合物のようなその混合物である。
【0061】
本発明の水性物質はまた、水の添加を必要とする製品としてもしくは水との混合においてであろうと、典型的なスポーツ飲料、および病気による体液の喪失を処置するために用いられ、そしてショ糖シロップ、グルコース−フルクトースシロップ、クエン酸、クエン酸ナトリウム、一カリウムリン酸塩およびカリウム塩ならびに失われた電解質を補給するための他の物質を含有する飲料の濃縮物を含んでなることもできる。
【0062】
本発明の濃縮物は、ジュースもしくはドリンクを生成せしめるために水で希釈することができる。例えば、濃縮物が糖もしくは糖の混合物を含む場合、それを約2°ブリックス〜約20°ブリックス、もしくは約6°ブリックス〜約16°ブリックス、もしくは約11°ブリックス〜約13°ブリックスに水で希釈することができる。本発明に従って用いる糖は、一般にフルクトース、ショ糖、グルコースなどのような炭水化物物質ならびにMcMurry,Organic Chemistry,第3版,pp.916−950,Hawley’s Condensed Chemical Dictionary,第12版,p.1100およびHackh’s Chemical Dictionary,第3版,pp.815−817により記述されているような当該技術分野において使用される他の糖を含んでなることができる。2成分、3成分もしくは4成分混合物のような、糖の混合物もまた用いることができる。
【0063】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールおよび水性物質を含んでなる実質的に安定な分
散液を製造する方法はまた、例えば、第一の分散液を製造する段階もしくは第二の分散液を製造する段階または両方のそのような段階にビタミンもしくは複数のビタミンを加えることにより、本発明の実質的に安定な分散液の製造の前、間もしくは後のいずれかに、実質的に安定な分散液に、ビタミンC、ビタミンB6および/もしくはビタミンB12、葉酸のような少なくとも1種の水溶性ビタミン、ならびに/またはビタミンA、ベータカロチン、ビタミンB、例えば、Dビタミン、ビタミンEおよびビタミンKのような少なくとも1種の油溶性ビタミン、ならびに2成分、3成分および4成分混合物のようなそれらの任意の混合物を加えることを含んでなることもできる。ビタミンBおよびEのようなビタミンの添加は、単位サービング(serving)当たり各ビタミンのRDAの約1%〜約100%、もしくは約5〜約30%、もしくは約15〜約20%のRDAを得るために異なる。
【0064】
以下の実施例は、本発明を説明する。
実施例
【実施例1】
【0065】
以下の成分を組み合わせて、第一の分散液を生成せしめる次の処理の前に水性物質と疎水性植物ステロールとのベース混合物を用意した。
【0066】
下記の事項を得るように組成物を調合した:
ベース成分
所望の容量 2.2ガロン
水 2,079.4グラム
オレンジ濃縮物 7,837.0グラム
オレンジフレーバー 119.6グラム
オレンジ油 6.3グラム
植物ステロール 198.1グラム
合計 10,240.8グラム
完成製品成分
所望の容量 4.4ガロン
水 13,262.9グラム
ベース 4,178.3グラム
【0067】
【表1】

【0068】
親油性植物ステロールおよび水性物質としてオレンジジュース濃縮物の実質的に安定な分散液は、48.9°ブリックスの濃度を有した(酸について補正した、屈折計ブリックス)。
【0069】
混合物を7000rpmで約15分間Arde−Barincoモデル番号CJ−4高剪断ミキサーを用いて混ぜ合わせて約10ミクロンの平均粒子サイズおよび最大粒子サイズが約30ミクロンである約0.5ミクロン〜約30ミクロンの粒子サイズ分布を有する第一の分散液を生成せしめた。
【0070】
APV Homogenizer Group(An Invensys Company)からのAPVホモジナイザー、モデル番号APV 1000において第一の分散液を2,500psiでそして次に500psiで均質化することにより第二の分散液を生成せしめた。
【0071】
第二の分散液は、疎水性植物ステロールおよび水性物質としてオレンジジュース濃縮物から本質的になる実質的に安定な分散液を含んでなった。実質的に安定な分散液に水を加えることにより12.0°ブリックスのオレンジジュース製品を生成せしめた。製品を以下の仕様に製造した:
【0072】
【表2】

【実施例2】
【0073】
以下の成分を組み合わせて、第一の分散液を生成せしめる次の処理の前に水性物質と疎水性植物ステロールとのベース混合物を準備した。
【0074】
下記の事項を得るように組成物を調合した:
ベース成分
所望の容量 0.8ガロン
水 180.2グラム
オレンジ濃縮物 3,363.0グラム
オレンジフレーバー 53.1グラム
オレンジ油 2.7グラム
植物ステロール 76.7グラム
合計 3,675.5グラム
屈折計 °ブリックス、65(酸について補正した);酸、3.71%(wt./wt.)。
約0.5ミクロン〜約30ミクロンの粒子サイズを有するベータシトステロール、ベータシトスタノール、カンペステロール、カンペスタノール、スチグマステロール、スピノステロール、アベナステロールもしくはブラシカステロールから本質的になるADM 09/2001
完成製品成分
所望の容量 4.8ガロン
水 4.1ガロン
ベース 0.8ガロン
【0075】
【表3】

【0076】
親油性植物ステロールおよび水性物質としてオレンジジュース濃縮物の実質的に安定な分散液は、61.2°ブリックスの濃度を有した(酸について補正した、屈折計ブリックス)。
【0077】
混合物を7000rpmで約15分間Arde−Barincoモデル番号CJ−4高剪断ミキサーを用いて攪拌し、そして8秒で82.2℃(180°F)に加熱し、そして約5秒で約43.3℃〜約60℃(約110°F〜約140°F)に冷却して約10ミクロンの平均粒子サイズおよび最大粒子サイズが約30ミクロンである約0.5ミクロン〜約30ミクロンの粒子サイズ分布を有する第一の分散液を生成せしめた。
【0078】
APV Homogeniser Group(An Invensys Company)からのAPVホモジナイザー、モデル番号APV 1000において第一の分散液を60℃(140°F)で3,400psiでそして次に600psiで均質化することにより第二の分散液を生成せしめた。
【0079】
第二の分散液は、疎水性植物ステロールおよび水性物質としてオレンジジュース濃縮物から本質的になる実質的に安定な分散液を含んでなった。実質的に安定な分散液に水を加えることにより12.0°ブリックスのオレンジジュース製品を生成せしめた。製品を以下の仕様に製造した:
【0080】
【表4】

【実施例3】
【0081】
以下の成分を組み合わせて、第一の分散液を生成せしめる次の処理の前に水性物質と疎水性植物ステロールとのベース混合物を準備した。
【0082】
下記の事項を得るように組成物を調合した:
ベース成分
所望の容量 2,000.0ガロン
水 4158.8ポンド
オレンジ濃縮物 15,674.0ポンド
オレンジフレーバー 239.2ポンド
オレンジ油 12.7ポンド
植物ステロール 396.2ポンド
合計 20,480.9ポンド
完成製品成分
所望の容量 1,000ガロン
水 6,631.5ポンド
ベース 2,089.1ポンド
【0083】
【表5】

【0084】
親油性植物ステロールおよび水性物質としてオレンジジュース濃縮物の実質的に安定な分散液は、50.1°ブリックスの濃度を有した(酸について補正した、屈折計ブリックス)。
【0085】
植物ステロールもしくはスタノールを加える前に混合物を一定の攪拌で2200ガロンのバッチタンクにおいて混ぜ合わせた。次に、分散液を200ガロンのNorman Machinery Co.モデルDS 200高剪断ミキサーにポンプで通し、そして植物ステロールを1/2インチのメッシュスクリーンを通して高剪断ミキサーに徐々に加えて約10ミクロンの平均粒子サイズおよび最大粒子サイズが約30ミクロンである約0.5ミクロン〜約30ミクロンの粒子サイズ分布を有する第一の分散液を生成せしめた。
【0086】
第一の分散液を毎分30ガロンのAPVホモジナイザーを通して2,500psiでそして次に500psiで均質化することにより第二の分散液を生成せしめた。次に、この第二の分散液を8秒で72.7℃(163°F)に加熱し、そして約5秒で約2℃〜約4℃(約35°F〜約40°F)に冷却した。
【0087】
第二の分散液は、疎水性植物ステロールおよび水性物質としてオレンジジュース濃縮物から本質的になる実質的に安定な分散液を含んでなった。実質的に安定な分散液に水を加えることにより12.0°ブリックスのオレンジジュース製品を生成せしめた。製品を以下の仕様に製造した:
【0088】
【表6】

【0089】
本明細書の全体にわたって記載されるような本発明を記述する様々な数値域にはまた、本明細書に記載する範囲の上端と範囲の下端との任意の組み合わせ、ならびに範囲の下限値の範囲もしくは範囲の上限値の範囲を増加するかもしくは減少する任意の単一の実験数値および本明細書に記載される他の単一の数値も包含され、ここで、該範囲には、とりわけ、時間、温度、圧力、°ブリックスを包含する化合物および組成物の濃度、相互とのこ
れらの化合物および組成物の比率、粒子サイズ、粒子サイズ分布、百分率変化などの範囲、ならびにこれらの範囲により含まれる全ての整数および/もしくは分数値、およびこれらの範囲内に含まれる範囲が包含される。「約」という用語は、それが個々の数値および本明細書の範囲に記載される数値に適用される場合、これらの値のわずかな変化を意味する。例えば、°ブリックス単位で与えられる濃度値は±2%異なることができ、秒単位で与えられる時間値は±1秒異なることができ、分単位で与えられる時間値は±1分異なることができ、℃もしくは°F単位で与えられる温度値は±2%異なることができ、psi単位で与えられる圧力値は±10%異なることができ、ミクロン単位で与えられる粒子サイズ値は±5%異なることができ、g/L単位で与えられる固形分含有量は±2%異なることができ、そしてcps単位で与えられる粘度値は±10%異なることができる。「実質的な」および「実質的に」という用語は、本明細書において用いる場合、特にこれらの用語(すなわち、「約」、「実質的な」もしくは「実質的に」)が当業者により理解される場合に、それが完全に特定されることまたはそれが大体もしくは大部分特定されることのいずれかを意味する。本明細書に記載する米国特許もしくは他の特許および他の刊行物への任意の言及は、これらの参考文献に引用される任意の参考文献を包含する、その全部が本明細書に組み込まれる。パーセンテージで表される全ての量は、他に示されない限り、重量パーセンテージである。
【0090】
本発明の原理、様々な態様および実施例は、前述の明細書に記述されている。しかしながら、本明細書において保護される発明、すなわち、請求される発明は、本発明の範囲からそれることなしに当業者によって行われることができるバリエーションもしくは変更を包含すると解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】植物油およびトール油に由来し、そしてフィンランドのMB Multi Bene Health Oy Ltd.により供給される、約93%より大きい総植物ステロール含有量を有し、そしてβ−シトステロール、β−シトスタノール、カンペステロール、カンペスタノール、スチグマステロール、スピノステロール、アベナステロールおよびブラシカステロールからなる(該混合物は、約138℃〜約141℃の融点を有する)微粉化植物ステロールのサンプルの粒子サイズ分布の例である。
【図2】図1の微粉化植物ステロールの体積分布を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールを水性物質(aqueous material)と混合して少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および該水性物質の第一の分散液を生成せしめること;
第一の分散液を均質化して少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および該水性物質の第二の分散液を得ること、ここで、該第一の分散液における少なくとも1種の疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンであるか、もしくは該第二の分散液における少なくとも1種の疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンであるか、またはここで、該第一の分散液および該第二の分散液の両方における該疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンである、
を含んでなる少なくとも1種の疎水性植物ステロールおよび水性物質を含んでなる実質的に安定な分散液の製造方法。
【請求項2】
該第一の分散液における少なくとも1種の疎水性植物ステロールの該粒子サイズが約0.1ミクロン〜約50ミクロン、好ましくは約0.1ミクロン〜約30ミクロン、より好ましくは約0.1ミクロン〜約10ミクロンであるか、もしくは
該第二の分散液における少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子サイズが約0.1ミクロン〜約50ミクロン、好ましくは約0.1ミクロン〜約30ミクロン、より好ましくは約0.1ミクロン〜約10ミクロンであるか、もしくは
第一および第二の分散液の少なくとも一つにおける少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子サイズが約0.1ミクロン〜約50ミクロン、好ましくは約0.1ミクロン〜約30ミクロン、より好ましくは約0.1ミクロン〜約10ミクロンである請求項1の方法。
【請求項3】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールの大部分が約0.2ミクロン〜約10ミクロン、好ましくは約0.2ミクロン〜約2.5ミクロン、より好ましくは約0.4ミクロン〜約1.5ミクロン、さらにより好ましくは約0.3ミクロン〜約0.4ミクロンの範囲内の粒子サイズである請求項1の方法。
【請求項4】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールが:
シトステロール、カンペステロール、スチグマステロール、スピノステロール(spinosterol)、タラキサステロール、ブラシカステロール、デスモステロール、カリノステロール(chalinosterol)、ポリフェラステロール、クリオナステロール(clionasterol)およびエルゴステロール
から選択される請求項1の方法。
【請求項5】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールが植物ステロールの水素化生成物から選択される請求項1の方法。
【請求項6】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールが:
シトスタノール、カンペスタノール、スチグマスタノール、スピノスタノール、タラキサスタノール、ブラシカスタノール、デスモスタノール、カリノスタノール、ポリフェラスタノール、クリオナスタノールおよびエルゴスタノール
から選択される請求項1の方法。
【請求項7】
該水性物質が、その中に溶解されるかもしくは分散されるいずれかの固形物を含み、そして該水性物質の固形分含有量が、該水性物質のリットル当たり約200〜約1000グラム、好ましくはリットル当たり約400〜約900グラム、より好ましくはリットル当
たり約600〜約800グラムである請求項1の方法。
【請求項8】
該第一の分散液において、少なくとも1種の疎水性植物ステロールが、水性物質のリットル当たり約1〜約100グラム、好ましくはリットル当たり約10〜約60グラム、もしくはより好ましくはリットル当たり約15〜約30グラムの量で存在する請求項1の方法。
【請求項9】
該均質化を約100psi〜約14,500psi、好ましくは約500psi〜約10,000psi、より好ましくは約1,000psi〜約5,000psi、もしくはさらにより好ましくは約2,000psi〜約5,000psiの圧力で実施する請求項1の方法。
【請求項10】
該均質化を約2000psi〜約5000psiでの第一の均質化、続いて約300psi〜約1000psiの圧力での第二の均質化のような異なる圧力で多段階で実施する請求項1の方法。
【請求項11】
該水性物質が少なくとも1種の果汁濃縮物を含んでなる請求項1の方法。
【請求項12】
該水性物質が少なくとも1種のかんきつ類ジュース濃縮物を含んでなる請求項11の方法。
【請求項13】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および該果汁もしくは該かんきつ類ジュース濃縮物の該第二の分散液に水を加えて水性飲料混合物を得る請求項11もしくは12の方法。
【請求項14】
水性飲料混合物が約11°ブリックス〜約13°ブリックスの濃度を有する請求項13の方法。
【請求項15】
少なくとも1種のかんきつ類ジュース濃縮物がオレンジジュース濃縮物である請求項12の方法。
【請求項16】
実質的に安定な分散液の粘度が約100cps〜約30,000cps、好ましくは約5,000cps〜約30,000cps、より好ましくは約6,000cps〜約18,000cpsもしくはさらにより好ましくは約8,000cps〜約15,000cpsである請求項1の方法。
【請求項17】
実質的に安定な分散液の製造の前、間もしくは後のいずれかに少なくとも1種のビタミンを加えることをさらに含んでなる請求項1の方法。
【請求項18】
少なくとも1種のビタミンが水溶性ビタミンおよび油溶性ビタミンから選択される請求項17の方法。
【請求項19】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールを水性物質と混合して少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および該水性物質の第一の分散液を生成せしめること;
第一の分散液を均質化して少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および該水性物質の第二の分散液を得ること、ここで、該第一の分散液における少なくとも1種の疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンであるか、もしくは該第二の分散液における少なくとも1種の疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミクロン〜約100ミクロンであるか、またはここで、該第一の分散液および該第二の分散液の両方における該疎水性植物ステロール粒子の粒子サイズは約0.1ミク
ロン〜約100ミクロンである、;および
少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子および該水性物質の第二の分散液を加熱して加熱された第二の分散液を製造すること
を含んでなる少なくとも1種の疎水性植物ステロールおよび水性物質を含んでなる実質的に安定な分散液の製造方法。
【請求項20】
少なくとも1種の疎水性植物ステロールの粒子の該第二の分散液を約32°F〜約212°Fの温度に約1秒〜約20秒の時間にわたって、好ましくは約120°F〜約190°Fの温度に約1秒〜約20秒の時間にわたって加熱する請求項19の方法。
【請求項21】
該加熱された第二の分散液を約17°F〜約90°Fの温度に約1秒〜約12秒の時間にわたって、好ましくは約35°F〜約40°Fの温度に約3秒〜約7秒の時間にわたって冷却する請求項19の方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−522078(P2007−522078A)
【公表日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−510819(P2005−510819)
【出願日】平成15年10月24日(2003.10.24)
【国際出願番号】PCT/US2003/033950
【国際公開番号】WO2005/049037
【国際公開日】平成17年6月2日(2005.6.2)
【出願人】(391026058)ザ・コカ−コーラ・カンパニー (238)
【氏名又は名称原語表記】THE COCA−COLA COMPANY
【Fターム(参考)】