説明

飲料タンク用抜き弁並びにこのタイプの抜き弁が設けられた飲料タンク

本発明は飲料タンク用抜き弁に関する。抜き弁は、その中に入口から出口まで延在するチャネルを備える管状体、ステム及びヘッドを備えるプランジャ部材であって、ヘッドが入口の方向に向けて配置され、ステムがヘッドからチャネルを通って出口に伸長するプランジャ部材、及びばね部材を備える。通過方向から見ると、チャネルが内側の狭窄部で第1の内側断面から第2の内側断面へと細くなり、狭窄部がヘッドの下側用の出口端に面する座部を形成する。ばね部材は、一方で管状体を、及び、他方でプランジャを偏倚させるように作用してヘッドの下側を座部に押し付ける。座部及びヘッドの下側は、ばね部材の偏倚の影響を受けて互いに接触するように位置付けられた場合にチャネルの封口部を形成するように形成される。本発明はさらにこのタイプの抜き弁が設けられた飲料タンクに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は飲料タンク用抜き弁に関する。
【背景技術】
【0002】
コーヒーや茶など温かい飲み物又はレモネードやフルーツジュース等の冷たい飲み物を一時的に貯蔵し、それをビーカー、マグ、又はカップに小出しに供給するのに使用される飲料タンクは従来技術で一般に知られている。飲料を温かく、又は冷たく保つために、こうした容器は断熱される。断熱は、通常、コルク、ポリスチレンフォームなど断熱材の層によって、又は壁の間の空間が真空状態の二重壁によって行なわれる。容器に飲料を充填できるようにするため、通常、前記容器の上側に開口が設けられる。前記開口を蓋で閉鎖することができ、蓋は、閉鎖状態で蓋の位置の断熱が十分に一様であるように構成される。タンク内に存在する飲料を注ぐには、タンクに充填したときと同じ開口から外に飲料が流れるまで前記タンクを傾けることができる。比較的大きい飲料タンクの場合、このように傾けて注ぐのは実際的ではない。このタイプのタンクではポンプ機構が設けられることが多く、それによって飲料をタンクの外にポンプでくみ出すことができる。前記ポンプ機構は、充填用開口部を閉鎖する蓋に少なくとも部分的に収容されることが多い。このタイプのポンプ機構の多くの例が従来技術に見られる。他の可能性は、タンクの下側に第2の開口を形成し、その開口から飲料をタンクの外に流すことができるようにすることである。次いで前記開口に抜き弁を設け、その抜き弁で飲料の流出量を調整できるようにする。タンクの下側に抜き弁を備えるこのタイプのシステムは、比較的大きいタンクに特に適している。この例には、2リットル以上のタンク、具体的には5〜10リットルのタンクが含まれる。このタイプの抜き弁の例には、例えばタンクの下側に連結された抜きチャネルが含まれ、その場合はボール弁が設けられる。
【0003】
飲料タンク用の従来技術で知られた抜き弁はこのタイプに特有の様々な欠点を有する。
【発明の開示】
【0004】
[発明が解決しようとする課題]
[課題を解決するための手段]
一般に、本発明は飲料タンク用抜き弁を提供する。この抜き弁は、
・入口端から出口端まで延在するチャネルを中に備える管状体、
・ステム及びヘッドを備えるプランジャであって、ヘッドが入口端の方向に向けて配置され、ステムがヘッドからチャネルを通って出口端の方向に伸長するプランジャ、及び
・ばね部材を備え、
通過方向から見ると、チャネルは内側の狭窄部で第1の内側断面から第2の内側断面へと細くなり、
内側の狭窄部はヘッドの、出口端に対向する下側用の座部を形成し、
プランジャは、ヘッドの下側が座部上で担持される閉位置とヘッドの下側が座部の上方に離れて配置される開位置との間で前後に可動であり、
ばね部材は、プランジャを閉位置に偏倚させるために、一方で管本体を、及び、他方でプランジャを偏倚させるように作用し、
座部とヘッドの下側とが、ばね部材の偏倚の影響下で互いに接触するように位置付けられた場合にチャネルの封口部を形成するように形成される。
【0005】
本発明による抜き弁は、特に、閉鎖状態でチャネルの密閉がはるかに有効に行なわれる点で周知のボール弁にまさる利点を有する。すなわち、ばねが偏倚の影響によってプランジャのヘッドを座部に対して押し付ける。これは、コーヒーの場合によくあるように、座部に沈殿物が形成された場合でも起こる。本発明による抜き弁の他の利点は、弁が開放された場合、すなわちプランジャが座部から持ち上げられた場合に、液体流が全ての閉鎖面(すなわち弁が閉鎖されたときに密閉をもたらす面)に沿って流れる。従って、面上の汚れ及び沈殿物の粒子は弁が開放される度に洗い流される。衛生面に有益な自己洗浄効果が得られる。しかし、周知のボール弁では、例えば閉鎖面が液体流と接触しない。従ってボール弁の場合は、汚れが洗い流されない。ゆえにボール弁は漏れる傾向が高い。一方で抜き弁が閉鎖された場合に有効な密閉を確保し、他方で抜き弁が開放された場合に有効な液体の流れを確保するには、本発明によれば、第1の内側断面がチャネルの横方向から見るとヘッドよりも大きく、それによってヘッドが座部から持ち上げられた場合に、液体がヘッドの周囲を流れてチャネルを通ることができるようになると有利である。
【0006】
一般に、本発明の目的は飲料タンク用の改良型抜き弁を提供することである。
【0007】
第1の態様によれば、本発明の目的は、特に管状体内でのプランジャの組立てを含む取付けを簡単にすることである。
【0008】
この目的は、第1の態様によれば、請求項1により、ヘッドが座部の上方に配置されるまで、プランジャを出口端から管状体内に挿入することができるように、プランジャのヘッド及び/又は管状体を形成することによって達成される。これは、例えば管状体及び/又はプランジャのヘッドを、ゴム状材料など可撓性、コンプライアント、かつ弾性の材料から作成し、又は例えば、プランジャのヘッドを、例えば傘式に折りたたみ可能など、折りたたみ可能に構成することによって達成することができる。従って、とりわけ、管状体が飲料タンクに嵌め込まれた後にプランジャを嵌めることができる。
【0009】
分解するには、この点で、プランジャのヘッド及び管状体を、プランジャが管状体内においてヘッドが座部の上方にあるように配置された状態から、プランジャを管状体の外側下流方向に引いて、プランジャを取り外すことができるように形成すると有利である。従って、プランジャを取り外し、任意選択で新しいプランジャと交換し、又はプランジャを取り外して洗浄し、再配置することができる。
【0010】
第2の態様は第1の態様から独立して適用することができるが、第1の態様と組み合わせるとさらに有利である。第2の態様によれば、本発明の目的は、特にプランジャを操作が簡単になるように構成することによって、管状体の壁を通り、管状体によって画定されたチャネル内への挿入を不要にし、又は他の方法で、構成要素を通る液体流がプランジャの操作のためにチャネルと接触するのを回避することである。
【0011】
この目的は、第2の態様によれば、請求項4により、プランジャのステムが、ステムの下流端で管状体の下流部分と変位不可能にインターロックする管部分を担持する結果、かつ管状体が、一方の座部と、他方の管部分及び管状体間のインターロック部位との間に管ゾーンを備え、管ゾーンの壁が、一方の座部と、他方の管部分及び管状体間のインターロック部位との間の軸方向の距離が短縮された場合に、壁によって管ゾーンの軸方向の短縮が可能になるように形成される結果として達成される。次いで、管状体の下流部分を座部の方向に押し付けることによって、プランジャのヘッドを座部から持ち上げるようにプランジャを簡単に作動させることができる。
【0012】
一方で十分剛性なプランジャを獲得し、他方で、比較的細いチャネルの場合にプランジャのステムがチャネルを通る液体の流れを過度に妨げないようにするには、本発明によれば、ステムがステムの長さの少なくとも一部上に十字形断面を有すると有利である。このタイプの十字形断面の他の利点は、十字のリブの間の間隙により、弁が開放された場合に、十字のリブの間の前記間隙によってチャネルの液体の流れが常に可能なことである。
【0013】
チャネル内のプランジャの心合わせを向上させるため、本発明は、チャネルが座部の下流に案内ゾーンを形成し、案内ゾーンが、前記ゾーンがステムの十字形断面用の案内部を形成するような内側断面を有し、ステムがチャネルの長手方向に第2の内側断面及び案内ゾーンを通って変位可能であることを提供する。
【0014】
本発明の他の実施形態によれば、管状体が、管状体の壁を通って延びる通気路及び座部の下流のチャネルの口の開口部を含むと有利である。外部からの空気が前記通気路によって座部の下流の空間に流れることができる。従って、弁が閉鎖された場合に、空気がプランジャのヘッドの下の空間に入ることができる。それによって、液体の流れを止める可能性がある真空がこの空間内に生成されるのが防止される。タンクから外に出てチャネル内に流れ、プランジャのヘッドを通過した全ての液体が常に確実に抜き弁の外に流れることができるようにするには、本発明によれば、チャネル長手方向かつ下流方向から見ると、口と座部の間の距離が、管状体の第2の断面の直径(又は最小内径の)最大40%、好ましくは最大30%であると有利である。前記距離は、例えば径の約15%でもよい。第2の断面の径が20mmの場合、通気路の口は座部の15%、約3mm下に配置される。前記口と前記座部の間の距離を、実際には、径に関して%ではなく、mmで直接現すこともできる。従って本発明によれば、通気路の口が最大8mm、好ましくは最大5mm、座部の下流に配置されると有利である。通気路の口を、例えば3.5mm、座部の下流に配置することができる。
【0015】
本発明の他の実施形態によれば、プランジャのステムは、ステムの下流端で管状体の下流部分に実質的にインターロック式に収容される管部分を担持する。このタイプの管部分はステムから延びるアームによってステムに連結される。従って、チャネルを通り抜ける流れは、下流端で可能である一方、プランジャは下流端に常に正確に心合わせされたままである。管部分の管状体内のインターロック受け部も管部分と管状体の間を液体が通過するのを阻止する。
【0016】
この点で、本発明によれば、管部分が管状体の前記下流部分と変位不可能にインターロックすると有利である。従って、プランジャを簡単に嵌め込むことができ、いずれの場合もプランジャが管状体のチャネルを通って移動できないように阻止される。このタイプの変位不可能なインターロッキングを多様な方法で行なうことができる。例には、管部分と管状体の間の接着剤が含まれる。このタイプの接着剤には、飲料を含む食品の場合、相当数の要件がある。本発明によれば、管部分の力によって閉鎖された凹部が管状体の前記下流部分に形成されるように管部分及び管状体の下流部分を構成することによって、嵌合に関しては非常にシンプルな、使用に関しては非常に信頼性のある変位不可能なインターロッキングを行なうことができる。この場合、管状体の下流部分は特に、弾性的に変形可能なゴム状材料から形成される。それによって、組み立てが容易になり、実際に非常に信頼性の高い締結が行なわれる。追加又は別法として、管状体の前記下流部分がプランジャの管部分にクランプ固定されるように管状体の下流部分の周囲にクランプ部分を設けることによって、変位不可能なインターロッキングを確実に行なうこともできる。このタイプのクランプ部分は、例えば管状体全体の周囲に延びる弾性のばね座金などクランプリングでもよい。しかし、本発明によれば、前記クランプ部分は、非常に有効には、管状体の周囲で摺動されるU形状のくぼみを含む摺動部分でもよい。この場合、管状体はクランプ部分で完全に取り囲まれない。以下に記載するように、U形状の摺動部分も、U形状部分がクランプ固定されずに管上の突起上に解放状態に配置されても、組立に関して非常に有利である。
【0017】
この場合、管状体がクランプ部分と管部分の間で解放されるのを防止するには、本発明によれば、管部分がチャネルの内部とインターロックするための厚くした縁部を外側に備え、少なくとも1つのクランプ部分が使用され、前記厚くした縁部がクランプ部分の上流に配置されると有利である。
【0018】
本発明の他の実施形態では、ばね部材は、コイルばね、特に円筒形コイルばねであり、コイルばね及び管状体は互いに同心に配置され、コイルばねは管状体の外側に設けられる。従って、ばね部材はチャネルの完全に外側に保持され、前記部材はチャネルを通って流れる液体と接触することができない。従って、ばねによる液体の汚染が防止され、沈殿物がばねに付着するのも阻止され、又は汚れの粒子がばねに付着できない。
【0019】
このタイプのコイルばねの場合、本発明によれば、管状体が、座部の下流かつチャネルの通過方向に外側の狭窄部で第2の外側断面へと縮小する第1の外側断面を有し、第1の外側断面がコイルばねの外側断面よりも大きく、第2の外側断面がコイルばねの内側断面よりも小さく、コイルばねの一端が管状体に第1の外側断面の第2の外側断面への外側の狭窄部で作用し、コイルばねの他端がプランジャの下流端に作用すると有利である。従ってこれは、ばね部材がプランジャを閉鎖状態に偏倚させることができる簡単な方法で行なうことができる。
【0020】
管部分が管状体と変位不可能にインターロックする抜き弁の場合、好ましくは上記で論じた管状体の外側の狭窄部と併せて、本発明によれば、管状体が、一方の座部、具体的には外側の狭窄部と、他方の管部分及び管状体間のインターロック部位との間に管ゾーンを備え、管ゾーンの壁が、一方の座部と、他方の管部分及び管状体間のインターロックの部位との間の軸方向の距離が短縮された場合に、前記壁によって、例えばアコーディオン式に前記管ゾーンの軸方向の短縮が可能になるように形成されると有利である。従って確実にプランジャが管状体に固定され、管ゾーンの軸方向の短縮によってプランジャのヘッドを座部から持ち上げることができる。その場合、本発明によれば、管ゾーンが周方向のひだを有するように予め形成され、そのひだに沿って管状体の壁が外側に屈曲すると有利である。
【0021】
他の実施形態によれば、管部分が、出口に面する端部に、管状体の外側に配置された半径方向に突き出たフランジなど少なくとも1つの突起を備えると有利である。このタイプの突起は、プランジャの管状体内への挿入中に停止部として働き、プランジャが有効に機能するために管状体内に十分深く挿入されたかどうかを正確に知ることができるようにする。さらに、このタイプの突起は、プランジャが使用中に管状体内に不慮にさらに深く入るのを防ぐ。
【0022】
本発明によれば、コイルばねの他端が前述の突き出たフランジなど前記突起によってプランジャに作用する場合も有利である。コイルばねの他端は、この場合、クランプ部分と係合し、クランプ部分は突起を押し付け、それによってコイルばねがプランジャに作用するようにさせる。しかし、コイルばねの他端がクランプ部分と係合する場合、コイルばねは、突起したフランジではなく、より直接的にプランジャの管部分へのクランプ部分のクランプ固定によって、プランジャに作用することもできる。
【0023】
アセンブリをシンプルにするため、コイルばねの内径が管部分の最大外径よりも大きく、(C形状を含む)U形状の支持部分など管部分を収容することができる保持部分が設けられ、その保持部分上でコイルばねを担持することができ、管部分に少なくとも1つの支持部材が設けられて、保持部分をコイルばねの処理の影響下で支持部材上で担持することができると有利である。この場合、少なくとも1つの支持部材は管部分の外周に環状の溝を含むこともできるが、少なくとも1つの支持部材は突き出たフランジなど上述の突起でもよく、U形状支持部分を担持することができる。U形状部分は、例えば上述のクランプ部分でもよく、上記のように、この点でクランプ固定されなくてもよく、(突起など)少なくとも1つの支持部材上で完全に解放状態で配置されてもよい。組立の利点は、先ず管部分をばねに頼る必要なく管状体の下流端に締結し、次いでコイルばねがまだ配置されていない場合はコイルばねを管状体の周囲に配置し、次いでばねを幾分圧縮して偏倚力を得ることができ、U形状部分をばねと支持部材の間に配置し、その後ばねを解放することができることである。
【0024】
本発明による抜き弁を多数の方法で作動させることができる。例えば、カップの縁部をプランジャの下方端又はプランジャの下方端に形成されたリップに押し付けることによって、プランジャが幾分上方に押し上げられることが考えられる。操作をさらに簡単にするには、本発明による抜き弁はさらに作動部材を備える。作動部材は、
・把持部分、
・チャネルを通過する液体が妨げられずにアパーチャを通るように、管状体及びプランジャによって形成されるアセンブリの流出端を収容するためのアパーチャ、及び
・作動部材の旋回用の旋回中心線を画定するピン又はピンレセプタクルなど旋回軸手段を有し、
アパーチャ及び把持部分は作動部材の長手方向に互いに離れて配置され、
アパーチャ内に、押上げ部材が上方に移動すると管状体及びプランジャで形成されたアセンブリが下から押し上げられるように構成された少なくとも1つの押上げ部材が設けられ、
旋回中心線は、長手方向に対して横方向に延び、把持部分と少なくとも1つの押上げ部材の間に配置され、把持部分の旋回中心線を周る下方への旋回によって少なくとも1つの押上げ部材が上方に旋回される。
【0025】
把持部分を手で下方に押すことによって、プランジャが幾分持ち上げられ、それによって飲料が抜き弁を通って流れることができるようになる。
【0026】
組立てを含め、取付けをシンプルにするために、本発明によれば、ヘッドが座部の上方に配置されるまで、プランジャを出口端から管状体内に挿入することができるように、プランジャのヘッド及び/又は管状体が形成されると有利である。分解するには、この点で、プランジャのヘッド及び管状体を、プランジャが管状体内においてヘッドが座部の上方にあるように配置された状態から、プランジャを管状体の外側下流方向に引いて、プランジャを取り外すことができるように形成すると有利である。従って、プランジャを取り外し、任意選択で新しいプランジャと交換し、又はプランジャを取り外して洗浄し、再配置することができる。
【0027】
液体、すなわち飲料の抜き弁の外への安定した噴流を提供するには、本発明によれば、プランジャのステムがチャネルの出口端内に延び、プランジャの下流端が流れの方向に先細りになされると有利である。従って、プランジャの下流端は、液体の安定した噴流を生成するために使用される。こうするとその後の滴下も実質的に低減される。
【0028】
抜き弁の他の有利な実施形態によれば、液面計ガラスを連結するための管状体の壁を通る通路が設けられ、通路がチャネル内で座部の上流で開口する。従って、周知の液面計ガラスをタンクの実質的に最下点に連結することができる。
【0029】
飲料に含まれる可能性がある比較的大きい全ての固体粒子又は皮がチャネルに入るのを阻止するには、本発明によれば、管状体の入口にスクリーンが設けられると有利である。このタイプのスクリーンは、有利には、入口端から流れの方向に対して斜めに延びる半径方向のアームによって形成される。この場合、半径方向のアームはいわば直立円錐体を形成し、その頂部を除去しても、除去しなくてもよい。このタイプの半径方向のアームは、流れの方向に対して斜め逆に配置され、障害になる汚物の粒子によって入口が詰まるのが防止される。アームは有利には管状体と一体型ユニットとして形成される。
【0030】
管状体は、例えば、プラスティック材料から作成される成形品として生産することができる。
【0031】
本発明による管状体は、特に天然ゴム又は人工ゴムなどゴム状材料から作製される。ゴム状材料は、座部に良好な密閉効果をもたらし、管状チャネルの軸方向の短縮を可能にする十分な可撓性を容易に固有に有し、プランジャのヘッドを嵌合又は除去するために第2の断面を通るように押し込むことができるようにする十分な可撓性を簡単に提供することができる利点を有する。
【0032】
この点で、本発明によれば、管状体の外側に流れの方向で見て座部の上流にタンクのベース内に形成された通路の縁部を収容するためのくびれた環状ゾーンが設けられる場合も有利である。このタイプのゴム状材料は、タンクのベース内の通路内に簡単に挿入することができ、くびれた環状ゾーンが前記縁部を収容する。ゴム状材料の弾性効果によって、この点で、くびれた環状ゾーンとタンクのベースの通路の縁部の間に有効な密閉が行なわれる。
【0033】
他の態様によれば、本発明は、本発明による抜き弁が設けられた飲料タンクに関する。
【0034】
本発明は、これに関して、特にコーヒー、茶、又はチョコレート飲料など温かい飲料用の飲料タンクも包含し、この飲料タンクには本発明による抜き弁が設けられる。
【0035】
本発明は、これに関して、レモネード、果汁など冷たい飲料用の飲料タンクも包含し、この飲料タンクには本発明による抜き弁が設けられる。
【0036】
本発明による飲料タンクは有利には断熱され、特に真空断熱される。
【0037】
本発明による飲料タンクには、本発明による抜き弁が、特にタンクのベースに設けられる。
【0038】
本発明を図面で示した例示の実施形態を参照して以下でより詳細に説明する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0039】
図1は、カップ、マグなどを配置するための配置領域41、及びその上方のコーヒーなど飲料用の真空断熱されたタンク2を備える飲料ディスペンサ40を概略的に示す図である。充填用蓋42が上側に設けられる。タンク2に充填するために蓋42のねじを外し、その後に再びねじを締めることができる。
【0040】
下部に作動部材の把持部分25を有する従来技術で周知の液面計ガラス32が前部に見える場合がある。本発明による抜き弁はタンク2の下側に嵌合されており、前記作動部材を使用して作動させることができる。前記抜き弁は、図2、3、及び4により詳細に示されている。
【0041】
これに関し、図2は断面図、図3は分解図、図4は図3の矢印IV−IVで示した線に沿って切り取られた断面図であり、抜き弁自体は省略されている。
【0042】
抜き弁は、その最も重要な構成要素として、管状体3、プランジャ7、及びばね部材10を備える。
【0043】
管状体3はその中に、タンク2の内部に面する入口端4から出口端5まで延在するチャネル6を有する。
【0044】
プランジャはステム8及びヘッド9を有し、この場合は特にその形態がきのこ形状である。ヘッド9は入口端に向けて方向付けられ、ステム8はヘッド9からチャネル6を通って出口端5の方向に伸長する。
【0045】
管状体3内のチャネル6は内側の狭窄部11を有し、その位置で第1の内側断面Dから第2の内側断面Dへと縮小が生じる。内側の狭窄部11はこの点でプランジャ7のヘッド9の出口端5に面する下側13用の座部12を形成する。
【0046】
ばね部材10は、図2で示した抜き弁の閉鎖状態で偏倚される。ばね10は、一方で管状体3上に作用する。ばね10は、下側で、管状体3の外側の狭窄部19に接触するように設置される。ばね10は他方でプランジャ7に作用する。この作用は中間構成要素17によって、プランジャのステム8によって担持される管部分16上の半径方向のフランジ23によって行なわれる。従ってばね部材10は、確実にヘッド9の下側13が座部12上に押し付けられて、チャネルの封口部が形成されるようにする。プランジャ7を上方に幾分移動させると、ヘッド9が座部12から自由になり、液体がヘッド9に沿って流れ、第2の内側断面Dを通過して抜き弁の出口に流れることができるようになる。
【0047】
図で示し以下に詳細に論じるものとは異なり、プランジャ7は管状体3によって担持され、又は案内されなくてもよい。プランジャ7を作動部材24上で容易に担持し、作動部材24で案内することができる。プランジャ7を飲料ディスペンサ40のフレームの他の構成要素上で支持し案内することも全く可能である。
【0048】
抜き弁が開放された場合に、飲料が確実にプランジャのヘッドに沿って容易に通ることができるようにするため、図2で見ることができるように、内側断面Dはヘッド9の断面よりも大きい。従って液体は、ヘッド9が座部12から持ち上げられた場合に、ヘッド9の周囲を容易に通過することができる。
【0049】
プランジャのステム8は、半径方向に突き出たウェブ44が存在するような断面の十字形である。十字形の断面は、液体の通路を過度に縮小せずに、ステムの頑丈さを向上させる。ステムの頑丈さは、プランジャの嵌合及び除去中にステムに加わる力に対抗するために重要である。この実施形態には適用されていないが、本発明は、チャネルが座部の下流で少なくとも局所的に例えば径Dを有する部分でステムの案内部を形成するような寸法を有するチャネル及びステムの十字形断面も提供する。その場合、ステムは径Dを有する前記部分に遊びなしで、又はほぼ遊びなしで嵌合されることが好ましい。
【0050】
図2は通気路14も示している。前記通気路14は、管状体3の壁21を通って伸長し、チャネル6内の口15を有する。前記口15は、座部12の下流のヘッド9のすぐ下に配置される。通気路14と座部12の間の距離は約3mmであることを示唆する。それによって、抜き弁が閉鎖状態の場合に、チャネル6のヘッド9の下流の部分で真空効果の影響によって液体の流れが止められないようにする。
【0051】
プランジャ7のステム8はその下流端で半径方向のウェブによって管部分16を担持する。前記管部分16は管状体3の出口端に実質的にインターロック式に嵌合する。管部分16は管状体3の下流部分に変位不可能に収容される。これは、管部分16が管状体内にしっかり嵌合されるように管状体3の先端及び管部分16を構成することによって行なうことができる。確実に相互密閉され、管部分16がばね10によって管状体の外に不慮に押し出されないように、十分しっかり相互にクランプ固定しなければならない。所望の場合は、管状体の管部分へのクランプ固定も行なわれ、又はこの場合クランプ部分として示されているU形状部分17によって追加の助けとすることもできる。クランプ部分17はU形状のくぼみを有し、それによって管部分16が管状体3内に挿入された後に管状体3の下流部分上で横方向に摺動することができる。管部分16の管状体3の下流部分のつかみ及び締結を向上させるため、管部分16のU形状部分17のすぐ上に厚くした縁部18が設けられる。この縁部18はクランプ部分として機能してもしなくてもよい。明らかなように、管状体3の下流部分の管部分16への相互締結を異なる方法で行なうこともできる。
【0052】
管部分16に、図で示した半径方向に突き出た円周フランジ23など少なくとも1つの半径方向の突起を設けることもできる。前記突起23は、互いに実質的に独立し、同時に提供/使用しなくてもよい幾つかの機能を有する。管部分16の管状体3内への挿入中に、突起23は停止部を提供する働きをし、組立て中に管部分が管状体3内に十分深く挿入されたかどうかを確かめることができるようにする。突起23はさらに、厚くした縁部18と共にU形状部分17を軸方向に取り囲むものである。突起23はU形状部分17の支持面も形成し、それによってばね部材10の偏倚力をプランジャ7に伝達することができる。
【0053】
この実施形態では、U形状部分はクランプ部分ほど重要ではない。U形状部分はクランプ機能を全く持たなくてもよい。U形状部分は、抜き栓を組み立てる際に特に有用である。U形状部分によって、管部分16を先ず管状体に締結してから、ばね10を引張又は嵌合することができるようになる。ばね10の径は、管部分16及びフランジ23の径よりも幾分大きく、ばねがその上で摺動することができる。次いでばねを圧縮し、U形状部分を位置付ける。U形状部分に、ばねを心合わせするための中央の厚い部分及びフランジ23上で心合わせするための中央のくぼみが設けられる。U形状部分17を、管状体3にクランプ係合させずに、フランジ23上に完全に緩めた状態で配置することができる。次いでばねの全力がフランジ23によって管部分16に伝達される。
【0054】
管状体3は管ゾーン20を有する。管ゾーン20の壁は、前記管ゾーンが軸方向に圧縮された場合に前記管ゾーン20の軸方向の短縮が可能になるように形成される。軸方向の短縮可能な前記管ゾーン20は、一方の座部12と、もう一方の管部分16が管状体3とインターロックされる位置との間に配置される。従って、これは、抜き弁を単一ユニットとしてタンク2に嵌合することができ、又はタンクから取り外すことができることによって行なわれる。プランジャ7は管状体3自体によって担持されるため、プランジャ7を飲料ディスペンサのフレームの他の構成要素で担持する必要がない。プランジャのヘッドの座部12に対する移動は、軸方向に短縮が可能な管ゾーンによって可能になる。
【0055】
軸方向に短縮可能な管ゾーンは、多数の方法で作製することができる。前記管ゾーンが薄い壁のゴム状材料から作製することができ、又は適切な場合は管状体3全体をゴム状材料から作成することができ、前記軸方向の短縮を独自に行なうことができる。軸方向に短縮可能な管ゾーンを周方向のひだ22を有するように予め形成し、それに沿って管状体3の壁が前記ゾーンで外側に屈曲するようにした場合、軸方向の短縮をより有効に制御された方法で行なうことができる。管状体3の下端に締結されたプランジャが(これに関してフランジ23を管状体3の出口端用の停止部として使用することができる)確実に管状体内に十分深く挿入されることによって、弁の閉鎖状態でも、ひだを維持することができるようになる。結局、プランジャのヘッドは座部12上に担持され、従って、ばね部材10がプランジャを下方に過度に深く押し込むのを阻止し、それによって短縮可能な管ゾーンの壁が伸張される。
【0056】
軸方向に短縮可能な管ゾーンを、とりわけ、アコーディオン式に構成することもできる。
【0057】
ばね部材自体を多数の方法で構成することができる。しかし本発明によれば、単純な円筒形コイルばねをこの目的で使用すると有利である。管状体3の座部12の下流に第1の外側断面Dから第2の外側断面Dへの外部の狭窄部を設けることによって、簡単な方法で円筒形コイルばねを設置するのに適した部位が作成される。円筒形コイルばね10の下側をU形状部分17上で担持することができ、U形状部分17が存在しない場合は、フランジ23又はこの目的でプランジャ7上に設けられた他の突起上で担持することができる。図で示した実施形態では、コイルばねはチャネルの完全に外部に配置される。これはシステムの衛生及び清浄に有益である。図で示した実施形態では、抜き栓を通って流れる液体は管状体3及びプランジャ7にしか接触しない。
【0058】
本発明による抜き弁は、それ自体、開放プロセスの多数の方法で作動させることができる。これは、特別の作動部材を全く用意せずに行なうことができる。充填すべきカップの縁部を使用して、例えばフランジ23に接触するカップの縁部又は管部分16の下縁を位置付けることによって、プランジャを単に持ち上げることができるだけでよい。しかし、作動を非常に簡単にする目的で、別個の作動部材を設けることが好ましい。
【0059】
図で示した実施形態では、図3の斜視図で別個に示した作動部材は、一端に把持部分25を有し、把持部分25から長手方向に離れたところに管状体3及びプランジャ7によって形成されるアセンブリの流出端を受け止めるためのアパーチャ26を有する実質的に板状本体からなる。前記アパーチャ26は、チャネル6を通過する液体の流れが前記アパーチャ26によって妨げられないように、すなわち液体の流れが前記アパーチャ26を自由に通過することができるように構成される。アパーチャには2つの対向する押し上げ部材29が設けられる。前記押し上げ部材29は、組み立てた状態で、プランジャのフランジ23の下側に接触するように配置される。作動部材24にはさらに、共通の旋回中心線28と同一線上に配置された2つのピン27が設けられる。前記旋回中心線28に対して横方向に延びる長手方向である作動部材の長手方向Lから見ると、ピン27は、一方の押し上げ部材29とプランジャの間の接触面と他方の把持部分25との間に配置される。従って、把持部分25が旋回中心線28の周りで下方に旋回すると、押し上げ部材29の接触面が上方に旋回されて、プランジャ7が上方に押し上げられ、プランジャ7のヘッド9が座部12から解放される。ピン27を押し上げ部材29の接触面ではなく、把持部分25から取り外すこともできることに留意されたい。その場合、把持部分25を上方に旋回して、押し上げ部材29を上方に移動させ、ヘッド9を座部12から持ち上げなければならない。これは、操作を容易にする観点からあまり好ましくない。
【0060】
図3及び4を参照すると、飲料ディスペンサのフレームにピン27を配置するための2点39が設けられているのを見ることができる。前記配置点39は実質的に把持部分25の方向に開放された溝である。従って、作動部材24を溝39内に摺動することによって、簡単な方法で作動部材を嵌めることができる。ピン27が前記溝39から外れるのを阻止するために、2本の脚64を備えるさらなる保持部材43が追加で設けられる。脚64にはばねが設けられても設けられなくてもよく、やはりピン27を定位置に保持するために溝39内に挿入される。
【0061】
図2及び3を参照すると、管状体3に座部12の上流に開口した通路31が設けられているのを見ることもできる。周知の液面計ガラス32用の弁ボス(valve boss)を前記通路31内に挿入することができる。
【0062】
具体的には図2及び3に戻ると、管状体3の入口4に半径方向に斜めに突き出たフィンガ34の形態のスクリーン33が設けられているのを見ることもできる。前記フィンガは汚れ又は皮の比較的大きい粒子が抜き弁に入ることができないようにする。アーム34が斜めに突き上がることによって、このタイプの汚れの比較的大きい粒子がアーム34を概ね横方向に塞ぐのが阻止され、上方から通過されるスクリーン33の能力をより長い間保つことができるようになる。
【0063】
プランジャのヘッド9をきのこ形状に構成することにより、管状体をゴム状材料から作成することと併せて、プランジャ7を管状体3内に出口端から流れの方向(矢印F)に反対の方向に挿入することができるようになる。ヘッド9のきのこ形状によって、ヘッド9がヘッド9よりも小さい通路Dを通過することができるようになる。前記きのこ形状により、管状体3を流れの方向(矢印F)に下流に引っ張ることによって、プランジャを管状体3から取り外すこともできるようになる。こうした態様は、本発明による抜き弁を洗浄する場合に有用であり、例えばプランジャの交換など他の形の保守にも有用である。
【0064】
具体的には図2で見ることができるように、管状体3の入口4の付近にくびれゾーン35が設けられ、縁部36がタンク2の通路38及びベース37の周囲に受けられる。管状体3をゴム状材料から作成することによって、簡単な方法で、かつ他の手段なしで、抜き弁及びタンクのベースの有効な密閉が行なわれる。管状体3をベースから取り外し、必要に応じて抜き弁全体を交換するため管状体3を再配置することもできる。
【0065】
管状体及びプランジャとは別に、抜き弁の他の部分が飲料手段と接触しないため、衛生などに関連する問題がこの2つの部分に限定される。ばね及び保持部分(17)以外の残りの部分では、材料及び形状の選択を単に機能によって決定することができ、食物の安全性に関する形状及び材料の規制を無視することができる。
【0066】
さらに、前記抜き弁は実際に飲料タンクの壁に取り付けられ、独立型ユニットとして飲料タンクから分離していないため、一般にコーヒー容器の構造をかなり複雑にする供給又は排出パイプが不要である。それによって、嵌合及び取外しが簡単であり、ユニットの保守も簡単である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明による抜き弁が設けられた本発明による飲料タンクを示す斜視図である。
【図2】図1の詳細図として本発明による抜き弁を示す断面図である。
【図3】本発明による抜き弁を示す分解図である。
【図4】図1、2、及び3で示した抜き弁の作動部材の懸架の幾つかの詳細を示す詳細断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料タンク(2)用抜き弁(1)であって、
・入口端(4)から出口端(5)まで延在するチャネル(6)を中に備える管状体(3)と、
・ステム(8)及びヘッド(9)を備えるプランジャ(7)であって、前記ヘッド(9)が前記入口端(4)の方向に向けて配置され、前記ステム(8)が前記ヘッド(9)から前記チャネル(6)を通って前記出口端(5)の方向に伸長するプランジャ(7)と、
・ばね部材(10)とを備え、
通過方向から見ると、前記チャネル(6)が内側の狭窄部(11)で第1の内側断面(D)から第2の内側断面(D)へと細くなり、
前記内側の狭窄部(11)が、前記ヘッド(9)の、前記出口端(5)に対向する下側(13)用の座部(12)を形成し、
前記プランジャ(7)が、前記ヘッド(9)の前記下側が前記座部(12)上で担持される閉位置と、前記ヘッド(9)の前記下側(13)が前記座部(12)の上方に離れて配置される開位置との間で前後に可動であり、
前記ばね部材(10)が、一方で前記管状体(3)を、及び、他方で前記プランジャ(7)を偏倚させるように作用して、前記プランジャ(7)を前記閉位置に偏倚させ、
前記座部(12)と前記ヘッド(9)の前記下側(13)とが、前記ばね部材(10)の偏倚の影響を受けて互いに接触するように位置付けられた場合に、前記チャネル(6)の封口部を形成するように形成され、
前記プランジャ(7)の前記ヘッド(9)及び/又は前記管状体(3)が、前記ヘッド(9)が前記座部(12)の上方に配置されるまで、前記プランジャ(7)を前記出口端(5)から前記管状体(3)内に挿入することができるように形成される、抜き弁(1)。
【請求項2】
プランジャ(7)のヘッド(9)及び/又は管状体(3)が、前記プランジャ(7)を取り外すために、前記プランジャ(7)が前記管状体(3)内において前記ヘッド(9)が座部(12)の上方にあるように配置された状態から、前記プランジャ(7)を前記管状体(3)の外側下流方向に引くことができるように形成される、請求項1に記載の抜き弁(1)。
【請求項3】
プランジャ(7)のステム(8)が、前記ステム(8)の下流端で管状体の下流部分と変位不可能にインターロックする管部分(16)を担持し、
前記管状体(3)が、一方の座部(12)、特に外側の狭窄部(19)と、他方の前記管部分(16)及び前記管状体(3)間のインターロック部位との間に管ゾーン(20)を備え、前記管ゾーン(20)の壁(21)が、一方の前記座部(12)と、他方の前記管部分(16)及び前記管状体(3)間のインターロックの部位との間の軸方向の距離が短縮された場合に、前記壁によって前記管ゾーン(20)の軸方向の短縮が可能になるように形成される、請求項1又は2のいずれかに記載の抜き弁。
【請求項4】
飲料タンク(2)用抜き弁(1)であって、
・入口端(4)から出口端(5)まで延在するチャネル(6)を中に備える管状体(3)と、
・ステム(8)及びヘッド(9)を備えるプランジャ(7)であって、前記ヘッド(9)が前記入口端(4)の方向に向けて配置され、前記ステム(8)が前記ヘッド(9)から前記チャネル(6)を通って前記出口端(5)の方向に伸長するプランジャ(7)と、
・ばね部材(10)とを備え、
通過方向から見ると、前記チャネル(6)が内側の狭窄部(11)で第1の内側断面(D)から第2の内側断面(D)へと細くなり、
前記内側の狭窄部(11)が、前記ヘッド(9)の、前記出口端(5)に対向する下側(13)用の座部(12)を形成し、
前記プランジャ(7)が、前記ヘッド(9)の前記下側が前記座部(12)上で担持される閉位置と、前記ヘッド(9)の前記下側(13)が前記座部(12)の上方に離れて配置される開位置との間で前後に可動であり、
前記ばね部材(10)が、一方で前記管状体(3)を、及び、他方で前記プランジャ(7)を偏倚させるように作用して、前記プランジャ(7)を前記閉位置に偏倚させ、
前記座部(12)と前記ヘッド(9)の前記下側(13)とが、前記ばね部材(10)の偏倚の影響を受けて互いに接触するように位置付けられた場合に、前記チャネル(6)の封口部を形成するように形成され、
前記プランジャ(7)の前記ステム(8)が、前記ステム(8)の下流端で前記管状体の下流部分と変位不可能にインターロックする管部分(16)を担持し、
前記管状体(3)が、一方の座部(12)、特に外側の狭窄部(19)と、他方の前記管部分(16)及び前記管状体(3)間のインターロック部位との間に管ゾーン(20)を備え、前記管ゾーン(20)の壁(21)が、一方の前記座部(12)と、他方の前記管部分(16)及び前記管状体(3)間のインターロックの部位との間の軸方向の距離が短縮された場合に、前記壁によって前記管ゾーン(20)の軸方向の短縮が可能になるように形成される、抜き弁(1)。
【請求項5】
管ゾーン(20)がアコーディオン式に形成される、請求項3又は4に記載の抜き弁。
【請求項6】
前記管ゾーン(20)が周方向のひだ(22)を有するように予め形成され、前記周方向のひだ(22)に沿って管状体(3)の壁が外側に屈曲する、請求項3〜5のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項7】
ばね部材がコイルばね(10)、特に円筒形のコイルばね(10)であり、
前記コイルばね(10)と管状体(3)が互いに同心状に伸長し、
前記コイルばね(10)が前記管状体(3)の外側に設けられる、請求項1〜6のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項8】
管状体(3)が、座部(12)の下流かつチャネル(6)の進行方向に、外側の狭窄部(19)で第2の外側断面(D)へと細くなる第1の外側断面(D)を有し、
前記第1の外側断面(D)がコイルばね(10)の外側断面よりも大きく、前記第2の外側断面(D)が前記コイルばねの内側断面よりも小さく、
前記コイルばね(10)の一端が前記管状体(3)に前記外側の狭窄部(19)で作用し、
前記コイルばね(10)の他端が前記プランジャ(7)の下流端に作用する、請求項7に記載の抜き弁(1)。
【請求項9】
管部分(16)が、出口側端に、半径方向に突出するフランジ(23)等の少なくとも1つの突起(23)を備え、前記突起が管状体(3)の外側に配置される、請求項1〜8のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項10】
コイルばね(10)の他端が前記突起(23)によってプランジャ(7)に作用する、請求項9に記載の抜き弁(1)。
【請求項11】
コイルばね(10)の内径が管部分(16)の最大外径よりも大きく、前記管部分(16)を収容できる保持部材(17)が設けられ、前記保持部材(17)上でコイルばね(10)の他端を担持することができ、前記管部分(16)に少なくとも1つの支持部材(23)が設けられ、前記支持部材(23)上で前記保持部材(23)を前記コイルばね(10)の処理の影響下で担持することができる、請求項1〜10のいずれかに記載の抜き弁。
【請求項12】
プランジャ(7)のステム(8)が、前記プランジャ(7)の下流端で管状体(3)の下流部分に実質的にインターロック式に収容される管部分(16)を担持する、請求項1〜11のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項13】
管部分(10)及び管状体(3)の下流部分が、前記管部分(16)内の力によって閉鎖される凹部を前記管状体(3)の前記下流部分に形成することができるように構成される、請求項1〜12のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項14】
管状体の下流部分が弾性的に変形可能なゴム状材料で形成される、請求項10に記載の抜き弁(1)
【請求項15】
管状体(3)の下流部分がプランジャ(7)の管部分(16)にクランプ固定されるように、前記管状体(3)の前記下流部分の周囲に設けられたクランプ部分(17)をさらに備える請求項1〜14のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項16】
管部分(16)がチャネル(6)の内部とインターロックするための厚くした縁部(18)を外側に備える、請求項1〜15のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項17】
プランジャ(7)のヘッド(9)及び管状体(3)が、前記ヘッド(9)が座部(12)の上方に配置されるまで、前記プランジャ(7)を出口端(5)から前記管状体(3)内に挿入することができるように形成される、請求項1〜16のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項18】
プランジャ(7)のヘッド(9)及び管状体(3)が、前記プランジャ(7)を取り外すために、前記プランジャ(7)が前記管状体(3)内において前記ヘッド(9)が座部(12)の上方にあるように配置された状態から、前記プランジャ(7)を前記管状体(3)の外側下流方向に引くことができるように形成される、請求項17に記載の抜き弁(1)。
【請求項19】
第1の内側断面(D)が、チャネル(6)の横方向から見ると、ヘッド(9)よりも大きく、座部(12)の前記ヘッド(9)が上昇した場合に、液体が前記ヘッド(9)の周囲を流れて前記チャネル(6)を通る、請求項1〜18のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項20】
ステム(8)が前記ステム(8)の長さの少なくとも一部上に十字形断面を有する、請求項1〜19のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項21】
チャネル(6)が座部(12)の下流に案内ゾーンを有し、前記案内ゾーンは前記ゾーンがステム(8)の十字形断面用の案内部を形成するような内側断面を有し、前記ステム(8)が前記チャネル(6)の長手方向に第2の内側断面(D)及び前記案内ゾーンを通って変位可能である、請求項20に記載の抜き弁(1)。
【請求項22】
管状体(3)が、前記管状体(3)の壁(21)を通って伸長する通気路(14)、及び、座部(12)の下流のチャネル(6)の口(15)の開口部を備える、請求項1〜21のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項23】
通気路(14)の口(15)が最大8mm、好ましくは最大5mm、例えば3.5mm、座部(12)の下流に配置される、請求項22に記載の抜き弁(1)。
【請求項24】
チャネル(6)の長手方向かつ下流方向から見ると、口が座部(12)から管状体の最小内径の最大40%、好ましくは最大30%、例えば約15%離れている、請求項22に記載の抜き弁(1)。
【請求項25】
請求項1〜24のいずれかに記載の抜き弁(1)であって、
・把持部分(25)と、
・チャネル(6)を通過する液体流が妨げられずにアパーチャ(26)を通るように、管状体(3)及びプランジャ(7)によって形成されるアセンブリの流出端を収容するアパーチャ(26)と、
・作動部材(24)の旋回用の旋回中心線(28)を画定するピン又はピンレセプタクル等の旋回軸手段(27)とを有する作動部材(24)をさらに備え、
前記アパーチャ(26)及び前記把持部分(25)が前記作動部材(24)の長手方向に互いに離れて配置され、
前記アパーチャ(26)内に、押上げ部材(29)が上方に移動した場合に前記管状体(3)及び前記プランジャ(7)によって形成されたアセンブリを下から押し上げるように構成された少なくとも1つの押上げ部材(29)が設けられ、
前記旋回中心線(28)が、前記長手方向に対して横方向に伸長し、前記把持部分(25)と前記少なくとも1つの押上げ部材(29)との間に配置され、前記把持部分(25)の前記旋回中心線(28)を周る下方への旋回によって前記少なくとも1つの押上げ部材(29)が上方に旋回するようになされる、抜き弁(1)。
【請求項26】
プランジャ(7)のステム(8)がチャネル(6)の出口端(5)内に伸長し、前記ステム(8)の下流端(30)が流れの方向に先細りになる、請求項1〜25のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項27】
液面計ガラス(32)を連結するための、管状体(3)の壁(21)を通る通路(31)が設けられ、前記通路(31)がチャネル(6)内で座部(12)の上流で開口する、請求項1〜26のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項28】
管状体(3)の入口端(4)にスクリーン(33)が設けられる、請求項1〜27のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項29】
スクリーン(33)が入口端(4)から、流れの方向に対して斜め逆に伸長する半径方向のアーム(34)によって形成される、請求項28に記載の抜き弁(1)。
【請求項30】
前記アーム(34)が管状体(3)との一体型ユニットとして形成される、請求項29に記載の抜き弁(1)。
【請求項31】
管状体(3)がゴム状材料から作製される、請求項1〜30のいずれかに記載の抜き弁(1)。
【請求項32】
管状体(3)の外側、かつ流れの方向から見て座部(12)の上流に、タンク(2)のベース(37)内に形成された通路(38)の縁部(36)を収容するくびれた環状ゾーン(35)が設けられる、請求項31に記載の抜き弁(1)。
【請求項33】
請求項1〜32のいずれかに記載の抜き弁(1)が設けられた飲料タンク(2)。
【請求項34】
飲料タンク(2)に請求項1〜32のいずれかに記載の抜き弁(1)が設けられた、コーヒー、茶、又はチョコレート飲料等の温かい飲料用の飲料タンク(2)。
【請求項35】
飲料タンク(2)に請求項1〜32のいずれかに記載の抜き弁(1)が設けられた、レモネード又はフルーツジュース等の冷たい飲料用の飲料タンク(2)。
【請求項36】
タンクが断熱、特に真空断熱される、請求項33〜35のいずれかに記載の飲料タンク(2)。
【請求項37】
抜き弁(1)がタンク(2)のベース(37)に設けられる、請求項33〜36のいずれかに記載の飲料タンク(2)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2009−515790(P2009−515790A)
【公表日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−541099(P2008−541099)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際出願番号】PCT/NL2006/050290
【国際公開番号】WO2007/058537
【国際公開日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【出願人】(508136973)ブラビロール ホールディング ビー.ブイ. (4)
【氏名又は名称原語表記】Bravilor Holding B.V.
【Fターム(参考)】