説明

飲料容器

【課題】飲料パッケージ内に収容した飲料の冷却保冷及び加温保温を良好に行う。
【解決手段】飲料を取り出す上部開口を有し内部に飲料を収容可能な容器本体部と、上部開口を閉塞する容器蓋体とを備えた飲料容器で、容器本体部の底面側から容器本体部の内部に突出するように形成されかつ冷温剤を収納可能な冷温剤収納部を備える。冷温剤収納部は、上端が閉塞され、容器本体部の底面部に開口して冷温剤を装填可能とする下部開口を下端に有する冷温剤収納室と、下部開口を閉塞する下部蓋体とを備える。ペットボトル、ガラス瓶及び缶等を構成できる。冷温剤収納部には、例えば氷や湯を入れる。下部開口に接続して冷温剤収納室を増設するアタッチメントを備えても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料容器に係り、特にペットボトルや金属缶などの容器内に収容した飲料を冷却(保冷)し又は加温(保温)することが出来る飲料容器構造に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、鉄道キヨスクなどの小売店、自動販売機等で様々な飲料商品が販売されている。例えば、果実飲料(ジュース)、乳清飲料、ミネラルウォーター、茶類(緑茶・紅茶・烏龍茶・麦茶など)等の清涼飲料、あるいはビール、発泡酒、ワイン、チューハイ、カクテル類、日本酒、焼酎、リキュール、ウイスキー等のアルコール飲料などである。
【0003】
一方、これら飲料商品を提供するための個装形態としては、ペットボトルに代表される樹脂製ボトル、スチール缶・アルミ缶などの金属缶容器、ガラスビン、紙パックなどの個装パッケージが使用されている。さらに、これら飲料商品は常温で提供されることもあるが、多くの場合、冷却されるか加温されるかのいずれかの状態で需要者に販売され飲用に供される。飲料を冷やし或いは温めることによって当該飲料の味・風味を増大させ、さらに清涼感や温感(温か味)を楽しむことが出来るからである。
【0004】
また、このような飲料商品を冷却し又は加温する手段を提案するものとして下記特許文献がある。
【特許文献1】特開2006‐52008号公報
【特許文献2】特開2002‐277132号公報
【特許文献3】特開2001‐208465号公報
【特許文献4】特開平8‐61819号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来の飲料パッケージはペットボトル・金属缶・ガラスビン・紙パックのいずれにあっても保冷保温性の点で十分とは言えず、飲んでいる最中にも冷やした飲料が温まり、あるいは温めた飲料が冷めてしまうことが少なくない。特に、冷たい飲み物が美味しく感じられる夏場は気温が高く、逆に、暖かい飲み物が喜ばれる冬場は気温が低いから、夏場冷やした飲料は容易に温まってしまい、冬場温めた飲料は直ぐに冷めてしまう。
【0006】
一方、冷やし又は温めた飲料を保冷保温する手段として、例えば断熱材を備えたバッグ(保冷バッグ・保温バッグ)が使用され、また上記特許文献のような各種の保温保冷機器が提案されている。
【0007】
ところが、これら従来の保冷保温バッグや上記特許文献2〜4記載の発明では、バッグや機器類(保温保冷器)を別途用意しなければならない煩わしさがあり利便性を欠く。他方、上記特許文献1の発明は、容器自体に保温保冷機構を付加するものであるから、飲料と別に用具類を準備する煩わしさはない。しかしながら、この特許文献1の容器構造は、外部との熱伝導を遮断するに留まるもので、容器自体で飲料を積極的に冷却加温することは出来ず、保冷保温効果の点でも十分なものとは言えない。
【0008】
したがって、本発明の目的は、飲料パッケージ内に収容した飲料の冷却・保冷および加温・保温をより一層良好に行うことが出来る新たな飲料容器構造を得る点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る第一の飲料容器は、飲料を取り出す上部開口を有し内部に飲料を収容可能な容器本体部と、上部開口を閉塞する容器蓋体とを備えた飲料容器であって、容器本体部の底面側から容器本体部の内部に突出するように形成されかつ冷温剤を収納可能な冷温剤収納部を備えたものである。
【0010】
本発明の第一の飲料容器では、飲料は上記容器本体部に収容される。この容器本体部は上部開口を備え、さらにこの上部開口を閉塞する蓋体(容器蓋体)を当該飲料容器は備えている。容器本体部から飲料を取り出すには、容器蓋体を開け、上部開口を通じてこれを行えば良い。
【0011】
なお、上記容器本体部、上部開口ならびに容器蓋体は、例えば従来から提供されている樹脂製ボトル(ペットボトル等)、飲料用ガラスビン、円筒形の飲料缶(アルミ缶、スチール缶その他の金属製の缶を含む。2ピース缶が望ましいが、3ピース缶やボトル形状の缶であっても構わない)、ペットボトルのように上端に径が細くなったネック部を有する飲料缶(いわゆるスタイニーボトル、あるいはペットボトル型の金属缶ボトル/アルミニウムその他の金属材料からなるもの)、飲料用の紙製容器(紙パック)と同様の外形形状および構造を有するものであって良い。これら既存の飲料容器と同様の外形形状とすることにより、現在存在する商品陳列棚や自動販売機をそのまま変更することなく利用することが出来る利点がある。
【0012】
一方、本発明の第一の飲料容器は、従来の飲料容器と異なり、容器本体部の底面側から容器本体部の内部に突出するように形成した冷温剤収納部を備えている。この冷温剤収納部は、冷温剤を収納するものである。
【0013】
ここで、「冷温剤」とは、常温より温度が低いか又は常温より温度が高い物質で、容器本体部に収納した飲料と間で熱交換を行うことが可能なものを云う。この冷温剤は特定のものに特に限定されず、飲料を冷却しあるいは加温することが可能な材料を広く含む。冷却に使用する冷温剤(以下、冷却剤ということがある)の一例を述べれば、例えば氷や保冷剤が挙げられる。また、氷の凝固点(融点)を下げることが可能な物質(例えば塩化ナトリウム等)を氷と共に使用しても良く、これによれば冷却効率を高めることが出来る。
【0014】
冷温剤として保冷剤を使用する場合には、例えば上記飲料容器を、冷温剤収納室の内部空間に略一致する形状を有する保冷剤本体部と、この保冷剤本体部の下部に配されかつ下部開口に係止可能な係止部とを有する保冷剤をさらに備えるものとすれば良い。また、圧縮ガスも本発明に云う冷温剤に含まれる。この場合、例えば、後に述べる本発明の第二の飲料容器のような構造を有するものとすれば良い。
【0015】
他方、加温に使用する冷温剤(以下、加温剤ということがある)の一例を述べれば、例えば湯が挙げられる。また、2以上の物質を混合させることにより発熱する各種の発熱物質を冷温剤(加温剤)として使用することも可能である。
【0016】
また本発明には、未だ冷やしてない(例えば常温以上の状態にある)飲料を冷やす操作である「冷却」と、既に冷やしてある(例えば常温より低い状態にある)飲料を冷却状態に維持する「保冷」との双方の概念が含まれる。同様に、未だ温めてない(例えば常温以下の状態にある)飲料を温める「加温」と、既に温めてある(例えば常温より高い状態にある)飲料を加温状態に維持する「保温」との双方の概念を本発明は含む。
【0017】
本発明の容器に収容する飲料の種類は、特に問わない。一例を挙げれば、果実飲料(ジュース)・ミネラルウォーター・茶類(緑茶・紅茶・烏龍茶・麦茶など)・乳清飲料等の清涼飲料、ビール・発泡酒・ワイン・チューハイ・カクテル類・日本酒・焼酎・リキュール・ウイスキー等のアルコール飲料、ヨーグルト・ゼリー・ゼリー状サプリメント等の流動状食品が含まれる。
【0018】
上記本発明の飲料容器では、上端が閉塞される一方、容器本体部の底面部に開口して冷温剤を装填することを可能とする下部開口を下端に有する冷温剤収納室と、下部開口を閉塞する下部蓋体または下部栓体とを冷温剤収納部が備えるようにしても良い。また、冷温剤収納室を容器本体部と一体成形することが出来る。このように冷温剤収納室と容器本体部とを一体成形すれば、簡便な操作で低コストに本発明の飲料容器を製造できる利点がある。
【0019】
上記冷温剤収納室は、上部開口に達しない範囲で容器本体部の2分の1以上の高さを有することが望ましい。容器本体部に収容した飲料の冷却または加温効率を高めるためである。さらに同様の理由から、冷温剤収納室の側壁に、容器本体部に収容された飲料との熱交換効率を高める凹凸を備えるようにしても良い。この凹凸の形状は、冷温剤収納室の表面積を増大させることが可能なものであれば特に問わず、例えば襞状(フィン状)または突起状その他の構造であっても構わない。
【0020】
下部蓋体は、下部開口と対向して当該下部開口を塞ぐ底板部を備え、この底板部が、可撓性を有すると共に、下方に膨らむように湾曲しており、当該底板部を冷温剤収納室内へ向け押圧することにより凹ませることが出来る一方、当該押圧力を取り除くことにより元位置に復帰可能である場合がある。
【0021】
このような下部蓋体を備えれば、下部蓋体の底板部を例えば指で繰り返し押圧することにより、冷温剤収納室内に収容した冷温剤を攪拌し、飲料の冷却または加温効率を向上させることが出来る。
【0022】
また下部蓋体が、前記下部開口を閉塞する一方で破断可能である閉塞シートと、この閉塞シートの下部に形成されかつ前記冷温剤収納室に装填される冷温剤への添加剤を収納可能な添加剤収納室とを備え、前記閉塞シートを破断することにより前記冷却剤収納室内に装填された冷温剤に対して前記添加剤を混合することを可能としたものであっても良い。
【0023】
このような容器構造によれば、冷却効率または加温効率を高める各種の添加剤を添加することで、冷温剤収納室に装填した冷温剤の温度を下降または上昇させ、容器本体部に収容した飲料をより一層低温または高温にすることが出来る。
【0024】
上記添加剤としては、例えば融点降下剤である塩化ナトリウムを使用することができ、これを冷温剤としての氷に対して加えれば、氷の融点を下げ、冷温剤収納室内の温度をより一層低下させて飲料を急速にまた低温度に冷やすことが可能となる。また、加温剤を使用する場合(飲料を温める場合)には、当該加温剤に加えて発熱する物質を上記添加剤として使用することが出来る。
【0025】
また、上記容器構造では、添加剤収納室を形成する底板部が可撓性を有し、この底板部を押圧して変形させることにより上記閉塞シートを破断可能とする場合がある。このような構造によれば、融点降下剤が錠剤または水溶性カプセルに装填されたものである場合には、当該融点降下剤自体が剛性を有するため、上記添加剤収納室の底板部を押圧すれば、融点降下剤によって閉塞シートを破ることができ、上記下部開口を通じて冷温剤収納室に融点降下剤を送り込むことが出来る。
【0026】
一方、融点降下剤が顆粒または粉末である場合には、閉塞シートを破断可能な剛性を有するトレイを添加剤収納室に配してこのトレイに融点降下剤を収納しておけば良い。このようなトレイを使用すれば、融点降下剤が顆粒状または粉末状であっても、同様に添加剤収納室の底板部を押圧し、当該トレイによって閉塞シートを破ることで融点降下剤を冷温剤収納室に送り込むことが出来る。
【0027】
さらに上記本発明の飲料容器では、容器本体部の上端部に、前記上部開口を備えかつ径が細くなったネック部を有し、このネック部に、容器本体部と相対回転可能に配した回転リングを備え、この回転リングを把持することにより当該飲料容器を回転自在に支持できるようにしても良い。このようなリングを設けるのは次の理由による。
【0028】
冷温剤収納室に収納した冷温剤は、容器本体部内の飲料と熱交換を行うが、時間経過と共に冷温剤収納室の壁面近くに(壁面に沿って)飲料と温度が近い冷温剤の層(いわゆる境界層)が出来てしまい、冷却(又は加温)効率が低下する。このような冷却(又は加温)効率の低下を防ぐには、冷温剤収納室内の冷温剤を攪拌する必要がある。この攪拌操作は、容器本体部内の飲料が発泡性を有するもの(例えば炭酸飲料やビールなど)でなければ、単純に容器を手で持って上下に振れば済む。しかしながら、飲料が発泡性を有する場合には、容器蓋体を開けた場合に飲料が噴き出すおそれがあるため容器を振ることは好ましくない。そこで、本発明では、上記のような回転リングを設け、このリングを例えば指でつまんで支持し、容器を回転させることで冷温剤を攪拌することを可能とした。これにより上記境界層が生じることを防ぎ、冷却(又は加温)効率の低下を防止することが出来る。
【0029】
上記回転リングは、容器蓋体より外径が大きく、容器蓋体の外周面より外方へ張り出したものとしても良い。回転リングを把持しやすくするためである。また、当該回転リングが容器蓋体を封止する封止リングを兼ねるようにしても良い。これによれば、当該飲料容器の部品点数を増やすことなく、回転リングを飲料容器に備えることが可能となる。なおこの場合には、当該回転リングの幅を既存の封止リングと比べて広くすることが、当該回転リングを掴みやすく点で好ましい。また上記回転リングは、例えば容器蓋体の下部位置に(容器蓋体に隣接してその下部位置に)配置すれば良い。
【0030】
本発明の第二の飲料容器は、飲料を取り出す上部開口を有し内部に飲料を収容可能な容器本体部と、前記上部開口を閉塞する容器蓋体とを備えた飲料容器であって、前記容器本体部の底面側から前記容器本体部の内部に突出するように形成されかつ冷却剤を収納可能な冷却剤収納部をさらに備え、当該冷却剤収納部は、前記容器本体部の底面部に下部開口を備えて当該下部開口から、圧縮ガスが充填されたガスボンベを格納可能なボンベ格納部と、このボンベ格納部の上部に配置されて上端が閉塞される一方、前記ボンベ収納部に格納されたガスボンベに連通可能なガス導入口を下端部に備え、かつこのガス導入口を通じて前記ガスボンベからのガスを内部に導入可能な冷却室とを備える。
【0031】
本発明の第二の飲料容器では、冷温剤(冷却剤)として圧縮ガスを使用する。圧縮ガスを充填したガスボンベは、容器本体部の底面部に設けた下部開口からボンベ格納部に装填される。このボンベ格納部の上部には冷却室を設けてあり、ボンベ格納部へガスボンベを装填すると、冷却室の下端部に設けたガス導入口を通じてガスボンベ内の圧縮ガスが冷却室に放出され、これにより冷却室が冷却されて容器本体部内の飲料と熱交換が行われ、容器本体部内の飲料が冷やされる。
【0032】
この第二の飲料容器でも、容器本体部に収容した飲料の冷却または加温効率を高めるため、前記第一の飲料容器と同様に、冷却室は上部開口に達しない範囲で容器本体部の2分の1以上の高さを有するものとすることが望ましい。また、容器本体部に収容された飲料との熱交換効率を高める凹凸を冷却室の側壁に備えても良い。
【0033】
容器本体部についても、前記第一の飲料容器と同様に、容器本体部、上部開口ならびに容器蓋体は、例えば従来から提供されている樹脂製ボトル(ペットボトル等)、飲料用ガラスビン、飲料用缶、飲料用の紙製容器(紙パック)と同様の外形形状および構造を有するものとすることが可能である。
【0034】
一方、本発明に係る飲料容器用アタッチメントは、飲料を取り出す上部開口を有し内部に飲料を収容可能な容器本体部と、前記上部開口を閉塞する容器蓋体と、冷温剤を内部に収納可能でかつ前記容器本体部の底面側から前記容器本体部の内部に突出するように形成されかつ上端が閉塞されかつ前記容器本体部の底面部に開口して前記冷温剤を装填することを可能とする下部開口を下端に有する冷温剤収納室とを備える飲料容器の、底面部に装着して前記冷温剤収納室を拡張する飲料容器用アタッチメントであって、前記飲料容器の底面部に係合して当該アタッチメントを前記飲料容器に支持可能とする係合手段と、内部に冷温剤を装填可能でかつ前記下部開口を通じて前記冷温剤収納室と連通する拡張室とを備えた。
【0035】
本発明の飲料容器用アタッチメントは、前記本発明に係る第一の飲料容器と同様の構造(容器本体部、容器蓋体および冷温剤収納室)を有する飲料容器に装着して、冷温剤収納室の容量を増大させるものである。
【0036】
冷温剤収納室は、容器本体部内に突出するように備えられるから、冷温剤収納室を大きくすればその分、容器本体部の容積は小さくなり、収納できる飲料の量は減ってしまう。一方、収容可能な飲料の量を増やすために冷温剤収納室を小さくすればその分、冷却(又は加温)能力は低下せざるを得ない。そこで、本発明では、冷温剤収納室を増設できるようにし、冷却(又は加温)能力を高めることを可能とした。
【0037】
具体的には、当該アタッチメントは上記係合手段によって飲料容器の底面部に支持され、飲料容器の冷温剤収納室と連通する拡張室を備えている。このアタッチメントは着脱自在に飲料容器に装着できるように上記係合手段を構成することが好ましい。このように着脱自在とすれば、例えば飲料の冷え又は加温が足りない場合に別のアタッチメントを付け替えることで、あるいはアタッチメントを外して冷温剤を交換することで、飲料をより低温(又は高温)に、あるいは長時間に亘って冷却(又は加温)することが可能となる。
【0038】
上記係合手段の具体的構成としては、例えば、飲料容器の下部開口部分に螺子を形成し、この螺子に螺合可能な螺子を当該アタッチメントに設ければ良い。また、螺子によらず、嵌合その他の係合構造であっても良い。
【0039】
また、当該アタッチメントは、上記拡張室内に装填される冷温剤へ添加する添加剤を収納可能な添加剤収納室をさらに備え、この添加剤収納室内に収納された添加剤を、前記拡張室内に装填された冷温剤に対して混合可能としても良い。この添加剤ないし添加剤収納室は、前記本発明の第一の飲料容器に備えた添加剤ないし添加剤収納室と同様のもので、アタッチメント内に拡張室から隔てられた空間(部屋/添加剤収納室)を形成し、この空間内に添加剤を収納可能とする一方、一定の操作によってこの空間と拡張室とを連通させ添加剤を拡張室内に投入可能としたものである。
【0040】
添加剤収納室の一構成例としては、当該アタッチメントの底面部に添加剤収納室を備え、この添加剤収納室が、拡張室から当該添加剤収納室を隔てる破断可能な閉塞シートを上面部に備える一方、可撓性(又は弾性)を有する底板部を当該アタッチメントの底面に備え、前記底板部を押圧して変形させることにより前記閉塞シートを破断可能とする。
【0041】
添加剤収納室には、例えば塩化ナトリウムを主成分とする融点降下剤を収納する。また当該融点降下剤は、例えば錠剤または水溶性カプセルに装填されたものである。あるいは、融点降下剤が顆粒または粉末であり、上記閉塞シートを破断可能な剛性を有するトレイを添加剤収納室に配し、このトレイに融点降下剤を収納しても良い。
【0042】
さらに上記トレイは、添加剤収納室の一端部において支持軸により回動自在に支持されており、前記底板部を押圧して変形させると当該支持軸を中心として回動し、これにより前記閉塞シートを破断するようにしても良い。このように支持軸でトレイを支持すれば、トレイが冷却室に投入されず、添加剤のみを冷却室に加えることが可能となる。
【0043】
また上記トレイの上面部に、前記支持軸が設けられたトレイの一端部側からトレイの略中心部に向け略水平に張り出すシート破断刃を備え、これにより前記支持軸を中心とした前記トレイの回動動作に伴い、シート破断刃が閉塞シートを破断するようにしても良い。このようなシート破断刃を設ければ、より容易に閉塞シートを破断させて添加剤を冷温剤に加えることが可能となる。このシート破断刃の好ましい態様としては、例えばトレイの中心部に向け先端が尖った略扇型の平面形状を有するものとする。なお、かかるシート破断刃は、トレイに固定されていても良いし、トレイの上面に配置されることとなる閉塞シートの下面に固定しておいても良い。
【0044】
さらに、上記拡張室の外周面に断熱材を備えることも出来る。このような構造によれば、拡張室内の冷温剤を保冷(又は保温)することができ、外部から熱が流入(又は外部へ熱が放散)して冷温剤が温まり(又は冷める)ことを防ぐことが出来る。また、収納した冷温剤によってアタッチメントが冷たく(又は熱く)なって手で持てないような事態が生じることを防ぐことが可能となる。
【0045】
また、本発明に係る別の飲料容器は、飲料を取り出す上部開口を有し内部に飲料を収容可能な容器本体部と、前記上部開口を閉塞する容器蓋体と、冷温剤を内部に収納可能でかつ前記容器本体部の底面側から前記容器本体部の内部に突出するように形成されかつ上端が閉塞されかつ前記容器本体部の底面部に開口して前記冷温剤を装填することを可能とする下部開口を下端に有する冷温剤収納室とを備える飲料容器と、上記本発明に係るいずれかの飲料容器用アタッチメントとを備えた。
【0046】
さらに本発明に係る容器入り飲料は、上記本発明に係るいずれかの飲料容器の容器本体部に飲料を収納したものである。なお、この飲料はその種類を特に限定されず、例えば前述した様々な飲料(果実飲料・ミネラルウォーター・茶類・乳清飲料等の清涼飲料、アルコール飲料、流動状食品その他)であって良い。
【発明の効果】
【0047】
本発明に係る飲料容器によれば、飲料パッケージ内に収容した飲料の冷却・保冷および加温・保温をより一層良好に行うことが出来る。
【0048】
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。尚、各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
〔第1実施形態(ペットボトル/下蓋)〕
図1から図4は、本発明の第一の実施形態に係るペットボトル(飲料容器)を示すものである。これらの図に示すようにこのペットボトルは、従来のペットボトルと同様にポリエチレンテレフタラート(polyethylene terephthalate)を主成分とする材料からなり上端に開口(飲み口)2を備えたボトル本体1と、飲み口2を閉塞するスクリューキャップ(ねじ込み蓋)3とを備えている。ボトル本体1には、従来のペットボトルと同様に各種の飲料を入れることが可能で、飲み口2はキャップ3により閉塞する。飲料の購入者は、従来と同様にキャップ3を開け、飲み口2を通じてボトル本体1内の飲料を飲むことが可能である。
【0050】
一方、本実施形態に係るペットボトルは、ボトル底面からボトル本体1の内部に突出する冷却室11を備える。この冷却室11は、ボトル底面の中心部から飲み口2に向け略垂直上方に起立する隔壁10をボトル本体1と一体成形することにより形成したもので、ボトルの内径より小さな略一定の外径を有する円筒状の全体形状を呈し、ボトル底面から飲み口2の下部近傍位置にまで達して上端が閉塞され、かつ下端がボトル底面に開口している。隔壁10は、ボトル本体1の底板4と連続しており(一体であり)、したがってボトル本体内部の飲料が冷却室11内に浸入したり、逆に冷却室11内の冷却剤がボトル本体1の内部に浸入することはない。
【0051】
上記冷却室11下端の下部開口12は、上記飲み口2を閉塞するスクリューキャップ(以下、上蓋と言う)3とは別のスクリューキャップ(以下、下蓋と言う)15を装着することにより閉塞する。この下蓋15の内面には、冷却室11内に入れる氷水が漏れることがないように、パッキン17を備えて水密構造とする。またこの下蓋15は樹脂により形成すると共に、その底板16を肉薄にかつ下方へ湾曲するような形状としてあり、これにより当該底板16を凹ませることが可能である。またこの凹ませた力を取り除くと底板16は元の下方へ膨らんだ状態に復帰する。なお、この下蓋15(後に述べる下栓25も同様)は、ボトルを立てるのを邪魔しないようにボトル底面より下方へ突出しないようにする。また、下蓋15の周囲には、当該下蓋15を回しやすいようにボトル底板4との間に隙間を形成する。
【0052】
冷却室11には、冷却剤として例えば氷(図示せず)を入れることができ、これによりボトル本体1の内部の飲料を冷却しまた保冷することが出来る。また、当該氷と共に塩(塩化ナトリウム)を入れても良く、このようにすれば冷却効率を高めることが出来る。さらに、上述したように下蓋15はその底板16を繰り返し凹ませることが可能であるから、冷却室11内に氷を入れ、これが融けて氷水となったときに、例えば指で下蓋15の底板16を繰り返し押圧することで冷却室11内の氷水を攪拌することができ、冷却効率をより一層高めることが出来る。
【0053】
本実施形態のペットボトルは、ボトルの全体形状としては既存のペットボトルと略同一の形状・寸法を有する。したがって、店頭での商品陳列や自動販売機への搬入において既存の陳列棚や自動販売機を何ら変更することなくそのまま利用することが可能である。また本実施形態のボトルは、ボトル本体1ならびに冷却室11を画成する隔壁10が共に透明(透光性を有する)であり、冷却室11自体ならびに冷却室11内の氷をボトル外部から見ることが出来る。
【0054】
〔第2実施形態(ペットボトル/下栓)〕
図5から図7は、本発明の第二の実施形態に係るペットボトルを示すものである。これらの図に示すようにこのペットボトルは、前記第一の実施形態に係るペットボトルと同様のボトル本体1と上蓋3とを備え、ボトル底面からボトル本体1の内部に突出する冷却室11を有するものであるが、冷却室11の下部開口12を閉塞する下蓋15の代わりに、当該下部開口12内に挿入される栓(以下、下栓と言う)25を設け、この下栓25により冷却室11の下部開口12を閉塞したものである。
【0055】
またこの下栓25は、周面にネジを形成したスクリュー栓であり、このネジと螺合するネジを冷却室11の下端部内面に形成することで、下栓25を冷却室11の下端部にねじ込むことが可能とした。さらにこの下栓25と冷却室11の下端開口12との間には、前記第一実施形態の下蓋と同様にパッキン17を設け、これにより冷却室11内の氷水が漏れることがないように水密構造としてある。また、下栓25の下面には、下方へ突出しかつ当該下栓下面の中央部を左右に(直径方向に)縦断するように延びるつまみ部26を設けてあり、このつまみ部26を例えば指でつまんで回すことによって下栓25を容易に回転させて下栓25を開閉することが可能である。
【0056】
さらに、図8は本実施形態のペットボトルの変形例を示すものである。この図に示すように、上記冷却室の隔壁10を波状に形成することで凹凸10aを設ければ、隔壁10の表面積、すなわち冷却室11(内部に収容した冷却剤)とボトル本体1(ボトル本体内に収容した飲料)との接触面積を増大させることが出来るから、より良好な冷却効果を得ることが出来る。他の実施形態においても同様である。
【0057】
〔第3実施形態(ペットボトル/保冷部材)〕
図9および図10は、本発明の第三の実施形態に係るペットボトルを示すものである。これらの図に示すようにこのペットボトルは、前記第一および第二の実施形態に係るペットボトルと同様にボトル本体1と上蓋3とを備え、ボトル底面からボトル本体1の内部に突出する冷却室11を有するものであるが、冷却室11内に入れる冷却剤として冷却部材31を備える。
【0058】
この冷却部材31は、冷却室11と略一致する外形形状を有する(冷却室11に挿入可能なように冷却室11の内径より略同一(若干小さな)外径寸法を有する)円筒状の冷却部材本体32と、この冷却部材本体32の下端部に設けた係合部35とからなる。冷却部材本体部32には、その内部に保冷剤33を装填してあり、当該冷却部材31を例えば冷蔵庫で冷やしておけば、冷却部材本体部32は内部に装填してある保冷剤33によって一定時間冷却された状態にある。
【0059】
一方、係合部35は、前記第二実施形態の下栓25と同様に、その外周面にネジを形成すると共に、その下面にはつまみ部36を設けてある。また本実施形態においても冷却室11の下端部内面に係合部35のネジと螺合するネジを形成する。したがって、冷却室11に保冷部材本体部32を差し込み、さらに係合部35を冷却室11の下部開口にねじ込むことによって当該保冷部材31を容易にペットボトルに装着することができ、これによりボトル本体1に収容した飲料を冷却することが出来る。
【0060】
〔第4実施形態(ペットボトル/圧縮ガス)〕
図11および図12は、本発明の第四の実施形態に係るペットボトルを示すものである。これらの図に示すようにこのペットボトルは、前記第一から第三の実施形態に係るペットボトルと同様にボトル本体1と上蓋3とを備え、ボトル本体1の中心部に冷却室11を有するものであるが、冷却剤として圧縮ガスを使用する。
【0061】
具体的には、前記第一から第三の実施形態に係るペットボトルと同様にボトル底面の中心部から当該ボトル底面を上方に突出させるようにして冷却部を形成する。この冷却部は、ボトル底面(底板4)と一体に連続してボトル底面から立ち上がる隔壁10により内部が空洞の円筒状の形状をなし、飲み口2の下部位置にまで達して上端を閉塞し、下端は開口としてある。この下部開口には、内部に圧縮ガスを充填した小型ガスボンベ41を挿入することが出来る。小型ガスボンベ41の周面にはネジを形成する一方、このネジに螺合するネジを冷却部(隔壁10)の下端部内周面に形成してあり、小型ガスボンベ41を下部開口にねじ込むことが出来る。
【0062】
また、このガスボンベ41を装着する冷却部下端部の上部には、ガスボンベ41から放出されるガスを受け入れる冷却室11を設ける。この冷却室11は、下端に小孔39を備えており、ガスボンベ41を冷却部の下部開口にねじ込むと、当該小孔39にガスボンベ41のノズル42が当接して当該小孔39を通じて冷却室11内にガスボンベ41内のガスが放出される。冷却室11内に放出された圧縮ガスは膨張し、これにより冷却室11が急速に冷却される。ガスボンベ41の下面には、回転(ねじ込み)操作をしやすいように前記下栓25と同様につまみ部43を設けてある。
【0063】
ガスボンベのノズル機構は、殺虫剤や各種スプレー製品に使用されている従来のノズル構造を適用することにより構成することが可能である。圧縮ガスの種類は特に限定されない。例えば二酸化炭素ガスや不活性ガス等を利用することが出来る。ガスボンベ41を緩めておけば(最上位置までねじ込まないで下部開口の途中位置までねじ込んでおく)、ノズル42が冷却室の小孔39に係合しないから、ボンベ内の圧縮ガスが放出されず、したがって冷却を一時中断するようなことも可能である。
【0064】
さらに本実施形態(図12)では、隔壁10の内部に冷却室11を設けてボトル本体内部(飲料)と冷却室内部(ガス)との間に2つの壁体が介在されているが、当該壁体を一枚にすること(冷却室の周壁11aは設けずに底面の壁体11bのみを設ければ良い)も可能である。このようにすれば、飲料と冷却ガスとの間の熱交換効率を向上させることが出来るから、より良好に飲料を冷却することが出来る。
【0065】
〔第5実施形態(ガラスビン/下蓋)〕
図13から図16は、本発明の第五の実施形態に係る飲料容器である飲料用のガラスビンを示すものである。本発明はペットボトルに係る前記各実施形態と同様にガラスビンに対しても適用可能であり、本実施形態はこの例に係るものである。
【0066】
具体的には、本実施形態のガラスビンは、前記第一実施形態に係るペットボトルと同様に、ビンの底をビン内に突出させるようにして隔壁10によって冷却室11を形成し、この冷却室11の下部開口を閉塞する下蓋15を設ける。これら冷却室11および下蓋15の構造は前記第一実施形態と同一であるから同一の符号を付して重複した説明を省略する。ガラスビンの全体形状は、例えば既存のビールビンや各種清涼飲料・アルコール飲料のビンと同一の形状とすることが出来る。
【0067】
〔第6実施形態(ガラスビン/下栓)〕
図17から図19は、本発明の第六の実施形態に係るガラスビンを示すものである。これらの図に示すように、ガラスビンにおいても前記第二実施形態と同様に冷却室11の下部開口を閉塞する手段として下蓋15に代え、栓25を設けることが可能である。
【0068】
〔第7実施形態(缶/下蓋)〕
図20から図23は、本発明の第七の実施形態に係る飲料容器である缶を示すものである。これらの図に示すようにこの缶はアルミニウムからなる2ピース缶であり、缶の周面を形成する周壁6と底面を形成する底板4とが連続したアルミニウム板により成形されている。さらに本実施形態の缶では、底板4に連続して缶の内部に立ち上がるように隔壁10を形成して冷却室11を構成し、この冷却室11の下部開口を閉塞する下蓋15を設ける。これら隔壁10ないし冷却室11、下蓋15の各構造は、前記第一実施形態のボトルと同様であるから、同一の符号を付して重複した説明を省略する。
【0069】
缶の全体形状は、既存の飲料缶と同様であり、上面には開栓タブ5を備えている。缶を構成する材料は、アルミニウム以外にもスチールその他の金属を使用することも可能である。さらに2ピース缶に限らず、3ピース缶であっても構わない。
【0070】
〔第8〜第10実施形態(缶/下栓・保冷部材・圧縮ガス)〕
缶容器においても、前記第二実施形態と同様に冷却室11の下部開口を閉塞する手段として栓25を使用すること(第八実施形態/図24参照)、また前記第三実施形態と同様に冷却室11に保冷部材32を装着するようにすること(第九実施形態/図25参照)、さらに冷却剤として圧縮ボンベ41に充填した圧縮ガスを使用するようにすること(第十実施形態/図26参照)がそれぞれ可能である。
【0071】
〔第11実施形態(融点降下剤添加部)〕
図27から図28は、本発明の第十一の実施形態に係る飲料容器の底面部を示すものである。前記第一実施形態の説明において冷却室11内の冷却剤(氷)に塩化ナトリウム(融点降下剤)を加えても良いことを述べたが、冷却剤に加えるこのような添加剤を予め容器に備えておくことが可能であり、その構造の一例を示すのが本実施形態である。
【0072】
具体的には、上記図27から図28に示すように冷却室11の下端に設けた下部開口12を閉塞する前記下蓋15に代え、下部開口12を閉塞する蓋体として添加剤75を備えた添加剤入りキャップ71を設ける。この添加剤入りキャップ71は、図28に示すように下部開口12を閉塞すると共に添加剤75の収納室72を形成する添加剤包装体79と、この添加剤包装体79を下部開口12に押え付けて固定する押えキャップ77と、添加剤包装体79と下部開口12との間に介在して下部開口12から水が漏れないように水密を行うパッキン78とを備えている。
【0073】
添加剤包装体79は、例えば錠剤を包装するために使用されているPTP包装(Press Through Package)と同様の構造を採ることが可能で、添加剤75を収納可能に凹んだ凹部73aと、当該凹部73aの上縁から周囲に張り出したフランジ部73bとを備えたハット状の樹脂カバー73と、前記凹部73aを閉塞するように当該樹脂カバー73の上面に貼着した非透水性フィルム(閉塞シート)74とからなり、前記樹脂カバー73の凹部73a(添加剤収納室72)に添加剤(塩化ナトリウム)75を収納する。樹脂カバー73は可撓性を有し、押圧力を加えることにより凹ませることが可能である。また、非透水性フィルム74は、例えばアルミニウムフィルムにより構成することができ、水を通さない一方で、樹脂カバー73(凹部73a)を押圧することで添加剤75によって突き破ることが可能である。
【0074】
包装体に収納する添加剤(塩化ナトリウム)75は、錠剤状に加工したものであればそのまま当該包装体79に収納して構わない。一方、添加剤が粉末または顆粒状の場合には、非透水性フィルム74を容易に突き破ることが出来るように、剛性を有するトレイ76に収納した後に包装体79に格納すれば良い。
【0075】
冷却室11の下端部外周面には螺子(雄ねじ)S2を形成してあり、押えキャップ77はこの螺子S2と螺合する螺子(雌ねじ)S1を内周面に備えている。また押えキャップ77は前記包装体79の凹部73aを通すことが可能な孔77aを底面に備えており、この孔77aに上記凹部73aを通して当該凹部73aを押えキャップ77の底面より下方へ突出させることを許容する一方で、上記包装体79のフランジ部73bを下部開口12の縁部底面に押し付け、これにより添加剤包装体79を下部開口12に固定する。
【0076】
この固定状態では、樹脂カバー73の上面に貼着した非透水性フィルム74が下部開口12に押し付けられると共に、当該非透水性フィルム74と下部開口12の縁部底面との間にパッキン78が介在され、これにより下部開口12が水密状態に閉塞される。添加剤75を冷却剤11に投入するには、容器底面から、添加剤包装体79の凹部73aを押圧し、添加剤75または剛性トレイ76によって非透水性フィルム74を突き破って冷却室11内に添加剤75を押し込めば良い。
【0077】
なお、本実施形態では、容器の底面部のみを示し、容器の上部を図示していないが、容器上部は様々な形状・材質を有するものであって良い。例えば、前記第一実施形態(図1〜図4)のようなペットボトルであっても良いし、第五実施形態(図13〜図16)のようなガラスビン、あるいは第七実施形態(図20〜図23)のような金属缶、ペットボトルのように上端に径が細くなったネック部を有する金属缶(いわゆるスタイニーボトル又はペットボトル型の金属缶ボトル)その他であっても構わない。
【0078】
〔第12実施形態(アタッチメントを備えた金属ボトル)〕
図29から図30は、本発明の第十二の実施形態に係る飲料容器を示すものである。これらの図に示すようにこの飲料容器は、ペットボトルのように容器上端の飲み口部分にネック部を備えた金属ボトル(樹脂ボトルでも良い)からなるもので、前記第一実施形態と同様に、ネック部に飲み口とこれを閉塞する上蓋3とを備え、飲料を入れるボトル本体(飲料容器本体)1の内部に容器底面から突出するように冷却室11を備えるものである。なお、上記図29ならびに後述の図31〜34は、前記図4等と同様に容器およびアタッチメントの内部構造を概念的に示すものであるが、前記図4等とは異なり、ボトルやアタッチメントの肉厚を表示せず、単なる線で示している。
【0079】
一方、この実施形態のボトルでは、ネック部に回転リング51を備える。この回転リング51は、上蓋3の直下位置に回転自在に取り付けてあり、このリング51を把持すればボトル本体1を容易に回転させることが出来る。なお、この種のボトルでは従来から上蓋3を封止するために封止リング3aが設けられており、本実施形態ではこの封止リング3aとは別に回転リング51を設けたが、例えば封止リング3aを幅広に形成して封止リング3aが当該回転リング51を兼ねるようにしたり、あるいは従来の封止リング3aに被せるように回転リング51を設けることも可能である。なおこのような構造とする場合には、ボトル1の回転操作にあたって、上蓋3を一旦開封して封止リング3a(回転リング51)が自由に回るようにすれば良い。
【0080】
さらに本実施形態では、冷却室11の下部開口12に装着可能なアタッチメント61を備える。このアタッチメント61は、冷却室11を拡張することを可能とするもので、冷却剤(図示せず)を収容する拡張室62を形成するための円筒状の本体部63と、この本体部63の上面に円筒形状をなすように突出しかつ上端に接続用の開口66を有して冷却室11と拡張室62とを連通させる接続部64とを備えている。冷却室11の下端部(下部開口12)の内周面には螺子S1を形成してあり、この螺子S1と螺合する螺子S2をアタッチメント61の接続部64の外周面に形成してある。したがって、接続部64を冷却室11(下部開口12)にねじ込むことによりアタッチメント61を下部開口12に固定することが可能である。
【0081】
また、アタッチメント61とボトル本体1との間にはパッキンPを介在させ、ボトル本体1とアタッチメント接続部64との間から水が漏れることを防ぐ。より具体的には、アタッチメント本体部63の上面の接続部64の周囲を取り囲むようにリング状のパッキンPを設けてあり、このパッキンPが上記下部開口12へのアタッチメント61のねじ込み操作に伴ってボトル本体1の底面に押し付けられるように構成すれば良い。なお、かかる水密構造はこの例のほかにも様々な方法を採ることが可能であり、この例に限定されるものではない。
【0082】
さらに、アタッチメント61の底面部には、冷却剤に加える添加剤75を予め備えておく。この添加剤75を収納する添加剤収納部71は、例えば前記第十一実施形態と同様の原理(構造)を有するものとすれば良い。具体的には、例えば図30に拡大して示すように、アタッチメント本体部63の底板に開口を設けると共に当該底板を本体部の内部に向け立ち上げて添加剤75を収容可能な空間(添加剤収納室)72を形成する。そして、この添加剤収納室72の上面を非透水性フィルム74で覆うことにより添加剤収納室72と拡張室62とを隔てる一方、当該収納室72の下面(アタッチメント本体部63の底板に形成した前記開口)を、可撓性(あるいは伸縮性)を有するシート73によって閉塞する。添加剤収納室72の内部には、錠剤状の、あるいはトレイ76に収容した顆粒又は粉末状の添加剤75を収納する。これにより、シート73を上方へ押圧することにより、収納室72内に格納した添加剤75を押し上げ、非透水性フィルム74を突き破って拡張室62内に添加剤75を送り込むが出来る。
【0083】
また、アタッチメント本体部63(拡張室62)と繋がる接続部64の下端部(本体部63との接合部)67は、全周に亘って角を丸めた(所謂アールを付けた)形状としてある。これは、拡張室62内の氷をスムーズにボトル本体1の冷却室11に送り込めるようにするためである。特に、拡張室62内に多量の四角い(立方体状の/角張った)氷を入れた場合に、この丸めた角部67によって引っかかりなく円滑に冷却室11と拡張室62との間で氷を行き来させることが出来る。
【0084】
さらにこの実施形態では、上記添加剤収納部71が拡張室62の底面中央部において台地のように(台形状に)上方に突出しており、拡張室62の底面が平坦ではない。したがって、拡張室62内に氷を入れた場合に、底面が平坦な場合と比べて氷がひと塊になり難い利点がある。拡張室62内の氷が固まって大きくなると、下部開口12(接続部64)を通過できず、冷却室11に氷を供給できなくなる事態が生じ得るが、本実施形態のアタッチメント構造によればこのような事態を防ぐことが出来る。
【0085】
さらに、図34に示すようにアタッチメント61には、その周囲に断熱材68を配しても良い。このような構造によれば、拡張室62内の氷を保冷することでより長時間に亘って飲料を冷却できると共に、アタッチメント61の外面が低温にならないから当該飲料容器を手で持ちやすくすることができ(特に融点降下剤を添加した場合にはアタッチメント61が0℃より低い低温状態となる)、使用感に優れたものとすることが出来る。なお、アタッチメント61自体を断熱性の高い材料(例えば断熱性の大きな樹脂など)により構成しても同様の効果を得ることが出来る。
【0086】
ボトルの全体形状は、前記第十一実施形態で述べたのと同様に、図示の例のほかにも様々なものであって良い。また、上記アタッチメント61は、例えば前記第二実施形態(図5)や第八実施形態(図24)の下栓25に代えて接続部64を冷却室11の下部開口12にねじ込めるようにすれば、本実施形態と同様に他のボトルや缶などに装着することが可能である。アタッチメント61は、ボトルと一緒に提供しても良いし、ボトルとは別にアタッチメント61を単独で提供しても良い。例えば、拡張室62内に氷を入れた状態で氷と共にアタッチメント61を販売することが出来る。この場合、接続部64の上端開口66は、蓋や栓を設けることにより閉塞しておけば良い。
【0087】
〔第13実施形態〕
図31は、本発明の第十三の実施形態に係る飲料容器を示すものである。この実施形態の飲料容器は、前記第十二実施形態の容器と同様に、ボトル本体1の内部に冷却室11を備え、これを拡張可能なアタッチメント61を備えるものであるが、冷却室11をボトル本体1の底面より下方に突出するように長くし、この延長部10bにアタッチメント61の接続部64を装着できるようにしたものである。前述したように、冷却室11を大きくすると冷却効率は良好となる一方でボトル本体1に入れられる飲料の量は少なくなってしまうが、本実施形態によれば冷却室11をボトル本体1の下面に突出させた延長部10bを設けることで、ボトル本体内部の容量を確保しつつ、冷却能力を向上させることが可能となる。
【0088】
なお、かかる延長部10bの創設に伴い、アタッチメント側にはアタッチメント本体部63の上面周縁から上方に立ち上がる円筒状の周壁パネル65を設けた。この周壁パネル65は、上記延長部10bならびにアタッチメント61の接続部64を覆うものであり、周壁パネル65の上縁部に、ボトル本体1の周壁下縁部と係合する嵌合機構(図示せず/例えば後述の第15実施形態(図33)と同様)を設けても良い。
【0089】
〔第14実施形態〕
図32は、本発明の第十四の実施形態に係る飲料容器を示すものである。この実施形態の飲料容器は、前記第十二ないし第十三の実施形態に係る容器と同様に、ボトル本体内部に冷却室11を備え、下部開口12を通じてこれを拡張可能なアタッチメント61を備えるものであるが、ボトル本体1とアタッチメント61との接続構造について、ボトル本体側を雄螺子S2、アタッチメント側を雌螺子S1としたものである。すなわち、ボトル本体1の底面中央部にアタッチメント接続部64を挿入する空間Sを設け、この空間S内に、冷却室11を形成する隔壁10を下方へ延長して円筒状の接続部を形成してこの接続部の外周面に螺子S2を形成する。そして、この螺子S2に螺合する螺子S1をアタッチメント側の接続部64の内周面に形成し、アタッチメント側の接続部64をボトル本体側の接続部に被せるようにねじ込むことでボトル本体1とアタッチメント61とを接続するようにした。
【0090】
〔第15実施形態〕
図33は、本発明の第十五の実施形態に係る飲料容器を示すものである。この実施形態の飲料容器は、前記第十二から第十四の実施形態に係る容器と同様に、ボトル本体内部に冷却室11を備え、下部開口12を通じてこれを拡張可能なアタッチメント61を備えるものであるが、ボトル本体1の外周から当該ボトル本体1の外径と略同一の(ボトル本体1の外径に比べ若干小さな)外径を有して下方へ延びる円筒状のスカート部69を備え、アタッチメント61は有底無蓋の円筒カップ状の形状を呈して前記スカート部69に被せるように嵌合する。
【0091】
また、ボトル本体1の下縁部外周面と、アタッチメント61の上縁部内面とにはそれぞれ、互いに嵌合する嵌合機構(例えば溝と突起、あるいは雄螺子と雌螺子など)S3を設けてある。さらに、スカート部69の下縁部外周面と、アタッチメント61の側壁下端部の内面とにはそれぞれ、互いに螺合する螺子S2,S1を設けてあり、アタッチメント61をスカート部69に被せてねじ込むことでアタッチメント61をスカート部69に固定できるようにしてある。
【0092】
また、拡張室62の底面周縁(アタッチメント61の底板上面の周縁部)には、リング状のパッキンPを設けてあり、上記螺子S2,S1を螺合させてアタッチメント61をスカート部69に装着した場合に、スカート部69の下端がこのパッキンPに当接することにより水密状態となり、拡張室62内の水が外部に漏れ出すことを防ぐことが出来る。
【0093】
本実施形態は特にこの使用例に限定されるものではないが、例えばファーストフード店やアミューズメントパークその他様々な店舗において、店頭でスタッフ(店員)が容器を逆さに持ってスカート部69ならびに冷却室11に氷を装填した後、アタッチメント61を蓋をするようにスカート部69に被せて装着し、顧客に冷たい飲料を提供するような使用態様を採ることが出来る。
【0094】
〔第16実施形態(融点降下剤添加部の変形例)〕
図35から図38は、前記第十一実施形態の変形例(第十六実施形態)に係る飲料容器の底面部を示すもので、この実施形態は、冷却室11に投入可能に添加剤75を飲料容器に備える構造に係るものである。具体的には、上記図35から図38に示すようにこの実施形態では、前記第十一実施形態と同様に、添加剤入りキャップ81が、冷却室11の下端開口部にねじ込むことが出来る押えキャップ77を備え、破断可能な非透水性フィルム74とパッキン78とにより下部開口12を水密状態に閉塞する。
【0095】
しかしながら、この実施形態では、前記樹脂カバー73並びにトレイ76に代えて、添加剤75を収納する凹部83aを半球状に形成した樹脂カバー83と、この樹脂カバー83の内部に丁度納まる半球状のトレイ86とを設け、この半球状のトレイ86の中に添加剤75を格納した。半球状トレイ86は、樹脂カバー83の一端部において、トレイ86の外面から左右に水平に張り出す支持軸86cと、樹脂カバー83のフランジ部83bの上面に形成したこれら支持軸86cを受け入れる軸受溝83cとにより支持され、当該支持軸86cを中心として上方に(冷却室11内に向け)回動することが出来る。
【0096】
また、これら支持軸86cを設けたトレイ86の一端部には、トレイ86の中心に向け水平に張り出す破断刃86aを設けてある。この破断刃86aは、先端が鋭角に尖った扇形の平面形状を有しており(図36参照)、樹脂カバー83の凹部83aを凹ませてトレイ86を回動させたときに当該トレイ86と共に回動し、その先端が非透水性フィルム74を突き破る(図38参照)。これにより、トレイ74内に格納した添加剤75を冷却室11内に投入することが可能である。なお、トレイ86自体は、上記支持軸86cにより樹脂カバー83に支持されているから、冷却室11内に投入されることはない。また切断刃86aは、トレイ86に固定せず、非透水性フィルム74の下面に配置してトレイ86の回動操作に伴って同様に回動してフィルム74を破るようにしておいても良い。
【0097】
本実施形態に係る添加剤添加部81は、前記第十一実施形態と同様に、前述した各アタッチメント61に対しても適用することが可能である。
【0098】
〔各実施形態に共通の付加的な構成〕
前記各実施形態ならびに本発明に係る飲料容器ないしアタッチメントでは、例えば次のような構成を付加することが出来る。
【0099】
(1) ボトル本体部およびアタッチメントのいずれか一方または双方を透明にし、あるいは透明の窓を設ける。特にアタッチメントを透明にし又は透明部を設けることで、内部に氷が充填されていることが外部からも視認することができ、視覚的にも飲料が冷えていることを顧客に印象付けることが出来る。
(2) アタッチメントないしボトル本体の外周面には、当該飲料容器ないしアタッチメントの使用方法の説明・注意書き・アタッチメントの装着方向を示す矢印表示・広告その他の表示を行うことが出来る。
(3) 一定の温度以下、又は一定の温度以上になったことを表示する表示部をボトル本体やアタッチメントの外面に設ける。例えば、感温物質を利用してボトル内部ないしアタッチメント内部の温度に対応した表示を、特定のサインや色彩変化等により行うことが出来る。
【0100】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明はこれらに限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。
【0101】
例えば、容器を構成する材料は実施形態以外の材料を使用することも可能である。形状についても同様に他の形状としても構わない。ペットボトルに係る実施形態(第一から第四実施形態)では、横断面が略正方形の角型ボトルを構成したが、他のボトル形状とすることも勿論可能で、例えば横断面が円形の丸型ボトルや、横断面が長方形の直方体型ボトル、円柱型のボトル、串団子状・ダイヤモンドカット形・くびれた竹筒の形などの特殊形状のボトル等、様々な形状を採用することが出来る。ボトルの大きさ・容量についても特に限定されない。上部開口を閉塞する容器蓋体の形状や閉塞構造(スクリュー式か嵌合式かかしめて装着するタイプか等)についても様々なものとして良い。
【0102】
また前記各実施形態では、冷却ないし保冷用の容器を想定したが、例えば冷却室に湯を入れることにより加温・保温用の容器とすることも可能である。また、透明あるいは半透明の容器および冷却室を構成できる前記ペットボトルないしガラスビンにおいては、例えば下蓋あるいは下栓にLED(および電池)を設け、冷却室内を照明できるようにしても良く、このような容器構造によれば、従来にない斬新なデザインの飲料容器を構成することが出来る。また、下部開口から(下蓋を貫通して)冷却室内に伸びる棒状の部材を設け、この棒状部材により冷却室内の冷却剤を攪拌することが出来るようにしても良い。
【0103】
さらに、実施形態に示した以外の飲料容器、例えば紙製容器(紙パック)についても、前記実施形態と同様の冷却部を設けて容器内に収容した飲料を冷却できるようにすることが可能である。
【0104】
また冷温剤に混合する添加剤は、塩化ナトリウム以外の融点降下剤であっても良いし、冷温剤が飲料を温めるものであれば、当該冷温剤の温度を高める物質(例えば発熱剤)であっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の第一の実施形態に係る飲料容器(ペットボトル)を示す正面図である。
【図2】前記第一実施形態に係るペットボトルを示す平面図である。
【図3】前記第一実施形態に係るペットボトルを示す底面図である。
【図4】前記第一実施形態に係るペットボトルを示す縦断面図である。
【図5】本発明の第二の実施形態に係る飲料容器(ペットボトル)を示す正面図である。
【図6】前記第二実施形態に係るペットボトルを示す底面図である。
【図7】前記第二実施形態に係るペットボトルを示す縦断面図である。
【図8】前記第二実施形態に係るペットボトルの変形例を示す縦断面図である。
【図9】本発明の第三の実施形態に係る飲料容器(ペットボトル)を示す正面図である。
【図10】前記第三実施形態に係るペットボトルを示す縦断面図である。
【図11】本発明の第四の実施形態に係る飲料容器(ペットボトル)を示す正面図である。
【図12】前記第四実施形態に係るペットボトルを示す縦断面図である。
【図13】本発明の第五の実施形態に係る飲料容器(ガラスビン)を示す正面図である。
【図14】前記第五実施形態に係るガラスビンを示す平面図である。
【図15】前記第五実施形態に係るガラスビンを示す底面図である。
【図16】前記第五実施形態に係るガラスビンを示す縦断面図である。
【図17】本発明の第六の実施形態に係る飲料容器(ガラスビン)を示す正面図である。
【図18】前記第六実施形態に係るガラスビンを示す底面図である。
【図19】前記第六実施形態に係るガラスビンを示す縦断面図である。
【図20】本発明の第七の実施形態に係る飲料容器(缶)を示す正面図である。
【図21】前記第七実施形態に係る缶を示す平面図である。
【図22】前記第七実施形態に係る缶を示す底面図である。
【図23】前記第七実施形態に係る缶を示す縦断面図である。
【図24】本発明の第八の実施形態に係る飲料容器(缶)を示す縦断面図である。
【図25】本発明の第九の実施形態に係る飲料容器(缶)を示す縦断面図である。
【図26】本発明の第十の実施形態に係る飲料容器(缶)を示す縦断面図である。
【図27】本発明の第十一の実施形態に係る飲料容器の底面部を示す縦断面図である。
【図28】前記第十一実施形態に係る飲料容器の底面部を底面側から見た状態を示す分解斜視図である。
【図29】本発明の第十二の実施形態に係る飲料容器を示す概念図であり、(a)はアタッチメントを装着する前の状態を示し、(b)はアタッチメントを装着した後の状態を示す。
【図30】前記第十二実施形態に係る飲料容器のアタッチメントの底面部(融点降下剤収納部)を拡大して示す縦断面図である。
【図31】本発明の第十三の実施形態に係る飲料容器を示す概念図であり、(a)はアタッチメントを装着する前の状態を示し、(b)はアタッチメントを装着した後の状態を示す。
【図32】本発明の第十四の実施形態に係る飲料容器を示す概念図であり、(a)はアタッチメントを装着する前の状態を示し、(b)はアタッチメントを装着した後の状態を示す。
【図33】本発明の第十五の実施形態に係る飲料容器を示す概念図であり、(a)はアタッチメントを装着する前の状態を示し、(b)はアタッチメントを装着した後の状態を示す。
【図34】前記第十二実施形態におけるアタッチメントの変形例を示す概念図である。
【図35】本発明の第十六の実施形態(前記第十一実施形態の変形例)に係る飲料容器の底面部を底面側から見た状態を示す分解斜視図である。
【図36】前記第十六実施形態に係る飲料容器の半球状トレイおよび樹脂カバーを裏面側(上面側/冷却室内部側)から見た平面図である。
【図37】前記第十六実施形態に係る飲料容器の底面部(添加剤を加える前の状態)を示す縦断面図である。
【図38】前記第十六実施形態に係る飲料容器の底面部(添加剤を加えた状態)を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0106】
1 ボトル本体(飲料容器本体)
2 飲み口
3 上蓋
3a 封止リング
4 ボトル本体(飲料容器本体)底板
10 隔壁
10a 凹凸
10b 冷却室の延長部
11 冷却室
12 下部開口
15 下蓋
17,78,P パッキン
25 下栓
31 冷却部材
41 圧縮ガスボンベ
51 回転リング
61 アタッチメント
62 拡張室
63 アタッチメント本体部
64 アタッチメント接続部
65 円筒状周壁パネル
66 接続開口
67 角部(アタッチメント本体部とアタッチメント接続部との接合部)
69 円筒状スカート部
71,81 添加剤収納部
72 添加剤収納室
73,83 樹脂カバー(可撓性シート)
73a,83a 凹部
73b,83b フランジ部
74 非透水性フィルム
75 添加剤(融点降下剤/塩化ナトリウム)
76,86 剛性(樹脂)トレイ
77 押えキャップ
79 添加剤包装体
83c 軸受溝
86a 破断刃
86c 支持軸
S1 雌ねじ
S2 雄ねじ
S3 嵌合機構
S 空間(アタッチメント接続部の受入部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
飲料を取り出す上部開口を有し内部に飲料を収容可能な容器本体部と、
前記上部開口を閉塞する容器蓋体と、
を備えた飲料容器であって、
前記容器本体部の底面側から前記容器本体部の内部に突出するように形成されかつ冷温剤を収納可能な冷温剤収納部を備えた
ことを特徴とする飲料容器。
【請求項2】
前記冷温剤収納部は、
上端が閉塞される一方、前記容器本体部の底面部に開口して前記冷温剤を装填することを可能とする下部開口を下端に有する冷温剤収納室と、
前記下部開口を閉塞する下部蓋体と、
を備える請求項1に記載の飲料容器。
【請求項3】
前記下部蓋体は、前記下部開口と対向して当該下部開口を塞ぐ底板部を備え、
この底板部が、可撓性を有すると共に、下方に膨らむように湾曲しており、
当該底板部を冷温剤収納室内へ向け押圧することにより凹ませることが出来る一方、当該押圧力を取り除くことにより元位置に復帰可能である
請求項2に記載の飲料容器。
【請求項4】
前記下部蓋体は、
前記下部開口を閉塞する一方、破断可能である閉塞シートと、
この閉塞シートの下部に形成されかつ前記冷温剤収納室に装填される冷温剤への添加剤を収納可能な添加剤収納室と、
を備え、
前記閉塞シートを破断することにより前記冷却剤収納室内に装填された冷温剤に対して前記添加剤を混合することを可能とした
請求項2に記載の飲料容器。
【請求項5】
前記添加剤収納室を形成する底板部が可撓性を有し、
当該底板部を押圧して変形させることにより前記閉塞シートを破断可能とした
請求項4に記載の飲料容器。
【請求項6】
前記添加剤収納室に、融点降下剤を収納した
請求項4または5に記載の飲料容器。
【請求項7】
前記融点降下剤は、塩化ナトリウムを主成分とするものである
請求項6に記載の飲料容器。
【請求項8】
前記融点降下剤は、錠剤または水溶性カプセルに装填されたものである
請求項6または7に記載の飲料容器。
【請求項9】
前記融点降下剤は、顆粒または粉末であり、
前記閉塞シートを破断可能な剛性を有するトレイを前記添加剤収納室に配し、このトレイに前記融点降下剤を収納した
請求項6または7に記載の飲料容器。
【請求項10】
前記トレイは、
前記添加剤収納室の一端部において支持軸により回動自在に支持されており、
前記底板部を押圧して変形させると前記支持軸を中心として回動し、これにより前記閉塞シートを破断する
請求項9に記載の飲料容器。
【請求項11】
前記トレイの上面部に、前記支持軸が設けられたトレイの一端部からトレイの略中心部に向け略水平に張り出すシート破断刃を備え、
これにより、前記支持軸を中心とした前記トレイの回動動作に伴い、前記シート破断刃が前記閉塞シートを破断する
請求項10に記載の飲料容器。
【請求項12】
前記シート破断刃は、前記トレイの中心部に向け先端が尖った略扇型の平面形状を有する
請求項11に記載の飲料容器。
【請求項13】
前記冷温剤収納部は、
上端が閉塞される一方、前記容器本体部の底面部に開口して前記冷温剤を装填することを可能とする下部開口を下端に有する冷温剤収納室と、
前記下部開口を閉塞する下部栓体と、
を備える請求項1に記載の飲料容器。
【請求項14】
前記冷温剤収納室の内部空間に略一致する形状を有する保冷剤本体部と、この保冷剤本体部の下部に配されかつ前記下部開口に係止可能な係止部とを有する保冷剤
をさらに備えた請求項1に記載の飲料容器。
【請求項15】
前記冷温剤収納室は、前記容器本体部と一体成形により形成されている
請求項2から13のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項16】
前記冷温剤収納室は、前記上部開口に達しない範囲で前記容器本体部の2分の1以上の高さを有する
請求項2から15のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項17】
前記冷温剤収納室の側壁に、容器本体部に収容された飲料との熱交換効率を高める凹凸を備えた
請求項2から16のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項18】
前記容器本体部および前記冷温剤収納室は樹脂材料からなり、かつ
前記容器本体部がペットボトルと略同一の外形を有する
請求項2から17のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項19】
前記容器本体部および前記冷温剤収納室は金属材料からなり、かつ
前記容器本体部が飲料缶と略同一の外形を有する
請求項2から17のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項20】
前記容器本体部および前記冷温剤収納室はガラス材料からなり、かつ
前記容器本体部が飲料ビンと略同一の外形を有する
請求項2から17のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項21】
前記容器本体部の上端部に、前記上部開口を備えかつ径が細くなったネック部を有し、
このネック部に、前記容器本体部と相対回転可能に配した回転リングを備え、
この回転リングを把持することにより、当該飲料容器を回転自在に支持可能とした
請求項2から20のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項22】
前記回転リングは、前記容器蓋体より外径が大きく、前記容器蓋体の外周面より外方へ張り出している
請求項21に記載の飲料容器。
【請求項23】
前記回転リングが、前記容器蓋体を封止する封止リングを兼ねる
請求項21または22に記載の飲料容器。
【請求項24】
飲料を取り出す上部開口を有し内部に飲料を収容可能な容器本体部と、
前記上部開口を閉塞する容器蓋体と、
を備えた飲料容器であって、
前記容器本体部の底面側から前記容器本体部の内部に突出するように形成されかつ冷却剤を収納可能な冷却剤収納部をさらに備え、
当該冷却剤収納部は、
前記容器本体部の底面部に下部開口を備えて当該下部開口から、圧縮ガスが充填されたガスボンベを格納可能なボンベ格納部と、
このボンベ格納部の上部に配置されて上端が閉塞される一方、前記ボンベ収納部に格納されたガスボンベに連通可能なガス導入口を下端部に備え、かつこのガス導入口を通じて前記ガスボンベからのガスを内部に導入可能な冷却室と、
を備えた飲料容器。
【請求項25】
前記冷却室は、前記上部開口に達しない範囲で前記容器本体部の2分の1以上の高さを有する
請求項24に記載の飲料容器。
【請求項26】
前記冷却室の側壁に、容器本体部に収容された飲料との熱交換効率を高める凹凸を備えた
請求項24または25に記載の飲料容器。
【請求項27】
前記容器本体部および前記冷却室は樹脂材料からなり、かつ
前記容器本体部がペットボトルと略同一の外形を有する
請求項24から26のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項28】
前記容器本体部および前記冷却室は金属材料からなり、かつ
前記容器本体部が飲料缶と略同一の外形を有する
請求項24から26のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項29】
前記容器本体部および前記冷却室はガラス材料からなり、かつ
前記容器本体部が飲料ビンと略同一の外形を有する
請求項24から26のいずれか一項に記載の飲料容器。
【請求項30】
飲料を取り出す上部開口を有し内部に飲料を収容可能な容器本体部と、前記上部開口を閉塞する容器蓋体と、冷温剤を内部に収納可能でかつ前記容器本体部の底面側から前記容器本体部の内部に突出するように形成されかつ上端が閉塞されかつ前記容器本体部の底面部に開口して前記冷温剤を装填することを可能とする下部開口を下端に有する冷温剤収納室とを備える飲料容器の、底面部に装着して前記冷温剤収納室を拡張する飲料容器用アタッチメントであって、
前記飲料容器の底面部に係合して当該アタッチメントを前記飲料容器に支持可能とする係合手段と、
内部に冷温剤を装填可能でかつ前記下部開口を通じて前記冷温剤収納室と連通する拡張室と、
を備えたことを特徴とする飲料容器用アタッチメント。
【請求項31】
前記飲料容器の下部開口部に螺子が形成されており、
前記係合手段は、当該下部開口部の螺子に螺合可能な螺子を備える
請求項30に記載の飲料容器用アタッチメント。
【請求項32】
前記拡張室内に装填される冷温剤へ添加する添加剤を収納可能な添加剤収納室をさらに備え、
この添加剤収納室内に収納された添加剤を、前記拡張室内に装填された冷温剤に対して混合することを可能とした
請求項30または31に記載の飲料容器用アタッチメント。
【請求項33】
前記添加剤収納室は、
当該アタッチメントの底面部に備えられ、
当該添加剤収納室と前記拡張室とを隔てる破断可能な閉塞シートを上面部に備える一方、
可撓性を有する底板部を当該アタッチメントの底面に備え、
前記底板部を押圧して変形させることにより前記閉塞シートを破断可能とした
請求項32に記載の飲料容器用アタッチメント。
【請求項34】
前記添加剤収納室に、融点降下剤を収納した
請求項32または33に記載の飲料容器用アタッチメント。
【請求項35】
前記融点降下剤は、塩化ナトリウムを主成分とするものである
請求項34に記載の飲料容器用アタッチメント。
【請求項36】
前記融点降下剤は、錠剤または水溶性カプセルに装填されたものである
請求項34または35に記載の飲料容器用アタッチメント。
【請求項37】
前記融点降下剤は、顆粒または粉末であり、
前記閉塞シートを破断可能な剛性を有するトレイを前記添加剤収納室に配し、このトレイに前記融点降下剤を収納した
請求項34または35に記載の飲料容器用アタッチメント。
【請求項38】
前記拡張室の外周面に断熱材を備えた
請求項30から37のいずれか一項に記載の飲料容器用アタッチメント。
【請求項39】
飲料を取り出す上部開口を有し内部に飲料を収容可能な容器本体部と、前記上部開口を閉塞する容器蓋体と、冷温剤を内部に収納可能でかつ前記容器本体部の底面側から前記容器本体部の内部に突出するように形成されかつ上端が閉塞されかつ前記容器本体部の底面部に開口して前記冷温剤を装填することを可能とする下部開口を下端に有する冷温剤収納室とを備える飲料容器と、
前記請求項30から38のいずれか一項に記載の飲料容器用アタッチメントと、
を備えた飲料容器。
【請求項40】
請求項1から29、および請求項39のうちのいずれか一項に記載の飲料容器の容器本体部に飲料を収納した容器入り飲料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【公開番号】特開2008−239246(P2008−239246A)
【公開日】平成20年10月9日(2008.10.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−114165(P2007−114165)
【出願日】平成19年4月24日(2007.4.24)
【出願人】(502454857)
【Fターム(参考)】